1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (ペイストリー)では チェックメイトです。 2 00:00:04,004 --> 00:00:06,506 (ストルーデル)んっ んん…。 3 00:00:06,506 --> 00:00:09,843 《がきだと思って 油断した。 4 00:00:09,843 --> 00:00:13,847 倒れた剣を使って 縄を切り➡ 5 00:00:13,847 --> 00:00:16,683 部下を 一瞬で倒しやがった》 6 00:00:16,683 --> 00:00:20,354 んっ…。 フッ…。 (喚声) 7 00:00:20,354 --> 00:00:24,691 (喚声) 8 00:00:24,691 --> 00:00:28,195 (アーマイア)こっ… これは…。 9 00:00:28,195 --> 00:00:32,199 (カセロール)これより突入する! ねずみ1匹 逃がすな! 10 00:00:32,199 --> 00:00:34,201 (一同)うお~! 11 00:00:34,201 --> 00:00:36,203 続け~! 12 00:00:39,039 --> 00:00:41,875 <ペイストリー:これは 天才と言われながら➡ 13 00:00:41,875 --> 00:00:44,378 志半ばで命を落とし➡ 14 00:00:44,378 --> 00:00:48,382 異世界の貧乏貴族の息子として 転生した パティシエが➡ 15 00:00:48,382 --> 00:00:52,386 お菓子と笑顔で 満ちあふれた世界を目指す➡ 16 00:00:52,386 --> 00:00:55,055 厳しくも 甘~い 甘い➡ 17 00:00:55,055 --> 00:00:58,058 スイーツな物語である。 18 00:00:58,058 --> 00:00:59,993 彼の夢➡ 19 00:00:59,993 --> 00:01:05,098 それは 世界で1つの お菓子の国を作ること> 20 00:02:47,534 --> 00:02:50,203 いたぞ! 逃がすな! 捕まえろ! 21 00:02:50,203 --> 00:02:53,040 (騒ぎ声) 22 00:02:53,040 --> 00:02:55,208 (リコリス)ペイストリー様…。 23 00:02:55,208 --> 00:02:58,211 大丈夫です。 救援が来ました。 24 00:03:00,147 --> 00:03:03,483 まずい まずいね。 25 00:03:03,483 --> 00:03:07,654 どうやら ここは 退散するしかなさそうだ。 26 00:03:07,654 --> 00:03:11,324 そう簡単に 逃がすと思いますか? 27 00:03:11,324 --> 00:03:13,326 フン…。 28 00:03:13,326 --> 00:03:17,164 ペイス! (グラサージュ)ペイス様 ご無事ですか? 29 00:03:17,164 --> 00:03:19,100 僕は 大丈夫です リコリス様を。 30 00:03:19,100 --> 00:03:22,002 グラサージュ! はっ! 31 00:03:24,337 --> 00:03:26,339 んっ…。 32 00:03:29,342 --> 00:03:32,679 《形勢不利か。 33 00:03:32,679 --> 00:03:36,349 監禁するために いちばん 逃げづらい部屋を選んだのが➡ 34 00:03:36,349 --> 00:03:39,019 あだになったか》 35 00:03:39,019 --> 00:03:41,354 もう 逃げ道は ありませんよ! 36 00:03:41,354 --> 00:03:45,025 フッ… 道がないなら 作るまでよ! 37 00:03:45,025 --> 00:03:47,194 フッ! あっ…。 38 00:03:47,194 --> 00:03:50,197 うっ! 魔法! 39 00:03:50,197 --> 00:03:52,199 あばよ。 40 00:03:52,199 --> 00:03:54,201 待て! あっ…。 よせ ペイス! 41 00:03:54,201 --> 00:03:58,038 くっ…。 (カセロール)深追いするな。 42 00:03:58,038 --> 00:04:00,040 わかりました。 43 00:04:02,976 --> 00:04:06,480 全く… うちの息子は…。 あっ。 44 00:04:06,480 --> 00:04:09,483 心配をかけさせる。 45 00:04:09,483 --> 00:04:11,485 すみません。 46 00:04:15,322 --> 00:04:17,824 2人とも 無事でよかった。 47 00:04:17,824 --> 00:04:19,826 はい。 