1 00:00:00,234 --> 00:00:03,203 (薫)うんしょっと…。 2 00:00:07,241 --> 00:00:11,245 さらし… ちょっと ゆるいかな。 3 00:00:11,245 --> 00:00:13,914 おい こら! 何 ちんたら… あっ。 4 00:00:13,914 --> 00:00:16,250 ⚟(打撃音) 5 00:00:16,250 --> 00:00:19,253 おろ? 6 00:00:19,253 --> 00:00:29,229 ♬~ 7 00:01:58,185 --> 00:02:00,187 うう… あ~…。 8 00:02:00,187 --> 00:02:02,189 相変わらず 容赦ないでござるな。 9 00:02:02,189 --> 00:02:07,194 何よ 相変わらずって! 今日は 出稽古でござるか? 10 00:02:07,194 --> 00:02:10,197 うん。 いつもお世話になってる 前川道場に。 11 00:02:10,197 --> 00:02:13,200 そうだ! 今日は 剣心も来ない? 12 00:02:13,200 --> 00:02:17,204 師範の前川先生が 一度 あなたに 会ってみたいって言ってるのよ。 13 00:02:17,204 --> 00:02:21,208 いや 拙者は 遠慮しておくでござるよ。 14 00:02:21,208 --> 00:02:23,210 まき割りと風呂だきもあるし。 15 00:02:23,210 --> 00:02:26,213 そう。 じゃあ ついでに 買い物もお願い。 16 00:02:26,213 --> 00:02:30,217 お味噌と お塩と お米と おしょうゆ。 それと お酢もね。 17 00:02:30,217 --> 00:02:34,221 ああ… やっぱり 行くでござるよ。 そうこなくっちゃ! 18 00:02:34,221 --> 00:02:38,225 それじゃあ 張り切って 行きましょう! 19 00:02:38,225 --> 00:02:40,227 (由太郎)先生!➡ 20 00:02:40,227 --> 00:02:44,164 少々 手間取りましたが だいたい 分かりましたよ。➡ 21 00:02:44,164 --> 00:02:49,169 この辺で 最も盛んなのは 中越流前川道場です。 22 00:02:49,169 --> 00:02:54,174 師範の前川 宮内が おそらく ここらで一番の使い手です。 23 00:02:54,174 --> 00:02:56,176 (雷十太)ふむ。 (由太郎)それと➡ 24 00:02:56,176 --> 00:02:59,179 神谷活心流道場に 最近 住み着いた流浪人が➡ 25 00:02:59,179 --> 00:03:03,183 めっぽう強いって噂ですが しょせんは 流浪人。➡ 26 00:03:03,183 --> 00:03:05,185 大したことはないでしょう。 27 00:03:05,185 --> 00:03:08,155 (雷十太)よし。 ついてこい。 (由太郎)はい! 28 00:03:12,192 --> 00:03:14,194 (門下生)てえっ! (門下生)面! 29 00:03:14,194 --> 00:03:18,198 (門下生たちの掛け声) 30 00:03:18,198 --> 00:03:19,866 こんにちは! 31 00:03:19,866 --> 00:03:21,868 おお! (門下生)ややっ! 32 00:03:21,868 --> 00:03:24,204 (門下生)こんにちは! 薫さん! ども! 33 00:03:24,204 --> 00:03:26,206 お待ちしてましたよ。 34 00:03:26,206 --> 00:03:29,209 お構いなく。 どうぞ 稽古を続けてください。 35 00:03:29,209 --> 00:03:31,211 ⚟(前川)薫君の言うとおりだ。➡ 36 00:03:31,211 --> 00:03:33,213 いちいち 稽古を中断するな。 37 00:03:33,213 --> 00:03:35,215 前川先生! 38 00:03:35,215 --> 00:03:41,154 なるほど。 君が 薫君が よく話している剣心君だな。 39 00:03:41,154 --> 00:03:44,157 (門下生) あれが強いって評判の流浪人? 40 00:03:44,157 --> 00:03:46,159 (門下生)緋村 剣心。➡ 41 00:03:46,159 --> 00:03:50,163 前川先生が ぜひ 一度 手合わせを したいと言っていた男だ。 42 00:03:50,163 --> 00:03:53,166 (門下生)やり合ったら 激しい手合わせになるぞ。 