1 00:00:01,040 --> 00:00:03,010 (野盗)ぐあ! 2 00:00:06,040 --> 00:00:10,050 (野盗)な… 何だ!? (野盗)貴様! 3 00:00:10,050 --> 00:00:14,020 (清十郎)これから死ぬやからに 名乗っても 意味がねえよ。 4 00:00:16,050 --> 00:00:18,020 (野盗たちの怒号) 5 00:00:22,060 --> 00:00:25,030 (野盗たちの叫び声) 6 00:00:34,070 --> 00:00:37,080 運が悪かったな 坊主。➡ 7 00:00:37,080 --> 00:00:41,080 2年前の黒船来航以来 治安が乱れて➡ 8 00:00:41,080 --> 00:00:44,080 浪人崩れの野盗が 多くなってんだ。➡ 9 00:00:44,080 --> 00:00:47,090 通り合わせたのも何かの縁。➡ 10 00:00:47,090 --> 00:00:50,060 取りあえず 敵は討った。 11 00:00:53,090 --> 00:00:58,030 恨んでも 悔やんでも 死んだ人間は蘇ったりはせん。➡ 12 00:00:58,030 --> 00:01:03,040 昨今の日本では このようなことは どこ なんどきでも起きている。➡ 13 00:01:03,040 --> 00:01:09,040 己が生き延びられただけでも よしと思うことだ。 14 00:01:09,040 --> 00:01:11,040 麓の村で 事情を話せ。 15 00:01:11,040 --> 00:01:15,050 身の振り方は 村人が 何とかしてくれる。 16 00:01:15,050 --> 00:01:27,030 ♬~ 17 00:01:31,060 --> 00:01:35,070 (清十郎)ずいぶんと昔のことを 思い出しちまったな。 18 00:01:35,070 --> 00:01:38,070 おい いつまで寝てるんだ。➡ 19 00:01:38,070 --> 00:01:40,070 いいかげん起きろ。 20 00:01:40,070 --> 00:01:45,080 ハァ ハァ ハァ ハァ…。 21 00:01:45,080 --> 00:01:55,050 ♬~ 22 00:03:20,040 --> 00:03:22,050 (清十郎)起きろ バカ弟子。 23 00:03:22,050 --> 00:03:24,050 ハァ ハァ…。 24 00:03:24,050 --> 00:03:28,050 起きねえなら さらに昔のこと 思い出し続けるぞ。 25 00:03:28,050 --> 00:03:32,060 例えば お前が 最後に 寝小便垂れたのは➡ 26 00:03:32,060 --> 00:03:34,060 11歳の秋だったとか。 27 00:03:34,060 --> 00:03:37,990 飢えのあまり ワライタケ食って 笑い死にしかけたとか。 28 00:03:37,990 --> 00:03:40,000 師匠! 29 00:03:40,000 --> 00:03:43,000 本人でさえ忘れた恥を 逐一 覚えてるとは➡ 30 00:03:43,000 --> 00:03:45,000 本当に 人が悪い。 31 00:03:45,000 --> 00:03:47,000 何言ってやがる。 32 00:03:47,000 --> 00:03:49,010 ケンカ別れした バカ弟子の再修行に➡ 33 00:03:49,010 --> 00:03:53,010 もう1週間も 付き合ってやってるんだ。 34 00:03:53,010 --> 00:03:57,010 こんな人のいい師匠は 他にいねえぜ。 35 00:03:57,010 --> 00:04:01,020 だが それも いささか飽きた。 36 00:04:01,020 --> 00:04:08,020 次で 俺に 一撃入れられなくば 奥義の伝授はなしだ。 37 00:04:08,020 --> 00:04:15,030 《飛天御剣流 継承者 第十三代目 比古 清十郎》 38 00:04:15,030 --> 00:04:19,040 《小手先の技術は 一切 通用しない》 39 00:04:19,040 --> 00:04:25,010 《もしも これが最後の機会なら 全身全霊の一撃にかける!》 40 00:04:28,040 --> 00:04:30,050 いきます。 41 00:04:30,050 --> 00:04:32,020 おう。 42 00:04:34,050 --> 00:04:36,020 フッ…。 43 00:04:38,990 --> 00:04:40,990 飛天御剣流! 飛天御剣流! 44 00:04:40,990 --> 00:04:42,660 龍槌閃! 45 00:04:42,660 --> 00:04:44,230 龍翔閃! 46 00:04:48,000 --> 00:04:50,970 (衝撃音) 47 00:04:53,000 --> 00:04:56,010 (清十郎) おい いつまで寝てるんだ。 