1 00:00:26,960 --> 00:00:30,297 (ウチムラ)うん… この業務も もっと効率化できるな。 2 00:00:30,297 --> 00:00:32,299 (オルル)ウチムラ様! 3 00:00:32,299 --> 00:00:34,635 お任せいただいた 熊人族との交渉> 4 00:00:34,635 --> 00:00:37,137 無事に まとまりました! 5 00:00:37,137 --> 00:00:40,974 おぉ… さすがだね! お互いの条件の優先順位を> 6 00:00:40,974 --> 00:00:43,644 整理しておくと こんなに スムーズなんですね。 7 00:00:43,644 --> 00:00:45,646 びっくりしました! 8 00:00:45,646 --> 00:00:48,649 それをせずに 毎回 話がリセットされる会議を> 9 00:00:48,649 --> 00:00:51,318 何度も見てきたからね…。 10 00:00:51,318 --> 00:00:53,320 アハハ…。 ハハハハハ…。 11 00:00:53,320 --> 00:00:58,992 それと 私たち オーガ族との同盟を まとめてくださった ウチムラ様に> 12 00:00:58,992 --> 00:01:01,828 功労賞が 授与されるみたいですよ。 13 00:01:01,828 --> 00:01:04,998 功労賞!? 近々 授与式があるとか。 14 00:01:04,998 --> 00:01:08,001 お昼をいただいたら 詳細を伺ってきますね。 15 00:01:08,001 --> 00:01:12,005 《う~む… 社内表彰制度とは 無縁だった俺が 功労賞…。 16 00:01:12,005 --> 00:01:14,508 功労賞…》 17 00:01:14,508 --> 00:01:17,010 (ウルマンダー)ウチムラ! 飯を持ってきたぞ。 18 00:01:17,010 --> 00:01:19,513 一緒に食べよう! ウルマンダーさん。 19 00:01:19,513 --> 00:01:22,516 ありがとうございます。 今日のメニューは…。 20 00:01:25,285 --> 00:01:28,288 いつもの ギム粥だ。 21 00:01:31,625 --> 00:01:34,962 薄い…。 そりゃ 水で うっす~く> 22 00:01:34,962 --> 00:01:37,631 ふやかしているからな。 ハハハ…。 23 00:01:37,631 --> 00:01:41,969 《ギムというのは 郊外に広がる畑で 採れる 穀物の名前だ。 24 00:01:41,969 --> 00:01:46,306 帝王学や外交の知識がある オルルが部下に来てくれたおかげで> 25 00:01:46,306 --> 00:01:49,977 少しずつ この世界について 勉強する余力ができた》 26 00:01:49,977 --> 00:01:51,979 うっす~い! 27 00:01:51,979 --> 00:01:54,982 《この うっす~い ギム粥が 魔王軍の主食…。 28 00:01:54,982 --> 00:01:58,318 わかっちゃいるけど… だけど…》 29 00:01:58,318 --> 00:02:02,990 はぁ… たまには 肉が食べたい。 30 00:02:02,990 --> 00:02:04,992 よし わかった! えっ? 31 00:02:04,992 --> 00:02:08,161 狩るか! 現地調達ですか!? 32 00:02:08,161 --> 00:02:11,064 そうですか~っ!? 33 00:03:42,956 --> 00:03:46,960 実はな… ちょうど このへんで 魔獣による被害が出て> 34 00:03:46,960 --> 00:03:50,964 軍に駆除要請が来てたんだ。 魔獣!? 35 00:03:50,964 --> 00:03:55,635 近くに住む亜人… オークたちが 5人ほど食われたらしい。 36 00:03:55,635 --> 00:03:58,472 そ… それって 大事じゃないですか! 37 00:03:58,472 --> 00:04:01,641 弱い奴は食われる… 自然の摂理だ。 38 00:04:01,641 --> 00:04:05,312 ぐはっ! 本来なら オークたち自身で> 39 00:04:05,312 --> 00:04:08,648 倒さなきゃならない… が 魔獣が強すぎるため> 40 00:04:08,648 --> 00:04:10,650 私らが手伝うわけだ。 41 00:04:10,650 --> 00:04:14,488 《ギム粥の あの薄さ… 食料は 決して豊かではない。 42 00:04:14,488 --> 00:04:16,656 さらに 魔獣の被害…。 43 00:04:16,656 --> 00:04:19,993 思いのほか この世界は課題が多い。 44 00:04:19,993 --> 00:04:21,995 俺に 何ができるだろうか…》 45 00:04:21,995 --> 00:04:23,930 あった! うえぇ~っ! 46 00:04:23,930 --> 00:04:26,433 この キノコだ! キノコ? 