1 00:00:01,376 --> 00:00:03,503 ♪~ 2 00:01:27,837 --> 00:01:30,006 ~♪ 3 00:01:32,801 --> 00:01:35,804 (汽車の汽笛) 4 00:01:53,113 --> 00:01:54,823 (タルエル) オーレリィさん お気をつけて 5 00:01:54,989 --> 00:01:56,825 (ペリーヌ) 失礼します タルエルさん 6 00:02:05,917 --> 00:02:07,836 やあ どうやらオーレリィは― 7 00:02:08,002 --> 00:02:11,923 あの気難しいお方を すっかり 手なずけてしまったようですな 8 00:02:12,298 --> 00:02:13,341 (テオドール)ふん 9 00:02:13,883 --> 00:02:14,717 お屋敷でも― 10 00:02:14,843 --> 00:02:18,346 まるで 身内の者のように 扱われているようですな 11 00:02:18,805 --> 00:02:20,348 チクショー あの小娘 12 00:02:20,473 --> 00:02:22,600 いえいえ どういたしまして 13 00:02:22,725 --> 00:02:25,311 近頃じゃ すっかり 秘書ぶりも板について― 14 00:02:25,436 --> 00:02:27,689 ちょっとした威厳さえ 感じられるくらいですよ 15 00:02:27,814 --> 00:02:29,190 君は みっともないぞ 16 00:02:29,357 --> 00:02:31,359 何だ オーレリィに おべっかを使ったりして 17 00:02:32,193 --> 00:02:35,446 私は ただビルフラン様に 忠実なだけですよ 18 00:02:35,822 --> 00:02:38,533 ビルフラン様が気に入って いらっしゃる娘さんだから― 19 00:02:38,700 --> 00:02:39,868 私も気に入ってるんですよ 20 00:02:40,368 --> 00:02:43,037 へえ そうかい ところで タルエル 21 00:02:43,288 --> 00:02:46,291 少しは エドモンについての 情報でも聞き出せたのかい? 22 00:02:46,416 --> 00:02:47,876 それがさっぱり 23 00:02:52,630 --> 00:02:55,842 何しろ あんなに忠実な娘も珍しい 24 00:02:56,718 --> 00:02:59,137 まあ ビルフラン様が お気に入りなさるのも― 25 00:02:59,262 --> 00:03:00,805 無理ないですな 26 00:03:05,226 --> 00:03:06,311 チクショー! 27 00:03:17,238 --> 00:03:20,825 (ナレーター) ペリーヌが ビルフランの屋敷で 暮らすようになって 28 00:03:21,242 --> 00:03:24,871 一番 悔しい思いをしているのは テオドールでした 29 00:03:25,788 --> 00:03:29,417 何しろ ビルフランはこれまで 自分の甥(おい)なのに 30 00:03:29,542 --> 00:03:33,755 テオドールを屋敷に住まわせようと 考えたこともなかったのです 31 00:03:43,681 --> 00:03:45,683 それなのにペリーヌは― 32 00:03:45,808 --> 00:03:50,438 まるで身内の者でもあるかのように お屋敷で暮らしているのです 33 00:04:04,535 --> 00:04:06,412 (セバスチャン) おかえりなさいませ 34 00:04:10,500 --> 00:04:11,960 (バロンのほえ声) 35 00:04:14,128 --> 00:04:17,257 (ビルフラン) その犬は奇妙な顔を しているそうだな 36 00:04:17,423 --> 00:04:18,967 それは見方にもよりますわ 37 00:04:19,133 --> 00:04:21,594 私は とっても かわいい顔をしてると思っています 38 00:04:22,053 --> 00:04:24,305 それは えこひいきじゃないかな 39 00:04:24,472 --> 00:04:26,307 お前のことを尋ねると みんな― 40 00:04:26,474 --> 00:04:29,143 “賢そうで かわいい顔をしている”と答える 41 00:04:29,310 --> 00:04:30,687 だが同じ人間が― 42 00:04:30,812 --> 00:04:33,982 “その犬は かなり 奇妙な顔をしている”と答えるぞ 43 00:04:34,107 --> 00:04:35,608 セバスチャンもそう言った 44 00:04:35,733 --> 00:04:37,151 旦那様 45 00:04:37,360 --> 00:04:38,611 ハッハッハッ… 46 00:04:46,661 --> 00:04:49,664 やっぱり お前 誰が見てもおかしな顔なのね 47 00:04:49,872 --> 00:04:51,165 (バロンの鳴き声) 48 00:04:52,125 --> 00:04:55,169 (セバスチャン) 旦那様 先ほど電報がまいりました 49 00:04:55,920 --> 00:04:57,171 何 電報だと? 50 00:04:57,922 --> 00:05:01,175 お部屋のほうに置いてございますが お読みいたしますか? 