1 00:01:45,539 --> 00:01:47,541 (ノック) 2 00:01:52,379 --> 00:01:54,381 (アリス)何か ご用でしょうか? 3 00:01:54,381 --> 00:01:57,050 (リズ)突然 失礼します。 4 00:01:57,050 --> 00:01:59,720 急な雷雨に襲われて…。 5 00:01:59,720 --> 00:02:02,923 どうか 中で 休ませてはいただけませんか? 6 00:02:05,492 --> 00:02:07,494 んっ? 7 00:02:10,330 --> 00:02:14,167 私は リズと申します。 こんな広い屋敷に➡ 8 00:02:14,167 --> 00:02:17,504 使用人は あなたしか いらっしゃらないのですか? 9 00:02:17,504 --> 00:02:22,342 もう1人 執事がおります。 ただ 深い事情がありまして…。 10 00:02:22,342 --> 00:02:25,545 屋敷のあるじを ご紹介してから お話しいたします。 11 00:02:27,514 --> 00:02:29,516 ふ~ん。 フフッ…。 (アリス)リズ様は 夜更けに➡ 12 00:02:29,516 --> 00:02:35,355 なぜ この森へ? えっ? え~っと…。 13 00:02:35,355 --> 00:02:37,858 怪しい者ではありませんわ。 14 00:02:37,858 --> 00:02:40,694 私 主人と2人で 旅をしていまして➡ 15 00:02:40,694 --> 00:02:44,197 この お屋敷にも こちらの 坊ちゃんにも ご縁があるので。 16 00:02:44,197 --> 00:02:47,200 坊ちゃんのことも ご存じなのですか。 17 00:02:47,200 --> 00:02:50,537 ご主人は 今 どちらに? あっ… あとで来ますわ。 18 00:02:50,537 --> 00:02:52,539 (アリス)このまま 坊ちゃんに➡ 19 00:02:52,539 --> 00:02:54,708 お引き合わせ するわけにはいきません。 20 00:02:54,708 --> 00:02:57,711 突然の雨でも その すてきな お召し物は➡ 21 00:02:57,711 --> 00:03:00,981 ぬれていないようですし。 まあ すてきだなんて。 22 00:03:00,981 --> 00:03:04,985 失礼ですが 魔女の方ですか? 23 00:03:04,985 --> 00:03:09,990 フッ! ハハハ! フフッ… ハハハ! 24 00:03:09,990 --> 00:03:12,159 爆笑を取ってしまいました。 25 00:03:12,159 --> 00:03:16,163 あ~ 申し訳ありません。 私 冗句が大好きでして。 26 00:03:16,163 --> 00:03:19,499 ちまたでは 笑い上戸のリズとして 名をはせていましたの。 27 00:03:19,499 --> 00:03:21,501 ⦅シャロン:アリス アリス!⦆ 28 00:03:21,501 --> 00:03:23,503 そうでしたか。 ⦅チュチュチュチュチュ!⦆ 29 00:03:23,503 --> 00:03:26,006 はい。 ありがとうございますわ。 30 00:03:26,006 --> 00:03:29,009 とても いい方ですのね。 安心しました。 31 00:03:29,009 --> 00:03:33,513 んっ? あら? ここ なんの部屋だったかしら? 32 00:03:33,513 --> 00:03:38,018 (アリス)リズ様 勝手に開けられては…。 あ~ ごめんなさい つい。 33 00:03:38,018 --> 00:03:40,620 あっ… あのドア 少し開いてますね。 34 00:03:43,857 --> 00:03:47,661 まあ! 執事を見つけましたわよ。 35 00:03:52,699 --> 00:03:56,103 (リズ)こんなに おじいちゃんに なっちゃって… まあ。 36 00:04:00,140 --> 00:04:02,476 (坊ちゃん)アリス どうかしたの? (リズ)あっ! 37 00:04:02,476 --> 00:04:04,644 坊ちゃん こちら お客様が…。 38 00:04:04,644 --> 00:04:07,814 リズ様? 何? アリス。 39 00:04:07,814 --> 00:04:09,816 あっ…。 40 00:04:09,816 --> 00:04:12,819 ごめんなさい。 実は 私 死んでいますの。 41 00:04:12,819 --> 00:04:15,489 この子の おばあちゃんですのよ。 