1 00:00:02,585 --> 00:00:04,963 (西沢(にしざわ)二葉(ふたば)) まだ見ちゃ駄目だからね! 2 00:00:06,423 --> 00:00:08,508 (圓一重(まどかひとえ)) いいよ 開けて 3 00:00:08,633 --> 00:00:11,302 (津々見(つつみ)三奈美(みなみ)) あっ… ああっ…! 4 00:00:11,761 --> 00:00:14,848 (二葉)三奈美! (一重)お誕生日… 5 00:00:14,973 --> 00:00:16,641 (二葉・一重) おめでとう! 6 00:00:17,058 --> 00:00:19,519 (三奈美) 一重… 二葉… 7 00:00:20,603 --> 00:00:21,730 あっ…! 8 00:00:21,855 --> 00:00:26,818 はあ… はあ… はあ… はあ… 9 00:00:27,569 --> 00:00:28,695 あっ… 10 00:00:29,571 --> 00:00:30,947 夢…? 11 00:00:32,741 --> 00:00:34,159 (ドアが開く音) (九条(くじょう)櫻子(さくらこ))うん? 12 00:00:35,076 --> 00:00:40,206 教えるわ 一重は きっと あのハルニレの家にいる 13 00:00:41,332 --> 00:00:44,169 フッ… そうか 14 00:00:48,465 --> 00:00:53,470 ♪~ 15 00:02:12,132 --> 00:02:17,137 ~♪ 16 00:02:21,141 --> 00:02:22,892 (ヘクターの鳴き声) 17 00:02:26,354 --> 00:02:27,814 (鳴き声) 18 00:02:27,939 --> 00:02:29,274 (館脇(たてわき)正太郎(しょうたろう)) ん…? 19 00:02:29,941 --> 00:02:31,359 あそこか 20 00:02:32,318 --> 00:02:33,736 (鳴き声) 21 00:02:33,862 --> 00:02:34,821 こら ヘクター おとなしく! 22 00:02:34,946 --> 00:02:36,948 ヘクター! ステイ! 23 00:02:37,657 --> 00:02:39,742 いいかい? ここには きっと― 24 00:02:39,868 --> 00:02:42,745 お前の好きなものが 埋まっているはずだ 25 00:02:42,912 --> 00:02:45,039 見つけて 私に教えてくれ 26 00:02:45,165 --> 00:02:47,292 (正太郎)ん…? (櫻子)ゴー! ヘクター! 27 00:02:48,543 --> 00:02:51,421 “見つけろ”って だって ヘクターは… 28 00:02:51,546 --> 00:02:53,089 (磯崎(いそざき)齋(いつき)) どうかしましたか? 29 00:02:53,214 --> 00:02:54,924 いや 何でもない 30 00:02:55,300 --> 00:02:58,428 一重は… あの中だな 31 00:03:02,140 --> 00:03:03,057 行こう 32 00:03:03,600 --> 00:03:05,310 (正太郎) ああ… はい 33 00:03:05,977 --> 00:03:07,186 (何かを踏む音) あっ… 34 00:03:15,695 --> 00:03:16,696 ああっ… 35 00:03:20,825 --> 00:03:22,160 (櫻子) ここか 36 00:03:25,413 --> 00:03:29,626 (磯崎) はっ! クロ…ヒカゲ… 37 00:03:30,126 --> 00:03:31,002 (三奈美) 一重…? 38 00:03:33,379 --> 00:03:35,840 (磯崎) あっ… 一重! 39 00:03:35,965 --> 00:03:38,676 一重 しっかりしろ! 一重! 40 00:03:39,886 --> 00:03:41,262 一重さん! 41 00:03:43,514 --> 00:03:44,682 (櫻子) 息がある 42 00:03:45,099 --> 00:03:47,185 死んでいるのは犬だけだ 43 00:03:47,769 --> 00:03:50,313 (三奈美) 一重… 生きてるの? 44 00:03:50,438 --> 00:03:54,025 ああ 蝶(ちょう)は 死臭に誘われて来たらしい 45 00:03:55,693 --> 00:03:57,487 睡眠導入剤だ 46 00:03:57,612 --> 00:04:01,866 安心したまえ この程度では致死量に程遠いよ 47 00:04:03,618 --> 00:04:05,745 (三奈美) はっ! 