1 00:01:40,534 --> 00:01:52,045 ♬~ 2 00:01:52,045 --> 00:01:56,717 <ロロ:僕たちは 呪われた子なのだそうだ。 3 00:01:56,717 --> 00:02:01,154 生まれつき 魔物を操る 呪われた力を持っているから> 4 00:02:01,154 --> 00:02:03,156 (扉の開く音) 5 00:02:03,156 --> 00:02:05,158 ⦅ロロ:あっ…。 (足音) 6 00:02:07,160 --> 00:02:10,998 (ロロたち)ハッ…。 あっ うっ…。 7 00:02:10,998 --> 00:02:14,001 あさましい がきどもが。 8 00:02:14,001 --> 00:02:18,505 <ロロ:大昔は 家畜を操るだけの 能力だったのに➡ 9 00:02:18,505 --> 00:02:21,508 誰かが それを 魔物に使い始め➡ 10 00:02:21,508 --> 00:02:24,511 戦争に使って たくさん殺してから➡ 11 00:02:24,511 --> 00:02:27,814 忌み嫌われるようになったと 聞いた> 12 00:02:34,354 --> 00:02:36,523 うぅっ! うっ… あっ…。 13 00:02:36,523 --> 00:02:40,527 汚え目で こっちを見るな って言ったろ。 14 00:02:40,527 --> 00:02:42,529 んっ んっ んっ…。 うっ! うわっ… うっ…。 15 00:02:42,529 --> 00:02:45,365 <ロロ:たたかれ 蹴られ…> ああっ! 16 00:02:45,365 --> 00:02:47,701 うっ! <ロロ:蹴り飛ばされるのは➡ 17 00:02:47,701 --> 00:02:49,703 いつものことだった> 18 00:02:51,872 --> 00:02:55,375 どうして 僕を殴るの? 19 00:02:55,375 --> 00:02:59,546 んっ… 勝手に 口を利くんじゃねえ! 20 00:02:59,546 --> 00:03:01,481 んっ… ん! うぅ… うっ… うわっ! 21 00:03:01,481 --> 00:03:04,651 んっ! 22 00:03:04,651 --> 00:03:07,821 <ロロ:一度 疑問を 口にしたときは➡ 23 00:03:07,821 --> 00:03:11,158 顔の形が変わるくらいに ひどく 殴られ➡ 24 00:03:11,158 --> 00:03:14,661 ごはんも 3日 水だけになってしまった> 25 00:03:18,331 --> 00:03:22,335 お前が やったのか! <ロロ:呪われた力の影響か➡ 26 00:03:22,335 --> 00:03:26,506 目の前にいる相手の心が それとなく わかる> 27 00:03:26,506 --> 00:03:29,342 《こいつが 魔族! 母さんを殺した…》 28 00:03:29,342 --> 00:03:32,846 《俺たち 人間を滅ぼそうと…》 《むしゃくしゃするぜ! 29 00:03:32,846 --> 00:03:35,348 あの野郎の代わりだ!》 あっ…。 30 00:03:35,348 --> 00:03:39,186 <ロロ:相手の心が わかることが 知られると➡ 31 00:03:39,186 --> 00:03:42,189 より一層 暴力を振るわれた> 32 00:03:42,189 --> 00:03:44,858 ⦅心が読めるですって!? 気味が悪い! 33 00:03:44,858 --> 00:03:47,027 これだから 魔物は…。 死んじまえ! 34 00:03:47,027 --> 00:03:49,029 とっとと くたばっちまえ! 狩っちまえ!⦆ 35 00:03:49,029 --> 00:03:53,700 うっ… うぅっ…。 (罵声) 36 00:03:53,700 --> 00:03:56,703 <ロロ:でも どんな ひどい目に遭っても➡ 37 00:03:56,703 --> 00:03:59,206 一度だって やり返すことはなかったし➡ 38 00:03:59,206 --> 00:04:01,975 そう思ったことすらなかった。 39 00:04:01,975 --> 00:04:07,481 自分が憎まれ 罵られ 殴られることすら 嫌なのに➡ 40 00:04:07,481 --> 00:04:11,985 それを 他人に味わわせるなんて 考えたくもなかった。 41 00:04:11,985 --> 00:04:18,492 何より もう 血が見たくなかった。 