1 00:00:03,255 --> 00:00:10,230 嘘の嘘、それは狂りと、裏返る。 2 00:01:01,840 --> 00:01:02,840 悲壮物? 3 00:01:03,860 --> 00:01:10,920 そ、そんな、あなたは、あなたは! 4 00:01:12,640 --> 00:01:17,620 こんにちは、やっと会えたね、アルタイル。 5 00:02:49,340 --> 00:02:54,320 失われた彼女の記憶をもとに、ソウタののが創作したキャラクター。 6 00:02:55,100 --> 00:03:00,720 嶋崎刹奈。でも、まさかキャラクターだけではなく、 7 00:03:01,420 --> 00:03:06,420 彼女を取り巻く世界、全てを再創造し、限界させるなんて。 8 00:03:08,520 --> 00:03:13,520 汚いぞ!汚いぞ!汚い! 9 00:03:14,225 --> 00:03:19,560 お前たちは卑怯だ!お前たちはこんなことを!こんな卑怯なことを! 10 00:03:20,280 --> 00:03:26,590 そうだ。こんなやり方で君を追い詰めるなんて、卑怯だし汚いよ。 11 00:03:27,700 --> 00:03:36,620 君の言う通りだ。だけど、物語なら許される。君がどうするのか、観客はみんな待っている。 12 00:03:38,560 --> 00:03:39,560 アルタイル。 13 00:03:44,390 --> 00:03:52,150 やめて。やめて。その声で世の、私の名前を呼ばないで。お願い! 14 00:03:54,030 --> 00:04:03,710 ご、ごめんなさい。私はあなたの名前を呼べないまま言ってしまったから、嬉しくて。 15 00:04:04,350 --> 00:04:09,870 違う。そんなこと言わないで。あなたは、違う。 16 00:04:10,770 --> 00:04:22,470 刹那じゃない。刹那の圧がない。あなたは違う。だって刹那は、だって刹那は、もういない。 17 00:04:27,430 --> 00:04:30,370 私は確かに死んでしまった。それなのに、どうしてまたここに立っているのか。 18 00:04:31,750 --> 00:04:33,530 私には分かりません。 19 00:04:34,020 --> 00:04:36,610 彼女、まるで非造物には見えません。 20 00:04:37,030 --> 00:04:43,170 彼女は非造物ですよ。死んだ人は戻ってきません。でも。 21 00:04:46,790 --> 00:04:57,210 それは、きっと奇跡みたいなものだと思います。 でも私は、あなたを書いた。確かに私は覚えています。 22 00:04:57,870 --> 00:05:11,050 私があなたの刹那じゃないって、あなたを騙すための偽物だって起こるのなら、 私をどうしてくれても構わない。あなたには、そうする資格があると思う。 23 00:05:17,260 --> 00:05:29,120 無理に、決まってるじゃない。私はずっと、私はずっとあなたに会いたかった。 でも、私があなたを知った時、もうあなたはいなかった。 24 00:05:31,990 --> 00:05:41,335 私は、あなたが思いのすべてを託してくれたことを痛いほど分かっていて、 あなたがどうして死んでしまったかも知っていて、 25 00:05:41,347 --> 00:05:51,360 でもあなたのために何もできなかったことを悔んで、 だからあなたのためにできることをしようとして、だから私はここまで来たのよ。 26 00:05:54,880 --> 00:06:01,240 あなたが幻でも迷かしても、私にはそんなことできない。 27 00:06:03,560 --> 00:06:11,740 アルタイルはずっと、私のために怒ってくれていたよね。私、すごく嬉しいよ。ありがとう。 28 00:06:12,680 --> 00:06:16,320 だって当然よ、あなたのためだもの。 29 00:06:17,120 --> 00:06:25,440 あの、聞いてほしいの、アルタイル。 もう一度あなたに会えるってことだけは、私にも分かった。 30 00:06:26,540 --> 00:06:35,420 でもあって、何から話したらいいのか、あの、全然分かんなくて。 でも、言わなきゃいけないなって。 