1 00:00:04,171 --> 00:00:09,176 ♬(音楽) 2 00:00:09,176 --> 00:00:12,846 ♬~ 3 00:00:12,846 --> 00:00:15,182 おっ! うっ! 4 00:00:15,182 --> 00:00:17,184 うぅ~ うっ! 5 00:00:17,184 --> 00:00:20,187 ♬~ 6 00:00:20,187 --> 00:00:24,691 (動物の鳴き声) 7 00:00:24,691 --> 00:00:26,860 うわっ… あっ… あ~! 8 00:00:26,860 --> 00:00:35,035 (歓声) 9 00:00:35,035 --> 00:00:39,706 ⦅ホロ:嫌じゃ。 もう 独りは 嫌じゃ…。 10 00:00:39,706 --> 00:00:42,542 じゃが かまわぬ。 思い出した。 11 00:00:42,542 --> 00:00:47,881 わっちを… そうじゃ わっちを 愛する者がおることをな。 12 00:00:47,881 --> 00:00:50,384 主は わっちの なんじゃ? 13 00:00:50,384 --> 00:00:53,587 いや… わっちは 主の なんじゃ?⦆ 14 00:02:38,025 --> 00:02:41,028 (マルク) ったく… 言わんこっちゃない。 15 00:02:41,028 --> 00:02:44,364 あれだけ自信満々だったやつが なんてざまだ。 16 00:02:44,364 --> 00:02:48,201 (ロレンス)不測の事態が起きた。 全くの想定外で。 17 00:02:48,201 --> 00:02:50,370 油断…。 (マルク)油断したと言え。 18 00:02:50,370 --> 00:02:52,539 フッ… 正直にな。 19 00:02:52,539 --> 00:02:55,542 あっ… そのとおりだ。 20 00:02:55,542 --> 00:03:00,480 それで? なんの相談だ? 金の無心なら お断りだぞ。 21 00:03:00,480 --> 00:03:02,649 風向きが知りたい。 んっ? 22 00:03:02,649 --> 00:03:04,818 帆を張って 船出しようにも➡ 23 00:03:04,818 --> 00:03:07,654 この町の 今日 明日の相場の風向きは➡ 24 00:03:07,654 --> 00:03:09,990 よそ者の俺には 読み切れない。 25 00:03:09,990 --> 00:03:12,993 フゥ… 諦めろ。 26 00:03:12,993 --> 00:03:16,496 勢いのついた馬を 止められる者がいないように➡ 27 00:03:16,496 --> 00:03:19,166 値段の上昇は そうそう変わらない。 28 00:03:19,166 --> 00:03:22,836 石屋の隣に 急きょ 作られた 値段表は➡ 29 00:03:22,836 --> 00:03:27,340 売り待ちの木札に対して 買い待ちのほうが増える一方だ。 30 00:03:27,340 --> 00:03:30,844 今日 明日で 値下がりするなんて 気配は みじんもない。 31 00:03:30,844 --> 00:03:35,515 全知全能の神でもなけりゃ 風向きを変えるのは無理だ。 32 00:03:35,515 --> 00:03:38,852 だったら 神のまねをするまでだ。 33 00:03:38,852 --> 00:03:42,022 んっ? 予想がつくような値下がりじゃ➡ 34 00:03:42,022 --> 00:03:44,691 アマーティが巻き込まれるとは 思えないしな。 35 00:03:44,691 --> 00:03:48,528 んっ… お前 暴落を仕掛ける気か。 36 00:03:48,528 --> 00:03:51,198 それしかないだろう。 37 00:03:51,198 --> 00:03:53,867 とにかく 明日の日没までに➡ 38 00:03:53,867 --> 00:03:56,036 あいつが買い込んだ黄鉄鉱を➡ 39 00:03:56,036 --> 00:03:58,839 ただの石ころに しなきゃならないんだ。 40 00:04:05,312 --> 00:04:08,482 あいつが 読みを誤るような仕掛け…。 41 00:04:08,482 --> 00:04:10,817 暴落を起こすような仕掛け…。 42 00:04:10,817 --> 00:04:13,653 そんなものがあるのか? 43 00:04:13,653 --> 00:04:16,857 ⦅だったら 神のまねをするまでだ⦆ 44 00:04:19,826 --> 00:04:21,828 神…。 45 00:04:21,828 --> 00:04:23,830 ⦅いかような値段で これを➡ 46 00:04:23,830 --> 00:04:25,999 買い取って いただけるじゃろうか⦆ 47 00:04:25,999 --> 00:04:31,104 ⦅ほれ このとおり わっちの 目の前の物が 傾いていんす⦆ 48 00:04:33,840 --> 00:04:37,844 ⦅主様よ。 