48 00:04:56,010 --> 00:04:58,010 いいかげん起きろ! 49 00:04:58,010 --> 00:05:01,010 あっ! 50 00:05:01,010 --> 00:05:04,010 つう…。 全身全霊で打ち込むのに➡ 51 00:05:04,010 --> 00:05:06,020 意識を集中するあまり➡ 52 00:05:06,020 --> 00:05:09,020 着地の際の姿勢制御を おろそかにするから➡ 53 00:05:09,020 --> 00:05:14,020 脳振とうなんか起こすんだ。 このバカが。 54 00:05:14,020 --> 00:05:16,030 だが…。 55 00:05:16,030 --> 00:05:20,030 そうでもしなけりゃ この俺に 一撃当てるなんざ➡ 56 00:05:20,030 --> 00:05:24,030 10年たっても無理だろうがな。 57 00:05:24,030 --> 00:05:26,040 この程度では 完璧とまで言えないが➡ 58 00:05:26,040 --> 00:05:29,040 一撃には かわりない。 59 00:05:29,040 --> 00:05:34,010 約束どおり 奥義の伝授 始めてやる。 60 00:05:36,980 --> 00:05:40,980 いいか 絶対に微動だにするなよ。 61 00:05:40,980 --> 00:05:44,990 へたに動けば死んで それまでだからな。 62 00:05:44,990 --> 00:05:46,990 まずは おさらい。 63 00:05:46,990 --> 00:05:50,990 剣術における 斬撃の種類。 64 00:05:50,990 --> 00:05:53,000 始めに➡ 65 00:05:53,000 --> 00:05:55,000 唐竹。 袈裟斬り。 66 00:05:55,000 --> 00:05:56,100 逆袈裟。 67 00:05:56,100 --> 00:06:01,000 右薙に 左薙。 68 00:06:01,000 --> 00:06:04,010 右切上に 左切上。 69 00:06:04,010 --> 00:06:07,010 そして 逆風。 70 00:06:07,010 --> 00:06:10,010 最後に 最短距離の一点を貫く➡ 71 00:06:10,010 --> 00:06:12,020 刺突。 72 00:06:12,020 --> 00:06:15,020 どの流派の いかなる技であれ➡ 73 00:06:15,020 --> 00:06:19,020 斬撃そのものは この九つ以外になく➡ 74 00:06:19,020 --> 00:06:24,030 自然 防御の型も この九つに対応して展開される。 75 00:06:24,030 --> 00:06:26,000 だが! 76 00:06:30,030 --> 00:06:33,000 (斬撃音) 77 00:06:36,970 --> 00:06:40,980 飛天御剣流の神速を 最大に発動し➡ 78 00:06:40,980 --> 00:06:46,980 この九つの斬撃を 同時に打ち込む。 79 00:06:46,980 --> 00:06:49,990 これが飛天御剣流➡ 80 00:06:49,990 --> 00:06:51,960 九頭龍閃。 81 00:06:57,990 --> 00:07:01,000 同じ乱撃術でも 龍巣閃と違い➡ 82 00:07:01,000 --> 00:07:06,000 九つの斬撃全てが 一撃必殺の 威力を有すると同時に➡ 83 00:07:06,000 --> 00:07:11,010 突進術でもある故 回避しきることも絶対不可能。 84 00:07:11,010 --> 00:07:14,010 俺が 最も得意とする技だ。 85 00:07:14,010 --> 00:07:18,010 《微動だにできなかった…》 86 00:07:18,010 --> 00:07:25,020 《これが 奥義 飛天御剣流 九頭龍閃》 87 00:07:25,020 --> 00:07:27,020 感心してねえで とっととやってみろ。 88 00:07:27,020 --> 00:07:30,030 なっ… って いきなり やれったって! 89 00:07:30,030 --> 00:07:32,030 何 寝ぼけたこと言ってやがる。 90 00:07:32,030 --> 00:07:36,030 一度 食らって そこから学び取った技こそ➡ 91 00:07:36,030 --> 00:07:38,030 いざとなったときに 役に立つ。 92 00:07:38,030 --> 00:07:41,040 いつも そうやって 修行してきただろうが。 93 00:07:41,040 --> 00:07:42,710 (清十郎)《龍翔閃!》 94 00:07:42,710 --> 00:07:44,370 (清十郎)《龍槌閃!》 95 00:07:44,370 --> 00:07:46,040 (清十郎)《龍巻閃!》 96 00:07:46,040 --> 00:07:48,040 よく生き延びたもんだ…。 