1 00:00:05,038 --> 00:00:07,040 ⚟いらっしゃいまし。 2 00:00:07,040 --> 00:00:11,044 (仁吉)おはようございます。 若だんな。 3 00:00:11,044 --> 00:00:13,013 おはよう。 4 00:00:20,053 --> 00:00:23,056 昨日 あらためて思ったよ。 5 00:00:23,056 --> 00:00:27,060 仁吉と佐助は 本当に息が ぴったりだね。 6 00:00:27,060 --> 00:00:30,063 (佐助・仁吉)んっ? 7 00:00:30,063 --> 00:00:33,066 (佐助)息が ぴったりって 何のことだい? 8 00:00:33,066 --> 00:00:36,069 (仁吉)さぁ? 9 00:00:36,069 --> 00:00:38,071 (おくま)昨日 升田屋さんったら➡ 10 00:00:38,071 --> 00:00:40,073 娘さんを 若だんなのお嫁さんにって➡ 11 00:00:40,073 --> 00:00:42,075 ずいぶん 売り込んでいたそうだね。 12 00:00:42,075 --> 00:00:44,077 (佐助・仁吉)あそこの嫁は駄目だ! 13 00:00:44,077 --> 00:00:46,079 おやまぁ 息ぴったりだこと。 14 00:00:46,079 --> 00:00:48,081 (佐助・仁吉)あっ。 15 00:00:48,081 --> 00:00:51,084 (おくま)ここへ来た頃は よく張り合ってたのにさぁ。 16 00:00:51,084 --> 00:00:54,087 あの時分は まだ子供でしたからね。 17 00:00:54,087 --> 00:00:56,089 よく おくまさんに叱られたなぁ。 18 00:00:56,089 --> 00:00:58,091 そうかい? 年の割には➡ 19 00:00:58,091 --> 00:01:01,028 こまっしゃくれた子だって 思ってたけどねぇ。 20 00:01:01,028 --> 00:01:03,997 (佐助・仁吉)んっ! ん…。 21 00:01:07,034 --> 00:01:09,036 あぁ…。 22 00:01:09,036 --> 00:01:11,038 佐助でございます。 23 00:01:11,038 --> 00:01:14,041 仁吉でございます。 24 00:01:14,041 --> 00:01:24,017 ♬~ 25 00:02:56,009 --> 00:02:59,012 (仁吉)ここかえ。 ずいぶんと大きな店だねぇ。 26 00:02:59,012 --> 00:03:02,015 (佐助)さすが 江戸で 5本の指に入るだけある。 27 00:03:02,015 --> 00:03:05,018 (佐助) 《何で こいつが相棒なんだ》➡ 28 00:03:05,018 --> 00:03:08,021 《神獣 白沢だか何だか知らんが➡ 29 00:03:08,021 --> 00:03:11,024 俺を犬神程度と バカにしてやがる気がする》➡ 30 00:03:11,024 --> 00:03:13,026 《気に食わん》 31 00:03:13,026 --> 00:03:17,030 (仁吉)《こんな粗暴な犬神に 子守ができるのだろうか?》➡ 32 00:03:17,030 --> 00:03:20,033 《何で 縁も薄いこいつと一緒に➡ 33 00:03:20,033 --> 00:03:23,036 ぼっちゃんの子守をしなければ ならんのか》➡ 34 00:03:23,036 --> 00:03:25,038 《気に食わん》 35 00:03:25,038 --> 00:03:27,040 (佐助)行くぞ。 36 00:03:27,040 --> 00:03:29,042 よく来たねぇ。 37 00:03:29,042 --> 00:03:31,978 仁吉とは久しぶりだ。 38 00:03:31,978 --> 00:03:34,981 薬を届けてくれて助かったよ。 (仁吉)はい。 39 00:03:34,981 --> 00:03:36,983 (伊三郎)そちらが 犬神の佐助だね? 40 00:03:36,983 --> 00:03:38,985 はい。 41 00:03:38,985 --> 00:03:42,956 早速 一太郎を紹介しようね。 42 00:03:44,991 --> 00:03:48,995 ねえ 佐助と仁吉は 何ていう妖なの? 43 00:03:48,995 --> 00:03:50,997 犬神と申します。 44 00:03:50,997 --> 00:03:52,999 白沢と申します。 45 00:03:52,999 --> 00:03:59,005 いぬがみ… はく… たく…。 46 00:03:59,005 --> 00:04:02,008 眠ってしまったようだ。 47 00:04:02,008 --> 00:04:04,010 ⚟(屏風のぞき)伊三郎旦那。 48 00:04:04,010 --> 00:04:09,015 妖を わざわざ ぼっちゃんに 引き合わせるとは珍しいね。➡ 49 00:04:09,015 --> 00:04:15,021 そのガキたち 遊び相手にするため おぎんさまがよこしたのかい? 50 00:04:15,021 --> 00:04:18,024 最近 この辺りで 物騒な噂を聞くからね。 