食べられるんですか? 47 00:04:26,433 --> 00:04:30,604 あぁ。 オークたちは このキノコの 調達中に襲われたらしい。 48 00:04:30,604 --> 00:04:32,939 このへんじゃ 貴重な食料だからな。 49 00:04:32,939 --> 00:04:36,943 ここを張ってれば 魔猪のほうから 寄ってくるはずだ。 50 00:04:36,943 --> 00:04:38,945 (2人)ん? ぐおぉ~っ! 51 00:04:38,945 --> 00:04:40,947 ひぃ~っ! 52 00:04:40,947 --> 00:04:43,950 イノシシ~!? 53 00:04:47,621 --> 00:04:50,290 あわわわわ…。 54 00:04:50,290 --> 00:04:52,626 威嚇音だ。 へ? 55 00:04:52,626 --> 00:04:55,629 ウチムラは ゆっくり下がれ。 私が…。 56 00:04:55,629 --> 00:04:57,964 狩る! 57 00:04:57,964 --> 00:04:59,966 はあ~っ! 58 00:05:02,302 --> 00:05:04,971 《なるほど… 二次元的な動きをする猪は> 59 00:05:04,971 --> 00:05:08,642 立体把握が苦手。 だから 頭上から攻撃したのか。 60 00:05:08,642 --> 00:05:10,644 戦い慣れている…》 61 00:05:12,646 --> 00:05:16,316 (うなり声) 62 00:05:16,316 --> 00:05:18,652 チッ! ひぃ~っ! 63 00:05:18,652 --> 00:05:21,988 (うなり声) 64 00:05:21,988 --> 00:05:24,424 《こ… これは もはや災害だ》 65 00:05:24,424 --> 00:05:26,426 (咆哮) 66 00:05:26,426 --> 00:05:29,262 《それをいなしている ウルマンダーさんも化物だ。 67 00:05:29,262 --> 00:05:33,600 だけど… 彼女には足りない。 致命的に足りない! 68 00:05:33,600 --> 00:05:38,438 これが 襲撃ならともかく 目的は 狩り… 殺傷だ。 69 00:05:38,438 --> 00:05:41,942 頑強な角 鋭利な爪 強じんな牙…。 70 00:05:41,942 --> 00:05:45,278 野生動物は 外敵を 殺傷する部位を有している。 71 00:05:45,278 --> 00:05:48,281 しかし 我々はどうだ? 実に 脆弱。 72 00:05:48,281 --> 00:05:50,951 殺傷能力の低い動物といえる。 73 00:05:50,951 --> 00:05:56,623 だから 代用品を求めた。 剣 槍 弓矢 銃 爆弾…。 74 00:05:56,623 --> 00:06:01,294 自らが持たざる殺傷能力を 外部に… 武器に求めたんだ。 75 00:06:01,294 --> 00:06:03,630 ウルマンダーさんも それは わかっているはず。 76 00:06:03,630 --> 00:06:06,633 なのに なぜ 武器を持ってこなかったんだ!?》 77 00:06:06,633 --> 00:06:10,303 やはり このままじゃ 殺しきれんな…。 78 00:06:10,303 --> 00:06:12,305 少し 本気を出すか…。 79 00:06:21,648 --> 00:06:24,251 身体の… 強制変化!? 80 00:06:24,251 --> 00:06:28,421 この魔法は 元に戻るのに 時間がかかって嫌なんだが> 81 00:06:28,421 --> 00:06:31,258 仕方ない… せめて 全力で来い! 82 00:06:31,258 --> 00:06:35,262 (うなり声) 83 00:06:37,931 --> 00:06:39,933 ウルマンダーさ… あっ! 84 00:06:39,933 --> 00:06:44,437 腹を割くと 糞袋が破れて 食えなくなるからな。 85 00:06:44,437 --> 00:06:46,439 ふんっ! 86 00:06:46,439 --> 00:06:48,775 えぇっ!? はあぁ~っ! 87 00:06:48,775 --> 00:06:51,945 はっ! 88 00:06:51,945 --> 00:06:53,947 えぇ~っ!? 89 00:06:53,947 --> 00:06:55,949 ふぅ…。 90 00:06:55,949 --> 00:06:59,786 《ウチムラ:こ… これが魔法… これが魔人…》 91 00:06:59,786 --> 00:07:01,955 よし! 飯にするか! 92 00:07:01,955 --> 00:07:05,258 《この状況で 食欲が喚起されるとでも?》 93 00:07:07,294 --> 00:07:12,299 本当に助かりました。 まさか お一人で 倒してくるとは…。 