1 00:00:05,672 --> 00:00:07,674 (デューク)メル。 2 00:00:07,674 --> 00:00:10,344 (メル)さっすが あるじ! 気配を消してたのに➡ 3 00:00:10,344 --> 00:00:12,346 すぐ わかっちゃうんだもん。 4 00:00:12,346 --> 00:00:14,681 首尾は? (メル)バッチリ。 5 00:00:14,681 --> 00:00:18,352 彼の人に あるじの依頼は 伝えておいたよ~。 6 00:00:18,352 --> 00:00:22,356 でも これってホント意味あるの? 7 00:00:24,358 --> 00:00:26,360 (デューク)どうかな。 8 00:02:14,835 --> 00:02:16,837 (アリシア)ロアナ村…。 9 00:02:16,837 --> 00:02:20,507 お屋敷の裏の森から 行けなくはないわね。 10 00:02:20,507 --> 00:02:25,512 《王様に 「ロアナ村は明日のパンも 買えない」なんて言ったけど➡ 11 00:02:25,512 --> 00:02:28,348 すべては本の知識でしかない》 12 00:02:28,348 --> 00:02:33,020 悪女たるもの ちゃんと自分の目で 見ておかなくっちゃね。 13 00:02:33,020 --> 00:02:35,522 《ただ問題なのは 絶対に➡ 14 00:02:35,522 --> 00:02:38,525 許可されない ってことよね。 う~ん…》 15 00:02:38,525 --> 00:02:41,328 つまり こっそり行くしかないわ! 16 00:02:47,534 --> 00:02:49,536 (獣の鳴き声) 17 00:02:49,536 --> 00:02:51,538 ひゃあっ! 18 00:02:51,538 --> 00:02:55,042 怖っ… いいえ 私は悪女よ。 19 00:02:55,042 --> 00:02:58,345 夜の森程度で ビビってられないわ! 20 00:03:00,647 --> 00:03:05,318 《ロアナ村 かつて 大罪人を閉じ込めるために➡ 21 00:03:05,318 --> 00:03:08,321 魔法の障壁で囲まれた土地。 22 00:03:08,321 --> 00:03:13,827 でも 魔力のある私なら その障壁を通れる… のよね?》 23 00:03:13,827 --> 00:03:17,030 あっ。 もしかして あれが…。 24 00:03:20,834 --> 00:03:23,003 (アリシア)ここが…。 25 00:03:23,003 --> 00:03:25,005 臭っ。 26 00:03:29,509 --> 00:03:31,678 《倒れてるわけじゃない。 27 00:03:31,678 --> 00:03:35,015 家がない人が地面で寝ているのね。 28 00:03:35,015 --> 00:03:37,617 ここまでひどい状態だなんて》 29 00:03:40,020 --> 00:03:42,355 《貴族だとバレたら殺される》 30 00:03:42,355 --> 00:03:45,525 お嬢さん。 31 00:03:45,525 --> 00:03:49,029 《この人 目が…》 32 00:03:49,029 --> 00:03:53,366 (ウィル)怖がらなくてよい。 剣は抜かないほうが賢明だ。 33 00:03:53,366 --> 00:03:58,538 ここで不用意にそれを見せると かえって目立ってしまう。 34 00:03:58,538 --> 00:04:02,809 お嬢さんは外の子だろう? なぜ ここに? 35 00:04:02,809 --> 00:04:06,813 自分の目で見なくちゃって 思ったんです。 36 00:04:06,813 --> 00:04:09,816 フン… ついてきなさい。 37 00:04:18,658 --> 00:04:22,329 さて 何を知りたいのかな。 38 00:04:22,329 --> 00:04:25,332 あの あなたは いったい…? 39 00:04:25,332 --> 00:04:31,171 わしの名はウィル。 ただのウィルじゃよ 貴族のお嬢さん。 40 00:04:31,171 --> 00:04:34,341 どうして わかるんですか!? 目だって…。 41 00:04:34,341 --> 00:04:36,676 あっ ごめんなさい。 42 00:04:36,676 --> 00:04:40,680 かまわんよ 目が見えなくても わかることは多い。 43 00:04:40,680 --> 00:04:42,682 例えば 音。 44 00:04:42,682 --> 00:04:46,853 お嬢さんの足音は 左右でわずかに差があった。 