51 00:04:18,024 --> 00:04:20,026 (屏風のぞき)へぇ…。 52 00:04:20,026 --> 00:04:25,031 でも 旦那 この子供2人 役に立つのかね。 53 00:04:25,031 --> 00:04:27,033 あっ。 (屏風のぞき)いっ!➡ 54 00:04:27,033 --> 00:04:29,035 も… ものすごく痛え…。 55 00:04:29,035 --> 00:04:31,972 ケンカなどしないでおくれ。 56 00:04:31,972 --> 00:04:34,975 この家には 妖たちが 結構すみ着いているんだ。➡ 57 00:04:34,975 --> 00:04:38,979 よそから 人ならぬ者が 来たりもするしね。 58 00:04:38,979 --> 00:04:42,983 申し訳ありません。 ぼっちゃんが起きてしまいますね。 59 00:04:42,983 --> 00:04:46,987 チクショー。 昔から この家にいるあたしを殴ったね。 60 00:04:46,987 --> 00:04:48,989 謝るまで許してやらねえぞ。 61 00:04:48,989 --> 00:04:50,991 (鳴家たち)きゃぺー。 きゅわきゅわ…。 62 00:04:50,991 --> 00:04:54,995 小鬼たちは 一太郎の友だから 好きにさせておきなさい。 63 00:04:54,995 --> 00:04:56,997 (佐助)おもちゃの代わり ってことですか。 64 00:04:56,997 --> 00:04:59,100 とにかく ぼっちゃんが ご無事であればいい➡ 65 00:04:59,100 --> 00:05:02,002 そうでございますね? 66 00:05:02,002 --> 00:05:05,005 妖のことを承知している私が➡ 67 00:05:05,005 --> 00:05:08,008 なるだけ そばにいるようにしている。 68 00:05:08,008 --> 00:05:11,011 離れで寝起きもしているんだが➡ 69 00:05:11,011 --> 00:05:15,015 いつまでも そうできるか 分からない。 70 00:05:15,015 --> 00:05:17,017 頼りにしているよ。 71 00:05:17,017 --> 00:05:19,019 お任せください。 72 00:05:19,019 --> 00:05:23,023 この佐助が 江戸に住まう他の妖たちなど➡ 73 00:05:23,023 --> 00:05:25,025 蹴散らしてごらんに入れます。 74 00:05:25,025 --> 00:05:27,027 この仁吉がいれば➡ 75 00:05:27,027 --> 00:05:30,030 どの妖らと合戦になっても まず負けません。 76 00:05:30,030 --> 00:05:32,966 ご安心を。 (伊三郎)フフフ。 77 00:05:32,966 --> 00:05:36,970 ここで暮らすのに必要なことや 分からないことは➡ 78 00:05:36,970 --> 00:05:39,973 化け狐に聞いてみたらいい。 ああ それと➡ 79 00:05:39,973 --> 00:05:42,976 これは 一太郎の小遣いだ。 80 00:05:42,976 --> 00:05:47,981 欲しがる物を買ってやっておくれ。 足りなくなったら また足すから。 81 00:05:47,981 --> 00:05:49,983 (仁吉・佐助)承知しました。 82 00:05:49,983 --> 00:05:53,987 (伊三郎) さて 店の者に紹介しようね。 83 00:05:53,987 --> 00:06:04,998 ♬~ 84 00:06:04,998 --> 00:06:09,002 (伊三郎)じゃあ 早速 一太郎の面倒を見てやっておくれ。 85 00:06:09,002 --> 00:06:10,971 (仁吉・佐助)はい。 86 00:06:14,007 --> 00:06:17,010 (佐助・仁吉)あっ? (佐助)はて…。 87 00:06:17,010 --> 00:06:19,012 かわやへでも行ったのか? 88 00:06:19,012 --> 00:06:22,015 あっ。 89 00:06:22,015 --> 00:06:25,018 いないぞ。 (佐助)まさか あのあほう➡ 90 00:06:25,018 --> 00:06:28,021 ぼっちゃんを 外へ連れ出したんじゃなかろうな。 91 00:06:28,021 --> 00:06:30,957 んっ? (鳴家)きゅんぴー きゅわ…。 92 00:06:30,957 --> 00:06:32,959 ぼっちゃんは どこへ行った! (鳴家)ぎゅわー。 93 00:06:32,959 --> 00:06:35,962 怖い。 知らない。 (佐助)屏風のぞきがいないのは➡ 94 00:06:35,962 --> 00:06:37,964 どうしてだ! (鳴家)ぎゅわー。 95 00:06:37,964 --> 00:06:40,967 まずいや。 ぼっちゃんが消えちまった! 96 00:06:40,967 --> 00:06:42,969 (鳴家)きゅわっ! (佐助)何があった? 97 00:06:42,969 --> 00:06:44,971 あんたらじゃ役に立たん。 