1 00:00:02,002 --> 00:00:06,173 <ウチムラ:対厄災防衛戦は終結。 2 00:00:06,173 --> 00:00:08,175 俺たちは勝利した。 3 00:00:08,175 --> 00:00:12,679 これは 亜人も魔人も 種族も部族も超えて➡ 4 00:00:12,679 --> 00:00:15,515 皆で つかみ取ったものに他ならない。 5 00:00:15,515 --> 00:00:18,352 更に功績が認められて…> 6 00:00:18,352 --> 00:00:21,688 (魔王)戦列せよ。 7 00:00:21,688 --> 00:00:27,194 (魔王)我が魔王軍が誇る 四天王よ! 8 00:00:29,363 --> 00:00:32,165 (魔王)豪炎の突撃士 ウルマンダー! 9 00:00:37,538 --> 00:00:41,375 (魔王)烈嵐の魔導士 シルフィード! 10 00:00:41,375 --> 00:00:44,711 (シルフィード)おお…! 11 00:00:44,711 --> 00:00:47,915 (魔王)地殻の防壁士 ゲーノーム! 12 00:00:54,221 --> 00:00:58,559 (魔王)海外の駐在員 内村伝之助! 13 00:00:58,559 --> 00:01:00,560 (ウチムラ)はい! 14 00:01:02,863 --> 00:01:05,532 (魔王)ウチムラよ よくやった。 15 00:01:11,038 --> 00:01:13,373 あ… ありがとうございます。 16 00:01:13,373 --> 00:01:15,342 頂戴いたします。 17 00:01:17,377 --> 00:01:19,546 (オルル)ウフフ。 (ネイア)ウフフ。 18 00:01:23,550 --> 00:01:27,554 このあと 貴様に話がある。 19 00:01:27,554 --> 00:01:33,060 《直々に呼び出しまで! これが 寵愛!?》 20 00:01:33,060 --> 00:01:38,899 魔王様 改めて 私は 魔王様のお力に感服いたしました。 21 00:01:38,899 --> 00:01:44,404 今後一層 部下として励み 仕え続ける所存です。 22 00:01:44,404 --> 00:01:49,910 ウチムラよ ひとつ問う。 王とは何か? 23 00:01:49,910 --> 00:01:53,080 へ? お 王ですか? 24 00:01:53,080 --> 00:01:59,353 国家の統率 国家を操舵する 船頭… でしょうか? 25 00:02:01,655 --> 00:02:05,158 《俺の答え 間違ってたのだろうか…》 26 00:02:05,158 --> 00:02:10,664 ウチムラよ お前は 王になれ。 27 00:02:10,664 --> 00:02:14,067 は…? 28 00:03:46,026 --> 00:03:48,361 今 なんとおっしゃいました? 29 00:03:48,361 --> 00:03:50,697 王になれ。 30 00:03:50,697 --> 00:03:53,533 新しい時代の王に貴様がなるのだ。 31 00:03:53,533 --> 00:03:55,535 無理です! 32 00:03:55,535 --> 00:03:59,406 俺が王!? 絶対に無理です! ご冗談がすぎます! 33 00:03:59,406 --> 00:04:02,809 ウチムラよ 貴様は優秀だ。 34 00:04:02,809 --> 00:04:08,482 (魔王)これまで 数々の我が命に 尽力し 結果を残してきた。 35 00:04:08,482 --> 00:04:13,320 時には 貴様から動き 提案することさえあった。 36 00:04:13,320 --> 00:04:16,490 だが いずれも 任務の域は出ておらぬ。 37 00:04:16,490 --> 00:04:19,326 それだけだ。 38 00:04:19,326 --> 00:04:22,162 (魔王)今のままの貴様は 与えられた任務を➡ 39 00:04:22,162 --> 00:04:26,833 忠実にこなすだけ。 ただの優秀な奴隷にすぎない。 40 00:04:26,833 --> 00:04:31,671 従順であることは ともすれば迎合に陥る。 41 00:04:31,671 --> 00:04:34,174 そのうえ 貴様は自己評価が低い。 42 00:04:34,174 --> 00:04:39,012 謙虚と卑屈を取り違えるな。 