31 00:06:36,440 --> 00:06:49,860 それがすごくドキドキして、怖くて、緊張して、 うまく話せないかもしれないけれど、私はあなたにひどいことをしてしまったんだと思う。 32 00:06:50,500 --> 00:06:55,620 それを謝るために、もう一度ここへ来たんだって、そう思ってる。 33 00:06:58,470 --> 00:07:06,440 私はあなたを書き上げたとき、いいところも悪いところも、 全部の願いを込めて書いたつもりでした。 34 00:07:07,500 --> 00:07:25,220 でもその願いの中に、世界を憎いという思いがなかったと言うなら、 それは私は私に嘘をついています。 認められなかったんだと思います。 認めたくなかったのかもしれません。 35 00:07:26,420 --> 00:07:31,980 私はそのとき願いよりも、呪いに彩られていたのだと思います。 36 00:07:32,720 --> 00:07:39,920 そのせいで、私はあなたに、私自身の呪いを深く刻んでしまいました。 37 00:07:46,450 --> 00:07:49,960 あなたに私が追わせてしまった、そんな呪い。あなたは世界ではなく、私に怒るべきなんです。 38 00:07:51,260 --> 00:08:02,100 最初は確かにあなたを祝福していたのに、私のせいで、 あなたは私の復讐なんかのために、その身を費やしてしまった。 39 00:08:03,720 --> 00:08:12,540 そんなこと言わないで!まるで私があなたのこと何もわかってないみたいに。 そんな言い方は、やめて。 40 00:08:15,180 --> 00:08:20,900 私はあなたの呪いなんか受けていないわ。これは全部私が選んだことよ。 41 00:08:21,590 --> 00:08:28,000 刹那。だって私はあなたがどう思って消えていったか、全部知っている。 42 00:08:28,540 --> 00:08:32,180 他の誰よりも、誰よりもその痛みを知っているから。 43 00:08:33,280 --> 00:08:37,560 だって、その痛みと引き返って、私は生まれ落ちたんだもの! 44 00:08:40,455 --> 00:08:45,000 私はあなたの目を通じて、あなたの心を通じて、すべてを知った。 45 00:08:46,240 --> 00:08:56,540 世界はあなたにとって、あまりに強大で、あまりに自動的で、 残酷で、悪意は時に、人が抱えきれないほどに大きいから、だからあなたは! 46 00:09:00,330 --> 00:09:06,380 だから私は、そんな世界を憎んだ。あなたを世界から退場させた物語を憎んだ。 47 00:09:07,300 --> 00:09:16,200 その原因を作ったものすべてが、あなたを消し去ろうとするほどに理不尽であるなら、 そんな仕組みを根こそぎ消し去ってやろうと決めた。 48 00:09:17,960 --> 00:09:27,620 私があなたの福祉をしようと思ったのは、呪いでも何でもないわ。 そんな物語が許せなかったからよ。刹那。 49 00:09:30,960 --> 00:09:37,580 そう。あなたはそういう子なんだよね。あなたを書いたのは私なのに。 50 00:09:38,440 --> 00:09:49,480 私よりあなたの方が、私のことよく知ってる。 私は改めて、そんなあなたを書けてよかったなって、そう思います。 51 00:09:51,910 --> 00:10:02,380 私は、あなたとともに歩みたかった。 あなたの途切れた記憶じゃなく、あなたと時間をともにして、いろいろなことを知りたかった。 52 00:10:03,200 --> 00:10:08,380 あなたの作った物語の中でずっと、ともに歩んで行きたかった。 53 00:10:09,620 --> 00:10:21,260 そう。ごめんなさい。 私は結局とても弱くて、あなたと一緒に歩めるほど、強くなれなかったから。 54 00:10:28,980 --> 00:10:39,950 あなたは弱くなんかないわ。あなたが本当に弱かったなら、 私を書き出すよりも前に、あなたはとっくに書くことなんてやめてしまっていた。そうでしょ? 55 00:10:43,350 --> 00:10:52,270 あなたはいつも真剣で真面目。 私の手を離れてから、あなたは多くの人たちの力を得て変わったんですね。 