42 00:04:15,489 --> 00:04:17,991 何? また 何か見えてるの? 43 00:04:17,991 --> 00:04:21,995 それでは 一緒に旅をされている ご主人というのは…。 44 00:04:21,995 --> 00:04:24,331 まもなく 参りますわ。 んっ? 45 00:04:24,331 --> 00:04:28,034 坊ちゃん ザインさんに頂いた あの眼鏡を。 あっ! 46 00:04:31,004 --> 00:04:33,006 (ヴィクトル)久しいな。 47 00:04:37,344 --> 00:04:40,347 うわっ! 本当に見える。 48 00:04:40,347 --> 00:04:42,849 でも 声は聞こえない。 49 00:04:42,849 --> 00:04:45,685 うっ! うわっ! うぅ…。 これを耳に入れるのだと思います。 50 00:04:45,685 --> 00:04:47,687 おばあ様が見てる! ウフフ! 51 00:04:47,687 --> 00:04:50,190 会うのは 初めてですわね。 52 00:04:50,190 --> 00:04:53,026 私 あなたの祖母の リズと申しますわ。 53 00:04:53,026 --> 00:04:57,531 初めまして。 お姿は 本邸の 肖像画で 見たことがあります。 54 00:04:57,531 --> 00:05:00,467 まあ… 今は あちらに飾ってあるの? 55 00:05:00,467 --> 00:05:02,969 画家の方に 美人めに描いていただくよう➡ 56 00:05:02,969 --> 00:05:05,972 お願いした絵ですわ。 ウフフ…。 57 00:05:05,972 --> 00:05:08,475 仕上がった絵を見て あちゃ~ さすがに…。 58 00:05:08,475 --> 00:05:12,479 《僕の おばあ様とは 思えないくらい 明るい。 59 00:05:12,479 --> 00:05:16,149 シャロンさんに通じる何かを感じる》 60 00:05:16,149 --> 00:05:18,151 ⦅坊ちゃ~ん!⦆ 61 00:05:18,151 --> 00:05:21,154 どうぞ。 ありがとう アリスさん。 62 00:05:21,154 --> 00:05:25,492 亡霊は飲めないので 香りだけ頂きますわ。 63 00:05:25,492 --> 00:05:27,494 《かわいらしいお人だ》 64 00:05:27,494 --> 00:05:31,331 改めて聞きますが 亡霊なんて 気味が悪くないですか? 65 00:05:31,331 --> 00:05:35,836 全然です。 おきれいですし。 優しい孫ちゃんですわ。 66 00:05:35,836 --> 00:05:39,673 ここには ヴィクトル… あなたの おじい様と来ました。 67 00:05:39,673 --> 00:05:44,844 彼は この屋敷が好きなので 外から ゆっくり眺めたいと。 68 00:05:44,844 --> 00:05:48,014 (アリス)お2人で旅をされている とのことでしたが…。 69 00:05:48,014 --> 00:05:50,016 ええ 残念ですが➡ 70 00:05:50,016 --> 00:05:52,686 ここにいられる時間も 限られています。 71 00:05:52,686 --> 00:05:54,688 (坊ちゃん) のんびりしていけばいいのに。 72 00:05:54,688 --> 00:05:57,858 (リズ)そうはできない定めなのです。 (2人)んっ? 73 00:05:57,858 --> 00:06:01,461 シャーデーという 魔女との契約で。 74 00:06:01,461 --> 00:06:03,463 シャーデー? ええ。 75 00:06:03,463 --> 00:06:05,799 私は 彼女に 会ったことはありませんが➡ 76 00:06:05,799 --> 00:06:07,801 生前に ヴィクトルが。 77 00:06:07,801 --> 00:06:09,803 よかったら 詳しく聞かせてください。 78 00:06:09,803 --> 00:06:12,973 僕の呪いを解く ヒントになるかも! 79 00:06:12,973 --> 00:06:16,309 なな… なんですの? 呪い? 80 00:06:16,309 --> 00:06:20,981 知りませんでしたか? ああ… なんで 3人だけで➡ 81 00:06:20,981 --> 00:06:23,984 ここにいるのかと思ったのですが まさか…。 82 00:06:23,984 --> 00:06:26,987 もっと早く来るべきだったかしら。 (ドアの開く音) 83 00:06:26,987 --> 00:06:29,489 あっ…。 遅れて すまないね。 84 00:06:29,489 --> 00:06:31,658 おじい様? あなた! 85 00:06:31,658 --> 00:06:34,828 この姿で会うのは 初めてかな? 86 00:06:34,828 --> 00:06:37,163 亡霊だから 勘弁してくれ。 87 00:06:37,163 --> 00:06:41,334 そんな のんびりしている場合じゃ ありませんことよ! うん? 88 00:06:41,334 --> 00:06:46,506 呪いです! 私たちの孫ちゃんが 大変な目に遭っていたのですわ! 89 00:06:46,506 --> 00:06:49,509 やはり ここには ずっと前に来るべきでしたの! 90 00:06:49,509 --> 00:06:52,012 リズ 少し落ち着いてくれないか。 91 00:06:52,012 --> 00:06:54,347 落ち着いてなどいられませんわ! リズ。 92 00:06:54,347 --> 00:06:56,850 でも 私にできることって なんでしょう? リズ? 93 00:06:56,850 --> 00:06:59,853 孫ちゃんとアリスさんを 応援するくらいしか…。 94 00:06:59,853 --> 00:07:04,124 ヒャーハッハッハッハッハッ! アハハ! アハハハハハ…。 ほ~ら 高い 高い 高い 高~い! 95 00:07:04,124 --> 00:07:07,294 妻の こういうところが 好きなんだ。 (せき) 96 00:07:07,294 --> 00:07:09,296 そっ… そうですか。 97 00:07:09,296 --> 00:07:12,465 (ヴィクトル)2人とも大きくなったね。 98 00:07:12,465 --> 00:07:14,467 子どものとき以来…。 99 00:07:14,467 --> 00:07:17,637 いや 私が 天に召される少し前にも➡ 100 00:07:17,637 --> 00:07:20,807 君たちは 本邸に来ていたな。 101 00:07:20,807 --> 00:07:25,145 覚えてましたか。 顔を見て 思い出したよ。 102 00:07:25,145 --> 00:07:27,480 何か 妙な感じがしていたが➡ 103 00:07:27,480 --> 00:07:30,317 あれは 未来からの訪問だったのか。 104 00:07:30,317 --> 00:07:32,652 ピアノは まだ 弾いてるかね? 105 00:07:32,652 --> 00:07:36,156 はい ほぼ毎日。 それは よかった。 106 00:07:36,156 --> 00:07:39,492 幼いころから 君には 才能があると思っていてね。 107 00:07:39,492 --> 00:07:43,163 続けてくれているなら 祖父として 誇らしいよ。 108 00:07:43,163 --> 00:07:46,166 おじい様…。 109 00:07:46,166 --> 00:07:48,835 僕は あなたに憧れているんです。 110 00:07:48,835 --> 00:07:52,172 まあ! 身なりまで 孫ちゃんが まねしちゃったら➡ 111 00:07:52,172 --> 00:07:56,343 どうするのですか! 貴族らしからぬ小汚さですわ! 112 00:07:56,343 --> 00:07:59,045 んっ… そんなこと 言われてもな…。 113 00:08:00,947 --> 00:08:04,451 それで 呪いが どうとか言っていたが➡ 114 00:08:04,451 --> 00:08:08,288 シャーデーが関係してるのかね? 彼女は 今 どうしてる? 115 00:08:08,288 --> 00:08:11,291 シャーデーは 死にました。 んっ? 116 00:08:11,291 --> 00:08:13,793 僕や シャロンさんに呪いをかけ➡ 117 00:08:13,793 --> 00:08:16,796 最後は 魔術師たちに殺されたんです。 118 00:08:16,796 --> 00:08:20,967 (ヴィクトル)君や シャロンにまで? 119 00:08:20,967 --> 00:08:23,136 私のせいかもしれない。 120 00:08:23,136 --> 00:08:26,639 私が至らないばかりに…。 121 00:08:26,639 --> 00:08:42,155 ♬~ 122 00:08:42,155 --> 00:08:44,657 <ヴィクトル:愛する妻が死んだ。 