1 00:02:06,170 --> 00:02:16,170 ♪♪~ 2 00:05:13,157 --> 00:05:15,157 (薫)《何もかもが 嫌だ》 3 00:05:22,166 --> 00:05:24,168 (薫)《朝から 照り付ける この日差しも》→ 4 00:05:24,168 --> 00:05:27,171 《何も考えてない この生徒たちも》→ 5 00:05:27,171 --> 00:05:29,173 《今日から 毎日→ 6 00:05:29,173 --> 00:05:34,173 わざわざ この急な坂道を 上らないといけないことも》 7 00:05:38,182 --> 00:05:41,185 (薫)《その全てに 吐き気がする》 8 00:05:41,185 --> 00:05:47,191 ≪(チャイム) 9 00:05:47,191 --> 00:05:52,196 (先生)横須賀から 転入してきた 西見 薫君です。→ 10 00:05:52,196 --> 00:05:55,199 前の学校じゃ 成績トップやったそうだ。→ 11 00:05:55,199 --> 00:05:58,202 諸君も負けずに 頑張るように。 12 00:05:58,202 --> 00:06:00,204 (薫)西見です。 よろしく お願いします。 13 00:06:00,204 --> 00:06:02,206 (生徒)横須賀? 14 00:06:02,206 --> 00:06:04,208 《こういうのにも 慣れっこだ。 でも…》 15 00:06:04,208 --> 00:06:07,211 (生徒)ガリ勉って 感じね。 16 00:06:07,211 --> 00:06:09,211 《遠慮のない 視線》 17 00:06:11,232 --> 00:06:13,232 《聞き慣れない 九州弁》 18 00:06:17,154 --> 00:06:20,154 《今までで 一番 派手な お出迎えだ》 19 00:06:27,164 --> 00:06:29,166 ≪(丸尾)西見君 西見君。 20 00:06:29,166 --> 00:06:33,170 (丸尾)部活は もう決めとる? 無線なんて 興味ない? 21 00:06:33,170 --> 00:06:35,172 見てみいや 丸尾ば。 22 00:06:35,172 --> 00:06:37,174 眼鏡で チビで ガリ勉たい。→ 23 00:06:37,174 --> 00:06:41,178 似た者 同士やっか。 (生徒たちの笑い声) 24 00:06:41,178 --> 00:06:45,182 ごっ ごめん。 僕のせいで 君まで…。 25 00:06:45,182 --> 00:06:49,186 ああいう 幼稚な連中は 群れなきゃ 何もできやしない。 26 00:06:49,186 --> 00:06:53,190 えっ? そんなものには 興味ないんだ。 27 00:06:53,190 --> 00:06:57,190 西見君。 あと 無線にもね。 28 00:07:01,198 --> 00:07:05,202 西見君 一つだけ。 僕の後ろの席の男。 29 00:07:05,202 --> 00:07:08,205 こいつにだけは 逆らわん方がいいよ。→ 30 00:07:08,205 --> 00:07:11,175 先生も 手に負えんような 札付きの不良だから。→ 31 00:07:11,175 --> 00:07:13,044 川渕ってやつなんだけど→ 32 00:07:13,044 --> 00:07:16,044 こいつに目を付けられたら 終わりだよ。 33 00:07:18,049 --> 00:07:22,049 《まずい。 考えただけで 吐き気が…》 34 00:07:24,055 --> 00:07:27,058 ≪(律子)西見さん。 西見さん? 35 00:07:27,058 --> 00:07:30,061 (律子)クラス委員の 迎 律子です。 36 00:07:30,061 --> 00:07:32,063 この昼休みの間に→ 37 00:07:32,063 --> 00:07:36,067 西見さんを 校舎案内するよう 仰せつかりました。 38 00:07:36,067 --> 00:07:38,069 よろしく お願いします。 39 00:07:38,069 --> 00:07:43,069 《ああ… 吐き気 止まった》 40 00:07:51,082 --> 00:07:55,086 それで その奥が 体育館になってます。 41 00:07:55,086 --> 00:07:58,089 この建物の奥は 保健室になっとって…。 