1 00:00:02,002 --> 00:00:04,004 (ノック) 2 00:00:06,673 --> 00:00:08,675 (ロレンス)先日は 失礼しました。 3 00:00:08,675 --> 00:00:11,011 (エルサ)んっ… なんの ご用ですか? 4 00:00:11,011 --> 00:00:13,347 エヴァンさんから お聞きしたのですが➡ 5 00:00:13,347 --> 00:00:16,016 何か 大変な状況だったようですね。 6 00:00:16,016 --> 00:00:18,518 (エルサ)んっ…。 また 修道院のことですか? 7 00:00:18,518 --> 00:00:21,855 いえいえ 村長さんも ご存じなかったので➡ 8 00:00:21,855 --> 00:00:24,024 一杯 食わされたのかもしれません。 9 00:00:24,024 --> 00:00:26,026 そうですか。 10 00:00:26,026 --> 00:00:28,529 なので もう たつことにしたのですが➡ 11 00:00:28,529 --> 00:00:32,132 こちらの教会で 道中の安全を お祈りしたく思いまして。 12 00:02:14,001 --> 00:02:16,003 (エルサ)こちらに。 13 00:02:16,003 --> 00:02:18,505 あっ…。 14 00:02:18,505 --> 00:02:20,841 それでは お祈りを…。 15 00:02:20,841 --> 00:02:22,843 フランツ司祭は…。 えっ? 16 00:02:22,843 --> 00:02:26,680 信仰のあつい方だったんですね。 17 00:02:26,680 --> 00:02:30,684 あっ ええ そうですね。 18 00:02:30,684 --> 00:02:34,588 ただ 言われるまで 気が付きませんでした。 19 00:02:37,024 --> 00:02:41,528 では お祈りをしましょう。 あっ その前に ざんげをしたく…。 20 00:02:41,528 --> 00:02:46,033 はぁ… それでは 別室にて。 21 00:02:46,033 --> 00:02:49,369 いえ こちらで。 できれば 神の面前で。 22 00:02:49,369 --> 00:02:51,571 (エルサ)んっ… わかりました。 23 00:02:53,874 --> 00:02:56,877 あなたの罪を 聞き届けましょう。 24 00:02:56,877 --> 00:02:58,879 神は…。 25 00:03:02,816 --> 00:03:05,652 常に 正直なる者に寛大です。 26 00:03:05,652 --> 00:03:09,156 私は うそをつきました。 27 00:03:09,156 --> 00:03:11,992 自分の利益のために 相手を だましました。 28 00:03:11,992 --> 00:03:16,329 あなたは 神の前で 真実を 告白する勇気はありますか? 29 00:03:16,329 --> 00:03:19,166 あります。 恐れることはありません。 30 00:03:19,166 --> 00:03:23,003 神は 正しき信仰に目覚めた方には いつも寛大です。 31 00:03:23,003 --> 00:03:25,505 私は 今日 うそをつきました。 32 00:03:25,505 --> 00:03:28,842 偽りの目的を告げて 相手を だますためです。 33 00:03:28,842 --> 00:03:32,179 (エルサ)なんのために? どうしても知りたいことがあり➡ 34 00:03:32,179 --> 00:03:34,681 うそをついて 相手に近づきました。 35 00:03:34,681 --> 00:03:38,018 それは… どなたに? 36 00:03:38,018 --> 00:03:40,854 あなたです。 エルサさん。 37 00:03:40,854 --> 00:03:43,023 あっ! 私は うそをついたことを➡ 38 00:03:43,023 --> 00:03:45,525 神の面前で 告白いたしました。 39 00:03:45,525 --> 00:03:47,527 そして 真実を告げます。 40 00:03:47,527 --> 00:03:51,531 あなたに ディーエンドラン修道院の場所を 聞きに来ました。 41 00:03:51,531 --> 00:03:55,035 んっ…。 いえ 私は また うそをつきました。 42 00:03:55,035 --> 00:03:58,038 場所を聞きに来たのでは ありません。 えっ? 43 00:03:58,038 --> 00:04:01,975 エルサさん ここは ディーエンドラン修道院ですね。 44 00:04:01,975 --> 00:04:05,812 ハッ! うぐっ…。 そして フランツ司祭が➡ 45 00:04:05,812 --> 00:04:10,484 ルイズ・ラーナ・シュティングヒルト修道院長。 間違いありませんね? 46 00:04:10,484 --> 00:04:12,652 ここは 神の面前です。 47 00:04:12,652 --> 00:04:15,489 うそをつくことは 許されない。 