94 00:07:12,299 --> 00:07:14,301 うむ 感謝せよ。 95 00:07:14,301 --> 00:07:17,971 よし! 久しぶりの肉だ! 皆で食らうがいい。 96 00:07:17,971 --> 00:07:20,974 (オークたち)おぉ~っ! 《えっ…》 97 00:07:22,909 --> 00:07:24,911 《あっ いいんだ…》 98 00:07:24,911 --> 00:07:28,415 ウルマンダー様 足の肉 解体しておきました。 99 00:07:28,415 --> 00:07:30,583 おぉ! って ウルマンダーさん> 100 00:07:30,583 --> 00:07:34,421 料理できるんですか? 当然だ。 私は四天王だぞ? 101 00:07:34,421 --> 00:07:38,091 貴様に この国の肉料理を 食べさせてやろう。 102 00:07:38,091 --> 00:07:41,594 肉! ここに来てから ギム粥ばかりだったから> 103 00:07:41,594 --> 00:07:44,097 楽しみです! 何を作るんですか? 104 00:07:44,097 --> 00:07:47,600 直火焼き。 直火焼き? 105 00:07:53,940 --> 00:07:56,943 (ウルマンダー)完成! 魔猪の直火焼きだ。 106 00:07:56,943 --> 00:07:59,279 《文字どおりの直火…》 107 00:07:59,279 --> 00:08:02,282 黒焦げのオブジェクトにしか 見えないのですが…。 108 00:08:02,282 --> 00:08:04,484 いいから 食ってみろ! 109 00:08:07,287 --> 00:08:09,289 《これは!》 110 00:08:09,289 --> 00:08:11,958 噛んだ瞬間 口の中で広がる 苦みと エグみ! 111 00:08:11,958 --> 00:08:15,962 そこから溢れ出る 重油のごとき 肉汁が 口の中にまとわりつく…。 112 00:08:15,962 --> 00:08:19,299 これは食事ではない! 口内環境汚染だ! 113 00:08:19,299 --> 00:08:21,301 ひどいな お前…。 114 00:08:21,301 --> 00:08:24,904 ひどいのは 奇怪なダークマターを 食わせた ウルマンダーさんでは!? 115 00:08:24,904 --> 00:08:28,908 お… お前 食べ物のことになると 口が悪くなるな! 116 00:08:28,908 --> 00:08:32,912 《さっきから 異世界カルチャーショックがすごい。 117 00:08:32,912 --> 00:08:35,582 だが 特に問題なのは…》 118 00:08:35,582 --> 00:08:38,585 (ウチムラ)オーブン 共同なんですね。 (ウルマンダー)えっ? 119 00:08:38,585 --> 00:08:41,921 あぁ… 値が張るからな。 塩なんかも希少品だ。 120 00:08:41,921 --> 00:08:45,592 おいおい… いくらなんでも それじゃ 足りないだろ。 121 00:08:45,592 --> 00:08:48,595 もう少し足さないと 味が変わらんだろうに…。 122 00:08:48,595 --> 00:08:51,264 すみません 俺に やらせてもらえませんか? 123 00:08:51,264 --> 00:08:54,434 (2人)えっ? 塩は ほんの少しで構いません。 124 00:08:54,434 --> 00:08:57,537 代わりに 食用のキノコをいただけたら…。 125 00:09:02,609 --> 00:09:07,514 できました! 猪の串焼きと キノコ入り 猪スープです! 126 00:09:10,950 --> 00:09:12,952 おっ… おっ…。 127 00:09:12,952 --> 00:09:16,289 おいし~い! 128 00:09:16,289 --> 00:09:20,293 本当に おいしいわ。 私たちが焼くと 臭くて…。 129 00:09:20,293 --> 00:09:22,295 (ウチムラ)猪の肉は臭みがあるから> 130 00:09:22,295 --> 00:09:25,398 十分に水に浸して 血を洗い流すんです。 131 00:09:25,398 --> 00:09:29,235 脂も多いので 焦がさないよう 遠火でじっくり焼き> 132 00:09:29,235 --> 00:09:31,571 余分な脂を出すようにします。 133 00:09:31,571 --> 00:09:34,908 スープに肉を入れる際も 短時間で 火を通せば> 134 00:09:34,908 --> 00:09:37,911 臭みを減らせます。 (オークたち)へぇ…。 135 00:09:37,911 --> 00:09:40,413 よければ 詳しい方法を教えましょうか? 136 00:09:40,413 --> 00:09:43,917 あら 本当に? 気さくな方で助かるわ。 