1 00:00:02,160 --> 00:00:05,370 《阿久津:キラキラと輝く髪に 目を奪われた》 2 00:00:08,670 --> 00:00:12,010 《どこか退屈そうな ルビーの瞳。 3 00:00:12,010 --> 00:00:14,510 小さく整った鼻。 4 00:00:14,510 --> 00:00:16,510 桜色の唇》 5 00:00:19,350 --> 00:00:23,850 《その瞬間 俺は思ったんだ。 6 00:00:23,850 --> 00:00:25,850 この子を…》 7 00:02:03,720 --> 00:02:07,890 今日 転入生 来るらしいよ。 へぇ~ 5月なのに珍しい。 8 00:02:07,890 --> 00:02:10,400 どんな人かな? かっこいいといいな! 9 00:02:10,400 --> 00:02:13,570 もう いつも そればっかり。 だってさ~。 10 00:02:13,570 --> 00:02:15,570 (城村)呼んだら入ってくるんだぞ。 11 00:02:15,570 --> 00:02:19,400 なに 心配はいらない。 きっと なじめるさ。 12 00:02:19,400 --> 00:02:22,210 ありがとう… ございます。 おう。 13 00:02:25,910 --> 00:02:28,750 (城村)ほら 席に着け。 は~い。 14 00:02:28,750 --> 00:02:31,080 (城村)え~ 知ってるやつもいると思うが➡ 15 00:02:31,080 --> 00:02:33,420 転入生を紹介する。 16 00:02:33,420 --> 00:02:36,250 《いよいよ 始まるんだ》 17 00:02:36,250 --> 00:02:39,090 (城村)よ~し 入っていいぞ。 ハッ! 18 00:02:39,090 --> 00:02:41,090 《よし 行くぜ!》 19 00:02:41,090 --> 00:02:45,260 阿久津雅虎君 16歳だ。 20 00:02:45,260 --> 00:02:48,930 (生徒たち)えっ? え~ 彼は 幼少のころ➡ 21 00:02:48,930 --> 00:02:50,870 髪形の坊主が嫌で➡ 22 00:02:50,870 --> 00:02:55,540 髪を生やすため使った 父親の育毛剤が 実は 脱毛剤で➡ 23 00:02:55,540 --> 00:02:57,710 気付いたときには…。 24 00:02:57,710 --> 00:03:01,380 くっ… 先生も ちょっと 気持ちが わかるぞ。 25 00:03:01,380 --> 00:03:05,220 さあ 阿久津 みんなに挨拶だ。 はい。 26 00:03:05,220 --> 00:03:09,390 初めまして 阿久津雅虎です。 27 00:03:09,390 --> 00:03:11,390 趣味は 薬局巡り。 28 00:03:11,390 --> 00:03:15,390 好きな言葉は… 毛根です。 29 00:03:17,400 --> 00:03:21,730 今まで あまり いい人生じゃありませんでした。 30 00:03:21,730 --> 00:03:24,570 けど ここで 皆さんと➡ 31 00:03:24,570 --> 00:03:27,240 すてきな思い出を作れたらと 思ってます。 32 00:03:27,240 --> 00:03:31,580 よろしく… お願いします。 はい 拍手。 33 00:03:31,580 --> 00:03:33,580 うっ… 負けないで! 34 00:03:33,580 --> 00:03:36,580 頑張って! 頑張れ! 35 00:03:36,580 --> 00:03:39,920 《フッ… この程度のうそも 見抜けないとは➡ 36 00:03:39,920 --> 00:03:43,590 なんて 単純な生き物なんだ 人間は》 37 00:03:43,590 --> 00:03:46,590 んっ? 何か付いてるぞ。 38 00:03:46,590 --> 00:03:48,590 んっ? 39 00:03:52,860 --> 00:03:54,870 フッ…。 40 00:03:54,870 --> 00:03:56,870 あっ… ああ…。 41 00:03:56,870 --> 00:04:01,710 阿久津 お前 ふさふさじゃねえか。 42 00:04:01,710 --> 00:04:04,040 まさか 俺に当てつけか? 43 00:04:04,040 --> 00:04:06,040 これは 今 生えてきて…。 44 00:04:06,040 --> 00:04:08,050 古い細胞が脱皮したんです! 45 00:04:08,050 --> 00:04:10,720 くそ… なんで 生えてきてしまったんだ。 46 00:04:10,720 --> 00:04:15,050 この… この… キューティクルが~! 47 00:04:15,050 --> 00:04:17,890 うお~! (城村) 阿久津 何やってんだ? お前! 48 00:04:17,890 --> 00:04:19,890 止めないでください 先生! 49 00:04:19,890 --> 00:04:23,560 抜いたヘアを アンダーに! 