45 00:04:46,853 --> 00:04:50,023 それは重心が 中心にないということじゃ。 46 00:04:50,023 --> 00:04:53,026 つまり剣を下げている。 47 00:04:53,026 --> 00:04:55,862 きぬずれの音から 女性とわかるし➡ 48 00:04:55,862 --> 00:04:59,866 香りも ここらにはない 清潔感のあるもの。 49 00:04:59,866 --> 00:05:02,803 村に外から入ってくる ということは➡ 50 00:05:02,803 --> 00:05:06,473 魔力がある貴族という証しじゃ。 51 00:05:06,473 --> 00:05:08,642 目が見えていた頃は➡ 52 00:05:08,642 --> 00:05:12,646 そういった者たちに 囲まれておったからな。 53 00:05:12,646 --> 00:05:15,982 知らない気配じゃないのも 手がかりとなったのじゃ。 54 00:05:15,982 --> 00:05:18,151 貴族だったんですか!? 55 00:05:18,151 --> 00:05:21,154 王宮で働いておったが➡ 56 00:05:21,154 --> 00:05:25,158 偉い人に反論して 怒りを買ってしまっての…。 57 00:05:25,158 --> 00:05:30,330 目を奪われ この村に流された。 昔の話じゃ。 58 00:05:30,330 --> 00:05:33,333 そんな…。 何をおっしゃったのですか? 59 00:05:33,333 --> 00:05:36,503 そうじゃな… 君の名前は? 60 00:05:36,503 --> 00:05:39,839 アリシアです。 よい名だ。 61 00:05:39,839 --> 00:05:44,511 長く守られた伝統が 現代でも正しいとは限らない。 62 00:05:44,511 --> 00:05:46,513 そういう話じゃ。 63 00:05:46,513 --> 00:05:49,349 過去の歴史を学ぶのは なぜだと思う? 64 00:05:49,349 --> 00:05:52,853 今をよりよくするためじゃ。 65 00:05:52,853 --> 00:05:55,689 いくら 本で知識を得たところで➡ 66 00:05:55,689 --> 00:05:59,192 未来に生かせなければ意味がない。 67 00:05:59,192 --> 00:06:01,294 《アリシア:こんなすごい人が➡ 68 00:06:01,294 --> 00:06:03,964 王宮から 追い出されてしまったなんて…》 69 00:06:03,964 --> 00:06:06,132 貴族が憎いですか? 70 00:06:06,132 --> 00:06:09,636 憎くないと言えば ウソになる。 だが…。 71 00:06:09,636 --> 00:06:15,141 わしの行動を誰かが 理解してくれる日は必ず来る。 72 00:06:15,141 --> 00:06:18,478 次は お嬢さんの話を 聞かせておくれ。 73 00:06:18,478 --> 00:06:21,815 なぜ 自分の目で見ようと 思ったのか。 74 00:06:21,815 --> 00:06:24,484 私は 私は…。 75 00:06:24,484 --> 00:06:28,488 《気が付けば 私は 悪女になりたいという夢まで➡ 76 00:06:28,488 --> 00:06:31,491 包み隠さず話してしまっていた。 77 00:06:31,491 --> 00:06:36,496 ウィルおじいさんは穏やかな顔で 話を聞いてくれた》 78 00:06:36,496 --> 00:06:39,833 私 きっとまた来ます。 79 00:06:39,833 --> 00:06:42,669 いけないよ ここは危険じゃ。 80 00:06:42,669 --> 00:06:45,672 止めても無駄ですわ。 81 00:06:45,672 --> 00:06:49,676 《困らせているのは わかる。 でも これきりにはしたくない。 82 00:06:49,676 --> 00:06:52,345 こんな人 他にはいないわ》 83 00:06:52,345 --> 00:06:56,049 どうしてもと言うのなら 夜に。 84 00:07:06,293 --> 00:07:11,798 《それから… 2年がたった》 85 00:07:11,798 --> 00:07:15,302 大人になるって 大変ね…。 86 00:07:17,637 --> 00:07:21,975 わあ~! 私 天才だわ~! 天才ちゃんだわ~! 