1 00:00:19,019 --> 00:00:22,689 《ウチムラ:まさか… 俺が 異世界に転職するとは…。 2 00:00:22,689 --> 00:00:27,027 それも… 魔王軍の四天王!》 3 00:00:27,027 --> 00:00:30,197 これが組織図… 小国とはいえ> 4 00:00:30,197 --> 00:00:32,699 指揮系統が しっかり オーガナイズされている。 5 00:00:35,035 --> 00:00:37,704 まさか 執務室まで もらえるなんて…。 6 00:00:37,704 --> 00:00:41,875 《不安は多いが… しがないサラリーマンだった俺を> 7 00:00:41,875 --> 00:00:46,079 認めてくれた魔王様のためにも 邁進するしかない!》 8 00:00:49,049 --> 00:00:52,052 わぁっ! わっ わっ! 9 00:00:52,052 --> 00:00:54,054 うわぁ~っ! 10 00:02:27,014 --> 00:02:29,349 《この職場でやっていくと 決めたからには…。 11 00:02:29,349 --> 00:02:33,687 まずは ビジネスマナーとして やるべきことがある。 それは…。 12 00:02:33,687 --> 00:02:38,025 まだ ちゃんと話せていない 他の四天王の方々への ご挨拶》 13 00:02:38,025 --> 00:02:40,027 (ノック) 14 00:02:40,027 --> 00:02:43,330 シルフィードさん いらっしゃいますか? 15 00:02:45,365 --> 00:02:48,702 (ベリンダ)はい… えっと… どちら様ですか? 16 00:02:48,702 --> 00:02:53,040 あ… あの… このたび 四天王を拝命しました ウチムラです。 17 00:02:53,040 --> 00:02:57,044 その ご挨拶に 烈嵐の魔導士…。 申し訳ありません。 18 00:02:57,044 --> 00:03:00,213 シルフィード様は 長期不在となっております。 19 00:03:00,213 --> 00:03:03,216 えっ ご不在なんですか? はい。 20 00:03:03,216 --> 00:03:05,719 私は 助手のベリンダと申します。 21 00:03:05,719 --> 00:03:08,388 いらっしゃったことは お伝えしておきますので> 22 00:03:08,388 --> 00:03:11,058 本日は お引き取りください。 23 00:03:11,058 --> 00:03:16,730 ま… まぁ… 営業は 空振り100件 成約1件。 24 00:03:16,730 --> 00:03:20,167 めげずに次の挨拶へ…。 (ウルマンダー)ウチムラ! 25 00:03:20,167 --> 00:03:23,670 こんなところにいたのか。 魔王様がお呼びだ。 26 00:03:23,670 --> 00:03:25,672 魔王様が? 27 00:03:25,672 --> 00:03:29,509 新たな業務命令だ。 すぐに伺います。 28 00:03:29,509 --> 00:03:34,514 オーガ族との合併交渉ですか。 (魔王)そうだ。 29 00:03:34,514 --> 00:03:37,517 (魔王)我が魔王軍は 新興勢力。 30 00:03:37,517 --> 00:03:39,686 他の列強国と渡り合うには> 31 00:03:39,686 --> 00:03:43,023 周辺地域の亜人の異種族たちと 協力し> 32 00:03:43,023 --> 00:03:47,694 さらに力をつける必要がある。 そして その亜人たちの中で> 33 00:03:47,694 --> 00:03:51,364 特に影響力があるのが オーガ族だ。 34 00:03:51,364 --> 00:03:57,370 オーガ族は 魔王軍に迫る兵力を備え 周辺種族のリーダー的存在でもある。 35 00:03:57,370 --> 00:04:01,875 だが それゆえに 我らの勢力を警戒し> 36 00:04:01,875 --> 00:04:04,377 近年は 情報統制を敷いている。 37 00:04:04,377 --> 00:04:08,381 味方にできれば心強いが 敵に回すと厄介だ。 38 00:04:08,381 --> 00:04:13,386 これは 貴様の世界でいうところの 競合他社との合併交渉。 39 00:04:13,386 --> 00:04:18,658 その規模の大きさと難しさから 適任者がいなかったが…。 40 00:04:18,658 --> 00:04:21,661 我は 貴様を見て 確信した。 41 00:04:21,661 --> 00:04:24,664 ウチムラよ! 貴様ならできる と。 