1 00:00:00,540 --> 00:00:02,310 ‪(キーボードを打つ音)‬ 2 00:00:02,340 --> 00:00:05,560 ‪(詩羽(うたは))“大丈夫 できるよ”‬ 3 00:00:06,380 --> 00:00:09,820 ‪“お兄ちゃんなら‬ ‪この世界を救えるよ”‬ 4 00:00:12,140 --> 00:00:14,490 ‪“瑠璃(るり)は大丈夫”‬ 5 00:00:15,560 --> 00:00:17,790 ‪“ずっと‬ ‪お兄ちゃんと一緒だから”‬ 6 00:00:18,480 --> 00:00:21,290 ‪“だから だから…”‬ 7 00:00:22,190 --> 00:00:24,630 ‪“巡璃(めぐり)を よろしくね?”‬ 8 00:00:27,530 --> 00:00:30,050 ‪(詩羽のため息)‬ 9 00:00:31,700 --> 00:00:32,880 ‪(詩羽)あ…‬ 10 00:00:37,000 --> 00:00:38,390 ‪終わったわ‬ 11 00:00:38,960 --> 00:00:43,520 ‪約束どおり‬ ‪今度の土曜 付き合ってもらうわよ‬ 12 00:00:43,540 --> 00:00:45,900 ‪集合時間は朝10時‬ 13 00:00:46,460 --> 00:00:48,820 ‪遅刻も すっぽかしも許さない‬ 14 00:00:49,380 --> 00:00:52,280 ‪私 ずっと待ってるからね‬ 15 00:00:52,970 --> 00:00:55,030 ‪お兄ちゃん‬ 16 00:00:55,680 --> 00:00:57,830 ‪…じゃなかった 倫理(りんり)君‬ 17 00:00:59,060 --> 00:01:04,120 ♪~ 18 00:02:23,890 --> 00:02:29,000 ~♪ 19 00:02:30,940 --> 00:02:32,960 ‪(倫也(ともや))えっとさ 詩羽先輩‬ 20 00:02:32,990 --> 00:02:34,800 ‪(詩羽)何? 倫理君‬ 21 00:02:34,820 --> 00:02:37,930 ‪読書中は なるべく‬ ‪話しかけてほしくはないのだけれど‬ 22 00:02:37,950 --> 00:02:40,010 ‪(倫也)‬ ‪いつまで ここにいるつもり?‬ 23 00:02:40,040 --> 00:02:41,050 ‪そうね‬ 24 00:02:41,080 --> 00:02:44,140 ‪この“物語”シリーズを‬ ‪全巻 読み終えるまでかしら‬ 25 00:02:44,160 --> 00:02:47,310 ‪(倫也)さすがに‬ ‪その時 彼女が発した言葉は‬ 26 00:02:47,330 --> 00:02:49,440 ‪ネタでしかないと‬ ‪思いたかったけれど‬ 27 00:02:49,460 --> 00:02:53,020 ‪僕の知りうるかぎり‬ ‪霞ヶ丘(かすみがおか)詩羽という女性は‬ 28 00:02:53,050 --> 00:02:55,690 ‪こと 本を読むという一点のみに‬ ‪限って言えば‬ 29 00:02:55,720 --> 00:02:59,820 ‪人々の想像など及びもつかないほど‬ ‪愚かで 傲慢(ごうまん)で‬ 30 00:02:59,850 --> 00:03:01,530 ‪そして 純粋だった‬ 31 00:03:02,220 --> 00:03:04,540 ‪せめて‬ ‪この1冊だけ読み終わるまで‬ 32 00:03:04,560 --> 00:03:06,330 ‪おとなしくしてなさい‬ 33 00:03:06,350 --> 00:03:08,790 ‪本屋で騒いだら 周りに迷惑でしょ‬ 34 00:03:08,810 --> 00:03:11,540 ‪(倫也)そうだよね‬ ‪ここ 本屋だよね‬ 35 00:03:11,570 --> 00:03:15,630 ‪本をタダで読ませるためじゃなくて‬ ‪売るためのお店だよね‬ 36 00:03:17,360 --> 00:03:20,380 ‪ハァ… しかたないわね‬ 37 00:03:20,410 --> 00:03:23,640 ‪なら この本 買ってくるから‬ ‪少しだけ待ちなさい‬ 38 00:03:23,660 --> 00:03:25,760 ‪(倫也)最初から‬ ‪そうしてほしかったという愚痴は‬ 39 00:03:25,790 --> 00:03:27,020 ‪言わないことにします‬ 40 00:03:29,840 --> 00:03:31,400 ‪(詩羽)ほら 行くわよ 倫理君‬ 41 00:03:31,420 --> 00:03:34,400 ‪(倫也)うっ…‬ ‪えっ ちょ… ちょっと待って‬ 42 00:03:34,880 --> 00:03:37,230 ‪(詩羽)‬ ‪荷物持ちを名乗り出たくせに‬ 43 00:03:37,260 --> 00:03:40,700 ‪最初のお店から この体たらくとか‬ ‪とんだ大ぼら吹きね‬ 44 00:03:40,720 --> 00:03:43,740 ‪(倫也)最初のお店で いきなり‬ ‪シリーズ全巻そろえるとは‬ 45 00:03:43,770 --> 00:03:45,620 ‪想定していなかったもので‬ 46 00:03:45,640 --> 00:03:47,040 ‪(詩羽)しかたないでしょ‬ 47 00:03:47,060 --> 00:03:49,000 ‪しばらく 書くことにかまけてて‬ 48 00:03:49,020 --> 00:03:51,830 ‪読むほうが‬ ‪全然できていなかったんだもの‬ 49 00:03:53,440 --> 00:03:54,420 ‪(英梨々(えりり))んっ…‬ 50 00:03:55,190 --> 00:03:56,550 ‪(恵(めぐみ))お待たせ 英梨々‬ 51 00:03:56,570 --> 00:03:59,340 ‪(英梨々)遅い‬ ‪何 もたもたしてんのよ 恵‬ 52 00:03:59,370 --> 00:04:01,430 ‪(恵)パジャマ姿だった30分前に‬ 53 00:04:01,450 --> 00:04:03,640 ‪いきなり呼び出された‬ ‪女の子にしては‬ 54 00:04:03,660 --> 00:04:05,470 ‪頑張ったほうだと思うんだけど‬ 55 00:04:05,500 --> 00:04:07,640 ‪(英梨々)‬ ‪あなたの来るのが遅かったせいで‬ 56 00:04:07,670 --> 00:04:09,850 ‪2人とも‬ ‪出てっちゃったじゃないのよ‬ 57 00:04:09,880 --> 00:04:11,190 ‪(恵)2人って誰?