どいとくれ。 98 00:06:44,971 --> 00:06:47,974 (佐助)はぁ!? (屏風のぞき)化け狐たちに知ら…。 99 00:06:47,974 --> 00:06:50,977 (屏風のぞき)ぎょえぇ~! 100 00:06:50,977 --> 00:06:54,981 われらは ぼっちゃんの守役ぞ! 説明しろ! 101 00:06:54,981 --> 00:06:58,985 ぼっちゃんが 目を覚ましたとき…。➡ 102 00:06:58,985 --> 00:07:03,990 塀の外から何やら 声が聞こえたんだ。➡ 103 00:07:03,990 --> 00:07:09,996 何だか生臭いにおいもしたから 魚屋が来たかと思ったら➡ 104 00:07:09,996 --> 00:07:14,000 しゃぼんの玉につられて 裏木戸の方へ行って。➡ 105 00:07:14,000 --> 00:07:16,002 しゃぼんが欲しいのかと思って➡ 106 00:07:16,002 --> 00:07:18,004 小遣いを持っている あんたらを呼ぼうと➡ 107 00:07:18,004 --> 00:07:20,006 捜している間に ぼっちゃんが…。 108 00:07:20,006 --> 00:07:23,009 しゃぼん売りを追い掛けて 出ていったのか? 109 00:07:23,009 --> 00:07:26,012 それがねぇ 不思議なんだ。 110 00:07:26,012 --> 00:07:28,014 ぼっちゃん しゃぼんは好きだよ。 111 00:07:28,014 --> 00:07:31,952 でもさ 今まで 勝手に 表へ出たことなんかなかったんだ。 112 00:07:31,952 --> 00:07:33,954 だから… あっ!➡ 113 00:07:33,954 --> 00:07:36,957 あんたたち しゃぼん売りが どっちへ向かってたのか➡ 114 00:07:36,957 --> 00:07:39,959 分かってるのかい? (佐助)問う前に行き先を示せ! 115 00:07:39,959 --> 00:07:42,962 堀川沿いにある細い道の方向だよ。 116 00:07:42,962 --> 00:07:46,966 川か。 (仁吉)子供には危ない通りだな。 117 00:07:46,966 --> 00:07:48,969 (佐助)狐たちにも知らせろ! 118 00:07:48,969 --> 00:07:53,974 だから今 そうしようと してたんじゃないか。 119 00:07:53,974 --> 00:07:56,976 とにかく 一太郎ぼっちゃんが 無事なら それでいい。 120 00:07:56,976 --> 00:07:58,945 ああ。 121 00:08:02,983 --> 00:08:04,951 (女性)いらっしゃいまし。 122 00:08:06,986 --> 00:08:10,990 (仁吉)これで もう3往復目だ。 どうにも妙だな。 123 00:08:10,990 --> 00:08:14,995 ぼっちゃんを捜しにゆくまで そんな長くかかったわけじゃない。 124 00:08:14,995 --> 00:08:17,998 (仁吉)なのに 何で しゃぼん売りの姿さえ➡ 125 00:08:17,998 --> 00:08:19,100 見つからない。 (佐助)んっ? 126 00:08:19,100 --> 00:08:22,002 (仁吉)何とも怪しい話だ。 127 00:08:22,002 --> 00:08:26,005 つまり しゃぼん売りは 妖だったのではないか。 128 00:08:26,005 --> 00:08:29,009 わざと 長崎屋の近くで しゃぼんを飛ばして➡ 129 00:08:29,009 --> 00:08:31,010 ぼっちゃんを 誘い出したのかもしれない。 130 00:08:31,010 --> 00:08:35,014 (佐助)仁吉さん しゃぼん売りが 消えたとなれば➡ 131 00:08:35,014 --> 00:08:38,018 その男が大いに怪しいのは 異論のないところだがね。➡ 132 00:08:38,018 --> 00:08:42,021 だが いきなり そいつが妖だと思うのは…。 133 00:08:42,021 --> 00:08:45,024 この辺りで物騒な噂があると➡ 134 00:08:45,024 --> 00:08:48,028 旦那さまから 聞いたばかりじゃないか。 135 00:08:48,028 --> 00:08:51,030 怪しいやつらが ぼっちゃんをさらうと決め➡ 136 00:08:51,030 --> 00:08:53,033 木戸を 見張っていたのかもしれない。 137 00:08:53,033 --> 00:08:56,035 ならば ここで別れて それぞれ捜そう。 138 00:08:56,035 --> 00:09:00,039 お互い 見てくれとは違い もう 子供ではないんだ。 139 00:09:00,039 --> 00:09:03,043 ああ その方がよさそうだ。 140 00:09:03,043 --> 00:09:06,045 (仁吉)《やっぱり》 (佐助)《気に食わん》 141 00:09:06,045 --> 00:09:09,048 おい お前ら! (仁吉)化け狐か。 