抜いたヘアを…。 50 00:04:23,560 --> 00:04:27,400 というわけで みんな 仲よくするようにな。 51 00:04:27,400 --> 00:04:29,400 (生徒たち)は~い。 52 00:04:29,400 --> 00:04:32,400 お前の席は あそこだ。 はい。 53 00:04:32,400 --> 00:04:35,240 《フゥ… 言われたとおりに やったけど➡ 54 00:04:35,240 --> 00:04:39,080 もう少し慎重に やるべきだったかな? 55 00:04:39,080 --> 00:04:42,880 まあ 今のところ 俺の正体を 怪しむやつは 誰もいない》 56 00:04:46,250 --> 00:04:48,250 んっ? 57 00:04:51,860 --> 00:04:54,860 《うお~ かわいい。 58 00:04:54,860 --> 00:04:56,860 つうか きれい。 59 00:04:56,860 --> 00:05:02,030 ほお~ 人間でも こんな子がいるのか》 60 00:05:02,030 --> 00:05:04,370 (リリー)フッ…。 《ハッ! 61 00:05:04,370 --> 00:05:06,370 ぐぅっ… なんだ? 今のは。 62 00:05:06,370 --> 00:05:09,040 この心を満たす 甘酸っぱい感情》 63 00:05:09,040 --> 00:05:12,380 (城村)阿久津 どうした? 《俺の体は 一体➡ 64 00:05:12,380 --> 00:05:16,050 どうしてしまったんだ~!》 (城村)阿久津! 阿久津! 65 00:05:16,050 --> 00:05:19,050 《これは~!》 (城村)阿久津! 66 00:05:21,720 --> 00:05:26,390 《さっきのは なんだったんだ? まだ ふわふわしているぜ。 67 00:05:26,390 --> 00:05:29,230 でも ほんと かわいいよな。 68 00:05:29,230 --> 00:05:32,560 純情かれんというか 清廉潔白というか。 69 00:05:32,560 --> 00:05:36,070 こんな子が彼女だったら 毎日にも潤いが…》 70 00:05:39,400 --> 00:05:41,740 ⦅急に降ってきたね。 71 00:05:41,740 --> 00:05:45,080 ちょっと まだ着替え中! 72 00:05:45,080 --> 00:05:49,250 ハハハ! ハハッ! よっしゃ! あっ! あ~…。 73 00:05:49,250 --> 00:05:52,180 んっ? あっ…。 74 00:05:52,180 --> 00:05:57,360 阿久津君 いいよ⦆ 75 00:05:57,360 --> 00:05:59,360 《そうだ! この子に あれを➡ 76 00:05:59,360 --> 00:06:01,530 お願いすればいいんじゃないか? 77 00:06:01,530 --> 00:06:06,700 そうだよ。 なんという名案! あとは なんて切り出すかだな。 78 00:06:06,700 --> 00:06:09,530 包み隠さず言っても 引かれちゃいそうだしな》 79 00:06:09,530 --> 00:06:12,540 (広田)リッ… リリーちゃん。 んっ? 80 00:06:12,540 --> 00:06:15,040 初夏の風も爽やかな 今日このごろ➡ 81 00:06:15,040 --> 00:06:17,210 いかが お過ごしでしょうか? 82 00:06:17,210 --> 00:06:20,050 貴殿におかれましては… かっこ 中略。 83 00:06:20,050 --> 00:06:23,210 というわけで 俺と つきあってください! 84 00:06:23,210 --> 00:06:26,380 ごめんなさ~い。 早っ! 85 00:06:26,380 --> 00:06:29,720 もうちょっと考えてよ! 待たせても悪いじゃない。 86 00:06:29,720 --> 00:06:31,720 そうだけどさ…。 (谷川)ま~た やってるよ。 87 00:06:31,720 --> 00:06:33,890 騒がしくて ごめんね 阿久津君。 88 00:06:33,890 --> 00:06:37,730 んっ? 別に 大丈夫。 え~っと…。 89 00:06:37,730 --> 00:06:40,730 谷川裕也。 谷川でいいよ。 90 00:06:40,730 --> 00:06:45,070 OK 谷川ね。 よろしくな! うん よろしく。 91 00:06:45,070 --> 00:06:47,570 んで あれは? アハハハ…。 92 00:06:47,570 --> 00:06:50,010 出直してきます。 うん! 93 00:06:50,010 --> 00:06:54,010 (谷川)あいつは 広田。 昔から 女好きでね。 94 00:06:54,010 --> 00:06:57,350 かわいい子 見ると あんな感じで 告白しまくるんだ。 