だけど…> 42 00:04:18,492 --> 00:04:20,994 お前が こいつを連れていくことで➡ 43 00:04:20,994 --> 00:04:24,998 とある国を助けることができる。 (ロロ)えっ? 44 00:04:24,998 --> 00:04:29,669 魔族が 人の… いや 国の役に立つ。 45 00:04:29,669 --> 00:04:34,674 こんなに 誇らしいことがあるか? 僕が 人の役に? 46 00:04:34,674 --> 00:04:37,844 お前が 言うことを聞きさえすりゃあ➡ 47 00:04:37,844 --> 00:04:40,347 これからは 理由なく 殴ったりしない。 48 00:04:40,347 --> 00:04:42,849 たらふく うまい飯を食わせてやる。 49 00:04:42,849 --> 00:04:45,685 お前だけじゃなく ここにいる 全員にだ。 50 00:04:45,685 --> 00:04:48,188 約束する。 あっ…。 51 00:04:48,188 --> 00:04:51,858 だが 断るなら これまでと同じ。 52 00:04:51,858 --> 00:04:56,363 いや これまでより つらい日々が待ってる。 53 00:04:56,363 --> 00:05:00,634 ああ…⦆ <ロロ:頭に着けた魔導具の効力で➡ 54 00:05:00,634 --> 00:05:02,836 男の心は 読めなかった> 55 00:05:04,971 --> 00:05:08,975 <ロロ:でも 男は 約束だけを守ってきた。 56 00:05:08,975 --> 00:05:10,977 だから…> 57 00:05:15,815 --> 00:05:19,152 <ロロ:あの人が 約束してくれたから。 58 00:05:19,152 --> 00:05:22,155 ちゃんと殺さなきゃ ちゃんと殺さなきゃ…。 59 00:05:22,155 --> 00:05:24,157 ちゃんと…> 60 00:05:24,157 --> 00:05:26,159 えっ? 61 00:05:28,161 --> 00:05:30,830 《隠蔽が! 62 00:05:30,830 --> 00:05:33,633 精神操作が解けてる!》 63 00:05:37,003 --> 00:05:40,507 うっ! うぅ… うぅっ! 64 00:05:40,507 --> 00:05:45,345 《失敗した? どうしよう…。 65 00:05:45,345 --> 00:05:50,016 僕のせいで みんなが また ひどい目に。 66 00:05:50,016 --> 00:05:53,520 ごめんなさい。 67 00:05:53,520 --> 00:05:56,856 でも 死ねるんだ これで。 68 00:05:56,856 --> 00:06:01,294 誰の… なんの役にも 立てなかったけど➡ 69 00:06:01,294 --> 00:06:03,296 誰かを傷つけずに済む》 70 00:06:03,296 --> 00:06:05,966 ああ…。 《ここで 死ねて➡ 71 00:06:05,966 --> 00:06:08,134 本当に よかった。 72 00:06:08,134 --> 00:06:12,138 もしも 死んで 生まれ変われるとしたら➡ 73 00:06:12,138 --> 00:06:16,810 次は あまり ひどく 殴られませんように。 74 00:06:16,810 --> 00:06:22,649 少しくらい 誰かの役に立てますように。 75 00:06:22,649 --> 00:06:25,986 それから おいしい ごはんという物を➡ 76 00:06:25,986 --> 00:06:30,824 一度でいいから 食べられますように》 77 00:06:30,824 --> 00:06:32,826 (はじく音) 78 00:06:32,826 --> 00:06:36,997 (ロロ)うっ… えっ? 79 00:06:36,997 --> 00:06:40,166 (ノール)パリイ! ハッ! うっ…。 80 00:06:40,166 --> 00:06:43,336 んっ! フッ… んっ! 81 00:06:43,336 --> 00:06:45,505 んっ… えいっ! 《どうして? 82 00:06:45,505 --> 00:06:48,808 どうして この人は 僕を守ってくれるの?》 83 00:06:51,011 --> 00:06:53,013 《いけない!》 84 00:06:55,348 --> 00:06:57,684 あっ…。 (せき) 85 00:06:57,684 --> 00:06:59,686 あっ… んっ…。 86 00:06:59,686 --> 00:07:02,622 んっ… あっ… ああ…。 