1 00:00:06,506 --> 00:00:09,509 (ホロ)プハー! ハァ…。 2 00:00:09,509 --> 00:00:13,680 フゥ…。 いい飲みっぷりだ! 姉さん いけるね! 3 00:00:13,680 --> 00:00:15,682 フフッ! まあまあ まあまあ…。 4 00:00:15,682 --> 00:00:18,018 いけるだろ。 ウハハハハハ! 5 00:00:18,018 --> 00:00:20,854 (パン屋)ほらほら 連れの子に負けていちゃ➡ 6 00:00:20,854 --> 00:00:22,856 男が廃るというものだ。 7 00:00:22,856 --> 00:00:26,660 どんどん いきな! どんどん! (ロレンス)いや~ どうも どうも。 8 00:00:29,363 --> 00:00:31,865 あ~! いや いいビールですね。 9 00:00:31,865 --> 00:00:33,867 アハハハ! そうだろう? 10 00:00:33,867 --> 00:00:36,536 (パン屋)ここの おかみ イーマ・ラネルといえば➡ 11 00:00:36,536 --> 00:00:38,705 この辺じゃ 聞こえた名前だ。 12 00:00:38,705 --> 00:00:42,876 その腕っぷしは 男3人前 食いぶちは 5人前。 13 00:00:42,876 --> 00:00:45,712 たくっ…。 (イーマ)旅の人に うそ 教えるんじゃないよ。 14 00:00:45,712 --> 00:00:48,715 はい 羊肉の にんにく炒め お待ちど。 15 00:00:48,715 --> 00:00:51,051 (パン屋)これから 褒めようとしたんじゃないか。 16 00:00:51,051 --> 00:00:54,721 なら 今のは 悪口だってことだろ。 (村人たち)ハハハハハ! 17 00:00:54,721 --> 00:00:58,392 このおかみはな 昔 1人で ビールの醸造鍋を背負って➡ 18 00:00:58,392 --> 00:01:01,161 旅をしてたんだよ。 えっ? まさか。 19 00:01:01,161 --> 00:01:03,997 ああ そうだよ。 あれは 私が 今よりも➡ 20 00:01:03,997 --> 00:01:07,167 もっと うら若く 美しいときの話さ。 21 00:01:07,167 --> 00:01:11,838 あたしゃ もっと 西のほうの 海沿いの町の生まれなんだけど➡ 22 00:01:11,838 --> 00:01:15,008 そんなとこは 波にさらわれる運命でさ。 23 00:01:15,008 --> 00:01:18,011 波…。 海賊のことですか。 24 00:01:18,011 --> 00:01:20,180 ああ。 いちもくさんに逃げ出したとき➡ 25 00:01:20,180 --> 00:01:25,018 持ち出したのは 背中の醸造鍋と 大麦の袋だけ。 26 00:01:25,018 --> 00:01:28,522 何を考えてたのかね。 (パン屋)まあ おかみも 一杯。 27 00:01:28,522 --> 00:01:30,691 おっと 悪いね。 28 00:01:30,691 --> 00:01:33,694 それで あたしゃ 鍋と麦と川の水とで➡ 29 00:01:33,694 --> 00:01:35,696 ビールを こしらえたのさ。 30 00:01:35,696 --> 00:01:39,032 そこに通りがかったのが 海賊退治の視察に来た➡ 31 00:01:39,032 --> 00:01:42,869 伯爵様 ご一行だった! (歓声) 32 00:01:42,869 --> 00:01:45,038 フフッ! (歓声) 33 00:01:45,038 --> 00:01:51,211 (歓声) 34 00:01:51,211 --> 00:01:53,213 プハッ! (歓声) 35 00:01:53,213 --> 00:01:56,717 伯爵様は 私に 共に旅をして ビールを造ってくれと➡ 36 00:01:56,717 --> 00:01:58,719 おっしゃられたんだよ。 37 00:01:58,719 --> 00:02:01,655 これは しめたものと 伯爵様に ついてゆく➡ 38 00:02:01,655 --> 00:02:04,658 うら若き 野心家の乙女 イーマ! 39 00:02:04,658 --> 00:02:06,994 それで お抱えの醸造師にでも? 40 00:02:06,994 --> 00:02:10,664 (イーマ)アハハハハ それは 無理な話さね。 41 00:02:10,664 --> 00:02:13,834 もらった礼といえば 伯爵様お墨付きのビールとして➡ 42 00:02:13,834 --> 00:02:16,003 売っていいという権利さ。 43 00:02:16,003 --> 00:02:21,675 で そこから始まる 世にも珍しい ビールの歩き売り女の物語だ。 44 00:02:21,675 --> 00:02:24,177 さすらいの乙女醸造師と言いな! 45 00:02:24,177 --> 00:02:26,179 少しでも多く売るために➡ 46 00:02:26,179 --> 00:02:29,683 私は 自分のビールを 決して飲まなかった。 47 00:02:29,683 --> 00:02:33,353 でも この村で 初めて飲んじまってね。 48 00:02:33,353 --> 00:02:37,024 べろんべろんで引っ掛かったのが 今の亭主さ。 49 00:02:37,024 --> 00:02:39,860 けど まあ この村も いい所だよ。 50 00:02:39,860 --> 00:02:42,863 ゆっくりしていっとくれ。 