1 00:00:01,068 --> 00:00:03,070 (仲介人)この者は われわれの抱える➡ 2 00:00:03,070 --> 00:00:06,073 手だれの中でも 飛び切りの剣士。➡ 3 00:00:06,073 --> 00:00:10,077 報酬は高い。 払えるかな。 4 00:00:10,077 --> 00:00:12,045 フン。 5 00:00:14,081 --> 00:00:16,083 ん? 6 00:00:16,083 --> 00:00:18,085 天然痘の種だ。 7 00:00:18,085 --> 00:00:20,087 ん…。 8 00:00:20,087 --> 00:00:22,089 [天然痘] 9 00:00:22,089 --> 00:00:25,092 [疱瘡 痘瘡ともいわれる➡ 10 00:00:25,092 --> 00:00:30,097 天然痘ウイルスを病原体とする 感染症である] 11 00:00:30,097 --> 00:00:33,100 [ヒトに対して 強い感染力を持ち➡ 12 00:00:33,100 --> 00:00:38,105 死に至る病として 恐れられていた] 13 00:00:38,105 --> 00:00:41,108 こいつを通りにまいて 患者をつくれば➡ 14 00:00:41,108 --> 00:00:44,111 金など いくらでも手に入る。 15 00:00:44,111 --> 00:00:49,116 どんなに報酬が高くとも 何の問題もない。 16 00:00:49,116 --> 00:00:51,118 まあ よかろう。 17 00:00:51,118 --> 00:00:54,121 (泥庵)そこでといっては何だが…。 (仲介人)ん? 18 00:00:54,121 --> 00:00:58,058 品質の悪い薬は 使い物にならんことを➡ 19 00:00:58,058 --> 00:01:00,060 職業柄 よく知っておる。➡ 20 00:01:00,060 --> 00:01:04,064 用心棒も同じだ。 21 00:01:04,064 --> 00:01:07,067 フッ。 (泥庵)大金を払うのだ。➡ 22 00:01:07,067 --> 00:01:10,070 品質を見極めさせてもらおう。 23 00:01:10,070 --> 00:01:15,042 (仲介人)フン。 そちらの用心棒が 壊れるだけだがね。 24 00:01:17,077 --> 00:01:20,080 ほう…。➡ 25 00:01:20,080 --> 00:01:25,085 奇特な形をした剣だな。 26 00:01:25,085 --> 00:01:27,087 見ろぉ! 27 00:01:27,087 --> 00:01:29,089 そんな細い棒っきれで➡ 28 00:01:29,089 --> 00:01:33,093 この俺さまの金棒に勝てると 思ってんのか! 29 00:01:33,093 --> 00:01:35,095 目にもの見せてやる! 30 00:01:35,095 --> 00:01:38,065 うおおおおー! 31 00:01:40,100 --> 00:01:46,106 おお… いったい… 何が起こった? 32 00:01:46,106 --> 00:01:49,109 東洋の刀と 西洋の剣。 33 00:01:49,109 --> 00:01:52,112 どちらが強いか…➡ 34 00:01:52,112 --> 00:01:57,050 勝負だ! 人斬り抜刀斎! 35 00:01:57,050 --> 00:02:07,027 ♬~ 36 00:03:36,950 --> 00:03:38,051 (剣心)それにしても➡ 37 00:03:38,051 --> 00:03:40,987 男性の格好をした 女性であったとは➡ 38 00:03:40,987 --> 00:03:42,989 驚いたでござるよ。 39 00:03:42,989 --> 00:03:45,992 (エルダー)医師に限った話では ありませんが➡ 40 00:03:45,992 --> 00:03:50,997 腕の善しあしにかかわらず 男性の職業の世界では➡ 41 00:03:50,997 --> 00:03:54,000 女性は ほとんど信頼されません。 42 00:03:54,000 --> 00:03:57,003 実際 看護師や お手伝いさんの方が➡ 43 00:03:57,003 --> 00:04:00,006 よほど厚く信頼されています。 44 00:04:00,006 --> 00:04:03,009 西洋でもでござるか…。 