42 00:07:58,089 --> 00:08:01,092 なっ!? だ… 大丈夫? 西見さん。 43 00:08:01,092 --> 00:08:05,096 もう 何しよると! (生徒)おおっと 手の滑りよった。 44 00:08:05,096 --> 00:08:08,099 (生徒)悪か 悪か。 (生徒)何? 45 00:08:08,099 --> 00:08:11,099 誰や? こいつ。 (生徒)見たこと なかぞ。 46 00:08:13,137 --> 00:08:17,137 あの… 迎さん。 屋上は どこ? 47 00:08:20,144 --> 00:08:24,148 《小学校のときから 転校を繰り返してきた》 48 00:08:24,148 --> 00:08:28,152 《ふとした きっかけで 心のバランスが 取れなくなり→ 49 00:08:28,152 --> 00:08:32,156 ちょっとしたストレスで 吐く癖が ついてしまった》 50 00:08:32,156 --> 00:08:35,159 《でも あるとき 俺は 学校の中に→ 51 00:08:35,159 --> 00:08:38,162 自分を取り戻せる場所を 見つけたんだ》 52 00:08:38,162 --> 00:08:42,162 《そう あの屋上にさえ行けば》 53 00:08:46,170 --> 00:08:48,170 何だ? 54 00:08:50,174 --> 00:09:02,186 ♪♪~ 55 00:09:02,186 --> 00:09:07,186 (千太郎)やっと 迎えに来てくださったとですか? 56 00:09:12,129 --> 00:09:14,131 (千太郎)ん? 誰や お前? 57 00:09:14,131 --> 00:09:17,134 えっ? 何や? この手は。 58 00:09:17,134 --> 00:09:19,136 つかんできたのは そっちだろ! 59 00:09:19,136 --> 00:09:24,141 なるほど お前が 鍵泥棒ちゅうわけか? 60 00:09:24,141 --> 00:09:26,141 そんなら 遠慮せんばい。 61 00:09:29,146 --> 00:09:31,148 ≪(生徒)お前が 千太郎や? 62 00:09:31,148 --> 00:09:33,150 お目当ては こいか? 63 00:09:33,150 --> 00:09:36,153 泥棒は お前ら やったとか。 64 00:09:36,153 --> 00:09:40,157 (生徒)屋上は 俺たち 3年喫煙組のもんたい。 65 00:09:40,157 --> 00:09:43,160 ま… 待ってくれ! (生徒たち)はあ? 66 00:09:43,160 --> 00:09:45,162 屋上の鍵が 欲しいんだ。 67 00:09:45,162 --> 00:09:49,162 お前んごた 青びょうたんは とっとと 帰っとれ! 68 00:09:54,171 --> 00:09:57,174 お前 そがん 鍵 欲しかとか? 69 00:09:57,174 --> 00:10:01,178 ほ… 欲しい! 70 00:10:01,178 --> 00:10:03,180 こいば 持っとけ。 71 00:10:03,180 --> 00:10:23,134 ♪♪~ 72 00:10:23,134 --> 00:10:36,134 ♪♪~ 73 00:10:41,152 --> 00:10:44,155 おっ おい! 大丈夫か? 74 00:10:44,155 --> 00:10:46,155 しっかりしろよ おい! 75 00:10:48,159 --> 00:10:54,165 だいたい 無謀だよ。 3年生 3人を相手なんて。 76 00:10:54,165 --> 00:10:58,169 ん? こいつが 欲しかったっちゃろ。 77 00:10:58,169 --> 00:11:03,174 ホントに いいのか? ああ よかぞ。 78 00:11:03,174 --> 00:11:05,174 10万ばい。 79 00:11:07,178 --> 00:11:11,198 まさか タダで もらえるとでも 思ったとか? 80 00:11:11,198 --> 00:11:15,119 俺が 体 張って 取ったとぞ。 10万でも 安か方ばい。 81 00:11:15,119 --> 00:11:19,123 くそっ。 さあて 帰るか。 82 00:11:19,123 --> 00:11:23,127 そういや 今日 1回も 教室 行っとらん。 