142 00:09:09,048 --> 00:09:11,051 ぼっちゃんを見掛けたという 知らせがあった。 143 00:09:11,051 --> 00:09:13,019 一度 帰れ。 144 00:09:38,978 --> 00:09:40,980 (化け狐) あちこち聞き回ったところ➡ 145 00:09:40,980 --> 00:09:42,982 2人の子供を見たという者が おりました。➡ 146 00:09:42,982 --> 00:09:46,986 一人は 背中にウサギの背守りが 縫い取りされた 若葉色の着物を。 147 00:09:46,986 --> 00:09:51,991 ああ 一太郎だ。 無事だったんだね。 148 00:09:51,991 --> 00:09:53,993 もう一人は 背に 福の字の縫い取りがある➡ 149 00:09:53,993 --> 00:09:57,997 薄いかめのぞき色の着物を 着ているそうです。 150 00:09:57,997 --> 00:09:59,999 その子は どこの子かね…。 151 00:09:59,999 --> 00:10:04,003 ⚟(化け狐)失礼します 旦那さま。 お連れしました。 152 00:10:04,003 --> 00:10:06,005 (鳴家)きゅわきゅわ…。 153 00:10:06,005 --> 00:10:08,007 失礼いたしやす。 154 00:10:08,007 --> 00:10:11,010 確か 下っ引きの清七さんだったね。 155 00:10:11,010 --> 00:10:13,012 お呼びだてして すまないね。 156 00:10:13,012 --> 00:10:16,015 いえ。 それで どんなご用向きでしょう? 157 00:10:16,015 --> 00:10:20,019 実はね うちの一太郎がいなくなってね。 158 00:10:20,019 --> 00:10:22,021 (清七)えっ? (伊三郎)奉公人が手分けして➡ 159 00:10:22,021 --> 00:10:26,025 捜していたところ 街中で 2人の子供を見掛けた➡ 160 00:10:26,025 --> 00:10:28,027 という話を聞いたんだよ。➡ 161 00:10:28,027 --> 00:10:30,029 一人は うちの一太郎だったんだが➡ 162 00:10:30,029 --> 00:10:33,967 もう一人は 背中に福の字の 縫い取りがある着物を➡ 163 00:10:33,967 --> 00:10:36,970 着ていたという。 心当たりがあるかい? 164 00:10:36,970 --> 00:10:38,972 何てこった…。 165 00:10:38,972 --> 00:10:40,974 そのお子は 10日前からいなくなってる➡ 166 00:10:40,974 --> 00:10:43,977 福山屋の正五郎ぼっちゃんですよ。 167 00:10:43,977 --> 00:10:45,979 10日も前から…。 168 00:10:45,979 --> 00:10:48,982 「子供を帰してほしかったら 50両よこせ」という文が➡ 169 00:10:48,982 --> 00:10:50,984 届きましてね。➡ 170 00:10:50,984 --> 00:10:54,988 ちゃんと 金を渡す気で 旦那さんが出掛けたんです。➡ 171 00:10:54,988 --> 00:10:57,991 けれど 相手が現れなかったんで…。➡ 172 00:10:57,991 --> 00:11:01,995 俺たちも 旦那の後を つけていたんですがね。➡ 173 00:11:01,995 --> 00:11:05,999 しくじったと大騒ぎになった後 店の金を確かめたら➡ 174 00:11:05,999 --> 00:11:09,002 50両なくなったっていうじゃ ありませんか。➡ 175 00:11:09,002 --> 00:11:13,006 けど 正五郎ぼっちゃんは 帰ってこなかったんでさぁ。 176 00:11:13,006 --> 00:11:17,010 福山屋は 上のぼっちゃんを2人 はしかで亡くしてます。 177 00:11:17,010 --> 00:11:19,012 残った正五郎ぼっちゃんを➡ 178 00:11:19,012 --> 00:11:22,015 岡っ引きの間抜けのせいで 失ったりしたら➡ 179 00:11:22,015 --> 00:11:24,017 俺たちは ただじゃ済まないんで…。 180 00:11:24,017 --> 00:11:28,021 かどわかしの話 何で 近所に伝えなかったんだい? 181 00:11:28,021 --> 00:11:30,957 せめて 子供がいる店には 教えてもよかっただろうに。 182 00:11:30,957 --> 00:11:33,960 勘弁してくだせえ。 183 00:11:33,960 --> 00:11:36,963 まだ 正五郎ぼっちゃんが 店に戻ってませんので➡ 184 00:11:36,963 --> 00:11:39,966 うっかりしたことは 言えなかったんです。 185 00:11:39,966 --> 00:11:44,971 同心の旦那と すぐに話をしなくては。➡ 186 00:11:44,971 --> 00:11:46,973 清七さん お願いしますよ。 