1 00:00:15,735 --> 00:00:18,405 (カセロール)なあ ペイスは… うっ! 2 00:00:18,405 --> 00:00:20,907 何をしているんだ? フッ! 3 00:00:20,907 --> 00:00:23,743 (シイツ)卵白を泡立てた お菓子の… うっ! 4 00:00:23,743 --> 00:00:26,079 試作だそうです。 うっ…。 5 00:00:26,079 --> 00:00:29,583 もう 1日中 ああしてます。 んっ…。 6 00:00:29,583 --> 00:00:33,753 フッ… 1日中 あの動きを? んっ…。 7 00:00:33,753 --> 00:00:37,424 (コアントロー)フッ それは さぞかし…。 (グラサージュ)筋肉がつくことでしょう。 8 00:00:37,424 --> 00:00:39,426 (ペイストリー)フフッ そう思うでしょ? 9 00:00:39,426 --> 00:00:41,428 (グラサージュ/シイツ/カセロール/コアントロー)んっ? 10 00:00:41,428 --> 00:00:44,264 なっ… 何!? あれだけ 腕を酷使していながら 11 00:00:44,264 --> 00:00:46,933 筋肉がない! (コアントロー/カセロール/グラサージュ/シイツ)なっ。 12 00:00:46,933 --> 00:00:51,438 フッフッフッ 驚いていますね? 僕の腕が華奢なことに。 13 00:00:51,438 --> 00:00:53,440 なぜなら…。 14 00:00:53,440 --> 00:00:55,942 泡立て器によって鍛えられる 筋肉は 15 00:00:55,942 --> 00:00:57,944 遅筋繊維だからです! 16 00:00:57,944 --> 00:00:59,946 「チキンセンイ」? 17 00:00:59,946 --> 00:01:02,782 「遅い筋肉」と書いて 「遅筋」です。 18 00:01:02,782 --> 00:01:06,953 僕の腕は 低強度の負荷を 長時間 与え続けたことにより 19 00:01:06,953 --> 00:01:08,955 大きな筋肉は つかず 20 00:01:08,955 --> 00:01:12,225 しなやかな引き締まった腕に なっているのです! 21 00:01:12,225 --> 00:01:14,227 あ~…。 そして 何より…。 んっ? 22 00:01:14,227 --> 00:01:17,564 筋肉を大きくするのに 大切なのは 食事! 23 00:01:17,564 --> 00:01:20,066 あ~む…。 24 00:01:20,066 --> 00:01:23,903 お菓子のカロリーは ほぼ 炭水化物と 脂質で占められており 25 00:01:23,903 --> 00:01:28,241 たんぱく質が 極めて少ないため 筋肉がつきません! 26 00:01:28,241 --> 00:01:31,241 ごはんを ちゃんと食べなさ~い! はい! 27 00:01:33,413 --> 00:01:36,082 <ペイストリー:これは 天才と言われながら 28 00:01:36,082 --> 00:01:38,585 志半ばで命を落とし 29 00:01:38,585 --> 00:01:42,589 異世界の貧乏貴族の息子として 転生した パティシエが 30 00:01:42,589 --> 00:01:46,593 お菓子と笑顔で 満ちあふれた世界を目指す 31 00:01:46,593 --> 00:01:49,262 厳しくも 甘~い 甘い 32 00:01:49,262 --> 00:01:52,432 スイーツな物語である。 33 00:01:52,432 --> 00:01:54,434 彼の夢 34 00:01:54,434 --> 00:01:59,334 それは 世界で1つの お菓子の国を作ること> 35 00:03:42,575 --> 00:03:46,412 戦争が始まった。 ハッ…。 36 00:03:46,412 --> 00:03:51,918 (カセロール)発端は 東部のフバーレク領と 隣国 ルトルート領とのことだ。 37 00:03:51,918 --> 00:03:53,918 んっ…。 38 00:03:56,589 --> 00:03:58,591 報告では 現在まで 39 00:03:58,591 --> 00:04:01,427 王都の公爵家から 援軍が出たという情報は 40 00:04:01,427 --> 00:04:03,429 入っていないとのことです。 41 00:04:03,429 --> 00:04:05,932 (ルトルート)フン… 思ったとおりだ。 42 00:04:05,932 --> 00:04:10,537 最初に こちらの軍勢が 3万とか 偽情報を流したとき 43 00:04:10,537 --> 00:04:14,374 フバーレクは すぐに カドレチェク家に 援軍を要請したはず。 44 00:04:14,374 --> 00:04:17,210 それが 動きがないということは…。 45 00:04:17,210 --> 00:04:19,212 公爵家が拒んだか 46 00:04:19,212 --> 00:04:23,550 フバーレク家が 援軍要請を取り下げたかですな。 