43 00:03:53,166 --> 00:03:56,169 (門下生)負けた方は 無事じゃ済まないだろう。 44 00:03:56,169 --> 00:04:00,140 《前川先生は 私には そんなこと 一言も…》 45 00:04:06,179 --> 00:04:09,182 フッ。 フッ。 46 00:04:09,182 --> 00:04:11,184 えっ? あっ…。 47 00:04:11,184 --> 00:04:14,187 よく来てくれた。 ぜひ 皆に 稽古を。 48 00:04:14,187 --> 00:04:17,858 いや 拙者は 薫殿の付き添いでござる。 49 00:04:17,858 --> 00:04:22,195 さようか。 では 上座で くつろいでいってくれたまえ。 50 00:04:22,195 --> 00:04:24,164 かたじけない。 51 00:04:27,200 --> 00:04:29,202 先生…。 52 00:04:29,202 --> 00:04:31,204 (前川)黙っていて すまない。➡ 53 00:04:31,204 --> 00:04:34,207 言えば まず連れてこないと思ってね。 54 00:04:34,207 --> 00:04:37,210 心配無用。 もう 戦う気は うせた。➡ 55 00:04:37,210 --> 00:04:42,149 いや 正しくは 戦わずして わしの負けってとこだ。➡ 56 00:04:42,149 --> 00:04:48,155 なるほど…。 良い目をした青年だ。 57 00:04:48,155 --> 00:04:50,157 (門下生)はあっ! フンッ! 58 00:04:50,157 --> 00:04:53,160 ほら 懐に入られても いちいち 慌てない! 59 00:04:53,160 --> 00:04:56,163 腰を引かないで。 まず しっかり 相手の目を見る。 60 00:04:56,163 --> 00:04:59,166 いい? (門下生)ありがとうございます。 61 00:04:59,166 --> 00:05:01,168 はい 次! 62 00:05:01,168 --> 00:05:05,172 (前川) いかがかな? うちの道場を見て。 63 00:05:05,172 --> 00:05:10,177 いいでござるな。 門下生も多く 活気がある。 64 00:05:10,177 --> 00:05:14,181 (前川)なに いつもは この3分の1も来やせん。➡ 65 00:05:14,181 --> 00:05:17,184 評判の剣術小町が 稽古をつけてくれる。➡ 66 00:05:17,184 --> 00:05:21,188 それが 若い衆には 魅力的な娯楽のようでな。 67 00:05:21,188 --> 00:05:26,193 本気で 剣術に取り組んでいるのは 10人いるかいないか。➡ 68 00:05:26,193 --> 00:05:28,862 情けないが これが 江戸の昔には➡ 69 00:05:28,862 --> 00:05:33,200 名実共に 町一番といわれた 大道場の成れの果てだ。 70 00:05:33,200 --> 00:05:37,204 もっとも 一番 情けないのは➡ 71 00:05:37,204 --> 00:05:40,207 剣友 神谷 越路郎の 大事な忘れ形見を➡ 72 00:05:40,207 --> 00:05:44,144 人寄せの道具にしてしまっている わしだがな。 73 00:05:44,144 --> 00:05:47,147 そんなに ご自分を 卑下することはござらんよ。 74 00:05:47,147 --> 00:05:53,153 神谷道場の方でも 出稽古は 色々と助けになっているでござる。 75 00:05:53,153 --> 00:05:56,156 持ちつ持たれつ… でござるよ。 76 00:05:56,156 --> 00:05:58,158 フッ。 77 00:05:58,158 --> 00:06:03,163 しかし この先 剣術は どうなってしまうのかのう。➡ 78 00:06:03,163 --> 00:06:06,166 明治維新と文明開化で 一気に 廃れてしまい➡ 79 00:06:06,166 --> 00:06:11,171 確実に 弱体と消滅の道を突き進んでいる。 80 00:06:11,171 --> 00:06:15,175 毎日のように 道場破りが現れた昔が嘘のよう…。 81 00:06:15,175 --> 00:06:17,143 あっ! んっ! 82 00:06:19,179 --> 00:06:22,182 こ… こら! 神聖な道場に 土足であがるな!➡ 83 00:06:22,182 --> 00:06:23,850 草履を脱がんか!➡ 84 00:06:23,850 --> 00:06:27,187 あっ! (門下生)取り押さえろ! 