51 00:05:01,342 --> 00:05:03,136 いや オーレリィをよこしてくれ 52 00:05:15,148 --> 00:05:18,776 “明日2時 ピキニ駅に着く ブルトヌー” 53 00:05:19,444 --> 00:05:21,362 何じゃ 姉からだったのか 54 00:05:24,782 --> 00:05:27,869 フィリップ弁護士からは何も 連絡がないのは どうしたわけだ 55 00:05:29,829 --> 00:05:33,708 もう一度 ヨーロッパ中に 新聞広告を出させることにしよう 56 00:05:34,167 --> 00:05:38,004 1度や2度ではエドモンも 広告を見落とすこともあるだろう 57 00:05:40,381 --> 00:05:41,382 なぜ 黙ってる 58 00:05:42,216 --> 00:05:43,176 はい 59 00:05:43,885 --> 00:05:46,512 明日 早速 フィリップ弁護士に電報じゃ 60 00:05:46,763 --> 00:05:48,890 “もう一度 出すように”と 忘れるな 61 00:05:50,058 --> 00:05:50,892 はい 62 00:05:54,812 --> 00:05:58,191 (ナレーター) こんな時が ペリーヌには 一番つらかったのです 63 00:05:58,858 --> 00:06:00,193 ビルフランに― 64 00:06:00,443 --> 00:06:04,155 “エドモンは もう死んだ”と 伝えることができないつらさ 65 00:06:08,076 --> 00:06:11,662 (ペリーヌ) お父様は もう この世にはいらっしゃらない 66 00:06:12,038 --> 00:06:13,664 もし それを知ったら― 67 00:06:13,873 --> 00:06:17,001 おじい様は どんなにか お嘆きになることでしょう 68 00:06:17,627 --> 00:06:19,378 孫だと私が名乗れば― 69 00:06:19,504 --> 00:06:22,507 どうしても そのことを 言わなければなりません 70 00:06:23,049 --> 00:06:24,759 私は いったい どうすれば… 71 00:06:26,844 --> 00:06:28,054 (アンリエット) ブルトヌーの奥様は― 72 00:06:28,179 --> 00:06:30,431 にぎやかなことが お好きな方なんですのよ 73 00:06:30,556 --> 00:06:32,683 ビルフラン様は それをご承知だから― 74 00:06:32,809 --> 00:06:35,895 こちらに おいでの時は いつもお客様をお招きして― 75 00:06:36,020 --> 00:06:37,605 晩さん会をなさるんですわ 76 00:06:38,231 --> 00:06:39,440 よく いらっしゃるの? 77 00:06:39,565 --> 00:06:42,777 (アンリエット) いいえ せいぜい年に1度くらい 78 00:06:42,985 --> 00:06:45,863 でも今年は もう 1度 いらっしゃってますから― 79 00:06:45,988 --> 00:06:48,199 お珍しいことに 2度目になりますわ 80 00:06:48,825 --> 00:06:49,700 そう 81 00:06:50,159 --> 00:06:51,953 それに 奥様はいつも このお部屋を― 82 00:06:52,078 --> 00:06:53,204 お使いになるんですのよ 83 00:06:53,746 --> 00:06:54,622 まあ 84 00:07:11,639 --> 00:07:12,640 セバスチャン 85 00:07:12,807 --> 00:07:13,641 はい 86 00:07:13,808 --> 00:07:16,936 明日の晩は姉のために 晩さん会を開かねばならんな 87 00:07:17,061 --> 00:07:18,104 さようでございますね 88 00:07:18,688 --> 00:07:20,606 (ビルフラン) 客は いつもの顔ぶれで いいだろう 89 00:07:20,731 --> 00:07:21,774 (セバスチャン)はい 90 00:07:26,154 --> 00:07:28,114 あの ビルフラン様 91 00:07:29,240 --> 00:07:30,491 (ビルフラン)何だ 92 00:07:30,825 --> 00:07:31,826 私のお部屋― 93 00:07:31,951 --> 00:07:35,079 ブルトヌーの奥様のために 空けなくてよろしいんでしょうか 94 00:07:35,204 --> 00:07:36,080 (ビルフラン)どうして? 95 00:07:36,205 --> 00:07:39,125 あのお部屋は いつも 奥様がお使いになっていると… 96 