1 00:00:02,002 --> 00:00:05,672 《ウチムラ:まさか… 俺が 異世界に転職するとは…。 2 00:00:05,672 --> 00:00:10,010 それも… 魔王軍の四天王!》 3 00:00:10,010 --> 00:00:13,180 これが組織図… 小国とはいえ➡ 4 00:00:13,180 --> 00:00:15,682 指揮系統が しっかり オーガナイズされている。 5 00:00:18,018 --> 00:00:20,687 まさか 執務室まで もらえるなんて…。 6 00:00:20,687 --> 00:00:24,858 《不安は多いが… しがないサラリーマンだった俺を➡ 7 00:00:24,858 --> 00:00:29,062 認めてくれた魔王様のためにも 邁進するしかない!》 8 00:00:32,032 --> 00:00:35,035 わぁっ! わっ わっ! 9 00:00:35,035 --> 00:00:37,037 うわぁ~っ! 10 00:02:09,997 --> 00:02:12,332 《この職場でやっていくと 決めたからには…。 11 00:02:12,332 --> 00:02:16,670 まずは ビジネスマナーとして やるべきことがある。 それは…。 12 00:02:16,670 --> 00:02:21,008 まだ ちゃんと話せていない 他の四天王の方々への ご挨拶》 13 00:02:21,008 --> 00:02:23,010 (ノック) 14 00:02:23,010 --> 00:02:26,313 シルフィードさん いらっしゃいますか? 15 00:02:28,348 --> 00:02:31,685 (ベリンダ)はい… えっと… どちら様ですか? 16 00:02:31,685 --> 00:02:36,023 あ… あの… このたび 四天王を拝命しました ウチムラです。 17 00:02:36,023 --> 00:02:40,027 その ご挨拶に 烈嵐の魔導士…。 申し訳ありません。 18 00:02:40,027 --> 00:02:43,196 シルフィード様は 長期不在となっております。 19 00:02:43,196 --> 00:02:46,199 えっ ご不在なんですか? はい。 20 00:02:46,199 --> 00:02:48,702 私は 助手のベリンダと申します。 21 00:02:48,702 --> 00:02:51,371 いらっしゃったことは お伝えしておきますので➡ 22 00:02:51,371 --> 00:02:54,041 本日は お引き取りください。 23 00:02:54,041 --> 00:02:59,713 ま… まぁ… 営業は 空振り100件 成約1件。 24 00:02:59,713 --> 00:03:03,150 めげずに次の挨拶へ…。 (ウルマンダー)ウチムラ! 25 00:03:03,150 --> 00:03:06,653 こんなところにいたのか。 魔王様がお呼びだ。 26 00:03:06,653 --> 00:03:08,655 魔王様が? 27 00:03:08,655 --> 00:03:12,492 新たな業務命令だ。 すぐに伺います。 28 00:03:12,492 --> 00:03:17,497 オーガ族との合併交渉ですか。 (魔王)そうだ。 29 00:03:17,497 --> 00:03:20,500 (魔王)我が魔王軍は 新興勢力。 30 00:03:20,500 --> 00:03:22,669 他の列強国と渡り合うには➡ 31 00:03:22,669 --> 00:03:26,006 周辺地域の亜人の異種族たちと 協力し➡ 32 00:03:26,006 --> 00:03:30,677 さらに力をつける必要がある。 そして その亜人たちの中で➡ 33 00:03:30,677 --> 00:03:34,347 特に影響力があるのが オーガ族だ。 34 00:03:34,347 --> 00:03:40,353 オーガ族は 魔王軍に迫る兵力を備え 周辺種族のリーダー的存在でもある。 35 00:03:40,353 --> 00:03:44,858 だが それゆえに 我らの勢力を警戒し➡ 36 00:03:44,858 --> 00:03:47,360 近年は 情報統制を敷いている。 37 00:03:47,360 --> 00:03:51,364 味方にできれば心強いが 敵に回すと厄介だ。 38 00:03:51,364 --> 00:03:56,369 これは 貴様の世界でいうところの 競合他社との合併交渉。 39 00:03:56,369 --> 00:04:01,641 その規模の大きさと難しさから 適任者がいなかったが…。 40 00:04:01,641 --> 00:04:04,644 我は 貴様を見て 確信した。 41 00:04:04,644 --> 00:04:07,647 ウチムラよ! 貴様ならできる と。 