一重! 48 00:04:07,872 --> 00:04:10,833 あれ… 三奈… どうし… 49 00:04:10,959 --> 00:04:14,379 (三奈美) バカ! あんた何やってんのよ! 50 00:04:14,504 --> 00:04:18,341 えっ…? わ… 私 生きてる…? 51 00:04:18,466 --> 00:04:20,802 (三奈美) 生きてるに決まってるじゃない! 52 00:04:21,636 --> 00:04:24,973 あっ… また失敗しちゃったんだ 53 00:04:25,098 --> 00:04:28,685 死ぬくらいなら 何で私に相談しないのよ! 54 00:04:29,602 --> 00:04:33,106 本当に… バカなんだから… 55 00:04:34,941 --> 00:04:37,318 ごめん… 三奈美 56 00:04:39,028 --> 00:04:42,615 よかった… 今度こそ間に合った 57 00:04:42,949 --> 00:04:45,368 あっ とりあえず救急車を… 58 00:04:45,493 --> 00:04:47,495 (櫻子) 待て 少年 まだ早い 59 00:04:47,912 --> 00:04:48,997 (正太郎) えっ? 60 00:04:49,122 --> 00:04:50,373 (ヘクターの鳴き声) 61 00:04:50,498 --> 00:04:53,167 フッ どうやら見つけたようだな 62 00:04:53,293 --> 00:04:55,920 (ヘクターの鳴き声) 63 00:04:56,045 --> 00:05:00,174 フフッ あの子は 一風変わった探し物が得意でね 64 00:05:00,300 --> 00:05:02,677 (正太郎) 櫻子さん それって… 65 00:05:03,219 --> 00:05:05,722 (三奈美) 何を… 見つけたの…? 66 00:05:06,556 --> 00:05:08,433 死体だよ 67 00:05:16,316 --> 00:05:18,276 (正太郎)あっ… (櫻子)出たか? 68 00:05:21,904 --> 00:05:23,364 はっ…! 69 00:05:23,489 --> 00:05:26,659 ほう… これは これは 70 00:05:26,784 --> 00:05:27,702 ひぃっ… 71 00:05:27,827 --> 00:05:29,537 橈骨(とうこつ) レイディアス 72 00:05:29,662 --> 00:05:32,874 前腕を構成する 2本の骨のうちの一つだ 73 00:05:32,999 --> 00:05:36,878 成人にしては細い 恐らく少女のものだろう 74 00:05:37,003 --> 00:05:42,091 や… やめて! そんなもの見たくない! 75 00:05:42,216 --> 00:05:45,762 おや… かつての親友を“そんなもの”とは 76 00:05:45,887 --> 00:05:48,347 こんなに美しいのに… 77 00:05:49,223 --> 00:05:51,893 櫻子さん 親友って まさか… 78 00:05:52,018 --> 00:05:56,898 ああ そこに埋まっているのは 4年前 行方不明になった― 79 00:05:57,023 --> 00:05:59,025 西沢二葉だよ 80 00:06:00,568 --> 00:06:02,320 覚悟は できていたはずだ! 81 00:06:03,071 --> 00:06:06,574 少年 手がお留守になっているぞ 続けてくれ 82 00:06:07,325 --> 00:06:10,161 頭蓋骨(とうがいこつ)周辺の骨を確認したい 83 00:06:10,620 --> 00:06:11,871 でも… 84 00:06:12,705 --> 00:06:14,290 (磯崎) 出してあげよう… 85 00:06:14,415 --> 00:06:16,125 (正太郎) 先生… 86 00:06:17,543 --> 00:06:19,712 (磯崎) ごめんな 二葉… 87 00:06:20,755 --> 00:06:25,176 ずっと独り こんな暗い土の中で 88 00:06:25,301 --> 00:06:29,180 つらかったよな… 寂しかったよな… 89 00:06:29,972 --> 00:06:33,309 今 外に出してやるからな 待ってろ 90 00:06:36,562 --> 00:06:37,688 さて… 91 00:06:39,065 --> 00:06:43,694 西沢二葉を殺したのは誰だ? 