47 00:04:23,550 --> 00:04:27,387 無論 後者だ。 やつは こちらの数が 1万とわかれば 48 00:04:27,387 --> 00:04:31,724 自国軍だけで たたけると踏んで メンツを保とうとするはず。 49 00:04:31,724 --> 00:04:35,728 公爵家の大々的な参戦は よしとするまい。 50 00:04:35,728 --> 00:04:39,399 となると 公爵家としても おもしろくない。 51 00:04:39,399 --> 00:04:43,736 一悶着あったと見るべきですな。 52 00:04:43,736 --> 00:04:46,239 フッ… 見ていろ フバーレクめ。 53 00:04:46,239 --> 00:04:51,244 積年の恨み 一気に晴らし せん滅してやる! 54 00:04:51,244 --> 00:04:53,246 申し上げます。 (ルトルートたち)んっ? 55 00:04:53,246 --> 00:04:55,748 フバーレク辺境伯領には 現在 56 00:04:55,748 --> 00:04:58,548 令嬢の婚約者が 駐留しているとのことです。 57 00:05:00,753 --> 00:05:04,253 ほう。 公爵の孫がな…。 58 00:05:12,532 --> 00:05:14,701 (リコリス)ペイスさん。 あっ。 59 00:05:14,701 --> 00:05:17,036 どうかされたんですか? 60 00:05:17,036 --> 00:05:19,038 えっ? 61 00:05:19,038 --> 00:05:21,875 何か 考え込んでいたので。 62 00:05:21,875 --> 00:05:24,878 あっ いや 別に そういうわけじゃ…。 63 00:05:24,878 --> 00:05:28,878 ひょっとして 戦争のことを 考えていたのですか? 64 00:05:30,884 --> 00:05:35,388 私の故郷と隣国とのいさかいが 始まると聞いています。 65 00:05:35,388 --> 00:05:38,725 私も…。 んっ? 66 00:05:38,725 --> 00:05:45,398 私も きっと ペイスさんと 同じことを考えています。 67 00:05:45,398 --> 00:05:49,798 なぜ 争うなんて ばかなことをするのでしょう。 68 00:05:52,739 --> 00:05:54,908 戦争なんて する暇があったら 69 00:05:54,908 --> 00:05:57,911 おいしいお菓子を作ればいいのに。 70 00:05:57,911 --> 00:06:00,914 ペイスさんのように 夢中になって。 71 00:06:00,914 --> 00:06:03,917 そして 出来上がった お菓子を食べて 72 00:06:03,917 --> 00:06:07,587 笑顔で いられたら…。 73 00:06:07,587 --> 00:06:10,023 そうすれば 世界中のみんなが 74 00:06:10,023 --> 00:06:13,023 きっと 幸せで 楽しくいられると思います。 75 00:06:16,696 --> 00:06:20,199 僕も そう思います。 76 00:06:20,199 --> 00:06:22,201 んっ…。 77 00:06:22,201 --> 00:06:25,872 お菓子はね みんなを幸せにするんです! 78 00:06:25,872 --> 00:06:28,041 笑顔の陰に お菓子あり! 79 00:06:28,041 --> 00:06:30,710 幸せへの道は お菓子で出来ています。 80 00:06:30,710 --> 00:06:32,712 これ 正解! 81 00:06:32,712 --> 00:06:35,048 はい! 82 00:06:35,048 --> 00:06:38,384 んっ… エヘヘヘ…。 83 00:06:38,384 --> 00:06:41,220 あっ そうだ。 今日は 行商人が 84 00:06:41,220 --> 00:06:43,890 やぎを届けてくれるんです。 やぎ? 85 00:06:43,890 --> 00:06:47,226 やぎのミルクで出来た チーズを使った チーズケーキは 86 00:06:47,226 --> 00:06:49,562 濃厚で 絶品ですよ! 87 00:06:49,562 --> 00:06:52,732 チーズケーキ? ぜひ 食べてみたいです! 88 00:06:52,732 --> 00:06:56,235 でしょう? 楽しみにしててくださいね! 89 00:06:56,235 --> 00:06:59,906 はい! フフフッ。 90 00:06:59,906 --> 00:07:04,577 やぎが横取りされたですって!? どういうことですか? 91 00:07:04,577 --> 00:07:07,914 いえ その… こちらに お持ちする前に 92 00:07:07,914 --> 00:07:12,352 他の貴族様が お買い上げになった というのが 正しいかと…。 