1 00:00:10,978 --> 00:00:13,647 お嬢様 お一人でいらしたのですか? 2 00:00:13,647 --> 00:00:17,818 (カオル)はい。 ご招待状なら ここに。 3 00:00:17,818 --> 00:00:20,487 これは…。 (カオル)フッ。 4 00:00:20,487 --> 00:00:22,990 《うっ… この目つきは➡ 5 00:00:22,990 --> 00:00:26,493 目下の者をいじめることに慣れた 悪役令嬢の目…。 6 00:00:26,493 --> 00:00:28,495 間違いない!》 7 00:00:28,495 --> 00:00:30,797 しっ 失礼しました! 8 00:02:04,958 --> 00:02:07,294 (エメ)えっ 街を出るって…。 9 00:02:07,294 --> 00:02:11,798 (アガーテ)急に どうして? 呼び出しの手紙が来て…。 10 00:02:11,798 --> 00:02:13,800 どうも 偉い人に 目をつけられちゃった➡ 11 00:02:13,800 --> 00:02:15,802 みたいなんだよね。 12 00:02:17,804 --> 00:02:19,973 だから 面倒なことになる前に➡ 13 00:02:19,973 --> 00:02:22,643 コッソリ 街を出ようかなと。 14 00:02:22,643 --> 00:02:25,812 でも お世話になったみんなには ワケを話して➡ 15 00:02:25,812 --> 00:02:28,482 ちゃんと お別れを 言っておきたかったから。 16 00:02:28,482 --> 00:02:30,584 寂しくなるな。 17 00:02:35,155 --> 00:02:37,991 《カオル:手紙の中身は 招待状だった。 18 00:02:37,991 --> 00:02:42,162 1週間後 王宮で開かれるパーティーに 参上せよと➡ 19 00:02:42,162 --> 00:02:44,665 一方的に命じるもの》 20 00:02:44,665 --> 00:02:47,501 (エメ)せっかく 仲よくなれたのに~! 21 00:02:47,501 --> 00:02:51,338 元気でね カオル。 私たちのこと忘れないでね。 22 00:02:51,338 --> 00:02:53,840 うん。 いろいろありがとう。 23 00:02:53,840 --> 00:02:56,510 《ポーションのことが バレたとは思えない。 24 00:02:56,510 --> 00:03:00,781 でも 命令を無視すれば この人たちにも迷惑がかかる。 25 00:03:00,781 --> 00:03:02,783 だから…》 26 00:03:02,783 --> 00:03:05,285 逃げたりしない。 ちゃんと ケリをつけてから➡ 27 00:03:05,285 --> 00:03:07,487 出ていくよ。 28 00:03:09,456 --> 00:03:11,458 うぅ…。 我慢なさい。 こよいは➡ 29 00:03:11,458 --> 00:03:14,795 王太子様が おきさき候補を 選ばれる大事な夜。 30 00:03:14,795 --> 00:03:17,130 なんとしても お目にとどまらなければ! 31 00:03:17,130 --> 00:03:20,133 ドレスを収納。 代わりに メイド服を。 32 00:03:24,805 --> 00:03:27,307 アイテムボックス 最強だわ。 33 00:03:27,307 --> 00:03:29,810 ほら もっと谷間を見せて。 34 00:03:29,810 --> 00:03:31,812 王子様も 所詮は男。 35 00:03:31,812 --> 00:03:35,148 女の色香で迫るのですよ! 36 00:03:35,148 --> 00:03:39,986 ちょっと 何? いえ 失礼しました。 37 00:03:39,986 --> 00:03:42,823 どこのメイドかしら。 さぁ。 38 00:03:42,823 --> 00:03:44,825 あんな目つきの悪いメイド➡ 39 00:03:44,825 --> 00:03:47,327 連れてくる人の気が知れないわ。 40 00:03:51,164 --> 00:03:53,500 (フェルナン)なぜだ! なぜ来ない! 41 00:03:53,500 --> 00:03:56,503 (アラン)どうした そんな怖い顔して。 42 00:03:56,503 --> 00:03:58,839 (アラン)まぁ わからんでもないか。 43 00:03:58,839 --> 00:04:01,608 今夜は お前にとって大事な夜だ。 44 00:04:01,608 --> 00:04:04,444 (ファビオ)だからといって 花嫁候補を おびえさせて➡ 45 00:04:04,444 --> 00:04:08,949 どうするんです? 人を… 待ってるんだ。 46 00:04:08,949 --> 00:04:12,285 もしかして もう 心に決めた相手がいるとか? 47 00:04:12,285 --> 00:04:14,788 いっ! で… 誰なんだ? 48 00:04:14,788 --> 00:04:17,624 で… 誰なんです? 