1 00:00:01,292 --> 00:00:03,294 ♪~ 2 00:01:27,921 --> 00:01:29,923 ~♪ 3 00:01:35,678 --> 00:01:38,473 (ポールの笑い声) 4 00:01:38,723 --> 00:01:39,974 (ポール)さあ 行くぞ バロン! 5 00:01:40,683 --> 00:01:41,976 (バロンのほえ声) 6 00:01:42,685 --> 00:01:43,645 それー! 7 00:01:44,604 --> 00:01:46,105 (バロンのほえ声) 8 00:01:46,898 --> 00:01:50,151 もっと早く! そうそう いいぞ こっちに持ってこい 9 00:01:50,276 --> 00:01:52,737 そうだ そうだ いいぞ 早く早く! 10 00:01:55,698 --> 00:01:57,158 (ロザリーの父) ああ いらっしゃい 11 00:01:59,035 --> 00:02:02,247 (フランソワーズ)へえ この子がビルフラン様の秘書にかい 12 00:02:02,872 --> 00:02:05,750 (ロザリー)そう やっぱり 私の友達だけのことあって― 13 00:02:05,875 --> 00:02:07,418 やることが違うでしょ 14 00:02:07,544 --> 00:02:10,421 私ね この人に会った瞬間から― 15 00:02:10,547 --> 00:02:13,258 きっと何かをする人だって ピーンと来たんだ 16 00:02:13,967 --> 00:02:16,761 でも この若さでねえ 秘書などに 17 00:02:16,886 --> 00:02:18,805 私は とっても信じられないよ 18 00:02:19,222 --> 00:02:21,683 おばあちゃんも疑い深いのねえ 19 00:02:21,808 --> 00:02:25,645 そうだ オーレリィ ほら あの伝票をちょっと貸してみて 20 00:02:25,854 --> 00:02:28,148 私 何だか恥ずかしいわ 21 00:02:29,607 --> 00:02:30,608 ほら 22 00:02:30,859 --> 00:02:32,360 秘書にでも ならなければ― 23 00:02:32,485 --> 00:02:35,321 ビルフラン様が こんな伝票を くれるわけがないじゃないの 24 00:02:36,406 --> 00:02:37,574 あれ ホントだ 25 00:02:38,032 --> 00:02:40,243 オーレリィはね これを持って― 26 00:02:40,368 --> 00:02:43,204 ラシューズ婦人の店に 買い物に行くんだから 27 00:02:43,413 --> 00:02:45,373 ラシューズ婦人の店へ? 28 00:02:45,999 --> 00:02:50,128 ハア… 秘書ともなると服まで 一流の店で買ってもらえるのか 29 00:02:50,253 --> 00:02:51,713 ふーん… 30 00:02:51,880 --> 00:02:55,884 あっ 父ちゃん オーレリィね 新しい部屋を借りることにしたの 31 00:02:56,009 --> 00:02:57,719 下宿するとしたら どこがいい? 32 00:02:59,137 --> 00:03:03,391 そうだな ビルフラン様の秘書が お泊りになる部屋となると 33 00:03:04,309 --> 00:03:05,894 もちろん1人部屋よ 34 00:03:06,019 --> 00:03:08,396 何しろ 月給が90フランなのよ 35 00:03:09,105 --> 00:03:10,565 90フラン! 36 00:03:11,608 --> 00:03:14,444 なあ ロザリー ファブリさんの 泊まっている あそこは? 37 00:03:14,777 --> 00:03:18,823 ダメ ダメ! あの下宿のおばさん 犬が大っ嫌いなのよ 38 00:03:18,948 --> 00:03:20,658 バロンがいることも忘れないで 39 00:03:20,783 --> 00:03:24,412 ううん なかなか条件が難しいぞ これは… 40 00:03:24,537 --> 00:03:27,206 おじさん お部屋だけ 借りられればいいんです 41 00:03:27,707 --> 00:03:28,541 これからは― 42 00:03:28,666 --> 00:03:31,210 お食事はここで 食べさせていただくつもりですから 43 00:03:31,628 --> 00:03:33,546 いやあ これはどうも 44 00:03:33,713 --> 00:03:37,217 こんな立派なお得意様ができて 私はとても うれしいよ 45 00:03:37,342 --> 00:03:38,718 やっ ありがとう 46 00:03:40,720 --> 00:03:43,723 (ナレーター) ぺリーヌがビルフランの 秘書になったことを 47 00:03:43,848 --> 00:03:48,269 ロザリーも その家族たちも 心から喜んでくれたのです 