93 00:07:12,352 --> 00:07:15,355 それを 横取りと言うんでしょ! ひっ! あっ… ああ…。 94 00:07:15,355 --> 00:07:19,025 脅しかけて よその物を 無理やり 買い上げたなら 95 00:07:19,025 --> 00:07:22,362 盗まれたのと変わりませんぜ。 96 00:07:22,362 --> 00:07:24,364 申し訳ありません! 97 00:07:24,364 --> 00:07:28,201 すでに 売り先は決まっていると お断りはしたのですが 98 00:07:28,201 --> 00:07:30,203 やむをえない事情がある。 99 00:07:30,203 --> 00:07:35,541 やぎをよこさねば 命はないと 言われて 致し方なく…。 100 00:07:35,541 --> 00:07:37,543 事情は わかった。 101 00:07:37,543 --> 00:07:40,546 わざわざ説明のために 出向いてくれて ご苦労だった。 102 00:07:40,546 --> 00:07:43,049 それで どこの誰に売ったんです? 103 00:07:43,049 --> 00:07:46,052 ルンスバッジ男爵様です。 104 00:07:46,052 --> 00:07:51,057 ああ あの 新興貴族への 嫌がらせで 有名な…。 105 00:07:51,057 --> 00:07:54,727 こういうときに 縁戚に 有力貴族がいれば 106 00:07:54,727 --> 00:07:59,065 文句の1つも 言えるんでしょうがね。 うん…。 107 00:07:59,065 --> 00:08:04,070 フバーレク家とは まだ 正式に 婚姻を結んだわけではないからな。 108 00:08:04,070 --> 00:08:08,074 辺境伯に口利きしてもらうのは 難しいだろう。 109 00:08:08,074 --> 00:08:10,343 そもそも この件は 110 00:08:10,343 --> 00:08:15,515 フバーレク家とルトルート家が起こした 戦争の影響によるものだ。 111 00:08:15,515 --> 00:08:18,851 その余波の始末を請け負われて いい顔はされまい。 112 00:08:18,851 --> 00:08:21,521 泣き寝入りするしかない ってことですかね。 113 00:08:21,521 --> 00:08:24,524 戦争の知らせを受けて まだ3日。 114 00:08:24,524 --> 00:08:28,027 それが もう こちらにまで 影響を及ぼしているとはな。 115 00:08:28,027 --> 00:08:30,530 相当 でかい戦なんでしょうよ。 116 00:08:30,530 --> 00:08:33,199 物流ってもんは つながってますからね。 117 00:08:33,199 --> 00:08:36,369 どんなに離れていても 少なからず 影響は…。 118 00:08:36,369 --> 00:08:38,538 (ペイストリー)これは試練でしょうか? (2人)あっ。 119 00:08:38,538 --> 00:08:43,876 男爵だかカンシャクだか 知りませんが…。 ペイス? 120 00:08:43,876 --> 00:08:48,047 くわっ! 僕のお楽しみを邪魔する人間は 121 00:08:48,047 --> 00:08:50,550 徹底的に 排除すべきです! 122 00:08:50,550 --> 00:08:54,387 こんな横暴を許しては モルテールンの沽券に関わります! 123 00:08:54,387 --> 00:08:56,389 どうした? 坊。 うっ!うっ! 落ち着け! 124 00:08:56,389 --> 00:08:58,391 これが落ち着いていられますか! 125 00:08:58,391 --> 00:09:01,727 僕が 直接 男爵の所へ出向いて 話をつけてきます! 126 00:09:01,727 --> 00:09:03,729 (カセロール)ペイス! んっ? 127 00:09:03,729 --> 00:09:06,399 冷静になりなさい。 でも 父様…。 128 00:09:06,399 --> 00:09:08,734 今は 戦時中だ。 どの領地も 129 00:09:08,734 --> 00:09:12,839 食料をはじめ 物資が必要なのは 当然だ。 130 00:09:12,839 --> 00:09:17,677 ましてや ルンスバッジ男爵領は ここより戦地に近い。 う~ん。 131 00:09:17,677 --> 00:09:21,514 切実に 食料を求めるのは 当たり前のことだ。 132 00:09:21,514 --> 00:09:23,850 しかも やぎは奪ったのではなく 133 00:09:23,850 --> 00:09:26,352 ちゃんと 金が支払われている。 134 00:09:26,352 --> 00:09:29,355 確かに お前は やぎを買う機会を逃したが 135 00:09:29,355 --> 00:09:32,525 それ以外に損をした人間は 誰もいない。 136 00:09:32,525 --> 00:09:35,862 これも 事実だ。 