137 00:09:43,917 --> 00:09:48,755 やれやれ… 料理を教えるなど 四天王の安売りではないか? 138 00:09:48,755 --> 00:09:50,757 いえ それは違います。 139 00:09:50,757 --> 00:09:53,259 食生活を見れば その文明の> 140 00:09:53,259 --> 00:09:56,262 貧富がわかる というほどですから。 うん? 141 00:09:56,262 --> 00:09:58,431 (ウチムラ)俺がやった調理法は> 142 00:09:58,431 --> 00:10:01,601 日常的に肉を食べていれば 誰でも思いつくもの。 143 00:10:01,601 --> 00:10:05,271 トライ&エラーを可能にする 豊かな資源があれば> 144 00:10:05,271 --> 00:10:07,607 知識は蓄積されていくんです。 145 00:10:07,607 --> 00:10:09,943 つまり お前は この国は貧しいから> 146 00:10:09,943 --> 00:10:13,613 知識の蓄積がない と…。 端的にいえば そうです。 147 00:10:13,613 --> 00:10:17,450 悔しいが お前の言うとおりだな…。 148 00:10:17,450 --> 00:10:19,452 この国は貧しい。 149 00:10:19,452 --> 00:10:21,955 周辺列強に比べれば 小さく 弱い。 150 00:10:21,955 --> 00:10:24,290 人々は 食う物にも困っている。 151 00:10:24,290 --> 00:10:28,294 だが! だからこそ 我々が変えねばならない! 152 00:10:28,294 --> 00:10:31,297 それこそが 四天王の役目だ。 違うか!? 153 00:10:31,297 --> 00:10:33,299 はい! そのとおりです! 154 00:10:33,299 --> 00:10:37,303 まったく… 料理一つで そこまで思わせるとは> 155 00:10:37,303 --> 00:10:39,639 食えない奴だよ。 156 00:10:39,639 --> 00:10:42,308 そうと決まれば 早速 帰投するぞ。 157 00:10:42,308 --> 00:10:44,644 (ウチムラ)えっ この夜道を!? 158 00:10:44,644 --> 00:10:47,647 (ウルマンダー)これがあれば 夜道も明るい。 159 00:10:47,647 --> 00:10:50,316 魔獣も光に怯えて 襲ってこないさ。 160 00:10:50,316 --> 00:10:53,653 おぉ… それも魔法ですか? あぁ。 161 00:10:53,653 --> 00:10:55,989 亜人どもには使えず> 162 00:10:55,989 --> 00:10:58,992 我ら 魔人のみが 行使することを許された> 163 00:10:58,992 --> 00:11:01,995 万象の叡智… それが 魔法だ。 164 00:11:01,995 --> 00:11:03,997 《なるほど…。 165 00:11:03,997 --> 00:11:08,334 魔法が使えないからこそ ゲーノームさん率いる 亜人部隊は> 166 00:11:08,334 --> 00:11:11,004 日々 訓練に励んでいるんだな》 167 00:11:11,004 --> 00:11:15,341 そういえば シルフィードさんは 魔人ですか? 亜人ですか? 168 00:11:15,341 --> 00:11:19,345 知らんが 烈嵐の魔導士って いうくらいだから 魔人だろ。 169 00:11:19,345 --> 00:11:23,449 あいつは 四天王の会合にすら いつも 直接参加しないんだ。 170 00:11:23,449 --> 00:11:25,952 《ウチムラ:常に 一人だけ リモート参加!?》 171 00:11:25,952 --> 00:11:28,955 すごい度胸だ…。 そんな話はいい。 172 00:11:28,955 --> 00:11:30,957 行くぞ。 あっ! 173 00:11:30,957 --> 00:11:34,294 あ… ちょっ… ウルマンダーさん! 174 00:11:34,294 --> 00:11:37,463 (ウチムラ)しかし 大したものですね。 175 00:11:37,463 --> 00:11:39,966 でも それ 少し不便ではないですか? 176 00:11:39,966 --> 00:11:41,968 あ? 魔猪との戦闘でも> 177 00:11:41,968 --> 00:11:45,972 最初は苦戦していました。 これは 殺傷性の高い装備が> 178 00:11:45,972 --> 00:11:48,975 なかったのが原因です。 たしかに 魔法で> 179 00:11:48,975 --> 00:11:50,977 肉体を変えられるようですが> 180 00:11:50,977 --> 00:11:54,314 元に戻るまでに時間がかかるのは デメリットです。 