45 00:04:03,009 --> 00:04:06,012 はい。 だから 底上げ靴と➡ 46 00:04:06,012 --> 00:04:10,016 山高帽を身に着け 声色と しぐさをつくって➡ 47 00:04:10,016 --> 00:04:13,019 仮面をかぶりました。 48 00:04:13,019 --> 00:04:16,022 姿形が変わったのにも 驚いたが➡ 49 00:04:16,022 --> 00:04:19,025 声色は なかなか 変えられるものではない。 50 00:04:19,025 --> 00:04:22,028 よほど 鍛錬を積んだのでござるな。 51 00:04:22,028 --> 00:04:24,030 昔から こういうの得意で。 52 00:04:24,030 --> 00:04:27,033 故郷では よく 一人芝居をしたものなんですよ。 53 00:04:27,033 --> 00:04:29,703 おお ロミオ。 54 00:04:29,703 --> 00:04:31,705 ジュリエット。 55 00:04:31,705 --> 00:04:33,707 あなたは なぜ ロミオなの。 56 00:04:33,707 --> 00:04:35,976 おお~。 ウフッ。 57 00:04:38,044 --> 00:04:40,981 それにしても…。 58 00:04:40,981 --> 00:04:42,983 (男性)《仮面?》 (男性)《えたいの知れない》 59 00:04:42,983 --> 00:04:44,985 (女性)《本当に医者なの?》 60 00:04:44,985 --> 00:04:47,988 (男性)《関わりにならないのが 無難だな》 61 00:04:47,988 --> 00:04:49,990 難儀な話でござるな。 62 00:04:49,990 --> 00:04:54,995 男の格好をしたはいいが 今度は えたいの知れない者扱い。 63 00:04:54,995 --> 00:04:58,999 いいんです。 自分で選んだ生き方ですから。 64 00:04:58,999 --> 00:05:01,001 ん…。 65 00:05:01,001 --> 00:05:03,003 この仮面の向こうに➡ 66 00:05:03,003 --> 00:05:08,008 誰もが健やかに暮らせる世界が あるんだったら…。 67 00:05:08,008 --> 00:05:11,011 何か ちょっと大げさですね。 68 00:05:11,011 --> 00:05:15,015 いや… 余計な詮索でござった。 69 00:05:15,015 --> 00:05:18,018 拙者は これで おいとまするでござるよ。 70 00:05:18,018 --> 00:05:20,020 えっ? 女性と分かれば➡ 71 00:05:20,020 --> 00:05:24,024 泊まるわけにはいかないでござる。 72 00:05:24,024 --> 00:05:26,026 エルダー殿。 73 00:05:26,026 --> 00:05:28,028 はい? 男吉殿は➡ 74 00:05:28,028 --> 00:05:31,031 エルダー殿に とても信をおいている。 75 00:05:31,031 --> 00:05:37,037 あの親子にしても 必ず 喜んでくれるでござろう。 76 00:05:37,037 --> 00:05:41,975 エルダー殿の選んだ生き方は たぶん 間違いではござらぬ。 77 00:05:41,975 --> 00:05:43,977 では。 78 00:05:43,977 --> 00:05:46,947 あ…。 (ドアの開閉音) 79 00:05:52,986 --> 00:05:54,988 ⚟《飛天御剣流…》➡ 80 00:05:54,988 --> 00:06:02,996 《話には聞いていたが まさか 本当に実在するとは…》 81 00:06:02,996 --> 00:06:06,666 《その飛天御剣流で 人を斬ったことはあるか?》 82 00:06:06,666 --> 00:06:08,668 《いいえ》 83 00:06:08,668 --> 00:06:11,938 《では 人を斬れると思うか?》 