49 00:04:17,624 --> 00:04:20,794 来ない…。 (アラン/ファビオ)は? 来ないんだよ! 50 00:04:20,794 --> 00:04:25,132 この俺が自ら 招待状を書いて 届けさせたというのに! 51 00:04:25,132 --> 00:04:28,802 あ…。 ありえるか!? そんなの! 52 00:04:28,802 --> 00:04:33,306 ありえないだろ 普通! そりゃあ まぁ ないよな。 53 00:04:33,306 --> 00:04:37,644 (アラン)お前に選ばれれば 将来の王妃の座が約束される。 54 00:04:37,644 --> 00:04:41,314 それを棒に振るなんて よっぽど風変わりな娘だよなぁ。 55 00:04:41,314 --> 00:04:45,485 あっ 風変わりといえば さっき あの子を見ましたよ。 56 00:04:45,485 --> 00:04:47,988 ほら 下町の食堂にいた カオル…。 57 00:04:47,988 --> 00:04:51,491 どこにいた? 大広間で給仕を。 58 00:04:51,491 --> 00:04:54,995 忙しそうでしたから 声は かけませんでしたが…。 59 00:04:54,995 --> 00:04:58,999 あ…。 あっ。 って おい! 60 00:04:58,999 --> 00:05:03,770 (2人)あっ。 まさか アイツ…。 61 00:05:03,770 --> 00:05:06,106 (フェルナン)なぜ そんな格好で ここにいる? 62 00:05:06,106 --> 00:05:08,942 ん? 63 00:05:08,942 --> 00:05:11,444 《カオル:やっぱり コイツか》 64 00:05:11,444 --> 00:05:13,613 私は給仕係なのですから➡ 65 00:05:13,613 --> 00:05:15,615 この服なのは当たり前では? 66 00:05:15,615 --> 00:05:18,285 そういうことを 言っているのではない! 67 00:05:18,285 --> 00:05:21,288 お前は 私の招待客なのだぞ! (どよめき) 68 00:05:21,288 --> 00:05:25,792 だって 給仕係の平民の娘が なんの説明もなく➡ 69 00:05:25,792 --> 00:05:27,961 お城のパーティーに来いって 言われたら➡ 70 00:05:27,961 --> 00:05:32,299 仕事だと思うでしょう? 着ていくドレスもないのに。 71 00:05:32,299 --> 00:05:34,634 何? アレマン子爵は どこか! 72 00:05:34,634 --> 00:05:36,803 (アレマン)はっ はい ここに! 73 00:05:36,803 --> 00:05:39,306 これは どういうことだ! あっ…。 74 00:05:39,306 --> 00:05:41,975 私は 貴公に申しつけたはずだ。 75 00:05:41,975 --> 00:05:46,479 満腹亭のカオルという娘に ドレスと 靴と 宝石と一緒に➡ 76 00:05:46,479 --> 00:05:48,815 招待状を届けよと。 77 00:05:48,815 --> 00:05:51,651 たっ 確かにお届けしました! 78 00:05:51,651 --> 00:05:54,654 あ…。 えぇ この方なら➡ 79 00:05:54,654 --> 00:05:57,991 店に来られました。 ですが 馬車の窓から➡ 80 00:05:57,991 --> 00:05:59,926 「受け取れ」とだけ言って➡ 81 00:05:59,926 --> 00:06:03,430 お城に入るための書状を 渡して帰られただけで…。 82 00:06:03,430 --> 00:06:06,099 な…。 ドレスは? 宝石は? 83 00:06:06,099 --> 00:06:08,602 さぁ…。 ウソです! 84 00:06:08,602 --> 00:06:12,439 私は 衣装と 宝石の入った箱も届けました! 85 00:06:12,439 --> 00:06:14,608 箱? もしかして➡ 86 00:06:14,608 --> 00:06:18,111 隣の店に配達された 荷物のことでしょうか? 87 00:06:18,111 --> 00:06:21,448 ぐっ…。 何もおっしゃらなかったので➡ 88 00:06:21,448 --> 00:06:23,783 てっきり お隣のものだと。 89 00:06:23,783 --> 00:06:26,620 うぅ…。 よその荷物を➡ 90 00:06:26,620 --> 00:06:29,122 勝手に開けるわけにもいきません。 91 00:06:29,122 --> 00:06:32,626 そのままにしておいたら すぐに なくなっていたので。 92 00:06:32,626 --> 00:06:36,129 なっ… アレマン子爵➡ 93 00:06:36,129 --> 00:06:39,966 あとで ジックリ 話を聞かせてもらうぞ。 94 00:06:39,966 --> 00:06:42,802 あわわ… はっ はい。 95 00:06:42,802 --> 00:06:46,306 まぁよい! 