1 00:00:34,968 --> 00:00:39,139 (仁吉)おはようございます 若だんな。 2 00:00:39,139 --> 00:00:41,341 (一太郎)おはよう。 3 00:00:48,649 --> 00:00:51,318 昨日 改めて思ったよ。 4 00:00:51,318 --> 00:00:54,988 仁吉と佐助は本当に息がピッタリだね。 5 00:00:54,988 --> 00:00:56,990 (佐助/仁吉)あっ? 6 00:00:58,992 --> 00:01:03,497 (佐助)息がピッタリって なんのことだい? さぁ? 7 00:01:03,497 --> 00:01:06,500 (おくま)昨日 升田屋さんたら➨ 8 00:01:06,500 --> 00:01:08,669 娘さんを 若だんなのお嫁さんにって➨ 9 00:01:08,669 --> 00:01:10,671 ずいぶん売り込んでいたそうだね。 10 00:01:10,671 --> 00:01:12,673 (2人)あそこの嫁はダメだ! 11 00:01:12,673 --> 00:01:16,510 (おくま)おやまあ 息ピッタリだこと。 (2人)あっ…。 12 00:01:16,510 --> 00:01:19,680 (おくま)ここへ来た頃は よく張り合ってたのにさ。 13 00:01:19,680 --> 00:01:22,349 あの時分は まだ子どもでしたからね。 14 00:01:22,349 --> 00:01:25,852 よく おくまさんに叱られたなぁ。 そうかい? 15 00:01:25,852 --> 00:01:29,356 年のわりには こまっしゃくれた 子だって思ってたけどね。 16 00:01:29,356 --> 00:01:32,359 (2人)んっ… んんっ。 17 00:01:35,128 --> 00:01:37,130 ((あぁ…。 18 00:01:37,130 --> 00:01:41,335 佐助でございます。 仁吉でございます)) 19 00:03:23,670 --> 00:03:27,174 ((ここかえ。 ずいぶんと大きな店だねぇ。 20 00:03:27,174 --> 00:03:30,677 さすが 江戸で 五本の指に入るだけある。 21 00:03:30,677 --> 00:03:33,113 《なんで コイツが相棒なんだ。 22 00:03:33,113 --> 00:03:36,283 神獣・白沢だかなんだか知らんが➨ 23 00:03:36,283 --> 00:03:39,286 俺を犬神程度と バカにしていやがる気がする。 24 00:03:39,286 --> 00:03:41,288 気に食わん》 25 00:03:41,288 --> 00:03:45,292 《こんな粗暴な犬神に 子守ができるのだろうか? 26 00:03:45,292 --> 00:03:47,961 なんで縁も薄いコイツと一緒に➨ 27 00:03:47,961 --> 00:03:50,464 ぼっちゃんの子守を しなければならんのか。 28 00:03:50,464 --> 00:03:52,466 気に食わん》 29 00:03:52,466 --> 00:03:55,302 行くぞ。 30 00:03:55,302 --> 00:03:57,471 (伊三郎)よく来たね。 31 00:03:57,471 --> 00:04:02,309 仁吉とは久しぶりだ。 薬を届けてくれて助かったよ。 32 00:04:02,309 --> 00:04:04,311 はい。 そちらが➨ 33 00:04:04,311 --> 00:04:06,646 犬神の佐助だね。 はい。 34 00:04:06,646 --> 00:04:10,550 早速 一太郎を紹介しようね。 35 00:04:12,819 --> 00:04:16,823 ねぇ 佐助と仁吉は なんていう妖なの? 36 00:04:16,823 --> 00:04:18,825 犬神と申します。 37 00:04:18,825 --> 00:04:20,827 白沢と申します。 38 00:04:20,827 --> 00:04:26,666 いぬがみ… はくた… く。 39 00:04:26,666 --> 00:04:29,669 眠ってしまったようだ。 40 00:04:29,669 --> 00:04:32,172 (屏風のぞき)伊三郎旦那。 んっ。 41 00:04:32,172 --> 00:04:34,107 (屏風のぞき)妖をわざわざ➨ 42 00:04:34,107 --> 00:04:36,776 ぼっちゃんに引き合わせるとは 珍しいね。 43 00:04:36,776 --> 00:04:43,116 そのガキたち 遊び相手にするため おぎん様がよこしたのかい? 44 00:04:43,116 --> 00:04:46,953 最近この辺りで 物騒なうわさを聞くからね。 45 00:04:46,953 --> 00:04:49,289 へぇ…。 でも旦那➨ 46 00:04:49,289 --> 00:04:51,958 この子ども2人 役に立つのかね。 47 00:04:51,958 --> 00:04:53,960 んっ…。 あっ。 48 00:04:53,960 --> 00:04:57,297 いっ! も ものすごくいてぇ。 