84 00:06:14,007 --> 00:06:16,009 (三味線の音) 85 00:06:16,009 --> 00:06:21,014 《自分の汚れた血刀と 犠牲になった命の向こうに➡ 86 00:06:21,014 --> 00:06:26,019 誰もが安心して暮らせる 新時代があるんだったら…》 87 00:06:26,019 --> 00:06:29,022 (エルダー)《この仮面の向こうに➡ 88 00:06:29,022 --> 00:06:32,993 誰もが健やかに暮らせる世界が あるんだったら…》 89 00:06:37,030 --> 00:06:38,999 (紙のこすれる音) ん? 90 00:06:40,967 --> 00:06:42,936 おろ? 91 00:06:44,971 --> 00:06:47,974 (男吉)先生! エルダー先生! 92 00:06:47,974 --> 00:06:51,311 いったい どうしたんです? 男吉さん。 93 00:06:51,311 --> 00:06:54,981 あれ? そっちに言づては 行ってると聞いたんすけど…。➡ 94 00:06:54,981 --> 00:06:58,985 まあ いいや。 来てください。 95 00:06:58,985 --> 00:07:00,987 (エルダー)急患ですか? (男吉)いえ➡ 96 00:07:00,987 --> 00:07:04,991 時間指定してきたから 急患ってわけじゃないと思います。 97 00:07:04,991 --> 00:07:08,995 時間指定? こんな一番暗い夜明け前に? 98 00:07:08,995 --> 00:07:10,997 あっ。 99 00:07:10,997 --> 00:07:14,000 変ですね。 (男吉)変ですな。 100 00:07:14,000 --> 00:07:17,003 って! 道の真ん中に人が! 101 00:07:17,003 --> 00:07:18,972 危ねえ! どけぇ! 102 00:07:23,009 --> 00:07:25,011 (引き絞るような音) 103 00:07:25,011 --> 00:07:28,014 (男吉)何だ ありゃあ! 何のつもりだ!?➡ 104 00:07:28,014 --> 00:07:30,016 どけどけぇ! 105 00:07:30,016 --> 00:07:33,019 デストルニジャドール・サーベル・エスティーロ。 106 00:07:33,019 --> 00:07:36,022 トルメンタ インフィエールノ! 107 00:07:36,022 --> 00:07:37,991 うわああっ! (エルダー)ああっ! 108 00:07:44,030 --> 00:07:48,034 わざわざ 見に来なくても あいつ すげえじゃないっすか。 109 00:07:48,034 --> 00:07:51,037 自分の目で見ることが 大事なんじゃ。➡ 110 00:07:51,037 --> 00:07:54,040 わしは この世の誰も信用しとらん。 111 00:07:54,040 --> 00:07:56,042 もちろん お前もな。 112 00:07:56,042 --> 00:07:59,045 えっ!? (仲介人)体を極限まで ひねり➡ 113 00:07:59,045 --> 00:08:04,050 生み出される回転の力を 利用して 最大の力を得る。➡ 114 00:08:04,050 --> 00:08:09,055 それが デストルニジャドール・サーベル・エスティーロだ。 115 00:08:09,055 --> 00:08:11,057 あ…。 (男吉)先生! 116 00:08:11,057 --> 00:08:14,060 侍は どこだ? (エルダー)えっ? 117 00:08:14,060 --> 00:08:16,062 あの十字傷の男だ。 118 00:08:16,062 --> 00:08:18,031 その手を離せ。 119 00:08:21,067 --> 00:08:24,070 先ほど エルダー殿に 渡しそびれた言づて…。 120 00:08:24,070 --> 00:08:28,074 ホテルで和訳してもらうのに 少々手間取ったが➡ 121 00:08:28,074 --> 00:08:31,077 エルダー殿を呼び出す 内容であった。 122 00:08:31,077 --> 00:08:34,080 流浪人… さん。 123 00:08:34,080 --> 00:08:39,085 (エスピラール)確かに十字傷 確かに侍…。 124 00:08:39,085 --> 00:08:45,024 互いに剣術を極めた者同士として 決闘を申し込む。 125 00:08:45,024 --> 00:08:49,029 どちらが より優れた剣士か 私は知りたいのだ。