42 00:04:07,647 --> 00:04:13,987 オーガ族との交渉役 貴様に一任する。 その能力 存分に発揮するがよい。 43 00:04:13,987 --> 00:04:15,989 魔王様…。 44 00:04:15,989 --> 00:04:19,326 仕方ない 今回も私が護衛してやる。 45 00:04:19,326 --> 00:04:21,328 ありがとうございます! 46 00:04:21,328 --> 00:04:24,331 わ… 私がついていないと 心配だからな! 47 00:04:27,501 --> 00:04:31,671 ウチムラ… 四天王同士 今回も協力していこう。 48 00:04:31,671 --> 00:04:37,177 はい。 あっ 協力といえば… 地殻の防壁士 ゲーノームさんにも➡ 49 00:04:37,177 --> 00:04:40,347 会っておきましょう。 そうだな。 ん…。 50 00:04:40,347 --> 00:04:43,183 (ウチムラ)組織図を見たところ ゲーノームさんは➡ 51 00:04:43,183 --> 00:04:47,354 亜人部隊を率いています。 オーガ族も亜人ですし➡ 52 00:04:47,354 --> 00:04:50,357 何か情報をいただけるのかも…。 私は行かん。 53 00:04:50,357 --> 00:04:55,028 馬車の手配とかもあるし…。 あっ 確かに 手分けしたほうが➡ 54 00:04:55,028 --> 00:04:59,533 早いですね。 では 出発まで 別行動で。 そちらをお願いします。 55 00:04:59,533 --> 00:05:03,837 うっ… さっさと終わらせろよ。 56 00:05:07,974 --> 00:05:09,976 ドリャリャリャリャ! 57 00:05:09,976 --> 00:05:13,480 これは…。 (ウルズ)それまで! 58 00:05:13,480 --> 00:05:16,650 (ゲーノーム)弓は 命中率が上がったな。 (弓隊)はい! 59 00:05:16,650 --> 00:05:19,986 槍も 攻撃への踏み込みが 格段に速くなった。 60 00:05:19,986 --> 00:05:22,656 (槍隊)はい! (ゲーノーム)皆 よくやっているな。 61 00:05:22,656 --> 00:05:25,825 十分に休息を取らせてくれ。 (ウルズ)はっ! 62 00:05:25,825 --> 00:05:27,827 《部下の士気が高い。 63 00:05:27,827 --> 00:05:30,497 これだけの数を まとめあげるとは…》 64 00:05:30,497 --> 00:05:35,001 それで 僕に何か用かい? 海外の駐在員 ウチムラ。 65 00:05:35,001 --> 00:05:40,006 あ… えっと… ご挨拶も兼ねて オーガ族のことを伺いに…。 66 00:05:40,006 --> 00:05:44,678 へぇ… ということは 次の交渉相手は オーガ族なのか? 67 00:05:44,678 --> 00:05:48,014 あっ はい。 ん… そうだな…。 68 00:05:48,014 --> 00:05:52,018 あそこの長のオグレは 難敵だ。 難敵? 69 00:05:52,018 --> 00:05:57,190 オグレは その剛腕・辣腕から 敵対する者からは 独裁者と…。 70 00:05:57,190 --> 00:06:00,126 あぁ…。 まぁ あとは 自分の目で確かめろ。 71 00:06:00,126 --> 00:06:03,630 それより… さっさと ソレを 連れてってくれないか。 72 00:06:03,630 --> 00:06:08,468 ムダに殺気立った魔人がいると 部下たちが落ち着かない。 73 00:06:08,468 --> 00:06:10,637 ガルルルル! わっ ウルマンダーさん! 74 00:06:10,637 --> 00:06:14,140 どうして ここに!? もう 出発の準備は整った。 75 00:06:14,140 --> 00:06:17,477 お前が気にな… いや 戻るのが 遅いので 迎えにきたのだ。 76 00:06:17,477 --> 00:06:21,481 えっ すみません! ウチムラ さっさと ソレと出発してくれ。 77 00:06:21,481 --> 00:06:24,317 さっきから ソレとはなんだ ソレとは! 78 00:06:24,317 --> 00:06:26,987 おい 聞いてるのか!? 耳をあげろ! 79 00:06:26,987 --> 00:06:30,991 ちゃんと聞け! 《もしかして この2人って…》 80 00:06:39,100 --> 00:06:43,003 おっそい! いつまで待たせる! 81 00:06:43,003 --> 00:06:45,338 長の許可が下りるまでだ。 