1 00:00:06,340 --> 00:00:10,010 ♬(瑠璃)「タラッタララッタ タッタッタッ」 2 00:00:10,010 --> 00:00:13,180 ♬「割っるぞ割っるぞー ハンマーで」 3 00:00:13,180 --> 00:00:17,184 ♬「パッカンパッカン割りまくるぞー」 4 00:00:17,184 --> 00:00:20,854 凪さん 今日は これ 絶対 使うんだよね? 5 00:00:20,854 --> 00:00:23,857 (凪)ああ 使うよ。 しっかり割ってくれ。 6 00:00:23,857 --> 00:00:28,362 ンフッ! んでさ きれいな石 見つかるんだよね? 7 00:00:28,362 --> 00:00:30,864 採れるよ。 瑠璃も 気に入ると思う。 8 00:00:30,864 --> 00:00:34,034 よ~し! 根こそぎ 持って帰るぞ~! 9 00:00:34,034 --> 00:00:37,371 んっ? 10 00:00:37,371 --> 00:00:39,873 ああ 試掘跡か。 11 00:00:39,873 --> 00:00:43,377 シクツアト? 人工的に掘った穴だよ。 12 00:00:43,377 --> 00:00:46,213 鉱山として採掘するかどうか 試しに掘ったんだ。 13 00:00:46,213 --> 00:00:48,215 何を掘ってたの? 14 00:00:48,215 --> 00:00:50,550 正確な記録は 残っていないんだが➨ 15 00:00:50,550 --> 00:00:53,720 地元の人の話だと 金を狙っていたらしい。 16 00:00:53,720 --> 00:00:56,890 金!? この山 金が採れるの? 17 00:00:56,890 --> 00:00:59,559 んっ! ウフフフ! 掘った人は そう考えたのかもな。 18 00:00:59,559 --> 00:01:02,029 だが 結局 試掘で終わってるわけだし➨ 19 00:01:02,029 --> 00:01:04,531 そもそも 本当に 金を狙ってたかどうかは…。 20 00:01:04,531 --> 00:01:08,035 早く行かなきゃ! 金! 金! 金! 21 00:01:08,035 --> 00:01:10,003 アハハ…。 22 00:02:50,537 --> 00:02:53,540 ハァハァハァ…。 23 00:02:53,540 --> 00:02:56,543 ハァハァ…。 24 00:02:56,543 --> 00:03:01,648 凪さん こんな山奥の場所 自分で探したの? 25 00:03:01,648 --> 00:03:04,651 まさか。 ここは 歴代の先輩たちが➨ 26 00:03:04,651 --> 00:03:08,155 少しずつ 情報を集めて 見つけた場所の1つだ。 27 00:03:08,155 --> 00:03:10,323 今日 友人を案内すると言ったら➨ 28 00:03:10,323 --> 00:03:13,994 大学の研究室から いいサンプルを 採ってこいと言われたよ。 29 00:03:13,994 --> 00:03:18,665 私も 頑張って ここの情報収集に 貢献しないとな。 30 00:03:18,665 --> 00:03:20,667 また 少し 休むか? 31 00:03:20,667 --> 00:03:22,669 まだ 大丈夫! 32 00:03:27,374 --> 00:03:30,710 うわ~ おっきい岩。 33 00:03:30,710 --> 00:03:33,380 今日は ここで探すぞ。 フン! 34 00:03:37,718 --> 00:03:42,055 よ~し! 絶対に 金を見つけるぞ~! 35 00:03:42,055 --> 00:03:44,558 ふえ~…。 36 00:03:44,558 --> 00:03:46,726 ハァ… やっと…。 37 00:03:46,726 --> 00:03:50,063 ハァ… 5個… 割れた。 38 00:03:50,063 --> 00:03:52,065 なんも出ないし…。 39 00:03:52,065 --> 00:03:54,901 瑠璃は 無駄な力が入り過ぎだな。 40 00:03:54,901 --> 00:03:58,738 もっと こう… 持ち手の下のほうを持って➨ 41 00:03:58,738 --> 00:04:01,475 当てる瞬間に 手首を使うんだ。 42 00:04:01,475 --> 00:04:03,477 んっ… ハァ…。 43 00:04:06,146 --> 00:04:08,482 んっ…。 脇を締めて➨ 44 00:04:08,482 --> 00:04:10,984 もっと大きく振り上げてみろ。 