➡ 126 00:08:49,029 --> 00:08:54,034 最強とうたわれた伝説の男 人斬り抜刀斎! 127 00:08:54,034 --> 00:08:57,037 あっ!? (エルダー)えっ!? 128 00:08:57,037 --> 00:09:00,039 (エスピラール)暗殺者として 数多くの要人を殺し➡ 129 00:09:00,039 --> 00:09:05,044 遊撃剣士として 数多くの幕末の猛者と戦った。➡ 130 00:09:05,044 --> 00:09:09,048 お前は間違いなく 最強の侍の一人だ。➡ 131 00:09:09,048 --> 00:09:11,051 人斬り抜刀斎! 132 00:09:11,051 --> 00:09:14,053 え…。 その名は10年前に捨てたでござる。 133 00:09:14,053 --> 00:09:17,057 (エスピラール)笑止な! 名は捨てただと?➡ 134 00:09:17,057 --> 00:09:20,059 では その腰の刀は何だ! 135 00:09:20,059 --> 00:09:24,030 さあ 抜け。 抜いて 俺と戦え! 136 00:09:31,071 --> 00:09:34,040 あ… う…。 137 00:09:38,077 --> 00:09:42,048 そうまで望むなら 致し方ない。 138 00:09:44,017 --> 00:09:47,020 あ… ハァ…。 139 00:09:47,020 --> 00:09:49,355 手荒いまね 失礼した。 140 00:09:49,355 --> 00:09:51,357 えっ? 141 00:09:51,357 --> 00:09:54,027 (足音) 142 00:09:54,027 --> 00:09:58,031 刀は 侍の魂と聞く。 143 00:09:58,031 --> 00:10:00,033 あ…。 144 00:10:00,033 --> 00:10:02,035 ん…。 145 00:10:02,035 --> 00:10:05,038 (エスピラール)さあ その魂を放て! 146 00:10:05,038 --> 00:10:09,042 剣の時代が滅びきる その前に! 147 00:10:09,042 --> 00:10:13,046 トルメンタ インフィエールノ! 148 00:10:13,046 --> 00:10:16,049 あっ! あの突きは! 149 00:10:16,049 --> 00:10:21,054 受けたら駄目だ! 回転して 吹っ飛ばされるぞ! 150 00:10:21,054 --> 00:10:23,022 ハッ! 151 00:10:25,058 --> 00:10:27,060 ハッ…。 152 00:10:27,060 --> 00:10:32,065 テンペスター インフィエールノ! 153 00:10:32,065 --> 00:10:34,033 はあああっ! 154 00:10:40,073 --> 00:10:42,008 (用心棒・泥庵)あ…。 (男吉)あ…。 155 00:10:42,008 --> 00:10:44,010 あ…。 156 00:10:44,010 --> 00:10:46,012 (仲介人)ふむ…。 157 00:10:46,012 --> 00:10:50,016 より強くあるための改造を施した サーベルと➡ 158 00:10:50,016 --> 00:10:54,020 肉体改造の域にまで 練り上げたエスピラールの技を➡ 159 00:10:54,020 --> 00:10:57,023 紙一重で 全て完璧にかわすとは…。➡ 160 00:10:57,023 --> 00:11:00,026 さすが 伝説の人斬り。 161 00:11:00,026 --> 00:11:02,028 あっ。 162 00:11:02,028 --> 00:11:05,031 (体をねじる音) 163 00:11:05,031 --> 00:11:07,033 (仲介人)これは久々に➡ 164 00:11:07,033 --> 00:11:13,039 デストルニジャドール・サーベル・エスティーロの 奥義が見られます。 165 00:11:13,039 --> 00:11:18,044 何だ ありゃ!? 体が ねじれまくってる! 166 00:11:18,044 --> 00:11:22,048 (エスピラール)私たちは 最後の侍と 最後の剣士。➡ 167 00:11:22,048 --> 00:11:25,051 最後に立っているのは どちらか。 