43 00:04:39,012 --> 00:04:42,682 何にとらわれている ウチムラ。 44 00:04:42,682 --> 00:04:46,186 《俺は 俺は…》 45 00:04:48,855 --> 00:04:53,660 申し訳ありません。 少し 時間をください。 46 00:04:56,530 --> 00:05:00,167 何にとらわれている…。 47 00:05:00,167 --> 00:05:04,337 ((この案件は 一人で さばける分量ではないと思います。 48 00:05:04,337 --> 00:05:08,508 納期の調整か サポート人員を 入れていただくしかないと! 49 00:05:08,508 --> 00:05:11,178 おいおいおい 冗談だろ? 50 00:05:11,178 --> 00:05:14,181 優秀な内村くんなら平気でしょ? 51 00:05:14,181 --> 00:05:19,019 いい大学を出て 社長賞を獲ったエリートくん)) 52 00:05:19,019 --> 00:05:24,357 《若かった俺は無知で 気づけば 上司の目の敵になっていた》 53 00:05:24,357 --> 00:05:28,862 ((へぇ 職場の改善案? 意識高いね! 54 00:05:28,862 --> 00:05:32,199 でも 目の前の業務に 集中したら?)) 55 00:05:32,199 --> 00:05:35,535 《自尊心は砕かれ続けてきた》 56 00:05:35,535 --> 00:05:39,039 ((内村 お前は契約には 来なくていい)) 57 00:05:39,039 --> 00:05:41,041 《何度も…》 58 00:05:41,041 --> 00:05:43,877 ((社員たち:ハッハハハ…)) 59 00:05:43,877 --> 00:05:45,846 《何度も…》 60 00:05:47,881 --> 00:05:50,884 ((お願いします! 人員も機材も足りないんです! 61 00:05:50,884 --> 00:05:52,886 あっ…)) (通話の切れる音) 62 00:05:52,886 --> 00:05:54,854 《何度も…》 63 00:05:57,891 --> 00:05:59,960 ((また異動だなんて!)) 64 00:05:59,960 --> 00:06:02,629 《何度も…。 65 00:06:02,629 --> 00:06:06,800 ここでの日々で 克服できたと思っていたのに。 66 00:06:06,800 --> 00:06:10,804 刻まれた傷は まだ癒えていなかった。 67 00:06:10,804 --> 00:06:15,475 俺のトラウマになって がんじがらめにとらわれている。 68 00:06:15,475 --> 00:06:19,646 こんな俺が 魔王様のような 王になるなど…》 69 00:06:19,646 --> 00:06:22,549 滅びよ ギガデス! 70 00:06:28,488 --> 00:06:30,657 無理だ! 71 00:06:30,657 --> 00:06:33,560 考えるだけでも震える…。 72 00:06:37,330 --> 00:06:39,332 《ウチムラよ…》 73 00:06:39,332 --> 00:06:44,671 ((国家の統率 国家を 操舵する船頭… でしょうか?)) 74 00:06:44,671 --> 00:06:47,507 《貴様の考えは正しい。 75 00:06:47,507 --> 00:06:51,344 だが今 この世界では 理が異なる。 76 00:06:51,344 --> 00:06:55,015 王の意義はシンプル 力だ! 77 00:06:55,015 --> 00:06:58,685 厄災は 国家を脅かす最大の災害。 78 00:06:58,685 --> 00:07:03,657 その厄災を殺せる者が すなわち 国を治める者。 79 00:07:03,657 --> 00:07:06,326 力さえあれば 王は成り立つ。 80 00:07:06,326 --> 00:07:10,664 たとえ 統率者として 不適格の者でも。 81 00:07:10,664 --> 00:07:15,001 結果 それは 暴君 暗君を生み続けてきた。 82 00:07:15,001 --> 00:07:18,338 そのような 王に苦しむのは庶民。 83 00:07:18,338 --> 00:07:22,008 ある意味 厄災よりも深刻な災いを招く》 84 00:07:22,008 --> 00:07:26,513 我の野望は 厄災の絶滅。 