42 00:04:24,664 --> 00:04:31,004 オーガ族との交渉役 貴様に一任する。 その能力 存分に発揮するがよい。 43 00:04:31,004 --> 00:04:33,006 魔王様…。 44 00:04:33,006 --> 00:04:36,343 仕方ない 今回も私が護衛してやる。 45 00:04:36,343 --> 00:04:38,345 ありがとうございます! 46 00:04:38,345 --> 00:04:41,348 わ… 私がついていないと 心配だからな! 47 00:04:44,518 --> 00:04:48,688 ウチムラ… 四天王同士 今回も協力していこう。 48 00:04:48,688 --> 00:04:54,194 はい。 あっ 協力といえば… 地殻の防壁士 ゲーノームさんにも> 49 00:04:54,194 --> 00:04:57,364 会っておきましょう。 そうだな。 ん…。 50 00:04:57,364 --> 00:05:00,200 (ウチムラ)組織図を見たところ ゲーノームさんは> 51 00:05:00,200 --> 00:05:04,371 亜人部隊を率いています。 オーガ族も亜人ですし> 52 00:05:04,371 --> 00:05:07,374 何か情報をいただけるのかも…。 私は行かん。 53 00:05:07,374 --> 00:05:12,045 馬車の手配とかもあるし…。 あっ 確かに 手分けしたほうが> 54 00:05:12,045 --> 00:05:16,550 早いですね。 では 出発まで 別行動で。 そちらをお願いします。 55 00:05:16,550 --> 00:05:20,854 うっ… さっさと終わらせろよ。 56 00:05:24,991 --> 00:05:26,993 ドリャリャリャリャ! 57 00:05:26,993 --> 00:05:30,497 これは…。 (ウルズ)それまで! 58 00:05:30,497 --> 00:05:33,667 (ゲーノーム)弓は 命中率が上がったな。 (弓隊)はい! 59 00:05:33,667 --> 00:05:37,003 槍も 攻撃への踏み込みが 格段に速くなった。 60 00:05:37,003 --> 00:05:39,673 (槍隊)はい! (ゲーノーム)皆 よくやっているな。 61 00:05:39,673 --> 00:05:42,842 十分に休息を取らせてくれ。 (ウルズ)はっ! 62 00:05:42,842 --> 00:05:44,844 《部下の士気が高い。 63 00:05:44,844 --> 00:05:47,514 これだけの数を まとめあげるとは…》 64 00:05:47,514 --> 00:05:52,018 それで 僕に何か用かい? 海外の駐在員 ウチムラ。 65 00:05:52,018 --> 00:05:57,023 あ… えっと… ご挨拶も兼ねて オーガ族のことを伺いに…。 66 00:05:57,023 --> 00:06:01,695 へぇ… ということは 次の交渉相手は オーガ族なのか? 67 00:06:01,695 --> 00:06:05,031 あっ はい。 ん… そうだな…。 68 00:06:05,031 --> 00:06:09,035 あそこの長のオグレは 難敵だ。 難敵? 69 00:06:09,035 --> 00:06:14,207 オグレは その剛腕・辣腕から 敵対する者からは 独裁者と…。 70 00:06:14,207 --> 00:06:17,143 あぁ…。 まぁ あとは 自分の目で確かめろ。 71 00:06:17,143 --> 00:06:20,647 それより… さっさと ソレを 連れてってくれないか。 72 00:06:20,647 --> 00:06:25,485 ムダに殺気立った魔人がいると 部下たちが落ち着かない。 73 00:06:25,485 --> 00:06:27,654 ガルルルル! わっ ウルマンダーさん! 74 00:06:27,654 --> 00:06:31,157 どうして ここに!? もう 出発の準備は整った。 75 00:06:31,157 --> 00:06:34,494 お前が気にな… いや 戻るのが 遅いので 迎えにきたのだ。 76 00:06:34,494 --> 00:06:38,498 えっ すみません! ウチムラ さっさと ソレと出発してくれ。 77 00:06:38,498 --> 00:06:41,334 さっきから ソレとはなんだ ソレとは! 78 00:06:41,334 --> 00:06:44,004 おい 聞いてるのか!? 耳をあげろ! 79 00:06:44,004 --> 00:06:48,008 ちゃんと聞け! 《もしかして この2人って…》 80 00:06:57,017 --> 00:07:00,020 おっそい! いつまで待たせる! 81 00:07:00,020 --> 00:07:02,355 長の許可が下りるまでだ。 