48 00:04:19,826 --> 00:04:22,829 あっ ペイス…。 (シイツ)坊! あっ。 49 00:04:22,829 --> 00:04:25,499 んっ? 大丈夫か? 50 00:04:25,499 --> 00:04:29,002 おおっ リコリス様! ご無事で何より。 51 00:04:29,002 --> 00:04:31,004 (カセロール/ペイストリー)あっ…。 52 00:04:31,004 --> 00:04:34,508 カドレチェク家 フバーレク家の 従士の方々です。 53 00:04:34,508 --> 00:04:36,510 リコリス様! 54 00:04:39,346 --> 00:04:42,015 おけがは? いえ どこも。 55 00:04:42,015 --> 00:04:45,018 急ぎ 父君の所へ お送りするように。 56 00:04:45,018 --> 00:04:47,020 はっ! あっ ハッ…。 57 00:04:47,020 --> 00:04:49,022 では 失礼いたします! 58 00:04:52,526 --> 00:04:54,528 フッ…。 59 00:04:56,530 --> 00:04:58,698 それで 首謀者は? 60 00:04:58,698 --> 00:05:03,470 (シイツ)ルハインゴ=アーマイア公爵と 名乗る男を捕らえました。 61 00:05:03,470 --> 00:05:06,640 裏口から 逃げようとしていましたんでね。 62 00:05:06,640 --> 00:05:08,808 アーマイア家か。 63 00:05:08,808 --> 00:05:10,977 20年前の大戦のとき➡ 64 00:05:10,977 --> 00:05:13,480 粛正され 取り潰されたんだったな。 65 00:05:13,480 --> 00:05:17,984 ええ。 敵国と内通の疑惑が あったんでしたよね。 66 00:05:17,984 --> 00:05:20,820 (カセロール)わかるな ペイス。 67 00:05:20,820 --> 00:05:23,824 領主の行動1つで 一族の運命が➡ 68 00:05:23,824 --> 00:05:26,493 大きく 変わってしまうことがある➡ 69 00:05:26,493 --> 00:05:29,329 ということだ。 はい。 70 00:05:29,329 --> 00:05:31,331 モルテールン卿。 (3人)んっ? 71 00:05:31,331 --> 00:05:36,670 公爵が 事のあらましを聞きたいと 屋敷にて お待ちです。 72 00:05:36,670 --> 00:05:38,672 こちらの馬車にて ご同行を。 73 00:05:41,341 --> 00:05:44,678 そうだ! 残党を 始末してこなければならん。 74 00:05:44,678 --> 00:05:48,181 シイツ 報告は任せた! えっ? ちょっ…。 75 00:05:48,181 --> 00:05:50,684 相手は 魔法を使って 逃げましたからね。 76 00:05:50,684 --> 00:05:53,019 追いかけられるのは 僕たちだけです。 77 00:05:53,019 --> 00:05:55,522 うん! 行くぞ ペイス! はっ! 78 00:05:55,522 --> 00:05:58,325 あっ… ちょっと~! 79 00:06:00,293 --> 00:06:03,797 さて どこに逃げたか あの男。 80 00:06:08,134 --> 00:06:10,136 どうした? 81 00:06:10,136 --> 00:06:13,807 あの状況から どうやって 逃げおおせたのでしょう? 82 00:06:13,807 --> 00:06:17,477 さっき 穴に近づいたとき➡ 83 00:06:17,477 --> 00:06:21,815 魔法発動時の力が あまり感じられませんでした。 84 00:06:21,815 --> 00:06:26,152 魔力が そう多く 残ってはいなかった➡ 85 00:06:26,152 --> 00:06:28,655 ということか? んっ…。 86 00:06:28,655 --> 00:06:31,324 穴を掘って 逃げたとしても➡ 87 00:06:31,324 --> 00:06:34,995 遠くに逃げられるほどの力は なかったはず。 88 00:06:34,995 --> 00:06:38,665 周りは こちらの手勢で囲まれていた。 89 00:06:38,665 --> 00:06:42,502 見つからず 逃げることなど 可能でしょうか? 90 00:06:42,502 --> 00:06:45,839 あっ! (2人)ハッ…。 91 00:06:45,839 --> 00:06:48,174 んっ! 92 00:06:48,174 --> 00:06:53,513 逃げるに逃げられないが 窮地を脱する方法となれば…。 