1 00:00:17,264 --> 00:00:19,266 (ペイストリー)では チェックメイトです。 2 00:00:19,266 --> 00:00:21,768 (ストルーデル)んっ んん…。 3 00:00:21,768 --> 00:00:25,105 《がきだと思って 油断した。 4 00:00:25,105 --> 00:00:29,109 倒れた剣を使って 縄を切り 5 00:00:29,109 --> 00:00:31,945 部下を 一瞬で倒しやがった》 6 00:00:31,945 --> 00:00:35,615 んっ…。 フッ…。 (喚声) 7 00:00:35,615 --> 00:00:39,953 (喚声) 8 00:00:39,953 --> 00:00:43,456 (アーマイア)こっ… これは…。 9 00:00:43,456 --> 00:00:47,460 (カセロール)これより突入する! ねずみ1匹 逃がすな! 10 00:00:47,460 --> 00:00:49,462 (一同)うお~! 11 00:00:49,462 --> 00:00:51,462 続け~! 12 00:00:54,301 --> 00:00:57,137 <ペイストリー:これは 天才と言われながら 13 00:00:57,137 --> 00:00:59,639 志半ばで命を落とし 14 00:00:59,639 --> 00:01:03,643 異世界の貧乏貴族の息子として 転生した パティシエが 15 00:01:03,643 --> 00:01:07,647 お菓子と笑顔で 満ちあふれた世界を目指す 16 00:01:07,647 --> 00:01:10,317 厳しくも 甘~い 甘い 17 00:01:10,317 --> 00:01:13,320 スイーツな物語である。 18 00:01:13,320 --> 00:01:15,255 彼の夢 19 00:01:15,255 --> 00:01:20,355 それは 世界で1つの お菓子の国を作ること> 20 00:03:02,796 --> 00:03:05,465 いたぞ! 逃がすな! 捕まえろ! 21 00:03:05,465 --> 00:03:08,301 (騒ぎ声) 22 00:03:08,301 --> 00:03:10,470 (リコリス)ペイストリー様…。 23 00:03:10,470 --> 00:03:13,470 大丈夫です。 救援が来ました。 24 00:03:15,408 --> 00:03:18,745 まずい まずいね。 25 00:03:18,745 --> 00:03:22,916 どうやら ここは 退散するしかなさそうだ。 26 00:03:22,916 --> 00:03:26,586 そう簡単に 逃がすと思いますか? 27 00:03:26,586 --> 00:03:28,588 フン…。 28 00:03:28,588 --> 00:03:32,425 ペイス! (グラサージュ)ペイス様 ご無事ですか? 29 00:03:32,425 --> 00:03:35,261 僕は 大丈夫です リコリス様を。 30 00:03:35,261 --> 00:03:37,261 グラサージュ! はっ! 31 00:03:39,599 --> 00:03:41,599 んっ…。 32 00:03:44,604 --> 00:03:47,941 《形勢不利か。 33 00:03:47,941 --> 00:03:51,611 監禁するために いちばん 逃げづらい部屋を選んだのが 34 00:03:51,611 --> 00:03:54,280 あだになったか》 35 00:03:54,280 --> 00:03:56,616 もう 逃げ道は ありませんよ! 36 00:03:56,616 --> 00:04:00,286 フッ… 道がないなら 作るまでよ! 37 00:04:00,286 --> 00:04:02,455 フッ! あっ…。 38 00:04:02,455 --> 00:04:05,458 うっ! 魔法! 39 00:04:05,458 --> 00:04:07,460 あばよ。 40 00:04:07,460 --> 00:04:09,462 待て! あっ…。 よせ ペイス! 41 00:04:09,462 --> 00:04:13,299 くっ…。 (カセロール)深追いするな。 42 00:04:13,299 --> 00:04:15,299 わかりました。 43 00:04:18,238 --> 00:04:21,741 全く… うちの息子は…。 あっ。 44 00:04:21,741 --> 00:04:24,744 心配をかけさせる。 45 00:04:24,744 --> 00:04:26,744 すみません。 46 00:04:30,583 --> 00:04:33,086 2人とも 無事でよかった。 47 00:04:33,086 --> 00:04:35,088 はい。 