そのとおりです。 ですが…。 137 00:09:35,862 --> 00:09:38,698 取り返しに行っても 戦争を理由に 138 00:09:38,698 --> 00:09:42,368 取り合ってもらえないのが 関の山でしょうね。 139 00:09:42,368 --> 00:09:46,539 んっ…。 悔しい気持ちは わかる。 140 00:09:46,539 --> 00:09:49,375 だが 今は 事態を受け入れるんだ。 141 00:09:49,375 --> 00:09:51,377 では どうあっても やぎは…。 142 00:09:51,377 --> 00:09:55,214 戦争が片づけば 事後の 交渉の余地はある。 143 00:09:55,214 --> 00:09:57,214 難しいだろうがな。 144 00:09:59,552 --> 00:10:03,222 ((チーズケーキ? ぜひ 食べてみたいです!)) 145 00:10:03,222 --> 00:10:05,892 《ペイストリー:なぜ 人は争うんだ? 146 00:10:05,892 --> 00:10:09,562 誰も 幸せになんか ならないのに》 147 00:10:09,562 --> 00:10:12,398 (シイツ)1つ 手は ありますぜ。 えっ? 148 00:10:12,398 --> 00:10:17,737 戦時中でも 優先して 物資を手に入れられる方法が。 149 00:10:17,737 --> 00:10:20,573 (2人)ハッ…。 そうか 援軍! 150 00:10:20,573 --> 00:10:23,576 援軍として 戦場に駆けつけることで 151 00:10:23,576 --> 00:10:26,746 僕たちの物資調達に 優先権を主張する。 152 00:10:26,746 --> 00:10:31,250 ご名答。 ルンスバッジ男爵は けちで有名ですからね。 153 00:10:31,250 --> 00:10:33,920 どうせ 大した援助を するとも思えません。 154 00:10:33,920 --> 00:10:36,422 ならば うちが 援軍に参加すれば 155 00:10:36,422 --> 00:10:39,091 男爵より 優位に立てるってわけです。 156 00:10:39,091 --> 00:10:41,093 うん。 157 00:10:41,093 --> 00:10:44,263 リコリス嬢とペイスが 婚約しているからには 158 00:10:44,263 --> 00:10:47,767 うちには フバーレク側へ 肩入れする理由があるからな。 159 00:10:47,767 --> 00:10:49,769 (ペイストリー)決めました。 んっ? 160 00:10:49,769 --> 00:10:53,940 見てろ ルンスバッジ男爵め…。 161 00:10:53,940 --> 00:10:58,140 あのやぎは 僕のやぎだ~! 162 00:11:00,780 --> 00:11:06,285 (マルカルロ)ペイスが 副官で 領主様が 責任者か。 163 00:11:06,285 --> 00:11:08,788 (ルミニート)従士は 俺のおやじと ニコロ。 164 00:11:08,788 --> 00:11:11,557 新人従士で 大丈夫なのか~? 165 00:11:11,557 --> 00:11:13,726 (ニコロ)ヘクション! 166 00:11:13,726 --> 00:11:17,730 (コアントロー)それと 領民から募集した兵の8人。 167 00:11:17,730 --> 00:11:20,566 合計12人だ。 168 00:11:20,566 --> 00:11:23,236 ちくしょう! 俺も行きたかったぜ。 169 00:11:23,236 --> 00:11:25,905 マルクが行ったって 足手まといだっつの~。 170 00:11:25,905 --> 00:11:27,907 んだと!? んっ! あっ…。 171 00:11:27,907 --> 00:11:32,912 領主様たちが留守の間 村を守るのも 大切な役目だぞ。 172 00:11:32,912 --> 00:11:35,081 わかってるよ おやじ! フッ ヘヘヘヘ…。 173 00:11:35,081 --> 00:11:37,583 (アニエス) それにしても たった1日で 174 00:11:37,583 --> 00:11:40,086 すべての準備をして 出発するなんて…。 175 00:11:40,086 --> 00:11:44,423 大将と坊は 常に 非常時の準備を 怠ってないっすからね。 176 00:11:44,423 --> 00:11:46,926 備えあれば憂いなしってやつで。 177 00:11:46,926 --> 00:11:50,096 心配しなくて 大丈夫よ リコリスちゃん。 178 00:11:50,096 --> 00:11:52,796 はい。 フッ…。 うん…。 179 00:11:55,601 --> 00:11:59,605 《ごめん リコリス。 自分から 戦地へ行くなんて。 180 00:11:59,605 --> 00:12:01,607 これも お菓子のため。 