87 00:07:21,975 --> 00:07:25,645 《この2年 私は変わらず本を読み➡ 88 00:07:25,645 --> 00:07:27,647 剣を習い➡ 89 00:07:27,647 --> 00:07:30,317 ウィルおじいさんに 会いに行き続けた。 90 00:07:30,317 --> 00:07:32,652 変わったことといえば…。 91 00:07:32,652 --> 00:07:35,488 15歳になったアルバートお兄様が➡ 92 00:07:35,488 --> 00:07:39,492 ゲームの舞台になる魔法学園に 入学した。 93 00:07:39,492 --> 00:07:42,829 ヒロインとデューク様も きっと出会っているわよね。 94 00:07:42,829 --> 00:07:45,332 もう惹かれ始めているかも…》 95 00:07:45,332 --> 00:07:49,502 悪役令嬢として対立する日が 待ち遠しいわね。 96 00:07:49,502 --> 00:07:51,838 (エリック)アリシア! 97 00:07:51,838 --> 00:07:53,840 今日は街に行ってみないか? 98 00:07:53,840 --> 00:07:56,843 エリック様 行ってみたいですわ。 99 00:07:56,843 --> 00:08:00,613 (ヘンリ)あっ コラ! 二人っきりはダメだ。 俺も行く。 100 00:08:00,613 --> 00:08:02,615 じゃあ アランも? 101 00:08:02,615 --> 00:08:04,617 アイツは まだ勉強中。 102 00:08:04,617 --> 00:08:08,455 (エリック)へえ~ 双子でも別行動するんだな。 103 00:08:08,455 --> 00:08:11,291 (アリシア)わあ~。 104 00:08:11,291 --> 00:08:14,627 見たいところはあるかい? 105 00:08:14,627 --> 00:08:19,466 んっ? ああ あそこは 知り合いの店なんだ。 106 00:08:19,466 --> 00:08:22,635 (エリック)こんにちは! (ポール)いらっしゃいませ。 107 00:08:22,635 --> 00:08:26,473 やあ エリックにヘンリ。 おや お嬢さんは? 108 00:08:26,473 --> 00:08:28,475 アリシアです。 109 00:08:28,475 --> 00:08:30,977 ああ ヘンリの妹さんか! 110 00:08:30,977 --> 00:08:34,981 僕は店長のポール。 植物店へようこそ。 111 00:08:34,981 --> 00:08:40,653 うちは 薬草が主になるかな。 僕は緑の魔法の家系でね。 112 00:08:40,653 --> 00:08:45,992 貴族なのですか? ハハハッ 気楽な下級貴族だよ。 113 00:08:45,992 --> 00:08:51,331 植物はすごいんだ。 病を治し 心を癒やす力がある。 114 00:08:51,331 --> 00:08:55,001 僕は その知識を得る環境に 生まれたからね。 115 00:08:55,001 --> 00:09:00,106 何か人の助けになることに 使いたくて この店を始めたんだ。 116 00:09:00,106 --> 00:09:03,777 《アリシア:知識を生かすって こういうことを言うんだわ》 117 00:09:03,777 --> 00:09:05,779 (ポール)例えば これなんか…。 118 00:09:05,779 --> 00:09:09,115 (アリシア)ジョザイア! 煎じたものを ひとさじのめば➡ 119 00:09:09,115 --> 00:09:11,618 どんな高熱も たちまち下がるという➡ 120 00:09:11,618 --> 00:09:13,620 貴重な薬草ですよね! 121 00:09:13,620 --> 00:09:16,956 詳しいんだね。 植物が好きなのかい? 122 00:09:16,956 --> 00:09:19,125 このくらい常識でしょう。 123 00:09:19,125 --> 00:09:23,129 知らないとしたら 勉強不足ですわ! 124 00:09:23,129 --> 00:09:26,299 《決まった! まさに悪役令嬢! 125 00:09:26,299 --> 00:09:29,636 「たくさん本を読んだので 知っていたんです」なんて➡ 126 00:09:29,636 --> 00:09:32,639 ヒロインみたいな努力アピールは しないわ》 127 00:09:34,641 --> 00:09:37,811 フッ… ハッハハ そうか常識か。 128 00:09:37,811 --> 00:09:42,982 《あら…? 