君か? 92 00:06:43,820 --> 00:06:47,073 ちっ 違う… 私じゃない! 93 00:06:47,198 --> 00:06:48,616 (櫻子) なら そっちか? 94 00:06:48,783 --> 00:06:53,204 (三奈美) 違う! 誰も二葉を殺してない! 95 00:06:53,704 --> 00:06:55,289 二葉は… 96 00:06:55,998 --> 00:06:58,376 二葉は 自殺したんだ! 97 00:07:02,839 --> 00:07:07,009 (三奈美) ここは私たちだけの秘密の場所 98 00:07:08,594 --> 00:07:11,681 二葉が見つけて私たちを連れてきた 99 00:07:12,056 --> 00:07:15,518 一重は両親の厳しい束縛に うんざりしていたし 100 00:07:15,643 --> 00:07:20,022 二葉は精神的にもろくて リストカットを繰り返していた 101 00:07:20,148 --> 00:07:24,193 私にも家に帰れない事情があった 102 00:07:24,318 --> 00:07:27,029 それぞれに 問題を抱えていた私たちには 103 00:07:27,155 --> 00:07:31,742 居場所なんてどこにもなかったけど 名前だけじゃない 104 00:07:31,868 --> 00:07:35,663 そのことが 私たちを強く結び付けていた 105 00:07:36,539 --> 00:07:41,002 だから ここを 私たちの家にすることにしたの 106 00:07:41,794 --> 00:07:43,629 楽しかったな… 107 00:07:44,088 --> 00:07:49,093 ここでだけは誰の目も気にせず 本当の自分でいられた 108 00:07:49,635 --> 00:07:53,806 お互いを大切にして でも 自由でいられた 109 00:07:55,057 --> 00:07:58,811 生まれて初めて 世界は きれいだと思った 110 00:07:59,270 --> 00:08:03,191 生きていることがうれしい 楽しいって思えた 111 00:08:03,483 --> 00:08:06,027 私たちは幸せだった… 112 00:08:07,778 --> 00:08:11,032 だけど ある日 二葉が言ったの 113 00:08:12,325 --> 00:08:15,578 “幸せなうちに3人で死のう”って 114 00:08:17,997 --> 00:08:21,417 もちろん止めたわ! でも 一重が… 115 00:08:22,668 --> 00:08:24,420 二葉に賛成した 116 00:08:25,087 --> 00:08:29,091 初めは ただの冗談だと思った ふりだけだって 117 00:08:29,842 --> 00:08:32,845 でも だんだん空気がおかしくなって… 118 00:08:33,638 --> 00:08:37,015 2人が納屋から首を吊(つ)るための ロープを持ってきたとき 119 00:08:37,140 --> 00:08:38,976 本気なんだって思った 120 00:08:39,894 --> 00:08:42,438 だから 私 怖くなって… 121 00:08:42,772 --> 00:08:44,357 逃げたの! 122 00:08:44,482 --> 00:08:47,735 一緒にいたら死ぬ そんなの本当に嫌だった! 123 00:08:47,860 --> 00:08:51,781 だから 2人を置いて逃げた 森の外まで逃げて― 124 00:08:51,906 --> 00:08:53,866 でも 2人が心配で… 125 00:08:57,078 --> 00:09:00,289 あっ… 一重…? 126 00:09:00,581 --> 00:09:03,334 (一重) ふ… 二葉… 127 00:09:03,459 --> 00:09:06,003 ハハッ 死んじゃった! 128 00:09:06,128 --> 00:09:11,592 私 助けようと… でも 間に合わなくて… 129 00:09:11,968 --> 00:09:15,471 嘘(うそ)よ… そんな… 嫌だ… 130 00:09:15,596 --> 00:09:20,935 (一重) 助けて 三奈美! 私たち 親友でしょう? 