49 00:04:57,297 --> 00:04:59,633 ケンカなどしないでおくれ。 50 00:04:59,633 --> 00:05:03,303 この家には妖たちが 結構 住み着いているんだ。 51 00:05:03,303 --> 00:05:06,807 よそから 人ならぬ者が来たりもするしね。 52 00:05:06,807 --> 00:05:08,975 申し訳ありません。 53 00:05:08,975 --> 00:05:12,145 ぼっちゃんが起きてしまいますね。 畜生…。 54 00:05:12,145 --> 00:05:14,815 昔からこの家にいる アタシを殴ったね。 55 00:05:14,815 --> 00:05:17,150 謝るまで許してやらねえぞ。 56 00:05:17,150 --> 00:05:19,152 (鳴家たち)きゃぺ~ きゃわきゃわ…。 57 00:05:19,152 --> 00:05:23,323 小鬼たちは一太郎の友だから 好きにさせておきなさい。 58 00:05:23,323 --> 00:05:25,659 おもちゃの代わりってことですか。 59 00:05:25,659 --> 00:05:28,328 とにかく ぼっちゃんが ご無事であればいい。 60 00:05:28,328 --> 00:05:30,664 そうでございますね。 61 00:05:30,664 --> 00:05:33,433 妖のことを承知している私が➨ 62 00:05:33,433 --> 00:05:36,436 なるだけ そばにいるようにしている。 63 00:05:36,436 --> 00:05:39,606 離れで寝起きもしているんだが…。 64 00:05:39,606 --> 00:05:42,943 いつまでも そうできるかわからない。 65 00:05:42,943 --> 00:05:45,612 頼りにしているよ。 66 00:05:45,612 --> 00:05:48,782 お任せください。 この佐助が➨ 67 00:05:48,782 --> 00:05:53,286 江戸に住まう他の妖たちなど 蹴散らしてご覧に入れます。 68 00:05:53,286 --> 00:05:55,288 この仁吉がいれば➨ 69 00:05:55,288 --> 00:05:59,626 どの妖らと合戦になっても まず負けません。 ご安心を。 70 00:05:59,626 --> 00:06:04,965 フフフ… ここで暮らすのに 必要なことや わからないことは➨ 71 00:06:04,965 --> 00:06:08,468 化け狐に聞いてみたらいい。 ああ それと➨ 72 00:06:08,468 --> 00:06:11,471 これは 一太郎の小遣いだ。 73 00:06:11,471 --> 00:06:13,974 欲しがる物を買ってやっておくれ。 74 00:06:13,974 --> 00:06:15,976 足りなくなったら また足すから。 75 00:06:15,976 --> 00:06:17,978 (2人)承知しました。 76 00:06:17,978 --> 00:06:22,649 さて 店の者に紹介しようね。 77 00:06:22,649 --> 00:06:33,260 ♬~ 78 00:06:33,260 --> 00:06:35,262 じゃあ早速➨ 79 00:06:35,262 --> 00:06:38,265 一太郎の面倒を見てやっておくれ。 (2人)はい。 80 00:06:41,268 --> 00:06:43,270 (2人)あっ? 81 00:06:43,270 --> 00:06:47,107 はて… 厠へでも行ったのか? 82 00:06:47,107 --> 00:06:50,443 あっ! 83 00:06:50,443 --> 00:06:53,446 いないぞ。 まさか あの阿呆➨ 84 00:06:53,446 --> 00:06:55,949 ぼっちゃんを外へ 連れ出したんじゃなかろうな。 85 00:06:55,949 --> 00:06:58,451 んっ! きゅんぴ~ きゅわきゅわ…。 86 00:06:58,451 --> 00:07:02,789 ぼっちゃんはどこへ行った! ぎゅわ~ 怖い 知らない! 87 00:07:02,789 --> 00:07:05,625 屏風のぞきがいないのは どうしてだ! ぎゅわ~。 88 00:07:05,625 --> 00:07:08,962 まずいや。 ぼっちゃんが消えちまった! 89 00:07:08,962 --> 00:07:10,964 きゅわ! 何があった? 90 00:07:10,964 --> 00:07:14,467 アンタらじゃ役に立たん! どいとくれ! はぁ!? 91 00:07:14,467 --> 00:07:16,803 化け狐たちに知らせ…。 フンッ。 92 00:07:16,803 --> 00:07:18,805 ぎょえ~! 93 00:07:18,805 --> 00:07:22,642 我らは ぼっちゃんの守役ぞ! 説明しろ! 94 00:07:22,642 --> 00:07:26,313 ぼっちゃんが目を覚ましたとき…。 95 00:07:26,313 --> 00:07:30,317 塀の外から 何やら声が聞こえたんだ。 