悪女らしい振る舞いは まだまだ研さんが必要ね》 129 00:09:42,982 --> 00:09:45,318 賢いお嬢さんじゃないか。 130 00:09:45,318 --> 00:09:48,822 エリック もたもたしていると ライバルが増えるぞ。 131 00:09:48,822 --> 00:09:51,157 えっ。 なっ ダメだ! 132 00:09:51,157 --> 00:09:53,159 妹は渡さないからな! 133 00:09:53,159 --> 00:09:57,163 (アルバート)3人でお出かけか。 楽しかったかい? アリ。 134 00:09:57,163 --> 00:10:01,334 はい。 (カーティス)いいな~ アリちゃんとデート。 135 00:10:01,334 --> 00:10:03,837 うわっ 何 その目…。 136 00:10:03,837 --> 00:10:07,507 ねぇ 今度は俺と出かけようよ。 137 00:10:07,507 --> 00:10:10,844 どこか行きたいところとか したいこととか ある? 138 00:10:10,844 --> 00:10:13,179 したいこと…。 139 00:10:13,179 --> 00:10:17,016 そうですわ! 私 剣術のテストを受けたいのです! 140 00:10:17,016 --> 00:10:20,019 剣? (アルバート)アリシア! 141 00:10:20,019 --> 00:10:22,355 鍛錬の成果を試したいのに➡ 142 00:10:22,355 --> 00:10:26,359 お父様もお兄様たちも 絶対ダメの一点張り。 143 00:10:26,359 --> 00:10:30,864 おかしいでしょう? アリは まだ10歳で女の子だ。 144 00:10:30,864 --> 00:10:34,701 お兄様たちは 私の年には 受けていらっしゃいましたわ。 145 00:10:34,701 --> 00:10:38,204 性別の規定だって…。 ダメなものはダメだ! 146 00:10:38,204 --> 00:10:41,875 そうおっしゃるなら 納得のいく説明をしてください。 147 00:10:41,875 --> 00:10:43,877 いいかげんにしないか! 148 00:10:45,879 --> 00:10:48,681 あっ すまない…。 149 00:10:51,551 --> 00:10:55,722 絶対に引きませんわ。 納得がいきませんもの! 150 00:10:55,722 --> 00:10:57,724 (扉の閉まる音) 151 00:10:59,726 --> 00:11:01,661 フフン。 152 00:11:01,661 --> 00:11:03,663 《今のは かなり➡ 153 00:11:03,663 --> 00:11:05,665 悪女っぽかったんじゃ ないかしら》 154 00:11:14,674 --> 00:11:17,343 (アルバート)いつまでもダメでは 納得しないでしょう。 155 00:11:17,343 --> 00:11:22,348 (アーノルド)だが アリシアに 本当の理由を話すのはな…。 156 00:11:22,348 --> 00:11:24,517 聞かせてください! 157 00:11:24,517 --> 00:11:26,519 アリシア!? 158 00:11:26,519 --> 00:11:29,522 子ども扱いしないでください! 159 00:11:29,522 --> 00:11:33,526 (アーノルド)アリシア お前は まだ子どもなんだ。 160 00:11:33,526 --> 00:11:38,364 父親として かわいい娘の 心配をさせてくれないか。 161 00:11:38,364 --> 00:11:40,366 でも…。 162 00:11:40,366 --> 00:11:44,037 じゃあ 約束しよう。 お前が15歳になって➡ 163 00:11:44,037 --> 00:11:47,540 魔法学園に 入学するときが来たら話そう。 164 00:11:47,540 --> 00:11:50,043 それでどうかな? 165 00:11:50,043 --> 00:11:53,646 わかりましたわ 約束ですからね。 166 00:11:55,715 --> 00:11:59,552 はあ…。 時間稼ぎでしかないことは➡ 167 00:11:59,552 --> 00:12:02,055 わかっているよ。 だが…。 168 00:12:03,990 --> 00:12:07,994 (アーノルド)あの子の剣術は もはや とても子どもの域ではない。 169 00:12:07,994 --> 00:12:12,832 公式のテストを受けさせたら よくも悪くも注目の的だ。 