82 00:07:02,355 --> 00:07:06,359 それまで 四天王だろうが 誰だろうが 通すわけにはいかん。 83 00:07:06,359 --> 00:07:11,031 《前の職場でも 競合他社との 交渉は 常に難航した。 84 00:07:11,031 --> 00:07:15,535 そのテーブルにつく前から すでに 勝負は始まっている》 85 00:07:15,535 --> 00:07:20,473 ウルマンダーさん… 相手を待たせ ペースを乱すのは 常套手段です。 86 00:07:20,473 --> 00:07:23,310 ここは冷静に…。 魔王軍も なめられたものだな。 87 00:07:23,310 --> 00:07:26,813 《えぇ~っ!?》 (オルル)ウチムラ様 ウルマンダー様。 88 00:07:26,813 --> 00:07:29,983 お待たせしました。 89 00:07:29,983 --> 00:07:32,986 (オルル)どうぞ こちらへ。 90 00:07:32,986 --> 00:07:35,989 やっとか…。 行くぞ ウチムラ。 91 00:07:45,665 --> 00:07:48,835 キョロキョロするな。 あ… はい。 92 00:07:48,835 --> 00:07:52,505 隙を見せるな。 オーガ族は別格だ。 93 00:07:52,505 --> 00:07:55,675 その勢力は 魔王軍にも匹敵するほどにな。 94 00:07:55,675 --> 00:07:59,012 そして 最大の問題は… わかってるな? はい。 95 00:07:59,012 --> 00:08:03,016 《ゲーノームさんも難敵と言っていた オーガ族の長 オグレ》 96 00:08:05,018 --> 00:08:07,320 中へ お進みください。 97 00:08:10,023 --> 00:08:12,625 《いったい どんな人物なんだ…》 98 00:08:25,972 --> 00:08:28,975 オグレ殿 今日は 魔王軍から大事な用が…。 99 00:08:28,975 --> 00:08:30,977 (オグレ)囀るな。 100 00:08:30,977 --> 00:08:34,647 小娘… 儂の断りもなく 囀るな。 101 00:08:34,647 --> 00:08:42,489 話すこと 答えること 動くこと… すべて 儂の命があるまで許さん。 102 00:08:42,489 --> 00:08:45,325 はっ…。 《あの短気なウルマンダーさんが> 103 00:08:45,325 --> 00:08:49,496 耐えている》 お前たちの目的は わかっている。 104 00:08:49,496 --> 00:08:52,999 我らの軍門に降りたいんだろう? 105 00:08:52,999 --> 00:08:55,001 なっ! あっ…。 106 00:08:55,001 --> 00:08:58,505 よかろう… 特別に認めてやってもいい。 107 00:08:58,505 --> 00:09:01,174 だが 条件がある。 108 00:09:01,174 --> 00:09:05,512 お前らの長 魔王の首を 持ってこい。 109 00:09:05,512 --> 00:09:09,349 ハハハハハ… どうだ? 破格の条件だろう? 110 00:09:09,349 --> 00:09:12,018 貴様… 何をなめた…。 111 00:09:12,018 --> 00:09:16,689 (オグレ)やるのか? やらないのか? 答えろ 今すぐに! 112 00:09:16,689 --> 00:09:19,793 《そんなもん 即答できるわけ…》 113 00:09:19,793 --> 00:09:23,630 そうしましたら 一度 持ち帰らせていただきます。 114 00:09:23,630 --> 00:09:26,966 本日は お忙しい中 お時間をいただき> 115 00:09:26,966 --> 00:09:28,968 ありがとうございました。 116 00:09:28,968 --> 00:09:30,970 行きましょう。 117 00:09:36,309 --> 00:09:41,314 ぬあぁ~っ! 許せん! あのジジイ 我らが王を侮辱した! 118 00:09:41,314 --> 00:09:43,316 絶対に許せん! 119 00:09:43,316 --> 00:09:45,652 八つ裂きにして…。 落ち着いて! 120 00:09:45,652 --> 00:09:47,654 それでは 相手の思うつぼです。 121 00:09:47,654 --> 00:09:50,156 壺でも甕でも 粉々に砕いちゃるわぁ~っ! 122 00:09:50,156 --> 00:09:52,158 そう それです! 俺たちを怒らせて> 123 00:09:52,158 --> 00:09:54,327 交渉を破綻させるのが 狙いなんです。 