48 00:03:49,020 --> 00:03:52,398 ペリーヌは とても幸せな気持ちでした 49 00:03:53,524 --> 00:03:55,276 父ちゃんの言ってた下宿 ここよ 50 00:03:55,401 --> 00:03:57,195 あら 随分きれいな家ね 51 00:03:57,737 --> 00:04:01,282 秘書様がお泊りになる所は これぐらいじゃなくちゃ 52 00:04:01,824 --> 00:04:03,284 高そうね 53 00:04:03,409 --> 00:04:05,036 さあ 入ってみましょ 54 00:04:05,161 --> 00:04:07,747 あんまり高かったら 私が値切ってやるわよ 55 00:04:17,966 --> 00:04:20,969 (主人)ほら お嬢さん きれいな部屋でしょう 56 00:04:21,469 --> 00:04:24,097 ここなら 日当たりもいいし 静かだし 57 00:04:24,222 --> 00:04:26,808 勉強には もってこいだと思うよ 58 00:04:34,190 --> 00:04:36,359 (ペリーヌ)あのタンスや鏡台も 使っていいんでしょう? 59 00:04:36,859 --> 00:04:37,986 もちろんさ 60 00:04:38,111 --> 00:04:40,989 これで朝晩2食ついて 50フランだ 61 00:04:41,489 --> 00:04:42,323 50フラン? 62 00:04:42,824 --> 00:04:46,077 おじさん この人 食事 私の家(うち)でするの 63 00:04:46,202 --> 00:04:48,413 部屋だけ借りるわけには いかないかしら? 64 00:04:48,538 --> 00:04:49,664 (主人)かまわんさ 65 00:04:49,789 --> 00:04:53,334 食事抜きなら手間もかからなくて こっちも楽だしな 66 00:04:53,751 --> 00:04:56,879 ただし 20フランは 頂かないとなあ 67 00:04:57,005 --> 00:04:58,589 ねえ 決めなさいよ 68 00:04:58,715 --> 00:05:02,343 こんな すてきなお部屋 今どき 20フランじゃ借りられないから 69 00:05:02,468 --> 00:05:05,513 でも… ちょっと ぜいたくすぎないかしら 70 00:05:05,847 --> 00:05:08,975 バカね あんた ビルフラン様の秘書なのよ 71 00:05:09,100 --> 00:05:11,978 あんまり変な部屋を借りたら みんなに笑われちゃうわ 72 00:05:13,062 --> 00:05:15,690 私が勧めてるんだから 間違いないわよ 73 00:05:15,815 --> 00:05:16,941 思い切って決めちゃいなさい 74 00:05:19,068 --> 00:05:21,195 うん やっぱり そうしようか 75 00:05:21,321 --> 00:05:22,322 よしっ 決定! 76 00:05:22,697 --> 00:05:25,241 (ロザリー)じゃあ おじさん 今晩から早速お願いします 77 00:05:25,366 --> 00:05:26,492 いいとも 78 00:05:26,951 --> 00:05:30,330 おじさん 本当に犬も一緒で いいんですね? 79 00:05:30,496 --> 00:05:33,875 あっ そうか 犬を飼ってるって言ってたな 80 00:05:34,000 --> 00:05:36,335 それなら 25フランにするか 81 00:05:36,461 --> 00:05:37,295 (2人)えっ? 82 00:05:37,462 --> 00:05:39,047 がめついわよ おじさん 83 00:05:51,559 --> 00:05:53,978 ここが ラシューズ婦人の店よ 84 00:05:54,437 --> 00:05:57,315 (ペリーヌ) こんな立派なお店 なんだか入りづらいわ 85 00:05:57,440 --> 00:05:59,067 実をいうと私もよ 86 00:05:59,776 --> 00:06:02,403 マロクールで 一番 高級なお店だもんね 87 00:06:02,570 --> 00:06:05,239 お客さんは お金持ちばかりなの 88 00:06:17,251 --> 00:06:20,922 (ラシューズ婦人)あなた方 お店を間違えたんじゃないの? 89 00:06:21,130 --> 00:06:24,550 このお店は女工さんの作業着は 置いてないんだけどね 90 00:06:24,801 --> 00:06:27,762 (ロザリー)私たち作業着を 買いにきたんじゃありません 91 00:06:28,846 --> 00:06:32,100 ねえ あんた早く あの伝票を見せてあげなさいよ 92 00:06:38,356 --> 00:06:42,610 あら お嬢様 ビルフラン様の 伝票をお持ちでしたの? 