181 00:12:01,607 --> 00:12:04,777 もとい 不正義を正すためなんです》 182 00:12:04,777 --> 00:12:07,446 あっ…。 《ペイストリー:やぎを取り戻したら 183 00:12:07,446 --> 00:12:10,346 おいしいお菓子を たくさん作りますね!》 184 00:12:15,554 --> 00:12:18,224 (スクヮーレ)ハァー…。 185 00:12:18,224 --> 00:12:22,061 ハハハハ。 かわいい。 186 00:12:22,061 --> 00:12:24,563 (ペトラ)ここに 私がいる っていうのに…。 うわっ! 187 00:12:24,563 --> 00:12:26,732 絵に見とれるなんて ひどいですわ。 188 00:12:26,732 --> 00:12:28,734 とと… とんでもない! 189 00:12:28,734 --> 00:12:30,736 その… 実物が あまりに かわいいので 190 00:12:30,736 --> 00:12:32,905 先に 目を慣らしておかなきゃと…。 191 00:12:32,905 --> 00:12:35,241 まあ! 192 00:12:35,241 --> 00:12:38,411 ハッ! ハァー…。 193 00:12:38,411 --> 00:12:41,580 《スクヮーレ:やっぱり ペトラさんは かわいいな~》 194 00:12:41,580 --> 00:12:44,417 ウフフフ。 ハハハハ…。 195 00:12:44,417 --> 00:12:46,919 (フバーレク)いや お見事。 おっ… あっ。 196 00:12:46,919 --> 00:12:50,923 とっさの言い訳としては 上出来でしたな スクヮーレ殿。 197 00:12:50,923 --> 00:12:53,592 言い訳だなんて! 本心です。 決して…。 198 00:12:53,592 --> 00:12:57,263 お父様! スクヮーレ様を からかわないでください! 199 00:12:57,263 --> 00:13:00,766 いや すまん すまん。 ごめんなさい スクヮーレ様。 200 00:13:00,766 --> 00:13:03,769 いえ とんでもない。 では 散歩に出かけましょう。 201 00:13:03,769 --> 00:13:05,771 旦那様! (扉の開く音) 202 00:13:05,771 --> 00:13:09,108 ルトルートの総軍勢が 侵攻を開始したとのことです! 203 00:13:09,108 --> 00:13:11,043 何? (2人)えっ? 204 00:13:11,043 --> 00:13:14,880 その数 1万余り。 1万か。 205 00:13:14,880 --> 00:13:18,718 最初の3万というのは 誤った情報だったようだな。 206 00:13:18,718 --> 00:13:23,222 ならば 我が軍の戦力で 十分 戦えるな。 207 00:13:23,222 --> 00:13:26,559 スクヮーレ殿 聞いてのとおりだ。 はい! 208 00:13:26,559 --> 00:13:30,563 貴君には 今から 前線付近の防衛を要請する。 209 00:13:30,563 --> 00:13:34,567 あっ…。 そんな! 我が軍だけでと…。 210 00:13:34,567 --> 00:13:38,070 ペトラ 私なりの考えが あってのことだ。 211 00:13:38,070 --> 00:13:40,072 でも…。 あっ…。 212 00:13:40,072 --> 00:13:43,743 んっ…。 213 00:13:43,743 --> 00:13:48,414 閣下 初陣の機会を お与えくださり 感謝します! 214 00:13:48,414 --> 00:13:52,585 すぐに 出発いたします! うん よろしく頼む。 215 00:13:52,585 --> 00:13:54,920 はい! スクヮーレ様。 216 00:13:54,920 --> 00:13:58,758 大丈夫。 この国は 僕が 必ず お守りします。 217 00:13:58,758 --> 00:14:00,758 あっ…。 218 00:14:03,095 --> 00:14:07,433 申し上げます! 先遣隊の一部 国境付近に到着。 219 00:14:07,433 --> 00:14:09,702 布陣いたしました! ご苦労。 220 00:14:09,702 --> 00:14:11,704 閣下。 (2人)んっ? 221 00:14:11,704 --> 00:14:14,373 兵たちに 疲れが見え始めています。 222 00:14:14,373 --> 00:14:18,043 フバーレク軍は 軍備増強を 推し進めておりますし 223 00:14:18,043 --> 00:14:20,379 このままでは 劣勢かと。 224 00:14:20,379 --> 00:14:24,884 フン… 俺が 考えなしに 動いているとでも思ってるのか? 225 00:14:24,884 --> 00:14:27,052 んっ そのようなことは…。 226 00:14:27,052 --> 00:14:31,724 今回の狙いは フバーレクとカドレチェクを引き離すことよ。 