82 00:06:45,338 --> 00:06:49,342 それまで 四天王だろうが 誰だろうが 通すわけにはいかん。 83 00:06:49,342 --> 00:06:54,014 《前の職場でも 競合他社との 交渉は 常に難航した。 84 00:06:54,014 --> 00:06:58,518 そのテーブルにつく前から すでに 勝負は始まっている》 85 00:06:58,518 --> 00:07:03,456 ウルマンダーさん… 相手を待たせ ペースを乱すのは 常套手段です。 86 00:07:03,456 --> 00:07:06,293 ここは冷静に…。 魔王軍も なめられたものだな。 87 00:07:06,293 --> 00:07:09,796 《えぇ~っ!?》 (オルル)ウチムラ様 ウルマンダー様。 88 00:07:09,796 --> 00:07:12,966 お待たせしました。 89 00:07:12,966 --> 00:07:15,969 (オルル)どうぞ こちらへ。 90 00:07:15,969 --> 00:07:18,972 やっとか…。 行くぞ ウチムラ。 91 00:07:28,648 --> 00:07:31,818 キョロキョロするな。 あ… はい。 92 00:07:31,818 --> 00:07:35,488 隙を見せるな。 オーガ族は別格だ。 93 00:07:35,488 --> 00:07:38,658 その勢力は 魔王軍にも匹敵するほどにな。 94 00:07:38,658 --> 00:07:41,995 そして 最大の問題は… わかってるな? はい。 95 00:07:41,995 --> 00:07:45,999 《ゲーノームさんも難敵と言っていた オーガ族の長 オグレ》 96 00:07:48,001 --> 00:07:50,303 中へ お進みください。 97 00:07:53,006 --> 00:07:55,608 《いったい どんな人物なんだ…》 98 00:08:08,955 --> 00:08:11,958 オグレ殿 今日は 魔王軍から大事な用が…。 99 00:08:11,958 --> 00:08:13,960 (オグレ)囀るな。 100 00:08:13,960 --> 00:08:17,630 小娘… 儂の断りもなく 囀るな。 101 00:08:17,630 --> 00:08:25,472 話すこと 答えること 動くこと… すべて 儂の命があるまで許さん。 102 00:08:25,472 --> 00:08:28,308 はっ…。 《あの短気なウルマンダーさんが➡ 103 00:08:28,308 --> 00:08:32,479 耐えている》 お前たちの目的は わかっている。 104 00:08:32,479 --> 00:08:35,982 我らの軍門に降りたいんだろう? 105 00:08:35,982 --> 00:08:37,984 なっ! あっ…。 106 00:08:37,984 --> 00:08:41,488 よかろう… 特別に認めてやってもいい。 107 00:08:41,488 --> 00:08:44,157 だが 条件がある。 108 00:08:44,157 --> 00:08:48,495 お前らの長 魔王の首を 持ってこい。 109 00:08:48,495 --> 00:08:52,332 ハハハハハ… どうだ? 破格の条件だろう? 110 00:08:52,332 --> 00:08:55,001 貴様… 何をなめた…。 111 00:08:55,001 --> 00:08:59,672 (オグレ)やるのか? やらないのか? 答えろ 今すぐに! 112 00:08:59,672 --> 00:09:02,776 《そんなもん 即答できるわけ…》 113 00:09:02,776 --> 00:09:06,613 そうしましたら 一度 持ち帰らせていただきます。 114 00:09:06,613 --> 00:09:09,949 本日は お忙しい中 お時間をいただき➡ 115 00:09:09,949 --> 00:09:11,951 ありがとうございました。 116 00:09:11,951 --> 00:09:13,953 行きましょう。 117 00:09:19,292 --> 00:09:24,297 ぬあぁ~っ! 許せん! あのジジイ 我らが王を侮辱した! 118 00:09:24,297 --> 00:09:26,299 絶対に許せん! 119 00:09:26,299 --> 00:09:28,635 八つ裂きにして…。 落ち着いて! 120 00:09:28,635 --> 00:09:30,637 それでは 相手の思うつぼです。 121 00:09:30,637 --> 00:09:33,139 壺でも甕でも 粉々に砕いちゃるわぁ~っ! 122 00:09:33,139 --> 00:09:35,141 そう それです! 俺たちを怒らせて➡ 123 00:09:35,141 --> 00:09:37,310 交渉を破綻させるのが 狙いなんです。 