97 00:07:48,040 --> 00:07:52,050 まっ ひとえに 俺の 巧みな力加減のおかげだな。 98 00:07:52,050 --> 00:07:56,050 分かったなら さっさと うち込んでこい。 99 00:07:56,050 --> 00:07:58,020 本気でな。 100 00:08:06,060 --> 00:08:09,070 《確かに 微動だにできなかった》 101 00:08:09,070 --> 00:08:13,070 《だが 見えなかったわけじゃない》 102 00:08:13,070 --> 00:08:15,040 《飛天御剣流!》 103 00:08:17,070 --> 00:08:20,080 《九頭龍閃!》 104 00:08:20,080 --> 00:08:22,050 フッ…。 105 00:08:25,080 --> 00:08:27,050 あっ!? 106 00:08:30,090 --> 00:08:33,090 うわっ! 107 00:08:33,090 --> 00:08:35,090 くっ…。 108 00:08:35,090 --> 00:08:38,030 完全に せり負けた…。 109 00:08:38,030 --> 00:08:42,030 今の九頭龍閃は 完璧じゃなかったのか? 110 00:08:42,030 --> 00:08:45,030 いや 完璧だったぜ。 111 00:08:45,030 --> 00:08:52,040 だが しかし 乱撃術では 腕の力 突進術では 重量がものをいう。 112 00:08:52,040 --> 00:08:56,050 そのどちらも お前は 俺より 圧倒的に劣る。 113 00:08:56,050 --> 00:08:59,050 つまり 俺の九頭龍閃の前では➡ 114 00:08:59,050 --> 00:09:04,020 お前の九頭龍閃はもちろん 他の どの技も通用しない。 115 00:09:07,060 --> 00:09:12,060 もし 俺の九頭龍閃を 破る技があるとすれば➡ 116 00:09:12,060 --> 00:09:14,030 その技は ただ一つ。 117 00:09:19,070 --> 00:09:25,040 それこそが 飛天御剣流奥義 天翔龍閃。 118 00:09:34,080 --> 00:09:37,020 なっ!? 何を いまさら驚いているんだよ。 119 00:09:37,020 --> 00:09:43,030 俺は 一言も 九頭龍閃が 奥義だなんて言ってないぜ。 120 00:09:43,030 --> 00:09:46,000 《俺が 最も得意とする技だ》 121 00:09:48,030 --> 00:09:51,030 《計られた…》 ヘヘッ。 122 00:09:51,030 --> 00:09:54,040 九頭龍閃は 奥義伝授の過程で生まれた➡ 123 00:09:54,040 --> 00:09:57,040 いわば試験としての技。 124 00:09:57,040 --> 00:10:00,040 師の放つ 九頭龍閃を 破ることができれば➡ 125 00:10:00,040 --> 00:10:03,050 奥義の伝授は 完了する。 126 00:10:03,050 --> 00:10:05,050 しかし…。 127 00:10:05,050 --> 00:10:09,050 伝授した 九頭龍閃の性質を よーく考えてみろ。 128 00:10:09,050 --> 00:10:14,060 そうすれば 天翔龍閃の輪郭は おのずと見えてくる。 129 00:10:14,060 --> 00:10:17,060 九頭龍閃の性質…。 130 00:10:17,060 --> 00:10:19,030 あっ…。 131 00:10:21,060 --> 00:10:23,030 フッ…。 132 00:10:28,070 --> 00:10:32,080 《九頭龍閃は 防御も回避も不能の技》 133 00:10:32,080 --> 00:10:34,080 《破るには➡ 134 00:10:34,080 --> 00:10:39,020 抜刀術で 技の発生よりも 速く斬り込む他はない》 135 00:10:39,020 --> 00:10:41,020 ご名答。 136 00:10:41,020 --> 00:10:45,020 神速を超える 超神速の抜刀術。 137 00:10:45,020 --> 00:10:49,030 それが 奥義 天翔龍閃の正体だ。 138 00:10:49,030 --> 00:10:54,030 だが 問題は 抜刀術に不利な その逆刃刀で➡ 139 00:10:54,030 --> 00:10:58,000 果たして 神速を超えることが できるかだな。 140 00:11:07,040 --> 00:11:11,050 納刀したままでの無形の位。 141 00:11:11,050 --> 00:11:13,050 無謀だな。 142 00:11:13,050 --> 00:11:16,050 承知してます。 しかし それでも…。 