ありがとうございます。 51 00:02:42,863 --> 00:02:46,033 いや~ いい酒場です。 52 00:02:46,033 --> 00:02:48,535 こんな店は 王都 エンディマにも そうそうない。 53 00:02:48,535 --> 00:02:51,371 そうだろう そうだろう。 兄さん 見る目がある。 54 00:02:51,371 --> 00:02:53,373 それに 酒も うまい。 55 00:02:53,373 --> 00:02:56,043 この村は よほど 神に愛されているのでしょうね。 56 00:02:56,043 --> 00:02:59,546 (パン屋たち)んっ…。 あっ! 57 00:02:59,546 --> 00:03:01,481 と… これは失礼。 58 00:03:01,481 --> 00:03:03,817 いやいや 兄さんは悪くない。 59 00:03:03,817 --> 00:03:08,822 確かに 死んじまった フランツ司祭は この村の大恩人だ。 でもな…。 60 00:03:08,822 --> 00:03:12,325 なんだかんだ言っても やっぱり トルエオ様には逆らえねえ。 61 00:03:12,325 --> 00:03:14,327 (パン屋)ああ そのとおり。 そうだ そうだ。 62 00:03:14,327 --> 00:03:18,498 トルエオ様? ああ 村の守り神さ。 63 00:03:18,498 --> 00:03:22,669 豊作をもたらす テレオって名の元になった神様さ。 64 00:03:22,669 --> 00:03:27,507 なるほど。 豊作の神… やっぱり 狼ですか? 65 00:03:27,507 --> 00:03:30,343 狼? ばか言っちゃいけねえ。 66 00:03:30,343 --> 00:03:33,346 あんな 悪魔の手先 神なもんかね。 あっ? 67 00:03:33,346 --> 00:03:35,682 うん… と言うと? 68 00:03:35,682 --> 00:03:40,187 トルエオ様は 蛇だよ 蛇。 蛇の神様さ。 69 00:03:40,187 --> 00:03:42,189 蛇…。 70 00:03:44,357 --> 00:03:47,360 (パン屋)頭と尻尾で 天気が違うといわれ➡ 71 00:03:47,360 --> 00:03:51,865 朝飯に月 夕飯に太陽を飲み込むと いわれているんだ。 72 00:03:51,865 --> 00:03:54,534 格が違うよ 格が。 73 00:03:54,534 --> 00:03:57,871 村の外れには トルエオ様が冬眠するために掘った➡ 74 00:03:57,871 --> 00:04:00,307 穴が残ってるんだ。 穴が? 75 00:04:00,307 --> 00:04:03,643 (パン屋)入ると たたりがあるって 昔からの言い伝えだ。 76 00:04:03,643 --> 00:04:06,480 フランツ司祭だって ビビって この穴には入っちゃならねえと➡ 77 00:04:06,480 --> 00:04:08,482 言ったものさ。 78 00:04:08,482 --> 00:04:10,484 丘の斜面にあるんだが 村に来るとき➡ 79 00:04:10,484 --> 00:04:12,486 見かけなかったかい? 80 00:04:12,486 --> 00:04:14,821 そういえば…。 81 00:04:14,821 --> 00:04:18,825 だがな ここの近くに エンベルクって町があるだろ。 82 00:04:18,825 --> 00:04:22,996 あそこの でかい教会には 代々 腹の立つ連中がいてな。 83 00:04:22,996 --> 00:04:26,166 今は メンデスってのが治めてるんだが…。 84 00:04:26,166 --> 00:04:28,335 もともと エンベルクも うちみたいに➡ 85 00:04:28,335 --> 00:04:31,004 トルエオ様の恩恵に あずかってきたのに…。 86 00:04:31,004 --> 00:04:33,507 宣教に来た連中に 言いくるめられて➡ 87 00:04:33,507 --> 00:04:35,675 教会側に くら替えしやがった。 88 00:04:35,675 --> 00:04:40,180 そしたら 人が来て 道が敷かれて でかい町に…。 89 00:04:40,180 --> 00:04:43,850 教会の力は 強いですからね。 そうなんだよ。 90 00:04:43,850 --> 00:04:47,687 で 力をつけたからって こっちも 改宗させようとしてきてな。 91 00:04:47,687 --> 00:04:49,689 とはいえ 村に 教会を建てれば➡ 92 00:04:49,689 --> 00:04:53,026 それでいいって話の はずだったんが…。 93 00:04:53,026 --> 00:04:57,864 俺たちのトルエオ様を見逃す代わりに 村に 重税を課してきやがった。 94 00:04:57,864 --> 00:04:59,866 重税ですか。 95 00:04:59,866 --> 00:05:04,805 そこに 30年だか40年前に やって来たのが フランツ司祭だ。 96 00:05:04,805 --> 00:05:08,975 しかし 今は エルサさんが 教会を 治めていらっしゃいますよね。 97 00:05:08,975 --> 00:05:11,311 ああ それなんだよな…。 