181 00:11:54,314 --> 00:11:57,483 それなら 最初から 武器を装備すれば 効率的。 182 00:11:57,483 --> 00:12:01,988 料理も はじめから オーブンを使えば 黒焦げにならずにすんだでしょう。 183 00:12:01,988 --> 00:12:04,991 魔法にこだわらず 効果的な代用品の活用を> 184 00:12:04,991 --> 00:12:07,994 進めては どうでしょうか? 服装もそうです。 185 00:12:07,994 --> 00:12:10,330 そのような軽装ではなく> 186 00:12:10,330 --> 00:12:14,033 より 防護面積の広い服を 着たほうがいいのでは? 187 00:12:17,003 --> 00:12:19,505 えっ… あれ? えっ! ウチムラ…。 188 00:12:19,505 --> 00:12:21,507 はい…。 お前の言うことは> 189 00:12:21,507 --> 00:12:24,277 正しいのかもしれん。 だが…。 190 00:12:24,277 --> 00:12:26,946 その発言は 私に対する侮辱だ。 191 00:12:26,946 --> 00:12:28,948 えっ…。 計画変更だ。 192 00:12:28,948 --> 00:12:32,952 お前は ここに残り 朝方 オークの護衛で帰れ。 193 00:12:32,952 --> 00:12:34,954 ウルマンダーさん? 194 00:12:34,954 --> 00:12:37,957 少しは信頼していたのだが 残念だ。 195 00:12:37,957 --> 00:12:39,959 所詮は 異世界の人間。 196 00:12:39,959 --> 00:12:44,297 その効率的な思考… 我々 魔人とは相容れないようだ。 197 00:12:44,297 --> 00:12:48,001 《あっ… やってしまった…》 198 00:12:49,969 --> 00:12:52,305 《えっ! なんで 怒らせちゃったんだ!? 199 00:12:52,305 --> 00:12:54,474 いや… 今はとにかく 追いかけないと! 200 00:12:54,474 --> 00:12:56,476 そして 謝罪を…》 201 00:12:56,476 --> 00:12:59,479 (うなり声) 202 00:12:59,479 --> 00:13:03,483 《うん 無理! 深夜の森で 魔物と エンカウントして ゲームオーバー! 203 00:13:03,483 --> 00:13:06,486 待って ウルマンダーさん! お願いだから 待って!!》 204 00:13:10,990 --> 00:13:14,494 (魔王)魔獣の討伐 ご苦労であった。 205 00:13:14,494 --> 00:13:18,998 ところで… ウルマンダーは 深夜のうちに帰投。 206 00:13:18,998 --> 00:13:22,935 貴様は 早朝に オークの護衛で戻ったらしいな。 207 00:13:22,935 --> 00:13:25,938 あっ…。 何かあったのか? 208 00:13:25,938 --> 00:13:29,942 魔王しゃま… 私は…。 209 00:13:29,942 --> 00:13:32,945 四天王失格でしゅ~っ! 210 00:13:32,945 --> 00:13:35,948 (魔王)なるほど… 経緯は把握した。 211 00:13:35,948 --> 00:13:38,284 (ウチムラ)申し訳ございません 魔王様! 212 00:13:38,284 --> 00:13:41,621 同僚との人間関係で 問題を起こす四天王など 不要! 213 00:13:41,621 --> 00:13:46,292 責任をとって クビに~! 軽率な行動をするな。 214 00:13:46,292 --> 00:13:50,963 ウチムラよ… ウルマンダーの誤解を解き 和解してみせよ。 215 00:13:50,963 --> 00:13:53,466 これは 我直々の命令だ。 216 00:13:53,466 --> 00:13:55,468 《えっ 魔王様案件?》 217 00:13:55,468 --> 00:13:57,470 しょ… 承知しました。 218 00:13:57,470 --> 00:14:01,974 ウチムラよ… これは ただの人間関係の問題ではない。 219 00:14:01,974 --> 00:14:04,644 貴様にとって この世界を理解するうえで> 220 00:14:04,644 --> 00:14:06,813 よい勉強となろう。 221 00:14:06,813 --> 00:14:09,315 <おい… 見ろよ あれ。 222 00:14:09,315 --> 00:14:13,653 《わからん… ウルマンダーさんは いったい 何に怒っていたんだ?》 223 00:14:13,653 --> 00:14:18,658 ((その効率的な思考… 我々 魔人とは相容れないようだ)) 224 00:14:18,658 --> 00:14:20,660 魔人…。 