131 00:09:26,315 --> 00:09:30,278 (三奈美) 二葉は足がつくほど低い木の枝で 首を吊っていた 132 00:09:30,570 --> 00:09:33,281 本当に そんなんで死んじゃうんだって― 133 00:09:33,823 --> 00:09:35,783 不思議なくらいだった 134 00:09:39,996 --> 00:09:42,748 一重は 二葉を助けようとしたときのケガで 135 00:09:42,873 --> 00:09:45,126 両手が使えなかったから… 136 00:09:45,251 --> 00:09:47,420 私が一人で二葉を… 137 00:09:47,545 --> 00:09:48,379 埋めた 138 00:09:53,009 --> 00:09:54,343 二葉は… 139 00:09:55,136 --> 00:09:59,056 このハルニレの木が 大好きだったから… 140 00:10:00,891 --> 00:10:04,270 なるほど 麗しき友情だな 141 00:10:04,979 --> 00:10:08,399 ならば なぜ事件後 その娘と距離を置いた? 142 00:10:09,358 --> 00:10:13,362 それは… 二葉を忘れようとしたから 143 00:10:13,529 --> 00:10:14,822 (櫻子) ほう… 144 00:10:15,323 --> 00:10:20,119 事件のあと 私は ずっと 二葉のことが頭を離れなかった 145 00:10:20,661 --> 00:10:25,082 あのときの二葉の顔 ぐったりした体の重さ 146 00:10:25,750 --> 00:10:29,587 なのに 一重は それまでのことを打ち消すように 147 00:10:29,712 --> 00:10:33,841 他の子と派手に遊び始めて 私を避けた! 148 00:10:34,634 --> 00:10:37,345 信じられなかったし 腹も立った 149 00:10:37,470 --> 00:10:39,597 でも このことを しゃべったら… 150 00:10:39,722 --> 00:10:42,433 だから… だから 私も…! 151 00:10:42,933 --> 00:10:43,851 (磯崎) ああ… 152 00:10:43,976 --> 00:10:45,227 (ヘクターの鳴き声) 153 00:10:45,519 --> 00:10:47,605 さ… 櫻子さん 154 00:10:47,730 --> 00:10:48,731 (磯崎) ううっ… 155 00:10:53,944 --> 00:10:57,281 (櫻子) うーん 保存状態はいい 156 00:10:57,907 --> 00:10:58,949 うん? 157 00:11:05,122 --> 00:11:06,582 違う… 158 00:11:08,250 --> 00:11:10,211 フッ なるほど… 159 00:11:10,461 --> 00:11:14,173 やはり 親友などというものは 持つものではないな 160 00:11:14,298 --> 00:11:16,967 何を… 言っているの…? 161 00:11:17,551 --> 00:11:20,554 (櫻子) この遺体は縊死(いし)ではない 扼殺(やくさつ)だ 162 00:11:20,888 --> 00:11:23,724 甲状軟骨と舌骨(ぜっこつ)が折れている 163 00:11:24,058 --> 00:11:30,064 西沢二葉は自殺ではなく 誰かに首を絞められ殺されたんだ 164 00:11:31,357 --> 00:11:35,945 (一重) うっ… 嘘よ… そんなの… 165 00:11:36,070 --> 00:11:39,907 嘘なものか 二葉自身の骨が語っている 166 00:11:40,032 --> 00:11:42,159 “私は殺された”と 167 00:11:42,785 --> 00:11:46,414 通常 首を吊っても これらの骨が折れることはない 168 00:11:46,539 --> 00:11:51,419 よほどの勢いをつけるか 本人の体重が重くないかぎりはね 169 00:11:52,128 --> 00:11:55,965 橈骨の長さからしても 二葉は小柄な少女だったようだ 170 00:11:56,090 --> 00:12:01,887 しかも 彼女は足が着くような 低い枝で首を吊ったと言ったな? 171 00:12:02,513 --> 00:12:04,682 フンッ ありえないな 172 00:12:05,057 --> 00:12:07,810 首吊りは この娘の偽装だ 173 00:12:07,935 --> 00:12:10,271 大方 ロープで絞殺したあと― 174 00:12:10,396 --> 00:12:13,607 自死に見せかけるために 手ごろな枝に ぶら下げたんだろ 175 00:12:13,732 --> 00:12:17,486 死体は重い かなりの重労働だったはずだ 176 00:12:17,611 --> 00:12:19,905 さぞ 息も切れたことだろうね 177 00:12:20,030 --> 00:12:23,284 嘘よ! 