93 00:06:53,513 --> 00:06:57,183 (ストルーデル)逃げたように見せかけて やり過ごし➡ 94 00:06:57,183 --> 00:07:01,621 敵が引き揚げたあとに ゆっくり逃げる➡ 95 00:07:01,621 --> 00:07:04,624 と考えるわけだ。 96 00:07:04,624 --> 00:07:07,794 お見事。 よく見破ったな。 97 00:07:07,794 --> 00:07:09,796 ハァ…。 98 00:07:09,796 --> 00:07:14,634 こうなりゃ てめえら ぶっ殺して 逃げるしかなさそうだな。 99 00:07:14,634 --> 00:07:16,636 くっ… あっ。 100 00:07:16,636 --> 00:07:19,973 この者とは 僕が 決着をつけます。 101 00:07:19,973 --> 00:07:23,276 ハハッ 言ってくれるね。 102 00:07:25,478 --> 00:07:28,815 我が名は ペイストリー=ミル=モルテールン。 103 00:07:28,815 --> 00:07:30,817 あなたの名は? 104 00:07:30,817 --> 00:07:34,654 フン! 家名なんざ とうの昔に捨てたわ! 105 00:07:34,654 --> 00:07:37,824 ストルーデルとだけ 名乗っておく。 106 00:07:37,824 --> 00:07:41,161 《ストルーデル:このがきが 一騎打ちを 所望してくれたのは➡ 107 00:07:41,161 --> 00:07:43,330 好都合だ。 108 00:07:43,330 --> 00:07:47,667 多少 猿知恵が回ったところで 所詮は 子ども。 109 00:07:47,667 --> 00:07:50,337 うまく組み敷いて 人質に取れば➡ 110 00:07:50,337 --> 00:07:53,039 突破口が開けるかもしれねえ》 111 00:07:55,008 --> 00:07:59,012 うっ! 悪く思うな がき! 112 00:07:59,012 --> 00:08:01,948 《まずい! 完璧な太刀筋!》 113 00:08:01,948 --> 00:08:04,117 フッ! 114 00:08:04,117 --> 00:08:06,119 なっ… 何!? 115 00:08:06,119 --> 00:08:08,288 フッ! ぐおっ! 116 00:08:08,288 --> 00:08:10,623 おおっ! 117 00:08:10,623 --> 00:08:13,460 あっ… ああ…。 118 00:08:13,460 --> 00:08:17,797 うっ… てめえ 何か 細工を…。 119 00:08:17,797 --> 00:08:19,799 忠告しておきます。 120 00:08:19,799 --> 00:08:24,304 戦場において 己の得物からは 目を離さないことです。 121 00:08:24,304 --> 00:08:26,973 ああ…。 122 00:08:26,973 --> 00:08:28,975 ペイス 見事だ。 123 00:08:33,980 --> 00:08:37,984 んっ? この剣 もしや…。 124 00:08:37,984 --> 00:08:39,986 はい。 125 00:08:42,989 --> 00:08:44,991 ((《転写!》)) 126 00:08:47,994 --> 00:08:51,164 なるほどな。 折れる剣を 相手に持たせて➡ 127 00:08:51,164 --> 00:08:54,000 一騎打ちに誘うとはな。 128 00:08:54,000 --> 00:08:58,338 肝を冷やしたぞ。 ずる賢いやつめ。 129 00:08:58,338 --> 00:09:01,274 頭がキレるって言ってください。 130 00:09:01,274 --> 00:09:04,444 《それにしても➡ 131 00:09:04,444 --> 00:09:06,946 こんなことじゃ➡ 132 00:09:06,946 --> 00:09:10,950 お菓子の国を作るなんて いつになるんだろう?》 133 00:09:20,293 --> 00:09:22,295 <ペイストリー:その1か月後➡ 134 00:09:22,295 --> 00:09:24,297 スクヮーレ殿とペトラ様の➡ 135 00:09:24,297 --> 00:09:28,501 正式な婚約披露宴が 王都の城内で 開かれた> 136 00:09:31,805 --> 00:09:35,308 (ペトラ)ありがとうございます。 (ペイストリー)ペトラ様 お幸せそうですね。 