48 00:04:35,088 --> 00:04:38,091 あっ ペイス…。 (シイツ)坊! あっ。 49 00:04:38,091 --> 00:04:40,760 んっ? 大丈夫か? 50 00:04:40,760 --> 00:04:44,264 おおっ リコリス様! ご無事で何より。 51 00:04:44,264 --> 00:04:46,266 (カセロール/ペイストリー)あっ…。 52 00:04:46,266 --> 00:04:49,769 カドレチェク家 フバーレク家の 従士の方々です。 53 00:04:49,769 --> 00:04:51,769 リコリス様! 54 00:04:54,607 --> 00:04:57,277 おけがは? いえ どこも。 55 00:04:57,277 --> 00:05:00,280 急ぎ 父君の所へ お送りするように。 56 00:05:00,280 --> 00:05:02,282 はっ! あっ ハッ…。 57 00:05:02,282 --> 00:05:04,282 では 失礼いたします! 58 00:05:07,787 --> 00:05:09,787 フッ…。 59 00:05:11,791 --> 00:05:13,960 それで 首謀者は? 60 00:05:13,960 --> 00:05:18,731 (シイツ)ルハインゴ=アーマイア公爵と 名乗る男を捕らえました。 61 00:05:18,731 --> 00:05:21,901 裏口から 逃げようとしていましたんでね。 62 00:05:21,901 --> 00:05:24,070 アーマイア家か。 63 00:05:24,070 --> 00:05:26,239 20年前の大戦のとき 64 00:05:26,239 --> 00:05:28,741 粛正され 取り潰されたんだったな。 65 00:05:28,741 --> 00:05:33,246 ええ。 敵国と内通の疑惑が あったんでしたよね。 66 00:05:33,246 --> 00:05:36,082 (カセロール)わかるな ペイス。 67 00:05:36,082 --> 00:05:39,085 領主の行動1つで 一族の運命が 68 00:05:39,085 --> 00:05:41,754 大きく 変わってしまうことがある 69 00:05:41,754 --> 00:05:44,591 ということだ。 はい。 70 00:05:44,591 --> 00:05:46,593 モルテールン卿。 (3人)んっ? 71 00:05:46,593 --> 00:05:51,931 公爵が 事のあらましを聞きたいと 屋敷にて お待ちです。 72 00:05:51,931 --> 00:05:53,931 こちらの馬車にて ご同行を。 73 00:05:56,603 --> 00:05:59,939 そうだ! 残党を 始末してこなければならん。 74 00:05:59,939 --> 00:06:03,443 シイツ 報告は任せた! えっ? ちょっ…。 75 00:06:03,443 --> 00:06:05,945 相手は 魔法を使って 逃げましたからね。 76 00:06:05,945 --> 00:06:08,281 追いかけられるのは 僕たちだけです。 77 00:06:08,281 --> 00:06:10,783 うん! 行くぞ ペイス! はっ! 78 00:06:10,783 --> 00:06:13,583 あっ… ちょっと~! 79 00:06:15,555 --> 00:06:19,055 さて どこに逃げたか あの男。 80 00:06:23,396 --> 00:06:25,398 どうした? 81 00:06:25,398 --> 00:06:29,068 あの状況から どうやって 逃げおおせたのでしょう? 82 00:06:29,068 --> 00:06:32,739 さっき 穴に近づいたとき 83 00:06:32,739 --> 00:06:37,076 魔法発動時の力が あまり感じられませんでした。 84 00:06:37,076 --> 00:06:41,414 魔力が そう多く 残ってはいなかった 85 00:06:41,414 --> 00:06:43,916 ということか? んっ…。 86 00:06:43,916 --> 00:06:46,586 穴を掘って 逃げたとしても 87 00:06:46,586 --> 00:06:50,256 遠くに逃げられるほどの力は なかったはず。 88 00:06:50,256 --> 00:06:53,926 周りは こちらの手勢で囲まれていた。 89 00:06:53,926 --> 00:06:57,764 見つからず 逃げることなど 可能でしょうか? 90 00:06:57,764 --> 00:07:01,100 あっ! (2人)ハッ…。 91 00:07:01,100 --> 00:07:03,436 んっ! 92 00:07:03,436 --> 00:07:08,775 逃げるに逃げられないが 窮地を脱する方法となれば…。 