二葉は自殺したの! 178 00:12:23,409 --> 00:12:26,412 なら なぜ 君は 手のひらを負傷した? 179 00:12:26,704 --> 00:12:31,208 それは二葉の首を絞めたとき あるいは偽装工作の際に 180 00:12:31,333 --> 00:12:34,170 ロープがこすれて負った 擦過傷だろう? 181 00:12:36,255 --> 00:12:38,007 (磯崎) 一重… 182 00:12:39,550 --> 00:12:42,094 君が二葉を殺したのか? 183 00:12:42,803 --> 00:12:45,389 答えてくれ! 一重! 184 00:12:45,806 --> 00:12:49,351 うわあああ! 185 00:12:52,396 --> 00:12:54,231 (一重)そうよ… (磯崎・三奈美)えっ… 186 00:12:55,357 --> 00:12:56,484 どうして…? 187 00:12:56,734 --> 00:13:00,279 だって しょうがないでしょ! あの子 本気だった! 188 00:13:00,404 --> 00:13:02,573 ロープが1本しかなくて… 189 00:13:02,698 --> 00:13:05,784 そしたら 自分の首を絞めてくれって! 190 00:13:06,202 --> 00:13:10,080 じゃなきゃ 私を絞め殺して 後を追うからって! 191 00:13:10,206 --> 00:13:12,833 すごい形相で襲ってきた! 192 00:13:12,958 --> 00:13:17,880 私 怖くて… 死にたくなくて… 気が付いたら… 193 00:13:18,005 --> 00:13:21,217 ロープで絞め殺していた というわけか 194 00:13:21,342 --> 00:13:24,136 私に 嘘ついていたの? 195 00:13:24,261 --> 00:13:26,430 私のせいじゃないでしょ! 196 00:13:26,555 --> 00:13:29,225 二葉は本当に死にたがってた 197 00:13:29,350 --> 00:13:32,937 だから 二葉を吊って… 198 00:13:33,062 --> 00:13:35,689 でも 気が付いた 意味ないって 199 00:13:36,649 --> 00:13:38,526 このままじゃ誰かに見つかる 200 00:13:38,651 --> 00:13:42,863 疑われたらバレるかもしれない 死体を隠さなきゃって 201 00:13:42,988 --> 00:13:46,283 そしたら 三奈美… 202 00:13:47,034 --> 00:13:49,245 あんたが戻ってきた 203 00:13:49,370 --> 00:13:51,664 そんな… ひどい… 204 00:13:51,789 --> 00:13:55,459 ひどい? ハッ! ひどいのは誰よ! 205 00:13:55,584 --> 00:13:59,755 あんたが逃げたせいで 私は 二葉を殺さなくちゃいけなかった 206 00:13:59,880 --> 00:14:03,175 何が親友よ! 何が三姉妹よ! 207 00:14:03,300 --> 00:14:05,928 最初に裏切ったのは あんたじゃない! 208 00:14:06,554 --> 00:14:09,515 そうよ! あんたさえいなければ! 209 00:14:09,640 --> 00:14:12,393 そもそも あんな暗くて地味な二葉と 210 00:14:12,518 --> 00:14:14,353 友達になんてならなかった! 