85 00:07:26,513 --> 00:07:31,017 そして 今の王を 根絶やしにすること! 86 00:07:31,017 --> 00:07:33,153 そのためには…! 87 00:07:33,153 --> 00:07:36,656 (魔王)ウチムラ 貴様が王となれ! 88 00:07:38,692 --> 00:07:42,362 王などという夢 見ることすら おこがましい! 89 00:07:42,362 --> 00:07:46,700 魔王様の期待は あまりにも まぶしすぎる! 90 00:07:46,700 --> 00:07:51,705 俺は ただ 魔王様のおそばで お仕えしたいだけなのに…。 91 00:07:51,705 --> 00:07:57,043 (魔王)今しか見ない生き方。 楽な道を選ぶ…。 92 00:07:57,043 --> 00:08:01,648 己の人生を守るには それも また正しい。 93 00:08:01,648 --> 00:08:07,821 だが 統率者は 苦しみを飲み込む 自らの意思で。 94 00:08:07,821 --> 00:08:10,824 いまだ癒やせぬ心の古傷。 95 00:08:10,824 --> 00:08:13,660 決意を鈍らす悪意の記憶。 96 00:08:13,660 --> 00:08:16,997 貴様の苦しみは貴様だけのものだ。 97 00:08:16,997 --> 00:08:21,000 だが あえて言おう 選べ。 98 00:08:21,000 --> 00:08:25,505 歩みを止め 老いるか。 痛みに耐え 踏み出すか。 99 00:08:25,505 --> 00:08:31,578 魔王様… 俺は 俺自身を信じられない…。 100 00:08:34,514 --> 00:08:38,184 与えられた仕事を こなすだけなら傷つかない。 101 00:08:38,184 --> 00:08:43,189 身の丈に合わない夢は重すぎる。 102 00:08:43,189 --> 00:08:47,027 保証がないと 一歩すら踏み出せない。 103 00:08:47,027 --> 00:08:51,197 貴様の王の才覚は 我が保証する。 104 00:08:51,197 --> 00:08:54,034 臆病だ…。 105 00:08:54,034 --> 00:08:57,037 俺は…。 106 00:08:57,037 --> 00:08:59,939 王を目指せ ウチムラ! 107 00:08:59,939 --> 00:09:02,442 自分が情けない…。 108 00:09:02,442 --> 00:09:05,945 俺は どうしたらいい…。 109 00:09:05,945 --> 00:09:11,284 そういえば この世界に来たとき 魔王様はおっしゃっていた。 110 00:09:11,284 --> 00:09:14,788 ((もちろん断るなら 元の世界に戻そう。 111 00:09:14,788 --> 00:09:17,624 強制する権利は 我にはない)) 112 00:09:17,624 --> 00:09:19,959 《魔王様の期待に沿えない俺が➡ 113 00:09:19,959 --> 00:09:22,962 おめおめと ここに とどまるわけにはいかない。 114 00:09:22,962 --> 00:09:27,767 四天王を辞めて 元の世界のクズサラリーマンに戻ろう》 115 00:09:30,637 --> 00:09:35,542 お姉様 ウチムラ様は 何をなさっているのでしょう? 116 00:09:39,312 --> 00:09:43,650 よし オルルへの引き継ぎマニュアルは これでいいだろう。 117 00:09:43,650 --> 00:09:47,654 あとは 案件ごとに 必要な書類をファイリングしておこう。 118 00:09:54,661 --> 00:09:58,498 あっ チモズ売りの 夫婦からの手紙じゃないか。 119 00:09:58,498 --> 00:10:01,835 (ズモ)先だっては 大変お世話になりました! 120 00:10:01,835 --> 00:10:05,338 (チモ)あのあとも たくさんの方に ひいきにしていただき➡ 121 00:10:05,338 --> 00:10:08,842 おかげさまで 大変繁盛しております。 122 00:10:08,842 --> 00:10:12,011 (チモ/ズモ)本当に ありがとうございました。 123 00:10:12,011 --> 00:10:16,349 「ぜひ またお越しいただけるのを 心よりお待ちしております」。 