1 00:02:05,935 --> 00:02:22,952 ♪♪~ 2 00:02:22,952 --> 00:02:24,954 (征陸)槙島は 逮捕…。 3 00:02:24,954 --> 00:02:27,957 (征陸) ヘルメット犯罪者たちは 壊滅。 4 00:02:27,957 --> 00:02:31,961 (六合塚)一件落着… これで おしまい? 5 00:02:31,961 --> 00:02:34,964 (宜野座)縢が 行方不明だ。 6 00:02:34,964 --> 00:02:40,970 (六合塚)二係でも 執行官が 1人 どさくさに紛れて 逃亡を。 7 00:02:40,970 --> 00:02:42,972 (征陸)監視官…。 8 00:02:42,972 --> 00:02:46,976 縢が 逃げるかね? 9 00:02:46,976 --> 00:02:53,976 ♪♪~ 10 00:05:53,930 --> 00:05:57,934 (朱)私たち… 勝ったと 言えるんでしょうか? 11 00:05:57,934 --> 00:06:01,938 (狡噛)デカの仕事は 基本的に 対症療法だ。 12 00:06:01,938 --> 00:06:03,940 被害者が出てから 捜査が始まる。 13 00:06:03,940 --> 00:06:07,944 そういう意味じゃ はなから負けている。 14 00:06:07,944 --> 00:06:09,946 だが 負け試合を せめて 引き分けで→ 15 00:06:09,946 --> 00:06:12,949 終わらせることはできた。 16 00:06:12,949 --> 00:06:14,951 それだけで 良しとするしかない。 17 00:06:14,951 --> 00:06:19,956 結局 シビュラシステムの安全神話って 何だったんでしょうか…。 18 00:06:19,956 --> 00:06:23,960 安全 完璧な社会なんて ただの幻想だ。 19 00:06:23,960 --> 00:06:28,631 俺たちが 暮らしているのは 今でも 危険社会なんだ。 20 00:06:28,631 --> 00:06:30,231 (朱)危険? 21 00:06:31,868 --> 00:06:35,872 便利だが 危険なものに頼った 社会のことさ。 22 00:06:35,872 --> 00:06:39,876 俺たちは 政府によって リスクを背負わされていた。 23 00:06:39,876 --> 00:06:42,879 しかし それが 巧妙に 分散され 分配されていたので→ 24 00:06:42,879 --> 00:06:45,882 誰も 気付けなかった。 25 00:06:45,882 --> 00:06:49,886 いや… 気付いても 気付かなかったことにした。 26 00:06:49,886 --> 00:06:51,888 誰もが 目を そらしていたのかもしれない。 27 00:06:51,888 --> 00:06:55,825 危険が そこに 確かに 存在するが故に→ 28 00:06:55,825 --> 00:07:01,831 逆に 存在しないものとして 扱わないと 正気が保てなかった。 29 00:07:01,831 --> 00:07:04,834 この街の市民は そこまで 器用だったでしょうか? 30 00:07:04,834 --> 00:07:08,271 私も 含めて…。 31 00:07:08,271 --> 00:07:10,273 俺は 多種多様な人間を→ 32 00:07:10,273 --> 00:07:14,944 ひとくくりにしたような話し方は あんまり 好きじゃないんだが→ 33 00:07:14,944 --> 00:07:17,947 ここは あえて 大ざっぱにいこう。 34 00:07:17,947 --> 00:07:20,950 人間は 器用なものだと思う。 35 00:07:20,950 --> 00:07:26,956 自分の責任を 回避する努力を 無意識に行うことができる。 36 00:07:26,956 --> 00:07:28,958 余計な話だったな。 37 00:07:28,958 --> 00:07:31,194 俺も 浮足 立って いるのかもしれない。 38 00:07:31,194 --> 00:07:33,963 えっ? 39 00:07:33,963 --> 00:07:38,968 槙島 聖護を どう裁くか 問題は これからだ。 40 00:07:38,968 --> 00:07:40,970 こいつは ドミネーターを ぶっ放すより→ 41 00:07:40,970 --> 00:07:44,974 はるかに 難しくて 厄介な仕事だ。 