85 00:06:27,187 --> 00:06:31,191 (門下生たち)うわああっ! (門下生)この~! 86 00:06:31,191 --> 00:06:34,160 (雷十太)フッ。 (門下生)ひっ! 87 00:06:38,198 --> 00:06:43,136 (雷十太)中越流開祖 前川 宮内とお見受けした。 88 00:06:43,136 --> 00:06:46,106 ひとつ 手合わせ 願おう。 89 00:06:48,141 --> 00:06:51,144 わが輩は 石動 雷十太。 90 00:06:51,144 --> 00:06:54,147 剣術の行く末を 真に憂う者である。 91 00:06:54,147 --> 00:06:56,116 あっ…。 あっ…。 92 00:06:58,151 --> 00:07:03,156 (前川)《奥の見えぬ濁った目…。 だが 強い!》 93 00:07:03,156 --> 00:07:05,158 手合わせ 願おう。 94 00:07:05,158 --> 00:07:08,161 か… 帰れ! 当道場は 今 他流試合は…。 95 00:07:08,161 --> 00:07:10,163 (前川)待て! (門下生)あっ…。 96 00:07:10,163 --> 00:07:14,167 (前川)雷十太とかいったな。 よかろう。 お相手いたす。 97 00:07:14,167 --> 00:07:19,172 通例にならって 3本勝負。 2本先取した方の勝ちとする。 98 00:07:19,172 --> 00:07:22,175 フッ。 (前川)よろしいな? 99 00:07:22,175 --> 00:07:24,177 前川殿。 分かっている。 100 00:07:24,177 --> 00:07:30,183 この男 ただ者ではない。 だからこそ 戦ってみたくなった。 101 00:07:30,183 --> 00:07:35,188 老いたとはいえ 江戸十二傑に 数えられた この前川 宮内➡ 102 00:07:35,188 --> 00:07:38,191 そうやすやすと負けはせん。 103 00:07:38,191 --> 00:07:41,194 竹刀か…。 (前川)んっ…。 104 00:07:41,194 --> 00:07:43,196 話にもならんな。 105 00:07:43,196 --> 00:07:44,864 何!? 106 00:07:44,864 --> 00:07:48,201 先生! (雷十太)由太郎 遅かったな。 107 00:07:48,201 --> 00:07:50,203 (由太郎)仕方ないですよ。 108 00:07:50,203 --> 00:07:53,206 先生と俺じゃ 歩幅が 全然 違うんですから。➡ 109 00:07:53,206 --> 00:07:56,209 これでも 全速力で走ってきたんですよ。 110 00:07:56,209 --> 00:07:59,879 それより 手合わせ 真剣と木刀 どっちです? 111 00:07:59,879 --> 00:08:02,882 (雷十太)竹刀だ。 (由太郎)えっ 竹刀?➡ 112 00:08:02,882 --> 00:08:07,220 竹刀ですか!? そんな遊び道具で勝負なんて➡ 113 00:08:07,220 --> 00:08:10,223 ここも名ばかりの道場でしたか。 114 00:08:10,223 --> 00:08:12,225 うるせえよ! 115 00:08:12,225 --> 00:08:14,227 何をする!? このお子さまが! 116 00:08:14,227 --> 00:08:17,230 お子さまは てめえだ! あんたもね。 117 00:08:17,230 --> 00:08:22,235 俺は 神谷活心流 一番門下生 明神 弥彦! 覚えとけ! 118 00:08:22,235 --> 00:08:25,238 雷十太先生の一番弟子 塚山 由太郎! 119 00:08:25,238 --> 00:08:27,240 今の蹴りは 高くつくよ! 120 00:08:27,240 --> 00:08:29,909 (2人)うう~…。 (雷十太)うるさい。 121 00:08:29,909 --> 00:08:32,245 ぐっ…。 (弥彦)ハッ! 122 00:08:32,245 --> 00:08:36,249 (雷十太)あいにくだが わが輩は竹刀など持っておらん。➡ 123 00:08:36,249 --> 00:08:38,251 一振り 借りるぞ。 124 00:08:38,251 --> 00:08:42,188 《今の前川殿では 勝ちは 難しい》➡ 125 00:08:42,188 --> 00:08:48,194 《1・1にもつれこんで 最後の1本は 向こうがとるか…》 126 00:08:48,194 --> 00:08:53,199 では 公平を期すため 審判は 他流者の不肖➡ 127 00:08:53,199 --> 00:08:56,202 神谷 薫が 務めさせていただきます。 