‬ 58 00:04:11,210 --> 00:04:13,980 ‪(英梨々)聞いて驚きなさい‬ ‪あの霞ヶ丘詩羽と…‬ 59 00:04:14,000 --> 00:04:16,980 ‪(恵)ああ 分かった‬ ‪もう 説明しなくていいから‬ 60 00:04:17,680 --> 00:04:19,190 ‪(倫也)それじゃあ 改めて‬ 61 00:04:19,220 --> 00:04:22,910 ‪詩羽先輩‬ ‪シナリオ脱稿 お疲れさまでした‬ 62 00:04:22,930 --> 00:04:24,490 ‪ありがとう 倫理君‬ 63 00:04:24,520 --> 00:04:27,080 ‪でも 今 いいところだから‬ ‪黙ってて‬ 64 00:04:28,350 --> 00:04:30,830 ‪(倫也)あの…‬ ‪一応 今日の打ち上げは‬ 65 00:04:30,850 --> 00:04:34,960 ‪詩羽先輩の強い要望によって‬ ‪開催されているはずなんですが…‬ 66 00:04:34,980 --> 00:04:36,840 ‪しかたないじゃない‬ 67 00:04:36,860 --> 00:04:39,840 ‪今は食欲よりも 性欲よりも‬ ‪知識欲なのよ‬ 68 00:04:39,860 --> 00:04:42,970 ‪(倫也)さりげなく 怪しげな‬ ‪欲求を潜ませるの やめてよ!‬ 69 00:04:43,620 --> 00:04:45,760 ‪(詩羽)‬ ‪あと もう少しで読み終わるから‬ 70 00:04:45,790 --> 00:04:48,720 ‪倫理君は それまで‬ ‪好きなだけ食べてなさい‬ 71 00:04:48,750 --> 00:04:49,770 ‪はい‬ 72 00:05:05,810 --> 00:05:07,370 ‪(倫也)ねえ 詩羽先輩‬ 73 00:05:07,390 --> 00:05:08,620 ‪何?‬ 74 00:05:08,640 --> 00:05:10,370 ‪(倫也)それ 読み終わったらさ‬ 75 00:05:10,390 --> 00:05:13,750 ‪もっと知識欲を満たすために‬ ‪映画 行こうか‬ 76 00:05:13,770 --> 00:05:16,460 ‪そうね それもいいかもね‬ 77 00:05:16,480 --> 00:05:17,380 ‪(倫也)よし 決まり‬ 78 00:05:17,990 --> 00:05:19,630 ‪じゃあ 何 見ようか?‬ 79 00:05:19,650 --> 00:05:22,300 ‪せっかくだから‬ ‪原作信者 阿鼻叫喚(あびきょうかん)の‬ 80 00:05:22,320 --> 00:05:25,050 ‪残念な実写化映画がいいわね‬ 81 00:05:25,080 --> 00:05:27,010 ‪何か それらしいタイトル‬ ‪ないかしら?‬ 82 00:05:27,040 --> 00:05:31,100 ‪いくつか思い当たる節はあるけど‬ ‪絶対 タイトル言わないから!‬ 83 00:05:32,170 --> 00:05:33,430 ‪(英梨々)いないわね‬ 84 00:05:34,040 --> 00:05:36,310 ‪まったく‬ ‪どこ行っちゃったの あの2人!‬ 85 00:05:36,340 --> 00:05:37,650 ‪ふんっ! ううっ!‬ 86 00:05:37,670 --> 00:05:40,150 ‪(恵)そういえばさ 英梨々‬ ‪(英梨々)何よ?‬ 87 00:05:40,920 --> 00:05:43,320 ‪(恵)何で あの2人が‬ ‪一緒にいるって分かったの?‬ 88 00:05:43,340 --> 00:05:44,700 ‪(英梨々)うっ…‬ ‪(恵)どうして その現場に→ 89 00:05:44,720 --> 00:05:45,650 ‪居合わせたの?‬ 90 00:05:45,680 --> 00:05:49,530 ‪そ… それは…‬ ‪買い物に来たら 偶然 見かけたのよ‬ 91 00:05:49,560 --> 00:05:50,950 ‪(恵)偶然か~‬ 92 00:05:50,980 --> 00:05:53,500 ‪そういえば‬ ‪前に六天馬(ろくてんば)モールでも→ 93 00:05:53,520 --> 00:05:55,710 ‪偶然 会ったことあるよね‬ ‪(英梨々)あっ…‬ 94 00:05:55,730 --> 00:05:59,420 ‪あなたのような‬ ‪勘のいい女の子は嫌いだわ‬ 95 00:05:59,440 --> 00:06:02,130 ‪(恵)あれ?‬ ‪(英梨々)な… 何よ 本当よ!‬ 96 00:06:02,150 --> 00:06:04,380 ‪誰が何と言おうと‬ ‪偶然ったら偶然なんだか…‬ 97 00:06:04,410 --> 00:06:08,260 ‪(恵)ねえ あそこにいるの‬ ‪安芸(あき)君と霞ヶ丘先輩じゃない?‬ 98 00:06:08,290 --> 00:06:09,510 ‪(英梨々)えっ? どこ どこ?‬ 99 00:06:09,540 --> 00:06:12,720 ‪(恵)ほら‬ ‪映画館の列に並んでる2人‬ 100 00:06:12,750 --> 00:06:14,730 ‪(英梨々)あっ ホントだ‬ 101 00:06:14,750 --> 00:06:16,270 ‪やるわね 恵‬ 102 00:06:16,290 --> 00:06:18,230 ‪そうやって おいしいところだけ‬ ‪かっさらっていく→ 103 00:06:18,250 --> 00:06:20,020 ‪抜け目のなさは さすがね‬ 104 00:06:20,050 --> 00:06:23,030 ‪(恵)えっと‬ ‪私 今すぐ帰っていいかな?‬ 105 00:06:26,050 --> 00:06:29,450 ‪(詩羽)まあ テレビ版の‬ ‪続編だから しょうがないにしても‬ 106 00:06:29,470 --> 00:06:31,370 ‪やっぱり 蛇足だったわね‬ 107 00:06:31,390 --> 00:06:32,700 ‪(倫也)そうかな?