87 00:07:02,622 --> 00:07:06,626 んっ…。 (せき) 88 00:07:06,626 --> 00:07:08,795 (せき) 89 00:07:08,795 --> 00:07:11,631 あっ…。 90 00:07:11,631 --> 00:07:13,967 《えっ… 血が止まった?》 (倒れる音) 91 00:07:13,967 --> 00:07:16,269 あっ…。 んっ… うぅっ…。 92 00:07:19,139 --> 00:07:21,141 うっ! 93 00:07:24,477 --> 00:07:27,314 んっ… うぅっ! 94 00:07:27,314 --> 00:07:29,316 あっ…。 95 00:07:37,157 --> 00:07:39,159 んっ! 96 00:07:42,996 --> 00:07:44,998 ああっ…。 97 00:07:44,998 --> 00:07:51,338 ハァ… ああ… うっ… んっ! 98 00:07:51,338 --> 00:07:54,841 んっ…。 99 00:07:54,841 --> 00:07:58,845 これなら やっぱり なんとかなりそうだな。 100 00:07:58,845 --> 00:08:00,847 (咆哮) 101 00:08:03,116 --> 00:08:07,821 ⦅父さん 母さん 山に 食材を採りに行ってくる。 102 00:08:09,789 --> 00:08:12,959 <ノール:きっかけは 俺が 王都の養成所から戻り➡ 103 00:08:12,959 --> 00:08:15,462 少し たったころの 夕食だ> 104 00:08:15,462 --> 00:08:18,131 (ノール)今日は たくさん採れたな。 105 00:08:18,131 --> 00:08:22,135 これは 外で乾燥させて…。 106 00:08:22,135 --> 00:08:24,137 こっちは 塩漬け。 107 00:08:24,137 --> 00:08:28,641 残りは とりあえず 鍋に入れてみるか。 108 00:08:32,312 --> 00:08:34,647 (ノール)んっ… おいしい! 109 00:08:34,647 --> 00:08:37,984 <ノール:万が一 食べられない物が 交ざっていても➡ 110 00:08:37,984 --> 00:08:41,988 少し おなかが痛くなる程度だろう と思っていた> 111 00:08:41,988 --> 00:08:45,492 うっ…。 (倒れる音) 112 00:08:45,492 --> 00:08:48,495 <ノール:猛毒だった> 113 00:08:48,495 --> 00:08:51,331 うっ…。 114 00:08:51,331 --> 00:08:54,334 あっ… ああ…。 115 00:08:54,334 --> 00:08:59,139 《ノール:だめだ… ローヒール…》 116 00:09:05,779 --> 00:09:08,114 うっ… うっ…。 117 00:09:08,114 --> 00:09:10,784 うぅっ…。 118 00:09:10,784 --> 00:09:15,288 あっ… んっ! これだ。 119 00:09:15,288 --> 00:09:18,291 んっ… 竜滅茸。 120 00:09:18,291 --> 00:09:23,296 母さんも 絶対に食べちゃいけない って言ってた。 121 00:09:23,296 --> 00:09:26,800 んっ… 日課は やらなきゃ! 122 00:09:26,800 --> 00:09:29,302 んっ…。 123 00:09:29,302 --> 00:09:32,138 うわっ! うっ… うぅ…。 124 00:09:32,138 --> 00:09:35,642 くっ… うっ! くっ… うぅっ…。 125 00:09:35,642 --> 00:09:37,644 かっ… うっ! 126 00:09:37,644 --> 00:09:40,980 ローヒール…。 127 00:09:40,980 --> 00:09:42,982 あっ! 128 00:09:45,318 --> 00:09:47,654 痛くない 治ってる。 129 00:09:47,654 --> 00:09:51,057 腹 減った。 (おなかの鳴る音) 130 00:09:53,993 --> 00:09:56,996 んっ… 竜滅茸 気を付けな…。 131 00:09:56,996 --> 00:09:59,332 うっ! ああ…。 