187 00:11:46,973 --> 00:11:48,975 (清七)へい。 188 00:11:48,975 --> 00:11:52,979 やはり ぼっちゃんに 手を出したのは 人だったな。 189 00:11:52,979 --> 00:11:55,982 ならば われら妖が 目に物を見せてくれようさ。 190 00:11:55,982 --> 00:11:57,984 正五郎ぼっちゃんを さらったやつらは➡ 191 00:11:57,984 --> 00:12:01,988 もう10日も 家に帰しもしないし 殺してもいない。 192 00:12:01,988 --> 00:12:05,992 そんな不思議なことをするのは やつらが妖だからではないか? 193 00:12:05,992 --> 00:12:08,995 いいや 見当違いだ。 人さらいは 人だよ。 194 00:12:08,995 --> 00:12:10,997 違う。 人さらいは 妖だろう。 195 00:12:10,997 --> 00:12:13,100 (仁吉・佐助)ぬうぅ…。 (化け狐)争っている場合か!➡ 196 00:12:13,100 --> 00:12:17,003 相手が人だろうが 妖だろうが➡ 197 00:12:17,003 --> 00:12:19,005 われら化け狐が ぼっちゃんを取り戻す。 198 00:12:19,005 --> 00:12:21,007 (佐助)それは われら守役の仕事! 199 00:12:21,007 --> 00:12:24,010 2人は どうやって ぼっちゃんを取り返すのか? 200 00:12:24,010 --> 00:12:27,013 まだ 何の考えも 浮かんでおらぬだろう? 201 00:12:27,013 --> 00:12:29,015 おまけに 今日 長崎屋へ来たばかり。 202 00:12:29,015 --> 00:12:31,951 この辺りの土地にも 詳しくないはずだ。➡ 203 00:12:31,951 --> 00:12:34,954 はっきり言うぞ。 誰が ぼっちゃんを救うのか➡ 204 00:12:34,954 --> 00:12:37,957 そこを気にするやからなぞ 邪魔だ! 205 00:12:37,957 --> 00:12:45,965 ♬~ 206 00:12:45,965 --> 00:12:48,968 (佐助)おお…。 (仁吉)ぬっ…。 207 00:12:48,968 --> 00:12:50,970 (仁吉・佐助)うわぁ! 208 00:12:50,970 --> 00:12:53,940 フンッ。 (仁吉・佐助)うわあぁ~! 209 00:12:57,977 --> 00:13:00,947 (佐助)《チクショー! 化け狐め!》 210 00:13:02,982 --> 00:13:05,985 (佐助)《くっそ… この体じゃ…》 211 00:13:05,985 --> 00:13:07,954 うわぁ…。 212 00:13:11,991 --> 00:13:13,960 (佐助)何と 河童か! 213 00:13:16,996 --> 00:13:19,999 ありがとう。 (佐助)助かった。 214 00:13:19,999 --> 00:13:23,002 あんたたち さっき 行ったり来たりしてたよな。 215 00:13:23,002 --> 00:13:25,004 捜してるのは ウサギのぼっちゃんか?➡ 216 00:13:25,004 --> 00:13:28,007 福のぼっちゃんか? (仁吉)ウサギの方だ。 217 00:13:28,007 --> 00:13:30,943 (赤河童)じゃあ 福の子を 助けに来た方の子だな。 218 00:13:30,943 --> 00:13:34,947 はっ? うちのぼっちゃんが 正五郎ぼっちゃんを助けたのか? 219 00:13:34,947 --> 00:13:36,949 その話 聞かせてくれ。 220 00:13:36,949 --> 00:13:38,951 では 互いに助け合おう。 221 00:13:38,951 --> 00:13:40,953 (佐助)分かった。 礼をすればいいのか? 222 00:13:40,953 --> 00:13:43,956 うん。 われら河童は頼まれて➡ 223 00:13:43,956 --> 00:13:46,959 正五郎という子を 預かっていたのだ。➡ 224 00:13:46,959 --> 00:13:49,962 知り人に見つかると 危ないというのでな。➡ 225 00:13:49,962 --> 00:13:53,966 ここからちょっと離れた街で しゃぼん売りに化けて 稼ぎつつ➡ 226 00:13:53,966 --> 00:13:57,970 街中を連れ回し 子供の守りをしていたわけだ。 227 00:13:57,970 --> 00:14:01,974 やっぱり 妖が 人さらいに絡んでいたか。 228 00:14:01,974 --> 00:14:04,977 子供が危ないってのは どういうことだい? 229 00:14:04,977 --> 00:14:06,979 何でも 両親が悪霊に取りつかれて➡ 230 00:14:06,979 --> 00:14:09,982 8尺を超える大化け物に なっちまって➡ 231 00:14:09,982 --> 00:14:11,984 わが子を食いかねないとか。 