93 00:07:08,775 --> 00:07:12,445 (ストルーデル)逃げたように見せかけて やり過ごし 94 00:07:12,445 --> 00:07:16,883 敵が引き揚げたあとに ゆっくり逃げる 95 00:07:16,883 --> 00:07:19,886 と考えるわけだ。 96 00:07:19,886 --> 00:07:23,056 お見事。 よく見破ったな。 97 00:07:23,056 --> 00:07:25,058 ハァ…。 98 00:07:25,058 --> 00:07:29,896 こうなりゃ てめえら ぶっ殺して 逃げるしかなさそうだな。 99 00:07:29,896 --> 00:07:31,898 くっ… あっ。 100 00:07:31,898 --> 00:07:35,234 この者とは 僕が 決着をつけます。 101 00:07:35,234 --> 00:07:38,534 ハハッ 言ってくれるね。 102 00:07:40,740 --> 00:07:44,077 我が名は ペイストリー=ミル=モルテールン。 103 00:07:44,077 --> 00:07:46,079 あなたの名は? 104 00:07:46,079 --> 00:07:49,916 フン! 家名なんざ とうの昔に捨てたわ! 105 00:07:49,916 --> 00:07:53,086 ストルーデルとだけ 名乗っておく。 106 00:07:53,086 --> 00:07:56,422 《ストルーデル:このがきが 一騎打ちを 所望してくれたのは 107 00:07:56,422 --> 00:07:58,591 好都合だ。 108 00:07:58,591 --> 00:08:02,929 多少 猿知恵が回ったところで 所詮は 子ども。 109 00:08:02,929 --> 00:08:05,598 うまく組み敷いて 人質に取れば 110 00:08:05,598 --> 00:08:08,298 突破口が開けるかもしれねえ》 111 00:08:10,269 --> 00:08:14,273 うっ! 悪く思うな がき! 112 00:08:14,273 --> 00:08:17,210 《まずい! 完璧な太刀筋!》 113 00:08:17,210 --> 00:08:19,379 フッ! 114 00:08:19,379 --> 00:08:21,381 なっ… 何!? 115 00:08:21,381 --> 00:08:23,549 フッ! ぐおっ! 116 00:08:23,549 --> 00:08:25,885 おおっ! 117 00:08:25,885 --> 00:08:28,721 あっ… ああ…。 118 00:08:28,721 --> 00:08:33,059 うっ… てめえ 何か 細工を…。 119 00:08:33,059 --> 00:08:35,061 忠告しておきます。 120 00:08:35,061 --> 00:08:39,565 戦場において 己の得物からは 目を離さないことです。 121 00:08:39,565 --> 00:08:42,235 ああ…。 122 00:08:42,235 --> 00:08:44,235 ペイス 見事だ。 123 00:08:49,242 --> 00:08:53,246 んっ? この剣 もしや…。 124 00:08:53,246 --> 00:08:55,246 はい。 125 00:08:58,251 --> 00:09:00,251 ((《転写!》)) 126 00:09:03,256 --> 00:09:06,426 なるほどな。 折れる剣を 相手に持たせて 127 00:09:06,426 --> 00:09:09,262 一騎打ちに誘うとはな。 128 00:09:09,262 --> 00:09:13,599 肝を冷やしたぞ。 ずる賢いやつめ。 129 00:09:13,599 --> 00:09:16,536 頭がキレるって言ってください。 130 00:09:16,536 --> 00:09:19,705 《それにしても 131 00:09:19,705 --> 00:09:22,208 こんなことじゃ 132 00:09:22,208 --> 00:09:26,208 お菓子の国を作るなんて いつになるんだろう?》 133 00:09:35,555 --> 00:09:37,557 <ペイストリー:その1か月後 134 00:09:37,557 --> 00:09:39,559 スクヮーレ殿とペトラ様の 135 00:09:39,559 --> 00:09:43,759 正式な婚約披露宴が 王都の城内で 開かれた> 136 00:09:47,066 --> 00:09:50,570 (ペトラ)ありがとうございます。 (ペイストリー)ペトラ様 お幸せそうですね。 137 00:09:50,570 --> 00:09:54,240 内々の披露のときは とんだ騒ぎが起きたがな。 