128 00:08:56,202 --> 00:09:00,206 来い。 話になるかならんか教えてやろう。 129 00:09:00,206 --> 00:09:02,208 フッ。 1本目! 130 00:09:02,208 --> 00:09:04,210 んーっ! 131 00:09:04,210 --> 00:09:08,214 す… すげえ気合だ。 132 00:09:08,214 --> 00:09:11,217 (雷十太)教えてくれずとも すでに分かっておる。➡ 133 00:09:11,217 --> 00:09:17,223 竹刀で3本勝負という時点で もはや 貴様など話にならんのだ! 134 00:09:17,223 --> 00:09:19,225 いかん! ぬん! 135 00:09:19,225 --> 00:09:22,228 ああーっ! 136 00:09:22,228 --> 00:09:24,230 んっ。 137 00:09:24,230 --> 00:09:25,899 (雷十太)フンッ! 138 00:09:25,899 --> 00:09:28,234 《飛び込みが まったく見えなかった…》 139 00:09:28,234 --> 00:09:30,236 《あの巨体で なんて速さ…》 140 00:09:30,236 --> 00:09:33,239 今の面は 無効か? ハッ! 141 00:09:33,239 --> 00:09:36,242 め… 面あり! 1本! 142 00:09:36,242 --> 00:09:39,245 すげえ…。 外れはしたが➡ 143 00:09:39,245 --> 00:09:42,182 あの最初の打ちおろし とんでもねえ一撃だ。 144 00:09:42,182 --> 00:09:45,185 (由太郎)フッ。 あれは 外れたんじゃない。 145 00:09:45,185 --> 00:09:49,856 脳天の一撃… つまり 面は 頭蓋骨の丸みで➡ 146 00:09:49,856 --> 00:09:52,192 刃が滑ってしまうことが たまにある。 147 00:09:52,192 --> 00:09:56,196 だから 打ちおろしで仕留めるなら 必ず 肩口を狙う。 148 00:09:56,196 --> 00:09:59,199 古流剣術の定石だ。 149 00:09:59,199 --> 00:10:01,201 ハッ! いけない! 150 00:10:01,201 --> 00:10:03,536 肩の骨に ひびが入ってる。 早く 医者に! 151 00:10:03,536 --> 00:10:07,207 (前川)待て。 まだ 勝負はついておらん。 152 00:10:07,207 --> 00:10:09,209 (雷十太)フッ。 153 00:10:09,209 --> 00:10:11,211 2… 2本目だ。 154 00:10:11,211 --> 00:10:14,180 あっ…。 んっ。 155 00:10:16,216 --> 00:10:18,218 2本目! 156 00:10:18,218 --> 00:10:19,886 うああああ…! 157 00:10:19,886 --> 00:10:23,223 (雷十太)笑止! 最初の一撃で 貴様など すでに死んでおる! 158 00:10:23,223 --> 00:10:25,225 ぐわああっ! 159 00:10:25,225 --> 00:10:28,228 1本! 勝負あり! それまで! 160 00:10:28,228 --> 00:10:33,233 (雷十太)己の敗北も見えぬ愚物が。 161 00:10:33,233 --> 00:10:36,903 待ちなさい! 何を!? 162 00:10:36,903 --> 00:10:38,571 (雷十太)フンッ! 163 00:10:38,571 --> 00:10:40,540 ハッ! あっ! 164 00:10:43,176 --> 00:10:47,180 お前の2本先取で 勝負はついたはず。 165 00:10:47,180 --> 00:10:51,184 殺す気でござるか? いかにも。 166 00:10:51,184 --> 00:10:53,186 んっ。 (雷十太)そもそも➡ 167 00:10:53,186 --> 00:10:55,188 人の命は 一人に一つ。 168 00:10:55,188 --> 00:11:01,194 故に 勝負は 常に 一本。 とるかとられるかである。➡ 169 00:11:01,194 --> 00:11:07,200 江戸以降 竹刀の発明により 確かに 剣術は 隆盛した。