んっ! 45 00:04:14,154 --> 00:04:16,823 あっ… さっきより 早く割れた。 46 00:04:16,823 --> 00:04:19,826 うまいぞ 腕も しっかり使えてる。 フッ! 47 00:04:19,826 --> 00:04:22,529 これで あとは 金を見つけるだけ! 48 00:04:24,831 --> 00:04:27,667 金を見つけたら どうしよっかな~? 49 00:04:27,667 --> 00:04:31,171 スマホを最新のにして 自転車も買い替えるでしょ。 50 00:04:31,171 --> 00:04:34,508 あと もちろん 毎日 朝から スイーツ…。 51 00:04:34,508 --> 00:04:36,510 あれ? 52 00:04:36,510 --> 00:04:40,180 凪さ~ん! やった やった~! うわっ なんだ? どうした? 53 00:04:40,180 --> 00:04:43,183 アハハハ! 見て 見て! 金が採れた! 54 00:04:43,183 --> 00:04:45,185 ああ 黄鉄鉱か。 55 00:04:45,185 --> 00:04:47,187 オーテッコ? 56 00:04:47,187 --> 00:04:50,690 鉄と硫黄の鉱物だ。 57 00:04:50,690 --> 00:04:52,692 違う! 鉄じゃないよ! んっ…。 58 00:04:52,692 --> 00:04:55,529 見て 金! 超金色! んっ… うっ うぅっ…。 59 00:04:55,529 --> 00:04:59,699 うん あまり いい結晶じゃないが 黄鉄鉱で間違いない。 60 00:04:59,699 --> 00:05:02,669 むぅ~! 色だって 金というより 真鍮に近いだろ? 61 00:05:02,669 --> 00:05:06,339 そんなこと言われても 全然 わかんないし! むぅ~! 62 00:05:06,339 --> 00:05:08,341 ちょっと待ってな。 63 00:05:08,341 --> 00:05:11,845 うぅ~…。 64 00:05:11,845 --> 00:05:13,813 んっ? およ? 65 00:05:16,516 --> 00:05:19,686 ちょっ! 何やってんの~!? 66 00:05:19,686 --> 00:05:24,024 フゥーフゥー…。 ほら。 んっ! 67 00:05:24,024 --> 00:05:27,194 今 その金色の部分を削ってみた。 68 00:05:27,194 --> 00:05:30,363 黒いだろ? これは 鉱物を粉末にした色➨ 69 00:05:30,363 --> 00:05:32,866 条痕色で判別する方法だ。 70 00:05:32,866 --> 00:05:35,869 水晶なら白だし 黄鉄鉱は黒。 71 00:05:35,869 --> 00:05:40,040 本物の金なら 金色で 黒くならない。 う~ん…。 72 00:05:40,040 --> 00:05:44,044 凪さんは 私を だまそうとしている。 はっ? 73 00:05:44,044 --> 00:05:46,213 私が知らないからって 適当 言って➨ 74 00:05:46,213 --> 00:05:49,716 金を独り占めするつもりだ! 困ったな。 75 00:05:49,716 --> 00:05:53,887 え~っと… 金色の部分を 指で こすってみな。 んっ? 76 00:05:56,223 --> 00:05:59,226 においを嗅いで。 (においを嗅ぐ音) 77 00:05:59,226 --> 00:06:02,629 ガッ! めっちゃ鉄臭い! 鉄だからな。 78 00:06:02,629 --> 00:06:06,132 毎日 3食 ケーキ食べ放題の予定が…。 79 00:06:06,132 --> 00:06:08,635 残念だったな。 でも 価値は? 80 00:06:08,635 --> 00:06:11,471 金ほどじゃなくても これだけ きれいなら 高かったり…。 81 00:06:11,471 --> 00:06:13,974 黄鉄鉱は よく見つかる鉱物だ。 82 00:06:13,974 --> 00:06:16,977 金銭的な意味での価値は 高くないな。 うっ…。 83 00:06:16,977 --> 00:06:19,813 もう! なんなの? この石は! こんな➨ 84 00:06:19,813 --> 00:06:23,149 期待させる見た目しておいて なんか いいとこないの!? 85 00:06:23,149 --> 00:06:26,820 う~ん 硫黄は 原油から 十分 採れてるし➨ 86 00:06:26,820 --> 00:06:30,156 鉄の材料としても 他にも優秀なのがあるから➨ 87 00:06:30,156 --> 00:06:33,326 工業的な取り引きも されてないしな。 