‬ 108 00:06:32,730 --> 00:06:36,790 ‪新キャラも かわいかったし‬ ‪ラストシーンもグッときたけどな‬ 109 00:06:36,810 --> 00:06:39,500 ‪(詩羽)‬ ‪それはキャラデザや演出の勝利ね‬ 110 00:06:39,530 --> 00:06:42,130 ‪脚本としては陳腐もいいとこなのに‬ 111 00:06:42,150 --> 00:06:43,880 ‪絵とか音楽とか声優の演技で‬ 112 00:06:43,900 --> 00:06:45,880 ‪“何だか よく分からないけど‬ ‪すごい”‬ 113 00:06:45,910 --> 00:06:47,380 ‪…みたいに押し切られているのよ‬ 114 00:06:47,410 --> 00:06:51,050 ‪そういうのさ‬ ‪脚本が悪かったっていうより‬ 115 00:06:51,080 --> 00:06:54,060 ‪キャラや演出が よかったって‬ ‪素直に称賛したほうが‬ 116 00:06:54,080 --> 00:06:56,390 ‪ファンとして幸せだと思うけどな‬ 117 00:06:56,420 --> 00:07:01,190 ‪そういう妄信的な信者は‬ ‪いつしか制作者を堕落させるのよ‬ 118 00:07:01,210 --> 00:07:03,940 ‪(倫也)そんなこと言われても‬ ‪俺 消費豚だし‬ 119 00:07:03,970 --> 00:07:07,690 ‪仮にも 私のシナリオを‬ ‪作品化しようとするディレクターに‬ 120 00:07:07,720 --> 00:07:09,990 ‪そんな無責任なこと‬ ‪言われたくないわね‬ 121 00:07:10,010 --> 00:07:10,910 ‪(倫也)なっ…‬ 122 00:07:11,560 --> 00:07:13,030 ‪いい? 倫理君‬ 123 00:07:13,060 --> 00:07:16,620 ‪あなたも いいものは いい‬ ‪悪いものは悪いと言える目と勇気を‬ 124 00:07:16,650 --> 00:07:18,080 ‪ちゃんと持つようにしなさい‬ 125 00:07:18,650 --> 00:07:21,380 ‪目ってのは分かるけど 勇気って?‬ 126 00:07:21,400 --> 00:07:24,210 ‪(詩羽)そう 例えば私の作品でも‬ 127 00:07:24,240 --> 00:07:27,460 ‪悪いと思ったら‬ ‪容赦なく けなす勇気ということね‬ 128 00:07:28,030 --> 00:07:29,930 ‪そんなことして怒らない?‬ 129 00:07:29,950 --> 00:07:32,050 ‪怒らないに決まってるじゃないの‬ 130 00:07:32,080 --> 00:07:34,600 ‪本気で向き合ってくれるユーザーの‬ ‪意見ほど‬ 131 00:07:34,620 --> 00:07:36,180 ‪ありがたいものは ないわよ‬ 132 00:07:36,210 --> 00:07:37,310 ‪そ… そうなんだ‬ 133 00:07:37,330 --> 00:07:38,560 ‪まあ…‬ 134 00:07:39,250 --> 00:07:40,560 ‪思いっきり すねるけど‬ 135 00:07:40,590 --> 00:07:41,480 ‪(噴き出す音)‬ 136 00:07:41,500 --> 00:07:43,810 ‪(詩羽)1か月は‬ ‪口を利かない自信はあるけど‬ 137 00:07:43,840 --> 00:07:44,730 ‪(倫也のせき込み)‬ 138 00:07:45,380 --> 00:07:47,570 ‪(詩羽)更に‬ ‪その意見が的外れだったりしたら‬ 139 00:07:47,590 --> 00:07:49,650 ‪一生 口 利いてやらないけど‬ 140 00:07:49,680 --> 00:07:52,200 ‪やっぱ 嫌だよ そんな怖い賭け!‬ 141 00:07:52,220 --> 00:07:54,450 ‪(英梨々の泣き声)‬ 142 00:07:54,480 --> 00:07:56,370 ‪そろそろ落ち着いた?‬ 143 00:07:56,390 --> 00:07:57,790 ‪(英梨々)うう…‬ 144 00:07:57,810 --> 00:08:01,250 ‪ごめんね 恵‬ ‪みっともないとこ見せちゃって…‬ 145 00:08:01,270 --> 00:08:02,540 ‪いいよ 別に‬ 146 00:08:02,570 --> 00:08:05,920 ‪感受性 豊かなんだね 英梨々って‬ 147 00:08:05,940 --> 00:08:07,210 ‪(英梨々)だって だって…‬ 148 00:08:07,240 --> 00:08:09,010 ‪本編では‬ ‪あんなに不遇だった麻里子(まりこ)が‬ 149 00:08:09,030 --> 00:08:11,220 ‪まさかのメインヒロイン昇格とか‬ 150 00:08:11,240 --> 00:08:12,800 ‪(恵)そんな話だったっけ?‬ 151 00:08:12,830 --> 00:08:14,090 ‪だって 主人公の公平(こうへい)が‬ 152 00:08:14,120 --> 00:08:16,220 ‪テレビ版のメインヒロインだった‬ ‪羽衣(うい)のことを忘れて→ 153 00:08:16,250 --> 00:08:18,600 ‪前向きに生きることを決意したのよ‬ 154 00:08:18,620 --> 00:08:20,480 ‪だとしたら 隣にいるのは‬ 155 00:08:20,500 --> 00:08:22,640 ‪子供の頃から‬ ‪ずっと彼を見つめてた→ 156 00:08:22,670 --> 00:08:24,190 ‪麻里子しかいないじゃない!‬ 157 00:08:24,210 --> 00:08:25,270 ‪(恵)なのかな?‬ 158 00:08:25,300 --> 00:08:26,730 ‪(英梨々)なのよ!‬ 159 00:08:26,760 --> 00:08:27,940 ‪よかった‬ 160 00:08:27,970 --> 00:08:31,950 ‪テレビ版の最終回で切らなくて‬ ‪本当に よかった‬ 161 00:08:31,970 --> 00:08:33,320 ‪(恵)まあ それはいいとして‬ 162 00:08:33,970 --> 00:08:36,830 ‪私たちも そろそろ出ないと‬ ‪まずいんじゃない?