42 00:07:44,974 --> 00:07:47,977 だが 逃がすわけにはいかない。 43 00:07:47,977 --> 00:07:50,977 やつが 罪を犯したことは 厳然たる事実だ。 44 00:07:54,917 --> 00:07:59,922 しかし 残った心配は 縢の バカヤローのことだ。 45 00:07:59,922 --> 00:08:03,926 俺たちと別れて 地下へ向かって→ 46 00:08:03,926 --> 00:08:05,926 なぜ そこで 連絡が途絶えた? 47 00:08:13,936 --> 00:08:16,939 (征陸)まるで パンデミックの後始末だな。 48 00:08:16,939 --> 00:08:19,942 サイコハザードは 精神の疾病だ。 49 00:08:19,942 --> 00:08:22,945 拡散すれば このありさまだ。 50 00:08:22,945 --> 00:08:26,949 大規模なメンタルケア パンクした 収容施設→ 51 00:08:26,949 --> 00:08:29,952 都市機能の まひによる 経済的損失…。 52 00:08:29,952 --> 00:08:32,955 槙島というのは とんでもない男でしたね。 53 00:08:32,955 --> 00:08:36,959 (征陸) 過去形にするのは まだ 早い。→ 54 00:08:36,959 --> 00:08:38,961 やつの量刑を どうするか。→ 55 00:08:38,961 --> 00:08:41,964 裁判制度なんて なくなって 久しい 今→ 56 00:08:41,964 --> 00:08:46,969 証拠だけで 立件するってのは ちょっと 難題だろうな。→ 57 00:08:46,969 --> 00:08:49,972 頼んだぜ 監視官。 58 00:08:49,972 --> 00:08:53,910 なれなれしいぞ 執行官。 (征陸)へいへい。 59 00:08:53,910 --> 00:08:56,913 [無線] 60 00:08:56,913 --> 00:08:58,913 局長からの 呼び出しだ。 61 00:09:00,917 --> 00:09:03,920 (禾生)槙島に関する 事件の取り調べは→ 62 00:09:03,920 --> 00:09:07,924 厚生大臣が編成した 特殊チームで行う。→ 63 00:09:07,924 --> 00:09:10,927 公安局は 捜査権を失った。 (宜野座)はい? 64 00:09:10,927 --> 00:09:12,929 (禾生)極めて 特異なケースだ。 65 00:09:12,929 --> 00:09:17,934 取り調べには 医療スタッフも 常時 同席せねばならん。 66 00:09:17,934 --> 00:09:20,937 情報の機密性も 問題になる。 67 00:09:20,937 --> 00:09:23,940 槙島 聖護は 過去をさかのぼって→ 68 00:09:23,940 --> 00:09:26,943 様々な事件に 関与していた疑いが 濃厚です。 69 00:09:26,943 --> 00:09:31,948 事実関係を 明らかにするためにも公安局での尋問は 必須です! 70 00:09:31,948 --> 00:09:36,953 その 過去の事件とやらに 未解決のものがあるかね? 71 00:09:36,953 --> 00:09:38,955 (宜野座)いいえ しかし…。 72 00:09:38,955 --> 00:09:42,959 槙島は 研究用の検体として処分される。→ 73 00:09:42,959 --> 00:09:45,962 いや 処分された。→ 74 00:09:45,962 --> 00:09:48,965 逮捕した人間のことよりも→ 75 00:09:48,965 --> 00:09:53,903 君の 一係は 大問題を抱えているだろう。 76 00:09:53,903 --> 00:09:55,905 執行官が 1人 逃亡。 77 00:09:55,905 --> 00:09:57,907 いまだ 行方不明。 78 00:09:57,907 --> 00:10:00,910 まだ 逃亡と決まったわけでは…。 79 00:10:00,910 --> 00:10:03,913 シビュラシステムは すでに 復旧している。 80 00:10:03,913 --> 00:10:06,916 縢 執行官が 監視の網に 引っ掛からないのは→ 81 00:10:06,916 --> 00:10:09,919 それを 避けて 行動しているからだ。