➡ 170 00:11:07,200 --> 00:11:12,205 だが それにより 古流に見られる 神がかった強さは失われ➡ 171 00:11:12,205 --> 00:11:16,209 弱体化は進む一方! この憂うべきときに➡ 172 00:11:16,209 --> 00:11:22,215 まだ 竹刀剣術を喜んでおる愚物に 剣を握る資格などない! 173 00:11:22,215 --> 00:11:24,183 んっ。 174 00:11:30,156 --> 00:11:32,192 (雷十太)貴様 この道場の者ではないな。 175 00:11:32,192 --> 00:11:36,196 今は 神谷道場に 世話になっているでござる。 176 00:11:36,196 --> 00:11:40,199 そうか。 貴様が 腕の立つという流浪人か。 177 00:11:40,199 --> 00:11:43,202 ちょうどいい。 ひとつ 手合わせ 願おう➡ 178 00:11:43,202 --> 00:11:45,171 真剣で。 179 00:11:47,207 --> 00:11:52,212 力比べや人に見せるために 剣をふるう気はござらん。 180 00:11:52,212 --> 00:11:56,216 (雷十太)さようか。 由太郎。 (由太郎)はい! 181 00:11:56,216 --> 00:11:59,218 道場の看板を外して 燃やせ。 えっ!? 182 00:11:59,218 --> 00:12:02,221 (雷十太)わが輩は ここの道場主に勝った。➡ 183 00:12:02,221 --> 00:12:05,225 看板をいかにしようと わが輩の勝手。➡ 184 00:12:05,225 --> 00:12:11,231 不服があれば かかってこい。 まとめて 相手をしてやるぞ。 185 00:12:11,231 --> 00:12:14,234 そうだ! どうせなら 大通りで燃やしませんか? 186 00:12:14,234 --> 00:12:18,237 その方が 派手…。 (弥彦)いいかげんにしとけよ。 187 00:12:18,237 --> 00:12:20,240 離せよ。 殺されたいのかい? 188 00:12:20,240 --> 00:12:23,242 うっ…。 189 00:12:23,242 --> 00:12:28,181 (雷十太)どうした? 看板は 燃やしてしまってもいいのか? 190 00:12:28,181 --> 00:12:32,185 フッ。 どいつもこいつも 話にならん。 191 00:12:32,185 --> 00:12:36,189 いいわ。 私が相手よ。 (門下生)薫さん! 192 00:12:36,189 --> 00:12:40,193 わが輩は 女子供とて 容赦はせぬぞ。 193 00:12:40,193 --> 00:12:42,195 分かった。 あっ…。 194 00:12:42,195 --> 00:12:44,197 拙者が 相手をいたそう。 195 00:12:44,197 --> 00:12:47,200 だが これは あくまで 道場での手合わせ。 196 00:12:47,200 --> 00:12:49,202 真剣は ごめんこうむる。 197 00:12:49,202 --> 00:12:55,174 不服だが よかろう。 ならば 木刀。 勝負は 1本だ。 198 00:12:59,212 --> 00:13:02,215 大丈夫? ああ 何とか。 199 00:13:02,215 --> 00:13:06,219 気を付けてね。 あの男 何か…。 200 00:13:06,219 --> 00:13:08,221 分かっているでござる。 201 00:13:08,221 --> 00:13:11,224 始めるぞ。 202 00:13:11,224 --> 00:13:13,226 審判は? 203 00:13:13,226 --> 00:13:15,194 不要。 204 00:13:18,231 --> 00:13:21,234 (門下生)いよいよ あの流浪人の強さが見られるぞ。 205 00:13:21,234 --> 00:13:26,172 (門下生)ああ。 けど 本当に そんなに強いのかな。 206 00:13:26,172 --> 00:13:28,174 ぬうっ! とらああっ! 207 00:13:28,174 --> 00:13:30,176 ぬうんっ! 208 00:13:30,176 --> 00:13:32,178 (雷十太)はあっ! 209 00:13:32,178 --> 00:13:37,183 雷十太という男 なんという 打ち込みの速さと威力だ。 210 00:13:37,183 --> 00:13:41,187 それを やすやすと かわすとは 流浪人も先生が見込んだとおりだ。 