88 00:06:33,326 --> 00:06:36,663 だが 結晶は きれいだ。 ぜひ 見つけてほしい。 89 00:06:36,663 --> 00:06:39,566 今更 そんなこと言われても…。 90 00:06:46,339 --> 00:06:48,341 はぁ~あ…。 91 00:06:51,177 --> 00:06:54,180 あっ…。 92 00:06:54,180 --> 00:06:57,183 んっ? 見つけたな。 93 00:06:57,183 --> 00:06:59,352 それが 黄鉄鉱の結晶だ。 94 00:06:59,352 --> 00:07:02,656 よく見てみな。 見事な さいころ形だろ? 95 00:07:02,656 --> 00:07:05,992 んっ…。 96 00:07:05,992 --> 00:07:07,994 えっ? これが 自然なの? 97 00:07:07,994 --> 00:07:10,830 四角すぎて すっごい違和感なんだけど。 98 00:07:10,830 --> 00:07:14,167 へぇ~。 いっ… 一応 取っとくか。 99 00:07:14,167 --> 00:07:16,536 探せば もっといいのも 見つかるぞ。 100 00:07:20,340 --> 00:07:23,843 フッ! ハァ…。 うわ~ こんなに採れちゃった。 101 00:07:23,843 --> 00:07:25,845 黄鉄鉱ばっかり。 102 00:07:25,845 --> 00:07:29,683 こんなに 金っぽいのに なんの価値もない石だしな~。 103 00:07:29,683 --> 00:07:33,520 これ 全部 金だったら 私 大金持ちなんだけど。 104 00:07:33,520 --> 00:07:35,522 んっ…。 って… あれ? 105 00:07:35,522 --> 00:07:38,858 凪さん 変なの 出た! んっ? 106 00:07:38,858 --> 00:07:41,861 ハッハッ ハッハッ ハッハッハッ…。 107 00:07:41,861 --> 00:07:46,533 この黄鉄鉱 さいころ形じゃないよ。 108 00:07:46,533 --> 00:07:48,535 うわっ! ちょっと よく見せてくれ。 109 00:07:48,535 --> 00:07:50,537 えっ? ここの黄鉄鉱➨ 110 00:07:50,537 --> 00:07:54,541 興味ないんじゃなかったの? いいか? 111 00:07:54,541 --> 00:07:57,043 結晶という物は 1つの鉱物に➨ 112 00:07:57,043 --> 00:07:59,379 複数のパターンがある物が多い。 113 00:07:59,379 --> 00:08:02,816 中でも 黄鉄鉱の場合は➨ 114 00:08:02,816 --> 00:08:06,319 立方体など 10種類以上のパターンがある。 115 00:08:06,319 --> 00:08:10,657 温度や圧力の違いの他 材料となる鉄と硫黄の濃度➨ 116 00:08:10,657 --> 00:08:13,460 他の鉱物の存在も 影響する。 117 00:08:13,460 --> 00:08:17,630 だが 普通 同じ産地なら 同じ形をしているものだ。 118 00:08:17,630 --> 00:08:20,967 だから ここでは さいころ形の 結晶のみが作られる…。 119 00:08:20,967 --> 00:08:23,002 と聞いていたんだが ここで➨ 120 00:08:23,002 --> 00:08:25,839 五角十二面体の産出は 初めて見たな。 121 00:08:25,839 --> 00:08:27,841 凪さんでも 初めて? 122 00:08:27,841 --> 00:08:31,511 黄鉄鉱の作られた環境が 予想と違っていたかな。 123 00:08:31,511 --> 00:08:34,848 で? この形って そんなに珍しいの? 高い? 124 00:08:34,848 --> 00:08:37,183 こればかりが見つかる産地もある。 125 00:08:37,183 --> 00:08:40,186 はぁ? じゃあ 結局 ただの黄鉄鉱? 126 00:08:40,186 --> 00:08:42,188 そんなことはないぞ。 んっ? 127 00:08:42,188 --> 00:08:44,357 ここで見つけたことに意味がある。 128 00:08:44,357 --> 00:08:46,526 ここにはないと思われていた物。 129 00:08:46,526 --> 00:08:49,195 それには 大きな価値があるんだよ。 