招待状だけは 届いたようだからな。 96 00:06:48,642 --> 00:06:51,811 来い! 婚約者として 皆に紹介するぞ! 97 00:06:51,811 --> 00:06:54,481 えぇ~!? (2人)えっ!? 98 00:06:54,481 --> 00:06:57,984 (令嬢たち)えぇっ!? (貴族たち)えぇ~!? 99 00:06:57,984 --> 00:07:00,921 さぁ カオル! その格好でもかまわぬ。 100 00:07:00,921 --> 00:07:04,257 父と 母に 挨拶を。 なっ 何バカなこと➡ 101 00:07:04,257 --> 00:07:07,594 言ってるんですか! 平民が 王子様の婚約者に➡ 102 00:07:07,594 --> 00:07:10,764 なれるわけないでしょう! そんなもの➡ 103 00:07:10,764 --> 00:07:14,601 どこかの伯爵家の 養女にでもなれば 済むことだ。 104 00:07:14,601 --> 00:07:16,937 順番が違うでしょうが! 105 00:07:16,937 --> 00:07:19,439 養女にしてから 婚約なら ともかく➡ 106 00:07:19,439 --> 00:07:21,942 婚約してから 養女だなんて…。 107 00:07:21,942 --> 00:07:24,444 大丈夫だ。 俺は気にしない。 108 00:07:24,444 --> 00:07:27,113 第一 こんなに大々的に➡ 109 00:07:27,113 --> 00:07:30,617 「婚約者は平民です。 ただの給仕の小娘です」と➡ 110 00:07:30,617 --> 00:07:34,621 宣伝しておいて 今更 貴族もないでしょう! 111 00:07:34,621 --> 00:07:37,290 バカにされて 陰口 叩かれまくり➡ 112 00:07:37,290 --> 00:07:39,959 王族の名を 汚すことになりますよ! 113 00:07:39,959 --> 00:07:41,962 あっ…。 114 00:07:41,962 --> 00:07:44,297 それに いちばんの問題点は➡ 115 00:07:44,297 --> 00:07:46,633 王子様! そもそも あなた➡ 116 00:07:46,633 --> 00:07:49,969 私が あなたと結婚したいか 確認しました? 117 00:07:49,969 --> 00:07:52,639 えっ? 嫌ですよ➡ 118 00:07:52,639 --> 00:07:56,309 王子様と結婚なんか 絶対に拒否します! 119 00:07:56,309 --> 00:07:58,478 (貴族たち)えぇ~!? 120 00:07:58,478 --> 00:08:00,413 だいたい 王妃様なんて➡ 121 00:08:00,413 --> 00:08:04,417 絶対なりたくない職業 ベスト3 間違いなしですよ。 122 00:08:04,417 --> 00:08:07,087 あ… ん? あ…。 123 00:08:07,087 --> 00:08:09,756 (カオル)王妃様となれば プライバシー皆無。 124 00:08:09,756 --> 00:08:12,759 特定の人と あまり仲よくしちゃ ダメ。 125 00:08:12,759 --> 00:08:15,428 嫌な相手とも ニコニコ歓談。 126 00:08:15,428 --> 00:08:19,099 子どもは 乳母に取られ 公務三昧の日々。 127 00:08:19,099 --> 00:08:21,601 オマケに 男の子は どんどん産め➡ 128 00:08:21,601 --> 00:08:25,438 外交用に 女の子も産めと催促され➡ 129 00:08:25,438 --> 00:08:28,441 身も 心も ボロボロになっているのに➡ 130 00:08:28,441 --> 00:08:32,612 夫は その間 愛人のベッドで スヤスヤ寝てる。 131 00:08:32,612 --> 00:08:35,782 うぐっ…。 全然楽しくないでしょ➡ 132 00:08:35,782 --> 00:08:40,453 そんな人生! あっ… あぁ~! 133 00:08:40,453 --> 00:08:43,456 はっ 母上! あっ あぁ…。 134 00:08:43,456 --> 00:08:45,792 侯爵家とか 伯爵家に嫁いでも➡ 135 00:08:45,792 --> 00:08:47,961 似たようなものですよね。 136 00:08:47,961 --> 00:08:50,130 ろくに 屋敷から出ることもできず➡ 137 00:08:50,130 --> 00:08:52,465 パーティーでは 腹の探り合い。 138 00:08:52,465 --> 00:08:56,136 本当の友達なんて 一人もいない。 139 00:08:56,136 --> 00:08:58,304 (カオル)早く跡取りを産め と責められ➡ 140 00:08:58,304 --> 00:09:00,740 義理の両親からは 嫁いできたからには➡ 141 00:09:00,740 --> 00:09:05,412 家のしきたりに従えと 実家に帰る自由さえ奪われ➡ 142 00:09:05,412 --> 00:09:08,748 夫は 貴族のたしなみとばかりに 浮気する。 