迷っている暇があるのかや?⦆ 49 00:04:37,844 --> 00:04:39,846 《ホロなら…》 50 00:04:39,846 --> 00:04:44,851 ♬~ 51 00:04:44,851 --> 00:04:48,355 (男性たち)お~! フゥー! 52 00:04:48,355 --> 00:04:50,857 見ろ これを。 んっ? 53 00:04:50,857 --> 00:04:53,860 驚くなよ。 54 00:04:53,860 --> 00:04:55,862 (商人たち)お~! 55 00:04:55,862 --> 00:04:57,864 これは 気合いを入れましたな。 56 00:04:57,864 --> 00:05:00,300 麦の行商から くら替えか。 57 00:05:00,300 --> 00:05:02,803 うわさじゃ あしたには 倍になるらしい。 58 00:05:02,803 --> 00:05:06,139 倍? ほんとか? まず 間違いない。 59 00:05:06,139 --> 00:05:10,977 祭りだからと 帆を畳んでいては 絶好の機会を逃しますぞ。 60 00:05:10,977 --> 00:05:12,979 こりゃ 真面目に 麦の買い付けなんぞ➡ 61 00:05:12,979 --> 00:05:16,149 してる場合じゃないな。 おう そうだな。 62 00:05:16,149 --> 00:05:18,852 んっ! (笑い声) 63 00:05:24,658 --> 00:05:26,660 あっ…。 64 00:05:28,995 --> 00:05:30,997 あっ…。 65 00:05:34,167 --> 00:05:36,169 あっ! 66 00:05:38,672 --> 00:05:40,674 ハッ! 67 00:05:46,846 --> 00:05:48,849 ハッ! 68 00:05:48,849 --> 00:05:52,018 あっ…。 (歓声) 69 00:05:52,018 --> 00:05:56,856 (歓声) 70 00:05:56,856 --> 00:06:00,627 んっ…。 71 00:06:00,627 --> 00:06:03,330 あっ… ハァ…。 72 00:06:05,298 --> 00:06:07,601 スゥー… フッ! 73 00:06:12,639 --> 00:06:14,641 フフッ おいしかったわ。 74 00:06:14,641 --> 00:06:16,643 ええ 評判どおり 川魚が おいしかった。 75 00:06:16,643 --> 00:06:18,812 ねっ! 他の料理も気になるわね。 76 00:06:18,812 --> 00:06:20,814 んっ…。 77 00:06:22,816 --> 00:06:24,818 ハァ…。 78 00:06:27,320 --> 00:06:29,322 ロレンス様。 ハッ! 79 00:06:29,322 --> 00:06:33,660 あっ…。 あっ 失礼。 何か? 80 00:06:33,660 --> 00:06:36,663 お手紙を渡すように 仰せつかっております。 81 00:06:36,663 --> 00:06:40,834 誰から? どちらも お連れの方でございます。 82 00:06:40,834 --> 00:06:44,671 1通は 依頼されて 私が代筆いたしました。 83 00:06:44,671 --> 00:06:47,674 明かりを頂けますか? 84 00:06:50,176 --> 00:06:56,850 「現金 銀貨200枚 手持ちの黄鉄鉱 銀貨300枚分」。 85 00:06:56,850 --> 00:06:59,019 「処分可能な財産…」。 86 00:06:59,019 --> 00:07:02,289 これは アマーティの財産の内訳! 87 00:07:02,289 --> 00:07:04,791 フフッ フフフッ…。 んっ? 88 00:07:04,791 --> 00:07:07,494 ホロ…。 89 00:07:11,631 --> 00:07:15,635 これは アマーティの字。 90 00:07:15,635 --> 00:07:19,306 え~っと 「神の御名において…」。 91 00:07:19,306 --> 00:07:21,308 んっ? 92 00:07:21,308 --> 00:07:25,011 あっ! 婚姻誓約書…。 93 00:07:29,816 --> 00:07:31,985 ホロ…。 94 00:07:31,985 --> 00:07:34,988 くっ! うん? 95 00:07:34,988 --> 00:07:38,491 うわっ! 預けてある現金の 一切を出してくれ! 96 00:07:43,663 --> 00:07:47,167 ⦅アマーティさんが よく行かれる酒場でしたら…⦆ 97 00:07:47,167 --> 00:07:49,869 ハハハハハ…。 なんだ? 98 00:07:52,172 --> 00:07:54,674 んっ…。 99 00:07:54,674 --> 00:07:57,877 なんだ? ありゃ。 ほら 例の商館の…。 