130 00:08:49,195 --> 00:08:53,033 高く売れるってことだ! その価値とは別の話だ。 131 00:08:53,033 --> 00:08:55,368 例えば 金塊を見つけても➨ 132 00:08:55,368 --> 00:08:57,537 そこが 金の採れる場所と 知っていたら➨ 133 00:08:57,537 --> 00:09:00,607 懐が潤う以上の価値は あまりない。 134 00:09:00,607 --> 00:09:03,443 高く売れるから価値がある。 135 00:09:03,443 --> 00:09:05,945 それで 十分だと思うけど…。 136 00:09:05,945 --> 00:09:09,616 それ以上の価値なんて あるの? ある。 137 00:09:09,616 --> 00:09:12,619 もし そこが 金の採れない場所 とされていた場合…。 138 00:09:12,619 --> 00:09:14,788 《金だ》 ほい! 139 00:09:14,788 --> 00:09:17,791 その金は 世界を書き換える力を持つ。 140 00:09:17,791 --> 00:09:20,293 金銭とは違う価値がある。 141 00:09:20,293 --> 00:09:22,295 実際に見つかったという事実は➨ 142 00:09:22,295 --> 00:09:26,132 それまでの常識や理論を すべて 書き換えることができるんだよ。 143 00:09:26,132 --> 00:09:30,303 じゃ… じゃあ これも? 私は 同じ力があると思っている。 144 00:09:30,303 --> 00:09:32,305 どっ… どういうこと? 145 00:09:32,305 --> 00:09:35,308 私の これは 世界を どう書き換えるの? 146 00:09:35,308 --> 00:09:37,477 非常に 簡単に言うとだな➨ 147 00:09:37,477 --> 00:09:41,147 今までの考えでは こうなっていたことが…。 148 00:09:41,147 --> 00:09:44,150 こう変わる可能性がある ということかな。 149 00:09:44,150 --> 00:09:47,320 なんか… 地味。 150 00:09:47,320 --> 00:09:49,522 アハハ… そうか? 151 00:10:01,501 --> 00:10:06,005 ちょっとした変化かもしれないが 私は すごく ワクワクするよ。 152 00:10:06,005 --> 00:10:09,509 私たちみたいな ごく普通の人間でも➨ 153 00:10:09,509 --> 00:10:12,345 この石を通して 人類の知る世界に➨ 154 00:10:12,345 --> 00:10:15,181 直接 手を加えることができるんだ。 155 00:10:15,181 --> 00:10:18,685 ハァ…。 156 00:10:18,685 --> 00:10:22,689 確かに 金銭的価値は わかりやすい指標の1つだ。 157 00:10:25,191 --> 00:10:28,361 だが 数字の評価にとらわれると➨ 158 00:10:28,361 --> 00:10:31,030 視野が狭くなる。 159 00:10:31,030 --> 00:10:34,033 この石は 金額としては評価されないが➨ 160 00:10:34,033 --> 00:10:36,703 その評価が すべてではない。 161 00:10:36,703 --> 00:10:39,539 お金では計りきれない力がある。 162 00:10:39,539 --> 00:10:42,041 そういうものにだって➨ 163 00:10:42,041 --> 00:10:45,211 とても魅力的な価値があると 思わないか? 164 00:10:45,211 --> 00:10:47,213 ハァ…。 165 00:10:55,221 --> 00:10:57,223 これも… これもかな? 166 00:10:57,223 --> 00:10:59,559 本当に 全部 持って帰るつもりか? 167 00:10:59,559 --> 00:11:02,529 うん! これは 結晶が大きいやつで➨ 168 00:11:02,529 --> 00:11:05,031 こっちは 結晶がくっついてて おもしろいやつ。 169 00:11:05,031 --> 00:11:07,033 それから…。 170 00:11:07,033 --> 00:11:10,537 これ! 凪さんにあげる! 171 00:11:10,537 --> 00:11:12,872 いいのか? 172 00:11:12,872 --> 00:11:17,710 うん! これは 凪さんが 持ってたほうが 絶対いい! 173 00:11:17,710 --> 00:11:19,679 そうか。 