‬ 163 00:08:36,850 --> 00:08:39,410 ‪そんなことより 今は“あの雪”よ‬ 164 00:08:39,440 --> 00:08:41,080 ‪まだまだ 語り足りないわ‬ 165 00:08:41,770 --> 00:08:45,130 ‪ああ よかったね 幼なじみエンド‬ 166 00:08:49,070 --> 00:08:52,300 ‪(詩羽)それじゃあ‬ ‪今日は一日 お疲れさま‬ 167 00:08:52,320 --> 00:08:53,720 ‪(倫也)お疲れさま‬ 168 00:08:54,280 --> 00:08:55,510 ‪(倫也のため息)‬ 169 00:08:56,500 --> 00:08:59,680 ‪(詩羽)さすがの倫理君も‬ ‪本気で お疲れのようね‬ 170 00:08:59,710 --> 00:09:01,730 ‪(倫也)‬ ‪どんだけ買うんだよ 詩羽先輩‬ 171 00:09:01,750 --> 00:09:03,940 ‪宅配便で送ろうよ‬ 172 00:09:03,960 --> 00:09:05,850 ‪(詩羽)‬ ‪すぐ読みたいものもあるから‬ 173 00:09:05,880 --> 00:09:07,730 ‪何冊か 持って帰るわ‬ 174 00:09:12,090 --> 00:09:14,240 ‪まあ それは ともかく‬ 175 00:09:14,260 --> 00:09:17,410 ‪シナリオアップのほうも‬ ‪お疲れさまでした‬ 176 00:09:17,430 --> 00:09:19,870 ‪(詩羽)予想以上に‬ ‪時間が かかってしまって‬ 177 00:09:19,890 --> 00:09:21,160 ‪ごめんなさいね‬ 178 00:09:21,190 --> 00:09:22,330 ‪いいよ‬ 179 00:09:22,350 --> 00:09:24,750 ‪小説の仕事も抱えてるのを‬ ‪分かってて‬ 180 00:09:24,770 --> 00:09:26,920 ‪無理に頼んだの 俺のほうだし‬ 181 00:09:26,940 --> 00:09:29,630 ‪(詩羽)‬ ‪とにかく これで担当分は終了‬ 182 00:09:30,400 --> 00:09:33,630 ‪今後は サークルにも‬ ‪顔 出せなくなるかも‬ 183 00:09:33,660 --> 00:09:35,630 ‪小説の仕事も残ってるし‬ 184 00:09:35,660 --> 00:09:36,800 ‪えっ‬ 185 00:09:37,330 --> 00:09:40,140 ‪(詩羽)それに そろそろ‬ ‪進路のことも考えないとね‬ 186 00:09:40,910 --> 00:09:43,730 ‪他の人たちより‬ ‪随分 遅れちゃったけど‬ 187 00:09:44,330 --> 00:09:45,770 ‪(倫也)そっか‬ 188 00:09:48,300 --> 00:09:50,940 ‪(詩羽)まあ そっちは‬ ‪推薦が取れそうだから‬ 189 00:09:50,970 --> 00:09:52,900 ‪そんなに大変でもないけど‬ 190 00:09:52,930 --> 00:09:57,240 ‪そ… そっか そうだよな‬ ‪詩羽先輩の成績なら…‬ 191 00:09:57,260 --> 00:10:00,030 ‪(詩羽)今 2つくらい‬ ‪推薦枠が空いてるみたい‬ 192 00:10:00,060 --> 00:10:02,410 ‪1つは関西のほうの大学で…‬ 193 00:10:02,440 --> 00:10:03,660 ‪か… 関西?‬ 194 00:10:03,690 --> 00:10:06,540 ‪詩羽先輩 こっちに残らないの?‬ 195 00:10:06,570 --> 00:10:09,130 ‪(詩羽)‬ ‪もう1つは ここから電車で15分‬ 196 00:10:09,150 --> 00:10:10,090 ‪えっ?‬ 197 00:10:10,110 --> 00:10:12,590 ‪(詩羽)今 どっちにしようか‬ ‪悩んでるところ‬ 198 00:10:13,610 --> 00:10:15,670 ‪倫理君は どっちがいいと思う?‬ 199 00:10:15,700 --> 00:10:17,090 ‪(倫也)お… 俺?‬ 200 00:10:17,120 --> 00:10:21,260 ‪行きたい学部のランクで言えば‬ ‪関西の大学だし‬ 201 00:10:21,290 --> 00:10:22,510 ‪けれど 親元 離れて‬ 202 00:10:22,540 --> 00:10:25,430 ‪1人暮らしってのも‬ ‪めんどくさいし‬ 203 00:10:25,460 --> 00:10:26,520 ‪そうは言っても‬ 204 00:10:26,540 --> 00:10:29,690 ‪自由気ままな生活っていうのも‬ ‪興味ないことないし‬ 205 00:10:29,710 --> 00:10:31,230 ‪(倫也)んん…‬ 206 00:10:32,420 --> 00:10:34,860 ‪(詩羽)ねね 倫理君‬ 207 00:10:36,760 --> 00:10:38,410 ‪うう…‬ 208 00:10:40,680 --> 00:10:43,030 ‪どうして そんなに慌ててるわけ?‬ 209 00:10:44,560 --> 00:10:46,500 ‪(倫也)からかわないでよ‬ 210 00:10:50,360 --> 00:10:51,290 ‪うん‬ 211 00:10:51,320 --> 00:10:52,540 ‪ねえ‬ 212 00:10:52,570 --> 00:10:54,460 ‪(恵)開けるよ‬ 213 00:10:54,490 --> 00:10:56,050 ‪これなんか どうかな?‬ 214 00:10:56,070 --> 00:10:58,800 ‪英梨々に似合いそうだと思うけど‬ 215 00:10:58,830 --> 00:11:00,050 ‪こっちも‬ 216 00:11:00,080 --> 00:11:02,430 ‪っていうか‬ ‪大抵のものは似合うよね‬ 217 00:11:02,450 --> 00:11:05,970 ‪肌は白いし 髪 キラキラだし‬ ‪スレンダーだし‬ 218 00:11:06,000 --> 00:11:08,640 ‪コーディネートのしがい あるなあ‬ 219 00:11:08,670 --> 00:11:10,650 ‪まだ こっちのブラウスもあるよ‬ 220 00:11:10,670 --> 00:11:12,730 ‪(英梨々)‬ ‪ちょっと待ちなさいよ 恵‬ 221 00:11:12,760 --> 00:11:15,230 ‪(恵)あっ‬ ‪今 試着してるのでよかった?‬ 222 00:11:15,260 --> 00:11:17,030 ‪そういうことじゃなくて‬ 223 00:11:17,050 --> 00:11:19,490 ‪こんなところで‬ ‪何してるのよ 私たち!‬ 224 00:11:19,510 --> 00:11:21,410 ‪(恵)英梨々の‬ ‪ふだん着選びでしょ?‬ 225 00:11:21,430 --> 00:11:23,490 ‪さすがに‬ ‪いつまでもジャージーってのも…‬ 226 00:11:23,520 --> 00:11:25,160 ‪(英梨々)‬ ‪そんな のんきなこと言ってる間に‬ 227 00:11:25,190 --> 00:11:26,870 ‪見失っちゃったじゃないの‬ ‪あの2人!‬ 228 00:11:26,900 --> 00:11:29,080 ‪(恵)ええ?