83 00:11:23,127 --> 00:11:25,127 うん? 84 00:11:28,132 --> 00:11:30,132 (生徒)都会者は 田舎者とは 話もできんとか。 85 00:11:32,136 --> 00:11:35,139 ≪もう 千太郎 また ケンカしたっちゃろ? 86 00:11:35,139 --> 00:11:39,143 ≪ほんの かすり傷たい。 87 00:11:39,143 --> 00:11:42,146 あっ。 おっ。 88 00:11:42,146 --> 00:11:46,150 おま… おいっ! リッコ あいは 誰や? 89 00:11:46,150 --> 00:11:51,155 もう ケンカばっかりする子には 教えてやらんもん。 90 00:11:51,155 --> 00:11:53,157 フンッ。 91 00:11:53,157 --> 00:11:55,159 丸尾! 教えろ。 92 00:11:55,159 --> 00:11:58,162 きょ… 今日 転入してきた 西見 薫君。 93 00:11:58,162 --> 00:12:02,166 秀才で お金持ちの ボンボンなんだって。 94 00:12:02,166 --> 00:12:05,169 ほーお。 ヘッ。 95 00:12:05,169 --> 00:12:07,169 さらばだ 丸尾。 96 00:12:10,174 --> 00:12:15,112 よう お坊っちゃま 今日から お前は ボンや。 97 00:12:15,112 --> 00:12:17,114 仲良うしてくれな。 98 00:12:17,114 --> 00:12:19,116 (生徒)千太郎のやつ 標的 変えたばい。 99 00:12:19,116 --> 00:12:21,118 (生徒)あいつ もう終わりだな。 (生徒)かわいそうに。 100 00:12:21,118 --> 00:12:25,122 《まずい。 また 吐き気が…》 101 00:12:25,122 --> 00:12:27,124 すまん 頼みがある。 102 00:12:27,124 --> 00:12:29,126 あん? 103 00:12:29,126 --> 00:12:31,128 10万は 無理だが→ 104 00:12:31,128 --> 00:12:33,130 今だけ 鍵を借りることは できないか? 105 00:12:33,130 --> 00:12:37,134 うん? ああ こいか? 106 00:12:37,134 --> 00:12:39,136 ばってん 今は…。 107 00:12:39,136 --> 00:12:42,139 おい! 外 雨やっか! 108 00:12:42,139 --> 00:12:44,139 傘を差せば 問題ないだろ! 109 00:12:47,144 --> 00:12:50,144 面白そうやっか! 俺も行こ! 110 00:12:56,153 --> 00:12:59,156 何や 大して 面白うなかな。 111 00:12:59,156 --> 00:13:03,160 当然だ。 遊びに来たわけじゃないんだ。 112 00:13:03,160 --> 00:13:05,162 じゃあ 何しに来たとや。 113 00:13:05,162 --> 00:13:08,165 つまらないなら 勝手に戻ればいい。 114 00:13:08,165 --> 00:13:12,165 いや… 俺も教室 好かんし。 115 00:13:40,130 --> 00:13:43,133 ハハハハ…! ついてくるな! 116 00:13:43,133 --> 00:13:46,133 ヒヒヒヒ…! 気色悪い! 117 00:13:54,144 --> 00:13:57,144 ハァ 気持ち良か。 118 00:14:00,150 --> 00:14:03,153 ボン。 お前も浴びてみろ。 119 00:14:03,153 --> 00:14:06,156 俺に 構うな! 120 00:14:06,156 --> 00:14:08,158 何ば 怖がっとっとや。 121 00:14:08,158 --> 00:14:12,096 怖がっとったって 何も 良かことなかぞ。 122 00:14:12,096 --> 00:14:14,096 一遍 ぬれてみろ! 123 00:14:22,106 --> 00:14:26,110 どがんしたと? 2人して…。 124 00:14:26,110 --> 00:14:29,113 もう! 世話ん焼ける! 