124 00:10:16,349 --> 00:10:19,018 もう一度食べたかったな。 125 00:10:19,018 --> 00:10:23,022 駐在員時代と同じだな。 126 00:10:23,022 --> 00:10:26,025 なんといっても いちばん つらいのは…。 127 00:10:26,025 --> 00:10:28,528 ((うううっ…)) 128 00:10:28,528 --> 00:10:32,031 別れのときだ。 129 00:10:32,031 --> 00:10:34,033 ウチムラ様は…。 130 00:10:34,033 --> 00:10:36,336 ウルマンダー様にお知らせしないと! 131 00:10:40,907 --> 00:10:46,246 《このたび 一身上の都合により 勝手ながら退職いたしたく➡ 132 00:10:46,246 --> 00:10:48,748 ここに お願い申し上げます。 133 00:10:48,748 --> 00:10:53,219 内村伝之助》 134 00:10:56,923 --> 00:10:58,925 《これが 受理されれば➡ 135 00:10:58,925 --> 00:11:02,395 俺の四天王としての 役目は終わりだ》 136 00:11:06,165 --> 00:11:08,568 は~っ! 137 00:11:10,503 --> 00:11:13,006 いろいろあったな。 138 00:11:15,174 --> 00:11:21,080 (ウチムラ)戸惑いの連続だったが いい同僚と部下 そして何より…。 139 00:11:23,349 --> 00:11:26,352 最高の上司に恵まれた。 140 00:11:26,352 --> 00:11:28,655 《本当に いい職場だった》 141 00:11:34,360 --> 00:11:39,532 《こんないい職場なのに 俺は 辞めるのか。 142 00:11:39,532 --> 00:11:43,036 弱い自分のせいで…》 143 00:11:43,036 --> 00:11:46,873 ん…。 144 00:11:46,873 --> 00:11:49,709 えっ 大将 頼んでないけど。 145 00:11:49,709 --> 00:11:52,712 サービス。 146 00:11:52,712 --> 00:11:56,049 (ウチムラ)これも? これも? 147 00:11:56,049 --> 00:11:58,051 これも? これも? 148 00:11:58,051 --> 00:12:00,353 いくらなんでも サービスしすぎだって。 149 00:12:00,353 --> 00:12:02,689 今日で 店じまいですから。 150 00:12:02,689 --> 00:12:05,024 え? 151 00:12:05,024 --> 00:12:07,026 さて…。 152 00:12:07,026 --> 00:12:09,696 ええ!? 待ってよ 急すぎるって! 153 00:12:09,696 --> 00:12:12,565 ここなくなったら 俺 どうしたら…! 154 00:12:17,370 --> 00:12:21,374 あなたに この店は もう必要ありません。 155 00:12:21,374 --> 00:12:24,544 え!? 156 00:12:24,544 --> 00:12:29,382 それは あなた自身が よくわかっているはずです。 157 00:12:29,382 --> 00:12:31,351 必要ない? 158 00:12:38,391 --> 00:12:41,561 どういうことだ? 159 00:12:41,561 --> 00:12:47,133 《いや それよりも 最後の挨拶回りに行かないと》 160 00:12:49,235 --> 00:12:51,237 やぁ ウチムラ。 161 00:12:51,237 --> 00:12:54,073 ゲーノームさん 朝早くに失礼します。 162 00:12:54,073 --> 00:12:56,743 実は 俺…。 ちょうどよかった。 163 00:12:56,743 --> 00:12:59,746 あれを見てくれ。 え? 164 00:12:59,746 --> 00:13:03,349 (ウチムラ)あ! 亜人部隊に 魔人の兵士が!? 165 00:13:03,349 --> 00:13:06,352 (ゲーノーム)ウルマンダーとかけあって 実験的に合同訓練を➡ 166 00:13:06,352 --> 00:13:10,189 始めてみることにした。 (ウチムラ)ウルマンダーさんと!? 167 00:13:10,189 --> 00:13:13,026 (ゲーノーム)ああ。 うちの残りの兵士たちも➡ 168 00:13:13,026 --> 00:13:15,361 アイツのところへ行って訓練中だ。 169 00:13:15,361 --> 00:13:20,366 あのとき お前の作戦でそれぞれの 役目を分けたことにより➡ 170 00:13:20,366 --> 00:13:22,702 勝つことができた。 171 00:13:22,702 --> 00:13:27,707 日頃から ともに訓練ができれば 戦闘力は更に増大するだろう。 172 00:13:27,707 --> 00:13:30,877 錬度が上がれば 互いの長所を活かした➡ 173 00:13:30,877 --> 00:13:33,212 もっとよい作戦も 編み出せるかもしれない。 174 00:13:33,212 --> 00:13:36,382 ああ…。 と言いつつ➡ 175 00:13:36,382 --> 00:13:40,887 正直 亜人と魔人を ともに まとめあげる才能が➡ 176 00:13:40,887 --> 00:13:44,557 僕にあるかどうかは わからない。 177 00:13:44,557 --> 00:13:47,727 どんなきっかけで 衝突が起こるか➡ 178 00:13:47,727 --> 00:13:52,565 その衝突が 新たな部族間の 溝になってしまわないか➡ 179 00:13:52,565 --> 00:13:58,905 そのとき 僕は何ができるか 考え出したらキリがない。 180 00:13:58,905 --> 00:14:01,307 《そこまで考えているなんて…》 181 00:14:01,307 --> 00:14:03,810 だけど こうも思うんだ。 182 00:14:03,810 --> 00:14:07,146 変わることを恐れてはいけない。 183 00:14:07,146 --> 00:14:09,982 自分の可能性を 否定してはいけない。 184 00:14:09,982 --> 00:14:14,320 そうだろ? ウチムラ。 ゲーノームさん…。 185 00:14:14,320 --> 00:14:18,825 そんなふうに思うように なったのも お前のおかげだ。 186 00:14:18,825 --> 00:14:22,829 まぁ 相変わらず ウルマンダーとは顔を合わせれば➡ 187 00:14:22,829 --> 00:14:27,333 言い合いばかりだがな はぁ…。 188 00:14:27,333 --> 00:14:32,839 そういうわけだから ウチムラ。 各部隊と僕たち2人の調整➡ 189 00:14:32,839 --> 00:14:36,509 引き続き頼んだぞ。 あっ まだ話が! 190 00:14:36,509 --> 00:14:39,612 何かあれば尻尾くらい貸してやる。 191 00:14:48,688 --> 00:14:51,023 (ウチムラ)シルフィードさん! ん? 192 00:14:51,023 --> 00:14:53,860 お話ししたいことが。 ああ。 193 00:14:53,860 --> 00:14:56,362 ちょっと待ってくれ! 海外の。 194 00:14:58,364 --> 00:15:00,299 それは? 195 00:15:00,299 --> 00:15:04,103 ギムの品種改良チームを 立ち上げてみた。 196 00:15:06,472 --> 00:15:08,474 いつの間にそんなことを? 197 00:15:08,474 --> 00:15:11,310 前々から アイディアとしてはあったんだ。 198 00:15:11,310 --> 00:15:15,815 ギムの収穫量を上げることが 食糧問題の最善の解決策に➡ 199 00:15:15,815 --> 00:15:18,985 つながるんじゃないかって。 200 00:15:18,985 --> 00:15:20,987 確かに。 201 00:15:20,987 --> 00:15:25,491 でも 専門外の分野というのを 言い訳に ずっと逃げていた。 202 00:15:25,491 --> 00:15:28,361 重い腰を上げてはみたが➡ 203 00:15:28,361 --> 00:15:32,665 我ながら 面倒な仕事に 手をつけてしまったよ。 204 00:15:32,665 --> 00:15:35,535 あの シルフィードさんは どうして…。 205 00:15:35,535 --> 00:15:38,504 でも それでもやりたいんだ。 