123 00:08:44,657 --> 00:08:48,995 私が贈り物をしなければ➡ 124 00:08:48,995 --> 00:08:51,831 2人で 結婚記念日に出かけなければ➡ 125 00:08:51,831 --> 00:08:54,000 あのとき 目を離さなければ➡ 126 00:08:54,000 --> 00:08:57,504 彼女は 死なずに済んだのかもしれない。 127 00:08:57,504 --> 00:09:02,008 どうしたらいいのか わからなかった> 128 00:09:04,778 --> 00:09:07,447 <ヴィクトル:幼い息子のそばに いてやることすら➡ 129 00:09:07,447 --> 00:09:09,949 私には できなかった> 130 00:09:16,623 --> 00:09:19,459 ⦅シャーデー:ごきげんよう。 何か お悩みかしら? 131 00:09:19,459 --> 00:09:22,629 誰かね? 君は。 132 00:09:22,629 --> 00:09:25,298 (シャーデー)シャーデー。 世界一の魔女よ。 133 00:09:25,298 --> 00:09:27,300 魔女? 134 00:09:27,300 --> 00:09:30,637 そう。 魔法を使う 少し意地悪な生き物。 135 00:09:30,637 --> 00:09:32,839 うわさくらいは 聞いてるでしょう? 136 00:09:34,808 --> 00:09:37,977 そうか 本物には 初めて会ったな。 サインくれ。 137 00:09:37,977 --> 00:09:40,814 何それ? もっと怖がりなさいよ。 138 00:09:40,814 --> 00:09:44,984 私は 信心深い人間だ。 神がいるなら➡ 139 00:09:44,984 --> 00:09:48,655 魔女だっているだろう。 それだけだ。 140 00:09:48,655 --> 00:09:52,058 神は いる。 今は ただ そう思いたい。 141 00:09:56,329 --> 00:09:58,998 サインが欲しいのは 私のほうよ。 142 00:09:58,998 --> 00:10:02,168 私と契約して。 契約? 143 00:10:02,168 --> 00:10:06,840 あなたの夢を言ってみなさい。 なんでも かなえてあげるわよ。 144 00:10:06,840 --> 00:10:10,844 私の夢は もう かなわない。 145 00:10:10,844 --> 00:10:13,513 妻と 世界中を旅する 約束をしていたが➡ 146 00:10:13,513 --> 00:10:16,349 彼女は死んだ。 147 00:10:16,349 --> 00:10:19,686 かなうわよ。 んっ? 148 00:10:19,686 --> 00:10:23,189 (シャーデー)ただし あなたが死んだあとにね。 149 00:10:23,189 --> 00:10:28,695 あなたもリズも亡霊となって 永遠に 一緒に旅ができるわ。 150 00:10:28,695 --> 00:10:33,199 普通 死んでも みんなが みんな 亡霊になれるわけじゃないけど➡ 151 00:10:33,199 --> 00:10:37,370 この契約なら 確実よ。 その対価は? 152 00:10:37,370 --> 00:10:39,372 そうね。 夫婦2人だから➡ 153 00:10:39,372 --> 00:10:42,375 あなたの寿命 20年分ってとこかしら。 154 00:10:42,375 --> 00:10:44,377 私の寿命? 155 00:10:44,377 --> 00:10:47,380 (シャーデー)本来 死ぬべきときから マイナス20年。 156 00:10:47,380 --> 00:10:52,552 それが いつかは知らないけど 時が来れば 眠るように死ねるわ。 157 00:10:52,552 --> 00:10:55,221 寿命なんか手に入れて どうするつもりだ? 158 00:10:55,221 --> 00:10:58,391 (シャーデー)魔力に変えて 更に強くなるのよ。 159 00:10:58,391 --> 00:11:00,493 それか ごみみたいに捨てるかも。 160 00:11:00,493 --> 00:11:03,830 うそはないか? 161 00:11:03,830 --> 00:11:08,835 死んだら 本当に リズに会えるのか? 162 00:11:08,835 --> 00:11:12,172 契約に うそはないし 途中で破棄もできないわ。 163 00:11:12,172 --> 00:11:16,576 あなたにも 私にもね。 