132 00:09:59,332 --> 00:10:01,334 うぅっ! 133 00:10:01,334 --> 00:10:06,506 ポイズンスパイク!? たしか 特徴は…。 134 00:10:06,506 --> 00:10:10,009 <ノール:猛毒だった> 135 00:10:10,009 --> 00:10:12,011 がっ… あっ! 136 00:10:12,011 --> 00:10:15,682 あれ? なんともない。 137 00:10:15,682 --> 00:10:17,684 ああ…。 138 00:10:19,853 --> 00:10:23,156 《毒が大丈夫なら いけるかも》 139 00:10:28,528 --> 00:10:32,532 なんだ? これ! とんでもなく おいしい! 140 00:10:32,532 --> 00:10:36,536 うっ! (威嚇する声) 141 00:10:36,536 --> 00:10:39,539 昨日より 毒の回りが遅い。 142 00:10:39,539 --> 00:10:41,541 耐性が付いたんだ。 143 00:10:41,541 --> 00:10:43,543 すごい! もしかしたら➡ 144 00:10:43,543 --> 00:10:46,379 新しいスキルを覚える きっかけになるかも。 145 00:10:46,379 --> 00:10:48,715 <ノール:それから 俺は➡ 146 00:10:48,715 --> 00:10:53,052 毒を持つ生物を 好んで 食べるようになった> 147 00:10:53,052 --> 00:10:55,054 んっ…。 148 00:10:55,054 --> 00:10:57,056 <ノール:たまに倒れた> うぅ…。 149 00:10:57,056 --> 00:11:00,493 <ノール:結局 スキルは覚えられなかったが➡ 150 00:11:00,493 --> 00:11:02,495 軽く 血を吐く程度なら➡ 151 00:11:02,495 --> 00:11:04,497 気にせず 食べられるようになった> 152 00:11:04,497 --> 00:11:06,666 んっ… だっ! にしても➡ 153 00:11:06,666 --> 00:11:09,335 毒のある生き物が こんなに おいしいなんて。 154 00:11:09,335 --> 00:11:11,337 これは 発見だ!⦆ 155 00:11:14,173 --> 00:11:16,176 《てことは たぶん➡ 156 00:11:16,176 --> 00:11:18,678 こいつも うまい》 157 00:11:18,678 --> 00:11:21,514 (イネス)あっ…。 (リーン)先生! 158 00:11:21,514 --> 00:11:25,351 んっ…。 《最初は 解毒が間に合わずに➡ 159 00:11:25,351 --> 00:11:27,520 多少 血が噴き出たが➡ 160 00:11:27,520 --> 00:11:31,024 この程度なら 経験上 問題ない》 フン! 161 00:11:31,024 --> 00:11:33,860 《あの子は 無事か。 ローヒールの無毒化が➡ 162 00:11:33,860 --> 00:11:36,863 間に合っているようだな》 163 00:11:36,863 --> 00:11:39,699 パリイ! パリイ! パリイ! 164 00:11:39,699 --> 00:11:41,701 《すごい!》 165 00:11:45,872 --> 00:11:49,375 《あんなに恐ろしい魔物を たった1人で…》 166 00:11:49,375 --> 00:11:51,377 (咆哮) 167 00:11:51,377 --> 00:11:53,379 パリイ! 168 00:12:01,654 --> 00:12:03,656 (3人)あっ…。 169 00:12:03,656 --> 00:12:07,327 《でかい。 恐らく これが➡ 170 00:12:07,327 --> 00:12:12,031 このカエルの生死を賭した 一撃。 だが…》 171 00:12:14,667 --> 00:12:16,669 パリイ! 172 00:12:26,179 --> 00:12:29,382 ああ…。 あっ…。 173 00:12:36,522 --> 00:12:40,026 ひどいな これは。 174 00:12:40,026 --> 00:12:42,862 《街の外に➡ 175 00:12:42,862 --> 00:12:46,032 こんなに でかくて 危険なカエルがいるとはな。 