125 00:14:29,113 --> 00:14:32,116 保健室 行って タオル借りるよ。 126 00:14:32,116 --> 00:14:34,118 あっ そうだ。 127 00:14:34,118 --> 00:14:36,120 うち 2人の体育着 取ってくるけん。 128 00:14:36,120 --> 00:14:38,120 先に行っとって! 129 00:14:54,138 --> 00:14:57,138 これは ジャズ? 130 00:14:59,143 --> 00:15:02,146 何や お前 分かっとか? 131 00:15:02,146 --> 00:15:07,151 まあ 一応 ピアノ弾くからさ。 クラシックだけど。 132 00:15:07,151 --> 00:15:11,155 はぁ クラシックか。 つまらん。 133 00:15:11,155 --> 00:15:13,157 ≪(戸の開く音) ≪お待たせ。 134 00:15:13,157 --> 00:15:18,162 あれ? 養護の先生は? 留守みたいだけど。 135 00:15:18,162 --> 00:15:20,164 えっ? 西見さんって→ 136 00:15:20,164 --> 00:15:23,167 眼鏡 掛けとったから 気付かんかったけど→ 137 00:15:23,167 --> 00:15:26,170 奇麗か顔しとるとね。 え… 何。 138 00:15:26,170 --> 00:15:31,175 あ… 男の人に奇麗かって失礼か。 ハンサムね。 139 00:15:31,175 --> 00:15:35,179 そ… そんなことないよ。 140 00:15:35,179 --> 00:15:37,181 あっ! フーッ! 141 00:15:37,181 --> 00:15:39,183 何するんだ! 142 00:15:39,183 --> 00:15:42,186 ただの人間ドライヤーや。 千太郎! 143 00:15:42,186 --> 00:15:46,190 ふん! また 怖がりよって この怖がり虫が。 144 00:15:46,190 --> 00:15:49,193 怖がってない! へぇ。 145 00:15:49,193 --> 00:15:53,197 もう 怖がるもんか。 146 00:15:53,197 --> 00:15:56,200 《だって あの雨は→ 147 00:15:56,200 --> 00:16:00,200 思ってたより ずっと気持ち良かったから》 148 00:16:05,209 --> 00:16:07,211 《不思議だ…》 149 00:16:07,211 --> 00:16:11,231 《これだけ見られてるのに まともに呼吸ができる》 150 00:16:11,231 --> 00:16:14,231 《これは どういう魔法だ?》 151 00:18:08,165 --> 00:18:10,167 (薫)《すごいや 父さん》 152 00:18:10,167 --> 00:18:15,172 《船乗りなのに ピアノも弾けるなんて》 153 00:18:15,172 --> 00:18:19,176 (薫の父)《薫。 また しばらく 留守にするよ》→ 154 00:18:19,176 --> 00:18:21,178 《いい子で いられるね?》 155 00:18:21,178 --> 00:18:24,181 《ピアノを弾いてると 嫌なことも→ 156 00:18:24,181 --> 00:18:28,185 父さんがいない寂しさも 忘れていられる》 157 00:18:28,185 --> 00:18:30,187 (薫の父)《安心しろ 薫》→ 158 00:18:30,187 --> 00:18:33,190 《これから世話になる 九州の伯父さんの家には→ 159 00:18:33,190 --> 00:18:36,193 大きいグランドピアノが あるんだ》 160 00:18:36,193 --> 00:18:40,197 《父さん… グランドピアノなんか欲しくないよ》 161 00:18:40,197 --> 00:18:43,197 《俺が欲しいのは…》 162 00:18:48,205 --> 00:18:50,205 フウ…。 163 00:18:53,210 --> 00:18:58,215 ≪(まり子)あら薫君。 今日は ずいぶん早起きねえ。 164 00:18:58,215 --> 00:19:01,218 ピアノ弾きたかと? 弾いてよかよ。 165 00:19:01,218 --> 00:19:05,155 まり子ねえ 目覚めの一曲 聴きたい気分。 