143 00:09:08,748 --> 00:09:11,751 (すすり泣く声) 144 00:09:11,751 --> 00:09:15,755 まぁ その点 子爵とか 男爵とかは いいですよね。 145 00:09:15,755 --> 00:09:17,757 貴族としての身分があっても➡ 146 00:09:17,757 --> 00:09:19,926 権力争いからは遠く➡ 147 00:09:19,926 --> 00:09:22,429 使用人たちとの距離は近い。 148 00:09:22,429 --> 00:09:24,597 子育ても 自分の手でできそうだし➡ 149 00:09:24,597 --> 00:09:26,599 家族と 領民に囲まれ➡ 150 00:09:26,599 --> 00:09:30,270 田舎で ノンビリ 幸せに暮らせそうです。 151 00:09:30,270 --> 00:09:34,274 私にとっての理想の結婚は そういうものです。 152 00:09:34,274 --> 00:09:36,776 身分が高くても つらい目に遭ったり➡ 153 00:09:36,776 --> 00:09:40,947 不幸で つまらない人生を 送ったりするのは お断り。 154 00:09:40,947 --> 00:09:44,451 (カオル)そういうのは 国民の血税で ぜいたくしたり➡ 155 00:09:44,451 --> 00:09:46,953 高度な教育を 受けられたお返しに➡ 156 00:09:46,953 --> 00:09:51,291 国に尽くす覚悟がある 貴族のご令嬢にお任せします。 157 00:09:51,291 --> 00:09:53,626 そんなことは どうでもいい! 158 00:09:53,626 --> 00:09:57,297 俺は お前の その知恵と 知識が欲しいんだ! 159 00:09:57,297 --> 00:10:00,800 その聡明さ… そして その美貌があれば➡ 160 00:10:00,800 --> 00:10:02,802 俺と一緒に この国を もっと…。 161 00:10:02,802 --> 00:10:06,306 知恵と 知識? 聡明さと 美貌? 162 00:10:06,306 --> 00:10:08,808 それって全部 あなたが利用できる条件➡ 163 00:10:08,808 --> 00:10:12,312 ってだけですよね。 そ… それは…。 164 00:10:12,312 --> 00:10:14,314 そこに私の意思は? 165 00:10:14,314 --> 00:10:17,817 カオルという一人の人間の心は どうでもいいんですか? 166 00:10:17,817 --> 00:10:20,320 王子様には 考慮する必要のない➡ 167 00:10:20,320 --> 00:10:22,655 どうでもいいことなんですか!? 168 00:10:22,655 --> 00:10:25,859 お… 俺は…。 (皿の割れる音) 169 00:10:28,328 --> 00:10:30,330 あぁっ! 170 00:10:32,332 --> 00:10:35,668 (どよめき) 171 00:10:35,668 --> 00:10:39,172 ほら これで 愚かで 醜い女になりました。 172 00:10:39,172 --> 00:10:42,008 王子様にとって なんの価値も 利点もない➡ 173 00:10:42,008 --> 00:10:46,012 平民の小娘です。 あ…。 174 00:10:46,012 --> 00:10:49,182 これでもう 御用はありませんね。 175 00:10:49,182 --> 00:10:51,518 あっ あ…。 176 00:10:51,518 --> 00:10:54,354 行かせてやりなさい。 今あなたにできるのは➡ 177 00:10:54,354 --> 00:10:58,057 それだけです。 この場は 俺らがどうにかする。 178 00:11:01,461 --> 00:11:06,065 痛い 痛い 痛い 痛い~! 179 00:11:08,801 --> 00:11:10,970 《止血と 痛み止めのポーション。 180 00:11:10,970 --> 00:11:13,473 まだ 治癒のポーションは使えない》 181 00:11:13,473 --> 00:11:15,475 まずは王都脱出だ。 182 00:11:19,979 --> 00:11:23,149 (カオル)ハァ ハァ ハァ…。 ん…。 183 00:11:23,149 --> 00:11:26,653 ハァ ハァ ハァ…。 お嬢ちゃん その血は!? 184 00:11:26,653 --> 00:11:30,490 いったい どうしたんだい? 貴族様のご不興を買いました。 185 00:11:30,490 --> 00:11:33,993 すぐに街を出ないと…。 186 00:11:33,993 --> 00:11:35,995 ちょっと待ってろ。 187 00:11:38,998 --> 00:11:42,001 これ 少ないけど…。 あ…。 188 00:11:42,001 --> 00:11:44,671 早く行きな。 見なかったことにするから。 