‬ ‪それは英梨々が映画の話…‬ 229 00:11:29,110 --> 00:11:31,580 ‪(英梨々)ああ 過去のことは‬ ‪今更 蒸し返しても しかたないから‬ 230 00:11:31,610 --> 00:11:34,840 ‪とにかく‬ ‪今からでも捜しに戻らないと‬ 231 00:11:34,860 --> 00:11:37,760 ‪(恵)別に 今日のところは‬ ‪いいんじゃないかな?‬ 232 00:11:37,780 --> 00:11:40,680 ‪そもそも ストーカーまがいのこと‬ ‪していいのかっていう‬ 233 00:11:40,700 --> 00:11:42,590 ‪根本的な疑問は さておいて‬ 234 00:11:42,620 --> 00:11:43,850 ‪何言ってるの‬ 235 00:11:43,870 --> 00:11:47,310 ‪あの2人 放っておいたら‬ ‪何をしでかすか分からないじゃない‬ 236 00:11:47,330 --> 00:11:49,890 ‪これってサークル崩壊の危機よ!‬ 237 00:11:49,920 --> 00:11:51,770 ‪(恵)“今日のところは‬ ‪何もしないから→”‬ 238 00:11:51,800 --> 00:11:55,860 ‪“安心していいわよ”って‬ ‪さっき 霞ヶ丘先輩から‬ 239 00:11:55,880 --> 00:11:57,190 ‪(英梨々)へっ?‬ 240 00:11:58,390 --> 00:12:00,700 ‪(詩羽)‬ ‪それじゃあ 私は こっちだから‬ 241 00:12:02,220 --> 00:12:03,910 ‪(倫也)詩羽先輩‬ 242 00:12:06,850 --> 00:12:10,620 ‪俺は 関西じゃなくて‬ ‪こっちに残ったほうがいいと思う‬ 243 00:12:12,770 --> 00:12:16,380 ‪こっちにいればさ‬ ‪先輩が大学生になったあとだって‬ 244 00:12:16,400 --> 00:12:19,380 ‪また 一緒に ゲームとか‬ ‪作れるかもしれないじゃん‬ 245 00:12:19,410 --> 00:12:21,260 ‪いや それだって 先輩のほうから‬ 246 00:12:21,280 --> 00:12:23,510 ‪俺と組むのなんか‬ ‪二度とごめんだって言われたら‬ 247 00:12:23,540 --> 00:12:25,140 ‪引き下がるしかないけど‬ 248 00:12:25,700 --> 00:12:29,720 ‪そうなったら 今年が最後の‬ ‪ゲーム作りになるかもしれないけど‬ 249 00:12:30,330 --> 00:12:33,400 ‪結果として‬ ‪そうなってしまうかもしれないけど‬ 250 00:12:34,000 --> 00:12:34,900 ‪んんっ…‬ 251 00:12:36,670 --> 00:12:41,900 ‪それでも 自分から可能性を‬ ‪なくしてしまうのは… 嫌だ‬ 252 00:12:44,430 --> 00:12:45,780 ‪あっ…‬ 253 00:12:50,520 --> 00:12:52,580 ‪そんな顔するんだ‬ 254 00:12:53,320 --> 00:12:55,130 ‪悪い倫理君ね‬ 255 00:12:57,150 --> 00:13:01,840 ‪(足音)‬ 256 00:13:01,870 --> 00:13:04,130 ‪(詩羽)なら チャンスをあげる‬ 257 00:13:05,040 --> 00:13:08,310 ‪私たちのゲームの‬ ‪最後のルートのシナリオ‬ 258 00:13:08,330 --> 00:13:10,970 ‪えっ? けど 詩羽先輩‬ 259 00:13:11,000 --> 00:13:13,390 ‪この前 渡してくれた分が‬ ‪最後だって…‬ 260 00:13:13,420 --> 00:13:15,060 ‪(詩羽)あれから書き直したの‬ 261 00:13:15,090 --> 00:13:18,400 ‪この前のシナリオとは‬ ‪展開も結末も変えてあるわ‬ 262 00:13:18,420 --> 00:13:19,320 ‪なっ…‬ 263 00:13:19,340 --> 00:13:21,480 ‪これが私たちの…‬ 264 00:13:21,510 --> 00:13:25,160 ‪私たちのゲームの‬ ‪もう1つの可能性‬ 265 00:13:25,180 --> 00:13:26,620 ‪(倫也)せ… 先輩‬ 266 00:13:26,640 --> 00:13:28,740 ‪倫理君に決めてほしいの‬ 267 00:13:28,770 --> 00:13:31,950 ‪この前の初稿と そこにある第2稿‬ 268 00:13:31,980 --> 00:13:34,160 ‪どちらを選ぶのか‬ 269 00:13:35,770 --> 00:13:39,540 ‪そして 私は‬ ‪この先 どうしたらいいのか‬ 270 00:13:41,490 --> 00:13:44,260 ‪(詩羽)‬ ‪読まないわけにはいかないわよ‬ 271 00:13:44,280 --> 00:13:46,550 ‪決めないわけにはいかないわよ‬ 272 00:13:47,160 --> 00:13:49,470 ‪今のあなたは‬ ‪ただのファンじゃなくて‬ 273 00:13:50,500 --> 00:13:52,270 ‪ディレクターなんだから‬ 274 00:14:04,090 --> 00:14:06,570 ‪(インターホンの音)‬ 275 00:14:07,140 --> 00:14:09,200 ‪いないのかな? 安芸君‬ 276 00:14:09,220 --> 00:14:12,160 ‪確か 朝10時集合だったよね‬ 277 00:14:12,190 --> 00:14:15,120 ‪ま… まさか‬ ‪昨日の夜から帰ってないとか…‬ 278 00:14:15,150 --> 00:14:18,330 ‪今頃 ホテルの部屋で‬ ‪夜明けのコーヒー 飲んでたりとか‬ 279 00:14:18,360 --> 00:14:19,920 ‪(恵)えーっとね 英梨々‬ 280 00:14:19,940 --> 00:14:23,840 ‪想像力 豊かなのは 作家としては‬ ‪財産かもしれないけど‬ 281 00:14:23,860 --> 00:14:26,300 ‪その妄想に‬ ‪付き合わされる側としては‬ 282 00:14:26,320 --> 00:14:29,340 ‪ちょっと困るというか‬ ‪たまったものじゃないというか‬ 283 00:14:29,370 --> 00:14:33,100 ‪(英梨々)と… とにかく‬ ‪一度 倫也の部屋に行ってみるわよ‬ 284 00:14:33,120 --> 00:14:35,390 ‪(恵)でも 勝手に入るのは…‬ 285 00:14:35,420 --> 00:14:38,100 ‪いるか いないか 確認するだけよ‬ 286 00:14:38,130 --> 00:14:40,520 ‪大体 今日のサークル活動が‬ ‪中止になったら‬ 287 00:14:40,550 --> 00:14:44,230 ‪一番 困るのは… あいつなのよ‬ 288 00:14:44,260 --> 00:14:47,150 ‪(恵)そっか それもそうだね‬ ‪(英梨々)ないわね‬ 289 00:14:47,180 --> 00:14:48,050 ‪んもう!