100 00:08:02,282 --> 00:08:05,285 チッ! おい! 気を付けろって…。 101 00:08:05,285 --> 00:08:08,288 んっ! あっ… うっ…。 102 00:08:12,125 --> 00:08:15,028 ああ…。 失礼。 うぅ… んっ…。 103 00:08:19,966 --> 00:08:22,302 こんばんは。 (アマーティ)んっ! 104 00:08:22,302 --> 00:08:26,473 フフッ…。 あっ…。 んっ… 何か? 105 00:08:26,473 --> 00:08:29,142 そんな 警戒なさらないでください。 106 00:08:29,142 --> 00:08:31,144 商売の話に来たのです。 107 00:08:35,982 --> 00:08:38,151 静かな いい店ですね。 108 00:08:38,151 --> 00:08:40,820 他の店だと 静かには飲めません。 109 00:08:40,820 --> 00:08:42,822 ここは 貴重な場所です。 110 00:08:42,822 --> 00:08:45,825 一体 何を たくらんで いらっしゃるのですか? 111 00:08:45,825 --> 00:08:49,829 率直に申しますと 黄鉄鉱を 買っていただきたいのです。 112 00:08:49,829 --> 00:08:53,166 えっ? 黄鉄鉱を買っていただきたい。 113 00:08:53,166 --> 00:08:58,004 現在の相場で トレニー銀貨 およそ500枚分の黄鉄鉱を。 114 00:08:58,004 --> 00:09:01,608 ご冗談を。 冗談ではありません。 115 00:09:01,608 --> 00:09:04,444 私が 黄鉄鉱の転売で もうけていることは➡ 116 00:09:04,444 --> 00:09:08,448 ご存じでしょう? だというのに 私に 黄鉄鉱を売るなんて➡ 117 00:09:08,448 --> 00:09:10,950 どういうことですか? もしや…。 118 00:09:10,950 --> 00:09:13,119 借金さえ回収できれば ホロさんのことは➡ 119 00:09:13,119 --> 00:09:16,122 どうでもいいというのは 本当なのですか? 120 00:09:16,122 --> 00:09:18,291 いいえ 私にとって ホロは➡ 121 00:09:18,291 --> 00:09:20,627 大切な存在です。 ならば そんな…。 122 00:09:20,627 --> 00:09:24,130 もちろん 単純に お売りするわけではありません。 123 00:09:24,130 --> 00:09:26,466 信用売りをしたいのです。 124 00:09:26,466 --> 00:09:29,302 信用売り? はい。 125 00:09:29,302 --> 00:09:32,138 それは 一体…。 現在の相場で➡ 126 00:09:32,138 --> 00:09:34,808 トレニー銀貨500枚分の黄鉄鉱を➡ 127 00:09:34,808 --> 00:09:37,644 明日の夕刻に お売りしたいということです。 128 00:09:37,644 --> 00:09:40,980 ならば 明日の夕刻に お声をかけていただければ…。 129 00:09:40,980 --> 00:09:45,485 いえ 代金は 今 頂きたいのです。 んっ…。 130 00:09:45,485 --> 00:09:47,654 つまり 私は 今 ここで➡ 131 00:09:47,654 --> 00:09:50,657 銀貨500枚を アマーティさんから受け取る。 132 00:09:50,657 --> 00:09:55,995 そして 明日の夕刻 今 この時点で 銀貨500枚に相当する黄鉄鉱を➡ 133 00:09:55,995 --> 00:09:58,665 お渡しするということです。 134 00:09:58,665 --> 00:10:02,168 んっ…。 135 00:10:02,168 --> 00:10:04,671 それは 明日の夕刻の時点で➡ 136 00:10:04,671 --> 00:10:08,174 黄鉄鉱の値段が 今より上がっていたとしても➡ 137 00:10:08,174 --> 00:10:11,845 今の値段で評価した黄鉄鉱を 頂けるということですか? 138 00:10:11,845 --> 00:10:13,847 そうです。 139 00:10:13,847 --> 00:10:17,684 例えば 現時点で 1,200イレードの黄鉄鉱を➡ 140 00:10:17,684 --> 00:10:20,019 1つ 信用売りしたとしましょう。 141 00:10:20,019 --> 00:10:23,523 私は この場で アマーティさんから 代金を受け取りますが➡ 142 00:10:23,523 --> 00:10:27,193 明日の夕刻 その黄鉄鉱が 2,000イレードになっていても➡ 143 00:10:27,193 --> 00:10:31,364 私は 黄鉄鉱を アマーティさんに お渡ししなければなりません。 