124 00:09:37,310 --> 00:09:39,312 何? オーガの長に➡ 125 00:09:39,312 --> 00:09:42,315 交渉の意志はありません。 ただ 一族としては➡ 126 00:09:42,315 --> 00:09:46,486 無用な争いは避けたい。 そこで 我々の感情を逆なでした。 127 00:09:46,486 --> 00:09:48,988 これで揉めても 交渉人だけの責任で➡ 128 00:09:48,988 --> 00:09:50,990 攻撃材料も作れますから。 129 00:09:50,990 --> 00:09:55,662 《交渉決裂は キサマの寄こしたクズのせいだ!》 130 00:09:55,662 --> 00:09:59,999 飄々と…。 お前 悔しくないのか!? 131 00:09:59,999 --> 00:10:02,001 我が軍を侮辱されたんだぞ。 132 00:10:02,001 --> 00:10:04,671 不愉快に決まっているでしょう。 133 00:10:04,671 --> 00:10:08,508 ですが あの場で 怒り喚けば 魔王様の不利になる。 134 00:10:08,508 --> 00:10:12,011 最悪の場合 オーガ族が他国と手を結び➡ 135 00:10:12,011 --> 00:10:14,013 魔王軍に攻め入る口実にも…。 136 00:10:14,013 --> 00:10:16,850 交渉の余地がなければ 一旦 ひく。 137 00:10:16,850 --> 00:10:19,686 食い下がっても 関係が悪化するだけですから…。 138 00:10:19,686 --> 00:10:22,021 そうだったのか… すまん。 139 00:10:22,021 --> 00:10:25,692 謝らないでください。 ウルマンダーさんがいなかったら➡ 140 00:10:25,692 --> 00:10:28,695 きっと 俺が キレていましたから。 141 00:10:28,695 --> 00:10:32,031 ウチムラ… だが どうする? 142 00:10:32,031 --> 00:10:36,703 相手は交渉する気がないんだろ。 確かに どうしたものか…。 143 00:10:36,703 --> 00:10:38,705 あの…。 (2人)ん? 144 00:10:38,705 --> 00:10:42,709 (ウチムラ)君は さっきの…。 突然の無礼を お許しください。 145 00:10:42,709 --> 00:10:45,378 私は オグレの娘のオルルと申します。 146 00:10:45,378 --> 00:10:47,380 娘? 147 00:10:47,380 --> 00:10:50,717 暴君の娘が なんだ? 闇討ちか? まぁまぁ…。 148 00:10:50,717 --> 00:10:54,721 それで 俺たちに何か? 149 00:10:54,721 --> 00:10:59,058 父を… オグレを王座から 引きずり下ろしてほしいんです! 150 00:10:59,058 --> 00:11:02,562 (2人)えっ? 王座から引きずり下ろす? 151 00:11:08,001 --> 00:11:11,337 (ウルマンダー)ここは…。 (オルル)城の食品貯蔵庫です。 152 00:11:11,337 --> 00:11:15,341 これまでオーガ族は 周辺部族に 大きな影響がありました。 153 00:11:15,341 --> 00:11:18,178 ですが 今では 財政が困窮し➡ 154 00:11:18,178 --> 00:11:21,347 一部の者は 食べる物にさえ困っているんです。 155 00:11:21,347 --> 00:11:24,350 でしょうね…。 知っていたのか? 156 00:11:24,350 --> 00:11:26,352 まぁ なんとなくは…。 157 00:11:26,352 --> 00:11:31,024 兵士の装備が老朽化して 城は薄暗く 活気がない。 158 00:11:31,024 --> 00:11:34,694 斜陽の大企業で よく見られる光景です。 159 00:11:34,694 --> 00:11:37,030 ワンマン経営者による トップダウン型は➡ 160 00:11:37,030 --> 00:11:40,533 命令系統が単純なので 動きは速いですが➡ 161 00:11:40,533 --> 00:11:44,037 一度崩れると 修正が効かなくなるものです。 162 00:11:46,372 --> 00:11:50,543 ここも そうではないですか? あっ… あっ はい…。 163 00:11:50,543 --> 00:11:53,713 この 崩れかけたオーガ族を 立て直すには➡ 164 00:11:53,713 --> 00:11:58,718 魔王軍を頼るしかない。 でも 父は聞く耳を持たなくて…。 