わかった。 174 00:11:22,549 --> 00:11:24,551 ありがとう。 175 00:11:24,551 --> 00:11:26,553 お礼に 今度は 瑠璃が決めた物を➨ 176 00:11:26,553 --> 00:11:29,389 採りに行こうか。 何が いちばん欲しい? 177 00:11:29,389 --> 00:11:31,558 金! 178 00:11:31,558 --> 00:11:34,527 アッハハハハハハハハハ! うぅっ…。 179 00:11:41,568 --> 00:11:44,404 瑠璃の そういうところ 嫌いじゃないぞ。 180 00:11:44,404 --> 00:11:46,873 凪さん もういいから! 181 00:11:48,908 --> 00:11:51,911 金 採りに行こうな。 182 00:11:51,911 --> 00:11:53,880 うん。 183 00:12:07,527 --> 00:12:09,696 いくぞ。 うん! 184 00:12:09,696 --> 00:12:11,998 うっ! んっ…。 185 00:12:11,998 --> 00:12:14,867 瑠璃 皿。 はい。 186 00:12:14,867 --> 00:12:17,036 よし 探してみるか。 187 00:12:21,341 --> 00:12:24,877 んっ…。 188 00:12:24,877 --> 00:12:28,147 フッ… ハッハッ… ある? どうかな? 189 00:12:30,550 --> 00:12:32,518 あったかも。 190 00:12:37,390 --> 00:12:39,392 光ってるけど…。 191 00:12:39,392 --> 00:12:41,561 砂金だな。 金? 192 00:12:41,561 --> 00:12:45,898 やった~! ついに… ついに 自分で 金を…。 193 00:12:45,898 --> 00:12:47,867 んっ? あっ…。 194 00:12:50,236 --> 00:12:52,905 夕方まで 降らない予報だったんだが…。 195 00:12:52,905 --> 00:12:57,910 しかたない。 出直そう。 え~? これからなのに~! 196 00:12:57,910 --> 00:13:00,513 📺え~… 大雨の続報を お伝えします。 197 00:13:00,513 --> 00:13:03,182 はぁ~ 本物の金。 198 00:13:03,182 --> 00:13:05,852 次こそ いっぱい採ってくるぞ~。 199 00:13:05,852 --> 00:13:07,854 あっ。 📺付近の方は➨ 200 00:13:07,854 --> 00:13:10,523 近づかないよう ご注意ください。 201 00:13:10,523 --> 00:13:14,193 んっ? んっ? あっ! んっ んっ んっ…。 202 00:13:14,193 --> 00:13:16,696 凪さん 凪さん! 今 テレビで…。 203 00:13:16,696 --> 00:13:20,366 うん。 今日 行った 金の採れる川。 204 00:13:20,366 --> 00:13:22,702 うん… うん。 205 00:13:22,702 --> 00:13:25,705 えっ!? ちょっと 何 冷静に言ってんの? 206 00:13:25,705 --> 00:13:28,574 砂金が 全部 流れていっちゃう! 207 00:13:36,883 --> 00:13:40,219 あ~… やっぱり 先週と 全然 違う。 208 00:13:40,219 --> 00:13:42,555 あそこに あんな 大きい石 なかったし➨ 209 00:13:42,555 --> 00:13:46,726 流木もあるし これじゃあ 砂金 全部 流れちゃってるよ~。 210 00:13:46,726 --> 00:13:50,730 んっ…。 ほら。 まだ 残ってるかな? 211 00:13:50,730 --> 00:13:53,733 んっ? 212 00:13:53,733 --> 00:13:56,903 ねえ 凪さん なんで 今日 車 多いの? 213 00:13:56,903 --> 00:13:59,372 結構 増水したあとだからな。 んっ? 214 00:14:01,641 --> 00:14:04,644 対岸の人も 砂金狙いじゃないかな? 215 00:14:04,644 --> 00:14:07,647 みんな 金がなくなったか 心配で 来たんだね。 216 00:14:07,647 --> 00:14:10,316 大切なものは なくなってから気付くのだ。 217 00:14:10,316 --> 00:14:12,819 いや その逆だ。 