176 00:12:46,032 --> 00:12:50,370 にしても この毒ガエル 相当 うまいかもしれないぞ》 177 00:12:50,370 --> 00:12:52,538 おっ… 大丈夫か? 178 00:12:52,538 --> 00:12:55,541 うん。 179 00:12:55,541 --> 00:12:59,545 《いや 顔色が 少し悪いな。 180 00:12:59,545 --> 00:13:01,547 あとで リーンに診てもらおう》 181 00:13:03,816 --> 00:13:06,152 本当に危ないところだったな。 182 00:13:06,152 --> 00:13:08,488 1人で ここまで来たのか? 183 00:13:08,488 --> 00:13:11,324 えっと… その… 違うんだ。 184 00:13:11,324 --> 00:13:14,994 えっ? あれは 僕が連れてきたんだ。 185 00:13:14,994 --> 00:13:19,332 やっ… 約束したから。 街まで連れてくって。 186 00:13:19,332 --> 00:13:22,168 《街まで? 約束? 187 00:13:22,168 --> 00:13:26,339 あんな 毒ガエルを わざわざ 街に届けようとしていたのか? 188 00:13:26,339 --> 00:13:30,343 まさか… いや そうとしか! 189 00:13:30,343 --> 00:13:34,681 やはり あのカエルは 食材だったのか!? 190 00:13:34,681 --> 00:13:39,352 いや 確かに あれだけの量の肉を 新鮮な状態で輸送するなら➡ 191 00:13:39,352 --> 00:13:41,854 生きたままが いちばん いい》 んっ…。 192 00:13:41,854 --> 00:13:44,190 《ノール:最初に隠蔽を使って 隠れていたのも➡ 193 00:13:44,190 --> 00:13:47,694 周囲の安全や盗難を 考慮してのことだろう。 194 00:13:47,694 --> 00:13:50,029 あの毒を うまく処理する技術も➡ 195 00:13:50,029 --> 00:13:53,199 大きな街であれば 持っていても おかしくはない。 196 00:13:53,199 --> 00:13:56,035 もしかすると この子が 大事に育てていた➡ 197 00:13:56,035 --> 00:13:58,037 1匹の可能性だってある!》 198 00:13:58,037 --> 00:13:59,972 ⦅ロロ:元気に育つんだぞ。 199 00:13:59,972 --> 00:14:03,643 よ~し よしよし よしよし よ~し よしよし…⦆ 200 00:14:03,643 --> 00:14:08,981 《街に納めるはずの大事な商品を 台なしにしてしまった!》 201 00:14:08,981 --> 00:14:12,652 すまない! 大事な届け物を こんなことに…。 えっ? 202 00:14:12,652 --> 00:14:15,988 弁償する! あまり 金は持っていないから➡ 203 00:14:15,988 --> 00:14:21,661 時間は かかってしまうと思うが。 いや あの 弁償とかはしなくても。 204 00:14:21,661 --> 00:14:24,664 だが…。 本当に 大丈夫だから。 205 00:14:24,664 --> 00:14:28,868 よかったのか? あれを破裂させてしまっても。 206 00:14:32,004 --> 00:14:35,842 そうか… しかし ここまで どうやって➡ 207 00:14:35,842 --> 00:14:38,344 あんな 凶暴な生き物を 連れてきたんだ? 208 00:14:38,344 --> 00:14:42,014 引っ張ってきたというわけでも ないだろうし。 209 00:14:42,014 --> 00:14:46,018 (ロロ) ぼっ… 僕は 魔物を操れるんだ。 210 00:14:46,018 --> 00:14:48,521 だから それを使って ここまで…。 あっ…。 211 00:14:48,521 --> 00:14:52,358 魔物を操れるだと!? んっ…。 212 00:14:52,358 --> 00:14:54,360 《こんな 小さい子が➡ 213 00:14:54,360 --> 00:14:57,697 あんな巨大なカエルを 操れるものなのか?》 214 00:14:57,697 --> 00:15:00,299 すごいスキルだな。 215 00:15:00,299 --> 00:15:02,301 世の中には そういうのもあるのか。 216 00:15:02,301 --> 00:15:06,139 (ロロ)えっ? えっ… スキル? 