48 00:04:15,489 --> 00:04:17,491 私たちは フランツ司祭が集めた➡ 49 00:04:17,491 --> 00:04:20,160 異教の神々の話を知りたいのです。 50 00:04:20,160 --> 00:04:22,662 ハッ…。 エルサさんの心配は➡ 51 00:04:22,662 --> 00:04:26,666 フランツ司祭の行いが エンベルクに ばれないかですね? 52 00:04:26,666 --> 00:04:31,004 ハッ…。 あっ… あなた方は 何者なんですか? 53 00:04:31,004 --> 00:04:34,007 (ホロ)わっちらが何者であるか という質問に➡ 54 00:04:34,007 --> 00:04:37,177 満足に答えることは とても難しい。 55 00:04:37,177 --> 00:04:40,680 むっ… 難しい? こういうことじゃ。 ひっ! 56 00:04:42,849 --> 00:04:45,185 あっ… あっ… あっ…。 57 00:04:45,185 --> 00:04:48,021 触ってみるかや? 58 00:04:48,021 --> 00:04:50,023 あっ…。 59 00:04:50,023 --> 00:04:52,025 (倒れる音) 60 00:04:54,027 --> 00:04:57,197 ハァ… 思ったよりも 肝が小さかったかのう。 61 00:04:57,197 --> 00:04:59,866 どうかな。 あの手紙➡ 62 00:04:59,866 --> 00:05:03,803 よその領主が この教会の 後ろ盾になるって内容だった。 63 00:05:03,803 --> 00:05:06,306 届くまで 毎晩 忙しかったんだろう。 64 00:05:06,306 --> 00:05:08,808 ふむ…。 考えていたよりも➡ 65 00:05:08,808 --> 00:05:11,311 つらい状況に あったのかもしれない。 66 00:05:11,311 --> 00:05:13,980 うっ… んっ…。 67 00:05:13,980 --> 00:05:15,982 大丈夫ですか? 68 00:05:15,982 --> 00:05:19,319 あっ! あっ…。 ハッ…。 69 00:05:19,319 --> 00:05:21,988 夢ではなかったのですね。 70 00:05:21,988 --> 00:05:24,991 夢と思ってくれたほうが 助かるのう。 71 00:05:24,991 --> 00:05:28,328 悪魔は 人に 夢を見せて だますといいますが? 72 00:05:28,328 --> 00:05:30,664 あっ… んっ…。 73 00:05:30,664 --> 00:05:32,999 私たちは 目的が達せられれば➡ 74 00:05:32,999 --> 00:05:35,168 夢であったかのように 立ち去ります。 75 00:05:35,168 --> 00:05:39,339 ここには フランツ司祭が集めた 記録があるはずです。 76 00:05:39,339 --> 00:05:43,176 なぜ そんな物を…。 わっちゃあ 故郷に帰りたい。 77 00:05:43,176 --> 00:05:47,514 故郷? 故郷をたったのは もう はるか昔のこと。 78 00:05:47,514 --> 00:05:51,685 道も忘れ 故郷の連中が 元気にしておるかも わからぬ。 79 00:05:51,685 --> 00:05:54,688 それどころか いまだ 故郷があるかどうかすら➡ 80 00:05:54,688 --> 00:05:58,191 定かではない。 どう思うかや? あっ…。 81 00:05:58,191 --> 00:06:02,629 もしも そこに 故郷のことを 知る者がおるやもと思ったら…。 82 00:06:02,629 --> 00:06:04,631 ハッ…。 83 00:06:07,300 --> 00:06:09,502 (エルサ)私は 神のしもべです。 84 00:06:11,638 --> 00:06:15,475 ですが 同時に フランツ司祭の跡を継ぐ者です。 85 00:06:15,475 --> 00:06:18,311 私は あなたを 悪魔つきだとは疑いません。 86 00:06:18,311 --> 00:06:20,647 フランツ司祭は 悪魔つきなど いないと➡ 87 00:06:20,647 --> 00:06:22,649 常々 言っていましたから。 88 00:06:22,649 --> 00:06:25,652 (ホロ/ロレンス)あっ…。 ついてきてください。 89 00:06:41,167 --> 00:06:43,169 あっ…。 90 00:06:46,339 --> 00:06:48,341 ここは…。 91 00:06:48,341 --> 00:06:52,846 大切な物は いつだって 礼拝堂の裏に隠すものです。 92 00:06:52,846 --> 00:06:55,048 神のお許しが得られますように。 93 00:07:02,455 --> 00:07:04,457 遺言では これで 像ごと➡ 94 00:07:04,457 --> 00:07:07,294 床が持ち上がる ということなのですが…。 95 00:07:07,294 --> 00:07:09,963 わかりました。 