→ 82 00:10:09,919 --> 00:10:13,923 このままじゃ 責任問題になるよ。 83 00:10:13,923 --> 00:10:16,923 それは その…。 84 00:10:18,928 --> 00:10:21,931 ふざけるな! 納得のいく説明をしろ! 85 00:10:21,931 --> 00:10:24,934 執行官が 偉そうに 何様のつもりだ! 86 00:10:24,934 --> 00:10:26,936 そんな 立場の話をしてる場合か! 87 00:10:26,936 --> 00:10:28,938 俺たちが 逮捕したのに→ 88 00:10:28,938 --> 00:10:31,941 取り調べも 許されないなんて おかしいだろ! 89 00:10:31,941 --> 00:10:35,945 俺が 決めたことじゃない 文句があるなら…。 90 00:10:35,945 --> 00:10:39,949 「文句があるなら 局長に 直接 言え」か? 91 00:10:39,949 --> 00:10:42,952 執行官の俺が 局長に 会えるわけないだろ。 92 00:10:42,952 --> 00:10:44,954 実際に 乗り込んでいったら 困るのは お前だ。 93 00:10:44,954 --> 00:10:46,954 監視官。 94 00:10:54,897 --> 00:10:56,899 どうなるんですか? これ。 95 00:10:56,899 --> 00:11:00,903 どうにも ならないんじゃ ないかしら。 96 00:11:00,903 --> 00:11:04,907 (宜野座)とにかく こっちは 縢の捜索に 全力を 投入する。→ 97 00:11:04,907 --> 00:11:06,909 あいつの 行動によっては→ 98 00:11:06,909 --> 00:11:09,909 別の意味で 公安局の命取りになりかねない。 99 00:11:21,924 --> 00:11:23,924 (禾生)久しぶりだね 聖護君。 100 00:11:25,928 --> 00:11:28,931 変わりないようで 何よりだ。 101 00:11:28,931 --> 00:11:32,935 (槙島)公安局 局長 禾生さん… だったかな? 102 00:11:32,935 --> 00:11:35,938 面識はないと思うが…。 103 00:11:35,938 --> 00:11:40,943 まあ この3年で 僕は ずいぶんと 様変わりしたからね。 104 00:11:40,943 --> 00:11:44,947 早速だが 君に 謝らねばならないことがある。 105 00:11:44,947 --> 00:11:47,950 以前 君に 借りていた本なんだが→ 106 00:11:47,950 --> 00:11:51,950 色々と 身辺が ごたついたせいで 紛失してしまってね。 107 00:11:57,893 --> 00:12:00,896 同じものを探すのに 苦労したよ。 108 00:12:00,896 --> 00:12:02,898 驚いたな…。 109 00:12:02,898 --> 00:12:06,902 君は 藤間 幸三郎なのか? 110 00:12:06,902 --> 00:12:11,907 (藤間)懐かしいな あれから もう 3年になるか。 111 00:12:11,907 --> 00:12:15,911 僕は 君が 公安の手に落ちたと 聞いて→ 112 00:12:15,911 --> 00:12:18,914 心底 残念に思ったものだ。 113 00:12:18,914 --> 00:12:22,918 しかし その顔は 整形…。 114 00:12:22,918 --> 00:12:26,922 いや 違うな 体格からして 別人だ。 115 00:12:26,922 --> 00:12:28,924 全身のサイボーグ化は→ 116 00:12:28,924 --> 00:12:32,928 お友達の 泉宮寺 豊久も 実現していたよね。 117 00:12:32,928 --> 00:12:35,931 だが ここまで 完璧な 義体化技術は→ 118 00:12:35,931 --> 00:12:38,934 民間には 公開されていない。 119 00:12:38,934 --> 00:12:42,938 生身の人間と まったく 見分けがつかないだろ。 120 00:12:42,938 --> 00:12:48,944 君の知っている 藤間 幸三郎は 脳だけしか 残っていない。 