93 00:06:42,735 --> 00:06:44,737 これは これは ようこそ 94 00:06:46,239 --> 00:06:48,950 それで お二人のものを お買いになるんですか? 95 00:06:49,075 --> 00:06:50,159 この人だけよ 96 00:06:50,284 --> 00:06:53,412 さようですか …で お嬢様 どんなものを? 97 00:06:54,205 --> 00:06:56,457 洋服と下着と 帽子が欲しいんです 98 00:06:56,582 --> 00:06:57,416 それに靴も 99 00:06:58,501 --> 00:06:59,794 かしこまりました 100 00:06:59,919 --> 00:07:02,880 それでは まず お洋服の注文から承りましょう 101 00:07:03,005 --> 00:07:04,757 さっ こちらへどうぞ 102 00:07:15,351 --> 00:07:16,936 お嬢様は色が白くて― 103 00:07:17,061 --> 00:07:18,813 かわいいお顔を してらっしゃるから― 104 00:07:18,938 --> 00:07:20,815 きっと ブルーがお似合いね 105 00:07:23,609 --> 00:07:26,988 お値段は ちょっと張りますが このチェックなんか どうかしら? 106 00:07:27,321 --> 00:07:29,282 わあ すてきね オーレリィ 107 00:07:29,407 --> 00:07:30,241 あの… 108 00:07:30,908 --> 00:07:32,743 何でしょ? お嬢様 109 00:07:33,286 --> 00:07:35,246 私 生地じゃ 困るんです 110 00:07:35,371 --> 00:07:37,081 もちろん 私(わたくし)どものほうで― 111 00:07:37,206 --> 00:07:39,750 お望みどおりに 仕立てて差し上げますとも 112 00:07:39,876 --> 00:07:43,087 私は 明日からすぐ着れる 出来合いの服が欲しいんです 113 00:07:43,212 --> 00:07:45,506 ハッ? 出来合い? 114 00:07:45,965 --> 00:07:46,924 ええ… 115 00:07:47,884 --> 00:07:49,510 まあ 驚いた 116 00:07:49,635 --> 00:07:52,221 ビルフラン様の伝票を お持ちのお客様は― 117 00:07:52,346 --> 00:07:55,766 どなたも皆 最高級の注文服を お仕立てになるのに 118 00:07:56,184 --> 00:07:59,020 いいから早く 出来合いの服を見せてあげてよ 119 00:07:59,145 --> 00:08:01,355 はい はい かしこまりました 120 00:08:04,233 --> 00:08:06,777 さっ お気に召すまで 探してください 121 00:08:10,865 --> 00:08:12,533 こんなのしか ないのかしら 122 00:08:13,159 --> 00:08:14,494 お決まりになりましたか? 123 00:08:15,495 --> 00:08:17,663 気に入らないんなら はっきり言いなさいよ 124 00:08:17,788 --> 00:08:19,290 こっちは お客様なんだからね 125 00:08:19,415 --> 00:08:20,249 うん… 126 00:08:20,958 --> 00:08:24,462 あの 私が欲しいのは こんな派手なものじゃなくて― 127 00:08:24,587 --> 00:08:25,755 黒地の服なんですけど 128 00:08:26,297 --> 00:08:29,509 黒? ああ あなた お葬式に行くわけなの? 129 00:08:30,092 --> 00:08:31,010 そうじゃありません 130 00:08:32,011 --> 00:08:33,679 だったら どういうときに お召しになるのか― 131 00:08:33,804 --> 00:08:35,056 はっきり言ってくださいな 132 00:08:35,181 --> 00:08:37,808 それによって 適当な型なり 生地なり― 133 00:08:37,934 --> 00:08:40,019 お値段を見計らって 差し上げます 134 00:08:40,478 --> 00:08:43,397 はい 型は なるべく あっさりしたもの 135 00:08:43,523 --> 00:08:45,233 生地は丈夫で軽いもの 136 00:08:45,358 --> 00:08:48,528 そして お値段は一番 安いものを お願いします 137 00:08:48,945 --> 00:08:53,324 ハハハハハッ 随分 難しいご注文ですことね 138 00:08:53,449 --> 00:08:55,243 そんなの うちにあったかしら 139 00:08:58,746 --> 00:09:02,083 とても つきあっちゃいられないわ あんな田舎娘に 140 00:09:02,500 --> 00:09:04,502 (店員) では 奥様 私(わたくし)が代わりに 141 00:09:04,627 --> 00:09:05,836 (ラシューズ婦人) いいから 放っておきよ 142 00:09:11,217 --> 00:09:14,095 ねえ あんた どうしても 黒じゃなきゃいけないの? 