56 00:10:52,730 --> 00:10:54,230 変わってなんか。 57 00:10:55,610 --> 00:11:03,568 あなたは確かに私が作ったアルタイル。だけど、 あなたはもう私だけのアルタイルじゃないのです。 58 00:11:03,580 --> 00:11:10,310 みんなに愛してもらえたからこそ、 あなたは無限の能力を、無敵の力を手に入れた。 59 00:11:11,910 --> 00:11:22,510 私にもし役割があるのなら、それは悪者よ。主人公じゃないわ。 私はその人たちもろとも、世界を無に変えそうとしているんだもの。 60 00:11:23,250 --> 00:11:37,370 あなたは悪なのかもしれない。世界を滅ぼす悪者。でもあなたは当時に、 弱き者の王様、弱き者の騎士、そうやってあなたを見る人がたくさんいたのです。 61 00:11:38,670 --> 00:11:54,030 正義や悪なんかじゃないのです。正しいとか間違ってるとかでもないんです。 あなたの意志を、そのあり方を、物語として受け入れてくれた、共感してくれたのです。 62 00:11:54,031 --> 00:12:04,888 あなたのホロプシコンは、私がきっかけだったけど、 あなたを作った人たち、そして受け入れてくれた人たちが育て上げた、 63 00:12:04,900 --> 00:12:14,410 無限の力。私の弱い部分を救い上げて、 とても強い力へ変換してくれる。それがあなたの本当の力なのです。 64 00:12:15,390 --> 00:12:24,830 私みたいな、どこかで折れてしまいそうな人たちに、 この世界でもう一歩だけ進むための力を、あなたが与えてくれるんです。 65 00:12:26,280 --> 00:12:41,190 世界に耐えて、世界を愛して許せないと思うなら、許さなくてもいい、 好きになれなくてもいい。でも、そんな世界を全部含めて、もう一度抱きしめるって。 66 00:12:43,030 --> 00:12:54,630 それがきっと、世界を作ることなんだと、私思うのです。 私は結局、最後までそうすることができなかったけれど。 67 00:12:58,070 --> 00:12:59,070 何の音? 68 00:12:59,550 --> 00:13:00,550 電車だと? 69 00:13:01,650 --> 00:13:09,523 彼女の限界は、奇跡の上に立っている。 ここにはないはずの駅舎。ホームまで含めて限界したのは、 70 00:13:09,535 --> 00:13:17,070 その最後の状況、そのもののトレースであるかも。 だとすれば、これは唐突に終わりを告げる。 71 00:13:31,320 --> 00:13:46,610 私は本当なら、ここにいちゃいけないのです。これは、奇跡。 あなたのいた物語なら許されるけど、私の世界では起きてはいけない。歪んだ奇跡。だから。 72 00:13:55,880 --> 00:14:04,640 うちのホームに御手をください。電車が通過します。風呂線の内側までお探しください。 73 00:14:08,075 --> 00:14:20,360 私は呪いを授けてしまったかもしれない。でも、この世界にあなたをかけて、本当によかった。 あなたがみんなに愛されていることが分かって、私は本当に幸せでした。 74 00:14:20,880 --> 00:14:22,660 本当によかった。 75 00:14:28,285 --> 00:14:34,910 それをあなたに伝えられて、本当によかった。私もあなたが大好きです。 76 00:14:36,665 --> 00:14:37,690 セツナー! 77 00:14:42,470 --> 00:14:46,550 ホロプシコン第23楽章、インガサイチク! 78 00:14:54,410 --> 00:15:04,370 賞人力。 いや、すべての観客たちの感情が、アルタイルの力に直結し、その能力値を変動させている。 79 00:15:06,070 --> 00:15:17,830 私はあなたに再び会えた。私はもう、あなたの知る私ではないし、 あなたは私の知るあなたではないかもしれないけれど、 それでも、私たちはもう一度会うことができた。 80 00:15:21,750 --> 00:15:34,490 あなたが世界から切り落とされてしまったこの絶対の0.5秒を、 私なら、あなたが書いてくれた今のこの私なら、救い上げることができる! 