144 00:10:31,364 --> 00:10:35,869 逆に言えば 明日の夕刻に 200イレードになっていても➡ 145 00:10:35,869 --> 00:10:39,372 私は 黄鉄鉱を 1つしか もらえないわけですね。 146 00:10:39,372 --> 00:10:41,374 そういうことです。 147 00:10:44,210 --> 00:10:47,046 なぜ 直接 取り引きしないのですか? 148 00:10:47,046 --> 00:10:50,550 日を置いて お金と商品を やりとりする。 149 00:10:50,550 --> 00:10:54,387 これも 結局 普通の売買と…。 150 00:10:54,387 --> 00:10:56,723 いや 違う。 んっ…。 151 00:10:56,723 --> 00:10:59,225 そういうことですか。 152 00:10:59,225 --> 00:11:01,494 この信用売りというやつは➡ 153 00:11:01,494 --> 00:11:05,665 手元に商品がないのに それを 売って お金を得るものですね。 154 00:11:05,665 --> 00:11:09,168 信用買いが 手元にある商品の 価値が上がることで➡ 155 00:11:09,168 --> 00:11:11,170 利益になるなら➡ 156 00:11:11,170 --> 00:11:14,507 信用売りは お金の価値が上がればいい。 157 00:11:14,507 --> 00:11:21,347 つまり 売った商品の値段が 下がればいいということですよね。 158 00:11:21,347 --> 00:11:25,351 さすが。 ご理解いただけましたか。 159 00:11:25,351 --> 00:11:27,687 こんな商売があるのですね。 160 00:11:27,687 --> 00:11:29,689 魚の売買だけをしていては➡ 161 00:11:29,689 --> 00:11:32,025 世間の広さは わからないようです。 162 00:11:32,025 --> 00:11:35,361 今回の場合 アマーティさんが 私から追加で➡ 163 00:11:35,361 --> 00:11:38,031 銀貨500枚分の黄鉄鉱を買えば➡ 164 00:11:38,031 --> 00:11:41,034 その分 値上がったときの もうけも大きくなりますが➡ 165 00:11:41,034 --> 00:11:44,037 値下がったときの損失も 大きくなる。 166 00:11:44,037 --> 00:11:47,207 そうですね。 ロレンスさんが もうかるとき➡ 167 00:11:47,207 --> 00:11:51,044 私は 損をすることになる。 これは つまり…。 168 00:11:51,044 --> 00:11:54,847 アマーティさん あなたに 決闘を申し込んでいるのです。 169 00:11:58,718 --> 00:12:03,489 フッ… 決闘とは呼べないでしょう。 よもや 証書も交わさずに➡ 170 00:12:03,489 --> 00:12:06,326 取り引きを 行うわけではないですよね? 171 00:12:06,326 --> 00:12:10,163 仮に 明日の夕刻に 黄鉄鉱の値が 下がるのだとしても➡ 172 00:12:10,163 --> 00:12:14,334 その前に 必要な金額を 満たすほどの値が上がれば➡ 173 00:12:14,334 --> 00:12:17,003 私は 証書を売ってしまうでしょう。 174 00:12:17,003 --> 00:12:19,839 あまりにも ロレンスさんの分が悪すぎる。 175 00:12:19,839 --> 00:12:22,508 なぜなら 私は 少しの値上がりで➡ 176 00:12:22,508 --> 00:12:25,845 目標を達成できることに なってしまうからです。 177 00:12:25,845 --> 00:12:29,015 ですが 私は 自己の利益のために➡ 178 00:12:29,015 --> 00:12:32,352 ロレンスさんが不利になるような 取り引きは 受けたくない。 179 00:12:32,352 --> 00:12:35,855 この取り引きだけを見れば そうかもしれませんが➡ 180 00:12:35,855 --> 00:12:37,857 実は このくらいの分の悪さで➡ 181 00:12:37,857 --> 00:12:40,360 ちょうどいいのです。 というと? 182 00:12:40,360 --> 00:12:44,364 ホロが 婚姻の誓約書を破り捨てる 可能性があるということです。 183 00:12:44,364 --> 00:12:47,700 あっ…。 アマーティさんも 控えを お持ちなんでしょう? 184 00:12:47,700 --> 00:12:50,536 アマーティさんは 私に 借金を返しても➡ 185 00:12:50,536 --> 00:12:53,706 ホロが 首を縦に振らなければ どうにもならないという危険と➡ 186 00:12:53,706 --> 00:12:55,708 背中合わせです。 