えっ? 218 00:14:12,819 --> 00:14:17,156 同じ場所だから 採れる確率は いつも同じというわけではない。 219 00:14:17,156 --> 00:14:20,159 雨のせいで 金が減ってるんでしょ? 220 00:14:20,159 --> 00:14:24,997 本当に そうかな? もう一度 空に聞いてみたらどうだ? 221 00:14:24,997 --> 00:14:27,600 んっ… 空? 222 00:14:33,840 --> 00:14:36,042 フッ… ヘヘッ! 223 00:14:39,345 --> 00:14:43,015 全然 減らない! フッ…。 んっ? 224 00:14:43,015 --> 00:14:45,351 もっと思いっ切りやって 平気だ。 うわっ! 225 00:14:45,351 --> 00:14:49,355 えっ! 砂金が流れちゃわない? 大丈夫。 226 00:14:49,355 --> 00:14:52,191 重いとされている鉄でさえ 比重は 8。 227 00:14:52,191 --> 00:14:55,361 金は19 桁違いの重さだ。 228 00:14:55,361 --> 00:14:59,165 混ぜるほどに 下に沈むから 上のほうには まず 出てこない。 229 00:15:01,167 --> 00:15:03,669 あった! なくなってない。 230 00:15:03,669 --> 00:15:06,506 すごい。 3個もある! 231 00:15:06,506 --> 00:15:10,510 天気が悪くなると 砂金が増えるんだ。 そうだ。 232 00:15:10,510 --> 00:15:13,012 う~ん… なんで? 233 00:15:13,012 --> 00:15:15,515 金が動くときを考えるんだ。 234 00:15:15,515 --> 00:15:18,518 金は 鉄の倍以上も重い鉱物。 235 00:15:18,518 --> 00:15:20,520 普通の水流では動かない。 236 00:15:20,520 --> 00:15:23,022 よっぽど強い力が働くとき…。 237 00:15:23,022 --> 00:15:25,691 この前の嵐だ! そう。 238 00:15:25,691 --> 00:15:28,194 確かに この場所の砂金は 流れていっただろう。 239 00:15:28,194 --> 00:15:30,196 《あっ! うわ~!》 240 00:15:30,196 --> 00:15:35,034 しかし 同時に 上流の山から 新たな砂金も供給される。 241 00:15:35,034 --> 00:15:38,037 なくなる以上に 増える量のほうが多いんだ。 242 00:15:38,037 --> 00:15:41,707 今まさに この場所は 手つかずの産地。 243 00:15:41,707 --> 00:15:46,546 大雨の影響で 質 量 共に 最も 期待できる状態になったんだ。 244 00:15:46,546 --> 00:15:49,882 「質 量 共に 最も期待できる」! 245 00:15:49,882 --> 00:15:52,218 もしかして 金の固まりもあったりして? 246 00:15:52,218 --> 00:15:54,887 バケツ 取ってくる! あっ…。 247 00:15:54,887 --> 00:15:57,857 ハッハッ ハッハッハッ…。 248 00:16:01,794 --> 00:16:04,463 先週は 石の下で わかんなかったけど➨ 249 00:16:04,463 --> 00:16:06,466 こんな 大きかったのか。 250 00:16:06,466 --> 00:16:09,268 ねえ この岩ってさ… んっ? 251 00:16:13,472 --> 00:16:15,475 ちょっ… 凪さん? 252 00:16:15,475 --> 00:16:18,311 甌穴…。 253 00:16:18,311 --> 00:16:22,315 何? その穴。 工事の跡かなんか? 254 00:16:22,315 --> 00:16:26,319 んっ… ねえ 凪さん! んっ…。 255 00:16:26,319 --> 00:16:29,155 むぅ~! 凪さんってば! 256 00:16:29,155 --> 00:16:31,157 あっ… ああ すまない。 257 00:16:31,157 --> 00:16:34,494 もう! あのケツが なんだって? 何ケツなの? 258 00:16:34,494 --> 00:16:38,164 甌穴だ。 岩が削れて出来た 天然の穴のことだ。 259 00:16:38,164 --> 00:16:40,333 えっ 天然なの? 260 00:16:40,333 --> 00:16:44,337 岩の隙間に入り込んだ石が 水流で動き回って 出来る。 