138 00:09:54,240 --> 00:09:57,577 (カドレチェク)お~ モルテールン卿。 (ペイストリー/カセロール)んっ? 139 00:09:57,577 --> 00:10:00,246 ここにおられたか。 140 00:10:00,246 --> 00:10:04,417 カドレチェク公爵 この度は おめでとうございます。 141 00:10:04,417 --> 00:10:07,587 ご招待いただき 感謝の言葉もございません。 142 00:10:07,587 --> 00:10:10,756 いやいや 礼を言うのは わしのほうだ。 143 00:10:10,756 --> 00:10:15,428 先日の騒ぎ お2人のおかげで 大事に至らずに済んだ。 144 00:10:15,428 --> 00:10:17,597 ペイストリー卿。 あっ…。 145 00:10:17,597 --> 00:10:20,766 義理の孫となる リコリス嬢を 守っていただき 146 00:10:20,766 --> 00:10:23,102 感謝いたしてますぞ。 147 00:10:23,102 --> 00:10:25,938 騎士として 当然の務めなれば。 148 00:10:25,938 --> 00:10:28,941 スクヮーレ殿は ご立派ですな。 149 00:10:28,941 --> 00:10:32,445 いや~ 緊張で がちがちですわい。 150 00:10:32,445 --> 00:10:35,114 なんせ 見せ物のように扱われたうえ 151 00:10:35,114 --> 00:10:39,619 一目ぼれの女性が 将来の妻として 隣にいるのですからな。 152 00:10:39,619 --> 00:10:44,290 いえ スクヮーレ殿は 十分に りりしく 立派でおられます。 153 00:10:44,290 --> 00:10:47,627 婚約したうえは もう少し頼りがいのある男に 154 00:10:47,627 --> 00:10:50,630 なってほしいと思うのだが 155 00:10:50,630 --> 00:10:54,133 武勲確かな貴殿に 立派と言われるなら 156 00:10:54,133 --> 00:10:57,637 わしも 孫を見直さねばならんな。 157 00:10:57,637 --> 00:11:00,640 礼を言うぞ ペイストリー卿。 158 00:11:00,640 --> 00:11:03,643 恐縮の次第。 159 00:11:03,643 --> 00:11:06,145 ところで 閣下。 んっ? 160 00:11:06,145 --> 00:11:09,982 この機会に 1つ ご確認したいことがあるのですが。 161 00:11:09,982 --> 00:11:11,984 ほう? 162 00:11:11,984 --> 00:11:17,089 先日の誘拐騒ぎ 奇妙な点があり 気になっておりまして…。 163 00:11:17,089 --> 00:11:19,425 (カドレチェク)奇妙な点? はい。 164 00:11:19,425 --> 00:11:24,597 賊の 手際のよさ 根城を 複数 用意する周到さなど 165 00:11:24,597 --> 00:11:27,099 非常に練られたものに思える 反面 166 00:11:27,099 --> 00:11:29,101 さらう相手を間違えるという 167 00:11:29,101 --> 00:11:33,606 基本的 かつ 致命的なミスを犯しています。 168 00:11:33,606 --> 00:11:37,944 この つたないミスは あるいは ペトラ嬢に関する情報に 169 00:11:37,944 --> 00:11:41,781 何かしら 偏りがあったために 起きた事態ではないでしょうか? 170 00:11:41,781 --> 00:11:43,783 んっ…。 (ペイストリー)更に言えば 171 00:11:43,783 --> 00:11:48,955 没落貴族に 王都内で 複数の拠点を用意するコネなど 172 00:11:48,955 --> 00:11:51,457 あったのでしょうか? 173 00:11:51,457 --> 00:11:53,793 どうにも ちぐはぐな印象が 174 00:11:53,793 --> 00:11:56,796 拭えません。 う~ん…。 175 00:11:56,796 --> 00:11:59,799 ところが 1つの仮定として 176 00:11:59,799 --> 00:12:04,136 別の目的を持つ 第三者の意思が 働いていたとするなら 177 00:12:04,136 --> 00:12:06,472 説明がつくようなのです。 フゥ…。 