166 00:19:05,155 --> 00:19:07,157 えっ? でも こんな朝っぱらから。 167 00:19:07,157 --> 00:19:10,160 やーん 今 聴きたかと。 168 00:19:10,160 --> 00:19:13,163 まり子が責任 取るけん お願い! 169 00:19:13,163 --> 00:19:17,167 もう う~ん う~ん。 しょうがないな。 170 00:19:17,167 --> 00:19:22,172 ♪♪(ピアノの演奏) 171 00:19:22,172 --> 00:19:34,184 ♪♪~ 172 00:19:34,184 --> 00:19:36,184 《父さん…》 173 00:19:41,191 --> 00:19:44,194 ≪(叔母)ちょっと 何してるの! 174 00:19:44,194 --> 00:19:48,198 (叔母)こんな時間にピアノなんて 非常識でしょ。 175 00:19:48,198 --> 00:19:50,200 すいません 叔母さん。 まり子ちゃんが…。 176 00:19:50,200 --> 00:19:54,204 ほーらね だから やめとけって言ったのに。 177 00:19:54,204 --> 00:19:57,207 (叔母)人のせいにするなんて→ 178 00:19:57,207 --> 00:20:01,211 やっぱり 男親一人じゃ難しいのね。 179 00:20:01,211 --> 00:20:05,148 まあ どっちかといえば あなたを放って逃げた→ 180 00:20:05,148 --> 00:20:08,148 母親に責任が あるんでしょうけど。 181 00:20:10,153 --> 00:20:14,157 西見さん。 あ… 迎さん。 182 00:20:14,157 --> 00:20:16,159 今日 千太郎 こんやったね。 183 00:20:16,159 --> 00:20:20,163 もしかして 千太郎のおらんけん 寂しかった? 184 00:20:20,163 --> 00:20:23,166 ごめん 今の質問 理解できない。 えっ? 185 00:20:23,166 --> 00:20:25,168 いっそ このまま サボり続けてくれると→ 186 00:20:25,168 --> 00:20:27,170 ありがたいよ。 187 00:20:27,170 --> 00:20:29,172 そ… そう。 188 00:20:29,172 --> 00:20:33,176 はたから見ると 仲良さそうに見えとったけん。 189 00:20:33,176 --> 00:20:36,179 みんな 千太郎のこと 怖がっとるけど→ 190 00:20:36,179 --> 00:20:40,183 西見さんは 千太郎の前でも堂々としとるけん。 191 00:20:40,183 --> 00:20:42,185 きっと西見さんなら→ 192 00:20:42,185 --> 00:20:45,188 千太郎の友達になれるって 思うとよ。 193 00:20:45,188 --> 00:20:49,192 《迎さん… やめてくれ そんな笑顔で》 194 00:20:49,192 --> 00:20:53,196 ホント 幼なじみのうちが 保証するよ。 195 00:20:53,196 --> 00:20:55,198 幼なじみか。 196 00:20:55,198 --> 00:20:59,202 だから下の名前で 呼び合ってるんだね。 197 00:20:59,202 --> 00:21:03,206 あら 西見さんも うちのこと 名前で呼んでよかよ。 198 00:21:03,206 --> 00:21:05,142 そしたら うちも…→ 199 00:21:05,142 --> 00:21:08,145 西見さんのこと 薫さんって呼ぼうかな。 200 00:21:08,145 --> 00:21:10,147 《薫さん 薫さん 薫さん…》 201 00:21:10,147 --> 00:21:13,150 《な… 何だ この響きは…》 202 00:21:13,150 --> 00:21:15,152 あっ ごめん勝手に。 嫌なら…。 203 00:21:15,152 --> 00:21:20,157 嫌じゃない! 全然 嫌じゃないよ。 204 00:21:20,157 --> 00:21:22,159 そうだ 律っちゃん。 205 00:21:22,159 --> 00:21:24,161 何? この街で→ 206 00:21:24,161 --> 00:21:27,164 クラシック 置いてる レコード屋さん 知らないかな? 