232 00:14:11,984 --> 00:14:13,986 きょうだいが はやり病にかかったとか➡ 233 00:14:13,986 --> 00:14:16,989 継母がいじめるとか。 234 00:14:16,989 --> 00:14:19,992 夜には 猫ほどもあるネズミに かじられるとかで➡ 235 00:14:19,992 --> 00:14:22,995 家には しばらく帰さないでくれと 言われた。 236 00:14:22,995 --> 00:14:24,997 誰が そんなことを言ったんだ。 237 00:14:24,997 --> 00:14:26,999 正五郎ぼっちゃんは 一人っ子のはずで➡ 238 00:14:26,999 --> 00:14:29,001 継母もいないが。 239 00:14:29,001 --> 00:14:30,937 (赤河童)確かな話なのだぞ!➡ 240 00:14:30,937 --> 00:14:34,941 雨の夜 物乞いに歩く妖 小雨坊が➡ 241 00:14:34,941 --> 00:14:40,947 正五郎の知り合いという男に にぎり飯をもらって頼まれたのだ。 242 00:14:40,947 --> 00:14:44,951 (赤河童)そういえば その男の名は聞いておらんな。 243 00:14:44,951 --> 00:14:49,956 それで 小雨坊は野寺坊に 野寺坊は獺に➡ 244 00:14:49,956 --> 00:14:51,958 獺が われらに頼んできたのだ。 245 00:14:51,958 --> 00:14:53,960 河童は立派だからな。 246 00:14:53,960 --> 00:14:57,964 人助けだと思い 子を預かることにしたのだ。 247 00:14:57,964 --> 00:15:00,967 キュウリ5本と スイカ1つで。 248 00:15:00,967 --> 00:15:03,970 誰かが礼をくれると 言ったんだな。 249 00:15:03,970 --> 00:15:06,973 やはり 人が 悪事に関わっていたのか。 250 00:15:06,973 --> 00:15:08,975 それで 子供たちは どこにいるんだ? 251 00:15:08,975 --> 00:15:11,978 それがな ここにはいないのだ。 252 00:15:11,978 --> 00:15:14,981 (仁吉・佐助)えっ? (赤河童)河童に 子を預けた者は➡ 253 00:15:14,981 --> 00:15:19,986 それっきり何も知らせてこない。 約束の品も まだくれぬ。➡ 254 00:15:19,986 --> 00:15:24,991 何か障りでもあったのかと われらは確かめることにした。➡ 255 00:15:24,991 --> 00:15:27,994 しゃぼんを売りつつ 正五郎を連れて➡ 256 00:15:27,994 --> 00:15:30,997 家のある通町へ戻ってみたのだ。➡ 257 00:15:30,997 --> 00:15:33,100 すると とんでもないことが起きた。➡ 258 00:15:33,100 --> 00:15:38,004 長ドスを持った笠の男に 襲われたのだ。 259 00:15:38,004 --> 00:15:41,007 怪しげな者へ わざわざ預けたのに➡ 260 00:15:41,007 --> 00:15:44,010 子供は まだ生きていたのか。 261 00:15:44,010 --> 00:15:47,013 (蒼河童)襲われたときは 本当に怖かった。➡ 262 00:15:47,013 --> 00:15:50,016 切られそうになった… けど…。 263 00:15:50,016 --> 00:15:53,019 ⚟おーい! 264 00:15:53,019 --> 00:15:55,021 (蒼河童)大きな声を上げて➡ 265 00:15:55,021 --> 00:15:57,023 男の目をそらしてくれた者が いてな。 266 00:15:57,023 --> 00:15:59,025 うわっ…。 267 00:15:59,025 --> 00:16:01,994 ガキがぁ…。 268 00:16:06,032 --> 00:16:09,035 かわいそうに 今 寝込んで せきをしておる。 269 00:16:09,035 --> 00:16:11,037 (仁吉・佐助)何っ!? (赤河童)だが われらの薬は➡ 270 00:16:11,037 --> 00:16:13,039 人には強過ぎる。➡ 271 00:16:13,039 --> 00:16:15,041 今 お前たちを 助けてやったお礼に➡ 272 00:16:15,041 --> 00:16:19,045 人の薬をくれまいか? 273 00:16:19,045 --> 00:16:22,048 (仁吉)これが 熱に効く薬だ。➡ 274 00:16:22,048 --> 00:16:25,051 けど 勝手に飲ませちゃ駄目なんだ。 275 00:16:25,051 --> 00:16:27,053 その子の所へ連れていってくれ。 276 00:16:27,053 --> 00:16:30,056 どれだけ飲ませたらよいか われらなら分かる。 277 00:16:30,056 --> 00:16:32,992 確かに そうだな。 頭がいいぞ。