261 00:16:44,337 --> 00:16:46,339 それがあると なんなの? 262 00:16:46,339 --> 00:16:49,008 中に 砂金がたまっている 可能性がある。 263 00:16:49,008 --> 00:16:51,177 うっそ! それ 詳しく! 264 00:16:51,177 --> 00:16:55,181 金は 桁違いに重いため 年月がたつと 深く沈み➨ 265 00:16:55,181 --> 00:16:57,683 人の手では届かない深さへ 行ってしまう。 266 00:16:57,683 --> 00:17:00,820 だから 最初に 植物の根を狙ったんだ。 267 00:17:00,820 --> 00:17:03,990 根が しっかり 砂金を 抱きかかえてくれるからな。 268 00:17:03,990 --> 00:17:06,158 穴の深さにもよるんだが➨ 269 00:17:06,158 --> 00:17:08,995 甌穴の保持力は それ以上。 270 00:17:08,995 --> 00:17:12,832 ここは サイズが大きく かなり深そうだ。 271 00:17:12,832 --> 00:17:16,168 入った砂金は まず 抜け出せない。 たまる一方だ。 272 00:17:16,168 --> 00:17:20,172 貯金箱状態! ハァハァ…。 273 00:17:20,172 --> 00:17:23,509 状況から見て 人の手は まだ 入っていない。 274 00:17:23,509 --> 00:17:27,513 車に スコップはあるが 出直して 装備を整えるべきか。 275 00:17:27,513 --> 00:17:31,684 でも 凪さん…。 そうだ 人が多い。 276 00:17:31,684 --> 00:17:34,854 砂金は 移動しながら探すのが 普通だ。 277 00:17:34,854 --> 00:17:37,690 先を越される可能性は 十分ある。 278 00:17:37,690 --> 00:17:42,194 チャンスは 今しかないが この状態で どこまでやれるか…。 279 00:17:42,194 --> 00:17:44,697 んっ…。 280 00:17:44,697 --> 00:17:48,367 んっ… ねえ 凪さん! んっ? 281 00:17:48,367 --> 00:17:51,037 んっ… くぅ~…。 282 00:17:51,037 --> 00:17:54,106 んっ… 私 採ってくる。 283 00:17:58,044 --> 00:18:00,646 冷た~! いけるか? 284 00:18:00,646 --> 00:18:03,115 うん。 だっ… 大丈夫! んっ! 285 00:18:09,989 --> 00:18:13,059 凪さん あった? ない。 286 00:18:15,828 --> 00:18:18,097 あった~? ない。 287 00:18:20,333 --> 00:18:22,301 あった~? 288 00:18:24,503 --> 00:18:26,672 あった。 えっ? 289 00:18:26,672 --> 00:18:29,508 あっ… フフッ! フッ! 290 00:18:29,508 --> 00:18:46,192 ♬~ 291 00:18:46,192 --> 00:18:48,527 フフッ…。 292 00:18:48,527 --> 00:18:51,030 砂金が 68粒。 293 00:18:51,030 --> 00:18:54,367 たくさん採れたと思ったけど まとめたら これくらいか~。 294 00:18:54,367 --> 00:18:57,370 溶かして くっつけるか? わかってないな~。 295 00:18:57,370 --> 00:19:00,272 そういうんじゃないんだよね! フッ… ハハハハ。 296 00:19:00,272 --> 00:19:02,608 でも あのとき 雨が降らなかったら➨ 297 00:19:02,608 --> 00:19:05,111 絶対 こんなに採れてなかったよね。 298 00:19:05,111 --> 00:19:07,780 そうだ。 過去の大雨が➨ 299 00:19:07,780 --> 00:19:10,282 山から 砂金を含んだ土砂を 運んできて➨ 300 00:19:10,282 --> 00:19:12,284 この場所に隠し➨ 301 00:19:12,284 --> 00:19:16,122 今回の大雨が 私たちに 隠し場所を教えてくれたんだ。 302 00:19:16,122 --> 00:19:19,025 本当に 天気が関係してるんだね。 303 00:19:21,627 --> 00:19:23,963 あっ。 