187 00:12:55,708 --> 00:12:59,879 この程度の分の悪さ それに比べれば 小さいものです。 188 00:12:59,879 --> 00:13:04,150 アハッ… そんな心配は ご無用かと存じますが? 189 00:13:04,150 --> 00:13:07,153 ずいぶんと激しい けんかを なされたようですね。 190 00:13:07,153 --> 00:13:09,656 ホロは 旅の途中➡ 191 00:13:09,656 --> 00:13:13,660 私の腕の中で 3度 泣きました。 ハッ…。 192 00:13:13,660 --> 00:13:17,163 そんなときは なかなか かわいいやつなのですが➡ 193 00:13:17,163 --> 00:13:20,166 あいにくと 意地っ張りなのでね。 んっ…。 194 00:13:20,166 --> 00:13:23,169 本心とは違う言動を 取りたがることがあります。 195 00:13:23,169 --> 00:13:25,171 つまり…。 (立ち上がる音) 196 00:13:25,171 --> 00:13:27,173 受けましょう。 197 00:13:27,173 --> 00:13:29,676 ロレンスさんの申し出を受けましょう。 198 00:13:29,676 --> 00:13:32,345 私は… 私は…。 199 00:13:32,345 --> 00:13:35,848 ロレンスさんから 何もかもを 奪う結果になってしまっては➡ 200 00:13:35,848 --> 00:13:38,851 あまりにも酷だと そう思っていました。 201 00:13:38,851 --> 00:13:41,354 しかし そのように おっしゃるならば➡ 202 00:13:41,354 --> 00:13:43,356 受けて立ちましょう。 203 00:13:43,356 --> 00:13:46,359 そして ロレンスさんの財産も何もかもを➡ 204 00:13:46,359 --> 00:13:48,361 すべて 奪って差し上げます! 205 00:13:51,864 --> 00:13:54,167 取り引きを 受けていただけますね? 206 00:13:57,203 --> 00:13:59,205 望むところです。 207 00:14:06,479 --> 00:14:09,315 (ロレンス/マルク)乾杯! 208 00:14:09,315 --> 00:14:11,317 う~ん… フッ…。 209 00:14:13,653 --> 00:14:15,655 フゥー! ハァー! 210 00:14:15,655 --> 00:14:17,657 (マルク)フゥ…。 いいビールだ。 211 00:14:17,657 --> 00:14:20,660 今年は どの麦も 実りがよかったからな。 212 00:14:20,660 --> 00:14:24,664 不作になると ビール用の大麦まで パンにしなきゃならない。 213 00:14:24,664 --> 00:14:26,999 豊作の神に感謝というわけだ。 214 00:14:26,999 --> 00:14:30,670 ハッハハッ! そうだな。 (マルク)フフッ…。 215 00:14:30,670 --> 00:14:35,675 しかし 酒のつまみには 少しばかり堅い話があるんだが…。 216 00:14:35,675 --> 00:14:39,011 もうけ話か? いや どうかな。 217 00:14:39,011 --> 00:14:42,348 場合によっては もうかるが それが目的ではない。 218 00:14:42,348 --> 00:14:44,851 というと? 麦の買い付けは➡ 219 00:14:44,851 --> 00:14:47,186 祭りが終わるころに 集中しなかったか? 220 00:14:47,186 --> 00:14:49,188 うん… するな。 221 00:14:49,188 --> 00:14:52,191 そこで 1つ うわさを流してもらいたいんだ。 222 00:14:52,191 --> 00:14:54,527 危ない話は お断りだぞ。 223 00:14:54,527 --> 00:14:56,863 お前が言えば そうかもしれないが➡ 224 00:14:56,863 --> 00:15:00,633 小僧が言うくらいなら 問題ないことというのがあるだろ。 225 00:15:00,633 --> 00:15:02,802 フン… 言ってみろよ。 226 00:15:02,802 --> 00:15:06,305 俺が指示したら ある場所で こう言ってほしいんだ。 227 00:15:06,305 --> 00:15:09,976 そろそろ 麦の値段も上がるころかなと。 228 00:15:09,976 --> 00:15:15,982 フン… うわさで 例の石の値段を 下げようって腹か。 229 00:15:15,982 --> 00:15:17,984 そんなところだ。 