00:07:39,667 --> 00:07:41,461 部屋は ほかにいくらでもある 97 00:07:41,586 --> 00:07:43,671 お前は 余計な心配を しなくてもいい 98 00:07:52,597 --> 00:07:53,639 (ノックの音) 99 00:07:54,307 --> 00:07:55,349 テオドールです 100 00:07:55,516 --> 00:07:56,601 タルエルです 101 00:07:57,852 --> 00:07:58,686 入れ 102 00:08:04,358 --> 00:08:05,485 おはようございます 103 00:08:05,610 --> 00:08:07,028 おはようございます 104 00:08:07,737 --> 00:08:08,696 テオドール 105 00:08:08,863 --> 00:08:12,366 わしの所に お前の母さんから 電報が来ていたが― 106 00:08:12,492 --> 00:08:14,452 お前のとこにも着いているな? 107 00:08:14,577 --> 00:08:16,579 (テオドール) はい もちろん来てますとも 108 00:08:20,791 --> 00:08:23,044 それじゃ 仕事に差し支えなかったら― 109 00:08:23,169 --> 00:08:24,545 駅まで迎えに行ってくれ 110 00:08:24,670 --> 00:08:25,505 はい 111 00:08:25,630 --> 00:08:27,131 (ビルフラン)タルエル (タルエル)はい 112 00:08:27,256 --> 00:08:29,175 今晩 わしの屋敷に来てくれ 113 00:08:29,300 --> 00:08:30,384 晩さん会をやる 114 00:08:30,551 --> 00:08:32,345 テオドールの母親が来るんでな 115 00:08:32,803 --> 00:08:35,723 はい ご招待ありがたく お受けいたします 116 00:08:35,932 --> 00:08:38,142 (ビルフラン) テオドール もちろんお前もだ 117 00:08:38,392 --> 00:08:40,228 ありがとうございます おじさん 118 00:08:45,358 --> 00:08:49,654 (汽車の汽笛) 119 00:08:50,112 --> 00:08:51,531 10分遅れだな 120 00:08:52,114 --> 00:08:54,992 (汽車の汽笛) 121 00:09:10,967 --> 00:09:12,218 (テオドール)お母さん 122 00:09:15,513 --> 00:09:18,432 やあ お母さん 元気そうだね 123 00:09:18,599 --> 00:09:20,434 (ブルトヌー夫人) あんたが来てくれたの? 124 00:09:20,601 --> 00:09:22,937 うん おじさんが 行けって言ってくれたんだ 125 00:09:23,062 --> 00:09:25,523 何だ じゃあ 手紙に 書いてきたほどには― 126 00:09:25,648 --> 00:09:27,942 冷たくされてるわけじゃないのね 127 00:09:35,366 --> 00:09:37,034 とにかく おじさんの 考えてることは― 128 00:09:37,159 --> 00:09:38,452 さっぱり分からないんだ 129 00:09:38,578 --> 00:09:40,955 あんな どこの馬の骨とも 分からない小娘を― 130 00:09:41,122 --> 00:09:42,123 すっかり信用しちゃって 131 00:09:42,290 --> 00:09:43,958 屋敷で一緒に暮らしてるんだよ 132 00:09:44,458 --> 00:09:47,962 あんたの手紙でも そこんとこが さっぱり のみ込めないんですよ 133 00:09:48,087 --> 00:09:49,589 あの気難し屋の弟が― 134 00:09:49,714 --> 00:09:52,967 どうして そんな小娘を 信用するようになったんだろうね 135 00:09:53,718 --> 00:09:55,886 1つは英語ができたからね 136 00:09:56,012 --> 00:09:57,972 これは確かに役に立っている 137 00:09:58,639 --> 00:09:59,807 それだけかね 138 00:09:59,974 --> 00:10:01,976 おじさんに絶対的に忠実だ 139 00:10:02,310 --> 00:10:05,980 だからエドモンの消息については 僕には さっぱりつかめなくなった 140 00:10:09,984 --> 00:10:12,445 エドモンを捜す新聞広告を 出してるね 141 00:10:12,570 --> 00:10:15,156 うん エドモンは もう インドじゃなくて― 142 00:10:15,281 --> 00:10:17,158 ヨーロッパに 帰ってきてるらしいや 143 00:10:17,325 --> 00:10:19,452 いいえ きっと死んでるよ 144 00:10:19,577 --> 00:10:21,621 僕も 前には そう思ってたけど― 145 00:10:21,746 --> 00:10:23,497 やっぱり生きてるんじゃないかな 146 00:10:23,664 --> 00:10:27,335 何か情報をつかんでなきゃ あんな広告 出すわけないもの 147 00:10:27,460 --> 00:10:29,795 どんな情報だろうね 148 00:10:30,296 --> 00:10:33,299 それが さっぱり分からないから イライラするんだよ 149 00:10:33,424 --> 00:10:36,594 お母さんなら きっとあの小娘から 聞き出せるんじゃないの? 