96 00:07:32,319 --> 00:07:34,254 なんだか生臭い においもしたから➨ 97 00:07:34,254 --> 00:07:36,256 魚屋が来たかと思ったら…。 ((あっ…)) 98 00:07:38,258 --> 00:07:42,095 しゃぼんの玉に釣られて 裏木戸のほうへ行って…。 99 00:07:42,095 --> 00:07:44,431 しゃぼんが欲しいのかと思って➨ 100 00:07:44,431 --> 00:07:46,599 小遣いを持っている アンタらを呼ぼうと➨ 101 00:07:46,599 --> 00:07:48,935 捜している間に ぼっちゃんが…。 102 00:07:48,935 --> 00:07:51,438 しゃぼん売りを追いかけて 出ていったのか? 103 00:07:51,438 --> 00:07:56,109 それがねぇ 不思議なんだ。 ぼっちゃん しゃぼんは好きだよ。 104 00:07:56,109 --> 00:08:00,613 でもさ 今まで勝手に表へ 出たことなんかなかったんだ。 105 00:08:00,613 --> 00:08:02,615 だから… あっ。 106 00:08:02,615 --> 00:08:05,452 アンタたち しゃぼん売りが どっちへ向かってたのか➨ 107 00:08:05,452 --> 00:08:08,288 わかってるのかい? 問う前に行き先を示せ! 108 00:08:08,288 --> 00:08:11,291 堀川沿いにある細い道の方向だよ。 109 00:08:11,291 --> 00:08:15,128 川か。 子どもには危ない通りだな。 110 00:08:15,128 --> 00:08:17,130 狐たちにも知らせろ! 111 00:08:17,130 --> 00:08:20,333 だから今 そうしようと してたんじゃないか…。 112 00:08:22,302 --> 00:08:26,306 とにかく 一太郎ぼっちゃんが 無事ならそれでいい。 ああ。 113 00:08:30,810 --> 00:08:32,812 いらっしゃいまし。 114 00:08:35,415 --> 00:08:37,751 これでもう3往復目だ。 115 00:08:37,751 --> 00:08:41,421 どうにも妙だな。 ぼっちゃんを捜しにゆくまで➨ 116 00:08:41,421 --> 00:08:43,590 そんな長くかかったわけじゃない。 117 00:08:43,590 --> 00:08:47,927 なのに なんで しゃぼん売りの 姿さえ見つからない。 んっ? 118 00:08:47,927 --> 00:08:49,929 なんとも怪しい話だ。 119 00:08:49,929 --> 00:08:54,100 つまり しゃぼん売りは 妖だったのではないか。 120 00:08:54,100 --> 00:08:57,103 わざと長崎屋の近くで しゃぼんを飛ばして➨ 121 00:08:57,103 --> 00:08:59,606 ぼっちゃんを 誘い出したのかもしれない。 122 00:08:59,606 --> 00:09:03,109 仁吉さん しゃぼん売りが消えたとなれば➨ 123 00:09:03,109 --> 00:09:06,613 その男が大いに怪しいのは 異論のないところだがね。 124 00:09:06,613 --> 00:09:10,617 だがいきなり ソイツが妖だと思うのは…。 んっ? 125 00:09:10,617 --> 00:09:13,453 この辺りで 物騒なうわさがあると➨ 126 00:09:13,453 --> 00:09:15,955 旦那様から 聞いたばかりじゃないか。 127 00:09:15,955 --> 00:09:18,958 怪しいヤツらが ぼっちゃんをさらうと決め➨ 128 00:09:18,958 --> 00:09:21,127 木戸を 見張っていたのかもしれない。 129 00:09:21,127 --> 00:09:24,297 ならばここで分かれて それぞれ捜そう。 130 00:09:24,297 --> 00:09:28,134 お互い見てくれとは違い もう子どもではないんだ。 131 00:09:28,134 --> 00:09:31,638 ああ。 そのほうがよさそうだ。 132 00:09:31,638 --> 00:09:34,240 《やっぱり》 《気に食わん》 133 00:09:34,240 --> 00:09:37,243 (化け狐)おい お前ら! 化け狐か。 134 00:09:37,243 --> 00:09:40,947 ぼっちゃんを見かけたという 知らせがあった。 一度帰れ! 135 00:09:55,261 --> 00:09:57,597 (化け狐)あちこち 聞き回ったところ➨ 136 00:09:57,597 --> 00:10:00,600 2人の子どもを 見たという者がおりました。 137 00:10:00,600 --> 00:10:03,603 一人は 背中にうさぎの背守りが 縫い取りされた➨ 138 00:10:03,603 --> 00:10:05,605 若葉色の着物を。 139 00:10:05,605 --> 00:10:09,442 あぁ 一太郎だ 無事だったんだね。 