165 00:11:58,718 --> 00:12:02,989 それに… 長は… 父は病なんです。 166 00:12:02,989 --> 00:12:06,659 (2人)えっ!? 近年 情報統制を敷いたのも➡ 167 00:12:06,659 --> 00:12:09,495 謁見前にお待たせしたのも そのため…。 168 00:12:09,495 --> 00:12:15,335 虚勢を張っているけど 今の父に 全盛期の力はないんです。 169 00:12:15,335 --> 00:12:19,672 この先 突然 父がいなくなれば 大混乱になります! 170 00:12:19,672 --> 00:12:23,509 その前になんとか…。 あなたの気持ちはわかりました。 171 00:12:23,509 --> 00:12:26,679 ですが その行動は軽率です。 えっ…。 172 00:12:26,679 --> 00:12:31,017 組織の人間なら 易々と 内部の事情を話すものじゃない。 173 00:12:31,017 --> 00:12:34,020 ましてや トップの病など 以ての外。 174 00:12:34,020 --> 00:12:36,189 沈黙は美徳です。 175 00:12:36,189 --> 00:12:39,359 族長の娘なら もっと 慎重になるべきだ。 176 00:12:39,359 --> 00:12:43,363 なら わざわざ過ちを 教えてくれる アナタは➡ 177 00:12:43,363 --> 00:12:45,365 よっぽど お人よしですね。 178 00:12:45,365 --> 00:12:47,533 確かに。 ウルマンダーさん!? 179 00:12:47,533 --> 00:12:51,371 私 人を見る目には 自信があるんです。 180 00:12:51,371 --> 00:12:55,708 だから あなた方に 話したんですよ ウチムラデンノスケさん。 181 00:12:55,708 --> 00:12:59,045 あっ…。 ウチムラさん お願いです。 182 00:12:59,045 --> 00:13:01,814 私と…。 えぇっ!? 183 00:13:01,814 --> 00:13:06,019 私と結婚して 新しい族長に なってくれませんか!? 184 00:13:08,488 --> 00:13:10,490 はぁ~っ!? 185 00:13:10,490 --> 00:13:13,660 一族を救うには あなたみたいな方が必要なんです。 186 00:13:13,660 --> 00:13:15,995 待ってください! 話が急すぎます! 187 00:13:15,995 --> 00:13:19,499 一族の者は皆 父上の息がかかって 頭が固い。 188 00:13:19,499 --> 00:13:22,335 だから あなたが族長になれば オーガ族は救われます! 189 00:13:22,335 --> 00:13:24,337 いや でも…。 他に いい方法が!? 190 00:13:24,337 --> 00:13:28,341 そ… それは…。 うわっ! 191 00:13:28,341 --> 00:13:30,677 もう 結婚しかありません。 192 00:13:30,677 --> 00:13:33,379 今すぐ 結婚しましょう! オルルさん!? 193 00:13:39,352 --> 00:13:41,354 あっ…。 194 00:13:41,354 --> 00:13:44,057 一度 持ち帰らせていただきます。 195 00:13:49,696 --> 00:13:52,031 はぁ… どうしたものか。 196 00:13:52,031 --> 00:13:54,367 族長は交渉する気 ゼロだし➡ 197 00:13:54,367 --> 00:13:58,037 娘のオルルさんは 思い詰めて おかしな方向へ…。 198 00:13:58,037 --> 00:14:03,643 異世界 第2ミッション… オーガ族との併合… どうすれば…。 199 00:14:22,995 --> 00:14:25,498 だ~から! ん? 200 00:14:25,498 --> 00:14:29,001 百獣の王が 一番だろ! ん~ん。 201 00:14:29,001 --> 00:14:33,339 うぅ… あんたは どう思う? 202 00:14:33,339 --> 00:14:36,008 えっ? 野生動物最強っていえば➡ 203 00:14:36,008 --> 00:14:40,346 ライオンだろ? でも 大将は ゴリラだと 譲らないんだ! 204 00:14:40,346 --> 00:14:43,015 さ… さぁ… どうでしょうか? 205 00:14:43,015 --> 00:14:46,018 ドラミング…。 206 00:14:46,018 --> 00:14:48,020 あっ… あぁ…。 