211 00:14:14,478 --> 00:14:15,604 (磯崎) もういい! 212 00:14:18,148 --> 00:14:20,401 よすんだ 一重… 213 00:14:20,776 --> 00:14:23,153 それ以上は もう… 214 00:14:24,238 --> 00:14:28,868 すまない 君たちの痛みに気付けなかった 215 00:14:29,201 --> 00:14:31,537 いや そうじゃない 216 00:14:31,787 --> 00:14:36,876 自分が傷つくのが怖くて 僕は目をそらしていたんだ 217 00:14:37,293 --> 00:14:41,422 一重も二葉も三奈美も 大切な生徒なのに… 218 00:14:42,923 --> 00:14:45,759 本当に すまない… 219 00:14:46,093 --> 00:14:49,388 はっ… うっ うっ… 220 00:14:49,513 --> 00:14:52,433 (泣き声) 221 00:14:52,558 --> 00:14:55,936 (泣き声) 222 00:15:00,399 --> 00:15:04,612 (櫻子) フフッ ウフフフ… 223 00:15:04,737 --> 00:15:08,532 ない 蝶がないぞ… フフフフ… 224 00:15:08,657 --> 00:15:10,159 さ… 櫻子さん? 225 00:15:10,284 --> 00:15:14,455 (櫻子) 少年 この頭蓋骨は 蝶形骨(ちょうけいこつ)が奪われているぞ 226 00:15:14,580 --> 00:15:19,460 そうか… そういうことか ハハハ! 227 00:15:19,793 --> 00:15:22,796 これで骨が全部 つながった 228 00:15:23,756 --> 00:15:25,758 とんだ茶番だよ! 229 00:15:25,883 --> 00:15:30,220 私たちは皆 スフィーノイダーの 手の上で踊らされていたんだ 230 00:15:30,346 --> 00:15:32,222 (正太郎) “スフィーノイダー”? 231 00:15:32,348 --> 00:15:38,228 ああ 蝶形骨を奪う犯人として 叔父貴(おじき)が与えた名称だ 232 00:15:38,354 --> 00:15:39,897 犯人…? 233 00:15:40,022 --> 00:15:43,150 (櫻子) やつは何件もの事件に関与している 234 00:15:43,567 --> 00:15:46,946 在職中 監察医として 叔父貴が知り得ただけでも 235 00:15:47,071 --> 00:15:49,365 十数体の遺骨から… 236 00:15:49,490 --> 00:15:53,786 ここにいるはずの蝶形骨が 人為的に摘出されている 237 00:15:54,828 --> 00:15:58,207 遺骨の発見場所や死亡時期 死因は まちまちで 238 00:15:58,332 --> 00:16:00,501 一見 何のつながりもない 239 00:16:01,877 --> 00:16:06,548 犯人に結び付く 毛髪 血痕などの遺留物も一切なく 240 00:16:06,674 --> 00:16:08,968 捜査は暗礁に乗り上げている 241 00:16:09,551 --> 00:16:12,096 これらの事件が 同一犯の仕業であるという 242 00:16:12,221 --> 00:16:15,015 叔父貴の意見を 疑う向きさえあったが 243 00:16:16,183 --> 00:16:18,644 ようやく尻尾をつかまえたぞ 244 00:16:20,104 --> 00:16:21,522 花房(はなぶさ)! 245 00:16:21,814 --> 00:16:24,817 (三奈美) せ… 先生は関係ないでしょ! 246 00:16:24,942 --> 00:16:29,697 ちょうどいい 君に聞こう 花房という画家は どんな人間だ? 247 00:16:29,822 --> 00:16:31,949 (三奈美) 花房先生は… 248 00:16:35,327 --> 00:16:37,913 (三奈美)天使よ (櫻子)天使だと? 249 00:16:38,038 --> 00:16:41,417 (三奈美) そうよ あんなきれいな人 見たことない 250 00:16:41,542 --> 00:16:44,962 先生は 神様に選ばれた特別な人間なの! 251 00:16:45,087 --> 00:16:48,090 その証拠に 先生の体には 252 00:16:48,215 --> 00:16:51,093 汚らわしい毛が 1本も生えてなかったわ! 253 00:16:52,594 --> 00:16:55,347 二葉が死んで 一重も去った 254 00:16:55,806 --> 00:17:00,644 どこへも行けない独りぼっちの私を 先生は助けてくれた 255 00:17:01,186 --> 00:17:04,522 全てを知って 私を受け入れてくれた 256 00:17:04,647 --> 00:17:06,442 二葉のことを話したのか? 257 00:17:06,567 --> 00:17:09,987 だって 天使に嘘はつけないでしょ? 