121 00:12:48,944 --> 00:12:50,946 どういうことなんだ? 122 00:12:50,946 --> 00:12:54,884 あれだけ 世間を騒がせた 連続猟奇殺人犯が→ 123 00:12:54,884 --> 00:12:56,886 公安局のトップだと? 124 00:12:56,886 --> 00:12:58,888 冗談にも 程がある。 125 00:12:58,888 --> 00:13:01,891 厳密には 違う。 126 00:13:01,891 --> 00:13:04,894 禾生 壌宗は 僕 1人ではないし→ 127 00:13:04,894 --> 00:13:08,898 僕も また 常に 禾生 壌宗というわけではない。 128 00:13:08,898 --> 00:13:13,903 僕らの脳は 簡単に交換できるようユニット化されていてね。 129 00:13:13,903 --> 00:13:17,907 いつも 持ち回りで この体を使っているんだ。 130 00:13:17,907 --> 00:13:21,911 まあ 日頃の業務の 息抜きも 兼ねてね。 131 00:13:21,911 --> 00:13:24,914 「僕ら」だと? 132 00:13:24,914 --> 00:13:27,917 ああ 僕は あくまで 代表だ。 133 00:13:27,917 --> 00:13:32,922 君と 旧知の間柄ということで この場を 任されたにすぎない。 134 00:13:32,922 --> 00:13:36,926 姿を 人目に さらしたことは ないけれど→ 135 00:13:36,926 --> 00:13:39,929 僕たち 名前だけなら それなりに 有名だよ。 136 00:13:39,929 --> 00:13:41,931 君だって 知ってるはずだ。 137 00:13:41,931 --> 00:13:45,931 世間では 僕らのことを 「シビュラシステム」と呼んでいる。 138 00:15:36,946 --> 00:15:40,950 ここから 縢が どう消えるっていうんだ? 139 00:15:40,950 --> 00:15:43,953 あいつは どんなに テンパっても 逃げたりはしない。 140 00:15:43,953 --> 00:15:47,957 どんなときでも 自分が 生き残る計算が できる男だ。 141 00:15:47,957 --> 00:15:51,961 消えたのは あいつ自身の意思じゃない。 142 00:15:51,961 --> 00:15:54,961 だったら 拉致 誘拐…。 143 00:15:56,966 --> 00:16:00,970 それとも 死体も 残らないような殺し方か…。 144 00:16:00,970 --> 00:16:04,974 例えば ドミネーターの デコンポーザーとかな。 145 00:16:04,974 --> 00:16:08,978 [無線] 146 00:16:08,978 --> 00:16:10,980 はい 常守です。 147 00:16:10,980 --> 00:16:12,982 [無線](宜野座) 市民からの通報があった。 148 00:16:12,982 --> 00:16:15,982 [無線]故障した ドミネーターが 放棄されていたそうだ。 149 00:16:18,988 --> 00:16:21,991 (宜野座)ノナタワーから ここまで 20kmはある。 150 00:16:21,991 --> 00:16:25,995 いくら 暴動の混乱後とはいえ 1回も カメラチェックに→ 151 00:16:25,995 --> 00:16:28,998 引っ掛からないなんてことが あるのか? 152 00:16:28,998 --> 00:16:31,000 (六合塚)ドミネーターは 間違いなく 縢のものです。→ 153 00:16:31,000 --> 00:16:33,018 かなり ひどく損傷してます。 154 00:16:33,018 --> 00:16:35,938 内蔵GPSも 機能していない。 155 00:16:35,938 --> 00:16:39,942 自分で 壊した? 追跡を 逃れるために? 156 00:16:39,942 --> 00:16:44,942 (征陸)あるいは そう思わせたい 誰かの偽装工作…。 157 00:16:49,618 --> 00:16:51,620 (藤間)今回の事件。 158 00:16:51,620 --> 00:16:54,857 目の付けどころは さすが というほかない。 159 00:16:54,857 --> 00:16:58,857 実際 君のお仲間は 真実に たどりついていたよ。 