124 00:09:54,327 --> 00:09:56,329 何? オーガの長に> 125 00:09:56,329 --> 00:09:59,332 交渉の意志はありません。 ただ 一族としては> 126 00:09:59,332 --> 00:10:03,503 無用な争いは避けたい。 そこで 我々の感情を逆なでした。 127 00:10:03,503 --> 00:10:06,005 これで揉めても 交渉人だけの責任で> 128 00:10:06,005 --> 00:10:08,007 攻撃材料も作れますから。 129 00:10:08,007 --> 00:10:12,679 ((交渉決裂は キサマの寄こしたクズのせいだ!)) 130 00:10:12,679 --> 00:10:17,016 飄々と…。 お前 悔しくないのか!? 131 00:10:17,016 --> 00:10:19,018 我が軍を侮辱されたんだぞ。 132 00:10:19,018 --> 00:10:21,688 不愉快に決まっているでしょう。 133 00:10:21,688 --> 00:10:25,525 ですが あの場で 怒り喚けば 魔王様の不利になる。 134 00:10:25,525 --> 00:10:29,028 最悪の場合 オーガ族が他国と手を結び> 135 00:10:29,028 --> 00:10:31,030 魔王軍に攻め入る口実にも…。 136 00:10:31,030 --> 00:10:33,867 交渉の余地がなければ 一旦 ひく。 137 00:10:33,867 --> 00:10:36,703 食い下がっても 関係が悪化するだけですから…。 138 00:10:36,703 --> 00:10:39,038 そうだったのか… すまん。 139 00:10:39,038 --> 00:10:42,709 謝らないでください。 ウルマンダーさんがいなかったら> 140 00:10:42,709 --> 00:10:45,712 きっと 俺が キレていましたから。 141 00:10:45,712 --> 00:10:49,048 ウチムラ… だが どうする? 142 00:10:49,048 --> 00:10:53,720 相手は交渉する気がないんだろ。 確かに どうしたものか…。 143 00:10:53,720 --> 00:10:55,722 あの…。 (2人)ん? 144 00:10:55,722 --> 00:10:59,726 (ウチムラ)君は さっきの…。 突然の無礼を お許しください。 145 00:10:59,726 --> 00:11:02,395 私は オグレの娘のオルルと申します。 146 00:11:02,395 --> 00:11:04,397 娘? 147 00:11:04,397 --> 00:11:07,734 暴君の娘が なんだ? 闇討ちか? まぁまぁ…。 148 00:11:07,734 --> 00:11:11,738 それで 俺たちに何か? 149 00:11:11,738 --> 00:11:16,075 父を… オグレを王座から 引きずり下ろしてほしいんです! 150 00:11:16,075 --> 00:11:19,579 (2人)えっ? 王座から引きずり下ろす? 151 00:11:25,018 --> 00:11:28,354 (ウルマンダー)ここは…。 (オルル)城の食品貯蔵庫です。 152 00:11:28,354 --> 00:11:32,358 これまでオーガ族は 周辺部族に 大きな影響がありました。 153 00:11:32,358 --> 00:11:35,194 ですが 今では 財政が困窮し> 154 00:11:35,194 --> 00:11:38,364 一部の者は 食べる物にさえ困っているんです。 155 00:11:38,364 --> 00:11:41,367 でしょうね…。 知っていたのか? 156 00:11:41,367 --> 00:11:43,369 まぁ なんとなくは…。 157 00:11:43,369 --> 00:11:48,041 兵士の装備が老朽化して 城は薄暗く 活気がない。 158 00:11:48,041 --> 00:11:51,711 斜陽の大企業で よく見られる光景です。 159 00:11:51,711 --> 00:11:54,047 ワンマン経営者による トップダウン型は> 160 00:11:54,047 --> 00:11:57,550 命令系統が単純なので 動きは速いですが> 161 00:11:57,550 --> 00:12:01,054 一度崩れると 修正が効かなくなるものです。 162 00:12:03,389 --> 00:12:07,560 ここも そうではないですか? あっ… あっ はい…。 163 00:12:07,560 --> 00:12:10,730 この 崩れかけたオーガ族を 立て直すには> 164 00:12:10,730 --> 00:12:15,735 魔王軍を頼るしかない。 でも 父は聞く耳を持たなくて…。 