150 00:10:36,719 --> 00:10:39,805 私は あんたみたいな お人よしじゃないからね 151 00:10:58,532 --> 00:11:00,868 お待ちしておりました ブルトヌーの奥様 152 00:11:01,035 --> 00:11:03,037 (ブルトヌー夫人) 元気そうね セバスチャン 153 00:11:03,204 --> 00:11:05,039 はい ありがとうございます 154 00:11:05,206 --> 00:11:06,207 (ほえ声) 155 00:11:08,042 --> 00:11:09,877 (バロンのほえ声) 156 00:11:12,421 --> 00:11:13,714 何 あの犬 157 00:11:14,215 --> 00:11:15,966 バロン あっちへ行きなさい 158 00:11:19,595 --> 00:11:21,722 あんな おかしな犬を 飼ったのかい? 159 00:11:21,972 --> 00:11:24,058 あっ いえ あれはお嬢さんが… 160 00:11:24,225 --> 00:11:26,394 お嬢さんって オーレリィさんのこと? 161 00:11:26,519 --> 00:11:27,395 はい 162 00:11:27,603 --> 00:11:31,065 セバスチャン あとで そのことで 聞きたいことがあるのよ 163 00:11:31,232 --> 00:11:32,566 あっ はあ… 164 00:11:37,071 --> 00:11:39,907 奥様 お疲れでしょう どうぞ お部屋のほうへ 165 00:11:40,074 --> 00:11:42,243 アンリエット 奥様をご案内しておくれ 166 00:11:42,410 --> 00:11:44,412 (アンリエット)はい どうぞ 167 00:11:44,870 --> 00:11:47,873 (ブルトヌー夫人) おや 私は2階のいつもの部屋が いいんだけどね 168 00:11:48,374 --> 00:11:49,458 (セバスチャン) 申し訳ございません 169 00:11:49,583 --> 00:11:51,419 あの部屋は 今 空いておりませんので 170 00:11:51,544 --> 00:11:53,838 ああ… ほかにも お客様がお泊まりなの? 171 00:11:53,963 --> 00:11:57,216 (セバスチャン) いえ 今は オーレリィさんが お泊まりになっていますので 172 00:11:57,341 --> 00:11:58,342 何ですって! 173 00:11:59,552 --> 00:12:01,929 あの一番いい部屋を オーレリィが? 174 00:12:02,054 --> 00:12:04,098 いえ 奥様のお部屋のほうが 広くて… 175 00:12:04,265 --> 00:12:07,059 セバスチャン! 私 2階の部屋にします 176 00:12:08,102 --> 00:12:10,604 (セバスチャン) ああ 奥様 それだけは どうか… 177 00:12:10,771 --> 00:12:12,356 私が旦那様に叱られます 178 00:12:14,775 --> 00:12:16,861 それじゃ 弟も知ってるんですね? 179 00:12:16,986 --> 00:12:19,488 はい 私が伺いましたところ― 180 00:12:19,613 --> 00:12:22,032 旦那様が そのままでよいと おっしゃいました 181 00:12:22,158 --> 00:12:23,284 なるほどね 182 00:12:23,617 --> 00:12:26,370 よっぽど その娘さんを 気に入ってるとみえるね 183 00:12:26,954 --> 00:12:28,789 はい そりゃ もう… 184 00:12:30,458 --> 00:12:33,210 そう それじゃ 私は ほかの部屋にいたしましょ 185 00:12:33,335 --> 00:12:34,795 アンリエット どこなの? 186 00:12:34,962 --> 00:12:37,131 (アンリエット) は… はい こちらでございます 187 00:12:38,340 --> 00:12:39,341 ハア… 188 00:12:46,640 --> 00:12:49,935 (馬車の走る音) 189 00:12:55,691 --> 00:12:56,775 (テオドール)ご苦労さん 190 00:12:58,777 --> 00:12:59,612 あっ 191 00:13:04,033 --> 00:13:06,076 おじさん 母を迎えに行ってきました 192 00:13:06,660 --> 00:13:07,495 そうか 193 00:13:07,953 --> 00:13:10,080 だいぶ時間がかかったが 汽車でも遅れたか? 