95 00:06:57,350 --> 00:07:01,190 今は 彼女に ハマってるみたいだけど。 ふ~ん。 96 00:07:01,190 --> 00:07:06,020 いや~ 参った。 ま~た 振られちゃったよ。 ハハッ。 97 00:07:06,020 --> 00:07:09,190 広田 阿久津君に 軽く紹介しといたよ。 98 00:07:09,190 --> 00:07:12,200 おう サンキュー。 俺 広田健作。 99 00:07:12,200 --> 00:07:16,200 積もる話もあるんで とりあえず 廊下で話そうぜ。 おう。 100 00:07:16,200 --> 00:07:19,700 最初の挨拶んときは ちょっと驚いたけどな。 101 00:07:19,700 --> 00:07:23,040 あれは 事故っていうか なんていうか。 102 00:07:23,040 --> 00:07:25,710 まあ これから 仲よくやってこうぜ。 103 00:07:25,710 --> 00:07:28,710 わかんないことあったら なんでも聞いてくれよ。 104 00:07:28,710 --> 00:07:30,720 あの子は? (広田/谷川)んっ? 105 00:07:30,720 --> 00:07:32,880 (広田)天音リリーちゃん? 106 00:07:32,880 --> 00:07:36,050 あっくんより少し前に 転校してきたのさ。 107 00:07:36,050 --> 00:07:39,890 ハーフで 帰国子女なんだぜ。 108 00:07:39,890 --> 00:07:42,230 音楽室 行こう。 109 00:07:42,230 --> 00:07:45,900 うん。 今日 ピアノのテストだっけ? 110 00:07:45,900 --> 00:07:48,900 へぇ~ ハーフで キコクシジョ…。 111 00:07:48,900 --> 00:07:50,840 《って なんだ?》 112 00:07:50,840 --> 00:07:54,840 (広田)背が ちっちゃくて かわいいのに 頭もよくてさ➡ 113 00:07:54,840 --> 00:07:57,340 更に 性格もいいんだぜ。 114 00:07:57,340 --> 00:07:59,840 なんか こう 天使って感じ? 115 00:07:59,840 --> 00:08:03,520 天使! どうした? いや なんでもない。 116 00:08:03,520 --> 00:08:07,190 まあ リリーちゃん 狙うなら 覚悟はしたほうがいいぜ。 117 00:08:07,190 --> 00:08:09,190 覚悟? 118 00:08:09,190 --> 00:08:13,860 俺は すでに 5回 振られている。 119 00:08:13,860 --> 00:08:16,690 ⦅おっ… 俺と つきあって ください! ごめんなさい。 120 00:08:16,690 --> 00:08:19,200 (広田)友達からでいいから。 ごめんね。 121 00:08:19,200 --> 00:08:21,200 (広田)そこを なんとか。 ごめん。 122 00:08:21,200 --> 00:08:24,200 (広田)え~っと…。 ごっ…。 (広田)1文字!⦆ 123 00:08:24,200 --> 00:08:28,870 ほんと 懲りないよね。 今日は いけると思ったのに。 124 00:08:28,870 --> 00:08:31,380 あ~ リリーちゃん! うわっ! 125 00:08:31,380 --> 00:08:34,380 よし もう1回 告っちゃおうかな。 126 00:08:34,380 --> 00:08:37,050 落ち着きなよ。 さっき 振られたばっかじゃん。 127 00:08:37,050 --> 00:08:40,050 記憶にございませんな! 今日は もう やめときなよ。 128 00:08:40,050 --> 00:08:43,890 ええい 離せ! 俺のリビドーは 誰にも止められん! 129 00:08:43,890 --> 00:08:47,730 《人間を こんなに魅了してしまうとは➡ 130 00:08:47,730 --> 00:08:50,500 俺の目に狂いはなかった》 131 00:08:50,500 --> 00:08:54,500 天音リリー。 132 00:08:54,500 --> 00:08:58,670 《さて あの子と どうやって お近づきになるか。 133 00:08:58,670 --> 00:09:00,670 とっとと帰って 作戦でも練るか》 134 00:09:00,670 --> 00:09:02,840 キャッ! うおっ! 申し訳ない。 135 00:09:02,840 --> 00:09:04,840 って… 天音? 136 00:09:04,840 --> 00:09:07,680 あれ? 阿久津君。 137 00:09:07,680 --> 00:09:12,020 急に出てくるから驚いたよ。 なんで こんな所から? 138 00:09:12,020 --> 00:09:16,860 ちょ… ちょっと 迷っちゃって。 