211 00:13:41,187 --> 00:13:45,191 《確かに 2人の攻防はすごいけど 剣心…》 212 00:13:45,191 --> 00:13:49,195 《どうして 打ち返さないの? まさか…》 213 00:13:49,195 --> 00:13:52,198 なるほど。 引き分けに持ち込めば➡ 214 00:13:52,198 --> 00:13:57,203 わが輩は 看板に 手を出せなくなるという腹か。 215 00:13:57,203 --> 00:14:00,206 ならば これは どうだ?➡ 216 00:14:00,206 --> 00:14:03,209 フンッ! 《速い!》 217 00:14:03,209 --> 00:14:05,178 《何だ!? これは》 218 00:14:10,216 --> 00:14:12,218 ふむ。 219 00:14:12,218 --> 00:14:16,222 貴様 名は? 緋村 剣心。 220 00:14:16,222 --> 00:14:19,225 覚えておこう。➡ 221 00:14:19,225 --> 00:14:22,228 帰るぞ。 (由太郎)えっ? あっ はい! 222 00:14:22,228 --> 00:14:26,165 何か よく分からないが 先生の方が 上だな。 223 00:14:26,165 --> 00:14:28,167 見くびんじゃねえよ。 224 00:14:28,167 --> 00:14:32,171 剣心は 実力の半分も出しちゃいねえって。 225 00:14:32,171 --> 00:14:36,142 お前とは いずれ 決着を つけないとならないようだな。 226 00:14:38,177 --> 00:14:43,182 ボコボコにしてやるから 首を洗って 待ってなよ。 227 00:14:43,182 --> 00:14:47,186 ったく クソ生意気な野郎め。 228 00:14:47,186 --> 00:14:50,189 (由太郎) 何が実力の半分も出してないだ。➡ 229 00:14:50,189 --> 00:14:53,192 負け惜しみ 言いやがって。 230 00:14:53,192 --> 00:14:57,196 緋村 剣心…。 (由太郎)先生? 231 00:14:57,196 --> 00:15:02,201 (雷十太)《フッ。 秘剣 飯綱 よけられたのは 初めてだ》➡ 232 00:15:02,201 --> 00:15:08,207 《あの男も おそらく 古流剣術の それも相当の使い手》 233 00:15:08,207 --> 00:15:12,211 (雷十太)緋村 剣心 強さに 申し分なし! 234 00:15:12,211 --> 00:15:15,214 (門下生)すげえ…。 何だ こりゃ。 235 00:15:15,214 --> 00:15:18,184 (門下生)まるで 真剣をたたきつけたみてえだ。 236 00:15:20,219 --> 00:15:23,222 《真剣どころではない》 237 00:15:23,222 --> 00:15:28,227 《これは それ以上の鋭さで 切断されている》 238 00:15:28,227 --> 00:15:31,230 《一介の道場破りの 使う技ではない》 239 00:15:31,230 --> 00:15:36,202 《石動 雷十太 いったい 何者でござる》 240 00:15:38,237 --> 00:15:40,239 (左之助)なるほど。 241 00:15:40,239 --> 00:15:44,243 俺が寄らなかった日に そんな面白えやつが出てきたか。 242 00:15:44,243 --> 00:15:45,912 面白くない! おっと。 243 00:15:45,912 --> 00:15:48,247 あの男のせいで 前川道場➡ 244 00:15:48,247 --> 00:15:50,583 しばらく 門を 閉じることになっちゃったのよ! 245 00:15:50,583 --> 00:15:52,251 (左之助)ふ~ん。 246 00:15:52,251 --> 00:15:55,254 勝負自体は きちんとしたもんだったんだろ? 247 00:15:55,254 --> 00:15:57,256 それで 一方的に負けたんだからよ。 248 00:15:57,256 --> 00:16:00,259 けど! 一流一場を担うんなら➡ 249 00:16:00,259 --> 00:16:03,262 相手が強過ぎたなんて 言い訳にもならねえ。 250 00:16:03,262 --> 00:16:06,265 だろ? 剣心。 251 00:16:06,265 --> 00:16:09,268 確かに そうでござるが…。 