189 00:11:44,671 --> 00:11:46,673 ありがとうございます。 190 00:11:49,842 --> 00:11:52,545 フゥ… 治癒ポーション! 191 00:11:57,350 --> 00:12:00,453 《ここまでやれば さすがに追ってこないよね》 192 00:12:00,453 --> 00:12:04,624 あぁ スッキリした! 193 00:12:04,624 --> 00:12:06,960 (アビリ)ほほ~う では➡ 194 00:12:06,960 --> 00:12:09,629 閉店前の値引きは 逆効果だったと? 195 00:12:09,629 --> 00:12:13,132 はい。 値を下げるまで お客が待つばかりで➡ 196 00:12:13,132 --> 00:12:16,135 定価での売り上げが ガタ落ちしてしまったと。 197 00:12:16,135 --> 00:12:18,972 なるほど! では 値引き以外で➡ 198 00:12:18,972 --> 00:12:21,975 効果的販売方法は 何かあるかね? 199 00:12:21,975 --> 00:12:24,978 あぁ それでしたら…。 200 00:12:24,978 --> 00:12:27,814 《アビリ:おもしろい子だ。 まだ少女だというのに➡ 201 00:12:27,814 --> 00:12:31,484 商いの知識で このアビリと議論できるとは》 202 00:12:31,484 --> 00:12:34,988 なぁ カオルちゃん よかったら うちで働かないかい? 203 00:12:34,988 --> 00:12:37,156 ん? いやぁ 行商は私の➡ 204 00:12:37,156 --> 00:12:40,493 趣味みたいなものでね。 私は ヨハン・アビリ。 205 00:12:40,493 --> 00:12:43,162 あのアビリ商会のあるじなんだよ。 206 00:12:43,162 --> 00:12:45,331 王都でも指折りの大だなだ。 207 00:12:45,331 --> 00:12:48,501 悪い話じゃないと…。 せっかくですが お断りします。 208 00:12:48,501 --> 00:12:52,171 えぇっ? よっと。 209 00:12:52,171 --> 00:12:56,175 新規手続きがありますので ここで失礼します。 210 00:12:56,175 --> 00:12:58,678 乗せていただき ありがとうございました。 211 00:12:58,678 --> 00:13:00,780 あっ あ…。 212 00:13:00,780 --> 00:13:03,449 それでは! 213 00:13:03,449 --> 00:13:06,285 えっ… 毎年 就職希望が殺到する➡ 214 00:13:06,285 --> 00:13:10,623 あの アビリ商会 なんだけど…。 215 00:13:10,623 --> 00:13:13,960 《カオル:ありがたい話だけど 大きなお店の下っ端じゃ➡ 216 00:13:13,960 --> 00:13:18,464 気苦労も多いし 労働時間も長そうだよね。 217 00:13:18,464 --> 00:13:21,134 私が望んでいるのは…》 218 00:13:21,134 --> 00:13:23,636 (アリア)はぁ? 住み込みで➡ 219 00:13:23,636 --> 00:13:26,973 比較的 自由時間のとれる仕事? 220 00:13:26,973 --> 00:13:29,142 《なんだろ この既視感。 221 00:13:29,142 --> 00:13:32,312 この世界の 受付のお姉さんって…》 222 00:13:32,312 --> 00:13:34,313 はい。 お金をためて➡ 223 00:13:34,313 --> 00:13:36,816 ゆくゆくは 自分の店を持ちたいんです。 224 00:13:36,816 --> 00:13:40,319 その勉強ができたらと。 へぇ。 225 00:13:40,319 --> 00:13:43,156 わかった。 掃除と 料理はできる? 226 00:13:43,156 --> 00:13:45,324 はい 一とおりは! 227 00:13:45,324 --> 00:13:47,660 じゃ これ。 228 00:13:47,660 --> 00:13:49,829 まぁ 条件だけは悪くないから➡ 229 00:13:49,829 --> 00:13:52,498 続くかどうか わかんないけど。 230 00:13:52,498 --> 00:13:55,168 ん? 231 00:13:55,168 --> 00:13:59,505 住み込みのお手伝い。 業務は 工房主と 技術者➡ 232 00:13:59,505 --> 00:14:01,607 計5人の食事の世話。 233 00:14:01,607 --> 00:14:04,444 掃除洗濯 その他雑用。 234 00:14:04,444 --> 00:14:07,780 空き時間は自由。 外出してもいいし➡ 235 00:14:07,780 --> 00:14:10,083 別途 休日もある。 