207 00:14:53,025 --> 00:14:55,361 マーキング! 208 00:14:55,361 --> 00:14:58,364 いや それじゃ インパクトが弱すぎる。 209 00:14:58,364 --> 00:15:01,634 猫とかもするし… そうだ プライド! 210 00:15:01,634 --> 00:15:05,138 ライオンの群れのことを プライドというのだ! 211 00:15:05,138 --> 00:15:07,340 どうだ? かっこいいだろう! 212 00:15:13,312 --> 00:15:16,149 《プライド… 群れ…。 213 00:15:16,149 --> 00:15:18,551 はっ! そうか!》 214 00:15:23,489 --> 00:15:25,992 この案件…。 215 00:15:25,992 --> 00:15:27,994 俺が解決します! 216 00:15:30,496 --> 00:15:33,332 ウチムラ! 217 00:15:33,332 --> 00:15:36,335 打開策が見つかったというのは 本当か? 218 00:15:36,335 --> 00:15:39,505 はい。 早朝から お呼びだてして すみません。 219 00:15:39,505 --> 00:15:43,509 き… 気にするな。 それより 早速 オーガ族のところへ…。 220 00:15:43,509 --> 00:15:46,345 いえ 向かうのは 別の場所です。 221 00:15:46,345 --> 00:15:48,347 あ… どういうことだ? 222 00:15:48,347 --> 00:15:51,017 詳しいことは 道すがらに…。 223 00:15:51,017 --> 00:15:55,021 うまくいけば あの長のほうから 交渉の場を設けてきますよ。 224 00:15:55,021 --> 00:15:57,323 奴のほうから? 225 00:16:00,960 --> 00:16:05,298 (ウチムラ)いかがされました? 急に 我々を呼び出すなんて…。 226 00:16:05,298 --> 00:16:08,968 ぐぬぅ… しらを切る気か こわっぱどもめ! 227 00:16:08,968 --> 00:16:13,472 どうして 我々以外の種族が 魔王軍と併合したのだ! 228 00:16:16,976 --> 00:16:20,480 《なっ… 先に 他の種族を勧誘する? 229 00:16:20,480 --> 00:16:23,983 はい。 やはり 彼らも困窮しているようです。 230 00:16:23,983 --> 00:16:26,986 昔は 蓄えのあるオーガ族が 援助していましたが➡ 231 00:16:26,986 --> 00:16:30,323 今は それも…。 難しいということか。 232 00:16:30,323 --> 00:16:34,327 そこで まずは オーガ族の周辺の 併合を進めましょう。 233 00:16:34,327 --> 00:16:38,831 名付けて 大企業ストロング・ホールド作戦です。 234 00:16:38,831 --> 00:16:41,500 ストロング・ホールド?》 235 00:16:41,500 --> 00:16:44,003 《そんなことで と思ったが➡ 236 00:16:44,003 --> 00:16:46,339 まさか 本当に 呼び出してくるとは…》 237 00:16:46,339 --> 00:16:51,010 《これは 昔 大企業との 契約を取るために行った作戦。 238 00:16:51,010 --> 00:16:53,846 馬鹿正直に 大企業に 営業に行っても➡ 239 00:16:53,846 --> 00:16:57,683 門前払いされるだけ。 そこで 周辺の中小企業に➡ 240 00:16:57,683 --> 00:17:00,286 営業をかけ 製品を買ってもらった。 241 00:17:00,286 --> 00:17:04,957 すると プライドの高い大企業は 中小が新品を買っているのに➡ 242 00:17:04,957 --> 00:17:07,793 自分たちが古い製品なのは 許せない と➡ 243 00:17:07,793 --> 00:17:10,463 しぶしぶ 自ら購入したのだ。 244 00:17:10,463 --> 00:17:13,633 周辺の亜人部族が 魔王軍に併合されれば➡ 245 00:17:13,633 --> 00:17:18,971 プライドの高い族長は焦るはず。 第一段階は成功だ。 そして…》 246 00:17:18,971 --> 00:17:22,642 オグレ様 彼らは生活に窮していた。 247 00:17:22,642 --> 00:17:25,645 魔王軍に入れば 生活の保障がされます。 248 00:17:25,645 --> 00:17:29,982 そんなことは聞いてない! この地域は 我ら オーガ族の…。 