225 00:14:20,660 --> 00:14:24,597 《ここには 2つの種族がいる 亜人と魔人だ。 226 00:14:24,597 --> 00:14:27,600 この世界に来るまでは 魔人は知的で> 227 00:14:27,600 --> 00:14:31,270 オークのような亜人は ワイルドっていうイメージを持っていた。 228 00:14:31,270 --> 00:14:33,272 でも…》 229 00:14:33,272 --> 00:14:35,942 (ウチムラ)あれは亜人…。 魔人…。 230 00:14:35,942 --> 00:14:39,112 亜人… うっ… ま… 魔人。 231 00:14:39,112 --> 00:14:41,280 《この世界では むしろ逆。 232 00:14:41,280 --> 00:14:45,284 ウルマンダーさんを筆頭に 魔人のほうが 露出が高く ワイルド! 233 00:14:45,284 --> 00:14:47,286 いったい なぜ!? 234 00:14:47,286 --> 00:14:50,623 服飾とは 時代 文化 さらには 宗教や思想まで> 235 00:14:50,623 --> 00:14:53,126 反映されるもの。 魔人の思想といえば…》 236 00:14:53,126 --> 00:14:56,462 ((我ら 魔人のみが 行使することを許された> 237 00:14:56,462 --> 00:14:59,465 万象の叡智… それが 魔法だ)) 238 00:14:59,465 --> 00:15:04,971 魔人以外の種族は どうやっても 魔法は使えないのか? 239 00:15:04,971 --> 00:15:06,973 《思い込みを捨てろ! 240 00:15:06,973 --> 00:15:10,476 この世界での魔法について ファクトベースで書かれた資料は…》 241 00:15:10,476 --> 00:15:12,478 これだ! 242 00:15:12,478 --> 00:15:15,982 《「魔人にとって 美しく 鍛え上げられた肉体は誇りである。 243 00:15:15,982 --> 00:15:18,484 魔力を高め 魔法を使いこなすには> 244 00:15:18,484 --> 00:15:20,987 肉体を鍛えることが 肝要だからである」》 245 00:15:20,987 --> 00:15:24,257 体を鍛えれば鍛えるほど 魔力が高まる。 246 00:15:24,257 --> 00:15:27,260 それが この世界の真理。 247 00:15:27,260 --> 00:15:30,930 《だから 魔人は露出するんだ。 己の魔力を> 248 00:15:30,930 --> 00:15:35,268 誇りとともに 見せつけるため。 つまり 俺は…》 249 00:15:35,268 --> 00:15:37,270 ((ウチムラ:そのような軽装ではなく> 250 00:15:37,270 --> 00:15:41,107 より 防護面積の広い服を 着たほうがいいのでは?)) 251 00:15:41,107 --> 00:15:44,610 ウルマンダーさん自身を 否定してしまったんだ! 252 00:15:44,610 --> 00:15:46,612 《うわぁ~っ! これは怒る! 253 00:15:46,612 --> 00:15:48,614 まさに 文化的すれ違い! 254 00:15:48,614 --> 00:15:50,616 タリウスさんとの交渉で 学んだのに!》 255 00:15:50,616 --> 00:15:52,618 ((タリウス:否ダ! 否ダ!)) 256 00:15:52,618 --> 00:15:56,456 《魔王様 ありがとうございます。 おかげで この世界の真理に> 257 00:15:56,456 --> 00:15:59,125 気づくことができました。 ですが!》 258 00:15:59,125 --> 00:16:03,329 ウルマンダーさんとの和解のすべが わかりましぇ~ん! 259 00:16:06,799 --> 00:16:08,968 ふぅ… 薪割り完了っと! 260 00:16:08,968 --> 00:16:11,304 次は… ひぃっ! 261 00:16:11,304 --> 00:16:13,806 えっ 何!? 誰? 邪神!? 262 00:16:13,806 --> 00:16:15,975 じゃなくて…。 263 00:16:15,975 --> 00:16:18,644 うぅ…。 ウルマンダー様? 264 00:16:18,644 --> 00:16:22,315 ウチムラに嫌われた~! どうしよう! 265 00:16:22,315 --> 00:16:24,917 え… 何があったんですか? 266 00:16:24,917 --> 00:16:29,922 うぅ… 褒めてくれなかった。 えっ それは どういう…。 267 00:16:29,922 --> 00:16:33,926 ウチムラが 私の身体を 褒めてくれなかったんだ~! 268 00:16:33,926 --> 00:16:36,596 《オルル:なに言ってるんだ この人…》 269 00:16:36,596 --> 00:16:40,266 (オルル)えっとですね ウルマンダー様…。 (ウルマンダー)うん…。 270 00:16:40,266 --> 00:16:42,268 お仕えしてわかったんですが> 271 00:16:42,268 --> 00:16:45,438 ウチムラ様は 私たちと価値観が違うんです。 272 00:16:45,438 --> 00:16:47,940 うん? おそらくですが…。 273 00:16:47,940 --> 00:16:51,611 ウチムラ様は 肌をさらすことを 良いことと思っていません。 274 00:16:51,611 --> 00:16:53,946 バカな! じゃあ なんだと思って…。 275 00:16:53,946 --> 00:16:56,282 痴女…。 痴女!? 276 00:16:56,282 --> 00:16:59,619 なんで!? ちゃんと 局部は 隠してるだろ! 277 00:16:59,619 --> 00:17:03,289 私には 魔人の羞恥ポイントが わからないんですが…。 278 00:17:03,289 --> 00:17:08,628 あっ! では… 私が 今まで アピールしてたことは…。 279 00:17:08,628 --> 00:17:10,630 ほぼマイナスですね。 280 00:17:10,630 --> 00:17:12,965 うわぁ~っ! 私はもしかして> 281 00:17:12,965 --> 00:17:15,301 とんでもない勘違いを してたのか~!? 282 00:17:15,301 --> 00:17:17,970 やめてください! 床が抜けます! 283 00:17:17,970 --> 00:17:19,972 オルル…。 ん? 284 00:17:19,972 --> 00:17:22,642 ウルマンダーは どうすればいい? 285 00:17:22,642 --> 00:17:26,913 あの… 私が部下になった初日> 286 00:17:26,913 --> 00:17:29,248 ウチムラ様が おっしゃっていたんです。 287 00:17:29,248 --> 00:17:33,252 ((ウチムラ:オルル これから 一緒に働くうえで 一つだけ。 288 00:17:33,252 --> 00:17:35,922 失敗を恐れず のびのび やってほしい。 289 00:17:35,922 --> 00:17:37,924 のびのび… ですか? 君は少し> 290 00:17:37,924 --> 00:17:40,593 思いつめすぎるところが あるみたいだしね。 291 00:17:40,593 --> 00:17:43,429 のびのびやって なんでも相談してくれ。 292 00:17:43,429 --> 00:17:47,600 何かあったら 俺が フォローする。 一緒に解決策を考えよう)) 293 00:17:47,600 --> 00:17:51,270 ウチムラ様は そういう方です。 だから 大丈夫ですよ。 294 00:17:51,270 --> 00:17:53,606 ウチムラ様を 信じてあげてください。 295 00:17:53,606 --> 00:17:55,608 うん…。 296 00:17:57,944 --> 00:18:21,968 /~ 297 00:18:21,968 --> 00:18:26,906 あぁ… やっぱり タレには 甘口の日本酒が合う。 298 00:18:26,906 --> 00:18:29,909 タレには甘口 塩には辛口…。 299 00:18:29,909 --> 00:18:32,411 《これだな》 <はい。 300 00:18:44,924 --> 00:18:47,259 うまい! 301 00:18:47,259 --> 00:18:50,262 自家製… です。 302 00:18:50,262 --> 00:18:52,264 ハハ…。 303 00:18:58,938 --> 00:19:02,541 《大将の笑顔 初めて見た…》 304 00:19:06,278 --> 00:19:08,280 《そうか!》 305 00:19:14,453 --> 00:19:16,956 《難しく考える必要はないんだ》 306 00:19:18,958 --> 00:19:21,961 《相手の文化を 理解しようとすることは大切。 307 00:19:21,961 --> 00:19:23,963 だけど…》 308 00:19:31,404 --> 00:19:33,906 ウルマンダーさん! ウチムラ! 309 00:19:37,576 --> 00:19:39,912 《ウチムラ:そんなことに 囚われちゃいけない! 310 00:19:39,912 --> 00:19:42,515 まずは 素直に気持ちを伝えなきゃ!》 311 00:19:47,586 --> 00:19:51,590 俺! ウルマンダーさんの身体は とても エッチだと思います! 312 00:19:51,590 --> 00:19:55,594 私は痴女じゃなくて 身体を 褒めてほしかっただけだから! 313 00:19:55,594 --> 00:19:57,930 (2人)は? 314 00:19:57,930 --> 00:20:01,600 いや… 違うんです! 