227 00:14:31,724 --> 00:14:35,394 辺境伯と公爵家を? 228 00:14:35,394 --> 00:14:38,731 (ルトルート)フバーレク家に駐留している カドレチェクの跡継ぎは 229 00:14:38,731 --> 00:14:41,233 まだ 戦の経験がない。 230 00:14:41,233 --> 00:14:44,904 フバーレクとしても 初陣の機会を 考えているだろうが 231 00:14:44,904 --> 00:14:49,408 国家の重鎮の孫を そうそう 危険に さらすわけにはいかない。 232 00:14:49,408 --> 00:14:52,578 だが 向こうの勝率が高い戦とあれば 233 00:14:52,578 --> 00:14:54,580 初陣には 絶好の機会。 234 00:14:54,580 --> 00:14:56,916 おまけに 勝ちを収めれば カドレチェクに 235 00:14:56,916 --> 00:14:59,418 恩を売った形にもできる。 236 00:14:59,418 --> 00:15:01,754 だから 引きずり出してやるのよ。 237 00:15:01,754 --> 00:15:07,092 確実に しとめられる場所にな! あっ…。 238 00:15:07,092 --> 00:15:09,528 娘の婚約者を失ううえに 239 00:15:09,528 --> 00:15:13,032 恐らく カドレチェクは 激怒して 縁を切るだろう。 240 00:15:13,032 --> 00:15:17,703 これで フバーレクは孤立し 当てにしていた軍備増強も パー。 241 00:15:17,703 --> 00:15:20,873 動揺しているところへ 総攻撃を仕掛ける。 242 00:15:20,873 --> 00:15:25,044 公爵の援軍も間に合わず 一巻の終わりってわけだ。 243 00:15:25,044 --> 00:15:31,544 フフフフ… フバーレクの絶望した顔が 目に浮かぶぜ! 244 00:15:37,890 --> 00:15:41,560 《こんなに 突然 初陣になるなんて…》 245 00:15:41,560 --> 00:15:43,896 あっ…。 246 00:15:43,896 --> 00:15:46,065 ((ペトラ:これを お守りに…)) 247 00:15:46,065 --> 00:15:48,734 《絶対に 負けられない。 248 00:15:48,734 --> 00:15:50,834 ペトラさんを守ってみせる!》 249 00:15:59,411 --> 00:16:03,916 これは モルテールン卿 それに ペイストリー卿! 250 00:16:03,916 --> 00:16:07,586 侵攻があったと聞き及び 駆けつけてまいりました。 251 00:16:07,586 --> 00:16:11,690 それは 遠方よりのご助力 心から感謝する。 252 00:16:11,690 --> 00:16:15,361 いえ やぎのためです! おい! あっ…。 253 00:16:15,361 --> 00:16:19,031 やぎ? あっ… いいえ。 254 00:16:19,031 --> 00:16:22,868 大切な婚約者のご実家 その危急とあらばと! 255 00:16:22,868 --> 00:16:24,870 うん。 256 00:16:24,870 --> 00:16:26,872 (カセロール)戦況のほうは? 257 00:16:26,872 --> 00:16:30,042 (フバーレク) まずは 順調といったところか。 258 00:16:30,042 --> 00:16:32,878 敵方は 思っていたほどの数ではない。 259 00:16:32,878 --> 00:16:37,216 今は 前線とりでから 打って出る準備を進めている。 260 00:16:37,216 --> 00:16:40,052 兵が少ない? うん。 261 00:16:40,052 --> 00:16:42,888 3万でも おかしくないと 思っていたが 262 00:16:42,888 --> 00:16:45,558 実際は 1万2, 000ほど。 263 00:16:45,558 --> 00:16:49,728 卿の意見を伺いたい。 敵の布陣は? 264 00:16:49,728 --> 00:16:51,730 ここに 2, 000。 265 00:16:51,730 --> 00:16:56,235 こちらに 主力がいて 近くに 備えらしき兵が 500ほど。 266 00:16:56,235 --> 00:17:00,239 この丘を 我が軍の手勢 200で守り 267 00:17:00,239 --> 00:17:03,576 そして ここにも 敵の兵がいる。 268 00:17:03,576 --> 00:17:05,578 《なるほど 守りが堅い》 269 00:17:05,578 --> 00:17:07,580 妙だな。 んっ? 270 00:17:07,580 --> 00:17:11,684 妙? 何か 不自然。 ふに落ちません。 271 00:17:11,684 --> 00:17:15,854 見ていると 変わったところは 見受けられないのですが…。 