230 00:15:17,984 --> 00:15:20,486 黄鉄鉱の売買をしている多くは➡ 231 00:15:20,486 --> 00:15:22,488 この町に 何かを売りに来て➡ 232 00:15:22,488 --> 00:15:25,158 帰りに 何かを買っていく者たちだ。 233 00:15:25,158 --> 00:15:29,662 そいつらが 帰りの荷台に積む物で 最も多いのは 麦だろう。 234 00:15:29,662 --> 00:15:32,665 麦の値段が上がるという うわさが立てば➡ 235 00:15:32,665 --> 00:15:35,501 その前に買わなければと 慌てだす。 236 00:15:35,501 --> 00:15:40,173 小遣い稼ぎに持っていた黄鉄鉱は 一斉に売り払われるだろう。 237 00:15:40,173 --> 00:15:45,011 そうなれば 黄鉄鉱は 必然的に 値段が下がっていくってことか? 238 00:15:45,011 --> 00:15:48,514 まさか お前が そんな単純な 思考の持ち主だったとは➡ 239 00:15:48,514 --> 00:15:51,017 思わなかった。 それだけじゃない。 240 00:15:51,017 --> 00:15:54,520 同時に 相当量の黄鉄鉱が 売りに出されたとしたら? 241 00:15:54,520 --> 00:15:57,690 いくら分だ? トレニー銀貨1,000枚分。 242 00:15:57,690 --> 00:15:59,692 1,000枚? ばかか! 243 00:15:59,692 --> 00:16:02,462 そんなことをしたら いくら損をするか わからないぞ。 244 00:16:02,462 --> 00:16:06,466 いくら下がろうと かまわない。 はぁ? 何 言ってんだ? 245 00:16:06,466 --> 00:16:10,136 黄鉄鉱が あと 銀貨500枚分 現物で そろえば➡ 246 00:16:10,136 --> 00:16:13,973 値段が上がろうが下がろうが こちらの懐は痛まない。 247 00:16:13,973 --> 00:16:18,144 んっ…。 くそ… 信用売りか。 248 00:16:18,144 --> 00:16:22,315 ああ 信用売りと 通常の商売を 組み合わせることで➡ 249 00:16:22,315 --> 00:16:25,151 黄鉄鉱の値段が 上がろうが下がろうが➡ 250 00:16:25,151 --> 00:16:27,153 俺は 全く損をしない。 251 00:16:27,153 --> 00:16:29,655 代わりに 得もないがな。 252 00:16:29,655 --> 00:16:33,993 ハァ… アマーティは 大損どころか 破滅だって ありうるってのに…。 253 00:16:33,993 --> 00:16:36,662 無知に つけ込まれたってことか。 254 00:16:36,662 --> 00:16:40,500 いや 知っていて受けたんだろう。 それくらいのことを言った。 255 00:16:40,500 --> 00:16:42,501 じゃあ 勝負に乗らせた お前のほうが➡ 256 00:16:42,501 --> 00:16:46,672 一枚 うわてだったってとこだな。 おっかないやつだ。 257 00:16:46,672 --> 00:16:49,842 で 俺に頼みたいのは それだけか? 258 00:16:49,842 --> 00:16:52,511 もう1つある。 黄鉄鉱を買い集めてほしい。 259 00:16:52,511 --> 00:16:56,015 うっ! 買う当てを作ってから 契約したんじゃないのか! 260 00:16:56,015 --> 00:16:58,684 残念ながら そんな余裕がなかった。 261 00:16:58,684 --> 00:17:02,955 夜が明けてから 市場で 銀貨500枚分の買いを出したら➡ 262 00:17:02,955 --> 00:17:05,958 黄鉄鉱の値段が うなぎ登りに上がってしまう。 263 00:17:05,958 --> 00:17:09,629 秘密裏に 相場に影響を与えず 買い集めたい。 うん…。 264 00:17:09,629 --> 00:17:11,797 だから ここの町商人である➡ 265 00:17:11,797 --> 00:17:14,634 お前の つてを頼りたいんだ。 フッ…。 266 00:17:14,634 --> 00:17:18,638 条件は 現金買い付け。 相場より 多少 高くてもいい。 267 00:17:18,638 --> 00:17:22,141 ある程度 まとまった量なら リュミオーネ金貨で払う。 268 00:17:22,141 --> 00:17:24,644 礼はする。 それなりの金額を。 269 00:17:24,644 --> 00:17:28,047 (マルク)だめだ。 そうか。 なら… えっ? 270 00:17:30,483 --> 00:17:32,818 その頼みには 応じられない。 271 00:17:32,818 --> 00:17:36,489 礼はする。 手間賃などという けちなことは言わない。 272 00:17:36,489 --> 00:17:38,491 お前は 絶対に 損をしない。 