160 00:17:04,867 --> 00:17:06,869 (縢)「何なんだ? こりゃ…」 161 00:17:06,869 --> 00:17:10,869 (グソン)「こいつが シビュラシステムの正体だ」 162 00:17:14,877 --> 00:17:18,881 シビュラシステムは いわゆる PDPモデル。 163 00:17:18,881 --> 00:17:20,883 大量の スーパーコンピューターによる→ 164 00:17:20,883 --> 00:17:23,886 並列分散処理 ということになっている。 165 00:17:23,886 --> 00:17:27,890 嘘ではないが それは 実態とは 程遠い。 166 00:17:27,890 --> 00:17:31,894 ナレッジベースの活用と 推論機能の実現は→ 167 00:17:31,894 --> 00:17:36,832 ただ 従来の演算の高速化によって実現したわけではない。 168 00:17:36,832 --> 00:17:39,835 それが 可能だったシステムを 並列化し→ 169 00:17:39,835 --> 00:17:41,837 機械的に 拡張することで→ 170 00:17:41,837 --> 00:17:46,842 膨大な処理能力を 与えただけのことだったのさ。 171 00:17:46,842 --> 00:17:48,844 人体の脳の活動を 統合し→ 172 00:17:48,844 --> 00:17:51,847 思考力を拡張 高速化するシステムは→ 173 00:17:51,847 --> 00:17:56,852 実は もう 50年以上も前から 実用化されていた。 174 00:17:56,852 --> 00:18:00,856 この技術を秘匿し 慎重に 運用したからこそ→ 175 00:18:00,856 --> 00:18:02,858 わが国は 目下のところ→ 176 00:18:02,858 --> 00:18:07,863 地球上で 唯一の法治国家として 機能できている。 177 00:18:07,863 --> 00:18:10,866 (グソン) 「この手で ぶち壊すまでもねえ」 178 00:18:10,866 --> 00:18:14,866 「こいつを 世間に公表すれば この国は おしまいだ」 179 00:18:16,872 --> 00:18:21,877 目下 システムの構成員は 247名。 180 00:18:21,877 --> 00:18:24,880 うち 200名ほどが 順番に セッションを組むことで→ 181 00:18:24,880 --> 00:18:28,884 この国の 全人口の サイコパスを 常時 監視し→ 182 00:18:28,884 --> 00:18:31,884 判定し続けることが 可能だ。 183 00:18:33,822 --> 00:18:37,826 結局のところ 機械的な プログラムで 判定できるのは→ 184 00:18:37,826 --> 00:18:41,830 せいぜいが 色相診断による ストレス計測までだ。 185 00:18:41,830 --> 00:18:45,834 より深遠な 人間の本質を示す 犯罪係数の特定には→ 186 00:18:45,834 --> 00:18:50,839 もっと 高度な 思考力と判断力が 要求される。 187 00:18:50,839 --> 00:18:54,839 それを 実現し得るのが われわれなんだよ。 188 00:18:56,845 --> 00:18:58,847 お笑いぐさだな。 189 00:18:58,847 --> 00:19:04,853 人間のエゴに依存しない 機械による 公平な社会の運営。 190 00:19:04,853 --> 00:19:06,855 そう うたわれていたからこそ→ 191 00:19:06,855 --> 00:19:09,858 民衆は シビュラシステムを 受け入れてきたというのに…。 192 00:19:09,858 --> 00:19:13,862 その実体が 人間の脳の集合体である→ 193 00:19:13,862 --> 00:19:17,866 君たちによる 恣意的なものだったのか? 194 00:19:17,866 --> 00:19:20,869 いいや 限りなく 公平だとも。 195 00:19:20,869 --> 00:19:23,872 民衆を審判し 監督している われわれは→ 196 00:19:23,872 --> 00:19:27,876 すでに 人類を超越した存在だ。 