98 00:05:11,311 --> 00:05:13,813 旅の安全を祈っていただこうと 思ったら➡ 99 00:05:13,813 --> 00:05:16,149 お若い女性が 司祭服を着ていらして➡ 100 00:05:16,149 --> 00:05:20,654 びっくりしましたよ。 そう思うだろ 無理があり過ぎる。 101 00:05:20,654 --> 00:05:23,323 エルサの嬢ちゃんは もう 10年以上前に➡ 102 00:05:23,323 --> 00:05:25,325 フランツ司祭に拾われたんだが➡ 103 00:05:25,325 --> 00:05:28,495 だからって 自分も司祭だなんて…。 104 00:05:28,495 --> 00:05:30,830 なあ? (男性たち)うん。 105 00:05:30,830 --> 00:05:34,334 あんた 遠くの国の商人さんだろ? えっ… ええ。 106 00:05:34,334 --> 00:05:36,336 なら こう… なんだ。 知り合いに➡ 107 00:05:36,336 --> 00:05:39,673 名のある教会の 偉い人とかいないのかい? 108 00:05:39,673 --> 00:05:44,010 偉い人ですか? そうそう! がつ~んと ひと言➡ 109 00:05:44,010 --> 00:05:46,513 エンベルクの連中に言えるような…。 こら! 痛っ! 110 00:05:46,513 --> 00:05:48,849 旅の人に 一体 何を しゃべってるんだい! 111 00:05:48,849 --> 00:05:50,851 あっ…。 そっ… そうだな。 112 00:05:50,851 --> 00:05:55,021 すまないね。 けど 旅の人なら わかるだろう。 113 00:05:55,021 --> 00:05:58,191 村には 村の中の事情がある。 はい。 114 00:05:58,191 --> 00:06:01,795 旅の人には 村の料理と酒を楽しんでもらう。 115 00:06:01,795 --> 00:06:06,132 そして 別の土地で あの村は よかったと言ってもらいたいんだ。 116 00:06:06,132 --> 00:06:08,134 ええ ごもっともです。 117 00:06:08,134 --> 00:06:11,471 じゃあ あんたらは 酒を飲んで 盛り上がるのが➡ 118 00:06:11,471 --> 00:06:13,974 今日の 最後の仕事だよ! (男性たち)ハハハハハ! 119 00:06:13,974 --> 00:06:16,977 と言いたいところだけれども➡ 120 00:06:16,977 --> 00:06:19,479 連れの人が潰れたみたいだね。 121 00:06:19,479 --> 00:06:21,982 はめを外し過ぎですね。 122 00:06:21,982 --> 00:06:24,818 醜態をさらす前に 宿に連れて帰ります。 123 00:06:24,818 --> 00:06:26,820 (パン屋たち)お~! (硬貨を置く音) 124 00:06:26,820 --> 00:06:29,155 一応は 嫁入り前なので。 ありがとよ! 125 00:06:29,155 --> 00:06:31,358 ごちそうさん! またな! 気を付けてな! 126 00:08:12,459 --> 00:08:14,961 飲み食いし過ぎだ。 ゲフッ…。 127 00:08:14,961 --> 00:08:17,130 それが わっちの役目じゃろうが。 128 00:08:17,130 --> 00:08:19,132 もちろん わかってはいるが…。 129 00:08:19,132 --> 00:08:21,968 お前 高い物ばかり 頼んでいただろ。 130 00:08:21,968 --> 00:08:24,804 う~ん… けちくさい雄じゃな。 131 00:08:24,804 --> 00:08:28,308 じゃが そんなことより 横になりたい。 132 00:08:28,308 --> 00:08:31,311 苦しい。 おい もうちょっとだから 寝るな。 133 00:08:31,311 --> 00:08:33,313 んっ… んっ! 134 00:08:36,483 --> 00:08:38,651 お連れさん どうされました? 135 00:08:38,651 --> 00:08:41,321 いえ 酔っ払っているだけです。 136 00:08:41,321 --> 00:08:44,124 そうだ これを。 んっ? 137 00:08:47,327 --> 00:08:49,329 うっ… ハァ…。 138 00:08:49,329 --> 00:08:51,331 ハックション! 139 00:08:51,331 --> 00:08:53,500 んっ… あっ…。 ああ…。 あっ? 140 00:08:53,500 --> 00:08:55,835 どっ… どうした? うっ…。 141 00:08:55,835 --> 00:08:59,339 あっ… なっ… なんじゃ? これ。 142 00:08:59,339 --> 00:09:01,441 宿のおかみさんに もらったんだよ。 143 00:09:01,441 --> 00:09:03,443 二日酔いに効くらしい。 144 00:09:03,443 --> 00:09:05,779 これを食えば➡ 145 00:09:05,779 --> 00:09:09,449 100年間 酔っ払ってても 目が覚めるじゃろう。 146 00:09:09,449 --> 00:09:11,451 フフッ…。 ああ…。 147 00:09:11,451 --> 00:09:13,453 うん。 148 00:09:16,456 --> 00:09:18,792 えらく のんびりした村だな。 149 00:09:18,792 --> 00:09:20,794 店が開くのは 遅そうだ。 