165 00:12:15,735 --> 00:12:20,006 それに… 長は… 父は病なんです。 166 00:12:20,006 --> 00:12:23,676 (2人)えっ!? 近年 情報統制を敷いたのも> 167 00:12:23,676 --> 00:12:26,512 謁見前にお待たせしたのも そのため…。 168 00:12:26,512 --> 00:12:32,352 虚勢を張っているけど 今の父に 全盛期の力はないんです。 169 00:12:32,352 --> 00:12:36,689 この先 突然 父がいなくなれば 大混乱になります! 170 00:12:36,689 --> 00:12:40,526 その前になんとか…。 あなたの気持ちはわかりました。 171 00:12:40,526 --> 00:12:43,696 ですが その行動は軽率です。 えっ…。 172 00:12:43,696 --> 00:12:48,034 組織の人間なら 易々と 内部の事情を話すものじゃない。 173 00:12:48,034 --> 00:12:51,037 ましてや トップの病など 以ての外。 174 00:12:51,037 --> 00:12:53,206 沈黙は美徳です。 175 00:12:53,206 --> 00:12:56,376 族長の娘なら もっと 慎重になるべきだ。 176 00:12:56,376 --> 00:13:00,380 なら わざわざ過ちを 教えてくれる アナタは> 177 00:13:00,380 --> 00:13:02,382 よっぽど お人よしですね。 178 00:13:02,382 --> 00:13:04,550 確かに。 ウルマンダーさん!? 179 00:13:04,550 --> 00:13:08,388 私 人を見る目には 自信があるんです。 180 00:13:08,388 --> 00:13:12,725 だから あなた方に 話したんですよ ウチムラデンノスケさん。 181 00:13:12,725 --> 00:13:16,062 あっ…。 ウチムラさん お願いです。 182 00:13:16,062 --> 00:13:18,831 私と…。 えぇっ!? 183 00:13:18,831 --> 00:13:23,036 私と結婚して 新しい族長に なってくれませんか!? 184 00:13:25,505 --> 00:13:27,507 はぁ~っ!? 185 00:13:27,507 --> 00:13:30,677 一族を救うには あなたみたいな方が必要なんです。 186 00:13:30,677 --> 00:13:33,012 待ってください! 話が急すぎます! 187 00:13:33,012 --> 00:13:36,516 一族の者は皆 父上の息がかかって 頭が固い。 188 00:13:36,516 --> 00:13:39,352 だから あなたが族長になれば オーガ族は救われます! 189 00:13:39,352 --> 00:13:41,354 いや でも…。 他に いい方法が!? 190 00:13:41,354 --> 00:13:45,358 そ… それは…。 うわっ! 191 00:13:45,358 --> 00:13:47,694 もう 結婚しかありません。 192 00:13:47,694 --> 00:13:50,396 今すぐ 結婚しましょう! オルルさん!? 193 00:13:56,369 --> 00:13:58,371 あっ…。 194 00:13:58,371 --> 00:14:01,074 一度 持ち帰らせていただきます。 195 00:14:06,713 --> 00:14:09,048 はぁ… どうしたものか。 196 00:14:09,048 --> 00:14:11,384 族長は交渉する気 ゼロだし> 197 00:14:11,384 --> 00:14:15,054 娘のオルルさんは 思い詰めて おかしな方向へ…。 198 00:14:15,054 --> 00:14:20,660 異世界 第2ミッション… オーガ族との併合… どうすれば…。 199 00:14:40,012 --> 00:14:42,515 だ~から! ん? 200 00:14:42,515 --> 00:14:46,018 百獣の王が 一番だろ! ん~ん。 201 00:14:46,018 --> 00:14:50,356 うぅ… あんたは どう思う? 202 00:14:50,356 --> 00:14:53,025 えっ? 野生動物最強っていえば> 203 00:14:53,025 --> 00:14:57,363 ライオンだろ? でも 大将は ゴリラだと 譲らないんだ! 204 00:14:57,363 --> 00:15:00,032 さ… さぁ… どうでしょうか? 205 00:15:00,032 --> 00:15:03,035 ドラミング…。 206 00:15:03,035 --> 00:15:05,037 あっ… あぁ…。 