違うのか? 217 00:15:06,139 --> 00:15:08,474 んっ…。 218 00:15:08,474 --> 00:15:11,978 僕は 生まれつき そういう力があるんだ。 219 00:15:11,978 --> 00:15:14,313 うっ… 生まれつき!? 220 00:15:14,313 --> 00:15:17,650 生まれつきで そんなことができるのか。 221 00:15:17,650 --> 00:15:20,820 すごいな。 そんなもの ほんとに➡ 222 00:15:20,820 --> 00:15:23,990 天から与えられた才能としか 言いようがない。 223 00:15:23,990 --> 00:15:29,328 あっ… あの… 僕は まっ…。 224 00:15:29,328 --> 00:15:31,497 魔… 族で。 225 00:15:31,497 --> 00:15:34,333 マー族? うん。 226 00:15:34,333 --> 00:15:38,171 魔族は みんな そういうことができて。 227 00:15:38,171 --> 00:15:41,007 ああ… つまり その マー族というのは➡ 228 00:15:41,007 --> 00:15:45,178 そういう能力を持った部族で そこでは 普通のことなんだな? 229 00:15:45,178 --> 00:15:47,513 うん。 230 00:15:47,513 --> 00:15:51,684 俺にも そんな能力があったらと 何度 思ったことか。 231 00:15:51,684 --> 00:15:55,855 動物たちに 畑仕事を手伝ってもらったり➡ 232 00:15:55,855 --> 00:16:01,627 鳥を使えるなら 手紙の配達なんてのもいい。 233 00:16:01,627 --> 00:16:05,131 夜でも 野犬に襲われる心配もない。 234 00:16:05,131 --> 00:16:07,300 ほんとに すごいな。 235 00:16:07,300 --> 00:16:10,636 あっ あの… あなたは 僕が…。 236 00:16:10,636 --> 00:16:13,639 魔族が 怖くないの? 237 00:16:13,639 --> 00:16:15,975 僕のことが 嫌いじゃないの? 238 00:16:15,975 --> 00:16:17,977 どういう意味だ? 239 00:16:17,977 --> 00:16:23,482 この力を 怖がる人も 嫌がる人もいるから。 240 00:16:23,482 --> 00:16:26,652 世の中には そういう人間もいるのか。 241 00:16:26,652 --> 00:16:30,156 だが そんなに 気にすることもないと思うぞ。 242 00:16:30,156 --> 00:16:33,993 誰が なんと言おうと それは とても役に立つ能力だ。 243 00:16:33,993 --> 00:16:37,330 あっ… 役に立つ? 244 00:16:37,330 --> 00:16:40,500 ああ… この僕が? 245 00:16:40,500 --> 00:16:43,836 当たり前だろ それだけ すごい才能があるんだ。 246 00:16:43,836 --> 00:16:46,839 いらないなら 俺が欲しいくらいだぞ。 247 00:16:51,844 --> 00:16:56,349 うぅ… うっ… うぅ…。 248 00:16:56,349 --> 00:17:00,786 ほっ… 本当に 僕でも➡ 249 00:17:00,786 --> 00:17:05,791 誰かに 必要とされることなんて あるのかな? 250 00:17:05,791 --> 00:17:08,794 うぅ…。 んっ…。 251 00:17:08,794 --> 00:17:13,966 《ノール:俺と違い 羨ましいほどの 才能に恵まれているのに➡ 252 00:17:13,966 --> 00:17:17,470 なぜ こんなにも 自分を過小評価しているんだ? 253 00:17:17,470 --> 00:17:21,641 今は そういう状況じゃ ないのかもしれないが➡ 254 00:17:21,641 --> 00:17:23,643 この子なら きっと すぐに…》 255 00:17:25,645 --> 00:17:28,814 んっ…。 あっ…。 256 00:17:28,814 --> 00:17:34,153 当然だ。 俺なんかより ずっと お前が望めば いくらでもな。 257 00:17:34,153 --> 00:17:38,324 フフッ…。 (泣き声) 258 00:17:38,324 --> 00:17:40,326 (リーン)先生! あっ…。 