258 00:17:10,112 --> 00:17:12,531 先生は私を許してくれたわ 259 00:17:12,656 --> 00:17:15,992 その身で私を清め 特別な存在にしてくれた! 260 00:17:16,117 --> 00:17:19,371 愚かな… それは やつの手口だ 261 00:17:19,496 --> 00:17:22,540 甘い言葉で耳に毒を注ぎ込む 262 00:17:22,665 --> 00:17:26,502 相手が一番欲しているものを 与えるふりをしただけだ 263 00:17:26,627 --> 00:17:31,592 先生は私を大切にしてくれた! 必要としてくれた! 264 00:17:31,717 --> 00:17:36,764 先生に愛されて 初めて 私は自分に価値があるって分かった 265 00:17:36,889 --> 00:17:41,060 フン 愛だと? バカバカしい! 266 00:17:41,226 --> 00:17:45,439 花房が誰かを愛することなど 決してないだろうよ 267 00:17:45,773 --> 00:17:49,318 嘘よ 先生は私を愛してくれたわ! 268 00:17:49,443 --> 00:17:53,197 違うな 花房は君の孤独を利用しただけだ 269 00:17:53,322 --> 00:17:56,658 だったら なぜ君を捨て 一重に乗り換えた? 270 00:17:57,743 --> 00:18:01,914 スフィーノイダーにとって 君も一重も ただの駒にすぎない 271 00:18:02,289 --> 00:18:06,293 自らの手を汚さず 蝶形骨を手に入れるためのね 272 00:18:06,418 --> 00:18:12,466 違う! 先生は… 先生は 私だけに本物の羽を与えてくれた! 273 00:18:12,966 --> 00:18:17,513 ここではない美しい世界へ 飛び立つための… 特別な… 274 00:18:19,431 --> 00:18:23,477 (花房) 君は私の蝶になってくれるね? 275 00:18:24,520 --> 00:18:29,900 世の中の決まりというものは 羽のない者のために存在する 276 00:18:30,609 --> 00:18:35,656 羽を持つ者は そんなものに惑わされる必要はない 277 00:18:36,824 --> 00:18:39,368 もう君は特別だ… 278 00:18:40,869 --> 00:18:42,746 羽をあげよう 279 00:18:43,831 --> 00:18:49,920 クロヒカゲ… 私の… とっておきだよ 280 00:18:51,171 --> 00:18:52,297 (三奈美) 私は… 281 00:18:54,341 --> 00:18:56,135 愛されて… 282 00:18:59,346 --> 00:19:02,724 悪い夢を見たな 早く忘れるといい 283 00:19:03,016 --> 00:19:06,228 花房は決して君を愛したりはしない 284 00:19:06,478 --> 00:19:09,273 君が白い骨になるまではね 285 00:19:09,398 --> 00:19:12,568 少年 もういいぞ 警察に通報を… 286 00:19:12,693 --> 00:19:15,445 (鳴き声) 287 00:19:28,375 --> 00:19:29,668 はあっ… 288 00:19:33,422 --> 00:19:36,175 さ… 櫻子さん… 289 00:19:44,349 --> 00:19:49,646 (櫻子) 逝くな… 逝くな…! 290 00:19:49,771 --> 00:19:52,608 逝くな! 正太郎! 291 00:19:55,694 --> 00:19:57,321 (テレビ:アナウンサー) 先日 お伝えしました― 292 00:19:57,446 --> 00:20:01,533 高校の同級生による 死体遺棄事件の続報です 293 00:20:02,242 --> 00:20:06,538 警察の発表によりますと 西沢二葉さんの遺骨の付近から 294 00:20:06,663 --> 00:20:11,251 更に身元不明の遺骨が 多数発見されたとのことです 295 00:20:11,710 --> 00:20:15,756 現地に中継がつながっています 西條(さいじょう)さん 296 00:20:16,548 --> 00:20:19,760 (正太郎) うわ! ひよこプリンだ! 297 00:20:19,968 --> 00:20:23,555 幸せだな どれから食べようかな? 