197 00:19:27,876 --> 00:19:30,879 シビュラシステムの構成員たる 第一の資格は→ 198 00:19:30,879 --> 00:19:33,816 従来の人類の規範に 収まらない→ 199 00:19:33,816 --> 00:19:36,819 イレギュラーな 人格の持ち主であることだ。 200 00:19:36,819 --> 00:19:41,824 いたずらに 他者に共感することも情に流されることもなく→ 201 00:19:41,824 --> 00:19:45,828 人間の行動を 外側の観点から 俯瞰し 裁定できる。 202 00:19:45,828 --> 00:19:48,831 そういう才能が 望まれる。 203 00:19:48,831 --> 00:19:53,168 例えば この僕や 君が そうであるように。 204 00:19:53,168 --> 00:19:54,837 ほう…。 205 00:19:54,837 --> 00:19:58,841 僕もね サイコパスから 犯罪係数が 特定できない→ 206 00:19:58,841 --> 00:20:01,844 特殊な人間だ。 207 00:20:01,844 --> 00:20:05,848 おかげで ずいぶんと 孤独な思いをしたものだ。 208 00:20:05,848 --> 00:20:07,850 そのような シビュラの総意をしても→ 209 00:20:07,850 --> 00:20:09,852 計り知れない パーソナリティーは→ 210 00:20:09,852 --> 00:20:12,855 「免罪体質」と呼ばれている。 211 00:20:12,855 --> 00:20:17,860 凡百の市民とは 一線を画す 新たな思想と 価値観の持ち主。 212 00:20:17,860 --> 00:20:21,864 そういう貴重な人材を 見つけて 取り込むことで→ 213 00:20:21,864 --> 00:20:24,867 システムは 常に 思考の幅を拡張し→ 214 00:20:24,867 --> 00:20:28,871 知性体として 新たな可能性を 獲得してきた。 215 00:20:28,871 --> 00:20:30,873 そうか…。 216 00:20:30,873 --> 00:20:32,875 公安局の手に 落ちた君が→ 217 00:20:32,875 --> 00:20:35,911 処刑されることもなく 姿を消したのは…。 218 00:20:35,911 --> 00:20:40,916 ああ こうして シビュラシステムの一員に加えられたのさ。 219 00:20:40,916 --> 00:20:42,918 初めは 戸惑ったがね→ 220 00:20:42,918 --> 00:20:45,921 すぐに その素晴らしさが 理解できた。 221 00:20:45,921 --> 00:20:47,923 他者の脳と 認識を共有し→ 222 00:20:47,923 --> 00:20:52,928 理解力と判断力を 拡張されることの 全能感。 223 00:20:52,928 --> 00:20:54,930 神話に登場する 預言者の気分だよ。 224 00:20:54,930 --> 00:20:56,932 何もかもが 分かる。 225 00:20:56,932 --> 00:21:00,936 世界の全てを 自分の支配下に 感じる。 226 00:21:00,936 --> 00:21:04,940 人一人の肉体が 獲得し得る 快楽には 限度がある。 227 00:21:04,940 --> 00:21:07,943 だが 知性がもたらす快楽は 無限だ。 228 00:21:07,943 --> 00:21:12,948 聖護君 君なら 理解できるんじゃないか? 229 00:21:12,948 --> 00:21:16,952 そうだな… 想像に 難くないところではある。 230 00:21:16,952 --> 00:21:21,957 僕も君も この矛盾に満ちた世界で孤立し 迫害されてきた。 231 00:21:21,957 --> 00:21:24,960 だが もう それを嘆く必要はない。 232 00:21:24,960 --> 00:21:26,962 僕たちは 共に 運命として課された→ 233 00:21:26,962 --> 00:21:30,966 使命の崇高さを 誇るべきなんだ。 234 00:21:30,966 --> 00:21:35,904 君も また しかるべき 地位を 手に入れるときが 来たんだ。 235 00:21:35,904 --> 00:21:37,573 つまり…。 