さあ 早く サインして。 164 00:11:28,354 --> 00:11:32,192 《ヴィクトル:「魔女とは 人間とは異なる種族である」。 165 00:11:32,192 --> 00:11:35,361 「多様な魔法を使い 火を恐れる」。 166 00:11:35,361 --> 00:11:39,198 「便宜上 男性形態であっても 魔女と呼ばれることが多く…」》 167 00:11:39,198 --> 00:11:41,367 (シャーデー)私のこと 調べてるの? 168 00:11:41,367 --> 00:11:44,370 シャーデー 不法侵入だぞ。 169 00:11:44,370 --> 00:11:48,541 魔女には関係ないわ。 一体 なんの用だ? 170 00:11:48,541 --> 00:11:52,879 なんの用でもいいでしょ。 私たち お友達なんだし。 171 00:11:52,879 --> 00:11:55,215 友達ではないだろう。 172 00:11:55,215 --> 00:11:57,717 私は お前のことを 何も知らないぞ。 173 00:11:57,717 --> 00:12:00,653 そんな なめた口を利かれるなんて。 174 00:12:00,653 --> 00:12:04,324 私 魔界じゃ ボスとして 畏れられてるの知らないの? 175 00:12:04,324 --> 00:12:06,492 みんな 私に従うのよ。 176 00:12:06,492 --> 00:12:08,995 だから 知らないと言っている。 177 00:12:08,995 --> 00:12:12,498 契約は もう 済んだ。 関わる必要があるのか? 178 00:12:12,498 --> 00:12:14,834 興味が湧いたのよ。 179 00:12:14,834 --> 00:12:18,171 あなたは愚かなくらい 素直で正直だから。 180 00:12:18,171 --> 00:12:22,842 あんなに早くサインをしたのは あなたが初めてよ。 181 00:12:22,842 --> 00:12:26,846 だから しばらく 近くで観察することにしたの。 182 00:12:26,846 --> 00:12:29,349 別に 私は かまわないが➡ 183 00:12:29,349 --> 00:12:32,018 人に 魔女だと ばれないように 注意しろ。 184 00:12:32,018 --> 00:12:36,522 一部の人間は 魔女を 疎ましく思っていると聞く。 185 00:12:36,522 --> 00:12:40,193 君の身が危険だ。 何よ? それ。 大きな お世話。 186 00:12:40,193 --> 00:12:42,528 魔女狩りに やられるほど 柔じゃない。 187 00:12:42,528 --> 00:12:45,031 あっさり 返り討ちにしてあげるわ。 188 00:12:45,031 --> 00:12:48,868 それに そこに書いてあるの 適当なことばかり。 189 00:12:48,868 --> 00:12:51,170 魔女は 火なんか怖くないわ。 190 00:12:53,539 --> 00:12:55,875 じゃあ 魔女は 何が怖いんだ? 191 00:12:55,875 --> 00:12:58,711 わ・た・し! へぇ~。 192 00:12:58,711 --> 00:13:02,649 ウフッ。 193 00:13:02,649 --> 00:13:04,651 <ヴィクトル:それから シャーデーは➡ 194 00:13:04,651 --> 00:13:07,820 たびたび 屋敷に現れるようになった。 195 00:13:07,820 --> 00:13:11,658 服装のせいか 屋敷に来る たくさんの客の1人として➡ 196 00:13:11,658 --> 00:13:13,826 目立ち過ぎることもなかった> 197 00:13:13,826 --> 00:13:16,162 これ 双子の妹の ダレス。 198 00:13:16,162 --> 00:13:18,164 (ダレス)こっ… こんにちは。 199 00:13:18,164 --> 00:13:22,001 人間界に来たら 仮面は 外したほうがいいんじゃないか? 200 00:13:22,001 --> 00:13:24,170 だめ… ブスだから。 201 00:13:24,170 --> 00:13:26,372 だって。 双子なのに? 202 00:13:31,010 --> 00:13:36,349 前から気になっていたんだが どうして シスターの服装なんだ? 203 00:13:36,349 --> 00:13:38,851 父からの 唯一の贈り物よ。 