207 00:21:27,164 --> 00:21:29,166 レコード? 208 00:21:29,166 --> 00:21:31,168 レコードなら うちにいっぱいあるよ! 209 00:21:31,168 --> 00:21:34,171 うちに来たらよか! えっ? 210 00:21:34,171 --> 00:21:38,175 《うちに誘った意味 分かるやろ? 薫さん》 211 00:21:38,175 --> 00:21:42,179 《て… 展開が 早過ぎるんじゃないか?》 212 00:21:42,179 --> 00:21:45,179 《九州の女の子って こうなの?》 213 00:21:48,185 --> 00:21:51,188 ここが うちで これが うちのお父さん。 214 00:21:51,188 --> 00:21:53,190 おと…。 215 00:21:53,190 --> 00:21:58,190 に… 西見 薫と申します。 お嬢さまには かねがね…。 216 00:22:02,199 --> 00:22:05,135 クラシックは そこの棚よ。 薫さん。 217 00:22:05,135 --> 00:22:07,137 あ… うん。 218 00:22:07,137 --> 00:22:12,142 どんなレコード探しとると? ああ ピアノ曲とか…。 219 00:22:12,142 --> 00:22:16,146 自分でも弾いたりするから。 えっ? ピアノ弾けると? 220 00:22:16,146 --> 00:22:21,151 あ… いや そんなには。 来てっ! 221 00:22:21,151 --> 00:22:24,154 (勉)律子! そこは部外者 立ち入り禁止ぞ。 222 00:22:24,154 --> 00:22:29,159 父さん。 薫さんは うちと千太郎の大事な友達よ。 223 00:22:29,159 --> 00:22:31,161 千の? いや あの…。 224 00:22:31,161 --> 00:22:35,161 俺 友達なんかじゃなくて…。 さあさ どうぞ。 225 00:22:38,168 --> 00:22:40,168 入ってよかよ。 226 00:22:44,174 --> 00:22:46,174 これは…。 227 00:22:53,183 --> 00:22:55,183 あ…。 228 00:22:58,188 --> 00:23:01,191 ≪(シンバルを たたく音) 229 00:23:01,191 --> 00:23:04,211 あ…。 お前 何でここにおっとや! 230 00:23:04,211 --> 00:23:06,129 き… 君こそ 何で。 231 00:23:06,129 --> 00:23:08,131 リッコ! 部外者がおる。 232 00:23:08,131 --> 00:23:13,136 聞いて千太郎! 薫さんが ピアノ弾けるとって! 233 00:23:13,136 --> 00:23:16,139 あー 知っとる 知っとる。 234 00:23:16,139 --> 00:23:21,144 どうせ お坊ちゃんの お澄ましクラシックやろ。 235 00:23:21,144 --> 00:23:23,146 俺には ジャズだけが音楽ばい。 236 00:23:23,146 --> 00:23:28,151 ♪♪(ドラムの演奏) 237 00:23:28,151 --> 00:23:48,171 ♪♪~ 238 00:23:48,171 --> 00:24:00,183 ♪♪~ 239 00:24:00,183 --> 00:24:03,186 薫さん。 薫さん? 240 00:24:03,186 --> 00:24:05,121 ねえ 薫さんもピアノ弾いて! 241 00:24:05,121 --> 00:24:07,123 あっ いや…。 242 00:24:07,123 --> 00:24:11,127 リッコ ここは ジャズ以外 禁止ぞ! 243 00:24:11,127 --> 00:24:13,129 えー! 244 00:24:13,129 --> 00:24:15,131 ピアノなら 俺が 代わりに弾いてやるばい。 245 00:24:15,131 --> 00:24:20,136 ♪♪(『モーニン』の演奏) 246 00:24:20,136 --> 00:24:25,141 ♪♪~ 247 00:24:25,141 --> 00:24:28,144 《ああ… この曲は知ってる》 248 00:24:28,144 --> 00:24:31,147 聴いてられないな。 