206 00:15:41,374 --> 00:15:43,709 (シルフィード)クズな身内と 対峙したことで➡ 207 00:15:43,709 --> 00:15:47,380 過去のつまらない記憶も よみがえった。 208 00:15:50,550 --> 00:15:55,221 だが それ以上に 改めて思い出せたこともある。 209 00:15:55,221 --> 00:15:57,890 (シルフィード)行き倒れ 腹を空かせた私に➡ 210 00:15:57,890 --> 00:16:00,460 食べ物をくれた村の人たち。 211 00:16:00,460 --> 00:16:03,629 自分たちだって貧しいのに…。 212 00:16:03,629 --> 00:16:05,965 あのとき気づいた。 213 00:16:05,965 --> 00:16:09,569 自分の力は 人のために使うべきだと。 214 00:16:12,471 --> 00:16:17,476 仕事は能力や適性で決まるが 天職は情動が決め手となる。 215 00:16:17,476 --> 00:16:22,481 やりたい やるべきが 人を動かす そう思えた。 216 00:16:22,481 --> 00:16:26,486 やりたい… やるべき…。 217 00:16:26,486 --> 00:16:29,489 まっ こんなふうに 自分と向き合えたのも➡ 218 00:16:29,489 --> 00:16:31,991 ウチムラ お前のおかげだ。 219 00:16:31,991 --> 00:16:35,161 だから お前も 自分の内と向き合え。 220 00:16:35,161 --> 00:16:39,165 己の心と向き合えば 自ずと いい答えが…。 221 00:16:39,165 --> 00:16:43,669 って 私が言うまでもないよな。 222 00:16:43,669 --> 00:16:46,505 シルフィードさん…? 223 00:16:46,505 --> 00:16:50,009 さて そろそろ仕事に戻らないと。 224 00:16:50,009 --> 00:16:52,011 悪いな 海外の。 225 00:16:52,011 --> 00:16:55,014 のんきに お前と 油を売ってる暇はないんだ。 226 00:17:01,153 --> 00:17:03,823 《自分の内と向き合う…》 227 00:17:07,793 --> 00:17:09,795 あ…。 228 00:17:09,795 --> 00:17:11,998 ウルマンダーさん。 229 00:17:14,667 --> 00:17:16,636 (ウルマンダー)はぁ…。 (ウチムラ)えっ!? 230 00:17:16,636 --> 00:17:19,839 な なんか怒ってる…。 231 00:17:19,839 --> 00:17:23,676 ハッハハハ! いいな 女子と楽しく歓談して! 232 00:17:23,676 --> 00:17:26,012 で なんで 私は最後? っていうか無視? 233 00:17:26,012 --> 00:17:28,014 眼中になしか? ああん? 234 00:17:28,014 --> 00:17:30,683 罵倒の散弾銃!? っていうか なんで ゲーノームさんと➡ 235 00:17:30,683 --> 00:17:33,519 シルフィードさんと 話してたこと知ってるの!? 236 00:17:33,519 --> 00:17:36,522 ああん? も もちろん➡ 237 00:17:36,522 --> 00:17:39,525 ウルマンダーさんのところへも 伺うつもりでした。 238 00:17:39,525 --> 00:17:43,362 なんだ? 言いたいことがあるなら 洗いざらいに言ってみろ。 239 00:17:43,362 --> 00:17:49,035 じ… 実は 魔王様から 王を目指せと言われまして…。 240 00:17:49,035 --> 00:17:51,037 ん…。 241 00:17:51,037 --> 00:17:55,041 でも わからなくなって…。 242 00:17:55,041 --> 00:17:58,811 情けないですよね グズグズと。 243 00:18:05,484 --> 00:18:07,453 ふぅ…。 244 00:18:11,657 --> 00:18:14,994 ようやく 隙を見せたな。 245 00:18:14,994 --> 00:18:19,665 お前は 隙がなさすぎる。 だから ダメなんだ。 