249 00:17:29,982 --> 00:17:33,653 《いいぞ… 理屈でなく 感情で威圧してきた。 250 00:17:33,653 --> 00:17:37,323 交渉は 感情に走った者から 敗北する》 251 00:17:37,323 --> 00:17:40,493 失礼しました。 ですが 今回の併合は➡ 252 00:17:40,493 --> 00:17:43,996 我々だけでなく オーガ族の主導で行ったものです。 253 00:17:43,996 --> 00:17:47,500 何をバカな! 儂は そんなことをしていないぞ! 254 00:17:47,500 --> 00:17:50,002 あなたが主導したとは 言っていない。 255 00:17:50,002 --> 00:17:53,005 どうぞ お入りください。 256 00:17:53,005 --> 00:17:55,508 (オグレ)なっ…。 257 00:17:55,508 --> 00:17:59,345 まさか… お前が? 258 00:17:59,345 --> 00:18:05,284 オルル様が中心になり 周辺部族と 我々の併合を取り決めたんです。 259 00:18:05,284 --> 00:18:08,621 あなたの娘という肩書きと 人脈のおかげで➡ 260 00:18:08,621 --> 00:18:11,290 スムーズに 交渉が進みましたよ。 261 00:18:11,290 --> 00:18:13,960 《オルルが なぜ そんなことを…》 262 00:18:13,960 --> 00:18:18,965 父上! 私たちが最優先すべきは 亜人たちの生活であり➡ 263 00:18:18,965 --> 00:18:21,634 未来のはずです! この苦境を脱するには➡ 264 00:18:21,634 --> 00:18:23,970 もう 魔王軍に 頼るしかないんです! 265 00:18:23,970 --> 00:18:27,306 バ… バカを言うな! そんなこと 認められるわけ…。 266 00:18:27,306 --> 00:18:29,642 時代は変わったのです! うっ…。 267 00:18:29,642 --> 00:18:37,550 父上は… 誰よりも強く 私の憧れでした。 268 00:18:40,319 --> 00:18:43,155 《オルル:わぁ~! (オグレ)ハハハハ…。 269 00:18:43,155 --> 00:18:45,491 アハハハ! フフ…。 270 00:18:45,491 --> 00:18:47,493 ハハハハハ…。 271 00:18:47,493 --> 00:18:50,663 わぁ~!》 272 00:18:50,663 --> 00:18:56,168 でも 無敵のオグレと呼ばれた父も 今は老い 病も患っている! 273 00:18:56,168 --> 00:18:58,671 手を取り合う時なのです! うっ…。 274 00:18:58,671 --> 00:19:02,274 父上! では 同盟ではどうでしょう? 275 00:19:02,274 --> 00:19:06,612 併合ではなく 同盟。 対等な立場での提携です。 276 00:19:06,612 --> 00:19:08,614 同盟… だと? 277 00:19:08,614 --> 00:19:13,285 《ちなみに 魔王軍における併合は 相手に自治権を渡しているので➡ 278 00:19:13,285 --> 00:19:16,288 条件的には 同盟と 大差なかったりする。 279 00:19:16,288 --> 00:19:20,960 だが その文言の違いは プライドの高い長には重要なはずだ》 280 00:19:20,960 --> 00:19:23,963 検討だ… 検討してやる。 281 00:19:23,963 --> 00:19:26,799 あとで 回答してやるから 少し待て。 282 00:19:26,799 --> 00:19:29,301 あっ…。 承知しました。 283 00:19:29,301 --> 00:19:31,637 ありがとうございます オグレ様。 284 00:19:31,637 --> 00:19:34,306 一度 持ち帰るというやつか。 285 00:19:34,306 --> 00:19:36,976 いいのか? ウチムラ。 はい。 286 00:19:36,976 --> 00:19:38,978 《すでに 答えは出ている。 287 00:19:38,978 --> 00:19:42,281 あとは 決断を下す時間が必要なだけだ》 288 00:19:44,984 --> 00:19:48,988 父上 ありがとうございます。 289 00:19:52,158 --> 00:19:55,327 《あの 小さかった オルルが…。 290 00:19:55,327 --> 00:19:59,331 フッ… 時代は変わるものだな》 291 00:20:05,337 --> 00:20:08,507 ウチムラ! オグレから 合意の連絡が来たぞ。 