137 00:09:35,308 --> 00:09:38,978 内々の披露のときは とんだ騒ぎが起きたがな。 138 00:09:38,978 --> 00:09:42,315 (カドレチェク)お~ モルテールン卿。 (ペイストリー/カセロール)んっ? 139 00:09:42,315 --> 00:09:44,984 ここにおられたか。 140 00:09:44,984 --> 00:09:49,155 カドレチェク公爵 この度は おめでとうございます。 141 00:09:49,155 --> 00:09:52,325 ご招待いただき 感謝の言葉もございません。 142 00:09:52,325 --> 00:09:55,495 いやいや 礼を言うのは わしのほうだ。 143 00:09:55,495 --> 00:10:00,166 先日の騒ぎ お2人のおかげで 大事に至らずに済んだ。 144 00:10:00,166 --> 00:10:02,335 ペイストリー卿。 あっ…。 145 00:10:02,335 --> 00:10:05,505 義理の孫となる リコリス嬢を 守っていただき➡ 146 00:10:05,505 --> 00:10:07,841 感謝いたしてますぞ。 147 00:10:07,841 --> 00:10:10,677 騎士として 当然の務めなれば。 148 00:10:10,677 --> 00:10:13,680 スクヮーレ殿は ご立派ですな。 149 00:10:13,680 --> 00:10:17,183 いや~ 緊張で がちがちですわい。 150 00:10:17,183 --> 00:10:19,853 なんせ 見せ物のように扱われたうえ➡ 151 00:10:19,853 --> 00:10:24,357 一目ぼれの女性が 将来の妻として 隣にいるのですからな。 152 00:10:24,357 --> 00:10:29,028 いえ スクヮーレ殿は 十分に りりしく 立派でおられます。 153 00:10:29,028 --> 00:10:32,365 婚約したうえは もう少し頼りがいのある男に➡ 154 00:10:32,365 --> 00:10:35,368 なってほしいと思うのだが➡ 155 00:10:35,368 --> 00:10:38,872 武勲確かな貴殿に 立派と言われるなら➡ 156 00:10:38,872 --> 00:10:42,375 わしも 孫を見直さねばならんな。 157 00:10:42,375 --> 00:10:45,378 礼を言うぞ ペイストリー卿。 158 00:10:45,378 --> 00:10:48,381 恐縮の次第。 159 00:10:48,381 --> 00:10:50,884 ところで 閣下。 んっ? 160 00:10:50,884 --> 00:10:54,721 この機会に 1つ ご確認したいことがあるのですが。 161 00:10:54,721 --> 00:10:56,723 ほう? 162 00:10:56,723 --> 00:11:01,828 先日の誘拐騒ぎ 奇妙な点があり 気になっておりまして…。 163 00:11:01,828 --> 00:11:04,163 (カドレチェク)奇妙な点? はい。 164 00:11:04,163 --> 00:11:09,335 賊の 手際のよさ 根城を 複数 用意する周到さなど➡ 165 00:11:09,335 --> 00:11:11,838 非常に練られたものに思える 反面➡ 166 00:11:11,838 --> 00:11:13,840 さらう相手を間違えるという➡ 167 00:11:13,840 --> 00:11:18,344 基本的 かつ 致命的なミスを犯しています。 168 00:11:18,344 --> 00:11:22,682 この つたないミスは あるいは ペトラ嬢に関する情報に➡ 169 00:11:22,682 --> 00:11:26,519 何かしら 偏りがあったために 起きた事態ではないでしょうか? 170 00:11:26,519 --> 00:11:28,521 んっ…。 (ペイストリー)更に言えば➡ 171 00:11:28,521 --> 00:11:33,693 没落貴族に 王都内で 複数の拠点を用意するコネなど➡ 172 00:11:33,693 --> 00:11:36,196 あったのでしょうか? 173 00:11:36,196 --> 00:11:38,531 どうにも ちぐはぐな印象が➡ 174 00:11:38,531 --> 00:11:41,534 拭えません。 う~ん…。 175 00:11:41,534 --> 00:11:44,537 ところが 1つの仮定として➡ 176 00:11:44,537 --> 00:11:48,875 別の目的を持つ 第三者の意思が 働いていたとするなら➡ 177 00:11:48,875 --> 00:11:51,211 説明がつくようなのです。 フゥ…。 