178 00:12:06,472 --> 00:12:08,808 第三者? 179 00:12:08,808 --> 00:12:12,645 (ペイストリー)偏った情報を流し コネを 遠回しに用意し 180 00:12:12,645 --> 00:12:17,917 なおかつ アーマイアの王都内で 横行を見逃す 第三者です。 181 00:12:17,917 --> 00:12:21,420 ほう… 誰じゃろな。 182 00:12:21,420 --> 00:12:26,592 この事件で いちばん得をしている人物です。 183 00:12:26,592 --> 00:12:28,928 得? 184 00:12:28,928 --> 00:12:32,431 アーマイア家から 恨みを買っていたとすれば 185 00:12:32,431 --> 00:12:35,768 没落後に 力を持った 誰かでしょう。 186 00:12:35,768 --> 00:12:38,604 んっ…。 この度の事件で 187 00:12:38,604 --> 00:12:41,440 その誰かに恨みを持つ アーマイア家は 188 00:12:41,440 --> 00:12:44,777 完全に 復興の望みを 絶たれたことになります。 189 00:12:44,777 --> 00:12:48,447 もう よい。 190 00:12:48,447 --> 00:12:51,647 そなたは その誰かが わしだと言いたいのか? 191 00:12:53,786 --> 00:12:56,622 んっ…。 192 00:12:56,622 --> 00:13:00,126 いえ 閣下 あくまで想像の話。 193 00:13:00,126 --> 00:13:04,630 子どもは 時に 荒唐無稽な 作り話を考えるものです。 194 00:13:04,630 --> 00:13:09,969 《子犬と思って 侮っておったが とんでもない。 195 00:13:09,969 --> 00:13:13,806 飼い犬に 手をかまれるとは このことよ》 196 00:13:13,806 --> 00:13:15,806 ペイス…。 んっ? 197 00:13:18,244 --> 00:13:23,582 んっ… さて 閣下 全く 関係のない話ですが…。 198 00:13:23,582 --> 00:13:26,919 んっ? 当家は ご存じのとおり 199 00:13:26,919 --> 00:13:30,089 作物の収穫が振るわぬ土地柄。 200 00:13:30,089 --> 00:13:34,593 手を打とうと思案しましたが 先立つものがなくては…。 201 00:13:34,593 --> 00:13:37,930 金… か? 202 00:13:37,930 --> 00:13:41,934 賢明なる閣下におかれては 事情を ご理解いただき 203 00:13:41,934 --> 00:13:45,271 いささかなりとも ご助力を賜りたく…。 204 00:13:45,271 --> 00:13:49,775 チッ… 油断も隙も あったものではないな。 205 00:13:49,775 --> 00:13:55,281 ちなみに その助力を 致しかねると答えたら? 206 00:13:55,281 --> 00:13:58,951 私の口が うっかり 軽くなるかもしれません。 207 00:13:58,951 --> 00:14:00,953 なっ…。 208 00:14:00,953 --> 00:14:04,623 ちょうど あちらに 辺境伯閣下が…。 209 00:14:04,623 --> 00:14:07,626 ご挨拶に参ろうと 思っているところです。 210 00:14:07,626 --> 00:14:11,297 んっ…。 その際 先ほどの話 211 00:14:11,297 --> 00:14:13,632 子どもゆえに つい うっかりと…。 212 00:14:13,632 --> 00:14:16,569 わかった! 降参じゃ! 213 00:14:16,569 --> 00:14:19,405 それ相応の約束をしよう。 214 00:14:19,405 --> 00:14:22,408 ハハ…。 フッ…。 215 00:14:22,408 --> 00:14:24,410 ありがたき幸せ。 216 00:14:24,410 --> 00:14:27,079 してやられたわい。 217 00:14:27,079 --> 00:14:30,416 今から言うのは 単なる独り言じゃ。 218 00:14:30,416 --> 00:14:32,418 はい? んっ? 219 00:14:32,418 --> 00:14:36,922 独り言ゆえ 聞き流すように。 220 00:14:36,922 --> 00:14:40,092 わしは 敵対派閥を 一網打尽にする機会を 221 00:14:40,092 --> 00:14:42,094 うかがっていた。 222 00:14:42,094 --> 00:14:47,433 誘拐事件を仕向けるように 情報が流れる指示も出した。 