150 00:09:20,794 --> 00:09:25,298 そうとなれば 起きておっても 寒いし 腹が減るだけじゃ。 151 00:09:25,298 --> 00:09:30,970 神は 一応 我々を 1日1回しか 眠らない体に作ったらしいぞ。 152 00:09:30,970 --> 00:09:33,640 わっちは 狼じゃからな。 153 00:09:33,640 --> 00:09:37,644 フッ…。 しかし どうも 妙だな。 ほう? 154 00:09:37,644 --> 00:09:40,647 いや この村の人間の 収入が気になってな。 155 00:09:40,647 --> 00:09:42,649 なんじゃ? それ。 156 00:09:42,649 --> 00:09:44,651 収穫を終えたからといって➡ 157 00:09:44,651 --> 00:09:46,986 のんびりできる農村なんて ありえない。 158 00:09:46,986 --> 00:09:48,988 ましてや ここは エンベルクから➡ 159 00:09:48,988 --> 00:09:51,157 重税を 課されているそうじゃないか。 160 00:09:51,157 --> 00:09:55,995 なのに どうして…。 ふ~ん 奇跡的な村なんじゃの。 161 00:09:55,995 --> 00:09:58,331 ハハッ ここの村人は➡ 162 00:09:58,331 --> 00:10:02,335 教会に あまり関心がないのに 奇跡とは 皮肉な話だな。 163 00:10:02,335 --> 00:10:04,337 んっ? 皮肉? 164 00:10:04,337 --> 00:10:06,673 なんだ 知らないで言ったのか。 165 00:10:06,673 --> 00:10:08,675 何が 皮肉なのかや? 166 00:10:08,675 --> 00:10:11,344 そうか。 じゃあ 教会が言うところの➡ 167 00:10:11,344 --> 00:10:13,346 奇跡について 教えてやろう。 168 00:10:13,346 --> 00:10:16,683 偉そうな物言いは気になるが 聞こう。 169 00:10:16,683 --> 00:10:20,186 教会にとって 奇跡とは 特別な言葉なんだ。 170 00:10:20,186 --> 00:10:22,522 神によって 精霊が遣わされ➡ 171 00:10:22,522 --> 00:10:25,191 人の力を超えた出来事が 起きることを➡ 172 00:10:25,191 --> 00:10:27,861 彼らは 奇跡と呼んでいる。 ふむ…。 173 00:10:27,861 --> 00:10:30,864 そして 奇跡を起こしたと 教会から認められた者は➡ 174 00:10:30,864 --> 00:10:35,368 聖人と呼ばれ 人々から 崇拝される存在となる。 175 00:10:35,368 --> 00:10:39,038 いちいち 教会が認める必要があるのかや? 176 00:10:39,038 --> 00:10:42,876 うそじゃないか。 神でなく 悪魔の仕業じゃないか。 177 00:10:42,876 --> 00:10:45,211 それを 教会が判別するんだ。 178 00:10:45,211 --> 00:10:49,382 ふ~ん。 で 具体的には どんなのがあるんじゃ? 179 00:10:49,382 --> 00:10:52,552 聞いたことがあるのは 嵐を静めたとか➡ 180 00:10:52,552 --> 00:10:54,554 病人を たちどころに治したとか➡ 181 00:10:54,554 --> 00:10:56,556 水を ぶどう酒に変えたとか…。 182 00:10:56,556 --> 00:10:59,392 ぶどう酒? 酒にだけ反応するな! 183 00:10:59,392 --> 00:11:03,997 とにかく 人には なしえない 神の仕業としか思えない行為を➡ 184 00:11:03,997 --> 00:11:06,165 教会では 奇跡と言うんだよ。 185 00:11:06,165 --> 00:11:08,668 わっちも 神と呼ばれていたんじゃが? 186 00:11:08,668 --> 00:11:11,337 飲み食いの量なら 神懸かってるな。 187 00:11:11,337 --> 00:11:13,840 たわけ! 戯れに その奇跡とやらを➡ 188 00:11:13,840 --> 00:11:17,677 人間に披露したこともありんす。 へぇ~。 189 00:11:17,677 --> 00:11:21,347 まあ 教会の奇跡は 大半が 種ありだ。 190 00:11:21,347 --> 00:11:24,050 お前みたいな本物とは… んっ? 191 00:11:30,023 --> 00:11:32,692 今日の行く先が決まったな。 んっ? 192 00:11:32,692 --> 00:11:35,528 例の修道院の手がかりを つかめるかもしれない。 193 00:11:35,528 --> 00:11:38,197 しかし お前の故郷探しなのに➡ 194 00:11:38,197 --> 00:11:40,533 なんで 俺のほうが 頑張っているんだ? 195 00:11:40,533 --> 00:11:44,037 わっちが 主のそばにおったら 動きづらいじゃろ? 196 00:11:44,037 --> 00:11:47,540 狭い村じゃ。 人の目は そこかしこにある。 197 00:11:47,540 --> 00:11:51,377 わっちが 自分で 動いてもよいのなら 動きんす。 