ふ~ん。 139 00:09:16,860 --> 00:09:21,190 《んっ? これ チャンスじゃないか?》 140 00:09:21,190 --> 00:09:23,700 あっ… あのさ…。 んっ? 141 00:09:23,700 --> 00:09:26,200 《何を言えばいいんだ? え~…。 142 00:09:26,200 --> 00:09:28,870 なんか こう いい感じのせりふを…》 143 00:09:28,870 --> 00:09:31,370 あっ… 阿久津です。 よろしく! 144 00:09:31,370 --> 00:09:33,540 《なんじゃ!? そりゃ!》 145 00:09:33,540 --> 00:09:38,380 フフッ。 うん 知ってるよ。 阿久津君って おもしろいね。 146 00:09:38,380 --> 00:09:40,880 ちゃんと 自己紹介してなかったね。 147 00:09:40,880 --> 00:09:44,050 天音リリーです。 よろしくね。 148 00:09:44,050 --> 00:09:46,380 よっ… よろしく。 149 00:09:46,380 --> 00:09:51,060 んっ? 袖 どうしたんだ? あっ これは…。 150 00:09:51,060 --> 00:09:53,220 まさか さっき 俺と ぶつかったとき? 151 00:09:53,220 --> 00:09:56,560 いや 違っ…。 ごめん! 何か わびを…。 152 00:09:56,560 --> 00:09:59,560 そっ… それよりさ…。 えっ? 153 00:09:59,560 --> 00:10:02,400 こうやって会えたのも 何かの縁だし➡ 154 00:10:02,400 --> 00:10:06,070 お近づきのしるしに お茶でもしよっか。 155 00:10:06,070 --> 00:10:08,740 キュン! くっ… 苦しゅうない。 156 00:10:08,740 --> 00:10:11,580 アハハ! 何それ? 157 00:10:11,580 --> 00:10:16,580 天音も? うん。 うちは 両親が海外だから。 158 00:10:16,580 --> 00:10:19,920 でも 男の子の1人暮らしって 大変そうだね。 159 00:10:19,920 --> 00:10:22,090 そんなことないって。 160 00:10:22,090 --> 00:10:24,760 ほんとかな? ほんと ほんと! 161 00:10:24,760 --> 00:10:27,760 家事 ちゃんとしてる? ちゃんと 掃除もしてるし。 162 00:10:27,760 --> 00:10:31,100 じゃあ 今度 証拠を 見せてもらっちゃおうかな。 163 00:10:31,100 --> 00:10:33,100 フフフフフフ! あっ…。 164 00:10:36,100 --> 00:10:38,100 あっ! 165 00:10:41,110 --> 00:10:44,610 あっ! 166 00:10:44,610 --> 00:10:47,780 (ブレーキ音と衝突音) 167 00:10:47,780 --> 00:10:51,050 大丈夫か? なんだ? 168 00:10:51,050 --> 00:10:54,890 (ざわめき) 169 00:10:54,890 --> 00:10:58,060 んっ…。 170 00:10:58,060 --> 00:11:00,060 ハッ…。 171 00:11:00,060 --> 00:11:02,060 あっ… 阿久津君? 172 00:11:02,060 --> 00:11:05,560 わっ… 悪い。 体 つかんじまった。 173 00:11:05,560 --> 00:11:08,400 そっ… そんなことより 阿久津君は? 174 00:11:08,400 --> 00:11:11,070 体が ちょっと痛い。 175 00:11:11,070 --> 00:11:13,570 そんな… ちょっとだなんて。 176 00:11:13,570 --> 00:11:16,240 ハッ! 阿久津君? 177 00:11:16,240 --> 00:11:18,740 《しまった!》 178 00:11:18,740 --> 00:11:21,910 事故? おい 誰か来てくれ! 179 00:11:21,910 --> 00:11:24,420 動ける? えっ? ああ。 180 00:11:24,420 --> 00:11:27,090 こっち! あっ… おい! 181 00:11:27,090 --> 00:11:29,090 誰か! 落ち着けよ。 182 00:11:32,420 --> 00:11:35,230 はい。 あっ… おう 悪い。 183 00:11:37,600 --> 00:11:41,270 本当に 大丈夫なの? 病院 行かなくていい? 184 00:11:41,270 --> 00:11:44,270 いや 痛みは もう なくなったから。 185 00:11:44,270 --> 00:11:47,440 そう。 ありがと。 