236 00:21:37,573 --> 00:21:42,811 僕も また シビュラシステムの一員になれ… と? 237 00:21:42,811 --> 00:21:45,814 君の知性 深遠なる洞察力。 238 00:21:45,814 --> 00:21:48,817 それは シビュラシステムの さらなる進化のために→ 239 00:21:48,817 --> 00:21:51,820 われわれが 求めてやまないものだ。 240 00:21:51,820 --> 00:21:53,822 強引な手段で 君を システムの一員に→ 241 00:21:53,822 --> 00:21:56,825 取り込むことは できなくはないが…。 242 00:21:56,825 --> 00:21:59,828 「意思に基づいた行動のみが 価値を持つ」 243 00:21:59,828 --> 00:22:02,831 というのは 君の言葉だったよね。 244 00:22:02,831 --> 00:22:05,834 君ならば 僕の説明を 理解した上で→ 245 00:22:05,834 --> 00:22:09,838 同意してくれると 判断したんだ。 246 00:22:09,838 --> 00:22:12,841 機械の部品に 成り果てろというのも→ 247 00:22:12,841 --> 00:22:14,843 ぞっとしない話だな。 248 00:22:14,843 --> 00:22:16,845 もちろん これは→ 249 00:22:16,845 --> 00:22:20,849 君の 固体としての自立性を 損なうような要求ではない。 250 00:22:20,849 --> 00:22:22,851 現に 僕は こうして 今も→ 251 00:22:22,851 --> 00:22:26,851 藤間 幸三郎としての 自我を保っている。 252 00:22:28,857 --> 00:22:30,626 君は ただ→ 253 00:22:30,626 --> 00:22:32,861 一言 「YES」と うなずいてくれるだけでいい。 254 00:22:32,861 --> 00:22:36,798 ここにある設備だけで 厚生省に向かう 道すがら→ 255 00:22:36,798 --> 00:22:39,801 外科的な処置は 完了する。 256 00:22:39,801 --> 00:22:43,805 槙島 聖護という公の存在は 肉体と共に 消失するが→ 257 00:22:43,805 --> 00:22:46,808 君は 誰に知られることもなく→ 258 00:22:46,808 --> 00:22:50,812 この世界を統べる 支配者の一員となる。 259 00:22:50,812 --> 00:22:53,815 まるで バルニバービの医者だな。 260 00:22:53,815 --> 00:22:55,817 何だって? 261 00:22:55,817 --> 00:22:57,819 スウィフトの 『ガリヴァー旅行記』だよ。 262 00:22:57,819 --> 00:22:59,821 その 第三編。 263 00:22:59,821 --> 00:23:02,824 ガリヴァーが 空飛ぶ島 ラピュータの後に→ 264 00:23:02,824 --> 00:23:04,826 訪問するのが バルニバービだ。 265 00:23:04,826 --> 00:23:06,828 バルニバービの ある医者が→ 266 00:23:06,828 --> 00:23:10,832 対立した 政治家を 融和させる方法を 思い付く。 267 00:23:10,832 --> 00:23:13,835 2人の脳を 半分に切断して→ 268 00:23:13,835 --> 00:23:16,838 再び つなぎ合わせる という手術だ。 269 00:23:16,838 --> 00:23:18,840 これが 成功すると→ 270 00:23:18,840 --> 00:23:21,843 節度のある 調和の取れた思考が 可能になるという。 271 00:23:21,843 --> 00:23:25,847 この世界を監視し 支配するために 生まれてきたと→ 272 00:23:25,847 --> 00:23:29,851 うぬぼれている連中には 何よりも 望ましい方法だと→ 273 00:23:29,851 --> 00:23:32,854 スウィフトは 書いている。 274 00:23:32,854 --> 00:23:35,791 聖護君は 皮肉の天才だな。 275 00:23:35,791 --> 00:23:39,227 僕ではなく スウィフトがね。 