204 00:13:38,851 --> 00:13:42,021 私の父親にしては弱かったけど。 205 00:13:42,021 --> 00:13:45,358 化け物が 聖職者の姿をしていたら 怖いでしょ? 206 00:13:45,358 --> 00:13:48,361 だから 着てるの。 207 00:13:48,361 --> 00:13:52,365 君は もっと 好きなものを 増やしたほうがいい。 208 00:13:52,365 --> 00:13:54,367 はっ? 209 00:13:54,367 --> 00:13:57,537 愛だよ。 君に 愛を知ってほしい。 210 00:13:57,537 --> 00:14:00,473 私が リズや息子を大切に思うように➡ 211 00:14:00,473 --> 00:14:04,477 妹でも友達でも 君も 誰かを愛せるといいな。 212 00:14:04,477 --> 00:14:07,647 どうして? 私は 私が いちばん好き。 213 00:14:07,647 --> 00:14:10,983 そうか。 それも 大事なことだが。 214 00:14:10,983 --> 00:14:13,152 あなたは リズが いちばん好き? 215 00:14:13,152 --> 00:14:15,855 ああ 息子と 同率1位だ。 216 00:14:19,492 --> 00:14:23,830 私 他人が考えてることが 自分の意思と関係なく聞こえるの。 217 00:14:23,830 --> 00:14:28,501 だから あなたが 本当に リズを思ってるのが わかる。 218 00:14:28,501 --> 00:14:31,671 この能力は ダレスしか知らないのだけど。 219 00:14:31,671 --> 00:14:35,842 知ってたよ。 君と 初めて会ったとき➡ 220 00:14:35,842 --> 00:14:40,346 私が名前を出す前に 妻のことを リズと呼んだだろ。 221 00:14:40,346 --> 00:14:43,683 あとから不思議に思ってね。 222 00:14:43,683 --> 00:14:47,687 君が言ってこないから 秘密にしたいのだろうと思って➡ 223 00:14:47,687 --> 00:14:51,190 なるべく 心の中に とどめないように気を付けていた。 224 00:14:51,190 --> 00:14:56,362 なんで 突然 教えてくれる気になったんだ? 225 00:14:56,362 --> 00:14:58,364 さあ? なんでかしら。 226 00:15:01,300 --> 00:15:07,807 でも 言わないでくれて ありがとう。 227 00:15:07,807 --> 00:15:11,310 <ヴィクトル:それから 長い年月が過ぎた。 228 00:15:11,310 --> 00:15:13,813 新しい屋敷に引っ越しをし➡ 229 00:15:13,813 --> 00:15:16,816 息子は 結婚をして 3人の孫が生まれ➡ 230 00:15:16,816 --> 00:15:19,819 私は すっかり年老いた> 231 00:15:23,823 --> 00:15:28,995 旦那様! おはようございま~す! 232 00:15:28,995 --> 00:15:33,499 <ヴィクトル:シャロンが 屋敷に やって来たのは そのころだ。 233 00:15:33,499 --> 00:15:39,172 病気の娘を抱え 頼る当てもなく 必死に暮らす彼女を➡ 234 00:15:39,172 --> 00:15:42,341 どうしても 放ってはおけなかった。 235 00:15:42,341 --> 00:15:46,846 シャロンは 明るく 誰とでも すぐに親しくなった。 236 00:15:46,846 --> 00:15:51,150 私自身 彼女の明るさに触れるのが 好きだった> 237 00:15:58,357 --> 00:16:02,628 新しく来たメイド あなたの お気に入りなの? 238 00:16:02,628 --> 00:16:06,132 命の恩人で 友人だよ。 239 00:16:08,801 --> 00:16:12,972 話に聞くリズに似てるわね。 240 00:16:12,972 --> 00:16:14,974 そうだね。 241 00:16:21,981 --> 00:16:25,985 まあ いいわ。 友人というのに うそはなさそうだし➡ 242 00:16:25,985 --> 00:16:30,323 あなたが 誰のものにも ならなければ かまわない。 