178 00:11:51,211 --> 00:11:53,546 第三者? 179 00:11:53,546 --> 00:11:57,383 (ペイストリー)偏った情報を流し コネを 遠回しに用意し➡ 180 00:11:57,383 --> 00:12:02,655 なおかつ アーマイアの王都内で 横行を見逃す 第三者です。 181 00:12:02,655 --> 00:12:06,159 ほう… 誰じゃろな。 182 00:12:06,159 --> 00:12:11,331 この事件で いちばん得をしている人物です。 183 00:12:11,331 --> 00:12:13,666 得? 184 00:12:13,666 --> 00:12:17,170 アーマイア家から 恨みを買っていたとすれば➡ 185 00:12:17,170 --> 00:12:20,506 没落後に 力を持った 誰かでしょう。 186 00:12:20,506 --> 00:12:23,343 んっ…。 この度の事件で➡ 187 00:12:23,343 --> 00:12:26,179 その誰かに恨みを持つ アーマイア家は➡ 188 00:12:26,179 --> 00:12:29,515 完全に 復興の望みを 絶たれたことになります。 189 00:12:29,515 --> 00:12:33,186 もう よい。 190 00:12:33,186 --> 00:12:36,389 そなたは その誰かが わしだと言いたいのか? 191 00:12:38,524 --> 00:12:41,361 んっ…。 192 00:12:41,361 --> 00:12:44,864 いえ 閣下 あくまで想像の話。 193 00:12:44,864 --> 00:12:49,369 子どもは 時に 荒唐無稽な 作り話を考えるものです。 194 00:12:49,369 --> 00:12:54,707 《子犬と思って 侮っておったが とんでもない。 195 00:12:54,707 --> 00:12:58,544 飼い犬に 手をかまれるとは このことよ》 196 00:12:58,544 --> 00:13:00,546 ペイス…。 んっ? 197 00:13:02,982 --> 00:13:08,321 んっ… さて 閣下 全く 関係のない話ですが…。 198 00:13:08,321 --> 00:13:11,658 んっ? 当家は ご存じのとおり➡ 199 00:13:11,658 --> 00:13:14,827 作物の収穫が振るわぬ土地柄。 200 00:13:14,827 --> 00:13:19,332 手を打とうと思案しましたが 先立つものがなくては…。 201 00:13:19,332 --> 00:13:22,669 金… か? 202 00:13:22,669 --> 00:13:26,673 賢明なる閣下におかれては 事情を ご理解いただき➡ 203 00:13:26,673 --> 00:13:30,009 いささかなりとも ご助力を賜りたく…。 204 00:13:30,009 --> 00:13:34,514 チッ… 油断も隙も あったものではないな。 205 00:13:34,514 --> 00:13:40,019 ちなみに その助力を 致しかねると答えたら? 206 00:13:40,019 --> 00:13:43,690 私の口が うっかり 軽くなるかもしれません。 207 00:13:43,690 --> 00:13:45,692 なっ…。 208 00:13:45,692 --> 00:13:49,362 ちょうど あちらに 辺境伯閣下が…。 209 00:13:49,362 --> 00:13:52,365 ご挨拶に参ろうと 思っているところです。 210 00:13:52,365 --> 00:13:56,035 んっ…。 その際 先ほどの話➡ 211 00:13:56,035 --> 00:13:58,371 子どもゆえに つい うっかりと…。 212 00:13:58,371 --> 00:14:01,307 わかった! 降参じゃ! 213 00:14:01,307 --> 00:14:04,143 それ相応の約束をしよう。 214 00:14:04,143 --> 00:14:07,146 ハハ…。 フッ…。 215 00:14:07,146 --> 00:14:09,148 ありがたき幸せ。 216 00:14:09,148 --> 00:14:11,818 してやられたわい。 217 00:14:11,818 --> 00:14:15,154 今から言うのは 単なる独り言じゃ。 218 00:14:15,154 --> 00:14:17,156 はい? んっ? 219 00:14:17,156 --> 00:14:21,661 独り言ゆえ 聞き流すように。 220 00:14:21,661 --> 00:14:24,831 わしは 敵対派閥を 一網打尽にする機会を➡ 221 00:14:24,831 --> 00:14:26,833 うかがっていた。 