えっ? 186 00:11:47,440 --> 00:11:49,610 私を助けてくれて。 187 00:11:49,610 --> 00:11:52,710 あ~ まあ 当然? 188 00:11:52,710 --> 00:11:54,880 ごめんね。 189 00:11:54,880 --> 00:11:56,880 別に 謝ることじゃねえよ。 190 00:11:56,880 --> 00:12:00,550 ねえ 聞いてもいいかな? 191 00:12:00,550 --> 00:12:03,160 阿久津君って 何者なの? 192 00:12:03,160 --> 00:12:07,730 あっ…。 193 00:12:07,730 --> 00:12:10,900 《まずい…》 トラックに ぶつかっても 平気だし➡ 194 00:12:10,900 --> 00:12:12,900 それに 耳も…。 195 00:12:12,900 --> 00:12:17,070 あの すごく変なことを聞くけど ひょっとしたら その…。 196 00:12:17,070 --> 00:12:21,410 ひょっとしたらだけど 阿久津君って 人間じゃない? 197 00:12:21,410 --> 00:12:23,410 ひっ! 198 00:12:25,580 --> 00:12:28,750 《くそ~! なんて失敗を! 199 00:12:28,750 --> 00:12:31,750 こんなに早く 俺の正体を ばらして どうする! 200 00:12:31,750 --> 00:12:35,090 いや ここは なんとか ごまかして…。 201 00:12:35,090 --> 00:12:38,590 あれ? そんなに 悪い反応じゃない? 202 00:12:38,590 --> 00:12:40,930 むしろ 彼女 オカルト好き? 203 00:12:40,930 --> 00:12:43,230 よ~し いちかばちか 賭けてみるか》 204 00:12:45,600 --> 00:12:50,200 誰にも言わないでほしいんだけど そう 俺は 人間じゃない。 205 00:12:50,200 --> 00:12:53,400 俺は…。 ハッ! 俺は…。 206 00:12:59,880 --> 00:13:04,220 実は 悪魔なんだ。 207 00:13:04,220 --> 00:13:07,220 悪魔? ああ。 208 00:13:07,220 --> 00:13:11,120 事情があって 人間の世界に 来たんだ。 事情? 209 00:13:13,890 --> 00:13:18,400 俺たちの世界… 魔界は 今 危機に ひんしている。 210 00:13:18,400 --> 00:13:23,230 敵対している天使ってやつらに 勢力争いで押されていて➡ 211 00:13:23,230 --> 00:13:27,070 そう遠くない未来には 魔界は潰されてしまうだろう。 212 00:13:27,070 --> 00:13:29,240 なのに 俺の仲間たちは➡ 213 00:13:29,240 --> 00:13:32,240 どいつも こいつも 怠けてばかりで…。 214 00:13:32,240 --> 00:13:34,250 そこで 俺の上司は➡ 215 00:13:34,250 --> 00:13:37,080 誰か カリスマ性のあるやつを 上に立たせ➡ 216 00:13:37,080 --> 00:13:40,250 魔界のみんなに やる気を出してもらおうと考えた。 217 00:13:40,250 --> 00:13:44,590 それで 俺が その誰かを探す 任務を命じられたんだ。 218 00:13:44,590 --> 00:13:46,590 それって もう 見つかったの? 219 00:13:46,590 --> 00:13:49,590 いや まだ 探し始めたばかり。 220 00:13:49,590 --> 00:13:51,860 だから 俺としては 君に…。 221 00:13:51,860 --> 00:13:54,170 天音に協力してもらえないかと 思ってる。 222 00:13:56,870 --> 00:13:59,700 そんな 急に言われても…。 223 00:13:59,700 --> 00:14:02,870 別に 無理やり 仲間になれとは言わないし➡ 224 00:14:02,870 --> 00:14:06,710 ただ カリスマなやつを探すまで たまに 魔界まで来てもらって➡ 225 00:14:06,710 --> 00:14:09,710 仲間たちのやる気を 維持してもらうだけで…。 226 00:14:09,710 --> 00:14:11,920 んっ… 頼む! 227 00:14:14,890 --> 00:14:18,390 あのね 悪魔って 本当にいるんだなって➡ 228 00:14:18,390 --> 00:14:21,230 少し びっくりしちゃったけど➡ 229 00:14:21,230 --> 00:14:24,730 思っていたイメージとは ずいぶん 違うんだね。 230 00:14:24,730 --> 00:14:29,400 トラックから守ってくれたし 強引じゃないし➡ 231 00:14:29,400 --> 00:14:33,740 結構 優しいんだ。 