246 00:18:19,665 --> 00:18:22,335 四天王として なんでも こなしている。 247 00:18:22,335 --> 00:18:25,838 こなしすぎて いちばん大事なことを忘れている。 248 00:18:25,838 --> 00:18:29,842 いちばん大事なこと…? ん…。 249 00:18:29,842 --> 00:18:35,348 ん。 ん…。 250 00:18:35,348 --> 00:18:37,850 (ウルマンダー)豪炎の突撃士 ウルマンダー。 251 00:18:37,850 --> 00:18:42,688 (ウチムラ)海外の駐在員 内村伝之助。 252 00:18:42,688 --> 00:18:44,690 あ…。 253 00:18:44,690 --> 00:18:46,659 もっと頼れ 仲間だろ? 254 00:18:48,694 --> 00:18:54,867 世界がお前に失望しても 私だけは そばにいてやる。 255 00:18:54,867 --> 00:18:56,869 だから 自信持て! 256 00:18:56,869 --> 00:18:59,138 王でも魔王でも なんでも目指してみろ! 257 00:19:02,108 --> 00:19:06,278 んん…。 なんで…。 258 00:19:06,278 --> 00:19:08,280 ううっ…。 259 00:19:08,280 --> 00:19:11,450 なんで みんな優しいんだよ! 260 00:19:11,450 --> 00:19:14,453 あっ ちょっ…! ありがどおござびまず! 261 00:19:14,453 --> 00:19:16,789 ウルマンダーさん! 262 00:19:16,789 --> 00:19:19,959 泣くな! おい ウチムラ! 263 00:19:19,959 --> 00:19:23,295 チッ 余計なことしやがって。 264 00:19:23,295 --> 00:19:25,297 黙って言われたことしときゃ いいんだよ。 265 00:19:25,297 --> 00:19:27,299 ウチムラ お前は折れるな。 ウチムラ様。 266 00:19:27,299 --> 00:19:29,301 ご苦労さん。 ここからは俺が引き取る。 267 00:19:29,301 --> 00:19:32,805 せいぜい頑張れよ エリートくん! ウチムラさん! ウチムラさん! 268 00:19:32,805 --> 00:19:35,975 自分と向き合うんだ ウチムラ。 269 00:19:35,975 --> 00:19:39,145 ウチムラさん! 270 00:19:39,145 --> 00:19:41,647 ウチムラ様! 271 00:19:41,647 --> 00:19:43,649 仲間だろ? 272 00:19:43,649 --> 00:20:03,502 ♬~ 273 00:20:03,502 --> 00:20:07,840 お返事が遅くなり 申し訳ありませんでした。 274 00:20:07,840 --> 00:20:12,178 魔王様は あまりにも 大きな偉大な存在すぎます。 275 00:20:12,178 --> 00:20:14,513 自分が 王を目指すことには➡ 276 00:20:14,513 --> 00:20:18,684 やはり どうしても 戸惑いがあります。 277 00:20:18,684 --> 00:20:22,688 ですが 私の同僚たちも それぞれが 新たな課題を➡ 278 00:20:22,688 --> 00:20:25,524 自ら見つけて まい進しています。 279 00:20:25,524 --> 00:20:28,527 (ウチムラ)そんな皆さん 一人一人の姿や思いから➡ 280 00:20:28,527 --> 00:20:30,863 気づくことがありました。 281 00:20:30,863 --> 00:20:35,701 自分で自分を否定して 限界を 作ってはいけないということ。 282 00:20:35,701 --> 00:20:42,374 そして 内なる心を見つめたとき 魔王様に認めていただけた。 283 00:20:42,374 --> 00:20:46,545 それが 素直にうれしいという 思いが そこにありました。 284 00:20:46,545 --> 00:20:50,049 不安以上に 魔王様の期待にお応えしたい。 285 00:20:50,049 --> 00:20:54,553 やってみたい。 そう思えました。 