207 00:15:10,042 --> 00:15:12,378 マーキング! 208 00:15:12,378 --> 00:15:15,381 いや それじゃ インパクトが弱すぎる。 209 00:15:15,381 --> 00:15:18,651 猫とかもするし… そうだ プライド! 210 00:15:18,651 --> 00:15:22,155 ライオンの群れのことを プライドというのだ! 211 00:15:22,155 --> 00:15:24,357 どうだ? かっこいいだろう! 212 00:15:30,329 --> 00:15:33,166 《プライド… 群れ…。 213 00:15:33,166 --> 00:15:35,568 はっ! そうか!》 214 00:15:40,506 --> 00:15:43,009 この案件…。 215 00:15:43,009 --> 00:15:45,011 俺が解決します! 216 00:15:47,513 --> 00:15:50,349 ウチムラ! 217 00:15:50,349 --> 00:15:53,352 打開策が見つかったというのは 本当か? 218 00:15:53,352 --> 00:15:56,522 はい。 早朝から お呼びだてして すみません。 219 00:15:56,522 --> 00:16:00,526 き… 気にするな。 それより 早速 オーガ族のところへ…。 220 00:16:00,526 --> 00:16:03,362 いえ 向かうのは 別の場所です。 221 00:16:03,362 --> 00:16:05,364 あ… どういうことだ? 222 00:16:05,364 --> 00:16:08,034 詳しいことは 道すがらに…。 223 00:16:08,034 --> 00:16:12,038 うまくいけば あの長のほうから 交渉の場を設けてきますよ。 224 00:16:12,038 --> 00:16:14,340 奴のほうから? 225 00:16:17,977 --> 00:16:22,315 (ウチムラ)いかがされました? 急に 我々を呼び出すなんて…。 226 00:16:22,315 --> 00:16:25,985 ぐぬぅ… しらを切る気か こわっぱどもめ! 227 00:16:25,985 --> 00:16:30,490 どうして 我々以外の種族が 魔王軍と併合したのだ! 228 00:16:33,993 --> 00:16:37,496 ((なっ… 先に 他の種族を勧誘する? 229 00:16:37,496 --> 00:16:41,000 はい。 やはり 彼らも困窮しているようです。 230 00:16:41,000 --> 00:16:44,003 昔は 蓄えのあるオーガ族が 援助していましたが> 231 00:16:44,003 --> 00:16:47,340 今は それも…。 難しいということか。 232 00:16:47,340 --> 00:16:51,344 そこで まずは オーガ族の周辺の 併合を進めましょう。 233 00:16:51,344 --> 00:16:55,848 名付けて 大企業ストロング・ホールド作戦です。 234 00:16:55,848 --> 00:16:58,518 ストロング・ホールド?)) 235 00:16:58,518 --> 00:17:01,020 《そんなことで と思ったが> 236 00:17:01,020 --> 00:17:03,356 まさか 本当に 呼び出してくるとは…》 237 00:17:03,356 --> 00:17:08,027 《これは 昔 大企業との 契約を取るために行った作戦。 238 00:17:08,027 --> 00:17:10,863 馬鹿正直に 大企業に 営業に行っても> 239 00:17:10,863 --> 00:17:14,700 門前払いされるだけ。 そこで 周辺の中小企業に> 240 00:17:14,700 --> 00:17:17,303 営業をかけ 製品を買ってもらった。 241 00:17:17,303 --> 00:17:21,974 すると プライドの高い大企業は 中小が新品を買っているのに> 242 00:17:21,974 --> 00:17:24,810 自分たちが古い製品なのは 許せない と> 243 00:17:24,810 --> 00:17:27,480 しぶしぶ 自ら購入したのだ。 244 00:17:27,480 --> 00:17:30,650 周辺の亜人部族が 魔王軍に併合されれば> 245 00:17:30,650 --> 00:17:35,988 プライドの高い族長は焦るはず。 第一段階は成功だ。 そして…》 246 00:17:35,988 --> 00:17:39,659 オグレ様 彼らは生活に窮していた。 247 00:17:39,659 --> 00:17:42,662 魔王軍に入れば 生活の保障がされます。 248 00:17:42,662 --> 00:17:46,999 そんなことは聞いてない! この地域は 我ら オーガ族の…。 