198 00:11:51,377 --> 00:11:54,047 早く 修道院に行って 話を聞きたくて➡ 199 00:11:54,047 --> 00:11:56,382 うずうずしておるんじゃからな。 200 00:11:56,382 --> 00:12:00,820 わかったよ。 遅くとも 昼ごろには戻ってくる。 201 00:12:00,820 --> 00:12:02,822 土産を よろしくの。 202 00:12:07,493 --> 00:12:10,830 おはよう ロレンスさん。 おはようございます。 203 00:12:10,830 --> 00:12:14,167 昨日は どうも。 おう 俺らは 毎日 いるから➡ 204 00:12:14,167 --> 00:12:16,169 また 酒場に来てくれよ。 205 00:12:16,169 --> 00:12:18,504 で 今日は どこへ行くんだね? 206 00:12:18,504 --> 00:12:20,506 麦を 粉にしてもらおうかと。 207 00:12:20,506 --> 00:12:22,842 ああ 粉挽きの所かい。 208 00:12:22,842 --> 00:12:26,179 粉を盗まれないように 気を付けな。 あっ? アハハ…。 209 00:12:26,179 --> 00:12:28,848 粉を パンにしたかったら うちに来な。 210 00:12:28,848 --> 00:12:32,552 おいしいのを焼いてやるから。 はい そのときは ぜひ。 211 00:12:35,855 --> 00:12:37,857 (エヴァン)あっ ロレンスの旦那! 212 00:12:37,857 --> 00:12:39,859 旦那は よしてくれ。 213 00:12:39,859 --> 00:12:43,029 今 石臼は空いてるかな? (エヴァン)任せてくれよ。 214 00:12:43,029 --> 00:12:46,532 テレオの麦は 全部 ここで 粉にするんだからな。 215 00:12:46,532 --> 00:12:50,703 料金は まあ 3リュートくらいかな。 ずいぶん安いな。 216 00:12:50,703 --> 00:12:54,374 (エヴァン)えっ そうなのか? 場所によっては その3倍だ。 217 00:12:54,374 --> 00:12:57,210 へぇ~ てっきり高いと思ってた。 218 00:12:57,210 --> 00:12:59,979 村の連中は 払うのを渋るのにな。 219 00:12:59,979 --> 00:13:02,649 ハハハ! どこも同じだな。 220 00:13:02,649 --> 00:13:05,151 (エヴァン)ロレンスさんも 粉挽き やったことあるのか? 221 00:13:05,151 --> 00:13:09,822 いや 俺が やったことがあるのは 税の徴収の代理人だ。 222 00:13:09,822 --> 00:13:12,492 豚1頭 解体するのに いくらとか。 223 00:13:12,492 --> 00:13:15,328 ふ~ん そんなのがあるのか。 224 00:13:15,328 --> 00:13:19,499 肉や骨を洗えば 川が汚れるし ごみも たくさん出る。 225 00:13:19,499 --> 00:13:23,836 その処理のための税金なんだが 皆 払ってくれなくてな。 226 00:13:23,836 --> 00:13:28,007 最後には 泣き落としまで使って 払ってもらって 大変だったよ。 227 00:13:28,007 --> 00:13:31,010 わかるな ハハハハ。 228 00:13:31,010 --> 00:13:36,182 ところで テレオの麦は 全部 ここで粉にすると言っていたが。 229 00:13:36,182 --> 00:13:39,686 なんだ ロレンスさん テレオで 麦の商売をしたいのか? 230 00:13:39,686 --> 00:13:42,021 まあ 場合によってはな。 231 00:13:42,021 --> 00:13:44,190 (エヴァン)なら 諦めたほうがいいね。 232 00:13:44,190 --> 00:13:46,359 商人というのは 諦めが悪い。 233 00:13:46,359 --> 00:13:48,695 ハハハハ! さすがだ。 234 00:13:48,695 --> 00:13:52,699 でも ここの麦は 全部 エンベルクが 買い上げる決まりなんだよ。 235 00:13:52,699 --> 00:13:56,035 それは この村の領主が エンベルクということかな? 236 00:13:56,035 --> 00:13:58,204 (エヴァン)俺らは エンベルクと対等だ。 237 00:13:58,204 --> 00:14:00,306 連中は 俺らの麦を買い➡ 238 00:14:00,306 --> 00:14:03,309 俺らは 連中から 麦以外の物を買う。 239 00:14:03,309 --> 00:14:05,812 しかも 俺らが 連中から 酒や服を買うときは➡ 240 00:14:05,812 --> 00:14:09,482 税金が かからない。 どうだ? すごいだろう? 241 00:14:09,482 --> 00:14:13,653 それが事実なら すごいな。 対等どころの話じゃない。 242 00:14:13,653 --> 00:14:15,655 普通は あの規模の町と➡ 243 00:14:15,655 --> 00:14:18,491 そんな有利な関係は 作れないはずだが➡ 244 00:14:18,491 --> 00:14:21,828 一体 どうやって…。 それに 聞いた話だと➡ 245 00:14:21,828 --> 00:14:24,997 この村は エンベルクに 重税を課せられているとか。 