222 00:14:26,833 --> 00:14:32,171 誘拐事件を仕向けるように 情報が流れる指示も出した。 223 00:14:32,171 --> 00:14:34,674 だが➡ 224 00:14:34,674 --> 00:14:37,343 断じて かわいい孫の婚約者や➡ 225 00:14:37,343 --> 00:14:41,848 その妹を 危険にさらすつもりで やっていたのではない。 226 00:14:41,848 --> 00:14:44,183 確かに 今回のこと➡ 227 00:14:44,183 --> 00:14:47,353 自作自演とも取れる行いじゃった。 228 00:14:47,353 --> 00:14:52,525 どう言い訳をしようと リコリス嬢を 危険にさらしたのは 事実。 229 00:14:52,525 --> 00:14:56,696 ご指摘 謙虚に受け止め 反省せねばならん。 230 00:14:56,696 --> 00:14:59,198 忠告 感謝する。 231 00:14:59,198 --> 00:15:04,303 だが 露骨に たかってきおって… 全く 抜け目がないわい。 232 00:15:04,303 --> 00:15:07,974 今のも 独り言ですよね? ああ そうじゃ! 233 00:15:07,974 --> 00:15:10,309 モルテールン卿! んっ? 234 00:15:10,309 --> 00:15:13,146 フバーレク卿 今 ご挨拶に…。 235 00:15:13,146 --> 00:15:17,150 カセロール卿… お~! ご子息も おられるか。 236 00:15:17,150 --> 00:15:20,987 ぜひ ペイストリー卿に お礼を言わねばと。 237 00:15:20,987 --> 00:15:24,824 改めて 感謝する! きょ… 恐縮です。 238 00:15:24,824 --> 00:15:28,494 卿は 確か すでに 聖別の儀を 終えておられましたな? 239 00:15:28,494 --> 00:15:31,497 んっ? あっ… はい。 240 00:15:31,497 --> 00:15:34,167 《何か もうけ話でも あるのかな?》 241 00:15:34,167 --> 00:15:37,170 (フバーレク) いえ 卿ほどの人物であれば➡ 242 00:15:37,170 --> 00:15:40,673 近い将来 引く手あまたになるでしょうな。 243 00:15:40,673 --> 00:15:44,844 よって 身を固めるには 早すぎる ということはありませんぞ。 244 00:15:44,844 --> 00:15:47,013 んっ? はっ… はぁ…。 245 00:15:47,013 --> 00:15:50,516 それとも もう 心に決めた方でも おられるかな? 246 00:15:50,516 --> 00:15:54,854 いえ 私などは まだ 若輩ですので。 247 00:15:54,854 --> 00:15:58,691 つまり いい人がいれば 将来 身を固めることもある➡ 248 00:15:58,691 --> 00:16:00,626 ということでしょうかな? 249 00:16:00,626 --> 00:16:02,795 ハッ! ペッ…。 ですが まだ➡ 250 00:16:02,795 --> 00:16:05,798 いい人との出会いが ありませんので。 《あっ!》 251 00:16:05,798 --> 00:16:09,802 では 私の娘など いかがですかな? 252 00:16:09,802 --> 00:16:13,639 えっ? 《あちゃ~!》 253 00:16:13,639 --> 00:16:15,808 ほう…。 254 00:16:15,808 --> 00:16:19,979 でっ… ですが ペトラ嬢は婚約したばかりで…。 255 00:16:19,979 --> 00:16:23,316 何をおっしゃる こたび 成人したのは➡ 256 00:16:23,316 --> 00:16:25,818 ペトラだけではありませんぞ。 えっ? 257 00:16:25,818 --> 00:16:28,988 リコリスのほうです。 258 00:16:28,988 --> 00:16:31,991 リッ… リコリス様。 259 00:16:31,991 --> 00:16:35,328 娘も まんざらではない様子でしてな。 260 00:16:35,328 --> 00:16:38,331 えっ あっ いや あの… え~…。 261 00:16:38,331 --> 00:16:41,667 光栄ではありますが➡ 262 00:16:41,667 --> 00:16:44,337 私では 分不相応。 263 00:16:44,337 --> 00:16:49,342 リコリス様ならば もっと よき人が…。 ほほう。 