249 00:17:46,999 --> 00:17:50,670 《いいぞ… 理屈でなく 感情で威圧してきた。 250 00:17:50,670 --> 00:17:54,340 交渉は 感情に走った者から 敗北する》 251 00:17:54,340 --> 00:17:57,510 失礼しました。 ですが 今回の併合は> 252 00:17:57,510 --> 00:18:01,013 我々だけでなく オーガ族の主導で行ったものです。 253 00:18:01,013 --> 00:18:04,517 何をバカな! 儂は そんなことをしていないぞ! 254 00:18:04,517 --> 00:18:07,019 あなたが主導したとは 言っていない。 255 00:18:07,019 --> 00:18:10,022 どうぞ お入りください。 256 00:18:10,022 --> 00:18:12,525 (オグレ)なっ…。 257 00:18:12,525 --> 00:18:16,362 まさか… お前が? 258 00:18:16,362 --> 00:18:22,301 オルル様が中心になり 周辺部族と 我々の併合を取り決めたんです。 259 00:18:22,301 --> 00:18:25,638 あなたの娘という肩書きと 人脈のおかげで> 260 00:18:25,638 --> 00:18:28,307 スムーズに 交渉が進みましたよ。 261 00:18:28,307 --> 00:18:30,977 《オルルが なぜ そんなことを…》 262 00:18:30,977 --> 00:18:35,982 父上! 私たちが最優先すべきは 亜人たちの生活であり> 263 00:18:35,982 --> 00:18:38,651 未来のはずです! この苦境を脱するには> 264 00:18:38,651 --> 00:18:40,987 もう 魔王軍に 頼るしかないんです! 265 00:18:40,987 --> 00:18:44,323 バ… バカを言うな! そんなこと 認められるわけ…。 266 00:18:44,323 --> 00:18:46,659 時代は変わったのです! うっ…。 267 00:18:46,659 --> 00:18:54,567 父上は… 誰よりも強く 私の憧れでした。 268 00:18:57,336 --> 00:19:00,172 ((オルル:わぁ~! (オグレ)ハハハハ…。 269 00:19:00,172 --> 00:19:02,508 アハハハ! フフ…。 270 00:19:02,508 --> 00:19:04,510 ハハハハハ…。 271 00:19:04,510 --> 00:19:07,680 わぁ~!)) 272 00:19:07,680 --> 00:19:13,185 でも 無敵のオグレと呼ばれた父も 今は老い 病も患っている! 273 00:19:13,185 --> 00:19:15,688 手を取り合う時なのです! うっ…。 274 00:19:15,688 --> 00:19:19,291 父上! では 同盟ではどうでしょう? 275 00:19:19,291 --> 00:19:23,629 併合ではなく 同盟。 対等な立場での提携です。 276 00:19:23,629 --> 00:19:25,631 同盟… だと? 277 00:19:25,631 --> 00:19:30,302 《ちなみに 魔王軍における併合は 相手に自治権を渡しているので> 278 00:19:30,302 --> 00:19:33,305 条件的には 同盟と 大差なかったりする。 279 00:19:33,305 --> 00:19:37,977 だが その文言の違いは プライドの高い長には重要なはずだ》 280 00:19:37,977 --> 00:19:40,980 検討だ… 検討してやる。 281 00:19:40,980 --> 00:19:43,816 あとで 回答してやるから 少し待て。 282 00:19:43,816 --> 00:19:46,318 あっ…。 承知しました。 283 00:19:46,318 --> 00:19:48,654 ありがとうございます オグレ様。 284 00:19:48,654 --> 00:19:51,323 一度 持ち帰るというやつか。 285 00:19:51,323 --> 00:19:53,993 いいのか? ウチムラ。 はい。 286 00:19:53,993 --> 00:19:55,995 《すでに 答えは出ている。 287 00:19:55,995 --> 00:19:59,298 あとは 決断を下す時間が必要なだけだ》 288 00:20:02,001 --> 00:20:06,005 父上 ありがとうございます。 289 00:20:09,175 --> 00:20:12,344 《あの 小さかった オルルが…。 290 00:20:12,344 --> 00:20:16,348 フッ… 時代は変わるものだな》 291 00:20:22,354 --> 00:20:25,524 ウチムラ! オグレから 合意の連絡が来たぞ。 