143 00:09:14,470 --> 00:09:16,430 別にどうっていう わけじゃないけど― 144 00:09:16,556 --> 00:09:19,934 私 お母さんが亡くなってから まだ2か月しかたってないから― 145 00:09:20,059 --> 00:09:22,770 あんまり派手なものは 着る気になれないの 146 00:09:22,895 --> 00:09:27,066 そっか… あんたには そういう事情があったんだっけね 147 00:09:28,776 --> 00:09:30,236 でもね オーレリィ 148 00:09:32,280 --> 00:09:35,366 事情は分かるけど やっぱり秘書なんだから― 149 00:09:35,491 --> 00:09:39,287 すっきりとした若々しい服を 選んだほうが 私は いいと思うわ 150 00:09:40,663 --> 00:09:41,706 そうね 151 00:09:42,373 --> 00:09:45,459 大丈夫よ 私があなたに ぴったりなのを見つけてあげるから 152 00:09:46,085 --> 00:09:46,961 ありがとう 153 00:09:56,137 --> 00:09:56,971 あっ 154 00:10:05,521 --> 00:10:06,606 ちょっと 155 00:10:08,691 --> 00:10:10,610 このワンピース どうかしら? 156 00:10:12,570 --> 00:10:15,156 ホント すてきなワンピースだわ 157 00:10:15,281 --> 00:10:17,491 ちょっとシックだけど 上品でいい感じ 158 00:10:17,617 --> 00:10:18,909 あんたには ぴったりだわ 159 00:10:19,035 --> 00:10:19,952 ホント? 160 00:10:20,077 --> 00:10:21,829 すいません これに決めました 161 00:10:28,461 --> 00:10:31,005 あらっ 黒を お探しじゃなかったんですの? 162 00:10:31,130 --> 00:10:33,341 随分 気の変わる お客さんですこと 163 00:10:34,008 --> 00:10:35,843 この人 黒は いっぱい持ってるから― 164 00:10:35,968 --> 00:10:39,096 私が こっちを勧めたんです 悪かったかしら? 165 00:10:39,430 --> 00:10:41,182 悪くはないけど… 166 00:10:42,224 --> 00:10:45,102 その服では いくらなんでも 地味すぎないかしらねえ 167 00:10:45,645 --> 00:10:49,106 でも私… こういう あっさりしたのが好きなんです 168 00:10:49,231 --> 00:10:50,691 ハハハハハッ 169 00:10:50,816 --> 00:10:53,361 お嬢様が着ていらっしゃる お召しものよりは― 170 00:10:53,486 --> 00:10:56,364 汚れが目立たないことは 確かです 171 00:10:56,739 --> 00:10:59,325 何を買おうと それは買う人の自由でしょ! 172 00:10:59,450 --> 00:11:01,035 さっきから 随分 バカにしたみたいな― 173 00:11:01,202 --> 00:11:02,036 言い方をしてるけど 174 00:11:02,203 --> 00:11:04,372 この人をいったい誰だと思ってるの おばさん! 175 00:11:05,539 --> 00:11:06,374 おばさん? 176 00:11:06,499 --> 00:11:10,044 このオーレリィは ビルフラン様の秘書なんですからね 177 00:11:10,586 --> 00:11:14,382 秘書ですって? ハーハッハッハッハ 178 00:11:15,925 --> 00:11:17,635 あの ちょっと奥様 179 00:11:17,760 --> 00:11:18,594 (ラシューズ婦人)えっ? 180 00:11:25,059 --> 00:11:27,686 (店員)実は先ほど 秘書の方がみえるという連絡が― 181 00:11:27,812 --> 00:11:28,938 工場からございました 182 00:11:29,063 --> 00:11:29,897 えっ! 183 00:11:30,356 --> 00:11:31,732 その秘書の方の名は― 184 00:11:31,857 --> 00:11:33,901 たしか オーレリィ様と うかがっておりますけど 185 00:11:34,318 --> 00:11:35,945 ななな 何ですって! 