96 00:07:09,963 --> 00:07:11,965 よっと…。 97 00:07:11,965 --> 00:07:15,468 んっ! んん… うぅ…。 98 00:07:15,468 --> 00:07:18,638 中に入っても? 99 00:07:18,638 --> 00:07:20,640 私が 先に。 100 00:07:23,143 --> 00:07:27,480 んっ! うぅっ! うっ…。 101 00:07:27,480 --> 00:07:29,482 気を付けて。 102 00:07:33,987 --> 00:07:36,323 地下に 火を放ったりしないだろうな? 103 00:07:36,323 --> 00:07:39,326 主のほうが よほど うたぐり深いのう。 104 00:07:43,830 --> 00:07:46,499 どうも お待たせしました。 105 00:07:46,499 --> 00:07:48,501 いえ。 それは? 106 00:07:48,501 --> 00:07:51,504 手紙です。 私宛ての。 107 00:07:51,504 --> 00:07:53,506 地下には 本がありました。 108 00:07:53,506 --> 00:07:56,009 恐らく あなた方の探す物だと思います。 109 00:07:56,009 --> 00:07:58,011 持ち出して 読んでも? 110 00:07:58,011 --> 00:08:01,014 教会の中だけで お願いできますか? 111 00:08:05,285 --> 00:08:07,620 無理なことを頼んでしまいました。 112 00:08:07,620 --> 00:08:09,956 お礼とともに おわびします。 113 00:08:09,956 --> 00:08:13,126 ええ 確かに 強引でしたからね。 フゥ…。 114 00:08:13,126 --> 00:08:15,128 しかし…。 んっ? 115 00:08:15,128 --> 00:08:17,964 しかし フランツ司祭は お喜びでしょう。 116 00:08:17,964 --> 00:08:21,301 「自分の集めた話は 作り話ではない」。 117 00:08:21,301 --> 00:08:23,970 それが 口癖でしたから。 118 00:08:23,970 --> 00:08:27,307 ああ…。 ただ あれほどの量があるとは…。 119 00:08:27,307 --> 00:08:30,310 全部 読む気でしたら 宿を取り直されたほうが➡ 120 00:08:30,310 --> 00:08:32,979 よろしいのでは? ですが その間に➡ 121 00:08:32,979 --> 00:08:34,981 人を呼ばれるかもしれません。 122 00:08:34,981 --> 00:08:37,984 私は 真実の信仰を抱いて 生きています。 123 00:08:37,984 --> 00:08:40,320 わなに はめるようなことは いたしません。 124 00:08:40,320 --> 00:08:42,322 先ほどの礼拝堂でも➡ 125 00:08:42,322 --> 00:08:44,657 私は うそをついたわけでは ありません。 126 00:08:44,657 --> 00:08:47,994 うん。 私が わなに はめたわけですからね。 127 00:08:47,994 --> 00:08:52,499 んっ…。 商人の方は 油断ならないと覚えておきます。 128 00:08:52,499 --> 00:08:56,503 ぬっ…。 んっ? くっ くっ… うぐぐ…。 129 00:08:56,503 --> 00:08:58,838 主よ…。 130 00:08:58,838 --> 00:09:02,275 フゥ… ここで読んでもいいかや? 131 00:09:02,275 --> 00:09:05,612 かまいませんが ろうそくは消してください。 132 00:09:05,612 --> 00:09:07,781 この教会は 裕福ではありませんので。 133 00:09:07,781 --> 00:09:09,783 ふむ。 (せきばらい) 134 00:09:09,783 --> 00:09:12,619 うん? あっ…。 135 00:09:12,619 --> 00:09:14,621 よっ…。 136 00:09:14,621 --> 00:09:17,123 商人が 天の御国へ昇りたければ➡ 137 00:09:17,123 --> 00:09:19,626 金袋を減らすことだと聞きました。 138 00:09:19,626 --> 00:09:22,128 ハッ… 感謝いたします。 139 00:09:24,130 --> 00:09:27,967 (エルサ) 神のご加護がありますように。 140 00:09:27,967 --> 00:09:30,136 見張っていなくていいんですか? 141 00:09:30,136 --> 00:09:34,474 村に災いをもたらす気がなければ 騒ぎ立てる気はありません。 142 00:09:34,474 --> 00:09:37,310 確かに あなたが お連れの方は この教会に➡ 143 00:09:37,310 --> 00:09:39,979 いてはならない存在です。 