292 00:20:25,524 --> 00:20:27,526 それは よかったです。 293 00:20:27,526 --> 00:20:29,528 う~ん…。 って どうした? 294 00:20:29,528 --> 00:20:32,531 魔王様から 直属の部下を選考しろと…。 295 00:20:32,531 --> 00:20:34,700 ですが 誰がいいのかわからず…。 296 00:20:34,700 --> 00:20:36,702 ぶっちゃけ 人間の俺では> 297 00:20:36,702 --> 00:20:39,705 亜人や魔人の履歴書を見ても 優秀かどうかも わかりません。 298 00:20:39,705 --> 00:20:42,041 そういう時は 勘だ! 適当に選べ! 299 00:20:42,041 --> 00:20:45,377 そういうわけには…。 な… なんだよ? 300 00:20:45,377 --> 00:20:47,713 あっ いや… いっそ ウルマンダーさんと一緒に> 301 00:20:47,713 --> 00:20:51,050 やれればよかったのにな って…。 えっ! そ… それって> 302 00:20:51,050 --> 00:20:53,552 私と パートナーに なりたいということか? 303 00:20:53,552 --> 00:20:55,721 まだ会ったばかりで 早すぎるだろ…。 304 00:20:55,721 --> 00:20:58,057 一番 面識あるの ウルマンダーさんですし> 305 00:20:58,057 --> 00:21:00,559 顔見知りが安心するかな って…。 (ノック) 306 00:21:00,559 --> 00:21:04,063 はい! 誰だろ? 307 00:21:06,065 --> 00:21:08,734 お久しぶりです。 オルルさん! どうしたの? 308 00:21:08,734 --> 00:21:12,071 魔王軍と 同盟関係になった証として> 309 00:21:12,071 --> 00:21:16,575 オーガ族から派遣されてきたんです。 なるほど。 人材交流ですね。 310 00:21:16,575 --> 00:21:18,677 ウチムラさん…。 ぐっ! 311 00:21:18,677 --> 00:21:21,680 ありがとうございました! あれから 父は> 312 00:21:21,680 --> 00:21:25,351 一族の有能な者たちに 仕事を任せるようになりました。 313 00:21:25,351 --> 00:21:28,187 後継者の育成に 取り組み始めたんですね。 314 00:21:28,187 --> 00:21:32,691 はい! あなたのおかげで オーガ族全体が変われそうです。 315 00:21:32,691 --> 00:21:35,528 私にできることがあれば なんでも言ってください! 316 00:21:35,528 --> 00:21:37,530 《なんでも… ね》 317 00:21:37,530 --> 00:21:41,033 もし よろしければ オレと一緒に働きませんか? 318 00:21:41,033 --> 00:21:44,036 ぬうぅ~っ! えっ いいんですか? 319 00:21:44,036 --> 00:21:47,873 私なんかが…。 もちろん。 オルルさんなら大歓迎だ。 320 00:21:47,873 --> 00:21:50,042 オルルでいいですって。 じゃあ…。 321 00:21:50,042 --> 00:21:52,545 よろしくお願いします オルル。 322 00:21:52,545 --> 00:21:55,047 はい! 323 00:21:55,047 --> 00:21:58,384 ウルマンダーさんも 改めて よろしくお願いします。 324 00:21:58,384 --> 00:22:00,553 いや 私 ライバルだから! 325 00:22:00,553 --> 00:22:03,722 同じ四天王でも 慣れ合う気ないし! なぜ!? 326 00:22:03,722 --> 00:22:08,561 《とにかく 今回の交渉で 魔王軍の規模は 大きく広がった。 327 00:22:08,561 --> 00:22:13,065 だが… 大きなリターンには 必ず リスクが潜んでいる。 328 00:22:13,065 --> 00:22:17,069 一層 気を引き締めていかねば…》 329 00:23:53,032 --> 00:23:56,702 ゴリラは 強そうに見えて 繊細で臆病。 330 00:23:56,702 --> 00:24:02,041 そして 心やさしい。 つまり…。 331 00:24:02,041 --> 00:24:06,045 人はみな 心に ゴリラを飼っている。 うほ…。