264 00:16:49,342 --> 00:16:53,679 先ほど いい人がいれば 身を固めると おっしゃったが…。 265 00:16:53,679 --> 00:16:59,352 すると 貴君は 私の娘の 何が 気に入らんのですかな? 266 00:16:59,352 --> 00:17:01,954 あっ? いえ…。 《まずい…》 267 00:17:01,954 --> 00:17:04,957 《困っとる 困っとる》 268 00:17:04,957 --> 00:17:07,460 けっ… 決して そのような意図では…。 269 00:17:07,460 --> 00:17:10,463 では 我が娘に 不満はないと? 270 00:17:10,463 --> 00:17:16,135 《あっ… え~っと… え~っと? なんだ?》 271 00:17:16,135 --> 00:17:19,639 (フバーレク)では よろしいですな? あっ? えっ ああ…。 272 00:17:19,639 --> 00:17:22,808 リッ… リコリス嬢が すばらしい女性ということに➡ 273 00:17:22,808 --> 00:17:25,978 異論は ありませんが…。 274 00:17:25,978 --> 00:17:28,481 カセロール卿も よろしいか? 275 00:17:28,481 --> 00:17:32,818 《これでは 半ば 脅しではないか》 276 00:17:32,818 --> 00:17:35,488 我が家にとって 光栄なことかと。 277 00:17:35,488 --> 00:17:37,657 《父様~!?》 278 00:17:37,657 --> 00:17:40,326 では 決まりですな! 279 00:17:40,326 --> 00:17:43,829 すぐに 家の者たちを集めよ! (指を鳴らす音) 280 00:17:43,829 --> 00:17:47,333 はっ! では 我がカドレチェク家の者も。 281 00:17:47,333 --> 00:17:50,036 《え~!?》 お~い スタッフー! 282 00:17:52,672 --> 00:17:54,674 (どよめき) 283 00:17:54,674 --> 00:17:57,176 (スクヮーレ)ペイス殿が? リコリスと? 284 00:17:57,176 --> 00:18:00,780 モルテールン次期領主様が 早くも 婚約者を! 285 00:18:00,780 --> 00:18:05,952 すぐに 各国へ 知らせの早馬を! いや~ めでたい! 286 00:18:05,952 --> 00:18:09,288 リコリス嬢は 自ら お助けした方ですからな~。 287 00:18:09,288 --> 00:18:11,290 《ペイストリー:おっ… おかしいな。 288 00:18:11,290 --> 00:18:13,960 シュークリームを 作ってるつもりだったのに➡ 289 00:18:13,960 --> 00:18:16,796 いつの間にか 巨大デコレーションのウエディングケーキを➡ 290 00:18:16,796 --> 00:18:18,798 作ってしまったような…。 291 00:18:18,798 --> 00:18:20,100 んっ? この香り…》 292 00:18:26,973 --> 00:18:30,810 ペイストリー様 先日は 助けていただいて➡ 293 00:18:30,810 --> 00:18:33,312 本当に ありがとうございました。 294 00:18:33,312 --> 00:18:36,983 お礼が遅れて ごめんなさい。 295 00:18:36,983 --> 00:18:41,153 《あっ… こんなに かわいかったっけ?》 296 00:18:41,153 --> 00:18:43,823 さて お集まりの諸君。 297 00:18:43,823 --> 00:18:47,159 私こと ドナシェル=ミル=フバーレクは➡ 298 00:18:47,159 --> 00:18:52,164 この度 2人の娘の伴侶を 約すことと相成った! 299 00:18:52,164 --> 00:18:56,669 1人は スクヮーレ=カドレチェク卿。 (どよめき) 300 00:18:56,669 --> 00:19:00,606 今1人は ペイストリー=モルテールン卿である! 301 00:19:00,606 --> 00:19:03,109 (どよめき) 302 00:19:03,109 --> 00:19:07,113 このカドレチェク家に 美しき孫娘と共に➡ 303 00:19:07,113 --> 00:19:12,284 かの英雄 カセロール卿の息子までが 我が義理の孫となった! 304 00:19:12,284 --> 00:19:15,454 このめでたき日に 乾杯! 305 00:19:15,454 --> 00:19:17,456 (一同)乾杯! 306 00:19:17,456 --> 00:19:19,558 《ハァ…》 307 00:19:22,294 --> 00:19:24,797 んっ? ペイス殿。 