273 00:17:38,491 --> 00:17:41,160 うまい話だろ? (マルク)損はしない? 274 00:17:41,160 --> 00:17:43,663 だって そうだろう。 頼んでいるのは➡ 275 00:17:43,663 --> 00:17:47,500 黄鉄鉱を買い集めることだけだ。 投資しろというわけじゃない。 276 00:17:47,500 --> 00:17:49,835 もちろん 支払いは 現金払いだ。 277 00:17:49,835 --> 00:17:52,171 それで なぜ損をするんだ? 278 00:17:52,171 --> 00:17:56,509 ロレンス お前が支払えるのは せいぜいが 10リュミオーネだろ? 279 00:17:56,509 --> 00:17:58,511 それで 十分すぎるだろ? 280 00:17:58,511 --> 00:18:01,781 なにも 険しい山々を 一晩で越えて➡ 281 00:18:01,781 --> 00:18:03,783 1人で 隊商並みの量を 持って帰ってこい➡ 282 00:18:03,783 --> 00:18:06,619 というわけじゃない。 市場を駆けずり回り➡ 283 00:18:06,619 --> 00:18:10,456 黄鉄鉱を買い集めろと お前は言っているんだろ? 284 00:18:10,456 --> 00:18:12,758 同じことだ。 一体 それの…。 285 00:18:14,794 --> 00:18:17,630 んっ… ああ…。 286 00:18:17,630 --> 00:18:20,466 ただ お前の つてを通して➡ 287 00:18:20,466 --> 00:18:23,135 黄鉄鉱を買い付けてくれないかと 言っているだけだ。 288 00:18:23,135 --> 00:18:27,139 (マルク)それが 同じことだ というんだ ロレンス。 あっ…。 289 00:18:27,139 --> 00:18:30,476 お前が言う危険は すべて 行商人のものだ。 290 00:18:30,476 --> 00:18:34,981 でも 俺は この市場を 戦場にしている 町商人なんだ。 291 00:18:34,981 --> 00:18:37,316 もうけ話を見つけたら 素早く飛びつくことは➡ 292 00:18:37,316 --> 00:18:39,485 決して 美徳ではない。 293 00:18:39,485 --> 00:18:42,822 町商人は 副業で 大もうけをするくらいなら➡ 294 00:18:42,822 --> 00:18:46,993 本業で つつましく稼ぐのを よしとする。 ハッ! 295 00:18:46,993 --> 00:18:49,662 銀貨500枚分の黄鉄鉱を 買い集める 俺を見て➡ 296 00:18:49,662 --> 00:18:51,664 周りは どう思う? 297 00:18:51,664 --> 00:18:53,100 本業を ほっぽり出して ばくちに のめり込んでいる➡ 298 00:18:53,100 --> 00:18:56,836 どうしようもないやつ となるだろう。 299 00:18:56,836 --> 00:19:01,107 主人は俺だが この露店は 俺だけの物じゃない。 300 00:19:01,107 --> 00:19:03,609 懇意にしてくれている者たち すべて➡ 301 00:19:03,609 --> 00:19:07,780 嫁と子ども それに 血のつながる すべての者たち➡ 302 00:19:07,780 --> 00:19:10,950 そのすべての名誉が 懸かっているんだ。 303 00:19:10,950 --> 00:19:15,287 お前は それに見合うだけの報酬を 支払えるのか? 304 00:19:15,287 --> 00:19:17,623 これくらいの小さな店でもな➡ 305 00:19:17,623 --> 00:19:21,127 この看板の値段というものは 驚くくらいに高い。 306 00:19:21,127 --> 00:19:23,629 傷を付けたら その修理の費用は➡ 307 00:19:23,629 --> 00:19:26,632 10や20の金貨では とても足りはしない。 308 00:19:30,970 --> 00:19:32,972 そういうことだ。 309 00:19:34,974 --> 00:19:37,143 悪いな。 310 00:19:37,143 --> 00:19:40,312 いや 無理を言って すまなかった。 311 00:19:40,312 --> 00:19:44,984 んっ…。 まあ あの連れ相手じゃ そうもなるか。 312 00:19:44,984 --> 00:19:48,821 だが そんなに必死になってまで アマーティの邪魔をしなくとも➡ 313 00:19:48,821 --> 00:19:52,324 連れは そう簡単に 向こうに なびかないだろう? 314 00:19:52,324 --> 00:19:56,662 初めて お前の横にいる姿を見た 俺だって そう思うくらいなんだ。 315 00:19:56,662 --> 00:19:58,831 フッ… もっと 自信を持てよ! 