272 00:17:15,854 --> 00:17:19,191 むっ… やはり 卿も そう思われたか。 273 00:17:19,191 --> 00:17:22,194 《ペイストリー:戦士の勘 というやつなのかも。 274 00:17:22,194 --> 00:17:28,200 でも 父様ほどの歴戦の戦士ならば その勘は正しいはずだ》 275 00:17:28,200 --> 00:17:32,871 しかし この布陣 堅実で 無駄に思えるところがない。 276 00:17:32,871 --> 00:17:35,541 この違和感は 一体…。 277 00:17:35,541 --> 00:17:38,377 堅実すぎないでしょうか? 278 00:17:38,377 --> 00:17:40,713 んっ? どういうことかな? 279 00:17:40,713 --> 00:17:42,881 逆に 不自然というか。 280 00:17:42,881 --> 00:17:46,218 この布陣は 我々の側が 攻めてくることに対して 281 00:17:46,218 --> 00:17:48,554 備えている布陣です。 なっ…。 282 00:17:48,554 --> 00:17:51,223 (ペイストリー)敵は 侵攻してきた側。 283 00:17:51,223 --> 00:17:55,227 なのに なぜ 守りの姿勢を 取っているのでしょう? 284 00:17:55,227 --> 00:17:58,397 うん 自分から攻めてきておいて 285 00:17:58,397 --> 00:18:02,234 1戦もせずに 守りを固めるのは 不自然。 286 00:18:02,234 --> 00:18:04,570 それが 違和感の原因か。 287 00:18:04,570 --> 00:18:07,573 とすれば 敵の意図は どこに? 288 00:18:07,573 --> 00:18:10,175 こちらの消耗を誘う作戦か? 289 00:18:10,175 --> 00:18:13,178 いや 私が 敵なら…。 290 00:18:13,178 --> 00:18:17,182 大部分の兵で 守りを固めて…。 291 00:18:17,182 --> 00:18:19,184 兵力差の不利を補い 292 00:18:19,184 --> 00:18:23,856 その上で 少数の機動戦力による 局地戦で 奇襲を重ね 293 00:18:23,856 --> 00:18:29,028 相手方の戦力を 地道にそぎ続ける という策を取ります。 294 00:18:29,028 --> 00:18:32,865 例えば ここ。 私なら まず 真っ先に 295 00:18:32,865 --> 00:18:35,701 ここを たたくでしょう。 あっ…。 296 00:18:35,701 --> 00:18:37,870 《相手の立場に立つことで 297 00:18:37,870 --> 00:18:40,873 より具体的な狙いが見えてくる》 298 00:18:40,873 --> 00:18:43,375 北からの備えを 重視しているところを 299 00:18:43,375 --> 00:18:46,712 攻撃すれば こちらは ほとんど 無傷。 300 00:18:46,712 --> 00:18:49,048 地形的に見ても 奇襲をかければ…。 301 00:18:49,048 --> 00:18:51,050 うっ…。 302 00:18:51,050 --> 00:18:53,218 んっ? 閣下? 303 00:18:53,218 --> 00:18:55,220 (フバーレク)そこは…。 304 00:18:55,220 --> 00:18:58,891 そこは 今 スクヮーレ殿が指揮する部隊がいる! 305 00:18:58,891 --> 00:19:01,894 あっ! あっ スクヮーレ殿が? 306 00:19:01,894 --> 00:19:05,397 比較的 防衛の楽な地帯だと踏んで 307 00:19:05,397 --> 00:19:08,233 初陣に絶好の機会と 向かわせた。 308 00:19:08,233 --> 00:19:12,004 戦の経験のない スクヮーレ殿が 奇襲の的となっては 309 00:19:12,004 --> 00:19:15,507 ひとたまりもありません すぐ 助けに行かねば! 310 00:19:15,507 --> 00:19:19,011 わかった。 一個中隊を 卿に お預けする。 311 00:19:19,011 --> 00:19:21,013 すぐ スクヮーレ殿の元へ! 312 00:19:21,013 --> 00:19:23,849 急ぐぞ ペイス! はい! 313 00:19:23,849 --> 00:19:26,185 敵襲の予想方角は? 314 00:19:26,185 --> 00:19:28,353 はっ! 北東方面かと。 315 00:19:28,353 --> 00:19:32,691 よし。 ここで 迎え撃ち せん滅する! はっ! 316 00:19:32,691 --> 00:19:34,693 申し上げます! んっ…。 317 00:19:34,693 --> 00:19:37,863 敵の姿を 遠くに確認! およそ20! 