194 00:13:10,206 --> 00:13:11,332 あっ… はい 195 00:13:12,166 --> 00:13:13,626 よし 仕事に戻りなさい 196 00:13:13,751 --> 00:13:14,585 (テオドール)はい 197 00:13:15,920 --> 00:13:17,755 テオドール お前のおふくろは― 198 00:13:17,880 --> 00:13:20,674 わしに何か用でもあって やってきたのかな? 199 00:13:21,634 --> 00:13:23,594 お前に 何か 言ってなかったのか? 200 00:13:23,719 --> 00:13:26,972 ええ おじさんのことが 心配だから見に来たんだと 201 00:13:27,097 --> 00:13:29,350 母はいつも おじさんの体のこと 心配してますから 202 00:13:29,475 --> 00:13:31,769 そうか それは ありがたいことだな 203 00:13:32,019 --> 00:13:33,270 あの もうほかには? 204 00:13:33,395 --> 00:13:34,271 ない 205 00:13:34,396 --> 00:13:35,981 それでは仕事に戻ります 206 00:13:39,527 --> 00:13:40,694 さあ 行こう 207 00:13:41,529 --> 00:13:44,156 今日は そうだな 機械室へ行ってみよう 208 00:13:44,281 --> 00:13:45,366 はい 209 00:13:47,952 --> 00:13:50,371 テオドールの言っていたことは ウソだ 210 00:13:50,496 --> 00:13:51,372 はあ? 211 00:13:52,581 --> 00:13:54,792 姉は テオドールが呼んだんだよ 212 00:14:01,799 --> 00:14:03,300 お前も わしのそばにいるから― 213 00:14:03,425 --> 00:14:05,553 おおかたの見当は ついているだろう 214 00:14:05,719 --> 00:14:08,556 テオドールは わしの後継ぎになりたがっている 215 00:14:09,807 --> 00:14:11,642 わしも昔はそう思った 216 00:14:11,767 --> 00:14:15,437 そのころは エドモンと 仲たがいをしたばかりの時だった 217 00:14:15,563 --> 00:14:18,482 だが あの男にはとても このパンダボアヌ工場を― 218 00:14:18,607 --> 00:14:20,067 経営していく力はない 219 00:14:20,234 --> 00:14:23,070 あの男に任せたら この工場は潰れてしまうだろう 220 00:14:28,242 --> 00:14:30,077 わしは ここを潰したくない 221 00:14:30,494 --> 00:14:34,081 それには優秀な人間に この工場を継いでもらわねばならん 222 00:14:34,915 --> 00:14:37,042 それは息子のエドモンだ 223 00:14:50,097 --> 00:14:52,182 (ビルフラン) ここは工場の心臓だ 224 00:14:53,017 --> 00:14:56,270 この蒸気機関で すべての機械を動かしているんだ 225 00:14:57,062 --> 00:14:59,231 ここ とても暑いけど 大丈夫ですか? 226 00:14:59,690 --> 00:15:01,942 一日中 働いている人間もいるんだ 227 00:15:02,067 --> 00:15:03,736 このくらいの暑さは我慢できる 228 00:15:08,198 --> 00:15:09,783 大変な労働ですね 229 00:15:10,034 --> 00:15:12,036 いつかファブリ君が 言っておった 230 00:15:12,161 --> 00:15:13,245 “今に蒸気ではなくて―” 231 00:15:13,370 --> 00:15:15,623 “電気で機械を動かすように なるだろう”と 232 00:15:15,748 --> 00:15:16,707 電気で? 233 00:15:17,207 --> 00:15:19,293 ああ この世の中は進歩する 234 00:15:19,460 --> 00:15:22,630 人間は立ち止まっていては 世の中の進歩から取り残される 235 00:15:23,672 --> 00:15:27,468 だが この工場の機械をすべて 電気で動かすようになるのは― 236 00:15:27,593 --> 00:15:29,470 もう少し 先のことだろうよ 237 00:15:29,970 --> 00:15:31,805 すばらしいことなんですね 238 00:15:32,139 --> 00:15:34,892 わしは 恐らく