ですが…。 144 00:09:39,979 --> 00:09:43,316 疑うのも 確かに もっともなことだとは思います。 145 00:09:43,316 --> 00:09:47,821 えっ? いえ 疑っているのかと問われれば…。 146 00:09:47,821 --> 00:09:49,823 肯定します。 147 00:09:49,823 --> 00:09:53,493 ですが 問題は もっと大きな…。 148 00:09:53,493 --> 00:09:56,496 私は ざんげを聞くことは できませんが➡ 149 00:09:56,496 --> 00:10:00,333 相談くらいならば 多少は乗ることができます。 150 00:10:00,333 --> 00:10:02,669 ただし…。 151 00:10:02,669 --> 00:10:06,840 真摯に話を聞けるのは 金もうけ以外についてですが。 152 00:10:06,840 --> 00:10:11,010 フッ…。 いえ 確かに 私が抱く疑問は➡ 153 00:10:11,010 --> 00:10:14,347 あなたのような方に問うのが いいのかもしれません。 154 00:10:14,347 --> 00:10:17,684 聞いていただけますか? 満足のいく返答をできるかは➡ 155 00:10:17,684 --> 00:10:19,686 保証しかねます。 156 00:10:19,686 --> 00:10:22,522 んっ…。 もしも…。 157 00:10:22,522 --> 00:10:25,358 もしも あの地下室に集められた話が➡ 158 00:10:25,358 --> 00:10:28,027 うそではないとすれば…。 すれば? 159 00:10:28,027 --> 00:10:31,030 (エルサ)私たちが信じる神は うそなのでしょうか? 160 00:10:31,030 --> 00:10:34,033 あっ…。 父は… フランツ司祭は➡ 161 00:10:34,033 --> 00:10:36,870 北の神々の話を集めていました。 162 00:10:36,870 --> 00:10:38,872 異端の嫌疑がかかったことも➡ 163 00:10:38,872 --> 00:10:41,040 1度や2度ではなかったと いいます。 164 00:10:41,040 --> 00:10:45,545 それでも 日々の祈りを欠かさない 立派な聖職者だったんです。 165 00:10:45,545 --> 00:10:50,049 ですが あなたの連れの方が もしも 本当に 異教の神なら➡ 166 00:10:50,049 --> 00:10:52,552 私たちの神は うそということになる。 167 00:10:52,552 --> 00:10:54,554 私には わかりません。 168 00:10:54,554 --> 00:10:57,056 聖水と聖典を持って あなた方を責めたてる勇気が➡ 169 00:10:57,056 --> 00:10:59,058 私にはありません。 170 00:10:59,058 --> 00:11:02,162 それが いいことなのか 悪いことなのかすら…。 171 00:11:02,162 --> 00:11:07,167 私は 下賤な行商人なので 神の教えに詳しくありません。 172 00:11:07,167 --> 00:11:11,671 何が正しく 何が間違っているか 判断はできません。 173 00:11:11,671 --> 00:11:16,509 ただし フランツ司祭は 間違っていないと思います。 174 00:11:16,509 --> 00:11:20,179 ハッ…。 それは… それは なぜですか? 175 00:11:20,179 --> 00:11:22,682 んっ! (ノック) 176 00:11:22,682 --> 00:11:24,684 (エルサ)あのノックは セム村長です。 177 00:11:24,684 --> 00:11:27,187 たぶん あなた方のことだと思います。 178 00:11:27,187 --> 00:11:29,689 んっ…。 あなた方から➡ 179 00:11:29,689 --> 00:11:35,028 よその国や町の教会のありようを 聞いているということにします。 180 00:11:35,028 --> 00:11:39,032 これは うそというよりも…。 ええ わかりました。 181 00:11:39,032 --> 00:11:42,135 私の経験談でよければ お話ししますよ。 182 00:11:47,707 --> 00:11:49,709 ずいぶん親身じゃったな。 183 00:11:49,709 --> 00:11:53,546 商人は いつだって 取引相手に対して 親身だからな。 184 00:11:53,546 --> 00:11:56,716 村長との会話 聞き取れるか? 185 00:11:56,716 --> 00:11:59,052 おおむね 言っていたとおりの対応じゃ。 186 00:11:59,052 --> 00:12:01,654 セムとやらは 今 ちょうど 帰りんす。 187 00:12:01,654 --> 00:12:04,490 問題は 時間だ。 もたもたしていたら➡ 188 00:12:04,490 --> 00:12:07,160 雪の季節になって 足止めされてしまう。 