286 00:20:54,553 --> 00:20:57,890 とはいえ やはり魔王様のような➡ 287 00:20:57,890 --> 00:21:01,193 強大な王になるのは到底無理です。 288 00:21:01,193 --> 00:21:03,195 なれないのは 明らかです。 289 00:21:03,195 --> 00:21:07,533 ですから 新しい王のあり方を 模索したいのです。 290 00:21:07,533 --> 00:21:10,035 新しい? はい! 291 00:21:10,035 --> 00:21:13,539 力で 上に立つのではない 新しい王の形を! 292 00:21:13,539 --> 00:21:15,541 ん…。 293 00:21:15,541 --> 00:21:19,378 それでもよろしければ 私は➡ 294 00:21:19,378 --> 00:21:21,380 王を目指します! 295 00:21:21,380 --> 00:21:25,050 いえ 目指させてください! 296 00:21:25,050 --> 00:21:27,219 私は まだまだ ひよっこです。 297 00:21:27,219 --> 00:21:31,891 つきましては 魔王様に 一層のご指導を仰ぎたいです。 298 00:21:31,891 --> 00:21:34,059 魔王様だけではありません。 299 00:21:34,059 --> 00:21:37,897 仲間たち みんなの助けも必要です。 300 00:21:37,897 --> 00:21:40,900 ん。 ふっ。 うん。 301 00:21:40,900 --> 00:21:44,236 引き続き 目の前の案件 ひとつひとつに➡ 302 00:21:44,236 --> 00:21:46,705 全力で携わらせてください! 303 00:21:48,741 --> 00:21:52,711 (ウチムラ)魔王様? うむ それでよい ウチムラ。 304 00:21:56,215 --> 00:21:59,552 魔王軍のため この世界のため➡ 305 00:21:59,552 --> 00:22:01,987 ともに高みを目指そう! 306 00:22:01,987 --> 00:22:03,989 はい! 307 00:22:10,830 --> 00:22:13,332 ウチムラ様 ランページ王国から➡ 308 00:22:13,332 --> 00:22:16,669 記念式典の招待状が 届いております。 309 00:22:16,669 --> 00:22:19,004 ありがとう オルル。 出席者をリサーチしてくれ。 310 00:22:19,004 --> 00:22:22,341 周辺国との会談を できるだけしたい。 311 00:22:22,341 --> 00:22:25,511 ネイア 南部エリアの視察スケジュールは これでいこう。 312 00:22:25,511 --> 00:22:28,347 はい。 それと 害獣対策委員会の…。 313 00:22:28,347 --> 00:22:30,516 (シルフィード)おい ウチムラ! (扉の開く音) 314 00:22:30,516 --> 00:22:33,352 お前の前途を祝って 乾杯しよう! 315 00:22:33,352 --> 00:22:35,688 お前も 自分のグラスを 持ってこい! 316 00:22:35,688 --> 00:22:38,357 え? 俺のですか? 317 00:22:38,357 --> 00:22:40,359 ほら 前に対で 買ったじゃないか! 318 00:22:42,528 --> 00:22:45,531 ああ あのグラスでしたら➡ 319 00:22:45,531 --> 00:22:47,700 あのあと 魔王様に献上しました。 320 00:22:47,700 --> 00:22:51,036 ああ…。 321 00:22:51,036 --> 00:22:53,839 な なんだと…。 322 00:22:57,209 --> 00:23:01,180 (ウチムラ)うぎゃ~っ! 323 00:23:01,180 --> 00:23:05,484 ウチムラと この世界の 前途を祝して乾杯! 324 00:23:05,484 --> 00:23:07,987 魔王しゃま! 325 00:23:36,181 --> 00:23:39,184 準備は整った。 326 00:23:39,184 --> 00:23:44,189 この店を必要とする お客様がいるかぎり…。 327 00:23:44,189 --> 00:23:46,859 新装開店。 328 00:23:46,859 --> 00:23:49,061 いらっしゃい。 (扉の開く音)