246 00:14:24,997 --> 00:14:29,001 (エヴァン)ヘヘヘッ そんなのは 昔の話だ。 そうなのか? 247 00:14:29,001 --> 00:14:31,604 なんでか知りたいか? ぜひともね。 248 00:14:33,673 --> 00:14:36,843 悪い。 実は 知らないんだ。 おいおい。 249 00:14:36,843 --> 00:14:39,345 だけど 誰が そうしたかは知ってるぜ。 250 00:14:39,345 --> 00:14:41,347 フランツ司祭だろ? 251 00:14:41,347 --> 00:14:44,350 あっ おっ… なっ… なんで わかったんだ? 252 00:14:44,350 --> 00:14:49,188 ハァ… なに 商人の勘というやつさ。 253 00:14:49,188 --> 00:14:51,190 すっ… すげえな。 254 00:14:51,190 --> 00:14:53,526 ロレンスさんは やっぱ ただ者じゃなかったのか。 255 00:14:53,526 --> 00:14:55,528 褒めても 何も出ない。 256 00:14:55,528 --> 00:14:57,530 それよりも 麦は まだか? 257 00:14:57,530 --> 00:14:59,532 んっ… あっ そうだった。 258 00:15:04,971 --> 00:15:07,974 (エヴァン)パンにするときは 念入りに ふるいにかけないと だめだぜ。 259 00:15:07,974 --> 00:15:11,811 わかった。 ああ そういえば 朝 見かけたんだが➡ 260 00:15:11,811 --> 00:15:16,149 エルサさんと 仲がいいんだな。 あっ 見られてたのか。 261 00:15:16,149 --> 00:15:18,651 冬場は ここで寝るなんて 無理だろ? 262 00:15:18,651 --> 00:15:22,321 教会に泊めてもらってるんだ。 それで ちょっと…。 263 00:15:22,321 --> 00:15:25,158 昨日 行ったときは 邪険に あしらわれてな。 264 00:15:25,158 --> 00:15:28,828 それが今朝は 聖母様もかくや といった具合に 穏やかで➡ 265 00:15:28,828 --> 00:15:31,164 驚いたよ。 アハハ。 266 00:15:31,164 --> 00:15:35,501 エルサは 気が小さいくせに 短気で そのくせ 人見知りするから➡ 267 00:15:35,501 --> 00:15:39,505 初対面の人には やまねずみみたいに牙をむくんだ。 268 00:15:39,505 --> 00:15:42,508 けど まあ ご機嫌なのは 久しぶりのことだ。 269 00:15:42,508 --> 00:15:46,179 間が悪かったね。 昨日の夜には もう ご機嫌だった。 270 00:15:46,179 --> 00:15:49,182 けど そういや ロレンスさんたちが来たなんて話は➡ 271 00:15:49,182 --> 00:15:51,184 しなかったな。 272 00:15:51,184 --> 00:15:55,021 あいつ 1日にした くしゃみの 回数まで 俺に話すのに。 273 00:15:55,021 --> 00:15:59,025 それは きっと 曲がりなりにも 俺が男だからだろう。 274 00:15:59,025 --> 00:16:02,128 ああ… あいつも ばかだな。 275 00:16:02,128 --> 00:16:04,463 ごちそうさまと言いたいな。 276 00:16:04,463 --> 00:16:06,966 でも エルサも フランツさんを敬ってて➡ 277 00:16:06,966 --> 00:16:09,635 後を継ごうって頑張ってるんだぜ。 278 00:16:09,635 --> 00:16:12,138 俺は それを応援してやりたいんだ。 279 00:16:12,138 --> 00:16:16,309 ああ わかるよ。 しかし あれほど カリカリしていたのが➡ 280 00:16:16,309 --> 00:16:19,479 急に 機嫌がよくなるなんてのは 一体 なんだったんだ? 281 00:16:19,479 --> 00:16:21,481 なんで そんなことを聞くんだい? 282 00:16:21,481 --> 00:16:24,817 連れの機嫌が 山の天気よりも よく変わるからだ。 283 00:16:24,817 --> 00:16:28,321 ロレンスさんも大変だね。 全くだ。 284 00:16:28,321 --> 00:16:30,490 けど 聞いても しょうがないぜ。 285 00:16:30,490 --> 00:16:34,494 単に 今までの問題が一段落ついた ってだけのことだからね。 286 00:16:34,494 --> 00:16:36,662 というと? それは…。 287 00:16:36,662 --> 00:16:41,000 おっと… 外の人に言うなって 言われてるんだ すまないけど…。 288 00:16:41,000 --> 00:16:43,836 ああ いや なら かまわない。 それじゃ。 289 00:16:43,836 --> 00:16:46,505 なっ… なあ ロレンスさん! んっ? 290 00:16:46,505 --> 00:16:48,841 その… 行商人って 大変か? 291 00:16:48,841 --> 00:16:50,843 あっ…。 292 00:16:50,843 --> 00:16:52,845 んっ…。 