‬ 290 00:14:48,050 --> 00:14:48,150 (鍵を開ける音) ‪んもう!‬ ‪んもう!‬ 291 00:14:48,150 --> 00:14:48,470 ‪んもう!‬ (鍵を開ける音) 292 00:14:48,470 --> 00:14:48,570 (鍵を開ける音) ‪んもう!‬ (鍵を開ける音) 293 00:14:48,570 --> 00:14:49,110 (鍵を開ける音) 294 00:14:49,140 --> 00:14:50,200 ‪えっ?‬ 295 00:14:50,220 --> 00:14:52,700 ‪(恵)お邪魔しまーす‬ 296 00:14:53,310 --> 00:14:55,950 ‪(英梨々)恵… あんた…‬ 297 00:14:55,980 --> 00:14:57,210 ‪(恵)ん?‬ 298 00:14:57,230 --> 00:14:59,210 ‪(倫也のはなをすする音)‬ 299 00:14:59,230 --> 00:15:04,880 ‪(泣き声)‬ 300 00:15:05,450 --> 00:15:07,300 ‪えーっと…‬ 301 00:15:07,320 --> 00:15:08,380 ‪(倫也)おお… よう‬ 302 00:15:08,410 --> 00:15:10,720 ‪お前ら 来てた… ぐああ…‬ 303 00:15:10,740 --> 00:15:13,640 ‪(英梨々)泣くか 挨拶するか‬ ‪どっちかにしなさいよ!‬ 304 00:15:15,210 --> 00:15:16,640 ‪(恵)わあ~‬ 305 00:15:16,670 --> 00:15:18,520 ‪何よ これ‬ 306 00:15:19,340 --> 00:15:20,900 ‪(倫也)‬ ‪とうとう お互いを守るため‬ 307 00:15:20,920 --> 00:15:22,020 ‪敵と戦うことを決意した→ 308 00:15:22,050 --> 00:15:24,860 ‪かつての兄と妹にして‬ ‪恋人同士の2人‬ 309 00:15:25,430 --> 00:15:27,320 ‪…と ここまでは‬ ‪今のシナリオと同じ‬ 310 00:15:27,340 --> 00:15:30,990 ‪だが 昨日 詩羽先輩が 俺に‬ ‪渡してくれた この新シナリオは‬ 311 00:15:31,010 --> 00:15:32,910 ‪ここからの展開が‬ ‪まるで変わってる‬ 312 00:15:32,930 --> 00:15:34,370 ‪(恵)ああ やっぱり‬ 313 00:15:34,390 --> 00:15:37,330 ‪兄妹(きょうだい)で愛し合うって設定が‬ ‪NGだったんだね‬ 314 00:15:37,350 --> 00:15:38,290 ‪(倫也)違う!‬ 315 00:15:38,310 --> 00:15:41,460 ‪二次元は 決して‬ ‪T……なんかに負けたりしない!‬ 316 00:15:41,480 --> 00:15:42,960 ‪それどころか 逆だ‬ 317 00:15:42,980 --> 00:15:46,210 ‪こっちのシナリオでは‬ ‪現世の恋人である巡璃よりも‬ 318 00:15:46,240 --> 00:15:49,760 ‪前世の妹である瑠璃の意識のほうが‬ ‪強く表に出てくる‬ 319 00:15:49,780 --> 00:15:52,090 ‪(英梨々)ってことは‬ ‪まさかのヒロイン交代?‬ 320 00:15:52,120 --> 00:15:54,550 ‪(倫也)そのとおり!‬ ‪ここからは 今まで以上に‬ 321 00:15:54,580 --> 00:15:57,140 ‪兄と妹の‬ ‪禁断の愛の世界が始まるんだ!‬ 322 00:15:57,170 --> 00:15:59,230 ‪(倫也)はい 加藤(かとう)!‬ ‪(恵)えっ ちょっと待って‬ 323 00:15:59,250 --> 00:16:01,230 ‪さすがに このセリフは…‬ 324 00:16:01,250 --> 00:16:04,440 ‪(倫也)言うんだ 加藤‬ ‪殻を破れ! 限界を超えろ!‬ 325 00:16:04,460 --> 00:16:08,400 ‪自分の持てる力 すべてを‬ ‪このストーリーに捧げるんだ!‬ 326 00:16:08,430 --> 00:16:10,070 ‪(恵)え… えーっと…‬ 327 00:16:10,100 --> 00:16:14,160 ‪“愛してる お兄ちゃん‬ ‪もう二度と 誰にも渡さない”‬ 328 00:16:14,180 --> 00:16:15,910 ‪(倫也)ハイパーヤンデレ妹‬ ‪バージョン“お兄ちゃん”‬ 329 00:16:15,930 --> 00:16:16,430 ‪キタ キタ キタ キタ‬ ‪キタ キタ キタ キタ…‬ 330 00:16:16,430 --> 00:16:17,600 (英梨々)テンション 上がりすぎでしょ キタ キタ キタ キタ‬ ‪キタ キタ キタ キタ…‬ 331 00:16:17,600 --> 00:16:18,450 (英梨々)テンション 上がりすぎでしょ 332 00:16:18,480 --> 00:16:22,000 ‪(倫也)だが そんな2人きりの‬ ‪幸せな時間も長くは続かなかった‬ 333 00:16:22,020 --> 00:16:23,830 ‪この崩壊しかけた世界を‬ ‪救うためには‬ 334 00:16:24,400 --> 00:16:27,340 ‪瑠璃の中に秘められた‬ ‪魔を打ち破る力が必要‬ 335 00:16:27,360 --> 00:16:31,670 ‪しかし その力は 瑠璃の記憶を‬ ‪すり減らすことでしか発動しない!‬ 336 00:16:31,700 --> 00:16:34,220 ‪(英梨々)つまり‬ ‪世界と妹のどっちを取るかという‬ 337 00:16:34,240 --> 00:16:36,050 ‪究極の2択ってわけね‬ 338 00:16:36,080 --> 00:16:39,560 ‪(恵)えっと そこで妹を取って‬ ‪世界がなくなったら‬ 339 00:16:39,580 --> 00:16:40,930 ‪元も子もなくない?