318 00:19:37,863 --> 00:19:41,200 んっ… いよいよだ。 いくぞ! 319 00:19:41,200 --> 00:19:49,541 (喚声) 320 00:19:49,541 --> 00:19:51,710 《どこだ? どこに 敵が?》 321 00:19:51,710 --> 00:19:53,712 敵襲~! ハッ…。 322 00:19:53,712 --> 00:19:56,548 敵です! 南の森から 敵襲! 323 00:19:56,548 --> 00:19:59,551 何!? なぜ 背後から? あっ…。 324 00:19:59,551 --> 00:20:02,721 かかれ~! (喚声) 325 00:20:02,721 --> 00:20:05,057 いけ いけ~! (喚声) 326 00:20:05,057 --> 00:20:07,059 うわっ! すごい数だ! 327 00:20:07,059 --> 00:20:09,895 敵は 20人ではなかったのか!? 逃げるな! 迎え撃て! 328 00:20:09,895 --> 00:20:11,897 《裏を かかれた!》 329 00:20:11,897 --> 00:20:14,233 うわっ! うわっ! 330 00:20:14,233 --> 00:20:16,235 うわ~! 331 00:20:16,235 --> 00:20:21,240 《落ち着け。 落ち着くんだ!》 332 00:20:21,240 --> 00:20:23,408 スクヮーレ殿! 333 00:20:23,408 --> 00:20:25,410 スクヮーレ殿 ご指示を! 334 00:20:25,410 --> 00:20:28,747 ハッ… ここでは 狙い撃ちだ。 森の中へ! 335 00:20:28,747 --> 00:20:30,747 はっ! 336 00:20:32,918 --> 00:20:36,255 ハッ…。 (喚声) 337 00:20:36,255 --> 00:20:38,257 くっ…。 敵増援! およそ100! 338 00:20:38,257 --> 00:20:40,259 スクヮーレ殿 ご指示を! 339 00:20:40,259 --> 00:20:42,259 《はめられた!》 340 00:20:48,934 --> 00:20:52,938 お館様! フバーレク辺境伯の中隊が 遅れています! 341 00:20:52,938 --> 00:20:56,608 待ってる暇はない! ニコロ フバーレク閣下の中隊は任せる! 342 00:20:56,608 --> 00:20:58,777 かしこまりました! はっ! 343 00:20:58,777 --> 00:21:00,779 国境に近づいたら ペイスは 344 00:21:00,779 --> 00:21:03,615 兵たちを連れて 敵を かく乱! はい! 345 00:21:03,615 --> 00:21:06,285 (カセロール)グラサージュは 俺と一緒に来い。 はっ! 346 00:21:06,285 --> 00:21:09,221 《スクヮーレ殿…》 347 00:21:09,221 --> 00:21:11,223 んっ… うっ! フッ! うっ! 348 00:21:11,223 --> 00:21:14,226 散るな! 固まれ! あの若いのが 大将だ! 349 00:21:14,226 --> 00:21:17,729 討ち取れ! くっ… 撤退する! 総員 引け! 350 00:21:17,729 --> 00:21:20,729 無理です! すでに囲まれています! 351 00:21:24,236 --> 00:21:26,336 くっ…。 んっ…。 352 00:21:30,742 --> 00:21:34,580 ハッ… 血路を開くぞ! 353 00:21:34,580 --> 00:21:38,083 しかし この人数では…。 降伏したほうが…。 354 00:21:38,083 --> 00:21:40,085 弱気を見せるな! 355 00:21:40,085 --> 00:21:42,588 がっ! うわっ! うっ! 356 00:21:42,588 --> 00:21:47,593 あっ…。 なっ… 何が? ハッ! 357 00:21:47,593 --> 00:21:51,763 フン! (叫び声) 358 00:21:51,763 --> 00:21:53,763 フッ! 359 00:21:55,767 --> 00:21:57,769 フッ! うっ! 360 00:21:57,769 --> 00:22:00,606 あれは… モルテールン卿!? 361 00:22:00,606 --> 00:22:03,442 (逃げ惑う声) 362 00:22:03,442 --> 00:22:06,612 なぜ モルテールン卿が ここに? 363 00:22:06,612 --> 00:22:09,112 (ペイストリー) ご無事で 何よりです スクヮーレ殿。 364 00:22:11,049 --> 00:22:14,052 お久しぶりです。 初陣と聞きつけて 365 00:22:14,052 --> 00:22:16,388 助太刀に参りました。 366 00:22:16,388 --> 00:22:18,588 ハッ… あっ…。