168 00:11:25,051 --> 00:11:28,021 いざ 決しようぞ! 169 00:11:36,996 --> 00:11:41,000 (エスピラール)私たちは 最後の侍と 最後の剣士。➡ 170 00:11:41,000 --> 00:11:44,003 最後に立っているのは どちらか。 171 00:11:44,003 --> 00:11:46,005 いざ 決しようぞ! 172 00:11:46,005 --> 00:11:51,010 食らえ わが最強最速! 奥義!➡ 173 00:11:51,010 --> 00:11:53,980 トルナード インフィエールノ! 174 00:11:56,683 --> 00:11:58,685 ハッ! 175 00:11:58,685 --> 00:12:02,021 流浪人さん! 176 00:12:02,021 --> 00:12:04,991 ガハッ!? ううおおっ! 177 00:12:07,026 --> 00:12:09,996 (エスピラール)ぐあっ… あ… ああ…。 178 00:12:12,031 --> 00:12:14,033 やった! (エルダー)ハァ…。 179 00:12:14,033 --> 00:12:16,035 (用心棒・泥庵)ああ…。 180 00:12:16,035 --> 00:12:19,038 (仲介人)なんと…。 エスピラールの奥義の威力を➡ 181 00:12:19,038 --> 00:12:24,010 自身の斬撃に上乗せして たたき返すとは…。 182 00:12:27,981 --> 00:12:29,983 ハァ…。 (足音) 183 00:12:29,983 --> 00:12:35,989 フッ…。 最後に立っているのは侍…。➡ 184 00:12:35,989 --> 00:12:39,993 まあいい お前ほどの男に 斬り殺されるのなら➡ 185 00:12:39,993 --> 00:12:41,995 それもまた本望。 186 00:12:41,995 --> 00:12:45,999 さあ とどめを刺せ。 187 00:12:45,999 --> 00:12:49,002 人聞きの悪い。 よく見るでござる。 188 00:12:49,002 --> 00:12:53,006 あ? これが拙者の今の刀。 189 00:12:53,006 --> 00:12:55,008 (エスピラール)逆刃刀…。 190 00:12:55,008 --> 00:13:01,014 拙者の飛天御剣流は 確実に人を惨殺する殺人剣…。 191 00:13:01,014 --> 00:13:06,019 人を殺さないための工夫をした この刀でなくばな…。 192 00:13:06,019 --> 00:13:09,022 ん…。 193 00:13:09,022 --> 00:13:12,025 刀は 侍の魂…。 194 00:13:12,025 --> 00:13:18,031 そうか それが今の貴殿の魂。 195 00:13:18,031 --> 00:13:21,034 (用心棒)桁も格も違う…。 196 00:13:21,034 --> 00:13:23,036 ぬぅ… くそ! ならば せめて! 197 00:13:23,036 --> 00:13:26,973 あっ!? (泥庵)ぬうぅ! 198 00:13:26,973 --> 00:13:28,975 あっ! 199 00:13:28,975 --> 00:13:30,977 (エルダー)《天然痘!》 200 00:13:30,977 --> 00:13:32,979 おっと! (エルダー)天然痘の種です! 201 00:13:32,979 --> 00:13:35,648 とても危険! (用心棒)ひぃっ! 202 00:13:35,648 --> 00:13:37,650 くっ…。 203 00:13:37,650 --> 00:13:40,987 ぬう…。 (エルダー)あっ!? 204 00:13:40,987 --> 00:13:42,989 あ…。 (男吉)ぐあ…。 205 00:13:42,989 --> 00:13:46,993 (泥庵)天然痘よ! 風に乗って 横浜中に広まれ!➡ 206 00:13:46,993 --> 00:13:51,998 混乱に乗じて わしは逃げる! 207 00:13:51,998 --> 00:13:53,966 あっ! 208 00:13:57,003 --> 00:13:58,971 あ…。 209 00:14:01,674 --> 00:14:04,010 (エスピラール)くあっ! 210 00:14:04,010 --> 00:14:08,347 決着はついた! 