‬ 340 00:16:40,960 --> 00:16:41,940 ‪(倫也)加藤 お前には‬ 341 00:16:41,960 --> 00:16:44,150 ‪セカイ系というものを‬ ‪語る資格などない!‬ 342 00:16:44,170 --> 00:16:47,860 ‪(恵)ああ うん 資格どころか‬ ‪知識もないから どうでもいいよ‬ 343 00:16:47,880 --> 00:16:50,650 ‪(倫也)‬ ‪そして とうとう 最後の決戦の時‬ 344 00:16:50,680 --> 00:16:51,900 ‪最強の敵を前にしても‬ 345 00:16:51,930 --> 00:16:55,990 ‪最愛の妹である瑠璃を消す決断が‬ ‪できない主人公 双真(そうま)!‬ 346 00:16:56,020 --> 00:16:58,080 ‪しかし‬ ‪そんな弱くなってしまった兄を‬ 347 00:16:58,100 --> 00:17:00,750 ‪本当に‬ ‪心の底から愛していた瑠璃は‬ 348 00:17:00,770 --> 00:17:02,330 ‪彼に代わって 決断する‬ 349 00:17:02,360 --> 00:17:04,040 ‪自らが消えることで 世界を…‬ 350 00:17:04,070 --> 00:17:06,540 ‪いや たった1人の兄を‬ ‪この現世に残すという‬ 351 00:17:06,570 --> 00:17:10,880 ‪彼女にとって 一番 正しくて‬ ‪そして 一番 悲しい選択を!‬ 352 00:17:10,910 --> 00:17:12,380 ‪ううっ… はい 加藤!‬ 353 00:17:12,410 --> 00:17:14,550 ‪(恵)えーっと ここの行?‬ 354 00:17:14,580 --> 00:17:15,470 ‪(恵のせきばらい)‬ 355 00:17:16,080 --> 00:17:18,050 ‪(恵)‬ ‪“愛しています お兄ちゃん”‬ 356 00:17:18,080 --> 00:17:21,350 ‪“瑠璃は お兄ちゃんと出会えて‬ ‪とても幸せでした”‬ 357 00:17:21,370 --> 00:17:23,480 ‪“この言葉にだけは‬ ‪うそは ありません”‬ 358 00:17:23,500 --> 00:17:26,650 ‪(倫也)うひーっ!‬ ‪瑠璃 待ってくれ 行かないでくれ!‬ 359 00:17:26,670 --> 00:17:28,270 ‪これで終わりだなんて嫌だー!‬ 360 00:17:28,300 --> 00:17:30,110 ‪(恵)ああ お構いなく‬ 361 00:17:30,130 --> 00:17:32,530 ‪(泣き声)‬ 362 00:17:32,550 --> 00:17:34,820 ‪(倫也)ど… どうだ?‬ ‪このシナリオ‬ 363 00:17:34,850 --> 00:17:36,870 ‪(恵)そうだね 面白かった‬ 364 00:17:36,890 --> 00:17:40,620 ‪最初のもよかったけど‬ ‪これも すっごく面白いよ‬ 365 00:17:40,640 --> 00:17:42,750 ‪(倫也)だろ だろ!‬ ‪(恵)うん 本当に感動したよ‬ 366 00:17:43,310 --> 00:17:46,210 ‪実況も絶叫もなしに‬ ‪1人で 静かに読んでたら‬ 367 00:17:46,230 --> 00:17:48,000 ‪泣いたかもしれないね‬ 368 00:17:48,030 --> 00:17:49,500 ‪(倫也)英梨々も泣けただろ?‬ 369 00:17:49,530 --> 00:17:52,760 ‪これこそ悲恋の伝道師‬ ‪切なさ炸裂(さくれつ)作家‬ 370 00:17:52,780 --> 00:17:56,220 ‪霞(かすみ) 詩子(うたこ)こと霞ヶ丘詩羽先輩が‬ ‪魂を削った…‬ 371 00:17:56,240 --> 00:17:59,220 ‪(英梨々)ほとんど‬ ‪作り直しじゃないのよ これ!‬ 372 00:17:59,250 --> 00:18:00,470 ‪(倫也)そこは ひとまず‬ ‪グッと のみ込んで‬ 373 00:18:00,500 --> 00:18:02,220 ‪このクオリティーに感動してくれよ‬ 374 00:18:02,250 --> 00:18:04,480 ‪ええ 感動したかもしれないわね‬ 375 00:18:04,500 --> 00:18:06,560 ‪私が この作品の‬ ‪原画担当じゃなくて‬ 376 00:18:06,590 --> 00:18:09,730 ‪今更 増えた作業量が‬ ‪頭に浮かんでこなけりゃね‬ 377 00:18:09,760 --> 00:18:11,070 ‪というか 倫也‬ 378 00:18:13,220 --> 00:18:15,820 ‪本当に このシナリオに‬ ‪変えちゃっていいの?‬ 379 00:18:15,850 --> 00:18:16,950 ‪それは…‬ 380 00:18:16,970 --> 00:18:20,580 ‪(英梨々)これ 今まで作ってきた‬ ‪この作品の解釈 変わるわよ‬ 381 00:18:20,600 --> 00:18:24,160 ‪もしかしたら シナリオの‬ ‪テーマすら ひっくり返るかも‬ 382 00:18:24,690 --> 00:18:25,580 ‪(倫也)うん‬ 383 00:18:26,310 --> 00:18:29,130 ‪絵のほうも‬ ‪もしかしたら 立ち絵の表情から‬ 384 00:18:29,150 --> 00:18:31,340 ‪作り直さなくちゃ‬ ‪いけないかもしれない‬ 385 00:18:32,150 --> 00:18:33,340 ‪そうだな‬ 386 00:18:33,360 --> 00:18:35,590 ‪(英梨々)‬ ‪何より メインヒロインが変わった‬ 387 00:18:35,620 --> 00:18:36,590 ‪分かってる‬ 388 00:18:36,620 --> 00:18:38,380 ‪(英梨々)‬ ‪ゲームのパッケージヒロインは‬ 389 00:18:38,410 --> 00:18:40,600 ‪今までどおり 巡璃かもしれない‬ 390 00:18:40,620 --> 00:18:44,140 ‪けれど‬ ‪物語の中心にいる真のヒロインは‬ 391 00:18:44,170 --> 00:18:46,520 ‪完全に瑠璃になってしまった‬ 392 00:18:46,540 --> 00:18:47,560 ‪これじゃあ 巡璃は‬ 393 00:18:47,590 --> 00:18:50,060 ‪ただの お飾りヒロインってことに‬ ‪なっちまう‬ 394 00:18:50,090 --> 00:18:55,030 ‪この喪失感 この切なさ‬ ‪なのに この爽快感‬ 395 00:18:55,050 --> 00:18:57,700 ‪「恋するメトロノーム」の霞 詩子‬ ‪ここにありね‬ 396 00:18:57,720 --> 00:18:58,610 ‪ん?