189 00:12:07,160 --> 00:12:11,331 じゃが 読み切れるか わからぬ。 ざっと 目を通すだけなら➡ 190 00:12:11,331 --> 00:12:13,833 2人でかかれば なんとかなるだろう。 191 00:12:16,669 --> 00:12:19,839 フッ! うむ。 んっ? どうした? 192 00:12:19,839 --> 00:12:23,343 おっ…。 1人は飽いたと言ったじゃろうが。 193 00:12:23,343 --> 00:12:26,346 フッ… んっ んっ。 194 00:12:26,346 --> 00:12:29,148 んっ…。 (せきばらい) 195 00:12:31,517 --> 00:12:34,120 んっ…。 んっ? 196 00:12:37,523 --> 00:12:40,026 んっ? あっ! あたっ! (扉の開く音) 197 00:12:40,026 --> 00:12:43,363 おお… ばか! (エルサ) 村長は 一応 帰られましたが➡ 198 00:12:43,363 --> 00:12:45,865 その 先ほどの…。 えっ? 199 00:12:45,865 --> 00:12:50,203 あっ… あっ… ああ… あっ…。 200 00:12:50,203 --> 00:12:52,405 んっ…。 では 後ほど。 201 00:12:54,707 --> 00:12:57,043 (扉の閉まる音) 202 00:12:57,043 --> 00:13:00,313 フフッ! クッ…。 アハハハハハハ! ハハハハハハ…。 203 00:13:00,313 --> 00:13:02,515 お前な…。 フフッ! 204 00:13:04,984 --> 00:13:08,488 んっ! んっ? 誰か 教会に来たか? 205 00:13:08,488 --> 00:13:10,823 わかった。 エヴァンだな。 206 00:13:10,823 --> 00:13:13,326 んっ… う~ん…。 207 00:13:13,326 --> 00:13:15,328 腹が減りんす。 んっ? 208 00:13:15,328 --> 00:13:19,332 そうだな。 一度 休憩にするか。 209 00:13:19,332 --> 00:13:21,834 エヴァンに 正体は隠しておこう。 210 00:13:21,834 --> 00:13:25,004 あの小娘が しゃべらぬかは わからぬがのう。 211 00:13:25,004 --> 00:13:28,675 1日にした くしゃみの回数まで エヴァンには しゃべっているのに➡ 212 00:13:28,675 --> 00:13:31,177 俺たちが 初めて 教会を訪ねたときのことは➡ 213 00:13:31,177 --> 00:13:35,014 話してなかった。 そうは言っても 不安じゃのう。 214 00:13:35,014 --> 00:13:38,851 寄付も受け取ったし そういう打算が通じる相手さ。 215 00:13:38,851 --> 00:13:41,521 何より 神は信用できなくても➡ 216 00:13:41,521 --> 00:13:44,190 神を信じる者たちは 信用できる。 217 00:13:44,190 --> 00:13:48,528 ふむ…。 じゃが あの小娘は 妙なことで 悩んでおったな。 218 00:13:48,528 --> 00:13:51,364 その結論いかんで どう出るか わからぬ。 219 00:13:51,364 --> 00:13:54,367 うん… 神についてか。 220 00:13:54,367 --> 00:13:57,203 ちなみに 主は なんと言おうと しておったんじゃ? 221 00:13:57,203 --> 00:14:01,974 ああ… フランツ司祭が 異教の神々の 話を集めていたのは➡ 222 00:14:01,974 --> 00:14:05,478 神がいることを確信するため じゃないのかと思う。 223 00:14:05,478 --> 00:14:08,648 ほう…。 毎日 毎日 祈っても 祈っても➡ 224 00:14:08,648 --> 00:14:10,650 姿すら見せてくれなければ➡ 225 00:14:10,650 --> 00:14:13,486 本当にいるのかどうか 疑いたくなるだろう? 226 00:14:13,486 --> 00:14:15,488 だから よその家が どうなってるか➡ 227 00:14:15,488 --> 00:14:17,490 気になったんじゃないか? 228 00:14:17,490 --> 00:14:19,826 もしも 異教の神が存在するなら➡ 229 00:14:19,826 --> 00:14:22,328 教会の神も いないはずがないと。 230 00:14:22,328 --> 00:14:24,330 神など おらぬ。 231 00:14:24,330 --> 00:14:26,499 この世は 教会の神が創り➡ 232 00:14:26,499 --> 00:14:28,501 それを 人が借りておるだけだと➡ 233 00:14:28,501 --> 00:14:31,170 連中が 勝手に考えておるだけじゃ。 