140 00:10:09,442 --> 00:10:12,612 もう一人は 背に福の字の縫い取りがある➨ 141 00:10:12,612 --> 00:10:15,949 薄い瓶覗き色の着物を 着ているそうです。 142 00:10:15,949 --> 00:10:19,786 その子はどこの子かね…。 ⚟失礼します。 あっ。 143 00:10:19,786 --> 00:10:23,456 旦那様 お連れしました。 きゅわきゅわ…。 144 00:10:23,456 --> 00:10:25,959 (清七)失礼いたしやす。 145 00:10:25,959 --> 00:10:29,129 たしか下っぴきの 清七さんだったね。 146 00:10:29,129 --> 00:10:32,298 お呼び立てして すまないね。 いえ。 147 00:10:32,298 --> 00:10:34,467 それで どんな御用向きでしょう? 148 00:10:34,467 --> 00:10:38,638 実はね うちの一太郎が いなくなってね。 えぇ!? 149 00:10:38,638 --> 00:10:41,641 奉公人が手分けして 捜していたところ➨ 150 00:10:41,641 --> 00:10:45,812 街なかで2人の子どもを見かけた という話を聞いたんだよ。 151 00:10:45,812 --> 00:10:48,314 一人はうちの 一太郎だったんだが➨ 152 00:10:48,314 --> 00:10:50,650 もう一人は 背中に福の字の➨ 153 00:10:50,650 --> 00:10:53,319 縫い取りがある 着物を着ていたという。 154 00:10:53,319 --> 00:10:56,823 心当たりがあるかい? なんてこった…。 155 00:10:56,823 --> 00:10:59,659 そのお子は 10日前からいなくなってる➨ 156 00:10:59,659 --> 00:11:01,828 福山屋の正五郎ぼっちゃんですよ。 157 00:11:01,828 --> 00:11:03,830 10日も前から…。 158 00:11:03,830 --> 00:11:05,832 子どもを返してほしかったら➨ 159 00:11:05,832 --> 00:11:08,501 50両よこせという 文が届きましてね。 160 00:11:08,501 --> 00:11:12,839 ちゃんと金を渡す気で 旦那さんが出かけたんです。 161 00:11:12,839 --> 00:11:15,675 けれど 相手が現れなかったんで。 162 00:11:15,675 --> 00:11:19,512 俺たちも旦那の後を つけていたんですがね。 163 00:11:19,512 --> 00:11:24,017 しくじったと大騒ぎになったあと 店の金を確かめたら➨ 164 00:11:24,017 --> 00:11:27,020 50両 無くなったって いうじゃありませんか。 165 00:11:27,020 --> 00:11:31,024 けど 正五郎ぼっちゃんは 帰ってこなかったんでさぁ。 166 00:11:31,024 --> 00:11:34,961 福山屋は上のぼっちゃんを2人 はしかで亡くしてます。 167 00:11:34,961 --> 00:11:36,963 残った正五郎ぼっちゃんを➨ 168 00:11:36,963 --> 00:11:39,465 岡っ引きのまぬけのせいで 失ったりしたら➨ 169 00:11:39,465 --> 00:11:41,968 俺たちは ただじゃ済まないんで。 170 00:11:41,968 --> 00:11:45,805 かどわかしの話 なんで近所に 伝えなかったんだい? 171 00:11:45,805 --> 00:11:49,475 せめて子どもがいる店には 教えてもよかっただろうに。 172 00:11:49,475 --> 00:11:51,811 勘弁してくだせぇ。 173 00:11:51,811 --> 00:11:54,814 まだ正五郎ぼっちゃんが 店に戻ってませんので➨ 174 00:11:54,814 --> 00:11:57,317 うっかりしたことは 言えなかったんです。 175 00:11:57,317 --> 00:12:03,323 同心の旦那と すぐに話をしなくては。 176 00:12:03,323 --> 00:12:05,491 (伊三郎)清七さん お願いしますよ。 177 00:12:05,491 --> 00:12:07,493 (清七)へい。 178 00:12:07,493 --> 00:12:10,330 やはり ぼっちゃんに 手を出したのは人だったな。 179 00:12:10,330 --> 00:12:14,167 ならば我ら妖が 目に物を見せてくれようさ。 180 00:12:14,167 --> 00:12:16,836 正五郎ぼっちゃんを さらったヤツらは➨ 181 00:12:16,836 --> 00:12:20,006 もう10日も家に 帰しもしないし 殺してもいない。 182 00:12:20,006 --> 00:12:24,010 そんな不思議なことをするのは ヤツらが妖だからではないか? 