292 00:20:08,507 --> 00:20:10,509 それは よかったです。 293 00:20:10,509 --> 00:20:12,511 う~ん…。 って どうした? 294 00:20:12,511 --> 00:20:15,514 魔王様から 直属の部下を選考しろと…。 295 00:20:15,514 --> 00:20:17,683 ですが 誰がいいのかわからず…。 296 00:20:17,683 --> 00:20:19,685 ぶっちゃけ 人間の俺では➡ 297 00:20:19,685 --> 00:20:22,688 亜人や魔人の履歴書を見ても 優秀かどうかも わかりません。 298 00:20:22,688 --> 00:20:25,024 そういう時は 勘だ! 適当に選べ! 299 00:20:25,024 --> 00:20:28,360 そういうわけには…。 な… なんだよ? 300 00:20:28,360 --> 00:20:30,696 あっ いや… いっそ ウルマンダーさんと一緒に➡ 301 00:20:30,696 --> 00:20:34,033 やれればよかったのにな って…。 えっ! そ… それって➡ 302 00:20:34,033 --> 00:20:36,535 私と パートナーに なりたいということか? 303 00:20:36,535 --> 00:20:38,704 まだ会ったばかりで 早すぎるだろ…。 304 00:20:38,704 --> 00:20:41,040 一番 面識あるの ウルマンダーさんですし➡ 305 00:20:41,040 --> 00:20:43,542 顔見知りが安心するかな って…。 (ノック) 306 00:20:43,542 --> 00:20:47,046 はい! 誰だろ? 307 00:20:49,048 --> 00:20:51,717 お久しぶりです。 オルルさん! どうしたの? 308 00:20:51,717 --> 00:20:55,054 魔王軍と 同盟関係になった証として➡ 309 00:20:55,054 --> 00:20:59,558 オーガ族から派遣されてきたんです。 なるほど。 人材交流ですね。 310 00:20:59,558 --> 00:21:01,660 ウチムラさん…。 ぐっ! 311 00:21:01,660 --> 00:21:04,663 ありがとうございました! あれから 父は➡ 312 00:21:04,663 --> 00:21:08,334 一族の有能な者たちに 仕事を任せるようになりました。 313 00:21:08,334 --> 00:21:11,170 後継者の育成に 取り組み始めたんですね。 314 00:21:11,170 --> 00:21:15,674 はい! あなたのおかげで オーガ族全体が変われそうです。 315 00:21:15,674 --> 00:21:18,511 私にできることがあれば なんでも言ってください! 316 00:21:18,511 --> 00:21:20,513 《なんでも… ね》 317 00:21:20,513 --> 00:21:24,016 もし よろしければ オレと一緒に働きませんか? 318 00:21:24,016 --> 00:21:27,019 ぬうぅ~っ! えっ いいんですか? 319 00:21:27,019 --> 00:21:30,856 私なんかが…。 もちろん。 オルルさんなら大歓迎だ。 320 00:21:30,856 --> 00:21:33,025 オルルでいいですって。 じゃあ…。 321 00:21:33,025 --> 00:21:35,528 よろしくお願いします オルル。 322 00:21:35,528 --> 00:21:38,030 はい! 323 00:21:38,030 --> 00:21:41,367 ウルマンダーさんも 改めて よろしくお願いします。 324 00:21:41,367 --> 00:21:43,536 いや 私 ライバルだから! 325 00:21:43,536 --> 00:21:46,705 同じ四天王でも 慣れ合う気ないし! なぜ!? 326 00:21:46,705 --> 00:21:51,544 《とにかく 今回の交渉で 魔王軍の規模は 大きく広がった。 327 00:21:51,544 --> 00:21:56,048 だが… 大きなリターンには 必ず リスクが潜んでいる。 328 00:21:56,048 --> 00:22:00,052 一層 気を引き締めていかねば…》 329 00:23:36,015 --> 00:23:39,685 ゴリラは 強そうに見えて 繊細で臆病。 330 00:23:39,685 --> 00:23:45,024 そして 心やさしい。 つまり…。 331 00:23:45,024 --> 00:23:49,028 人はみな 心に ゴリラを飼っている。 うほ…。