234 00:14:31,170 --> 00:14:34,507 まあ それでも 感じたかったんだろう。 235 00:14:34,507 --> 00:14:36,509 神の存在を。 236 00:14:38,511 --> 00:14:40,513 (エルサ)ほら こぼさないで。 237 00:14:40,513 --> 00:14:44,183 パンも ちぎってから食べる。 (エヴァン)ああ わかったよ。 238 00:14:44,183 --> 00:14:47,353 そんなことより ロレンスさん 話の続きは? 239 00:14:47,353 --> 00:14:50,857 どこまで話したかな? 大きな船に乗ったところだよ! 240 00:14:50,857 --> 00:14:55,194 ああ そうか。 まあ 船で いちばん驚いたのは 食べ物だ。 241 00:14:55,194 --> 00:14:57,196 食べ物? ほう? 242 00:14:57,196 --> 00:15:00,133 いろいろな地方の商人が 乗り合わせるからな。 243 00:15:00,133 --> 00:15:03,469 例えば エブゴドという地方から来た 商人のパンは➡ 244 00:15:03,469 --> 00:15:05,471 ものすごく塩辛いんだ。 245 00:15:05,471 --> 00:15:09,308 塩っ辛いパンだなんて… なあ? そうね。 246 00:15:09,308 --> 00:15:11,644 他にも 真っ平らなパンとかな。 247 00:15:11,644 --> 00:15:15,481 粉を 水で練って パン種の妖精が入る前に焼くんだ。 248 00:15:15,481 --> 00:15:18,651 こっちは 蜂蜜が入っているから 甘くてな。 249 00:15:18,651 --> 00:15:21,154 うまかったよ。 へぇ~。 250 00:15:21,154 --> 00:15:25,158 やっぱり 外の世界には いろいろな物があるんだな。 251 00:15:25,158 --> 00:15:27,160 今日は わざわざ ごちそうを用意していただいて➡ 252 00:15:27,160 --> 00:15:29,162 ありがとうございました。 253 00:15:29,162 --> 00:15:31,831 いえ たくさん 寄付をしていただきましたから。 254 00:15:31,831 --> 00:15:33,833 これくらいは 当然です。 255 00:15:33,833 --> 00:15:35,835 それで このあとですが…。 256 00:15:35,835 --> 00:15:38,504 (エルサ)夜も 本を お読みになって かまいません。 257 00:15:38,504 --> 00:15:40,840 助かります。 (エヴァン)なら ロレンスさん➡ 258 00:15:40,840 --> 00:15:43,176 あとで また 外の世界のこと 聞かせてくれよ。 259 00:15:43,176 --> 00:15:46,179 エヴァンは 文字の練習です。 え~! 260 00:15:46,179 --> 00:15:48,514 んっ… もう…。 あっ そうだ。 261 00:15:48,514 --> 00:15:50,516 昼間の質問のことですが…。 262 00:15:50,516 --> 00:15:52,518 自分で考えてみます。 263 00:15:52,518 --> 00:15:55,021 「尋ねる前に考えよ」。 264 00:15:55,021 --> 00:15:59,025 フランツ司祭の口癖でしたから。 265 00:15:59,025 --> 00:16:01,627 なんの話だ? (エルサ)なんでもない。 266 00:16:01,627 --> 00:16:03,963 ほら いいから 片づけを手伝って。 267 00:16:03,963 --> 00:16:05,965 (エヴァン)うぅ~ わかったよ。 268 00:16:07,967 --> 00:16:10,470 お皿だけじゃなくて パンくずも拾って。 269 00:16:10,470 --> 00:16:14,140 はいはい わかってるって。 お行儀悪いから 食べちゃだめよ。 270 00:16:14,140 --> 00:16:16,976 言われなくても 食べないよ。 (エルサ)ほんとかしら? 271 00:16:16,976 --> 00:16:18,978 エヴァンって いつも 腹ぺこだから。 272 00:16:21,647 --> 00:16:23,983 あの2人…。 うむ? 273 00:16:23,983 --> 00:16:27,486 ずいぶん 仲よかったな。 274 00:16:27,486 --> 00:16:29,822 あっ? ハッ… あっ…。 275 00:16:29,822 --> 00:16:32,658 えっ? そんなに 変なこと 言ったか? 276 00:16:32,658 --> 00:16:37,663 あっ… あのな 主よ。 わっちも 大概 その…。 むぅ…。 277 00:16:37,663 --> 00:16:42,001 己の強いところと 弱いところくらい 把握しておる。 278 00:16:42,001 --> 00:16:44,504 あっ ああ…。 あのな 主よ。 279 00:16:44,504 --> 00:16:48,674 どうした? そんな 羨ましそうに 言わんでほしい。 