183 00:12:24,010 --> 00:12:26,846 いいや見当違いだ。 人さらいは 「人」だよ。 184 00:12:26,846 --> 00:12:29,182 違う。 人さらいは 「妖」だろう。 185 00:12:29,182 --> 00:12:31,851 (2人)んんっ…! (化け狐)争っている場合か! 186 00:12:31,851 --> 00:12:34,621 (2人)あっ。 相手が人だろうが妖だろうが➨ 187 00:12:34,621 --> 00:12:37,457 我ら化け狐が ぼっちゃんを取り戻す。 188 00:12:37,457 --> 00:12:39,459 それは我ら守役の仕事! 189 00:12:39,459 --> 00:12:41,961 2人はどうやって ぼっちゃんを取り返すのか? 190 00:12:41,961 --> 00:12:44,631 まだなんの考えも 浮かんでおらぬだろう? 191 00:12:44,631 --> 00:12:47,300 おまけに今日 長崎屋へ来たばかり。 192 00:12:47,300 --> 00:12:49,802 この辺りの土地にも 詳しくないはずだ。 193 00:12:49,802 --> 00:12:51,804 はっきり言うぞ。 194 00:12:51,804 --> 00:12:55,808 誰がぼっちゃんを救うのか そこを気にする輩なぞ邪魔だ。 195 00:12:55,808 --> 00:13:04,317 ♬~ 196 00:13:04,317 --> 00:13:06,986 おわっ! んっ! (2人)ううっ…。 197 00:13:06,986 --> 00:13:08,988 (2人)うわぁ! 198 00:13:08,988 --> 00:13:10,990 フン。 199 00:13:10,990 --> 00:13:12,992 (2人)うわぁ~! 200 00:13:15,495 --> 00:13:18,665 《畜生! 化け狐め!》 201 00:13:18,665 --> 00:13:20,833 プハッ! 202 00:13:20,833 --> 00:13:23,002 《クソッ この体じゃ…》 203 00:13:23,002 --> 00:13:25,004 おおっ! 204 00:13:25,004 --> 00:13:27,006 あっ… あっ? 205 00:13:27,006 --> 00:13:29,676 んっ…。 206 00:13:29,676 --> 00:13:32,178 なんと河童か! 207 00:13:35,281 --> 00:13:37,617 ありがとう。 助かった。 208 00:13:37,617 --> 00:13:40,787 (赤河童)アンタたち さっき 行ったり来たりしてたよな。 209 00:13:40,787 --> 00:13:43,790 捜してるのは うさぎの ぼっちゃんか? (2人)あっ。 210 00:13:43,790 --> 00:13:46,292 福のぼっちゃんか? うさぎのほうだ。 211 00:13:46,292 --> 00:13:49,128 じゃあ福の子を 助けにきたほうの子だな。 212 00:13:49,128 --> 00:13:52,632 はっ? うちのぼっちゃんが 正五郎ぼっちゃんを助けたのか? 213 00:13:52,632 --> 00:13:54,967 その話 聞かせてくれ。 214 00:13:54,967 --> 00:13:57,136 では互いに助け合おう。 215 00:13:57,136 --> 00:14:00,306 わかった。 礼をすればいいのか。 うん。 216 00:14:00,306 --> 00:14:02,308 我ら河童は頼まれて➨ 217 00:14:02,308 --> 00:14:04,811 正五郎という子を 預かっていたのだ。 218 00:14:04,811 --> 00:14:08,314 知り人に見つかると 危ないというのでな。 219 00:14:08,314 --> 00:14:12,318 ここから ちょっと離れた街で しゃぼん売りに化けて稼ぎつつ➨ 220 00:14:12,318 --> 00:14:16,155 街なかを連れ回し 子どもの守をしていたわけだ。 221 00:14:16,155 --> 00:14:20,159 やっぱり妖が人さらいに 絡んでいたか。 ケッ。 222 00:14:20,159 --> 00:14:22,829 子どもが危ないってのは どういうことだい? 223 00:14:22,829 --> 00:14:25,665 (蒼河童)何でも 両親が悪霊に取りつかれて➨ 224 00:14:25,665 --> 00:14:28,668 八尺を超える 大化け物になっちまって➨ 225 00:14:28,668 --> 00:14:30,670 我が子を食いかねないとか。 226 00:14:30,670 --> 00:14:34,774 兄弟が はやり病にかかったとか まま母がいじめるとか。 227 00:14:34,774 --> 00:14:38,444 夜には猫ほどもある ネズミにかじられるとかで。 228 00:14:38,444 --> 00:14:41,114 家にはしばらく 帰さないでくれと言われた。 うん。 