293 00:16:52,845 --> 00:16:55,681 この世に 楽な職業なんてない。 294 00:16:55,681 --> 00:16:58,518 けど まあ 今は楽しいよ。 295 00:16:58,518 --> 00:17:02,121 そっか… そうだよな。 わかった。 296 00:17:02,121 --> 00:17:04,524 ありがとう。 じゃあな。 297 00:17:13,132 --> 00:17:15,635 修道院に行くの 諦めないか? 298 00:17:15,635 --> 00:17:18,137 理由は? 299 00:17:18,137 --> 00:17:20,640 この村は 普通じゃない。 危険だ。 300 00:17:20,640 --> 00:17:24,310 わっちの故郷探しに 危険は冒せぬかや? 301 00:17:24,310 --> 00:17:26,312 その言い方 わざとだろう。 302 00:17:26,312 --> 00:17:28,814 んっ? フン! 303 00:17:28,814 --> 00:17:32,318 俺の予想だとな 探している修道院は➡ 304 00:17:32,318 --> 00:17:35,488 あの教会じゃないかと思うんだ。 んっ…。 305 00:17:35,488 --> 00:17:40,993 俺の予想が正しいなら 修道院長とは フランツ司祭だろう。 306 00:17:40,993 --> 00:17:42,995 となると エルサも村長も➡ 307 00:17:42,995 --> 00:17:45,331 司祭が 異教の神々の話を 集めていたことは➡ 308 00:17:45,331 --> 00:17:47,333 知っていたはず。 309 00:17:47,333 --> 00:17:50,503 その上で 修道院など知らないと とぼけた。 310 00:17:50,503 --> 00:17:55,508 次に 酒場でのことを思い出すと ここの教会は敬われていない。 311 00:17:55,508 --> 00:17:58,844 村の連中は 蛇の神を敬っている。 312 00:17:58,844 --> 00:18:02,615 じゃが フランツとやらは 村の恩人だとか言っておったな。 313 00:18:02,615 --> 00:18:07,620 そう。 だとすると フランツ司祭は 村のために 何かをしたんだ。 314 00:18:07,620 --> 00:18:10,122 その内容を ついさっき エヴァンから聞いてきた。 315 00:18:10,122 --> 00:18:12,124 小僧は なんと? 316 00:18:12,124 --> 00:18:16,128 この村は エンベルクと 分不相応な契約を結んでいる。 317 00:18:16,128 --> 00:18:19,131 だから 村人は のんびり 暮らしていられるわけだ。 318 00:18:19,131 --> 00:18:21,634 そんな契約を交わしたのが フランツ司祭らしい。 319 00:18:21,634 --> 00:18:23,636 ふむ…。 320 00:18:23,636 --> 00:18:25,638 そこで考えるべきは➡ 321 00:18:25,638 --> 00:18:29,308 この村と エンベルクの教会の仲が 悪いということ。 322 00:18:29,308 --> 00:18:34,814 エンベルクは フランツ司祭の死とともに 契約を なきものにしたいんだ。 323 00:18:34,814 --> 00:18:37,650 この村は 異教の神を祭っている。 324 00:18:37,650 --> 00:18:40,486 そして 異教徒の村と認定できれば➡ 325 00:18:40,486 --> 00:18:43,489 エンベルクは ここに攻め入る口実が出来る。 326 00:18:43,489 --> 00:18:46,659 だが エルサたちも 対策は考えていた。 327 00:18:46,659 --> 00:18:49,495 昨日 村長の家に知らせがあった。 328 00:18:49,495 --> 00:18:52,164 恐らく より大きな教会か貴族が➡ 329 00:18:52,164 --> 00:18:55,501 エルサの立場を認める 後ろ盾になってくれたんだろう。 330 00:18:55,501 --> 00:18:59,338 それまで 気が気でなかったエルサは ほっとしただろうな。 331 00:18:59,338 --> 00:19:03,442 とはいえ エンベルクが それで 手を引くとは思えない。 332 00:19:03,442 --> 00:19:07,446 諦めないか? 状況から言って エルサも村長も➡ 333 00:19:07,446 --> 00:19:10,282 異教の神々に関わるような 修道院の存在は➡ 334 00:19:10,282 --> 00:19:12,284 ひた隠しにするはずだ。 335 00:19:12,284 --> 00:19:15,454 それに万が一 俺たちも 異端として見つかれば➡ 336 00:19:15,454 --> 00:19:18,457 事が大きくなる。 ハァ… 主よ。 337 00:19:21,127 --> 00:19:23,629 んっ…。 なあ ホロ。 338 00:19:23,629 --> 00:19:25,798 また 俺が 何か 思い違いをする前に➡ 339 00:19:25,798 --> 00:19:27,800 言っておいてもらいたい。 340 00:19:27,800 --> 00:19:32,138 お前 異教の神々の話に 何を期待している? 341 00:19:32,138 --> 00:19:34,640 お前の故郷を その…。 