236 00:14:14,287 --> 00:14:17,457 いやもう 好条件すぎでしょ この仕事! 237 00:14:17,457 --> 00:14:19,625 (爆発音) 238 00:14:19,625 --> 00:14:23,129 (バルドー)私が ここの工房主 バルドーだ。 239 00:14:23,129 --> 00:14:27,467 すまないが 数日は お試し期間 ということにしてくれ。 240 00:14:27,467 --> 00:14:29,469 毎回 すぐ辞められるもんで➡ 241 00:14:29,469 --> 00:14:31,637 紹介料がかさんでな。 242 00:14:31,637 --> 00:14:34,307 特別に その間は 紹介料を払うのを➡ 243 00:14:34,307 --> 00:14:37,310 待ってもらってるんだ。 はぁ…。 244 00:14:37,310 --> 00:14:40,113 (バルドー)いやぁ ホント助かったよ。 245 00:14:42,148 --> 00:14:44,484 まずは みんなを紹介しよう。 246 00:14:44,484 --> 00:14:48,154 あ…。 ダメだと思ったら早めに言ってくれ。 247 00:14:48,154 --> 00:14:50,323 慣れてるんで 気にしないから。 248 00:14:50,323 --> 00:14:52,325 (バルドー)おい みんな! 起きろ! 249 00:14:52,325 --> 00:14:55,161 新しいお手伝い候補の カオルさんだ。 250 00:14:55,161 --> 00:14:59,165 (ブライアンたち)ありがたい…。 ブライアンに アルバン カルロスだ。 251 00:14:59,165 --> 00:15:01,601 おい 起きろ アシル! (アシル)あっ…。 252 00:15:01,601 --> 00:15:03,770 《うっ なんの臭い?》 253 00:15:03,770 --> 00:15:06,105 ⦅続くかどうか わかんないけど⦆ 254 00:15:06,105 --> 00:15:11,277 《そういうことか。 だがしかし 私には ポーションがある!》 255 00:15:11,277 --> 00:15:15,114 ぬおぉ~! (カルロス)おぉ 頑固な油汚れが! 256 00:15:15,114 --> 00:15:18,117 ぬおぉ~! 257 00:15:18,117 --> 00:15:21,621 (アルバン)白すぎて まぶしい! (ブライアン)フカフカだなぁ。 258 00:15:21,621 --> 00:15:23,623 ぬおぉ~! 259 00:15:25,625 --> 00:15:28,795 こんなうまい料理 実家でも食べたことないぞ! 260 00:15:28,795 --> 00:15:31,631 フフッ。 決まった置き場所があるものは➡ 261 00:15:31,631 --> 00:15:35,468 動かしていません。 床に散らかったメモは そこに。 262 00:15:35,468 --> 00:15:40,139 薬品や 実験材料などには 手を触れていません。 263 00:15:40,139 --> 00:15:43,309 この香りは? お茶と 植物のエキスなどを➡ 264 00:15:43,309 --> 00:15:47,814 混ぜて作った このカオル特製 消臭剤です。 265 00:15:47,814 --> 00:15:49,982 (カルロスたち)おぉ~! 266 00:15:49,982 --> 00:15:54,487 《こうして お手伝いさんとしての 新しい生活が始まった》 267 00:15:56,823 --> 00:15:58,991 熱心ですね アシルさん。 268 00:15:58,991 --> 00:16:01,093 何を作ってるんですか? 269 00:16:01,093 --> 00:16:03,596 スキットル。 酒精の強い酒を➡ 270 00:16:03,596 --> 00:16:06,098 携帯するための容器だよ。 271 00:16:06,098 --> 00:16:09,268 銀で作った 貴族向けの高級品じゃないけど➡ 272 00:16:09,268 --> 00:16:11,270 うちのは 軽くて 丈夫だから➡ 273 00:16:11,270 --> 00:16:14,941 街の人に よく売れるんだよ。 へぇ~。 274 00:16:14,941 --> 00:16:17,944 《そうか。 ポーション自体を売らなくても➡ 275 00:16:17,944 --> 00:16:20,613 容器そのものを商品にすれば…》 276 00:16:20,613 --> 00:16:23,282 研究も大事だけど たまには➡ 277 00:16:23,282 --> 00:16:25,785 こういう売り物も 作っておかないと。 278 00:16:25,785 --> 00:16:28,788 まぁ 大したもうけには ならないんだけど。 279 00:16:28,788 --> 00:16:30,790 あの…。 ん? 280 00:16:30,790 --> 00:16:34,961 例えば ガラス製の瓶とかって 売れますかね? 281 00:16:34,961 --> 00:16:38,130 う~ん ただの瓶じゃ無理かな。 282 00:16:38,130 --> 00:16:41,634 凝った意匠の 香水瓶とかなら別だけど。 