186 00:11:36,070 --> 00:11:37,655 なんで それを 早く言わないの お前 187 00:11:37,780 --> 00:11:39,907 (店員)はい 秘書と言うから― 188 00:11:40,032 --> 00:11:43,411 まさか こんな小さな女の子だとは 思わなかったんです 189 00:11:44,954 --> 00:11:48,207 お お お嬢様 とんだ失礼をいたしました 190 00:11:48,374 --> 00:11:50,000 最初に そう おっしゃって いただければ― 191 00:11:50,126 --> 00:11:52,002 決してお気を 悪くなさるようなことは― 192 00:11:52,128 --> 00:11:53,921 ございませんでしたのに 193 00:11:54,296 --> 00:11:57,091 申し訳ございません お許しくださいませ 194 00:12:49,351 --> 00:12:50,519 大丈夫だわ 195 00:12:50,644 --> 00:12:53,606 これなら おじい様も きっと満足してくださるわ 196 00:12:58,194 --> 00:13:02,239 (ナレーター)ペリーヌは その夜(よ) 早めにベッドに入りました 197 00:13:02,698 --> 00:13:06,577 でも 久しぶりに寝た ふかふかのベッドのせいか― 198 00:13:06,702 --> 00:13:10,998 それとも おじいさんの 秘書になれた喜びのためか― 199 00:13:11,290 --> 00:13:13,626 さっぱり眠くなりませんでした 200 00:13:29,892 --> 00:13:33,103 (ナレーター) ペリーヌは ふと思い立ちました 201 00:13:33,896 --> 00:13:37,274 あの 池のほとりの小屋で 最後の夜を過ごそうと 202 00:13:37,399 --> 00:13:39,360 (ドアの開閉音) 203 00:13:42,655 --> 00:13:43,822 (バロンのほえ声) 204 00:13:43,948 --> 00:13:47,868 シーッ 静かに お前も眠れなかったみたいね 205 00:13:58,754 --> 00:14:02,633 (虫の鳴き声) 206 00:14:10,266 --> 00:14:11,308 (ノックの音) 207 00:14:13,227 --> 00:14:17,147 (主人) オーレリィさん お客さんですよ もうお休みですか? 208 00:14:18,107 --> 00:14:19,984 どうやら出かけたらしいですね 209 00:14:20,109 --> 00:14:24,905 若い娘さんが こんな遅く いったい どこへ行ったんでしょ 210 00:14:25,030 --> 00:14:29,076 さあ? 何しろ今日から うちの下宿人になった娘ですからね 211 00:14:29,201 --> 00:14:30,077 夜遊びかしら 212 00:14:30,202 --> 00:14:32,580 さっきまでは いましたよ 確か 213 00:14:32,705 --> 00:14:34,373 ところで急用でも? 214 00:14:34,498 --> 00:14:37,167 いえ また来るわ もし帰ってきたら― 215 00:14:37,293 --> 00:14:40,546 ラシューズが さっきのおわびに 寄ったと伝えてください 216 00:14:40,796 --> 00:14:43,090 私は もう寝るところですよ 217 00:14:53,726 --> 00:14:58,105 (ナレーター) ペリーヌは住み慣れた この小屋で ぐっすりと眠り 218 00:14:58,939 --> 00:15:00,774 朝を迎えました 219 00:15:03,110 --> 00:15:06,780 この小屋での生活は 人に頼らず― 220 00:15:07,239 --> 00:15:11,702 自分の力で生きていくことの 楽しさを教えてくれたのです 221 00:15:12,536 --> 00:15:15,122 それはペリーヌにとって― 222 00:15:15,289 --> 00:15:19,793 生涯 忘れることのできない 思い出として残るはずでした 223 00:15:20,169 --> 00:15:22,796 バロン 今日で この小屋ともお別れよ 224 00:15:34,099 --> 00:15:36,977 さようなら お世話になりました 225 00:15:47,738 --> 00:15:50,115 (汽笛) 226 00:16:07,591 --> 00:16:09,927 おはようございます ビルフラン様 227 00:16:10,052 --> 00:16:11,220 (ビルフラン)おはよう タルエル 228 00:16:11,345 --> 00:16:12,179 ははー 229 00:16:16,141 --> 00:16:17,518 (馬のいななき) 230 00:16:18,519 --> 00:16:20,521 おはようございます ビルフラン様 231 00:16:21,021 --> 00:16:22,606 おはよう オーレリィ 232 