298 00:20:23,680 --> 00:20:25,182 (櫻子) 具合は どうだ? 299 00:20:25,307 --> 00:20:28,518 もう全然! あっ いたた… 300 00:20:28,769 --> 00:20:31,772 アハッ もうすぐ 退院できますから 301 00:20:31,897 --> 00:20:33,982 今年も 雪かき手伝いますよ 302 00:20:34,107 --> 00:20:36,443 ばあやさんと 2人じゃ大変でしょ 303 00:20:37,778 --> 00:20:40,364 (櫻子) 少年 聞いてほしいことがある 304 00:20:40,489 --> 00:20:42,366 ん… 何ですか? 305 00:20:42,491 --> 00:20:44,618 (櫻子) 今回の事件で確信した 306 00:20:44,743 --> 00:20:46,745 叔父貴の追っていた スフィーノイダーは― 307 00:20:46,870 --> 00:20:47,871 花房だ 308 00:20:48,789 --> 00:20:52,542 しかも やつは 君と私が関わった過去の事件でも 309 00:20:52,668 --> 00:20:55,003 裏で糸を引いていた可能性がある 310 00:20:55,128 --> 00:20:56,463 (正太郎) えっ… 311 00:20:56,880 --> 00:21:00,092 (櫻子) もっと早く気付くべきだったんだ 312 00:21:01,677 --> 00:21:05,097 全ては私の失策だ 許してほしい 313 00:21:05,639 --> 00:21:07,224 そんな… 314 00:21:08,767 --> 00:21:11,812 私は生き物が死ぬのは嫌だ 315 00:21:12,479 --> 00:21:15,065 アハハ… 知ってますよ 316 00:21:15,190 --> 00:21:17,859 櫻子さんが好きなのは 骨だけでしょ? 317 00:21:18,610 --> 00:21:22,447 昔から 私の周りでは よく人が死ぬ 318 00:21:23,699 --> 00:21:26,034 本当に あきれるほどにね 319 00:21:26,702 --> 00:21:31,665 そういえば君も言ってたな “私といると死体に当たる”と 320 00:21:31,873 --> 00:21:34,668 ど… どうしたんですか? 急に 321 00:21:35,127 --> 00:21:36,837 だから君とは… 322 00:21:39,256 --> 00:21:40,507 お別れだ 323 00:21:45,971 --> 00:21:49,933 花房は… あれは のぞいてはいけない深淵(しんえん)だ 324 00:21:50,058 --> 00:21:53,312 恐ろしく狡猾(こうかつ)で 自己の手は汚さず 325 00:21:53,437 --> 00:21:56,315 言葉巧みに 犠牲者を意のままに動かし 326 00:21:56,440 --> 00:21:58,984 その記念品として蝶形骨を奪う 327 00:21:59,901 --> 00:22:04,364 いや 蝶形骨を奪うために 犠牲者を選んでいるのか…? 328 00:22:06,616 --> 00:22:11,288 あれは確か 初めて君と 事件を解決したときだったな 329 00:22:12,205 --> 00:22:16,710 深淵をのぞけば 深淵も また こちらをのぞいている 330 00:22:17,669 --> 00:22:19,421 そのとおりさ 331 00:22:19,755 --> 00:22:23,884 恐らく花房は すでに君と私の存在に気付いている 332 00:22:24,051 --> 00:22:26,678 僕と櫻子さんに? 333 00:22:27,095 --> 00:22:31,349 (櫻子) ああ だからもう君は 私に近づいてはいけない 334 00:22:31,475 --> 00:22:33,643 家を訪ねてくるのも駄目だ 335 00:22:33,769 --> 00:22:37,606 今後一切 私との関わりを絶つんだ 336 00:22:41,568 --> 00:22:45,614 私は… 君の骨など見たくない 337 00:22:51,703 --> 00:22:54,873 さよならだ 少年 338 00:22:57,834 --> 00:22:58,794 だから…! 339 00:23:00,212 --> 00:23:02,964 だから僕を名前で 呼んでくれなかったんですか! 340 00:23:06,968 --> 00:23:08,929 (櫻子) ああ そうだよ 341 00:23:31,159 --> 00:23:34,412 さよなら 正太郎…