283 00:16:41,634 --> 00:16:45,471 フフ…。 284 00:16:45,471 --> 00:16:49,141 《私の能力は 考えたとおりの効果のある➡ 285 00:16:49,141 --> 00:16:52,311 薬品を作り出す能力。 286 00:16:52,311 --> 00:16:55,815 そして その薬品は 私が考えたとおりの➡ 287 00:16:55,815 --> 00:16:59,819 容器に入って出てくる》 288 00:16:59,819 --> 00:17:01,921 (カオル)知り合いが 家業の合間に➡ 289 00:17:01,921 --> 00:17:04,423 片手間で作ったものなんですが…。 290 00:17:04,423 --> 00:17:07,093 ウソでしょ! これを片手間で…。 291 00:17:07,093 --> 00:17:09,762 この細工 ガラスの透明度➡ 292 00:17:09,762 --> 00:17:12,598 名人と呼ばれる職人でも これほどのものは➡ 293 00:17:12,598 --> 00:17:15,268 めったに作れないぞ。 あぁ。 294 00:17:15,268 --> 00:17:17,603 《しまった やりすぎたか…》 295 00:17:17,603 --> 00:17:19,939 その人に会わせてくれないか。 296 00:17:19,939 --> 00:17:22,942 詳しい話を聞きたい! あっ いえ➡ 297 00:17:22,942 --> 00:17:25,611 本人は あくまでも 余技のつもりですし➡ 298 00:17:25,611 --> 00:17:28,281 家が厳しくて。 それに彼女➡ 299 00:17:28,281 --> 00:17:32,285 男の人が苦手なんです。 作ったのは 女性? 300 00:17:32,285 --> 00:17:34,453 えぇ まぁ。 そういうワケで➡ 301 00:17:34,453 --> 00:17:38,457 あまり表に出ることは できないんです。 302 00:17:38,457 --> 00:17:41,627 ですが 工房を通じて 限られたお客様に➡ 303 00:17:41,627 --> 00:17:45,464 販売していただけるなら 注文生産という形で➡ 304 00:17:45,464 --> 00:17:47,633 仕事を受けたいと。 305 00:17:47,633 --> 00:17:50,303 もちろん 手数料は お支払…。 ぜひお願いする! 306 00:17:50,303 --> 00:17:52,805 ハハ…。 307 00:17:52,805 --> 00:17:56,976 《カオル:かくして 私は 平穏な日々を過ごしている。 308 00:17:56,976 --> 00:17:58,978 お手伝いさんとしての給金➡ 309 00:17:58,978 --> 00:18:02,748 プラス 香水瓶の売り上げで お金も十分。 310 00:18:02,748 --> 00:18:06,919 仕事の合間に 街の図書館にも 通えるようになった。 311 00:18:06,919 --> 00:18:11,591 おかげで この世界で必要な 一とおりの知識も得たし。 312 00:18:11,591 --> 00:18:13,759 あとは 後ろ盾を得て➡ 313 00:18:13,759 --> 00:18:17,763 自分の立場を固め もっと自由に生きたい。 314 00:18:17,763 --> 00:18:20,933 せっかく チート能力をもらって 転生したんだから➡ 315 00:18:20,933 --> 00:18:23,269 自分の居場所が確立できたら➡ 316 00:18:23,269 --> 00:18:26,439 もう少し 積極的に動くことができる。 317 00:18:26,439 --> 00:18:31,277 ポーションで 人の役に立つのも いいかもしれない。 318 00:18:31,277 --> 00:18:34,780 いつまでも お手伝いさんじゃ つまらないもんね!》 319 00:18:34,780 --> 00:18:37,116 あっ! あぁっ! 320 00:18:37,116 --> 00:18:39,452 あっ…。 (エミール)ヘヘッ。 こら~! 321 00:18:39,452 --> 00:18:42,621 追っかけなくていいのか? 財布を取られたぞ! 322 00:18:42,621 --> 00:18:46,626 あのガキは この辺を根城にしてる 宿なしのリーダーで…。 323 00:18:46,626 --> 00:18:49,295 フフッ。 えっ? 大丈夫です。 324 00:18:49,295 --> 00:18:52,631 あれは ダミーなんで。 ダミー? 325 00:18:52,631 --> 00:18:55,634 《本物の財布は アイテムボックスの中。 326 00:18:55,634 --> 00:18:59,138 あの財布には ちょっとした細工がしてある》 327 00:18:59,138 --> 00:19:01,340 逃げられないよ。 328 00:19:08,247 --> 00:19:10,416 今日は コーシャちゃんのお母さんね。 