252 00:16:09,268 --> 00:16:10,937 《それにしても➡ 253 00:16:10,937 --> 00:16:14,273 竹刀剣術を 歯牙にもかけない 実戦本位の男が➡ 254 00:16:14,273 --> 00:16:18,277 いったい 何を目的に 道場破りなど…》 255 00:16:18,277 --> 00:16:20,279 ごめんください。 256 00:16:20,279 --> 00:16:24,283 緋村 剣心さんは こちらに ご在宅でしょうか? 257 00:16:24,283 --> 00:16:27,253 緋村は 拙者でござるが。 258 00:16:29,222 --> 00:16:31,190 (執事) これを預かってまいりました。 259 00:16:33,226 --> 00:16:35,228 あっ。 260 00:16:35,228 --> 00:16:37,230 何これ? どういうこと? 261 00:16:37,230 --> 00:16:40,233 決闘状の間違いじゃねえのか? 262 00:16:40,233 --> 00:16:43,236 (執事)さあ…。 私は ただの執事ですので…。➡ 263 00:16:43,236 --> 00:16:46,239 とにかく 表の馬車に お乗りください。➡ 264 00:16:46,239 --> 00:16:48,207 さあ どうぞ。 265 00:16:50,243 --> 00:16:52,245 (執事)どうぞ こちらです。➡ 266 00:16:52,245 --> 00:16:55,248 庭を抜けると 母屋に たどりつきますから。 267 00:16:55,248 --> 00:16:59,252 (薫たち)うわぁ…。 ⚟(由左衛門)緋村さんですね。 268 00:16:59,252 --> 00:17:00,920 初めまして。 269 00:17:00,920 --> 00:17:05,258 私は この家のあるじで 塚山 由左衛門と申します。 270 00:17:05,258 --> 00:17:09,262 塚山…。 ひょっとして あのクソガキの親父。 271 00:17:09,262 --> 00:17:11,264 クソガキとは失敬な! 272 00:17:11,264 --> 00:17:15,268 雷十太先生が呼んだのは 緋村だけだ! 何で お前が! 273 00:17:15,268 --> 00:17:17,270 やめんか 由太郎! 274 00:17:17,270 --> 00:17:20,273 先生の客人のお連れだ。 無礼は 許さんぞ。 275 00:17:20,273 --> 00:17:22,275 うっ…。 フン。 276 00:17:22,275 --> 00:17:26,212 (由左衛門)申し訳ありません。 息子が 大層な無礼をして。 277 00:17:26,212 --> 00:17:27,880 いやいや。 278 00:17:27,880 --> 00:17:30,216 先生は 池のほとりに いらっしゃいます。 279 00:17:30,216 --> 00:17:35,221 私が ご案内しますので さあ こちらへ。 280 00:17:35,221 --> 00:17:40,192 由太郎。 お前は お連れの方々を おもてなししなさい。 281 00:17:43,229 --> 00:17:44,897 仕方ない。 282 00:17:44,897 --> 00:17:47,233 かす漬けと二番茶くらいは ちそうしてやろう。 283 00:17:47,233 --> 00:17:50,236 ほう。 そりゃ 結構なもてなしだねぇ。 284 00:17:50,236 --> 00:17:54,240 けど 悪いが 俺たちゃ 遠慮させてもらうぜ。 285 00:17:54,240 --> 00:17:57,243 えっ? 286 00:17:57,243 --> 00:18:00,246 (由左衛門)私は 刀剣の輸出をやっていましてね。➡ 287 00:18:00,246 --> 00:18:06,252 ヨーロッパでは 日本の刀剣は 芸術品として高い値がつくのです。 288 00:18:06,252 --> 00:18:11,257 それで 3カ月ほど前 馬車ごと 凶賊に襲われたんですよ。➡ 289 00:18:11,257 --> 00:18:14,260 そこを通り掛かった先生に 救われまして。➡ 290 00:18:14,260 --> 00:18:20,266 由太郎が 先生の強さに すっかり 憧れて 鍛えていただきたいと。➡ 291 00:18:20,266 --> 00:18:26,205 そこで 剣術の先生として うちに 滞在していただいているんです。➡ 292 00:18:26,205 --> 00:18:29,208 先生。 293 00:18:29,208 --> 00:18:31,177 (由左衛門)では ごゆっくり。 