あっ… 別に そういう…。 232 00:14:33,740 --> 00:14:36,940 フフッ。 てれちゃって 変なの。 233 00:14:40,080 --> 00:14:43,580 私なんかでいいの? なんの とりえもないし➡ 234 00:14:43,580 --> 00:14:47,920 それに 本当に 阿久津君の役に立てるかどうか。 235 00:14:47,920 --> 00:14:50,520 そっ… そんなことないよ。 236 00:14:50,520 --> 00:14:52,520 これは 天音じゃないと だめなんだ! 237 00:14:52,520 --> 00:14:56,190 君みたいに かわいくて 誰からも好かれる子じゃないと。 238 00:14:56,190 --> 00:14:59,860 でも 本当に 大丈夫かな? えっ? 239 00:14:59,860 --> 00:15:01,870 私が そっちに行ったりしたら➡ 240 00:15:01,870 --> 00:15:06,540 みんなに怖がられたり 嫌われたりしないかな? 241 00:15:06,540 --> 00:15:09,040 それは 大丈夫だと思うけど。 242 00:15:09,040 --> 00:15:11,880 これでも? はっ? 243 00:15:11,880 --> 00:15:13,880 うっ! 244 00:15:13,880 --> 00:15:17,550 うお~! ぐっ! 245 00:15:17,550 --> 00:15:19,720 なっ… なんだ!? こりゃ! 246 00:15:19,720 --> 00:15:24,560 フッ… フフフフ。 アハハハハハッ! 247 00:15:24,560 --> 00:15:30,060 我を誘惑するとは あほうな悪魔も おったものよのう。 248 00:15:30,060 --> 00:15:32,230 君は 一体…。 249 00:15:32,230 --> 00:15:36,400 我か? そうさのう ひと言で言うなら…。 250 00:15:36,400 --> 00:15:39,740 んっ? 251 00:15:39,740 --> 00:15:42,140 んっ… あっ… あ~! 252 00:15:44,580 --> 00:15:48,580 天の使いかのう? 253 00:15:48,580 --> 00:15:51,680 なっ! あっ…。 254 00:15:51,680 --> 00:15:54,690 えっ 天使? プッ! プププッ! 255 00:15:54,690 --> 00:15:56,850 なかなか いい反応じゃのう。 256 00:15:56,850 --> 00:16:00,360 敵と気付かず 悪魔の世界に勧誘するとは➡ 257 00:16:00,360 --> 00:16:02,360 とんだ まねけじゃ。 258 00:16:02,360 --> 00:16:05,030 くっ… この…。 あ~ 無駄じゃ 無駄。 259 00:16:05,030 --> 00:16:10,200 くぅ~! この鎖は 我が具現化させた物じゃからな。 260 00:16:10,200 --> 00:16:13,700 このとおり 強度も 長さも 自由自在よ。 261 00:16:13,700 --> 00:16:15,710 ついでに 色も。 262 00:16:15,710 --> 00:16:19,210 天使の中でも 我ほどの使い手は めったにおらぬ。 263 00:16:19,210 --> 00:16:21,550 それにしても 1日に2体とは。 264 00:16:21,550 --> 00:16:24,380 過労死ししたら どうしてくれる? 目潰しじゃ。 265 00:16:24,380 --> 00:16:26,380 えい! えい! ぐえっ! やっ… やめ…。 266 00:16:26,380 --> 00:16:28,390 えっ 2体? 267 00:16:28,390 --> 00:16:32,190 これは 貴様と ぶつかったときではなくてな。 268 00:16:34,230 --> 00:16:40,060 貴様と会う前に 別のを潰しておったのじゃが➡ 269 00:16:40,060 --> 00:16:44,570 獣型と油断したら 少し やられてしまってのう。 270 00:16:44,570 --> 00:16:46,670 つい カッとなってな。 271 00:16:48,910 --> 00:16:51,340 ⦅キャッ! うおっ! 申し訳ない。 272 00:16:51,340 --> 00:16:53,340 って… 天音? 273 00:16:53,340 --> 00:16:56,180 あれ? 阿久津君。 274 00:16:56,180 --> 00:17:00,350 急に出てくるから驚いたよ。 なんで こんな所から?⦆ 275 00:17:00,350 --> 00:17:04,190 (鳴き声) 276 00:17:04,190 --> 00:17:09,530 たっぷりと辱めを与えたあとに じわじわと浄化してやった。 