329 00:19:10,416 --> 00:19:12,918 うん。 真面目に働いてたけど➡ 330 00:19:12,918 --> 00:19:14,920 貴族の憂さ晴らしで 暴行されて➡ 331 00:19:14,920 --> 00:19:16,922 大ケガで動けない。 332 00:19:20,593 --> 00:19:24,430 《カオル:この世界で暮らすうち わかったことがある。 333 00:19:24,430 --> 00:19:26,599 表向きには平和な国家でも➡ 334 00:19:26,599 --> 00:19:30,102 少し裏に回れば 問題がたくさんあること。 335 00:19:30,102 --> 00:19:34,607 貴族が その特権によって 豊かな暮らしをする一方➡ 336 00:19:34,607 --> 00:19:37,610 庶民… 特に貧しい人たちは➡ 337 00:19:37,610 --> 00:19:40,446 人間扱いすらされない現状。 338 00:19:40,446 --> 00:19:44,450 懸命に働いても 人並みの生活はできず➡ 339 00:19:44,450 --> 00:19:49,455 まして 親のない子は 生きるために罪を犯すしかない。 340 00:19:49,455 --> 00:19:51,757 こんなのは 間違ってる》 341 00:20:05,805 --> 00:20:07,807 フッ…。 342 00:20:09,809 --> 00:20:12,111 う…。 (ノック) 343 00:20:15,314 --> 00:20:17,483 (ノック) 344 00:20:17,483 --> 00:20:19,485 (コーシャ)誰? (カオル)入るね。 345 00:20:19,485 --> 00:20:23,322 う… うん。 う… どうしたの? 346 00:20:23,322 --> 00:20:26,826 誰か来た。 はじめまして コーシャちゃん。 347 00:20:26,826 --> 00:20:28,828 私は薬屋さんよ。 348 00:20:28,828 --> 00:20:31,831 セレス印のね。 セレス? 349 00:20:31,831 --> 00:20:35,167 うん。 セレスティーヌって言えば わかるかな? 350 00:20:35,167 --> 00:20:38,003 あっ 女神様の! お母さんに➡ 351 00:20:38,003 --> 00:20:40,840 お薬を飲ませたいんだけど いいかな? 352 00:20:40,840 --> 00:20:42,842 うん! 353 00:20:44,844 --> 00:20:49,515 我… 心正しき者に癒やしを与えん! 354 00:20:49,515 --> 00:20:51,517 わぁ…。 あ…。 355 00:20:51,517 --> 00:20:54,620 さぁ 飲んで。 あ… はい。 356 00:20:57,189 --> 00:20:59,391 んっ! 357 00:21:01,961 --> 00:21:05,297 あ… 傷が 痛みが…。 358 00:21:05,297 --> 00:21:09,802 (コーシャ)お母さ~ん! コーシャ! あぁ コーシャ…。 359 00:21:09,802 --> 00:21:11,804 フフッ。 360 00:21:13,973 --> 00:21:17,143 あ… あなた様は…。 う~ん➡ 361 00:21:17,143 --> 00:21:19,645 まぁ セレスのお友達っていうか➡ 362 00:21:19,645 --> 00:21:23,149 薬師というか…。 なんと尊い。 363 00:21:23,149 --> 00:21:27,820 どうお礼をすればいいか…。 はい 薬の代金は頂きます。 364 00:21:27,820 --> 00:21:30,823 できる範囲で 何かください。 すみません➡ 365 00:21:30,823 --> 00:21:33,826 働きに出られなかったもので 差し上げる物が…。 366 00:21:33,826 --> 00:21:38,164 ん? では 今回のお代は…。 367 00:21:38,164 --> 00:21:43,335 プニプニ スベスベ幼女の ほっぺは最強だ~! 368 00:21:43,335 --> 00:21:46,672 《女神セレスティーヌの友人。 そう名乗り➡ 369 00:21:46,672 --> 00:21:49,508 私は活動を始めることにした。 370 00:21:49,508 --> 00:21:51,844 子どもたちが集めた 情報をもとに➡ 371 00:21:51,844 --> 00:21:54,847 ケガや 病気に苦しむ人々を助ける。 372 00:21:54,847 --> 00:21:57,683 ただし ひそやかに 少しずつ。 373 00:21:57,683 --> 00:22:00,452 心正しき者に 女神の祝福を。 374 00:22:00,452 --> 00:22:03,956 それが 秘密結社 女神の眼の活動だ。 375 00:22:03,956 --> 00:22:05,958 女神の眼は…》 376 00:22:05,958 --> 00:22:08,260 すべて お見通しである!