170 00:12:12,832 --> 00:12:14,834 ですが…。 171 00:12:14,834 --> 00:12:16,836 あのときのことも すでに➡ 172 00:12:16,836 --> 00:12:20,006 五大貴族の当主たちに 伝わっているはずです。 173 00:12:20,006 --> 00:12:23,509 そう長く隠せるとも 思えませんが…。 174 00:12:23,509 --> 00:12:26,846 (アーノルド)だが せめて 幼いうちだけでも➡ 175 00:12:26,846 --> 00:12:30,183 普通の子として 暮らしてほしいんだよ。 176 00:12:30,183 --> 00:12:32,185 《アリシア:あ~ もう! 177 00:12:32,185 --> 00:12:37,023 子ども 子どもって! わかっているわ 10歳は子どもよ。 178 00:12:37,023 --> 00:12:39,359 最高の悪女になるために➡ 179 00:12:39,359 --> 00:12:42,195 少しだって 時間を無駄にしたくないのに。 180 00:12:42,195 --> 00:12:45,531 ウィルおじいさんに 話を聞いてもらいましょ。 181 00:12:45,531 --> 00:12:48,635 気持ちの整理がつくかも…》 182 00:12:51,704 --> 00:12:54,374 《昼に訪ねるのは初めてだわ。 183 00:12:54,374 --> 00:12:57,043 ウィルおじいさんは家にいるかしら》 184 00:12:57,043 --> 00:12:59,145 ふざけんじゃねえぞ テメエ! 185 00:13:01,147 --> 00:13:03,149 ウッ! グッ! 186 00:13:05,151 --> 00:13:09,322 《アリシア:これが本当のロアナ村の姿…。 187 00:13:09,322 --> 00:13:12,325 夜来たときには わからなかった》 188 00:13:14,327 --> 00:13:16,529 おいおい もう終わりか!? 189 00:13:20,667 --> 00:13:23,503 おい 動かねえぞ。 死んだんじゃねえの。 190 00:13:23,503 --> 00:13:26,172 寝てんじゃねえよ! 191 00:13:26,172 --> 00:13:29,842 (ウィル)アリシア! なぜ こんな時間に来たんじゃ! 192 00:13:29,842 --> 00:13:33,680 だっ だって 小さな子どもが…! 193 00:13:33,680 --> 00:13:38,084 行ってどうする気じゃ。 お前さんも同じ子どもじゃ。 194 00:13:41,688 --> 00:13:45,024 (ジル)グッ… ウッ…。 195 00:13:45,024 --> 00:13:47,193 助かりますか? 196 00:13:47,193 --> 00:13:50,363 この子の体力では もたないじゃろう。 197 00:13:50,363 --> 00:13:55,034 そんな…。 ロアナ村では 珍しくもないことじゃ。 198 00:13:55,034 --> 00:13:58,037 ここには まともな薬もない。 199 00:13:58,037 --> 00:14:03,643 わしは 子どもたちを集めて 字や算術を教えておっての。 200 00:14:03,643 --> 00:14:06,979 この子 ジルは孤児なんじゃが…。 201 00:14:06,979 --> 00:14:09,148 まだ6歳だというのに➡ 202 00:14:09,148 --> 00:14:12,985 大人のわしも舌を巻くほど そうめいなんじゃ。 203 00:14:12,985 --> 00:14:15,655 ちゃんとした教育を 受けられれば➡ 204 00:14:15,655 --> 00:14:18,991 さぞ優秀な人物になったろう。 205 00:14:18,991 --> 00:14:21,994 罪人の流刑地である この村では➡ 206 00:14:21,994 --> 00:14:26,332 生まれた子孫たちも 一生 罪人と決められておる。 207 00:14:26,332 --> 00:14:29,502 悔しいが わしらには どうにもできない。 208 00:14:29,502 --> 00:14:34,006 アリシア 自分を責めてはいけないよ。 209 00:14:34,006 --> 00:14:36,509 《アリシア:何不自由ない生活➡ 210 00:14:36,509 --> 00:14:40,680 高度な学習環境 優しい家族…。 211 00:14:40,680 --> 00:14:44,350 生まれた場所が違うだけで こんなにも違う。 