00:16:44,920 --> 00:16:48,465 隣の部屋に「ダンデー貿易新聞」が 置いてあるはずだ 233 00:16:48,590 --> 00:16:49,717 それを読んでおけ 234 00:16:49,842 --> 00:16:50,676 はい 235 00:16:50,884 --> 00:16:54,471 午後3時に工場巡回がある それには ついてこい 236 00:16:54,596 --> 00:16:55,431 はい 237 00:17:00,686 --> 00:17:02,980 あとは用意ができたら わしのほうから呼ぶ 238 00:17:03,105 --> 00:17:05,733 (ペリーヌ)はい それでは隣の部屋におります 239 00:17:09,278 --> 00:17:10,320 オーレリィ 240 00:17:10,696 --> 00:17:11,530 はい 241 00:17:11,655 --> 00:17:13,532 ラシューズ婦人の店へ行ったか? 242 00:17:13,657 --> 00:17:14,491 はい 243 00:17:14,616 --> 00:17:17,244 それでは 今日は新しい服を 着ているんだな? 244 00:17:19,163 --> 00:17:20,748 はい そうです 245 00:17:20,873 --> 00:17:24,585 残念だが 今はお前の服装について 何も判断はできん 246 00:17:24,752 --> 00:17:27,379 だが昼頃には お前の服装について― 247 00:17:27,504 --> 00:17:30,215 いろいろと わしの耳に入ってくるだろう 248 00:17:30,340 --> 00:17:32,718 きっと お気に召していただけると 思います 249 00:17:32,843 --> 00:17:35,679 ほほう だいぶ自信があるな 250 00:17:36,055 --> 00:17:37,014 はい 251 00:17:47,649 --> 00:17:48,484 (ノックの音) 252 00:17:48,609 --> 00:17:50,360 タルエルです ビルフラン様 253 00:17:50,486 --> 00:17:51,695 (ビルフラン)入れ 254 00:17:52,738 --> 00:17:54,031 (ノックの音) 255 00:17:54,364 --> 00:17:55,199 どうぞ 256 00:17:57,034 --> 00:17:57,868 (ファブリ)やあ 257 00:17:58,827 --> 00:18:01,914 別に 用はないんだよ 君がすてきな服を着て― 258 00:18:02,039 --> 00:18:03,916 見違えるように きれいになったって― 259 00:18:04,041 --> 00:18:05,876 みんなが話しているんで 見に来たんだ 260 00:18:06,001 --> 00:18:07,544 恥ずかしいわ 261 00:18:08,754 --> 00:18:10,380 ちょっと 立ってみてくれないかな 262 00:18:11,590 --> 00:18:12,466 えっ? 263 00:18:22,684 --> 00:18:25,145 なるほど みんなのうわさは本当だ 264 00:18:26,355 --> 00:18:27,272 ファブリさん 265 00:18:27,397 --> 00:18:29,483 こんな つまらないことで 寄ったんですか? 266 00:18:29,983 --> 00:18:32,986 いやあ 僕にとっては つまらないことではないさ 267 00:18:33,403 --> 00:18:35,489 よかったら 今日 お昼を一緒に食べよう 268 00:18:35,864 --> 00:18:37,574 ええ ロザリーも一緒に 269 00:18:37,699 --> 00:18:39,993 うん それじゃあ あとで 270 00:18:49,044 --> 00:18:50,754 自信ついたわ 271 00:18:51,463 --> 00:18:52,965 何? 夜遊びだと? 272 00:18:53,090 --> 00:18:55,259 はい ラシューズ婦人が 会計課に来て― 273 00:18:55,384 --> 00:18:57,010 そのようなことを申しておりました 274 00:18:58,011 --> 00:19:01,598 いいえ 私は何も新しい秘書を けなそうなんて気持ちは― 275 00:19:01,723 --> 00:19:03,016 これっぽっちも ございませんですが― 276 00:19:03,767 --> 00:19:06,812 ただ そんなことが 耳に入りましたので 277 00:19:09,690 --> 00:19:11,024 (呼び鈴の音) 278 00:19:19,783 --> 00:19:21,285 ご用でしょうか? ビルフラン様 279 00:19:21,660 --> 00:19:22,703 オーレリィ 280 00:19:23,078 --> 00:19:26,290 わしは身持ちの悪い娘を 秘書にするつもりはない 281 00:19:27,374 --> 00:19:29,793 あの… 私が何か? 282 00:19:31,128 --> 00:19:33,130 お前は 一人で暮らしているのか? 