229 00:14:41,114 --> 00:14:43,616 誰がそんなことを言ったんだ。 230 00:14:43,616 --> 00:14:45,618 正五郎ぼっちゃんは 一人っ子のはずで➨ 231 00:14:45,618 --> 00:14:48,955 まま母もいないが。 確かな話なのだぞ! 232 00:14:48,955 --> 00:14:53,292 雨の夜 物乞いに歩く妖 小雨坊が➨ 233 00:14:53,292 --> 00:14:58,631 正五郎の知り合いという男に 握り飯をもらって頼まれたのだ。 234 00:14:58,631 --> 00:15:02,135 そういえば その男の名は聞いておらんな。 235 00:15:02,135 --> 00:15:07,473 それで 小雨坊は野寺坊に 野寺坊は獺に➨ 236 00:15:07,473 --> 00:15:10,143 獺が我らに頼んできたのだ。 237 00:15:10,143 --> 00:15:12,478 河童は立派だからな~。 238 00:15:12,478 --> 00:15:15,648 人助けだと思い 子を預かることにしたのだ。 239 00:15:15,648 --> 00:15:18,818 キュウリ5本と スイカ1つで。 240 00:15:18,818 --> 00:15:21,654 誰かが礼をくれると言ったんだな。 241 00:15:21,654 --> 00:15:24,824 やはり人が 悪事に関わっていたのか。 242 00:15:24,824 --> 00:15:27,493 それで 子どもたちは どこにいるんだ? 243 00:15:27,493 --> 00:15:31,164 それがな ここにはいないのだ。 (2人)えっ。 244 00:15:31,164 --> 00:15:35,601 河童に子を預けた者は それっきり何も知らせてこない。 245 00:15:35,601 --> 00:15:37,937 約束の品もまだくれぬ。 246 00:15:37,937 --> 00:15:43,442 何か障りでもあったのかと 我らは確かめることにした。 247 00:15:43,442 --> 00:15:46,279 しゃぼんを売りつつ 正五郎を連れて➨ 248 00:15:46,279 --> 00:15:49,115 家のある通町へ戻ってみたのだ。 249 00:15:49,115 --> 00:15:52,452 すると とんでもないことが起きた。 250 00:15:52,452 --> 00:15:56,122 長どすを持った笠の男に 襲われたのだ。 251 00:15:56,122 --> 00:15:59,125 ((怪しげな者へ わざわざ預けたのに➨ 252 00:15:59,125 --> 00:16:02,128 子どもはまだ生きていたのか)) 253 00:16:02,128 --> 00:16:04,964 (蒼河童)襲われたときは 本当に怖かった。 254 00:16:04,964 --> 00:16:08,134 斬られそうになった… けど…。 255 00:16:08,134 --> 00:16:11,471 ((お~い! んっ!)) 256 00:16:11,471 --> 00:16:13,472 (蒼河童)大きな声を上げて➨ 257 00:16:13,472 --> 00:16:15,975 男の目を そらしてくれた者がいてな。 258 00:16:15,975 --> 00:16:20,480 ((正五郎:うわぁ! ガキが…。 259 00:16:20,480 --> 00:16:23,149 あっ!)) 260 00:16:23,149 --> 00:16:25,151 かわいそうに…。 261 00:16:25,151 --> 00:16:28,154 今寝込んで せきをしておる。 (2人)何っ! 262 00:16:28,154 --> 00:16:31,490 (赤河童)だが我らの薬は 人には強すぎる。 263 00:16:31,490 --> 00:16:35,795 今 お前たちを助けてやったお礼に 人の薬をくれまいか? 264 00:16:37,763 --> 00:16:39,765 これが熱に効く薬だ。 265 00:16:39,765 --> 00:16:42,768 けど 勝手に飲ませちゃダメなんだ。 266 00:16:42,768 --> 00:16:44,937 その子の所へ連れていってくれ。 267 00:16:44,937 --> 00:16:48,441 どれだけ飲ませたらよいか 我らならわかる。 268 00:16:48,441 --> 00:16:53,045 確かにそうだな。 頭がいいぞ。 では ついてきてくれ。 269 00:17:00,620 --> 00:17:02,622 ぼっちゃんはどこだ? 270 00:17:04,624 --> 00:17:06,792 あの… ぼっちゃんは➨ 271 00:17:06,792 --> 00:17:10,296 そこの木箱の上で 横になってたはずなんだが。 272 00:17:10,296 --> 00:17:13,466 幼い子を ここに残していったのか? 273 00:17:13,466 --> 00:17:16,302 怖い男に命を狙われたあとに? 