223 00:14:47,433 --> 00:14:49,935 だが 224 00:14:49,935 --> 00:14:52,605 断じて かわいい孫の婚約者や 225 00:14:52,605 --> 00:14:57,109 その妹を 危険にさらすつもりで やっていたのではない。 226 00:14:57,109 --> 00:14:59,445 確かに 今回のこと 227 00:14:59,445 --> 00:15:02,615 自作自演とも取れる行いじゃった。 228 00:15:02,615 --> 00:15:07,787 どう言い訳をしようと リコリス嬢を 危険にさらしたのは 事実。 229 00:15:07,787 --> 00:15:11,957 ご指摘 謙虚に受け止め 反省せねばならん。 230 00:15:11,957 --> 00:15:14,460 忠告 感謝する。 231 00:15:14,460 --> 00:15:19,565 だが 露骨に たかってきおって… 全く 抜け目がないわい。 232 00:15:19,565 --> 00:15:23,235 今のも 独り言ですよね? ああ そうじゃ! 233 00:15:23,235 --> 00:15:25,571 モルテールン卿! んっ? 234 00:15:25,571 --> 00:15:28,407 フバーレク卿 今 ご挨拶に…。 235 00:15:28,407 --> 00:15:32,411 カセロール卿… お~! ご子息も おられるか。 236 00:15:32,411 --> 00:15:36,248 ぜひ ペイストリー卿に お礼を言わねばと。 237 00:15:36,248 --> 00:15:40,085 改めて 感謝する! きょ… 恐縮です。 238 00:15:40,085 --> 00:15:43,756 卿は 確か すでに 聖別の儀を 終えておられましたな? 239 00:15:43,756 --> 00:15:46,759 んっ? あっ… はい。 240 00:15:46,759 --> 00:15:49,428 《何か もうけ話でも あるのかな?》 241 00:15:49,428 --> 00:15:52,431 (フバーレク) いえ 卿ほどの人物であれば 242 00:15:52,431 --> 00:15:55,935 近い将来 引く手あまたになるでしょうな。 243 00:15:55,935 --> 00:16:00,105 よって 身を固めるには 早すぎる ということはありませんぞ。 244 00:16:00,105 --> 00:16:02,274 んっ? はっ… はぁ…。 245 00:16:02,274 --> 00:16:05,778 それとも もう 心に決めた方でも おられるかな? 246 00:16:05,778 --> 00:16:10,115 いえ 私などは まだ 若輩ですので。 247 00:16:10,115 --> 00:16:13,953 つまり いい人がいれば 将来 身を固めることもある 248 00:16:13,953 --> 00:16:15,888 ということでしょうかな? 249 00:16:15,888 --> 00:16:18,057 ハッ! ペッ…。 ですが まだ 250 00:16:18,057 --> 00:16:21,060 いい人との出会いが ありませんので。 《あっ!》 251 00:16:21,060 --> 00:16:25,064 では 私の娘など いかがですかな? 252 00:16:25,064 --> 00:16:28,901 えっ? 《あちゃ~!》 253 00:16:28,901 --> 00:16:31,070 ほう…。 254 00:16:31,070 --> 00:16:35,241 でっ… ですが ペトラ嬢は婚約したばかりで…。 255 00:16:35,241 --> 00:16:38,577 何をおっしゃる こたび 成人したのは 256 00:16:38,577 --> 00:16:41,080 ペトラだけではありませんぞ。 えっ? 257 00:16:41,080 --> 00:16:44,250 リコリスのほうです。 258 00:16:44,250 --> 00:16:47,253 リッ… リコリス様。 259 00:16:47,253 --> 00:16:50,589 娘も まんざらではない様子でしてな。 260 00:16:50,589 --> 00:16:53,592 えっ あっ いや あの… え~…。 261 00:16:53,592 --> 00:16:56,929 光栄ではありますが 262 00:16:56,929 --> 00:16:59,598 私では 分不相応。 263 00:16:59,598 --> 00:17:04,603 リコリス様ならば もっと よき人が…。 ほほう。 264 00:17:04,603 --> 00:17:08,941 先ほど いい人がいれば 身を固めると おっしゃったが…。 