283 00:19:33,255 --> 00:19:34,089 はい 284 00:19:34,214 --> 00:19:37,885 わしは お前が親戚の家に いるとばかり思っておったが 285 00:19:39,178 --> 00:19:41,388 どうした? なぜ返事をしない? 286 00:19:41,805 --> 00:19:45,225 マロクールに来たのは 親戚があるからだとお前は言ったな 287 00:19:45,517 --> 00:19:46,560 はい… 288 00:19:47,352 --> 00:19:48,729 でも私は… 289 00:19:49,271 --> 00:19:50,189 うーん 290 00:19:50,564 --> 00:19:51,732 私は… 291 00:19:52,191 --> 00:19:55,652 結局 親戚を 訪ねることはしなかったんです 292 00:19:55,861 --> 00:19:56,695 (ビルフラン)どうしてだ? 293 00:19:56,820 --> 00:19:59,198 私は 冷たくされるのが イヤだったんです 294 00:20:00,115 --> 00:20:02,910 その親戚には 一度も会ったことがなかったし― 295 00:20:03,035 --> 00:20:06,747 おまけに 私の両親をとても 憎んでるということでしたから 296 00:20:07,456 --> 00:20:08,582 ほう… 297 00:20:10,417 --> 00:20:12,377 私がマロクールに着いたときは― 298 00:20:12,502 --> 00:20:15,088 お金もなく とても惨めな気持ちでした 299 00:20:15,255 --> 00:20:17,257 もし その親戚を頼って 冷たくされたら― 300 00:20:17,799 --> 00:20:20,761 私は生きる力を 失ってしまったかもしれません 301 00:20:21,637 --> 00:20:25,933 だから それより自分 一人の力で 生きることのほうを選んだんです 302 00:20:27,559 --> 00:20:31,271 幸い この工場ですぐに 働かせてもらうことができました 303 00:20:32,314 --> 00:20:34,566 なるほど お前らしい考えだな 304 00:20:34,691 --> 00:20:37,402 惨めな気持ちで 人に頼って暮らすより― 305 00:20:37,527 --> 00:20:40,030 自分の力で生きていくほうが わしも好きだが― 306 00:20:40,155 --> 00:20:43,408 それはもう少し 大きくなってからのことだ 307 00:20:43,742 --> 00:20:45,744 お前は まだ13なんだぞ 308 00:20:45,869 --> 00:20:49,748 はい でも ここで働いて 一人でやってきました 309 00:20:49,998 --> 00:20:52,793 うーん お前は大変な子だな 310 00:20:53,460 --> 00:20:55,045 だが これは どういうことじゃ? 311 00:20:55,170 --> 00:20:57,297 ゆうべ お前は 下宿にいなかったそうだな 312 00:20:58,465 --> 00:20:59,299 ハッ? 313 00:21:00,008 --> 00:21:02,219 お前は誰も とがめないのを いいことに― 314 00:21:02,344 --> 00:21:04,054 夜は遊び歩いておるのか? 315 00:21:04,179 --> 00:21:05,639 そっ そんな… 316 00:21:05,764 --> 00:21:07,808 それじゃあ どこへ行っていたんだ? 317 00:21:08,433 --> 00:21:10,310 池のほとりの狩猟小屋に 318 00:21:10,686 --> 00:21:14,606 狩猟小屋だと? あれは わしの持ち物だ 319 00:21:14,731 --> 00:21:16,900 今は テオドールたちが 使っているが 320 00:21:17,025 --> 00:21:18,652 そうだったんですか 321 00:21:18,902 --> 00:21:22,114 私はマロクールへ着いてから ずっと泊まっていたんです 322 00:21:22,239 --> 00:21:23,991 何だと? お前一人でか? 323 00:21:24,408 --> 00:21:26,994 はい 犬一匹と一緒です 324 00:21:27,536 --> 00:21:29,997 お前… 怖くはなかったのか? 