こうだろ。 249 00:24:31,147 --> 00:24:36,152 ♪♪(『モーニン』の演奏) 250 00:24:36,152 --> 00:24:38,154 ♪♪~ 251 00:24:38,154 --> 00:24:41,157 んにゃ。 違う! 全然 駄目だ! 252 00:24:41,157 --> 00:24:44,160 何でだよ! ちゃんと弾けてたはずだ! 253 00:24:44,160 --> 00:24:46,162 スイングしとらん! のっぺりしとって→ 254 00:24:46,162 --> 00:24:49,165 全然 ジャズには聞こえんばい! 255 00:24:49,165 --> 00:24:51,167 ねえ うちさあ→ 256 00:24:51,167 --> 00:24:53,169 2人のセッション 聴いてみたかあ。 257 00:24:53,169 --> 00:24:55,171 (千太郎・薫)はあ!? あっ? 258 00:24:55,171 --> 00:24:58,174 いやぁ リッコ。 そりゃ 無理ばい。 259 00:24:58,174 --> 00:25:00,176 こいつ ジャズば まったく分かっとらんし→ 260 00:25:00,176 --> 00:25:02,178 センスもなか。 261 00:25:02,178 --> 00:25:06,116 あんなもの 練習さえすりゃ へのカッパだ。 262 00:25:06,116 --> 00:25:10,120 (薫・千太郎)フン! あ~あ。 263 00:25:10,120 --> 00:25:12,122 お邪魔しました。 264 00:25:12,122 --> 00:25:15,122 あの 薫さん! また来てね! 265 00:25:19,129 --> 00:25:21,131 律っちゃん。 あいつが さっき ピアノで弾いた曲→ 266 00:25:21,131 --> 00:25:25,135 何て曲か分かる? えっ? えーと…。 267 00:25:25,135 --> 00:25:30,140 千がピアノで弾けるとは これのイントロだけたい。 268 00:25:30,140 --> 00:25:34,140 「ART BLAKEY AND THE JAZZ MESSENGERS」の『モーニン』 269 00:25:36,146 --> 00:25:38,146 これ 下さい。 270 00:25:41,151 --> 00:25:46,156 あいつ 全然 違うとば 買うていったなぁ。 271 00:25:46,156 --> 00:25:48,156 うん。 272 00:25:54,164 --> 00:25:56,166 《なぜかは分からない》 273 00:25:56,166 --> 00:26:01,171 《ただ あいつのドラムが 耳の中で騒ぎまくって→ 274 00:26:01,171 --> 00:26:05,108 止まらない》 275 00:26:05,108 --> 00:26:08,111 薫さん? うっ! な… 何? 276 00:26:08,111 --> 00:26:13,116 何か歩き方 変じゃなか? そう? 普通だよ。 277 00:26:13,116 --> 00:26:16,119 フフ…。 278 00:26:16,119 --> 00:26:18,121 うわっ! 279 00:26:18,121 --> 00:26:21,121 リッコ! ボン! お先! 280 00:26:26,129 --> 00:26:30,133 《俺の大嫌いな坂道を 軽々と駆け下りていく》 281 00:26:30,133 --> 00:26:35,138 《君には その坂の先に 何が見えているのか》 282 00:26:35,138 --> 00:26:40,138 《それは 俺が見たことのない 景色なのか》 283 00:26:46,149 --> 00:26:56,149 ♪♪~ 284 00:30:36,179 --> 00:30:42,185 <その昔 この海には 5つの頭を持つ 竜がおった> 285 00:30:42,185 --> 00:30:48,191 <竜は 大層 暴れて 人々を苦しめたそうな> 286 00:30:48,191 --> 00:30:54,197 <やがて 真っ黒い雲が 天を覆い 深い深い闇が訪れた> 287 00:30:54,197 --> 00:30:59,197 <誰もが この世の終わりじゃと 諦めかけた そのとき!>