212 00:14:44,350 --> 00:14:46,853 こんなに恵まれた立場なのに➡ 213 00:14:46,853 --> 00:14:50,022 普通の女の子みたいに 守ってもらって…。 214 00:14:50,022 --> 00:14:52,191 なんて ふがいない。 215 00:14:52,191 --> 00:14:54,360 人助けがしたいわけじゃない。 216 00:14:54,360 --> 00:14:57,697 悪女のすることじゃないもの。 でも…。 217 00:14:57,697 --> 00:15:00,466 ヒロインなら きっと救った。 218 00:15:00,466 --> 00:15:05,972 ヒロインにできて ライバルである 悪役令嬢にできないなんて恥よ。 219 00:15:05,972 --> 00:15:09,809 子どもだとか 無力だとか 言っていられない。 220 00:15:09,809 --> 00:15:13,312 だって 私がなりたいのは…》 221 00:15:13,312 --> 00:15:16,149 ごきげんよう ポールさん! 222 00:15:16,149 --> 00:15:19,152 ジョザイアを 分けていただけないでしょうか。 223 00:15:19,152 --> 00:15:23,322 解熱薬がいるのかい? 誰か病気かケガを? 224 00:15:23,322 --> 00:15:26,626 ロ… いえ その…。 225 00:15:28,661 --> 00:15:32,832 はい ジョザイア。 水に溶いて のませるんだよ。 226 00:15:32,832 --> 00:15:36,002 えっ… あっ ありがとうございます。 227 00:15:36,002 --> 00:15:38,004 あの お代を…。 228 00:15:38,004 --> 00:15:40,006 いいよ。 えっ。 229 00:15:40,006 --> 00:15:42,008 今回はサービスしちゃおう。 230 00:15:42,008 --> 00:15:46,179 そのかわり これからも うちを ひいきにしておくれよ。 231 00:15:46,179 --> 00:15:49,182 はい! ありがとうございます! 232 00:15:51,184 --> 00:15:55,521 (ウィル)傷が治ったわけではないが 一命は取り留めた。 233 00:15:55,521 --> 00:15:58,024 ありがとう アリシア。 234 00:15:58,024 --> 00:16:02,128 ウィルおじいさん 私は無力です。 235 00:16:02,128 --> 00:16:06,632 最高の悪女になるため 努力を重ねたつもりです。 236 00:16:06,632 --> 00:16:08,968 でも いざというときに 動けなければ➡ 237 00:16:08,968 --> 00:16:10,970 なんの意味もない。 238 00:16:10,970 --> 00:16:14,640 これからは より一層 歴史に残る悪女を目指して➡ 239 00:16:14,640 --> 00:16:17,977 全力で鍛錬に励みますわ! 240 00:16:17,977 --> 00:16:19,979 あく じょ…? 241 00:16:19,979 --> 00:16:23,482 《アリシア:今日こそは 魔法書を見つけてみせる》 242 00:16:23,482 --> 00:16:27,286 魔法を極めてこそ 最高の悪女よ! 243 00:16:29,822 --> 00:16:31,991 え…? 244 00:16:31,991 --> 00:16:34,994 こんな区画 あったかしら。 245 00:16:36,996 --> 00:16:38,998 これ…。 246 00:16:38,998 --> 00:16:42,668 魔法の本! この辺り…。 247 00:16:42,668 --> 00:16:45,171 全部 魔法書だわ! 248 00:16:45,171 --> 00:16:47,673 見落としていたなんて 情けない! 249 00:16:47,673 --> 00:16:50,877 さあ 悪女を 駆け上がっていくわよ! 250 00:16:53,846 --> 00:16:56,515 《魔法には レベルがあるのよね。 251 00:16:56,515 --> 00:17:00,453 レベル50以降は 五大貴族の魔力が必要。 252 00:17:00,453 --> 00:17:03,289 記載されている最高レベルは100。 253 00:17:03,289 --> 00:17:09,128 でも ゲームでは ヒロインとデューク様が レベル100を超えるエピソードがあったわ。 