259 00:17:40,326 --> 00:17:42,495 ハァハァハァ… 大丈夫ですか? 260 00:17:42,495 --> 00:17:45,998 ああ 問題ない。 すぐに 手当てを。 261 00:17:45,998 --> 00:17:49,669 いや ほんとに大丈夫だ。 血も もう止まってる。 262 00:17:49,669 --> 00:17:52,338 自慢じゃないが 毒には強いからな。 263 00:17:52,338 --> 00:17:55,341 あっ…。 《そんなわけが…。 264 00:17:55,341 --> 00:17:58,344 あれは 致死性の猛毒どころじゃない。 265 00:17:58,344 --> 00:18:01,447 あれは 間違いなく 瘴気だった。 266 00:18:01,447 --> 00:18:04,450 大地さえ むしばむ 究極の毒。 267 00:18:04,450 --> 00:18:08,287 あの直撃を受けて 平然としていられるはずが…。 268 00:18:08,287 --> 00:18:12,458 いえ 1つだけ 可能性がある。 269 00:18:12,458 --> 00:18:17,296 聖気… 癒聖のセイン先生が 以前 見せてくれた。 270 00:18:17,296 --> 00:18:19,298 それは 聖者のように➡ 271 00:18:19,298 --> 00:18:21,968 研ぎ澄まされた体と心から 生み出され➡ 272 00:18:21,968 --> 00:18:25,972 触れたもの すべてを浄化し どんな傷も癒やす。 273 00:18:25,972 --> 00:18:30,309 常軌を逸した修行の末に たどりつく 極地》 274 00:18:30,309 --> 00:18:32,979 んっ… んっ! 《リーン:あの セイン先生ですら➡ 275 00:18:32,979 --> 00:18:37,650 40年の年月を費やしたというのに ノール先生は この若さで?》 276 00:18:37,650 --> 00:18:40,987 そうだ リーン 俺よりも この子を診てくれ。 277 00:18:40,987 --> 00:18:43,322 あっ… だっ… 大丈夫。 278 00:18:43,322 --> 00:18:46,993 僕も なんともないから。 んっ…。 んっ! 279 00:18:46,993 --> 00:18:52,498 《リーン:蒼白の肌 銀の交じった薄青の髪。 280 00:18:52,498 --> 00:18:57,837 そして 吸い込まれそうな 深い闇色の瞳。 やはり…》 281 00:18:57,837 --> 00:19:00,106 (リーン)魔族の子ですか? あっ…。 282 00:19:00,106 --> 00:19:04,777 ああ マー族だ。 よく わかったな。 それを ご存じのうえで➡ 283 00:19:04,777 --> 00:19:09,448 先生は その子を その… どうされるおつもりですか? 284 00:19:09,448 --> 00:19:11,951 できれば 馬車に乗せてやりたいんだが。 285 00:19:11,951 --> 00:19:15,287 あっ…。 ノール殿 それは…。 だめか? 286 00:19:15,287 --> 00:19:18,958 《多くの国で 討伐が推奨されている➡ 287 00:19:18,958 --> 00:19:20,960 危険種族を?》 288 00:19:20,960 --> 00:19:23,295 先生は 本当に よろしいのですか? 289 00:19:23,295 --> 00:19:26,799 その子は 魔族で 連れていた魔物も あんな事態を。 290 00:19:26,799 --> 00:19:30,803 確かに 小麦畑が 荒れてしまったのは 残念だが➡ 291 00:19:30,803 --> 00:19:35,141 あの毒ガエルを街に連れていく仕事を 台なしにしてしまったしな。 292 00:19:35,141 --> 00:19:37,476 えっ!? 毒ガエルとは 黒死竜のことか? 293 00:19:37,476 --> 00:19:39,812 黒死竜を 街まで!? 294 00:19:39,812 --> 00:19:43,816 《やはり 危険すぎる。 いくら 子どもとはいえ…》 295 00:19:43,816 --> 00:19:46,986 そういえば 運ぶ約束をしたと言っていたが➡ 296 00:19:46,986 --> 00:19:49,989 誰に頼まれたんだ? 297 00:19:49,989 --> 00:19:54,493 知らないんだ。 教えてもらってないから。 