私の敗北に泥を塗るな! 211 00:14:08,347 --> 00:14:10,350 いっ! (用心棒)ぐえっ! 212 00:14:10,350 --> 00:14:12,351 石津! てめえ! 213 00:14:12,351 --> 00:14:15,021 (泥庵)ぐわっ! 214 00:14:15,021 --> 00:14:17,023 うう…。 215 00:14:17,023 --> 00:14:22,028 良い戦いを見れて満足だ。 降参する。 216 00:14:22,028 --> 00:14:24,030 ハァ…。 217 00:14:24,030 --> 00:14:25,998 ヘッ。 218 00:14:36,976 --> 00:14:39,946 ん… あ…。 219 00:14:42,982 --> 00:14:45,985 私を助けたのか。 220 00:14:45,985 --> 00:14:48,988 (エルダー) ケガ人 病人は等しく患者です。 221 00:14:48,988 --> 00:14:52,992 そうか…。 (エルダー)はい。 222 00:14:52,992 --> 00:14:58,998 剣が滅びる時代に 私は 剣で最強を求めた。 223 00:14:58,998 --> 00:15:04,003 だが それも東洋の侍の前に 打ち砕かれてしまった…。➡ 224 00:15:04,003 --> 00:15:11,010 ケガが治ったところで 生きる意味などない。 225 00:15:11,010 --> 00:15:17,016 終わりゆく剣の時代に それでも なお最強を求める。➡ 226 00:15:17,016 --> 00:15:20,019 誇り高いことだと思います。➡ 227 00:15:20,019 --> 00:15:25,024 ですが 目標が大きすぎると 道に迷ってしまうものです。 228 00:15:25,024 --> 00:15:27,026 あ…。 229 00:15:27,026 --> 00:15:30,029 横浜を観光するのに➡ 230 00:15:30,029 --> 00:15:33,032 日本地図を持つ人は いないでしょう。 231 00:15:33,032 --> 00:15:37,003 私が道に… 迷っている? 232 00:15:39,038 --> 00:15:44,010 ハァ… 確かに そうかもしれない。 233 00:15:46,045 --> 00:15:48,047 石津は逮捕。 234 00:15:48,047 --> 00:15:51,050 仲介人は 国外退去とのことでござる。 235 00:15:51,050 --> 00:15:53,052 (エルダー)では 一安心ですね。 236 00:15:53,052 --> 00:15:59,058 拙者の目には とても 安心とは思えないのでござるが…。 237 00:15:59,058 --> 00:16:03,062 戦えて光栄だった 抜刀斎。 238 00:16:03,062 --> 00:16:06,732 いや その名は捨てたと言っていたな。 239 00:16:06,732 --> 00:16:11,070 拙者は流浪人。 旅の剣客でござる。 240 00:16:11,070 --> 00:16:13,072 私はエスピラール。 241 00:16:13,072 --> 00:16:16,075 終わりゆく剣の時代に 絶望していたものだ。 242 00:16:16,075 --> 00:16:20,079 だが 大きすぎる地図では 道に迷うと➡ 243 00:16:20,079 --> 00:16:24,083 ドクター エルダーに言われて 気付いた。 244 00:16:24,083 --> 00:16:28,020 時代という大きなものに 絶望するのではなく➡ 245 00:16:28,020 --> 00:16:32,024 もっと小さな希望を持って 生きるのも悪くないと。 246 00:16:32,024 --> 00:16:35,027 もっと小さな希望? 247 00:16:35,027 --> 00:16:38,030 自分が剣士でありさえすれば➡ 248 00:16:38,030 --> 00:16:41,033 私にとっての剣の時代は 終わらない。➡ 249 00:16:41,033 --> 00:16:43,035 そう考えたのだ。➡ 250 00:16:43,035 --> 00:16:45,037 そこで…。 