254 00:17:09,128 --> 00:17:11,464 悪役令嬢の私は➡ 255 00:17:11,464 --> 00:17:14,634 ヒロインには届かないように できているかもしれない。 256 00:17:14,634 --> 00:17:18,304 でも そんなの 努力しない理由にはならないわ。 257 00:17:18,304 --> 00:17:21,107 やってみないと わからないもの》 258 00:17:23,476 --> 00:17:26,979 まずは レベル1の 物を浮かせる魔法よ。 259 00:17:26,979 --> 00:17:29,148 体内の魔力を意識して➡ 260 00:17:29,148 --> 00:17:31,317 指先に集める…。 261 00:17:31,317 --> 00:17:35,321 《呪文もなくて なんだか抽象的ね。 262 00:17:35,321 --> 00:17:37,323 浮かびなさい!》 263 00:17:39,659 --> 00:17:41,661 浮いてるわ! 264 00:17:41,661 --> 00:17:46,165 本当に魔法が使えた! すごいわ! 265 00:17:46,165 --> 00:17:48,167 ギャッ! 266 00:17:48,167 --> 00:17:51,170 つっ… 使いこなすには 練習が必要ね。 267 00:17:51,170 --> 00:17:53,673 よ~し 燃えてきたわ! 268 00:17:53,673 --> 00:17:56,375 ガンガン習得してみせるわよ! 269 00:17:58,511 --> 00:18:09,956 ♪~ 270 00:18:09,956 --> 00:18:14,460 やったわ! レベル5 物を動かす魔法。 271 00:18:14,460 --> 00:18:18,798 これだけ動かせたら マスターしたと言ってもいいわよね。 272 00:18:18,798 --> 00:18:20,967 あっ…。 273 00:18:20,967 --> 00:18:25,972 《練習に睡眠時間を削ったせいか 体が重いわ。 274 00:18:25,972 --> 00:18:28,140 頭痛も続いているし…》 275 00:18:28,140 --> 00:18:32,979 きっと 体力が足りないのね。 筋トレを増やそうかしら。 276 00:18:32,979 --> 00:18:37,984 《とりあえず5分休憩して 次のレベルを…》 277 00:18:37,984 --> 00:18:40,152 (アーノルド)アリシア! 278 00:18:40,152 --> 00:18:43,322 国王陛下が私に会いに? 279 00:18:43,322 --> 00:18:45,825 ああ 急なことだが…。 280 00:18:45,825 --> 00:18:49,996 お前と話がしたいと…。 《2年ぶりの悪女試練 到来ね!》 281 00:18:49,996 --> 00:18:52,832 (デューク)どうして アリシアとお会いになるのですか? 282 00:18:52,832 --> 00:18:55,668 (ルーク)久しぶりに 話が聞きたくてね。 283 00:18:55,668 --> 00:18:57,670 それだけですか? 284 00:18:57,670 --> 00:19:02,174 それだけだと思わなかったから 共に来たのだろう? 285 00:19:04,110 --> 00:19:08,447 再びお目にかかれ光栄ですわ 国王陛下。 286 00:19:08,447 --> 00:19:11,784 ああ アリシア 元気そうだな。 287 00:19:11,784 --> 00:19:14,453 《五大貴族が勢ぞろいなんて➡ 288 00:19:14,453 --> 00:19:17,456 すでに悪女としての評判が…?》 289 00:19:17,456 --> 00:19:22,294 早速だが アリシア 君はこの国が好きか? 290 00:19:22,294 --> 00:19:27,133 《どういう意味? 王様の質問は いつも意図がわからないわ》 291 00:19:27,133 --> 00:19:29,301 言い方を変えようか。 292 00:19:29,301 --> 00:19:31,971 この国のやり方を どう思っている? 293 00:19:31,971 --> 00:19:35,775 《悪女として どう答えるのが 正解かしら…》 294 00:19:38,477 --> 00:19:42,648 貴族優遇の制度が嫌いですわ。 295 00:19:42,648 --> 00:19:44,817 嫌い か…。 296 00:19:44,817 --> 00:19:47,153 ええ 大嫌いです。 