‬ 397 00:18:58,640 --> 00:19:01,120 ‪お前 「恋するメトロノーム」‬ ‪読んでたっけ?‬ 398 00:19:01,140 --> 00:19:04,540 ‪あっ… ネ… ネットの評判よ‬ 399 00:19:04,560 --> 00:19:07,460 ‪あの女の小説なんて 1行たりとも‬ ‪読んだことなんかないし‬ 400 00:19:07,480 --> 00:19:09,370 ‪(倫也)うわっ‬ ‪何か すっげえ やなユーザー‬ 401 00:19:09,400 --> 00:19:10,960 ‪というか ユーザーですらないし‬ 402 00:19:10,980 --> 00:19:15,130 ‪(英梨々)とにかく どうするの?‬ ‪ホントに こっちに差し替えるの?‬ 403 00:19:15,150 --> 00:19:17,970 ‪(倫也)というわけで‬ ‪今日のサークル活動は‬ 404 00:19:17,990 --> 00:19:19,720 ‪詩羽先輩の この新シナリオを‬ 405 00:19:19,740 --> 00:19:22,680 ‪ゲームに組み込むかどうかについて‬ ‪議論する!‬ 406 00:19:22,700 --> 00:19:24,640 ‪(英梨々)嫌よ‬ ‪(倫也)えー…‬ 407 00:19:25,160 --> 00:19:29,190 ‪そんな重い決断‬ ‪締め切り間際の原画家にやらせるな‬ 408 00:19:29,210 --> 00:19:31,900 ‪け… けど‬ ‪みんなで考えて みんなで決めて‬ 409 00:19:31,920 --> 00:19:35,400 ‪みんなで乗り切るってのが‬ ‪俺たち blessing(ブレッシング) software(ソフトウェア)の…‬ 410 00:19:35,430 --> 00:19:40,450 ‪(英梨々)ううん この決断は‬ ‪作品の方向付けを決めてしまう‬ 411 00:19:40,470 --> 00:19:43,370 ‪だから プロデューサーと‬ ‪ディレクターで決めるべき‬ 412 00:19:43,390 --> 00:19:45,950 ‪(倫也)それって‬ ‪つまり 俺1人ってことじゃ…‬ 413 00:19:45,980 --> 00:19:49,160 ‪あえて誰かと相談するのなら‬ ‪書いた本人でしょ?‬ 414 00:19:49,190 --> 00:19:51,790 ‪今日は呼んでないみたいだけど‬ 415 00:19:51,820 --> 00:19:54,290 ‪詩羽先輩は もう 作業 終わったし‬ 416 00:19:54,320 --> 00:19:56,800 ‪小説のほうの締め切りも‬ ‪やばいらしいし‬ 417 00:19:56,820 --> 00:20:00,010 ‪一日中 男とイチャイチャしてる‬ ‪暇は あるのにね‬ 418 00:20:00,030 --> 00:20:02,010 ‪見てきたようなデマ‬ ‪飛ばさないでよ!‬ 419 00:20:02,040 --> 00:20:03,970 ‪へえ~ デマなんだ‬ 420 00:20:04,000 --> 00:20:08,020 ‪私が 昨日 ありとあらゆるとことで‬ ‪見てたのは 全部 幻だったんだ‬ 421 00:20:08,040 --> 00:20:10,100 ‪(倫也)なぜ‬ ‪ありとあらゆるところにいた!‬ 422 00:20:10,130 --> 00:20:13,600 ‪(英梨々)‬ ‪うっ そんなの… えーっと…‬ 423 00:20:13,630 --> 00:20:14,770 ‪そうだ!‬ 424 00:20:14,800 --> 00:20:16,820 ‪恵と遊びに行ってたからに‬ ‪決まってるでしょ‬ 425 00:20:16,840 --> 00:20:19,610 ‪何? その‬ ‪今 思いついたような答え方!‬ 426 00:20:19,640 --> 00:20:21,400 ‪ねえ そうよね? 恵‬ 427 00:20:21,430 --> 00:20:25,320 ‪お願い いつもみたいに‬ ‪“ああ そうだね”って言ってよ‬ 428 00:20:25,350 --> 00:20:27,910 ‪ああ ちょっと 今‬ ‪ゲームしてるから‬ 429 00:20:27,940 --> 00:20:31,460 ‪静かにしてくれないかな 2人とも‬ 430 00:20:32,650 --> 00:20:35,630 ‪加藤が自分からゲームするなんて‬ ‪珍しいな‬ 431 00:20:35,650 --> 00:20:36,920 ‪何のゲーム?‬ 432 00:20:36,950 --> 00:20:38,800 ‪体験版なんだけどね‬ 433 00:20:38,820 --> 00:20:42,630 ‪今度の冬コミに出す予定の‬ ‪同人ゲームなんだってさ‬ 434 00:20:42,660 --> 00:20:45,140 ‪へえ うちと同じジャンルか‬ 435 00:20:45,160 --> 00:20:47,760 ‪じゃあ もしかしたら‬ ‪スペース近いかもね‬ 436 00:20:47,790 --> 00:20:49,470 ‪それで 何てサークル…‬ 437 00:20:49,500 --> 00:20:53,560 ‪(恵)ああ 実は さっき‬ ‪本人からメールで教えてもらってね‬ 438 00:20:53,590 --> 00:20:56,060 ‪(英梨々)‬ ‪って ちょっと待って この絵…‬ 439 00:20:56,670 --> 00:20:58,520 (倫也)出海(いずみ)ちゃん? 440 00:20:59,180 --> 00:21:01,110 ‪(英梨々)rouge en(ルージャン) rouge(ルージュ)‬ 441 00:21:08,060 --> 00:21:09,290 ‪(出海)お兄ちゃん‬ 442 00:21:11,690 --> 00:21:14,460 ‪(伊織(いおり))何だい? 出海‬ 443 00:21:15,980 --> 00:21:17,250 ‪(出海)寒い‬ 444 00:21:17,740 --> 00:21:20,090 ‪(伊織)ホットしるこでも‬ ‪買ってこようか‬ 445 00:21:20,110 --> 00:21:25,180 ‪♪~‬ 446 00:22:44,950 --> 00:22:50,010 ~♪