その 見えない つながりに➨ 304 00:19:23,963 --> 00:19:25,965 気付けることが 大事だ。 305 00:19:25,965 --> 00:19:30,469 新しい つながりは 新しい発見を もたらしてくれる。 306 00:19:30,469 --> 00:19:33,973 自然は まだまだ わからないことが多い。 307 00:19:33,973 --> 00:19:37,143 1つ 見えただけじゃ 足りない。 308 00:19:37,143 --> 00:19:39,812 更に 先を 自分の目で確かめたい。 309 00:19:39,812 --> 00:19:44,316 その意識があれば 得られるものは これからも きっとあるはずだ。 310 00:19:51,490 --> 00:19:54,827 埋まっている砂金の数に 空が影響するって➨ 311 00:19:54,827 --> 00:19:56,996 意味がわかっても なんか 変な感じ。 312 00:19:56,996 --> 00:19:59,665 石のことを知りたいから 石を見る…。 313 00:19:59,665 --> 00:20:03,002 だけでは 見えない面があるということだ。 314 00:20:03,002 --> 00:20:07,339 私たちの相手は 自然そのものなんだよ。 315 00:20:07,339 --> 00:20:09,341 うん。 316 00:20:09,341 --> 00:20:13,512 よし そろそろ引き揚げようか。 317 00:20:13,512 --> 00:20:15,514 ちょって待って。 318 00:20:15,514 --> 00:20:18,517 まだ 底に 少し残ってる。 んっ…。 319 00:20:18,517 --> 00:20:20,519 最後は 手で すくってくる! 320 00:20:20,519 --> 00:20:22,521 潜るのか? 321 00:20:22,521 --> 00:20:25,825 ちゃんと 自分の目で 確かめなきゃ! でしょ? 322 00:20:36,035 --> 00:20:38,037 んっ? 323 00:20:38,037 --> 00:20:57,056 ♬~ 324 00:20:57,056 --> 00:20:59,892 まれに いびつに 巨大化した 砂金が出るという➨ 325 00:20:59,892 --> 00:21:04,029 うわさがあるんだ。 成因は よく わかっていないが。 326 00:21:04,029 --> 00:21:07,533 まず 砂金の上に 土砂が堆積する。 327 00:21:07,533 --> 00:21:09,535 その圧力によって➨ 328 00:21:09,535 --> 00:21:11,704 砂金同士が くっつく。 329 00:21:11,704 --> 00:21:15,875 んっ… それだけで 巨大な砂金になるの? 330 00:21:15,875 --> 00:21:18,043 一度では 難しいな。 331 00:21:18,043 --> 00:21:21,046 砂金が 地殻変動で 山を登り➨ 332 00:21:21,046 --> 00:21:24,049 岩石が欠けたり 風化したりして 劣化し➨ 333 00:21:24,049 --> 00:21:27,052 砂金だけが外れて 再び 川を下ってきて➨ 334 00:21:27,052 --> 00:21:29,121 また 土砂の力で くっつく。 335 00:21:32,057 --> 00:21:34,059 このサイクルを繰り返して➨ 336 00:21:34,059 --> 00:21:36,562 長い時間をかけて 巨大化するらしい。 337 00:21:36,562 --> 00:21:40,399 まさか この砂金 出来るまで 1万年とか かかってるんじゃ…。 338 00:21:40,399 --> 00:21:43,903 アハハッ! もし 本当なら➨ 339 00:21:43,903 --> 00:21:47,907 100万年以上 かかってるはずだ。 ひゃ… 100万年! 340 00:21:47,907 --> 00:21:51,911 その10倍だって ありうる。 1,000万年!? 341 00:21:51,911 --> 00:21:53,879 ハァ…。 342 00:21:56,415 --> 00:21:58,884 そんなに長いこと 待ってたの? 343 00:22:05,991 --> 00:22:08,828 ちなみに その砂金 標本として売ったら➨ 344 00:22:08,828 --> 00:22:11,831 かなりの金額になるぞ。 売ったら? 345 00:22:14,333 --> 00:22:19,638 やだ! 絶対… 絶~対 手放さない! アハッ!