325 00:21:30,289 --> 00:21:34,001 いいえ 下宿の8人部屋より ずっと快適でした 326 00:21:34,876 --> 00:21:37,087 でも 秘書のお仕事が 決まったので― 327 00:21:37,212 --> 00:21:40,340 あそこでは不便ですから ゆうべ下宿に移ったんです 328 00:21:40,549 --> 00:21:42,342 でも夜 眠れなくて― 329 00:21:42,467 --> 00:21:44,845 だから あの小屋で 最後の夜を過ごそうと 330 00:21:45,387 --> 00:21:49,099 しかしあの小屋は人が住むようには できていなかったはずだが 331 00:21:49,224 --> 00:21:54,271 はい でも私のお給料では パンを買うと ほとんど残りません 332 00:21:54,396 --> 00:21:57,858 だから 自分の手で生活に 必要な物は何でも作りました 333 00:21:58,275 --> 00:22:01,194 お皿も スプーンも鍋も 334 00:22:01,320 --> 00:22:03,864 形は悪くても 結構 役に立ちました 335 00:22:04,364 --> 00:22:06,366 それから 靴や下着も 336 00:22:07,617 --> 00:22:08,869 靴もなあ… 337 00:22:09,161 --> 00:22:12,205 はい それからパンだけでは 味気ないので― 338 00:22:12,372 --> 00:22:15,709 食卓をにぎやかにしようと 魚を釣ったり― 339 00:22:15,917 --> 00:22:18,378 食べられる野の草や実を 料理しました 340 00:22:19,004 --> 00:22:19,838 オーレリィ 341 00:22:19,963 --> 00:22:23,717 ハッ? あっ すいません お忙しいのに こんな話をして 342 00:22:23,925 --> 00:22:25,969 あっ いや… あっ その話― 343 00:22:26,094 --> 00:22:29,389 あの小屋での暮らしについて もっと詳しく話を聞きたい 344 00:22:29,514 --> 00:22:32,726 いや しかし今はダメだ ほかに用がある 345 00:22:34,936 --> 00:22:36,563 うん ありがとう 346 00:22:38,148 --> 00:22:41,151 そうだ 午後の工場巡回のときがいい 347 00:22:41,276 --> 00:22:43,737 オーレリィ お前が御者をやってくれ 348 00:22:43,862 --> 00:22:46,740 はい 承知しました ビルフラン様 349 00:22:46,865 --> 00:22:48,825 もう向こうの部屋に 戻っていいぞ 350 00:22:48,950 --> 00:22:49,785 はい 351 00:22:52,537 --> 00:22:54,081 (ビルフラン)オーレリィ (ペリーヌ)はい? 352 00:22:54,623 --> 00:22:57,876 お前の選んだ服は なかなかセンスがいいそうだな 353 00:22:58,460 --> 00:23:00,921 あっ ありがとうございます ビルフラン様 354 00:23:04,591 --> 00:23:08,178 ラシューズ婦人の店でも ムダ遣いはしなかったようだ 355 00:23:08,303 --> 00:23:11,348 あんなに安いものばかりでなくても よかったのに 356 00:23:11,973 --> 00:23:16,603 (汽笛) 357 00:23:25,278 --> 00:23:26,613 (馬のいななき) 358 00:23:37,582 --> 00:23:42,629 (ナレーター) 午後 工場巡回に出たとき ビルフランはペリーヌに 359 00:23:42,796 --> 00:23:47,300 あの小屋での生活について 詳しく話をさせました 360 00:23:48,218 --> 00:23:52,472 そして とても心を 動かされたようでした 361 00:24:04,985 --> 00:24:08,780 (ナレーター) ある日 インドから 1通の手紙が届きました 362 00:24:09,239 --> 00:24:12,784 ビルフランは 早速 その手紙を 翻訳するようにと― 363 00:24:12,909 --> 00:24:14,786 ペリーヌに命令します 364 00:24:15,036 --> 00:24:19,583 ところが タルエルとテオドールは 手紙の内容を知りたがり― 365 00:24:19,708 --> 00:24:22,752 ペリーヌに手紙を見せろと しつこく迫りました 366 00:24:23,336 --> 00:24:26,840 たった1通の手紙が 穏やかだった1日を― 367 00:24:26,965 --> 00:24:30,010 急に不安な1日に 変えてしまったのです 368 00:24:30,719 --> 00:24:33,513 次回 ペリーヌ物語 369 00:24:33,680 --> 00:24:36,766 「インドから来た手紙」を お楽しみに 370 00:24:39,102 --> 00:24:41,104 ♪~ 371 00:25:37,953 --> 00:25:42,332 ~♪