342 00:19:34,640 --> 00:19:39,311 滅ぼしたという熊について 調べたいのか? それとも…。 343 00:19:39,311 --> 00:19:41,647 故郷の仲間のことか? んっ…。 344 00:19:41,647 --> 00:19:45,317 だとしたら どうするんじゃ? 345 00:19:45,317 --> 00:19:47,820 危険な橋を渡らないでもない。 346 00:19:47,820 --> 00:19:51,824 ハァ… ならば よい。 347 00:19:51,824 --> 00:19:53,993 よい。 そんな 大げさに➡ 348 00:19:53,993 --> 00:19:56,662 構えられるほどのことじゃ ありんせん。 349 00:19:56,662 --> 00:19:59,498 ホロ…。 わっちゃあ 本音としては➡ 350 00:19:59,498 --> 00:20:01,500 小娘の頬をひっぱたいて➡ 351 00:20:01,500 --> 00:20:04,503 話が残っておらぬか 問いただしたい。 352 00:20:04,503 --> 00:20:06,839 主が言ったことのために。 353 00:20:06,839 --> 00:20:11,010 もう1つは 単純に ヨイツの話を知りたいからじゃ。 354 00:20:11,010 --> 00:20:14,346 主だって 故郷の話となれば 知りたくなろう? 355 00:20:14,346 --> 00:20:16,348 それは そうだが…。 356 00:20:16,348 --> 00:20:20,519 じゃが そのために 主に 危険な橋を渡ってもらうのは➡ 357 00:20:20,519 --> 00:20:22,688 少し困りんす。 あっ…。 358 00:20:22,688 --> 00:20:28,027 クフッ… まあ お人よしなのは 主の 数少ない美点じゃが…。 359 00:20:28,027 --> 00:20:30,696 わっちには それが 少し怖い。 360 00:20:30,696 --> 00:20:34,033 わっちが こんなふうに さみしげにしておっても➡ 361 00:20:34,033 --> 00:20:37,036 主は がぶりと食わぬのじゃからな。 362 00:20:37,036 --> 00:20:39,038 全く 恐ろしい雄じゃ。 363 00:20:39,038 --> 00:20:41,874 見た目は果物でも よく吟味しないと➡ 364 00:20:41,874 --> 00:20:44,210 とんでもない味の物があるからな。 365 00:20:44,210 --> 00:20:48,214 確かに とてつもなく 酸っぱいかもしれぬからのう。 366 00:20:48,214 --> 00:20:52,384 じゃが わっちが甘くないとでも? ああ。 367 00:20:52,384 --> 00:20:55,054 ほう… いい度胸じゃ。 368 00:20:55,054 --> 00:20:59,558 お前は 本当に 諦めてもいいんだな? 369 00:20:59,558 --> 00:21:03,829 そういう聞き方はな… ずるいと思うんじゃが。 370 00:21:03,829 --> 00:21:10,169 わっちゃあ ヨイツの話や 仲間の話や 腹の立つ熊の話があるのなら➡ 371 00:21:10,169 --> 00:21:12,671 それを詳しく知りたい。 ああ。 372 00:21:12,671 --> 00:21:16,842 クメルスンでの あの鳥の小娘の話では とても足りぬ。 373 00:21:16,842 --> 00:21:21,013 喉が渇いたときに 少しだけ 水を飲むようなものじゃ。 374 00:21:21,013 --> 00:21:24,183 どうしたい? 375 00:21:24,183 --> 00:21:26,385 甘えても… いいかや? 376 00:21:28,354 --> 00:21:32,525 任せろ。 俺に任せてくれ。 377 00:21:32,525 --> 00:21:36,128 実はな わっちには 案が1つある。 んっ? 378 00:21:39,198 --> 00:21:41,200 フフッ…。 正気か? 379 00:21:41,200 --> 00:21:44,537 遠回しにやっておっても 話は進まぬじゃろう。 380 00:21:44,537 --> 00:21:48,374 大体 わっちが甘えてもいいかやと 言ったのはな➡ 381 00:21:48,374 --> 00:21:51,043 危ない橋を 共に渡ってもらってもいいかや➡ 382 00:21:51,043 --> 00:21:53,879 ということじゃ。 しかし…。 383 00:21:53,879 --> 00:21:57,383 主は 雄々しく 任せろと答えてくれた。 384 00:21:57,383 --> 00:22:00,486 わっちゃあ とても うれしい。 385 00:22:00,486 --> 00:22:04,490 たまには 主の手綱を 握り直さんとな。 386 00:22:04,490 --> 00:22:06,659 まあ うまく いかなかったときのことは➡ 387 00:22:06,659 --> 00:22:08,661 主に任せる。 388 00:22:08,661 --> 00:22:13,165 じゃからな 今は 主の手を握るだけ。 389 00:22:13,165 --> 00:22:16,502 ハァ…。 ニヒッ! 390 00:22:16,502 --> 00:22:20,172 では 主よ さっさと飯を食って 行こう。 391 00:22:20,172 --> 00:22:23,375 フゥ… わかったよ。