251 00:16:45,037 --> 00:16:48,040 あっ その剣は…。 252 00:16:48,040 --> 00:16:53,045 (エスピラール)貴殿が人斬りの刀から 逆刃の刀に持ち替えたように➡ 253 00:16:53,045 --> 00:16:56,048 ねじれた剣を まっすぐな剣に持ち替えて➡ 254 00:16:56,048 --> 00:17:00,052 ドクター エルダーを守る 剣士になると決めた。 255 00:17:00,052 --> 00:17:03,055 私は 一人でも大丈夫なのですが。 256 00:17:03,055 --> 00:17:08,060 せめて 次の寄港地 アメリカまで 同行させてもらいたい。 257 00:17:08,060 --> 00:17:11,063 根負けしました。 なるほど。 258 00:17:11,063 --> 00:17:14,066 昨日の敵は今日の友で ござるな。 259 00:17:14,066 --> 00:17:16,068 はい。 260 00:17:16,068 --> 00:17:20,072 エルダー殿と エスピラール殿は これから出国でござるか? 261 00:17:20,072 --> 00:17:22,074 (エルダー)ええ。 (エスピラール)ああ。 262 00:17:22,074 --> 00:17:24,043 達者でな。 263 00:17:34,020 --> 00:17:38,024 (エスピラール)出国の手続きをしてくる。 264 00:17:38,024 --> 00:17:40,026 お見送り うれしいです。 265 00:17:40,026 --> 00:17:43,029 お見送りがあると 次に また来たとき➡ 266 00:17:43,029 --> 00:17:45,031 出迎えてくれそうな気がして…。 267 00:17:45,031 --> 00:17:49,035 拙者だけではござらんよ。 えっ? 268 00:17:49,035 --> 00:17:52,038 (男吉)先生! エルダー先生! 269 00:17:52,038 --> 00:17:54,040 男吉から聞いたよ! 270 00:17:54,040 --> 00:17:57,043 くずの泥庵から 居留地 守ってくれたんだって! 271 00:17:57,043 --> 00:17:59,045 また来てくれよ! 272 00:17:59,045 --> 00:18:01,047 母ちゃん治ったよ~! 273 00:18:01,047 --> 00:18:05,051 ありがとう! (女性)ありがとうございました。 274 00:18:05,051 --> 00:18:08,054 次は 出迎えいっぱいでござるな。 275 00:18:08,054 --> 00:18:10,056 (エルダー)ありがとうございます! (一同)あっ!? 276 00:18:10,056 --> 00:18:12,058 皆さん お健やかに! 277 00:18:12,058 --> 00:18:16,062 うおっ! べっぴん! 278 00:18:16,062 --> 00:18:18,064 お達者で。 279 00:18:18,064 --> 00:18:21,067 これからも ケガや病気に 苦しんでいる人たちの➡ 280 00:18:21,067 --> 00:18:24,070 力になるでござるよ。 はい。 281 00:18:24,070 --> 00:18:27,006 一人でも多くの人が 健やかに暮らせるよう➡ 282 00:18:27,006 --> 00:18:28,975 頑張ります。 283 00:18:33,012 --> 00:18:35,014 あっ。 (エルダー)大きな傷…。➡ 284 00:18:35,014 --> 00:18:38,017 古い刀傷のようですが➡ 285 00:18:38,017 --> 00:18:42,021 まるで 昨日今日にできたかのよう…。 286 00:18:42,021 --> 00:18:48,027 心と体は 自分で思うより ずっと 深く強くつながっています。➡ 287 00:18:48,027 --> 00:18:52,031 あなたの過去に何があったのか 分かりませんが➡ 288 00:18:52,031 --> 00:18:55,034 それが その傷と つながっているのなら➡ 289 00:18:55,034 --> 00:18:57,036 いっそ 新天地に渡って➡ 290 00:18:57,036 --> 00:19:01,040 新しい人生を 生きてみてはいかがでしょう。