その時までは生きてはおれん 239 00:15:35,017 --> 00:15:37,061 そうなるのは きっと息子の代だ 240 00:15:37,186 --> 00:15:39,438 エドモンが わしの後を継いだ時だ 241 00:15:54,370 --> 00:15:56,747 (セバスチャン) ブルトヌー夫人が お待ちかねでございます 242 00:16:01,877 --> 00:16:03,504 おかえり ビルフラン 243 00:16:03,837 --> 00:16:06,507 姉さん ただいま よく来てくれたね 244 00:16:06,674 --> 00:16:08,759 あんたの体のことが心配でね 245 00:16:08,884 --> 00:16:10,844 案外 元気そうで安心したわ 246 00:16:10,970 --> 00:16:13,514 ありがとう 姉さんもお変わりなくて 247 00:16:13,681 --> 00:16:15,724 ところで オーレリィって秘書さんは? 248 00:16:15,849 --> 00:16:17,184 一緒じゃなかったの? 249 00:16:17,309 --> 00:16:19,186 今は馬車を 馬屋へ運んでいきましたよ 250 00:16:19,311 --> 00:16:20,980 女の子が馬車を扱うの? 251 00:16:21,105 --> 00:16:21,981 ええ 252 00:16:22,106 --> 00:16:24,191 なかなか役に立つ子のようだね 253 00:16:24,316 --> 00:16:25,192 ええ 254 00:16:25,317 --> 00:16:27,945 あんた だいぶ その子が 気に入ってるようだね 255 00:16:28,070 --> 00:16:29,446 誠実な娘ですよ 256 00:16:29,571 --> 00:16:30,489 姉さん さあ 257 00:16:30,656 --> 00:16:32,533 あっちへ行って お茶でも飲みましょう 258 00:16:32,700 --> 00:16:34,368 そうですね 手を引くかい? 259 00:16:34,493 --> 00:16:38,205 この屋敷なら誰にも 手を引いてもらう必要はありません 260 00:16:49,216 --> 00:16:51,051 (アンリエット) お嬢様 おかえりなさい 261 00:16:51,218 --> 00:16:53,053 あっ アンリエットさん ただいま 262 00:16:53,721 --> 00:16:56,473 お嬢様 私 さっき ブルトヌーの奥様に― 263 00:16:56,598 --> 00:16:58,559 お嬢様のこと さんざん聞かれたんですよ 264 00:17:00,185 --> 00:17:02,396 ああ 私 メチャクチャに 褒めておきました 265 00:17:02,563 --> 00:17:03,647 (ペリーヌ)ありがとう 266 00:17:03,772 --> 00:17:05,482 だけど なぜ 私のことなんか… 267 00:17:06,066 --> 00:17:07,192 知りませんわ 268 00:17:07,317 --> 00:17:10,154 セバスチャンさんも ねっちりと聞かれたんですって 269 00:17:22,583 --> 00:17:25,753 姉さん 失礼して 部屋で休ませていただきますよ 270 00:17:25,919 --> 00:17:27,921 晩さん会までは まだ時間があるから 271 00:17:30,007 --> 00:17:30,924 ちょっと ビルフラン 272 00:17:31,925 --> 00:17:32,926 何ですか? 273 00:17:33,427 --> 00:17:34,678 あなたは忙しいので― 274 00:17:34,803 --> 00:17:38,557 これからも2人だけで ゆっくり 話ができないと思うから… 275 00:17:39,600 --> 00:17:41,393 テオドールのことだけどね 276 00:17:41,518 --> 00:17:43,562 テオドールが どうかしましたか? 277 00:17:45,689 --> 00:17:47,274 どうだろうね もう そろそろ― 278 00:17:47,399 --> 00:17:50,861 テオドールを あなたの後継ぎだと はっきり発表したら? 279 00:17:52,196 --> 00:17:53,864 それは できませんよ 280 00:17:56,742 --> 00:17:59,787 姉さん エドモンがいるのを 忘れてはいませんか? 281 00:18:00,370 --> 00:18:02,790 おや エドモンは 今 どこにいるんですか? 282 00:18:02,915 --> 00:18:04,750 それは分からんけど エドモンが― 283 00:18:04,875 --> 00:18:06,794 ヨーロッパに 戻ったことだけは 確かです 284 00:18:08,170 --> 00:18:10,798 やれやれ 分かってるのは それだけなの? 