276 00:23:39,227 --> 00:23:56,912 ♪♪~ 277 00:23:56,912 --> 00:24:00,916 場所が分からないうちは 抵抗しないと 考えたんだろうが→ 278 00:24:00,916 --> 00:24:03,216 相変わらず 君は 詰めが甘い。 279 00:24:04,920 --> 00:24:06,588 うっ…。 280 00:24:06,588 --> 00:24:08,824 うっ ううっ…。 281 00:24:08,824 --> 00:24:11,827 さっきの 「厚生省に向かう 道すがら」という言葉。 282 00:24:11,827 --> 00:24:15,127 あれで 移動中だと ほのめかしてしまった。 283 00:24:16,832 --> 00:24:18,834 (骨の折れる音) 284 00:24:18,834 --> 00:24:20,836 ここは 公安局の中ではない。 285 00:24:20,836 --> 00:24:23,839 だから 逃げられると 僕は 判断した。 286 00:24:23,839 --> 00:24:25,841 なぜだ? 287 00:24:25,841 --> 00:24:27,843 君なら 理解できたはずだ。 288 00:24:27,843 --> 00:24:32,848 この全能の愉悦を… 世界を統べる 快感を…。 289 00:24:32,848 --> 00:24:34,783 さながら 神のごとくかね? 290 00:24:34,783 --> 00:24:37,786 それは それで 良い気分に なれるのかもしれないが→ 291 00:24:37,786 --> 00:24:41,790 あいにく 審判やレフェリーは 趣味じゃないんだ。 292 00:24:41,790 --> 00:24:45,794 そんな立場では 試合を 純粋に 楽しめないからね。 293 00:24:45,794 --> 00:24:52,801 ♪♪~ 294 00:24:52,801 --> 00:24:57,806 僕はね この 人生というゲームを 心底 愛しているんだよ。 295 00:24:57,806 --> 00:24:59,574 だから どこまでも→ 296 00:24:59,574 --> 00:25:01,810 プレーヤーとして 参加し続けたい。 297 00:25:01,810 --> 00:25:12,821 ♪♪~ 298 00:25:12,821 --> 00:25:15,821 や… やめろ…。 299 00:25:18,827 --> 00:25:22,831 神の意識を手に入れても 死ぬのは 怖いかい? 300 00:25:22,831 --> 00:25:35,831 ♪♪~ 301 00:25:37,846 --> 00:25:47,846 ♪♪~ 302 00:27:08,870 --> 00:27:10,870 ハァ~…。 303 00:27:15,877 --> 00:27:17,877 あっ…。 304 00:27:20,882 --> 00:27:28,890 [TEL] 305 00:27:28,890 --> 00:27:30,892 [TEL]夜分 失礼する。 306 00:27:30,892 --> 00:27:34,829 [TEL]狡噛 慎也の番号で 間違いなかったかな? 307 00:27:34,829 --> 00:27:37,832 [TEL]今日 シビュラシステムの正体を知ったよ。 308 00:27:37,832 --> 00:27:42,837 [TEL]あれは 君が 命懸けで守るほど 価値のあるものではない。 309 00:27:42,837 --> 00:27:45,840 [TEL]それだけを 伝えておきたくてね。 310 00:27:45,840 --> 00:27:47,842 [TEL]では いずれ また…。 311 00:27:47,842 --> 00:27:49,842 (通話の切れる音) 312 00:27:52,847 --> 00:27:54,849 [無線](発信音) 313 00:27:54,849 --> 00:27:57,849 おい ギノ! いったい 何があった? 314 00:27:59,854 --> 00:28:01,856 お前… どこで それを…。 315 00:28:01,856 --> 00:28:03,858 [無線]どうなんだ!? 316 00:28:03,858 --> 00:28:06,861 まだ 確認は 取れていないが→ 317 00:28:06,861 --> 00:28:08,863 槙島を乗せた 輸送機が…。 318 00:28:08,863 --> 00:28:10,863 [無線](宜野座)墜落したらしい…。