280 00:16:48,674 --> 00:16:51,010 んっ…。 わっちも…。 281 00:16:51,010 --> 00:16:54,514 いや わかっておる。 わかっておるが…。 282 00:16:54,514 --> 00:16:57,016 わっちらも 相当 たわけておるじゃろ? 283 00:16:57,016 --> 00:16:59,018 あっ…。 なんで こんな…。 284 00:16:59,018 --> 00:17:02,455 こっ… こっ恥ずかしいのか わっちにも わからぬ。 285 00:17:02,455 --> 00:17:05,958 じゃが なっ… 仲がよさそうなど…。 286 00:17:05,958 --> 00:17:08,794 なら わっちとは…。 いや。 287 00:17:08,794 --> 00:17:12,965 んっ? いや それは そうなんだが…。 288 00:17:12,965 --> 00:17:15,468 う~ん…。 その… なんというか…。 289 00:17:15,468 --> 00:17:18,804 んっ! いや わかった わかった。 290 00:17:18,804 --> 00:17:20,806 わかっていたんだ。 291 00:17:20,806 --> 00:17:23,809 ただ きちんと 言葉にしたくなかった。 292 00:17:23,809 --> 00:17:26,479 俺は 確かに 羨ましいと思った。 293 00:17:26,479 --> 00:17:29,315 だが それは 2人の仲そのものじゃない。 294 00:17:29,315 --> 00:17:33,019 うん? 2人は この先も 教会で暮らすだろう。 295 00:17:34,987 --> 00:17:36,989 俺たちは どうだ? んっ? 296 00:17:36,989 --> 00:17:38,991 お前は 故郷への手がかりを得た。 297 00:17:38,991 --> 00:17:42,995 そして 俺は その手伝いをしている。 だが…。 298 00:17:42,995 --> 00:17:46,999 ハァ…。 俺は 根なし草の行商人だ。 299 00:17:46,999 --> 00:17:49,835 主…。 だから…。 300 00:17:49,835 --> 00:17:53,639 お前は 故郷に帰ったら その先 どうするんだ? 301 00:17:59,178 --> 00:18:02,782 んっ… わからぬ。 302 00:18:02,782 --> 00:18:07,787 故郷を見て それで満足なわけがないだろう? 303 00:18:07,787 --> 00:18:10,790 いや よそう。 悪かった。 304 00:18:10,790 --> 00:18:13,292 わっちゃあ 賢狼ホロじゃ。 あっ…。 305 00:18:13,292 --> 00:18:16,295 わっちゃあ ヨイツの賢狼ホロじゃ。 306 00:18:16,295 --> 00:18:18,464 あっ… ああ…。 307 00:18:18,464 --> 00:18:21,133 わっちゃあ ヨイツの賢狼ホロ。 308 00:18:21,133 --> 00:18:23,803 あっ…。 あっ えっ? 309 00:18:23,803 --> 00:18:25,805 あっ…。 310 00:18:25,805 --> 00:18:29,141 なっ…。 ホッ…。 311 00:18:29,141 --> 00:18:34,313 んっ! んっ? 文句あるかや? 312 00:18:34,313 --> 00:18:37,316 いや… ない。 313 00:18:39,485 --> 00:18:41,988 あっ…。 314 00:18:41,988 --> 00:18:45,992 しばし 寝る。 代わりに 本に 目を通しておいてくりゃれ。 315 00:18:45,992 --> 00:18:49,161 うぐっ! んっ…。 (かむ音) 316 00:18:49,161 --> 00:18:51,163 わかりましたよ。 317 00:18:59,171 --> 00:19:01,273 んっ! んっ…。 318 00:19:01,273 --> 00:19:03,275 あっ。 319 00:19:07,279 --> 00:19:11,283 「この熊の神の話を 私は 特別視したくない」。 320 00:19:11,283 --> 00:19:15,788 「他にも 同じ神と思われる話が 出てくることは 何度かあった」。 321 00:19:15,788 --> 00:19:18,290 ⦅フランツ:だが これほどまでに はっきりと➡ 322 00:19:18,290 --> 00:19:22,128 系統だっているのは この神だけかもしれない。 323 00:19:22,128 --> 00:19:25,131 教皇は このことを ご存じなのだろうか。 324 00:19:25,131 --> 00:19:31,137 私の予想が正しければ 我々の神は 戦わずして勝利したことになる。 325 00:19:31,137 --> 00:19:34,473 しかし 私は それに 平静でいられない。 