297 00:19:47,153 --> 00:19:50,156 だって ただ貴族というだけで➡ 298 00:19:50,156 --> 00:19:53,659 無能な人間も 上に立つことになるでしょう? 299 00:19:53,659 --> 00:19:55,995 (ジョアン)我々を 侮辱しているのか! 300 00:19:55,995 --> 00:19:59,665 かまわん 続けなさい。 陛下! 301 00:19:59,665 --> 00:20:03,502 失礼を。 全員がそうとは申しませんわ。 302 00:20:03,502 --> 00:20:07,006 ですが 貴族の条件は 魔力があること。 303 00:20:07,006 --> 00:20:10,342 魔力と政治の能力は別でしょう。 304 00:20:10,342 --> 00:20:15,181 どれだけ優秀であっても 平民には機会すら与えられない。 305 00:20:15,181 --> 00:20:17,683 魔力による身分制度で➡ 306 00:20:17,683 --> 00:20:20,686 どれだけの人材を 無駄にしているか。 307 00:20:20,686 --> 00:20:22,688 あまりの愚かさに➡ 308 00:20:22,688 --> 00:20:25,858 頭が痛くなりますわね。 フッ。 309 00:20:25,858 --> 00:20:28,694 いいかげん 口を慎みたまえ! 310 00:20:28,694 --> 00:20:33,032 (ネヴィル)まあ そう どならず。 相手は幼い女の子ですよ。 311 00:20:33,032 --> 00:20:35,868 《あまり大声で 話さないでほしいわ。 312 00:20:35,868 --> 00:20:39,872 頭が痛いのは事実なのよね…》 313 00:20:39,872 --> 00:20:42,708 父上 そろそろ…。 314 00:20:42,708 --> 00:20:46,545 では 最後に一つ聞くが アリシア➡ 315 00:20:46,545 --> 00:20:50,382 それは君自身にも 適用されると理解しているか? 316 00:20:50,382 --> 00:20:53,552 大貴族の位を 剥奪されてもかまわないと? 317 00:20:53,552 --> 00:20:57,056 ええ 当然ですわ。 (ざわめき) 318 00:20:57,056 --> 00:21:00,326 私は運よく この家に生まれただけです。 319 00:21:00,326 --> 00:21:02,828 優秀な人材を踏みつけてでも➡ 320 00:21:02,828 --> 00:21:07,333 地位を保障されたいだけなんて ぶざまなだけですもの。 321 00:21:07,333 --> 00:21:10,136 やはり 君は変わった子だ。 322 00:21:12,505 --> 00:21:14,840 《アリシア:やっと終わった…。 323 00:21:14,840 --> 00:21:18,677 悪女として正しい回答が できたのか わからないわ。 324 00:21:18,677 --> 00:21:22,581 今日はもう 休まないと…》 325 00:21:26,352 --> 00:21:29,355 アリシア!? アリシア! 326 00:21:29,355 --> 00:21:32,358 《デューク様?》 やっぱり 熱がある。 327 00:21:32,358 --> 00:21:35,361 デューク…。 328 00:21:35,361 --> 00:21:37,863 アリ!? (デューク)今 倒れたんだ。 329 00:21:37,863 --> 00:21:40,699 さっきから具合が悪そうだった。 330 00:21:40,699 --> 00:21:43,536 と… とりあえず寝室に。 331 00:21:43,536 --> 00:21:46,138 俺が運ぶ。 332 00:21:52,711 --> 00:21:55,381 デューク 様…? 333 00:21:55,381 --> 00:21:59,218 アリシア 気が付いたか? 334 00:21:59,218 --> 00:22:03,322 目が覚めたなら薬を。 のめるか? 335 00:22:03,322 --> 00:22:05,491 はあ… はあ…。 336 00:22:05,491 --> 00:22:09,495 アリシア 薬をのんでくれ 頼む。 337 00:22:09,495 --> 00:22:11,497 はあ… はあ…。 338 00:22:11,497 --> 00:22:14,500 すまない。 339 00:22:14,500 --> 00:22:16,669 《アリシア:え…? 340 00:22:16,669 --> 00:22:19,071 え…?》