143 00:11:16,050 --> 00:11:22,030 命を捨ててでも 俺は ここで 奥義を会得しなくてはならない。 144 00:11:32,070 --> 00:11:35,070 えっ? 一晩 時間をやる。 145 00:11:35,070 --> 00:11:37,010 朝までに 心の中を探って➡ 146 00:11:37,010 --> 00:11:40,010 自分に欠けているものを 見つけだせ。 147 00:11:40,010 --> 00:11:44,010 それができねば 奥義の会得はおろか➡ 148 00:11:44,010 --> 00:11:47,980 お前は 本当に ここで命を捨てることになる。 149 00:12:09,040 --> 00:12:13,010 俺に 欠けているもの…。 150 00:12:19,050 --> 00:12:20,980 (清十郎)《来ていない?》 151 00:12:20,980 --> 00:12:25,990 (店主)《んだ。 この1週間 そんな坊主は 来ちゃおらんよ》➡ 152 00:12:25,990 --> 00:12:28,990 《ほれ》 153 00:12:28,990 --> 00:12:32,990 (清十郎)《世をはかなみ その場で 自害したか》➡ 154 00:12:32,990 --> 00:12:37,000 《だが それも よくあることだ》➡ 155 00:12:37,000 --> 00:12:41,000 《飛天御剣流のことわりに従い 刀を振るっても➡ 156 00:12:41,000 --> 00:12:45,000 誰一人救えなかったことなど 何度もあった》➡ 157 00:12:45,000 --> 00:12:48,010 《日ごと 波乱へと向かう ゆがんだ この時代➡ 158 00:12:48,010 --> 00:12:51,010 俺が確実に できることといえば➡ 159 00:12:51,010 --> 00:12:55,010 犠牲者のむくろを 葬ってやることぐらい》 160 00:12:55,010 --> 00:12:57,020 (清十郎)《あっ…》 161 00:12:57,020 --> 00:13:10,030 ♬~ 162 00:13:10,030 --> 00:13:15,030 《親だけでなく 野盗どもの墓もつくったのか》 163 00:13:15,030 --> 00:13:17,040 《親じゃなくて 人買い》 164 00:13:17,040 --> 00:13:20,970 《親は 去年 虎狼痢で死んだ》 165 00:13:20,970 --> 00:13:24,980 《でも 野盗だろうと 人買いだろうと➡ 166 00:13:24,980 --> 00:13:26,980 死ねば ただのむくろだから》 167 00:13:26,980 --> 00:13:29,980 《墓をつくってやったか…》 168 00:13:29,980 --> 00:13:32,990 《ん? その三つの石の墓は?》 169 00:13:32,990 --> 00:13:37,990 《霞さんに 茜さんに さくらさん》 170 00:13:37,990 --> 00:13:40,990 《3人とも 借財のかたに➡ 171 00:13:40,990 --> 00:13:45,000 親元から 無理やり 引き離されてきたんだって》 172 00:13:45,000 --> 00:13:49,000 《会って まだ1日だけど 男の子は 俺 一人だったし➡ 173 00:13:49,000 --> 00:13:51,000 どうせ 親はいないから》 174 00:13:51,000 --> 00:13:56,010 《命を捨ててでも 守らなきゃと思ったんだ》 175 00:13:56,010 --> 00:13:57,980 《でも…》 176 00:14:00,010 --> 00:14:03,020 《だから せめて 墓ぐらいは いい石 探したんだけど➡ 177 00:14:03,020 --> 00:14:06,020 この辺には こんな石しかなくて》 178 00:14:06,020 --> 00:14:11,020 《添える花も探したんだけど 一輪も見つからないんだ》 179 00:14:11,020 --> 00:14:13,030 (栓を抜く音) 180 00:14:13,030 --> 00:14:14,990 《俺からの手向けだ》 181 00:14:19,030 --> 00:14:21,970 《坊主 名は?》 182 00:14:21,970 --> 00:14:23,970 《しんた》 183 00:14:23,970 --> 00:14:25,940 《しんた?》 184 00:14:35,980 --> 00:14:39,950 《優しすぎて 剣客には そぐわないな》 185 00:14:43,990 --> 00:14:45,990 《お前は 今日から➡ 186 00:14:45,990 --> 00:14:47,960 剣心と名乗れ》 187 00:14:53,000 --> 00:14:57,970 《お前には 俺の 取って置きをくれてやる》 188 00:15:03,010 --> 00:15:04,980 (まきを割る音) 189 00:15:16,020 --> 00:15:18,020 もっと左。 