285 00:18:11,381 --> 00:18:13,759 エドモンは必ず帰ってくる 286 00:18:13,884 --> 00:18:16,720 あなた 何度も新聞広告を 出してるようだけど― 287 00:18:16,845 --> 00:18:18,931 何か情報でも入ったの? 288 00:18:20,057 --> 00:18:22,935 やっぱり 何も 入ってないんですね 289 00:18:23,060 --> 00:18:25,145 姉さん わしは失礼するよ 290 00:18:42,746 --> 00:18:43,831 (ナレーター)その夜は 291 00:18:43,997 --> 00:18:47,584 ブルトヌー夫人のために 晩さん会が行われました 292 00:18:48,710 --> 00:18:51,505 不機嫌な顔をしている ビルフランがいるので― 293 00:18:51,630 --> 00:18:56,677 話も弾まず 陰気な感じの晩さん会でした 294 00:19:11,942 --> 00:19:15,195 皆さん すっかり 黙り込んでしまいましたね 295 00:19:15,612 --> 00:19:17,447 久しぶりに 私が来たんだから― 296 00:19:17,573 --> 00:19:20,367 何か面白い話でも 聞かせてくださいな 297 00:19:30,127 --> 00:19:31,837 そうそう オーレリィさん 298 00:19:32,963 --> 00:19:33,839 はい 299 00:19:33,964 --> 00:19:36,466 オーレリィさんは この屋敷に来る前には― 300 00:19:36,592 --> 00:19:38,343 トロッコを 押してたんですってね? 301 00:19:38,468 --> 00:19:42,222 どうです? ここの生活には すっかり慣れましたか? 302 00:19:42,431 --> 00:19:43,307 はい 303 00:19:43,432 --> 00:19:46,894 あなたは弟に大変よく 仕えてくれてるそうで 304 00:19:47,060 --> 00:19:49,521 私 とっても感謝しているのよ 305 00:19:50,355 --> 00:19:51,523 恐れ入ります 306 00:19:53,275 --> 00:19:54,484 でもね ビルフラン 307 00:19:56,403 --> 00:19:59,364 あなたは目が不自由だから 気がつかないけど 308 00:19:59,489 --> 00:20:01,575 オーレリィさん 今日の晩さん会には― 309 00:20:01,700 --> 00:20:04,661 ずいぶん ふさわしくない服装してるわ 310 00:20:05,537 --> 00:20:06,663 どういうことです 311 00:20:06,788 --> 00:20:08,749 あなたの身近に置くんでしたら― 312 00:20:08,916 --> 00:20:12,252 もう少し服装に 気を配ってやらなけりゃ 313 00:20:13,295 --> 00:20:15,923 オーレリィさんも 自分で気をつけなさいね 314 00:20:16,048 --> 00:20:17,216 そんな普段着で― 315 00:20:17,716 --> 00:20:19,843 ちゃんとした晩さん会に 出てくるなんて― 316 00:20:19,968 --> 00:20:21,553 とっても礼儀知らずなのよ 317 00:20:24,139 --> 00:20:25,057 姉さん 318 00:20:25,724 --> 00:20:28,435 あら 私 少し おせっかいがすぎたかしら 319 00:20:28,602 --> 00:20:32,105 でも オーレリィさん あなたのためを思って 320 00:20:51,083 --> 00:20:51,959 皆さん 321 00:20:54,878 --> 00:20:56,713 食事の途中で席を立つのは― 322 00:20:56,838 --> 00:20:59,716 重々 礼儀をわきまえないことと 承知しているが 323 00:20:59,841 --> 00:21:01,802 今 緊急の手紙が届いたので― 324 00:21:01,969 --> 00:21:04,471 失礼して別室で 読ませていただきます 325 00:21:05,681 --> 00:21:07,641 オーレリィ 一緒に来てくれ 326 00:21:08,350 --> 00:21:09,184 はい 327 00:21:14,356 --> 00:21:17,317 さあ その辺に座って この手紙を読んでくれ 328 00:21:17,484 --> 00:21:20,070 フィリップ弁護士の使いが 届けてくれたのだ 329 00:21:20,195 --> 00:21:21,488 フィリップ弁護士… 330 00:21:29,997 --> 00:21:30,998 オーレリィ 331 00:21:31,331 --> 00:21:33,333 姉の無礼を許してやってくれ 332 00:21:33,542 --> 00:21:35,877 姉は昔から ああいうところがあってな 333 00:21:36,003 --> 00:21:36,837 いえ 334 00:21:37,754 --> 00:21:41,591 わしも もう少しお前に 気を使ってやらなきゃいけなかった 335 00:21:41,717 --> 00:21:42,801 許してくれ 336 00:21:43,260 --> 00:21:44,344 とんでもありません 337 00:21:44,511 --> 00:21:47,139 もう お気になさらないでください ビルフラン様 338 00:21:48,432 --> 00:21:52,019 どうじゃ 何と書いてあるのかな オーレリィ 339 00:22:10,370 --> 00:22:11,955 (ビルフラン) 皆さん 失礼しました 340 00:22:12,581 --> 00:22:15,959 いったい お食事の途中で 立つほどの 大事な手紙だったの? 341 00:22:16,877 --> 00:22:18,962 わしには大事な手紙でした 342 00:22:19,087 --> 00:22:20,213 仕事のこと? 343 00:22:20,380 --> 00:22:21,381 (ビルフラン)いいや 344 00:22:21,548 --> 00:22:22,466 すると… 345 00:22:23,008 --> 00:22:24,885 皆さん エドモンは… 346 00:22:25,093 --> 00:22:27,888 私の息子は 生きていることが分かりました 347 00:22:28,013 --> 00:22:30,432 (客たちの驚く声) 348 00:22:36,396 --> 00:22:38,565 フィリップ弁護士が 手紙をよこしたのです 349 00:22:38,732 --> 00:22:41,234 息子は今年の3月… 3月ですぞ 350 00:22:41,401 --> 00:22:42,736 ボスニアにおりました 351 00:22:43,278 --> 00:22:46,073 わしが300フランを 向こうの銀行に払い込めば― 352 00:22:46,239 --> 00:22:49,117 もっと詳しい情報が 入ってくることになっております 353 00:22:50,202 --> 00:22:52,537 とにかく エドモンは 生きておった… 354 00:22:57,667 --> 00:23:00,003 ビルフラン様 おめでとうございます 355 00:23:00,128 --> 00:23:01,713 私は以前からエドモン様は― 356 00:23:01,838 --> 00:23:03,548 帰っていらっしゃると 確信しておりました 357 00:23:04,007 --> 00:23:04,841 うん 358 00:23:05,258 --> 00:23:06,093 姉さん 359 00:23:06,218 --> 00:23:09,054 うん? ああ… おめでとう ビルフラン 360 00:23:10,263 --> 00:23:11,556 ありがとう 姉さん 361 00:23:13,767 --> 00:23:17,104 (ナレーター) ヨーロッパ中に出した 新聞広告のおかげで 362 00:23:17,729 --> 00:23:21,191 とうとう エドモンの 消息が分かる日が近づいたのです 363 00:23:22,526 --> 00:23:26,363 もし 賞金の300フランが 支払われて― 364 00:23:26,488 --> 00:23:28,448 詳しい情報が入れば― 365 00:23:29,282 --> 00:23:32,536 きっと エドモンが 死んだということも分かるでしょう 366 00:23:33,954 --> 00:23:36,790 ビルフランは それを知らなかったのです 367 00:23:42,587 --> 00:23:46,133 でも ペリーヌは知っていました 368 00:23:47,175 --> 00:23:49,886 次の詳しい知らせが入った時は― 369 00:23:50,428 --> 00:23:55,559 ビルフランが悲しみのどん底に 突き落とされることを… 370 00:24:05,360 --> 00:24:09,156 (ナレーター) エドモンが帰ってくるという うわさは村じゅうに広がり 371 00:24:09,447 --> 00:24:11,449 ビルフランは上機嫌でした 372 00:24:11,825 --> 00:24:14,995 しかし ペリーヌは 真実を打ち明けられず― 373 00:24:15,162 --> 00:24:16,997 1人 苦しんでいました 374 00:24:17,539 --> 00:24:20,584 そんなある日 ボスニアからの知らせを持つ― 375 00:24:20,709 --> 00:24:24,462 フィリップ弁護士が ビルフランを訪れました 376 00:24:24,713 --> 00:24:29,134 それは エドモンの死を伝える 知らせだったのです 377 00:24:29,926 --> 00:24:32,512 次回 ペリーヌ物語 378 00:24:33,305 --> 00:24:36,516 「ボスニアからの知らせ」を お楽しみに 379 00:24:39,186 --> 00:24:41,313 ♪~ 380 00:25:37,744 --> 00:25:42,457 ~♪