308 00:19:24,797 --> 00:19:27,500 これで 私たちは 義理の兄弟。 309 00:19:33,305 --> 00:19:35,641 こんなに うれしいことはないです。 310 00:19:35,641 --> 00:19:38,144 私もですわ。 311 00:19:38,144 --> 00:19:41,480 スクヮーレ殿 ペトラ様。 312 00:19:41,480 --> 00:19:44,150 兄様って 呼んでもいいよ。 313 00:19:44,150 --> 00:19:46,485 私も 姉様と…。 314 00:19:46,485 --> 00:19:49,288 いや いきなりは…。 315 00:20:00,666 --> 00:20:03,002 フゥ…。 316 00:20:03,002 --> 00:20:06,672 《あんまり急で 実感が湧かないな》 317 00:20:06,672 --> 00:20:09,341 (リコリス)ペイストリー様。 んっ? 318 00:20:09,341 --> 00:20:12,344 あっ リコリス様。 319 00:20:12,344 --> 00:20:14,647 あの…。 何か? 320 00:20:16,682 --> 00:20:21,687 私で よろしかったでしょうか? あっ…。 321 00:20:21,687 --> 00:20:25,357 フッ… とんでもない。 322 00:20:25,357 --> 00:20:28,194 とても うれしいです。 323 00:20:28,194 --> 00:20:32,364 わっ… 私も すごく うれしいです。 324 00:20:32,364 --> 00:20:35,701 これから よろしくお願いします。 325 00:20:35,701 --> 00:20:38,204 こちらこそ。 326 00:20:38,204 --> 00:20:40,539 それで あの…。 327 00:20:40,539 --> 00:20:45,711 私 この前 頂いた お菓子を手本に 作ってみたんです。 328 00:20:45,711 --> 00:20:47,713 (ペイストリー)この前の? 329 00:20:47,713 --> 00:20:51,383 あっ…。 (袋を開ける音) 330 00:20:51,383 --> 00:20:54,720 (ペイストリー)クッキーですね! 331 00:20:54,720 --> 00:20:58,390 《さっきの香ばしい匂いは これだったのか!》 332 00:20:58,390 --> 00:21:02,094 どうぞ 召し上がってください。 ぜひ! 333 00:21:04,663 --> 00:21:06,832 《きれいな きつね色。 334 00:21:06,832 --> 00:21:11,003 焼き時間も 生地の寝かせ方も 申し分ないみたいだし…。 335 00:21:11,003 --> 00:21:16,008 う~ん! いい小麦粉を使ってるみたいだ》 336 00:21:16,008 --> 00:21:18,110 あむ…。 《これは きっと…》 337 00:21:21,180 --> 00:21:24,683 んっ… あっ ああ…。 338 00:21:24,683 --> 00:21:28,521 《う~ん? これは…。 339 00:21:28,521 --> 00:21:31,624 塩が… 効いてる》 340 00:21:33,692 --> 00:21:36,195 あっ あの…。 341 00:21:36,195 --> 00:21:38,531 おいしいです! 342 00:21:38,531 --> 00:21:41,033 本当!? あっ…。 343 00:21:41,033 --> 00:21:44,870 んっ… 本当ですか。 よかった! 344 00:21:44,870 --> 00:21:48,707 フフッ。 フッ…。 345 00:21:48,707 --> 00:21:54,213 《ペイストリー:これからは この人の笑顔を 生涯 守る。 346 00:21:54,213 --> 00:21:57,716 どんな困難があっても 頑張れる。 347 00:21:57,716 --> 00:22:00,653 この人となら きっと作れる》 もう1つ いいですか? 348 00:22:00,653 --> 00:22:03,155 はい! 349 00:22:03,155 --> 00:22:06,325 《ペイストリー:世界で1つの お菓子の国を》 350 00:22:06,325 --> 00:22:08,327 (ペイストリー)あむ…。 351 00:22:10,996 --> 00:22:14,099 《ペイストリー:う~ん いい塩だ》