298 00:19:54,493 --> 00:19:56,829 隠すと 君のためにもならない。 299 00:19:56,829 --> 00:19:59,832 正直に言ってくれると 助かるのだが。 300 00:19:59,832 --> 00:20:02,334 本当に わからないんだ。 301 00:20:02,334 --> 00:20:06,839 僕らは そういうふうに育てられたから。 302 00:20:06,839 --> 00:20:09,675 《この おびえたような 目つきや 態度。 303 00:20:09,675 --> 00:20:12,845 間違いない この子は 奴隷だ。 304 00:20:12,845 --> 00:20:16,015 クレイス王国で 奴隷は 禁じられているが➡ 305 00:20:16,015 --> 00:20:18,017 他の国は 違う。 306 00:20:18,017 --> 00:20:22,855 この子は 恐らく その身分を利用された 少年兵》 307 00:20:22,855 --> 00:20:24,857 帰る家は あるのか? 308 00:20:24,857 --> 00:20:28,861 その… 途中まで 目隠しされてたし➡ 309 00:20:28,861 --> 00:20:32,031 僕がいた街が どの辺りにあるかも 知らない。 310 00:20:32,031 --> 00:20:35,868 んっ…。 そういうわけだが どうだろう? 311 00:20:35,868 --> 00:20:39,205 できれば 近くの街までは送ってやりたい。 312 00:20:39,205 --> 00:20:43,542 《私は 何を見ていた? 313 00:20:43,542 --> 00:20:47,880 「風説に惑わされず まず 己の目を信じろ」。 314 00:20:47,880 --> 00:20:51,550 よく 父に そう 諭されていたというのに。 315 00:20:51,550 --> 00:20:53,552 少年に ただ おびえ➡ 316 00:20:53,552 --> 00:20:57,056 邪悪な種族としか 私の目には 映っていなかった。 317 00:20:57,056 --> 00:21:00,659 行き場をなくした 痩せた少年の姿など➡ 318 00:21:00,659 --> 00:21:03,329 私は 最初から見ていなかった。 319 00:21:03,329 --> 00:21:08,000 自分の器の小ささに 恥じ入るばかりだ》 320 00:21:08,000 --> 00:21:12,004 そういえば 名前は? ロロ。 321 00:21:12,004 --> 00:21:16,675 ロロか いい名前だ。 短くて 覚えやすい。 322 00:21:16,675 --> 00:21:19,845 イネス 私からも お願いします。 323 00:21:19,845 --> 00:21:23,349 この子を… ロロを 乗せてあげられませんか? 324 00:21:23,349 --> 00:21:26,685 リンネブルグ様 お気持ちは わかります。 325 00:21:26,685 --> 00:21:30,189 ですが…。 乗る場所がないなら 俺が降りるぞ。 326 00:21:30,189 --> 00:21:32,191 馬車の問題ではない。 327 00:21:32,191 --> 00:21:35,361 私たちが向かっている 神聖ミスラ教国に➡ 328 00:21:35,361 --> 00:21:37,696 魔族の立ち入りは 許されていない。 329 00:21:37,696 --> 00:21:40,533 一緒に連れていくのは 難しいだろう。 330 00:21:40,533 --> 00:21:43,536 同じく 途中の街に 置いていったとしても➡ 331 00:21:43,536 --> 00:21:46,872 この少年が 1人で生きていくのは 難しいはずだ。 332 00:21:46,872 --> 00:21:50,209 《わかっている。 彼を連れていけば➡ 333 00:21:50,209 --> 00:21:54,380 私たちも ミスラ教国の敵として 攻撃されるかもしれない。 334 00:21:54,380 --> 00:21:57,216 それでも 私は…》 335 00:21:57,216 --> 00:21:59,552 おかしいな。 あっ…。 336 00:21:59,552 --> 00:22:01,554 (4人)んっ? 337 00:22:07,826 --> 00:22:10,663 そいつ もう とっくに➡ 338 00:22:10,663 --> 00:22:14,066 死んでるころだと 思ってたんだがな。