326 00:19:34,473 --> 00:19:36,976 私は この本を まとめたときに➡ 327 00:19:36,976 --> 00:19:40,479 神の存在を あまりにも強く感じた⦆ 328 00:19:40,479 --> 00:19:42,815 「できれば 狭い心の中で➡ 329 00:19:42,815 --> 00:19:45,818 我々の神を あがめる者ではなく➡ 330 00:19:45,818 --> 00:19:49,822 広い草原で 心地よい風のごとく 神を愛する者たちに➡ 331 00:19:49,822 --> 00:19:51,824 判断してもらいたい」。 332 00:19:51,824 --> 00:19:54,326 んっ? あっ…。 (馬の走る音) 333 00:19:56,662 --> 00:19:59,165 むぅ…。 フゥ…。 334 00:19:59,165 --> 00:20:01,333 月を狩る熊の本が見つかったぞ。 335 00:20:01,333 --> 00:20:03,335 ハッ! んっ…。 336 00:20:03,335 --> 00:20:05,337 何かあったのかや? 337 00:20:05,337 --> 00:20:07,673 その可能性が高いな。 338 00:20:07,673 --> 00:20:09,675 あっ…。 えっ? 339 00:20:09,675 --> 00:20:11,677 お前が これを読んで どうしたいのか➡ 340 00:20:11,677 --> 00:20:13,679 俺には わからない。 341 00:20:13,679 --> 00:20:17,583 だが 何か 思うことがあったら 正直に言ってほしい。 342 00:20:19,518 --> 00:20:23,022 わかった。 約束する。 343 00:20:28,861 --> 00:20:30,863 あっ…。 うん。 344 00:20:35,868 --> 00:20:37,870 机にあった書類を見るかぎり➡ 345 00:20:37,870 --> 00:20:40,372 エンベルクは この村に 手を出せないはずでは? 346 00:20:40,372 --> 00:20:43,876 商人の方の目ざとさには 感服しますね。 347 00:20:43,876 --> 00:20:45,878 私も そう思っていたのですが…。 348 00:20:45,878 --> 00:20:47,880 私は 旅の人間です。 349 00:20:47,880 --> 00:20:51,217 何かしらの問題が起こると 非常に危険な立場です。 350 00:20:51,217 --> 00:20:54,386 私がいるかぎり そのような無法は許しません。 351 00:20:54,386 --> 00:20:56,388 地下室を閉めてください。 352 00:20:56,388 --> 00:20:59,391 エンベルクのことでしたら 必ず 村長が来ます。 353 00:20:59,391 --> 00:21:02,161 うん。 私たちが 深夜 ここにいる理由は➡ 354 00:21:02,161 --> 00:21:04,663 宗教談議をしていたから ということで。 355 00:21:04,663 --> 00:21:06,999 連れは 修道女ですので 筋は通ります。 356 00:21:06,999 --> 00:21:09,802 うん。 毛布を持って 礼拝堂に。 357 00:21:17,843 --> 00:21:19,845 (息を吹きかける音) 358 00:21:26,685 --> 00:21:29,522 あっ…。 (扉の開く音) 359 00:21:29,522 --> 00:21:31,690 (セム)しかし 私は…。 360 00:21:31,690 --> 00:21:33,692 ハッ! (足音) 361 00:21:39,532 --> 00:21:42,368 (セム)お邪魔して 申し訳ない。 んっ…。 362 00:21:42,368 --> 00:21:45,037 あっ… 何か? 363 00:21:45,037 --> 00:21:49,041 しばし 不便な思いを 我慢ください。 ハッ! 364 00:21:49,041 --> 00:21:53,045 私は ローエン商業組合に所属しています。 365 00:21:53,045 --> 00:21:55,548 (村人たち)あっ…。 在クメルスン商館には➡ 366 00:21:55,548 --> 00:21:58,717 私が この村にいることを 知っている者が 多数います。 367 00:21:58,717 --> 00:22:01,654 (村人たち)んっ…。 (セム)わかっています。 368 00:22:01,654 --> 00:22:05,324 ただ これは なにも 悪意からではありません。 369 00:22:05,324 --> 00:22:07,993 (エヴァン)ハァハァハァ… ハァハァハァ…。 370 00:22:07,993 --> 00:22:10,162 あっ…。 (エヴァン)ハァハァ…。 371 00:22:10,162 --> 00:22:14,500 エンベルクで この村の麦を食べた者が 死にました。 372 00:22:14,500 --> 00:22:17,836 えっ! えっ? 373 00:22:17,836 --> 00:22:19,839 んっ…。