➡ 291 00:19:01,040 --> 00:19:05,044 転地療法といって 住み慣れた土地を離れて➡ 292 00:19:05,044 --> 00:19:10,049 別の環境に身を置くのは 安らぎと 癒やしになります。 293 00:19:10,049 --> 00:19:13,052 心遣い かたじけない。 294 00:19:13,052 --> 00:19:17,056 けれど 拙者の過去は 自分で選んだもの。 295 00:19:17,056 --> 00:19:21,060 手放すわけにはいかぬでござる。 296 00:19:21,060 --> 00:19:25,998 過去も 傷も 拙者は このまま…。 297 00:19:25,998 --> 00:19:28,000 せめて この刀で➡ 298 00:19:28,000 --> 00:19:33,005 この目に映る人々を 一人でも多く守るでござる。 299 00:19:33,005 --> 00:19:36,008 フッ… そうですね。 300 00:19:36,008 --> 00:19:39,011 刀が 侍の魂なら➡ 301 00:19:39,011 --> 00:19:42,014 ノットキルの刀を持つ あなたには➡ 302 00:19:42,014 --> 00:19:47,019 その生き方が ふさわしいのでしょう。 303 00:19:47,019 --> 00:19:56,996 ♬~ 304 00:21:18,043 --> 00:21:20,045 ということがあったでござる。 305 00:21:20,045 --> 00:21:22,047 (弥彦)なあ 剣心。 306 00:21:22,047 --> 00:21:24,049 それって どのくらい前の話なんだ? 307 00:21:24,049 --> 00:21:25,985 え~っと 確か➡ 308 00:21:25,985 --> 00:21:29,989 神谷道場に厄介になる 5日ほど前のことでござる。 309 00:21:29,989 --> 00:21:33,993 (4人)5日!? そんなに最近の話だったのね。 310 00:21:33,993 --> 00:21:37,997 俺は てっきり もっと昔の話かと思ったぜ。 311 00:21:37,997 --> 00:21:40,100 拙者 昔話をするとは 言ってないでござる。 312 00:21:40,100 --> 00:21:43,002 まあ 確かに…。 313 00:21:43,002 --> 00:21:46,005 でも それだと 気になることがあるわ。 314 00:21:46,005 --> 00:21:49,008 おろ? (恵)ちょっと失礼。 315 00:21:49,008 --> 00:21:52,011 おお。 あ…。 316 00:21:52,011 --> 00:21:54,013 剣さん あなた➡ 317 00:21:54,013 --> 00:21:57,016 庭のジンチョウゲの香りは 分かったけど➡ 318 00:21:57,016 --> 00:22:00,019 紅茶の香りはしなかったと 言ったわね。 319 00:22:00,019 --> 00:22:02,021 そうでござるが。 320 00:22:02,021 --> 00:22:07,026 でも 今は剣心 このお茶 とってもおいしいって…。 321 00:22:07,026 --> 00:22:10,029 あ… そうだったわね。 322 00:22:10,029 --> 00:22:12,031 なら大丈夫。 323 00:22:12,031 --> 00:22:15,034 ホッ。 324 00:22:15,034 --> 00:22:19,038 《最後に一つだけ 医者としてアドバイスを》➡ 325 00:22:19,038 --> 00:22:25,044 《どんな傷や 病にも 治療の他に 静養が必要です》➡ 326 00:22:25,044 --> 00:22:26,979 《一つ所に落ち着いて➡ 327 00:22:26,979 --> 00:22:30,983 ゆっくり 心身をいたわることが 大事です》➡ 328 00:22:30,983 --> 00:22:35,988 《もしも この先 あなたを 呼び止める方と出会えたら➡ 329 00:22:35,988 --> 00:22:39,959 そのときは 一度 歩みを止めてみてください》 330 00:22:42,995 --> 00:22:47,967 《分かった。 心に留めておくでござるよ》