➡ 278 00:16:32,992 --> 00:16:35,962 では ついてきてくれ。 279 00:16:43,002 --> 00:16:46,005 (仁吉)ぼっちゃんは どこだ? 280 00:16:46,005 --> 00:16:50,009 あの… ぼ… ぼっちゃんは そこの木箱の上で➡ 281 00:16:50,009 --> 00:16:52,011 横になってたはずなんだが…。 282 00:16:52,011 --> 00:16:55,014 (佐助)幼い子を ここに残していったのか?➡ 283 00:16:55,014 --> 00:16:59,018 怖い男に命を狙われた後に? (赤河童)だ… だって➡ 284 00:16:59,018 --> 00:17:03,022 お礼のキュウリとスイカを まだ もらっていなかったから…。 285 00:17:03,022 --> 00:17:06,025 子がいなければ 薬を受け取っても無駄だな。 286 00:17:06,025 --> 00:17:08,027 あっ そうだ。 代わりに お主ら➡ 287 00:17:08,027 --> 00:17:12,031 われらのキュウリがどうなったか 調べてくれぬだろうか? 288 00:17:12,031 --> 00:17:14,033 いなくなった ぼっちゃんを 助けるより➡ 289 00:17:14,033 --> 00:17:16,035 キュウリが大事だってえのか! 290 00:17:16,035 --> 00:17:18,037 (蒼河童)ぐわっ。 (赤河童)ぎえっ。 291 00:17:18,037 --> 00:17:20,039 ⚟すごく痛ぇ…。 (仁吉)どこへ行ったか➡ 292 00:17:20,039 --> 00:17:22,041 見当はないのか? (赤河童)う~ん…。 293 00:17:22,041 --> 00:17:26,045 正五郎ぼっちゃんは 家に帰りたがっていたなぁ…。 294 00:17:26,045 --> 00:17:30,016 なら 2人は 福山屋に向かっている? 295 00:17:32,985 --> 00:17:35,988 (仁吉・佐助)あっ。 296 00:17:35,988 --> 00:17:37,990 お前たち まだ うろちょろと。 297 00:17:37,990 --> 00:17:40,993 (佐助)今は そんなことを 言ってる場合じゃないんだろ。 298 00:17:40,993 --> 00:17:42,995 (仁吉)ぼっちゃんを捜すことが 大事なんじゃないのか? 299 00:17:42,995 --> 00:17:45,998 われらの邪魔だけはするな! 300 00:17:45,998 --> 00:17:48,000 あいつらより先に ぼっちゃんを見つけてやる! 301 00:17:48,000 --> 00:17:51,003 ああ 当然だ。 302 00:17:51,003 --> 00:17:54,006 お~い! (仁吉)小雨坊。 303 00:17:54,006 --> 00:17:57,009 (小雨坊) その男は お二人みたいに➡ 304 00:17:57,009 --> 00:18:01,013 こざっぱりした藍染めを着ていて にぎり飯をくれたので➡ 305 00:18:01,013 --> 00:18:03,015 すっかり信用してしまいました。 306 00:18:03,015 --> 00:18:06,018 もしかして 奉公人か。 (仁吉)違いない。 307 00:18:06,018 --> 00:18:08,020 なら 正五郎ぼっちゃんは➡ 308 00:18:08,020 --> 00:18:11,023 その男の顔を知ってる ということだな。 309 00:18:11,023 --> 00:18:14,026 となると やつは命を取るつもりだ! 310 00:18:14,026 --> 00:18:16,028 だったら 一太郎ぼっちゃんも危ない! 311 00:18:16,028 --> 00:18:18,030 急がないと! ⚟(化け狐)待て! 312 00:18:18,030 --> 00:18:21,033 (佐助・仁吉)あっ! (化け狐)絶対に逃がすな! 313 00:18:21,033 --> 00:18:23,002 (佐助・仁吉)あっ! 314 00:18:28,040 --> 00:18:30,042 (赤河童・蒼河童) キュウリ! キュウリ! 315 00:18:30,042 --> 00:18:31,978 あの男が悪人か! 316 00:18:31,978 --> 00:18:33,980 このまま走ったら 一太郎ぼっちゃんの熱が上がる。 317 00:18:33,980 --> 00:18:35,982 あの男を止めるぞ! 318 00:18:35,982 --> 00:18:44,991 ♬~ 319 00:18:44,991 --> 00:18:48,961 邪魔だ… どけぇー!! 320 00:18:52,999 --> 00:18:54,967 フンッ! 321 00:19:02,008 --> 00:19:05,678 (赤河童・蒼河童) キュウリ キュウリ…!➡ 322 00:19:05,678 --> 00:19:07,680 スイカも! キュウリ! スイカも! キュウリ! 323 00:19:07,680 --> 00:19:12,018 (泣き叫ぶ声) 324 00:19:12,018 --> 00:19:15,988 (佐助・仁吉)あっ…。 (足音) 325 00:19:27,033 --> 00:19:31,971 河童が持ってきた丸薬 ずいぶん効いたようだな。➡ 326 00:19:31,971 --> 00:19:34,974 結局 あの笠の男は 福山屋の手代で➡ 327 00:19:34,974 --> 00:19:36,976 正五郎ぼっちゃんの守役だった。➡ 328 00:19:36,976 --> 00:19:39,979 50両の使い込みがバレそうで➡ 329 00:19:39,979 --> 00:19:42,982 今回のかどわかしを 考えたんだそうだ。 330 00:19:42,982 --> 00:19:47,987 (佐助)河童も小雨坊も とんだやつに利用されたもんだ。 331 00:19:47,987 --> 00:19:49,989 なあ 佐助。➡ 332 00:19:49,989 --> 00:19:51,991 一太郎ぼっちゃんは 思ったとおり➡ 333 00:19:51,991 --> 00:19:53,993 あの方に似ておいでだな。 334 00:19:53,993 --> 00:19:57,997 ああ 無鉄砲なところは そっくりだ。➡ 335 00:19:57,997 --> 00:20:00,100 まだ5つなのに 助けに動くとは参った。➡ 336 00:20:00,100 --> 00:20:04,003 後先考えないところもある というか➡ 337 00:20:04,003 --> 00:20:07,006 つまり われらが必死にお助けしないと➡ 338 00:20:07,006 --> 00:20:10,009 あっさり100回くらい 亡くなりそうというか。 339 00:20:10,009 --> 00:20:16,015 あの方といるときも よく 心配事が降ってきたもんだ。 340 00:20:16,015 --> 00:20:18,017 やっと分かった。 341 00:20:18,017 --> 00:20:22,021 何で おぎんさまが われらをわざわざ 江戸へ➡ 342 00:20:22,021 --> 00:20:26,025 一太郎ぼっちゃんのそばへ よこされたのか。 343 00:20:26,025 --> 00:20:27,993 同感だ。 344 00:20:32,965 --> 00:20:36,969 おや あんたたち いつの間に仲良くなったんだい? 345 00:20:36,969 --> 00:20:39,972 なぁに もともと 仲は良かっただけさ。 346 00:20:39,972 --> 00:20:41,974 なっ そうだろう? 347 00:20:41,974 --> 00:20:43,976 われらは これから共に➡ 348 00:20:43,976 --> 00:20:46,979 ぼっちゃんの兄やとして やっていくんだ。 349 00:20:46,979 --> 00:20:48,981 そう 仲はいいのさ。 350 00:20:48,981 --> 00:20:51,984 へぇ… 知らなかった。 351 00:20:51,984 --> 00:20:54,987 ねえ 仁吉 佐助。 352 00:20:54,987 --> 00:20:56,989 もっと キュウリをあげたいんだけど。 353 00:20:56,989 --> 00:20:58,991 旦那さまから 金子を頂いていますから➡ 354 00:20:58,991 --> 00:21:00,993 たくさん買えますよ。 355 00:21:00,993 --> 00:21:03,996 お前たち 青物の振り売りがいたら➡ 356 00:21:03,996 --> 00:21:05,998 呼び止めておくれ。 (蒼河童)あっ うれしや! 357 00:21:05,998 --> 00:21:08,000 (鳴家たち)きゅわ~。 (屏風のぞき)これ!➡ 358 00:21:08,000 --> 00:21:10,002 その格好で行くもんかね。 (蒼河童)ああ…。 359 00:21:10,002 --> 00:21:13,973 (一同)ハハハハ…。 360 00:21:16,008 --> 00:21:20,012 (仁吉)われらの主人は 間違いなく 若だんなだ。➡ 361 00:21:20,012 --> 00:21:22,014 今も これからも。 362 00:21:22,014 --> 00:21:24,016 ああ そうだな。 363 00:21:24,016 --> 00:21:28,020 われらが これからも しっかりお守りしていかねば。 364 00:21:28,020 --> 00:21:32,958 当面の心配は 例の大工殺しの件だが…。 365 00:21:32,958 --> 00:21:35,961 とにかく 若だんなを 外に出さずにおけば➡ 366 00:21:35,961 --> 00:21:39,965 ひとまず安心だろう。 367 00:21:39,965 --> 00:21:42,968 (野寺坊)近頃 この店に 大工道具を売りに来た男が➡ 368 00:21:42,968 --> 00:21:45,971 いなかったかい? (店主)はて➡ 369 00:21:45,971 --> 00:21:48,941 大工道具とは どのようなもので? 370 00:21:54,980 --> 00:22:04,957 ♬~