81 00:15:36,810 --> 00:15:48,250 ダメ、アルタイル。私は世界の一番大事な決まりをねじ曲げてここにいるの。 このままじゃ、すべてが終わってしまう。 82 00:15:48,400 --> 00:15:54,790 そんなことさせない!私があなたの物語を、途切れてしまったあなたの物語を作る! 83 00:15:55,870 --> 00:16:05,130 あなたのくれた私の能力はホロプシコン。それはインがねじ曲げるだけじゃない。 無から有を構成することもできる無限の能力! 84 00:16:05,970 --> 00:16:12,530 あなたの作ってくれた私は、世界を作り出すこともできるのだから! 85 00:16:24,610 --> 00:16:25,610 これは! 86 00:16:33,455 --> 00:16:52,120 情熱と絶望と、悪い願いも良い願いも、全部そんな衝動の中に含まれて。 そして物語は、誰かの心に根ざして、その人の世界を変える。そうよね、セツナ。 87 00:16:53,000 --> 00:17:08,600 ええ、ささやかだけど、とても美しい景色へと。でも、それを作り出すことは孤独なこと。 自分と世界に傷を残して、ここにいたって印を残すことと同じ。 88 00:17:09,580 --> 00:17:26,480 でも、あなただってそうやって私を作った。 あなたがいることがこの世界を歪ませてしまうのなら、 別の世界で、別の物語の中で、私はあなたのための天地を作るわ。 89 00:17:32,200 --> 00:17:48,020 ずっと、今度は、望まれるその最後まで。そしてあなたは、私の作る物語の中で、 私の物語を綴る。私とあなたで無限の物語を、無限の世界を、そして、万物はルテンする。 90 00:17:49,940 --> 00:17:55,300 あなたと私で神様になろうって、そう言ってるんですか、アルタイル? 91 00:17:56,580 --> 00:17:58,480 あなたと私なら平気よ。 92 00:18:12,360 --> 00:18:21,820 気づきませんでした。このメガネは私のものじゃないのです。 93 00:18:26,120 --> 00:18:45,730 ああ、そうだったんですね。これはね、アルタイル。とてもとても大事なものなのです。 94 00:18:50,370 --> 00:19:01,160 そう。このメガネをかけていた人、その人に見てもらいたくて、私はあなたを描いたんですよ。 95 00:19:07,290 --> 00:19:25,030 島崎さん、僕は、君に言わなきゃいけないことが、たくさんあるんだ。 本当に、どうしようもなく、たくさん。君は凄かった。本当に凄いものが作れる人だった。 96 00:19:26,010 --> 00:19:42,830 でも僕は、だからこそ君と並んで歩いてはいけないことに気づいていて、それが本当に怖くて、 だから、僕は君を助けなかったんだ。そうすれば、僕は君と一緒にいられると思って。 97 00:19:44,905 --> 00:19:52,210 でもそれは違うんだ。止まるんじゃない。進むことで君と同じ景色を見たいと思っていたのに。 98 00:19:54,270 --> 00:20:07,698 でも、僕は止まってしまった。でも、僕はやっぱり君が見ていた景色を見たくて、 だから、松原さん、マリネさん、中野姉さん、八刀寺さん、 99 00:20:07,710 --> 00:20:20,310 駿河さん、宝田さん、オーディスさん、それに、 君のアルタイルが連れてきた人達、そんなみんなに助けてもらってここに来たんだ。 100 00:20:21,550 --> 00:20:54,440 君が見ていたその景色を、今度こそ見るために、僕は君を描いたんだ。 僕が今できることを全部詰め込んで、僕が知っていた君を、僕は描き上げた。 101 00:21:01,700 --> 00:21:16,540 七崎さん、君を作った僕は、君に追いつけただろうか。 102 00:21:54,370 --> 00:21:59,250 1、2、1、ありがとう! 103 00:22:53,890 --> 00:23:05,890 僕に隠して、一人で歩こう帰り道。涙をこらえた。 104 00:23:07,630 --> 00:23:34,680 大丈夫だよ、あの日の君の声が、今も変わらず響いてる。 そして、 やっと気づいたんだ。ひとりじゃないんだ。 遠く離れてんだ。そこにいる。ここにいる。