190 00:15:18,020 --> 00:15:21,030 小指の握りが甘い。 191 00:15:21,030 --> 00:15:24,000 無駄な力が入りすぎだ。 192 00:15:27,030 --> 00:15:33,040 あれから19年 そして…。 193 00:15:33,040 --> 00:15:36,040 奥義の伝授が 成ろうが 成るまいが➡ 194 00:15:36,040 --> 00:15:39,050 明日が今生の別れか…。 195 00:15:39,050 --> 00:15:41,050 (まきを割る音) 196 00:15:41,050 --> 00:15:44,020 (鳥の鳴き声) 197 00:15:46,050 --> 00:15:49,060 ゆうべは 一睡もしなかったようだな…。 198 00:15:49,060 --> 00:15:51,020 師匠こそ…。 199 00:15:57,060 --> 00:16:01,070 で 欠けているものは 思い出せたか? 200 00:16:01,070 --> 00:16:03,070 いいえ。 201 00:16:03,070 --> 00:16:06,070 そうか。 202 00:16:06,070 --> 00:16:11,080 しょせん お前は ここが限界の男だったか。 203 00:16:11,080 --> 00:16:14,080 欠けているものが見いだせぬ 中途半端なままでは➡ 204 00:16:14,080 --> 00:16:16,080 奥義の会得は もちろん➡ 205 00:16:16,080 --> 00:16:20,090 志々雄一派に勝つことも まず無理だろう。 206 00:16:20,090 --> 00:16:23,020 百歩譲って 仮に勝てたとしても➡ 207 00:16:23,020 --> 00:16:27,030 心に すみ着いた 人斬りには 絶対に勝てん。 208 00:16:27,030 --> 00:16:31,030 お前は 生涯 悩み苦しみ 孤独にさいなまれ➡ 209 00:16:31,030 --> 00:16:33,000 人を斬る。 210 00:16:36,040 --> 00:16:41,040 ならば いっそ 奥義の代わりに 引導をくれてやるのが➡ 211 00:16:41,040 --> 00:16:44,010 師匠としての最後の務め。 212 00:16:52,050 --> 00:16:54,020 あっ…。 213 00:16:58,060 --> 00:17:00,060 (めり込む音) 214 00:17:00,060 --> 00:17:02,060 重さ10貫の肩当てと➡ 215 00:17:02,060 --> 00:17:06,070 筋肉を逆さに反る ばねの仕込まれたマント。 216 00:17:06,070 --> 00:17:10,070 飛天御剣流 伝承者の力を 平時抑えるため➡ 217 00:17:10,070 --> 00:17:15,070 比古 清十郎の名と共に 代々 伝えられてきた。 218 00:17:15,070 --> 00:17:19,050 覚悟はいいな? 剣心。 219 00:17:22,010 --> 00:17:27,020 《これが真の比古 清十郎》 220 00:17:27,020 --> 00:17:29,020 《左手が…》 221 00:17:29,020 --> 00:17:34,030 《恐れているのか 比古 清十郎を》 222 00:17:34,030 --> 00:17:38,030 《その後ろに映る 絶対の死を》 223 00:17:38,030 --> 00:17:40,030 《恐れるな!》 224 00:17:40,030 --> 00:17:44,040 《死への覚悟など 幕末の動乱をくぐり抜けて➡ 225 00:17:44,040 --> 00:17:46,040 すでに できているはず》 226 00:17:46,040 --> 00:17:52,040 《命を捨ててでも 俺は 今こそ 奥義を!》 227 00:17:52,040 --> 00:17:54,010 いくぞ! 228 00:18:03,060 --> 00:18:05,060 《死》 229 00:18:05,060 --> 00:18:09,060 (清十郎)《恨んでも 悔やんでも 死んだ人間は蘇ったりはせん》➡ 230 00:18:09,060 --> 00:18:11,060 《昨今の日本では このようなことは➡ 231 00:18:11,060 --> 00:18:13,070 どこ なんどきでも起きている》➡ 232 00:18:13,070 --> 00:18:17,070 《己が生き延びられただけでも よしと思うことだ》➡ 233 00:18:17,070 --> 00:18:19,070 《坊主 名は?》