277 00:17:09,530 --> 00:17:12,360 貴様は どう 浄化してくれようかのう。 278 00:17:12,360 --> 00:17:14,370 んっ? 279 00:17:14,370 --> 00:17:18,040 争ってる相手に消されるのは しょうがないさ。 280 00:17:18,040 --> 00:17:20,200 こっちも同じような考えだしな。 281 00:17:20,200 --> 00:17:22,370 そうじゃろ そうじゃろ。 282 00:17:22,370 --> 00:17:24,380 だが…。 んっ? 283 00:17:24,380 --> 00:17:27,380 お前は 俺の仲間に 屈辱を与えた。 284 00:17:27,380 --> 00:17:29,550 お前たちは いつも そうだ。 285 00:17:29,550 --> 00:17:32,650 調子に乗るのも 大概にしろよ くそ天使。 286 00:17:34,720 --> 00:17:37,890 ハッ! あまり 悪魔を…。 287 00:17:37,890 --> 00:17:40,390 なめるな~! 288 00:17:42,730 --> 00:17:45,060 お~ 怖い 怖い。 289 00:17:45,060 --> 00:17:49,230 我の鎖結界を 破れる悪魔がおるとは➡ 290 00:17:49,230 --> 00:17:52,670 なかなか やるではないか。 291 00:17:52,670 --> 00:17:55,510 うるせえ! ほっ。 292 00:17:55,510 --> 00:17:57,510 なっ! うわっ! 293 00:18:01,180 --> 00:18:05,020 ハァハァ。 ウフフッ。 294 00:18:05,020 --> 00:18:08,520 くそっ! あっ… うわ~! 295 00:18:10,520 --> 00:18:14,030 ハァ… くっ… こいつ…。 296 00:18:16,860 --> 00:18:19,700 強い。 297 00:18:19,700 --> 00:18:21,700 んっ…。 298 00:18:21,700 --> 00:18:24,870 そこらの雑魚悪魔とは 違うようじゃな。 299 00:18:24,870 --> 00:18:27,710 浄化してしまうのが 惜しいくらいじゃ。 300 00:18:27,710 --> 00:18:31,380 《まずい… まずい まずい まずい まずい。 浄化される》 301 00:18:31,380 --> 00:18:33,880 そうじゃ こういうのは どうじゃ? 302 00:18:36,710 --> 00:18:39,050 このまま 浄化されるのもよし。 303 00:18:39,050 --> 00:18:41,890 だが 魔界の動向を教えてくれたなら➡ 304 00:18:41,890 --> 00:18:44,220 見逃してやってもよいぞ。 305 00:18:44,220 --> 00:18:46,390 誰が そんな言葉 信じるかよ! 306 00:18:46,390 --> 00:18:48,890 そうか。 307 00:18:48,890 --> 00:18:52,000 ならば…。 ハッ…。 308 00:18:52,000 --> 00:18:57,000 《俺は… 俺は まだ こっちに来て 何も成し遂げていないのに!》 309 00:19:03,510 --> 00:19:07,680 フゥー! あ~! えっ 何? 今の。 310 00:19:07,680 --> 00:19:10,680 やめじゃ やめじゃ! 気が変わった。 311 00:19:10,680 --> 00:19:13,180 貴様は 浄化さんでおいてやる。 えっ? 312 00:19:13,180 --> 00:19:16,020 貴様は 浄化しないと言ったんじゃ。 313 00:19:16,020 --> 00:19:19,020 マジで? 見逃すってことか? 314 00:19:19,020 --> 00:19:22,030 チッチッチ! そうではない。 315 00:19:22,030 --> 00:19:24,530 貴様を監視下に置いたうえ➡ 316 00:19:24,530 --> 00:19:27,530 我の仕事に 協力してもらうことにした。 317 00:19:27,530 --> 00:19:29,700 はっ? 仕事? なんだ? そりゃ! 318 00:19:29,700 --> 00:19:33,040 今なら 天音印の特製首輪を授けるぞ。 319 00:19:33,040 --> 00:19:37,040 いらねえよ! 大体 なんで 敵に 協力しなきゃなんねえんだよ! 320 00:19:37,040 --> 00:19:39,040 それは…。 321 00:19:39,040 --> 00:19:43,050 阿久津君と一緒にいたいから。 322 00:19:43,050 --> 00:19:45,880 ブフオッ! なめてんのか!? てめえ! 323 00:19:45,880 --> 00:19:50,390 と… まあ 冗談は置いといて 我の目的のためじゃな。 