274 00:17:16,302 --> 00:17:18,304 だ だって…。 275 00:17:18,304 --> 00:17:20,973 お礼の キュウリとスイカを まだもらっていなかったから…。 276 00:17:20,973 --> 00:17:23,976 子がいなければ 薬を受け取っても無駄だな。 277 00:17:23,976 --> 00:17:26,646 あっ そうだ 代わりにオヌシら➨ 278 00:17:26,646 --> 00:17:29,649 我らのキュウリがどうなったか 調べてくれぬだろうか? 279 00:17:29,649 --> 00:17:32,151 いなくなった ぼっちゃんを 助けるより➨ 280 00:17:32,151 --> 00:17:34,086 キュウリが大事だってぇのか。 281 00:17:34,086 --> 00:17:36,422 (蒼河童)ぐわっ! (赤河童)ぎぇ! すごくいてぇ…。 282 00:17:36,422 --> 00:17:40,259 どこへ行ったか見当はないのか? う~ん…。 283 00:17:40,259 --> 00:17:44,263 正五郎ぼっちゃんは 家に帰りたがっていたなぁ。 284 00:17:44,263 --> 00:17:47,266 なら2人は 福山屋に向かっている? 285 00:17:50,937 --> 00:17:53,773 (2人)あっ。 286 00:17:53,773 --> 00:17:56,442 お前たち まだウロチョロと。 287 00:17:56,442 --> 00:17:58,778 今はそんなこと 言ってる場合じゃないんだろ。 288 00:17:58,778 --> 00:18:01,280 ぼっちゃんを捜すことが 大事なんじゃないのか? 289 00:18:01,280 --> 00:18:03,449 我らの邪魔だけはするな! 290 00:18:03,449 --> 00:18:06,452 アイツらより先に ぼっちゃんを見つけてやる。 291 00:18:06,452 --> 00:18:08,454 ああ 当然だ。 292 00:18:08,454 --> 00:18:10,456 お~い! 293 00:18:10,456 --> 00:18:12,458 小雨坊! 294 00:18:12,458 --> 00:18:15,461 (小雨坊)その男は お二人みたいに➨ 295 00:18:15,461 --> 00:18:17,630 こざっぱりした 藍染めを着ていて➨ 296 00:18:17,630 --> 00:18:21,467 握り飯をくれたので すっかり信用してしまいました。 297 00:18:21,467 --> 00:18:24,804 もしかして奉公人か。 違いない。 298 00:18:24,804 --> 00:18:26,806 なら正五郎ぼっちゃんは➨ 299 00:18:26,806 --> 00:18:29,475 その男の顔を 知ってるということだな。 300 00:18:29,475 --> 00:18:31,978 となると ヤツは命を取るつもりだ。 301 00:18:31,978 --> 00:18:34,413 だったら 一太郎ぼっちゃんも危ない。 302 00:18:34,413 --> 00:18:36,916 急がないと。 (化け狐)待て! (2人)あっ。 303 00:18:36,916 --> 00:18:38,918 (化け狐)絶対に逃がすな! 304 00:18:38,918 --> 00:18:40,920 (2人)あっ! 305 00:18:45,424 --> 00:18:47,927 (河童たち)キュウリ! キュウリ! 306 00:18:47,927 --> 00:18:49,929 あの男が悪人か! 307 00:18:49,929 --> 00:18:52,598 このまま走ったら 一太郎ぼっちゃんの熱が上がる。 308 00:18:52,598 --> 00:18:54,600 あの男を止めるぞ! 309 00:18:57,436 --> 00:18:59,438 (2人)ハッ! 310 00:19:02,441 --> 00:19:06,112 邪魔だ どけぇ~! 311 00:19:06,112 --> 00:19:08,114 んっ…。 おわっ。 312 00:19:08,114 --> 00:19:11,117 うっ… あぁ…! 313 00:19:11,117 --> 00:19:13,119 フン! ぐわぁ…。 314 00:19:13,119 --> 00:19:15,121 うぅっ! 315 00:19:19,291 --> 00:19:21,293 プハッ! キュウリ! キュウリ! 316 00:19:21,293 --> 00:19:23,295 キュウリ…。 キュウリ…。 ひぃっ。 317 00:19:23,295 --> 00:19:25,464 スイカも! スイカも! 318 00:19:25,464 --> 00:19:27,967 (泣き声) 319 00:19:27,967 --> 00:19:29,969 あっ…。 (泣き声) 320 00:19:29,969 --> 00:19:31,971 (2人)あっ…。 321 00:19:34,240 --> 00:19:37,543 うむ…。 (2人)うん…。 