単純に ウルマンダーさんの肉体を> 315 00:20:01,600 --> 00:20:05,271 褒めたかったんですが 俺の語彙がないせいで…。 316 00:20:05,271 --> 00:20:08,607 いや 私も 痴女じゃないと アピールしたかっただけで> 317 00:20:08,607 --> 00:20:11,610 他意はない… 他意はなかったんだ。 318 00:20:14,613 --> 00:20:18,951 あの… 俺 ウルマンダーさんのことを 何も知りませんでした。 319 00:20:18,951 --> 00:20:20,953 本当に すみませんでした! 320 00:20:20,953 --> 00:20:24,623 お前… 今まで 魔人のことを 調べてくれてたのか? 321 00:20:24,623 --> 00:20:28,461 生真面目で馬鹿正直なやつめ…。 322 00:20:28,461 --> 00:20:30,463 私こそ ごめん! 323 00:20:30,463 --> 00:20:34,967 私も 自分の常識を押し付けた。 感情的になって 森に放置したし。 324 00:20:34,967 --> 00:20:38,304 まぁ… たしかに あれは 命の危機を感じましたが…。 325 00:20:38,304 --> 00:20:41,307 ウルマンダーさん。 ん? 326 00:20:41,307 --> 00:20:44,643 互いの過ちに気づき 互いを知れた。 327 00:20:44,643 --> 00:20:48,647 俺たち いいパートナーになれると 思いませんか? 328 00:20:48,647 --> 00:20:51,484 パ… パート…。 329 00:20:51,484 --> 00:20:54,653 ま… まぁ… 悪くはないんじゃないか? 330 00:20:54,653 --> 00:20:57,823 《告白!? パートナーって 遠回しの告白では!?》 331 00:20:57,823 --> 00:21:02,495 《よかった! これで 彼女と 仲よく 仕事が続けられるぞ》 332 00:21:02,495 --> 00:21:07,500 (魔王)オーガ族との同盟 そして 7部族との統合により> 333 00:21:07,500 --> 00:21:10,669 魔王軍は 大きく規模を拡大した。 334 00:21:10,669 --> 00:21:15,007 此度は その統合における 功労者を称えたく思う。 335 00:21:15,007 --> 00:21:17,009 面を上げよ! 336 00:21:17,009 --> 00:21:20,846 海外の駐在員・四天王 ウチムラデンノスケ。 337 00:21:20,846 --> 00:21:23,115 はっ! この短期間で> 338 00:21:23,115 --> 00:21:25,451 よくぞ これだけの成果をあげた。 339 00:21:25,451 --> 00:21:30,956 貴殿の功労を称え この魔光石を授けよう。 340 00:21:34,960 --> 00:21:38,964 魔王様直々の褒章… 身に余る光栄です。 341 00:21:38,964 --> 00:21:41,300 ですが この度の成果は> 342 00:21:41,300 --> 00:21:44,303 私一人の力では 成しえませんでした。 343 00:21:44,303 --> 00:21:46,605 ですので…。 えっ… えっ? 344 00:21:48,974 --> 00:21:50,976 あ…。 345 00:21:53,813 --> 00:21:57,316 これは ウルマンダーさんに。 はぁ!? 346 00:21:57,316 --> 00:22:00,319 この宝石は 俺たち 2人のものです。 347 00:22:00,319 --> 00:22:02,321 受け取っていただけますか? 348 00:22:02,321 --> 00:22:05,991 バ… バカか 貴様! え~っ! ここで罵倒!? 349 00:22:05,991 --> 00:22:08,994 (ウチムラ)いや 受け取ってください。 ウチムラ様は きっと> 350 00:22:08,994 --> 00:22:12,998 ご存じないのですね。 魔光石を異性に渡すのは> 351 00:22:12,998 --> 00:22:15,167 求婚を意味する ということを…。 352 00:22:15,167 --> 00:22:20,506 渡すなら もっと閑静な場所で ロマンチックに渡さんか~! 353 00:22:20,506 --> 00:22:23,275 ウチムラデンノスケ…。 354 00:22:23,275 --> 00:22:26,979 無能なりに うまく 取り入ったようだな。 355 00:23:58,971 --> 00:24:04,310 おしんこ… 漢字で書くと 新しい香り…。 356 00:24:04,310 --> 00:24:07,313 香りは 記憶をよびさます。 357 00:24:07,313 --> 00:24:12,017 そう… おしんことは タイムマシーンである。