324 00:19:50,390 --> 00:19:53,060 詳しくは話せんが 受けるというなら➡ 325 00:19:53,060 --> 00:19:55,230 貴様を解放してやってもよい。 326 00:19:55,230 --> 00:19:58,900 もちろん 生きたままな。 信用できないね。 327 00:19:58,900 --> 00:20:02,400 基本的に 我らは うそをつかぬのじゃが➡ 328 00:20:02,400 --> 00:20:04,740 まあ 信じる 信じないは 好きにせい。 329 00:20:04,740 --> 00:20:06,740 《猫 かぶってるくせに!》 330 00:20:06,740 --> 00:20:10,070 どうするのじゃ? ずっと そのままでおるのか? 331 00:20:10,070 --> 00:20:13,580 そして 1人SM少年として 通行人に発見され➡ 332 00:20:13,580 --> 00:20:16,910 写真 撮られて SNSに アップされるか? 333 00:20:16,910 --> 00:20:21,250 《俺を解放するなど 到底 信用できる話じゃないが➡ 334 00:20:21,250 --> 00:20:23,420 それ以外 選択肢がない。 335 00:20:23,420 --> 00:20:26,920 この状況を変えることが まず 先決か》 336 00:20:26,920 --> 00:20:28,930 わかった 協力する。 337 00:20:28,930 --> 00:20:31,100 お~ よいの よいの。 338 00:20:31,100 --> 00:20:33,430 なかなか 話が わかるやつではないか。 339 00:20:33,430 --> 00:20:36,430 さっさと この鎖 ほどけよ。 んっ? 340 00:20:36,430 --> 00:20:40,440 いや あの… ほどいてください。 まあ 焦るな。 341 00:20:40,440 --> 00:20:42,940 解放する前に しもべとしての証しになる➡ 342 00:20:42,940 --> 00:20:44,940 この首輪を着けてからじゃ。 343 00:20:44,940 --> 00:20:46,940 えっ マジで存在するの? それ。 344 00:20:46,940 --> 00:20:49,610 うっ! これ 暴れるでない! うわ~! 345 00:20:49,610 --> 00:20:51,550 あっ… 嫌! 嫌! 346 00:20:51,550 --> 00:20:54,890 うっ! ハァ…。 347 00:20:54,890 --> 00:20:57,720 往生際の悪いやつめ。 348 00:20:57,720 --> 00:21:00,220 ごっ… ご勘弁を…。 お断りじゃ。 349 00:21:00,220 --> 00:21:02,390 慈悲を…。 そんなものはない。 350 00:21:02,390 --> 00:21:05,230 ほ~れ 首輪を着けてしまうぞ! 351 00:21:05,230 --> 00:21:07,570 今 首を1周したぞ。 352 00:21:07,570 --> 00:21:10,900 やめ… あっ! ああ… うぅっ…。 353 00:21:10,900 --> 00:21:13,740 なかなか いい声で 鳴くではないか。 354 00:21:13,740 --> 00:21:15,910 つい 気合いが入ってしまうわ。 355 00:21:15,910 --> 00:21:20,910 ハァ… 金具に ベルトが通ったぞ。 あと少しじゃ。 356 00:21:20,910 --> 00:21:22,910 やだ 痛い。 357 00:21:22,910 --> 00:21:26,750 我慢せい。 この穴に 棒を入れて…。 358 00:21:26,750 --> 00:21:30,250 くっ… 少し きついのう。 うっ! うぅっ…。 359 00:21:30,250 --> 00:21:32,260 あっ! ああ…。 360 00:21:32,260 --> 00:21:34,590 ここは 強引に…。 361 00:21:34,590 --> 00:21:38,760 んあ~! らめえ! 362 00:21:38,760 --> 00:21:41,770 《俺は 重大な勘違いをしていた。 363 00:21:41,770 --> 00:21:45,600 犯したミスは 敵を スカウトしたことだけだと思っていた。 364 00:21:45,600 --> 00:21:47,940 しかし 実は このとき 天音によって➡ 365 00:21:47,940 --> 00:21:51,540 俺は 魔界に帰れない体に されてしまったのだった》 366 00:21:51,540 --> 00:21:54,040 フフッ。 367 00:21:54,040 --> 00:21:56,050 フゥー。 368 00:22:00,550 --> 00:22:03,390 うっ うっ… うぅっ…。 369 00:22:03,390 --> 00:22:05,560 《もう 未来が見えない》 370 00:22:05,560 --> 00:22:07,860 うっ… うっ!