265 00:17:08,941 --> 00:17:14,613 すると 貴君は 私の娘の 何が 気に入らんのですかな? 266 00:17:14,613 --> 00:17:17,216 あっ? いえ…。 《まずい…》 267 00:17:17,216 --> 00:17:20,219 《困っとる 困っとる》 268 00:17:20,219 --> 00:17:22,721 けっ… 決して そのような意図では…。 269 00:17:22,721 --> 00:17:25,724 では 我が娘に 不満はないと? 270 00:17:25,724 --> 00:17:31,397 《あっ… え~っと… え~っと? なんだ?》 271 00:17:31,397 --> 00:17:34,900 (フバーレク)では よろしいですな? あっ? えっ ああ…。 272 00:17:34,900 --> 00:17:38,070 リッ… リコリス嬢が すばらしい女性ということに 273 00:17:38,070 --> 00:17:41,240 異論は ありませんが…。 274 00:17:41,240 --> 00:17:43,742 カセロール卿も よろしいか? 275 00:17:43,742 --> 00:17:48,080 《これでは 半ば 脅しではないか》 276 00:17:48,080 --> 00:17:50,749 我が家にとって 光栄なことかと。 277 00:17:50,749 --> 00:17:52,918 《父様~!?》 278 00:17:52,918 --> 00:17:55,587 では 決まりですな! 279 00:17:55,587 --> 00:17:59,091 すぐに 家の者たちを集めよ! (指を鳴らす音) 280 00:17:59,091 --> 00:18:02,594 はっ! では 我がカドレチェク家の者も。 281 00:18:02,594 --> 00:18:05,294 《え~!?》 お~い スタッフー! 282 00:18:07,933 --> 00:18:09,935 (どよめき) 283 00:18:09,935 --> 00:18:12,438 (スクヮーレ)ペイス殿が? リコリスと? 284 00:18:12,438 --> 00:18:16,041 モルテールン次期領主様が 早くも 婚約者を! 285 00:18:16,041 --> 00:18:21,213 すぐに 各国へ 知らせの早馬を! いや~ めでたい! 286 00:18:21,213 --> 00:18:24,550 リコリス嬢は 自ら お助けした方ですからな~。 287 00:18:24,550 --> 00:18:26,552 《ペイストリー:おっ… おかしいな。 288 00:18:26,552 --> 00:18:29,221 シュークリームを 作ってるつもりだったのに 289 00:18:29,221 --> 00:18:32,057 いつの間にか 巨大デコレーションのウエディングケーキを 290 00:18:32,057 --> 00:18:34,059 作ってしまったような…。 291 00:18:34,059 --> 00:18:36,259 んっ? この香り…》 292 00:18:42,234 --> 00:18:46,071 ペイストリー様 先日は 助けていただいて 293 00:18:46,071 --> 00:18:48,574 本当に ありがとうございました。 294 00:18:48,574 --> 00:18:52,244 お礼が遅れて ごめんなさい。 295 00:18:52,244 --> 00:18:56,415 《あっ… こんなに かわいかったっけ?》 296 00:18:56,415 --> 00:18:59,084 さて お集まりの諸君。 297 00:18:59,084 --> 00:19:02,421 私こと ドナシェル=ミル=フバーレクは 298 00:19:02,421 --> 00:19:07,426 この度 2人の娘の伴侶を 約すことと相成った! 299 00:19:07,426 --> 00:19:11,930 1人は スクヮーレ=カドレチェク卿。 (どよめき) 300 00:19:11,930 --> 00:19:15,868 今1人は ペイストリー=モルテールン卿である! 301 00:19:15,868 --> 00:19:18,370 (どよめき) 302 00:19:18,370 --> 00:19:22,374 このカドレチェク家に 美しき孫娘と共に 303 00:19:22,374 --> 00:19:27,546 かの英雄 カセロール卿の息子までが 我が義理の孫となった! 304 00:19:27,546 --> 00:19:30,716 このめでたき日に 乾杯! 305 00:19:30,716 --> 00:19:32,718 (一同)乾杯! 306 00:19:32,718 --> 00:19:34,818 《ハァ…》 307 00:19:37,556 --> 00:19:40,059 んっ? ペイス殿。 