316 00:19:58,831 --> 00:20:02,334 署名入りの 婚姻契約書を突きつけられた。 317 00:20:02,334 --> 00:20:04,837 もちろん 相手は アマーティだ。 318 00:20:04,837 --> 00:20:08,174 何もなけりゃ そりゃ俺だって 自信がないわけではない。 319 00:20:08,174 --> 00:20:10,176 だが その何かがあった。 320 00:20:10,176 --> 00:20:15,681 フゥ… 世の中 一寸先は 闇だな。 それでも まだ望みがあるから➡ 321 00:20:15,681 --> 00:20:19,185 お前は走っていると。 そういうわけか。 322 00:20:19,185 --> 00:20:21,520 で 他に 当てはあるのか? 323 00:20:21,520 --> 00:20:24,690 とりあえず バトスさんに 話を聞いてもらう。 324 00:20:24,690 --> 00:20:28,694 なるほど。 あの女に 話を通してもらうつもりか。 325 00:20:28,694 --> 00:20:31,530 あの女? あっ? 違うのか? 326 00:20:31,530 --> 00:20:34,200 年代記作家の。 会ったんじゃないのか? 327 00:20:34,200 --> 00:20:38,370 ディアナさんなら会ったが 話のつながりが見えない。 328 00:20:38,370 --> 00:20:42,374 よそ者のお前なら あの女に 交渉を持ちかけてもいいと思う。 329 00:20:42,374 --> 00:20:44,376 だから なんの話だ? 330 00:20:44,376 --> 00:20:47,546 (マルク)あの女は 北の地区を 取りまとめている人間だ。 331 00:20:47,546 --> 00:20:51,550 特に 錬金術師たちの 窓口になっていると言っていい。 332 00:20:51,550 --> 00:20:54,053 いろんな理由で 狙われやすい錬金術師が➡ 333 00:20:54,053 --> 00:20:56,388 あんなに群れていられるのはな➡ 334 00:20:56,388 --> 00:21:00,493 俺らの見立てじゃ あの女がいるからだ。 それで? 335 00:21:00,493 --> 00:21:02,495 錬金術師たちなら 黄鉄鉱を➡ 336 00:21:02,495 --> 00:21:04,830 持ってるだろうが。 ハッ! 337 00:21:04,830 --> 00:21:08,000 (マルク)あいつらは この町で 波風立てずに商売をするには➡ 338 00:21:08,000 --> 00:21:11,504 関わっちゃならない連中だ。 つまり…。 339 00:21:11,504 --> 00:21:14,507 やつらの黄鉄鉱には 手が付けられていない! 340 00:21:14,507 --> 00:21:18,677 頼ってくれたのは うれしく思うが 俺にできるのは このくらいだ。 341 00:21:18,677 --> 00:21:22,014 いや 大きな可能性を 見過ごすところだった。 342 00:21:22,014 --> 00:21:25,851 (マルク)協力を拒んでおいて なんだが 成功を祈る。 343 00:21:25,851 --> 00:21:29,688 1つ 勉強になった。 それだけでも もうけものだ。 344 00:21:29,688 --> 00:21:32,024 フゥ…。 フッ…。 345 00:21:32,024 --> 00:21:34,360 俺は 表立って動けないが➡ 346 00:21:34,360 --> 00:21:38,030 他人の懐具合を ぼそりと つぶやくくらいなら できる。 347 00:21:38,030 --> 00:21:40,366 えっ…。 またあとで 来い。 348 00:21:40,366 --> 00:21:44,370 可能性のある買い付け先を 示すくらいのことは してやれる。 349 00:21:44,370 --> 00:21:46,372 うん 助かる。 350 00:21:46,372 --> 00:21:49,208 お前が そんな顔をするのならな➡ 351 00:21:49,208 --> 00:21:52,378 そりゃあ あんな娘っ子も 大胆なことをするだろう。 352 00:21:52,378 --> 00:21:54,713 どういう意味だ? なんでもない。 353 00:21:54,713 --> 00:21:58,217 商人なら 商売のことだけを考えろ ということだ。 354 00:22:00,152 --> 00:22:02,488 きっと いい風が吹く。 355 00:22:02,488 --> 00:22:04,490 まあ 頑張れ。 356 00:22:07,326 --> 00:22:09,328 じゃあな! フフフフ…。 357 00:22:09,328 --> 00:22:11,330 フッ…。 358 00:22:16,168 --> 00:22:18,170 フッ…。 359 00:22:20,172 --> 00:22:22,174 ハァハァ…。