➡ 234 00:18:19,070 --> 00:18:22,010 《優しすぎて 剣客には そぐわないな》➡ 235 00:18:22,010 --> 00:18:24,980 《お前は 今日から 剣心と名乗れ》 236 00:18:28,010 --> 00:18:29,980 《死》 237 00:18:34,020 --> 00:18:37,020 《薫… 殿?》 238 00:18:37,020 --> 00:18:40,030 (薫)《私は 流浪人のあなたに いてほしい!》 239 00:18:40,030 --> 00:18:43,030 (弥彦)《チクショウ 強くなりてえ…》 240 00:18:43,030 --> 00:18:45,030 (左之助)《勝手に 流浪に出るんじゃねえぞ》 241 00:18:45,030 --> 00:18:47,030 (恵)《私は 死刑台の方を…》 (刃衛)《見ててやるよ》 242 00:18:47,030 --> 00:18:49,040 (般若)《緋村 抜刀斎》 (蒼紫)《俺が お前を殺すまで…》 243 00:18:49,040 --> 00:18:51,040 (操)《あんた一人が 不幸になるなんて結末…》 244 00:18:51,040 --> 00:18:53,040 (柏崎) 《くれぐれも忘れんでくれ》 245 00:18:53,040 --> 00:18:55,040 (斎藤)《これから確実に…》 246 00:18:55,040 --> 00:18:58,040 (大久保) 《いま一度 京都へ行ってくれ》 247 00:18:58,040 --> 00:19:01,050 《剣心!!》 248 00:19:01,050 --> 00:19:03,050 《死ね… ない!》 249 00:19:03,050 --> 00:19:07,050 《俺は まだ 死ぬわけにはいかない!》 250 00:19:07,050 --> 00:19:20,070 ♬~ 251 00:19:20,070 --> 00:19:24,000 そうだ。 それでいい。 252 00:19:24,000 --> 00:19:28,010 人を斬り あまたの命を奪った お前は➡ 253 00:19:28,010 --> 00:19:30,010 その悔恨と罪悪感のあまり➡ 254 00:19:30,010 --> 00:19:34,010 自分の命を すぐ軽く考えようとする。 255 00:19:34,010 --> 00:19:36,020 自分の命も また➡ 256 00:19:36,020 --> 00:19:41,020 一人の人間の命だという事実に 目を伏せて。 257 00:19:41,020 --> 00:19:45,020 それが お前自身の真の強さを 押さえる結果となり➡ 258 00:19:45,020 --> 00:19:51,030 時として 心に巣くった 人斬りの自由を許してしまう。 259 00:19:51,030 --> 00:19:56,040 それを克服するためには お前が今 生と死のはざまで見いだした➡ 260 00:19:56,040 --> 00:20:00,010 生きようとする意志が 不可欠なんだ。 261 00:20:03,040 --> 00:20:05,040 いとしい者や 弱き者を➡ 262 00:20:05,040 --> 00:20:09,050 仏の慈愛をもって 己を犠牲にして守ったところで➡ 263 00:20:09,050 --> 00:20:13,050 その者たちの中には 悲しみが残り➡ 264 00:20:13,050 --> 00:20:16,060 本当の意味で 幸福は訪れない。 265 00:20:16,060 --> 00:20:19,060 時代の危難を 修羅の激情をもって➡ 266 00:20:19,060 --> 00:20:23,000 命を捨てて鎮めたところで それは しょせん➡ 267 00:20:23,000 --> 00:20:27,000 連綿と続く時代の ひとときだけのことにすぎない。 268 00:20:27,000 --> 00:20:31,000 生きようとする意志は 何よりも強い。 269 00:20:31,000 --> 00:20:35,010 それを 決して忘れるな。 270 00:20:35,010 --> 00:20:40,010 さすれば お前は 自在に天翔龍閃を使いこなし➡ 271 00:20:40,010 --> 00:20:42,010 志々雄一派は もちろん➡ 272 00:20:42,010 --> 00:20:47,020 己の中の人斬りにすら 決して 負けたりはせん。 273 00:20:47,020 --> 00:20:48,990 師匠…。 274 00:20:52,020 --> 00:20:57,030 あっ… 師匠…。 気にするな。 275 00:20:57,030 --> 00:21:02,030 あっ! 天翔龍閃の伝授の結果は➡ 276 00:21:02,030 --> 00:21:05,000 御剣の師弟のさだめだ。 277 00:21:07,040 --> 00:21:09,040 ぐっ…! 278 00:21:09,040 --> 00:21:11,040 あっ! 279 00:21:11,040 --> 00:21:15,050 師匠!! 280 00:21:15,050 --> 00:21:25,020 ♬~