308 00:19:40,059 --> 00:19:42,759 これで 私たちは 義理の兄弟。 309 00:19:48,567 --> 00:19:50,903 こんなに うれしいことはないです。 310 00:19:50,903 --> 00:19:53,405 私もですわ。 311 00:19:53,405 --> 00:19:56,742 スクヮーレ殿 ペトラ様。 312 00:19:56,742 --> 00:19:59,411 兄様って 呼んでもいいよ。 313 00:19:59,411 --> 00:20:01,747 私も 姉様と…。 314 00:20:01,747 --> 00:20:04,547 いや いきなりは…。 315 00:20:15,928 --> 00:20:18,263 フゥ…。 316 00:20:18,263 --> 00:20:21,934 《あんまり急で 実感が湧かないな》 317 00:20:21,934 --> 00:20:24,603 (リコリス)ペイストリー様。 んっ? 318 00:20:24,603 --> 00:20:27,606 あっ リコリス様。 319 00:20:27,606 --> 00:20:29,906 あの…。 何か? 320 00:20:31,944 --> 00:20:36,949 私で よろしかったでしょうか? あっ…。 321 00:20:36,949 --> 00:20:40,619 フッ… とんでもない。 322 00:20:40,619 --> 00:20:43,455 とても うれしいです。 323 00:20:43,455 --> 00:20:47,626 わっ… 私も すごく うれしいです。 324 00:20:47,626 --> 00:20:50,963 これから よろしくお願いします。 325 00:20:50,963 --> 00:20:53,465 こちらこそ。 326 00:20:53,465 --> 00:20:55,801 それで あの…。 327 00:20:55,801 --> 00:21:00,973 私 この前 頂いた お菓子を手本に 作ってみたんです。 328 00:21:00,973 --> 00:21:02,975 (ペイストリー)この前の? 329 00:21:02,975 --> 00:21:06,645 あっ…。 (袋を開ける音) 330 00:21:06,645 --> 00:21:09,982 (ペイストリー)クッキーですね! 331 00:21:09,982 --> 00:21:13,652 《さっきの香ばしい匂いは これだったのか!》 332 00:21:13,652 --> 00:21:17,352 どうぞ 召し上がってください。 ぜひ! 333 00:21:19,925 --> 00:21:22,094 《きれいな きつね色。 334 00:21:22,094 --> 00:21:26,265 焼き時間も 生地の寝かせ方も 申し分ないみたいだし…。 335 00:21:26,265 --> 00:21:31,270 う~ん! いい小麦粉を使ってるみたいだ》 336 00:21:31,270 --> 00:21:33,370 あむ…。 《これは きっと…》 337 00:21:36,441 --> 00:21:39,945 んっ… あっ ああ…。 338 00:21:39,945 --> 00:21:43,782 《う~ん? これは…。 339 00:21:43,782 --> 00:21:46,882 塩が… 効いてる》 340 00:21:48,954 --> 00:21:51,456 あっ あの…。 341 00:21:51,456 --> 00:21:53,792 おいしいです! 342 00:21:53,792 --> 00:21:56,295 本当!? あっ…。 343 00:21:56,295 --> 00:22:00,132 んっ… 本当ですか。 よかった! 344 00:22:00,132 --> 00:22:03,969 フフッ。 フッ…。 345 00:22:03,969 --> 00:22:09,474 《ペイストリー:これからは この人の笑顔を 生涯 守る。 346 00:22:09,474 --> 00:22:12,978 どんな困難があっても 頑張れる。 347 00:22:12,978 --> 00:22:15,914 この人となら きっと作れる》 もう1つ いいですか? 348 00:22:15,914 --> 00:22:18,417 はい! 349 00:22:18,417 --> 00:22:21,587 《ペイストリー:世界で1つの お菓子の国を》 350 00:22:21,587 --> 00:22:23,587 (ペイストリー)あむ…。 351 00:22:26,258 --> 00:22:29,358 《ペイストリー:う~ん いい塩だ》