294 00:18:35,214 --> 00:18:39,218 (左之助) ふ~ん。 あれが 雷十太か。 295 00:18:39,218 --> 00:18:42,221 それはそうと あんなことして 大丈夫? 296 00:18:42,221 --> 00:18:44,223 構わねえよ あんなやつ。 297 00:18:44,223 --> 00:18:47,226 (由太郎)うう~っ! ん~っ! 298 00:18:47,226 --> 00:18:50,229 拙者に 何の用でござる? 299 00:18:50,229 --> 00:18:54,233 今の剣術のあり方を どう感じておる? 300 00:18:54,233 --> 00:19:00,239 惰弱だと感じぬか? 貧弱で脆弱だと感じぬか?➡ 301 00:19:00,239 --> 00:19:06,212 弱いものは 必ず 淘汰される。 これは 自然の摂理である。 302 00:19:08,247 --> 00:19:11,250 (雷十太) わが輩の流派は 真古流。➡ 303 00:19:11,250 --> 00:19:16,255 その名のもとに 剣術再興の大業を望むものである。 304 00:19:16,255 --> 00:19:20,259 そんな大志を抱くものが なぜ 道場破りを? 305 00:19:20,259 --> 00:19:22,261 わが輩の望みは➡ 306 00:19:22,261 --> 00:19:26,198 今ある剣術五百余流派を 根絶すること。 307 00:19:26,198 --> 00:19:30,202 んっ? 再興ではないのか? (雷十太)再興である。➡ 308 00:19:30,202 --> 00:19:35,207 だが その前に 無能なものを 取り除く作業が 不可欠。➡ 309 00:19:35,207 --> 00:19:42,214 まず 今日の剣術弱体化の根源たる 竹刀剣術を 全て つぶす! 310 00:19:42,214 --> 00:19:44,216 んっ。 (雷十太)そして その後➡ 311 00:19:44,216 --> 00:19:49,221 わが真古流を 唯一の 正統剣術として 再興を始める。➡ 312 00:19:49,221 --> 00:19:55,227 目指すは 西洋重火器にも負けぬ 無敵の剣術。 313 00:19:55,227 --> 00:19:57,229 なんてことを…。 (左之助)《なるほど》➡ 314 00:19:57,229 --> 00:20:00,232 《剣術を限られた者にのみ 継承することで➡ 315 00:20:00,232 --> 00:20:03,235 強さの純度を保つってことか》 316 00:20:03,235 --> 00:20:07,239 貴様は 秘剣 飯綱をよけたほどの男。 317 00:20:07,239 --> 00:20:11,243 この大望に 力を貸すのだ。 318 00:20:11,243 --> 00:20:15,247 古流剣術は 実戦本位の殺人剣。 319 00:20:15,247 --> 00:20:17,583 それを分かって 言っているのでござるか? 320 00:20:17,583 --> 00:20:19,251 むろん。 321 00:20:19,251 --> 00:20:24,256 今の主流たる竹刀剣術の方が まがいものである。 322 00:20:24,256 --> 00:20:26,192 さようか。 323 00:20:26,192 --> 00:20:31,197 ならば 拙者と おぬしは 互いに 相いれぬでござるな。 324 00:20:31,197 --> 00:20:37,203 (雷十太)貴様は 剣術が このまま 滅んでも 何とも思わぬのか? 325 00:20:37,203 --> 00:20:43,209 拙者とて 剣客の端くれ。 剣術の未来を憂う気持ちはある。 326 00:20:43,209 --> 00:20:47,213 だが それが 殺人剣のはびこる未来ならば➡ 327 00:20:47,213 --> 00:20:49,215 こちらから 願い下げだ。 328 00:20:49,215 --> 00:20:52,218 殺人という剣術の本質を 否定はしない。 329 00:20:52,218 --> 00:20:58,224 だが 他の者を虐げ 活人剣を つぶそうというのならば➡ 330 00:20:58,224 --> 00:21:03,229 拙者は 全力をもって おぬしを阻止する。 331 00:21:03,229 --> 00:21:09,201 そうか…。 わが輩の大志に賛同できぬか。 332 00:21:12,238 --> 00:21:16,208 (雷十太)ならば 今から 貴様は 敵だ。 333 00:21:20,246 --> 00:21:30,222 ♬~