322 00:19:42,081 --> 00:19:44,083 フフッ。 323 00:19:46,085 --> 00:19:49,588 河童が持ってきた丸薬 ずいぶん効いたようだな。 324 00:19:49,588 --> 00:19:51,924 結局 あの笠の男は➨ 325 00:19:51,924 --> 00:19:55,428 福山屋の手代で 正五郎ぼっちゃんの守役だった。 326 00:19:55,428 --> 00:19:58,097 50両の使い込みが バレそうで➨ 327 00:19:58,097 --> 00:20:00,766 今回のかどわかしを 考えたんだそうだ。 328 00:20:00,766 --> 00:20:05,104 河童も小雨坊も とんだヤツに利用されたもんだ。 329 00:20:05,104 --> 00:20:07,440 なぁ 佐助。 330 00:20:07,440 --> 00:20:12,278 一太郎ぼっちゃんは思ったとおり あの方に似ておいでだな。 331 00:20:12,278 --> 00:20:15,448 ああ 無鉄砲なところは そっくりだ。 332 00:20:15,448 --> 00:20:18,951 まだ5つなのに 助けに動くとは まいった。 333 00:20:18,951 --> 00:20:21,954 後先考えないところも あるというか。 334 00:20:21,954 --> 00:20:25,124 つまり我らが 必死にお助けしないと➨ 335 00:20:25,124 --> 00:20:28,127 あっさり100回ぐらい 亡くなりそうというか。 336 00:20:28,127 --> 00:20:33,299 あの方といるときも よく心配事が降ってきたもんだ。 337 00:20:33,299 --> 00:20:35,634 やっとわかった。 338 00:20:35,634 --> 00:20:39,638 なんで おぎん様が 我らをわざわざ江戸へ➨ 339 00:20:39,638 --> 00:20:42,975 一太郎ぼっちゃんのそばへ よこされたのか…。 340 00:20:42,975 --> 00:20:44,977 フッ…。 341 00:20:44,977 --> 00:20:47,313 同感だ。 342 00:20:47,313 --> 00:20:49,315 フッ…。 343 00:20:49,315 --> 00:20:51,317 フッ…。 344 00:20:51,317 --> 00:20:55,321 おや アンタたち いつの間に仲よくなったんだい? 345 00:20:55,321 --> 00:20:58,491 なぁに もともと仲はよかっただけさ。 346 00:20:58,491 --> 00:21:02,161 なっ そうだろう? 我らは これから共に➨ 347 00:21:02,161 --> 00:21:04,497 ぼっちゃんの兄やとして やっていくんだ。 348 00:21:04,497 --> 00:21:06,665 そう 仲はいいのさ。 349 00:21:06,665 --> 00:21:09,668 へぇ 知らなかった。 350 00:21:09,668 --> 00:21:12,505 ねぇ 仁吉 佐助。 (2人)あっ。 351 00:21:12,505 --> 00:21:15,007 もっと キュウリをあげたいんだけど? 352 00:21:15,007 --> 00:21:17,676 旦那様から 金子を頂いていますから➨ 353 00:21:17,676 --> 00:21:20,179 たくさん買えますよ。 お前たち➨ 354 00:21:20,179 --> 00:21:23,015 青物の振り売りがいたら 呼び止めておくれ。 355 00:21:23,015 --> 00:21:25,017 あっ うれしや! 356 00:21:25,017 --> 00:21:27,186 (屏風のぞき)これ! その格好で行くもんかね。 357 00:21:27,186 --> 00:21:29,188 あっ!)) 358 00:21:29,188 --> 00:21:32,591 (笑い声) 359 00:21:34,460 --> 00:21:37,963 我らの主人は 間違いなく若だんなだ。 360 00:21:37,963 --> 00:21:42,301 今も これからも。 ああ そうだな。 361 00:21:42,301 --> 00:21:46,472 我らがこれからも しっかりお守りしていかねば。 362 00:21:46,472 --> 00:21:50,643 当面の心配は 例の大工殺しの件だが…。 363 00:21:50,643 --> 00:21:53,813 とにかく 若だんなを 外に出さずにおけば➨ 364 00:21:53,813 --> 00:21:56,115 ひとまず安心だろう。 365 00:21:58,150 --> 00:22:00,152 (野寺坊)近頃 この店に➨ 366 00:22:00,152 --> 00:22:02,822 大工道具を売りに来た 男がいなかったかい? 367 00:22:02,822 --> 00:22:05,991 (店主)はて 大工道具とは どのような物で? 368 00:22:05,991 --> 00:22:12,598 ♬~