243 00:16:30,323 --> 00:16:32,325 <ヴィクトル:今になって考えれば➡ 244 00:16:32,325 --> 00:16:36,662 少しは シャーデーの気持ちに 寄り添うべきだったとも思う。 245 00:16:36,662 --> 00:16:42,168 だが そのときの私は あまりにも鈍感だった> 246 00:16:42,168 --> 00:16:48,508 ねえ 私と お友達になりましょう。 いいわよ。 247 00:16:48,508 --> 00:16:52,345 おや? 2人は 友人だったのかね? 248 00:16:52,345 --> 00:16:55,514 あっ 旦那様 つい さっき 知り合ったんです。 249 00:16:55,514 --> 00:16:59,685 シャーデーったら すごいんですよ。 占いが めっちゃ当たるんです。 250 00:16:59,685 --> 00:17:04,957 そうか。 シャロンは いい人だ。 仲よくしてやってくれ。 251 00:17:04,957 --> 00:17:10,463 ウフフフ! ウフフフフフ! ウフフ。 252 00:17:10,463 --> 00:17:12,765 んっ… うっ…。 253 00:17:16,302 --> 00:17:20,973 (シャーデー)うぅ… んっ…。 254 00:17:20,973 --> 00:17:25,311 うっ… くっ…。 255 00:17:25,311 --> 00:17:27,313 んっ…。 256 00:17:27,313 --> 00:17:30,650 んっ… うぅ…。 257 00:17:30,650 --> 00:17:37,657 (泣き声) 258 00:17:37,657 --> 00:17:40,660 ああ…。 ハァ…。 259 00:17:43,829 --> 00:17:46,332 <ヴィクトル:そして ある日 ついに 私にも➡ 260 00:17:46,332 --> 00:17:49,168 死を迎えるときが来た。 261 00:17:49,168 --> 00:17:53,673 体は思うように動かず 目は かすんで ぼやけていた> 262 00:18:02,281 --> 00:18:05,451 (ヴィクトル)シャロンか? 263 00:18:05,451 --> 00:18:10,623 ヴィクトル 契約が果たされるときが来たわ。 264 00:18:10,623 --> 00:18:17,830 そうか。 やっと リズに会えるな…。 265 00:18:23,970 --> 00:18:28,975 あなたが 誰のものにも ならなければいいなんて うそよ。 266 00:18:31,310 --> 00:18:35,147 本当は 私のこと 好きになってほしかった。 267 00:18:35,147 --> 00:18:38,818 さようなら ヴィクトル。 268 00:18:38,818 --> 00:18:40,820 さようなら⦆ 269 00:18:45,825 --> 00:18:48,661 私は 彼女を ゆがませて➡ 270 00:18:48,661 --> 00:18:53,100 最悪の結果だけ 残してしまったのかもしれない。 271 00:18:53,100 --> 00:18:57,670 きっと そのあと シャーデーの思いは➡ 272 00:18:57,670 --> 00:19:01,107 妬みから 憎しみに 変わっちゃったんだと思います。 273 00:19:01,107 --> 00:19:04,110 でも あのとき…。 274 00:19:04,110 --> 00:19:06,779 僕を呪ったとき シャーデーは…。 275 00:19:06,779 --> 00:19:10,950 ⦅誰からも愛されず 誰も愛さない。 276 00:19:10,950 --> 00:19:13,452 惨めな人生を送ってちょうだい⦆ 277 00:19:13,452 --> 00:19:15,454 (坊ちゃん) そう言って 僕を抱き締めた! 278 00:19:15,454 --> 00:19:18,290 抱き締めたんだ。 呪いをかけるのに➡ 279 00:19:18,290 --> 00:19:21,460 抱き締める必要なんて きっと ないのに。 280 00:19:21,460 --> 00:19:24,630 彼女も苦しかったんだ。 281 00:19:24,630 --> 00:19:28,300 苦しくて でも 誰にも わかってもらえなくて➡ 282 00:19:28,300 --> 00:19:30,503 素直になれなくて。 283 00:19:32,471 --> 00:19:35,474 (坊ちゃん)昔の僕みたいだ。 284 00:19:35,474 --> 00:19:40,479 シャーデーだって 本当に 彼女を 理解してくれる人がいたのなら➡ 285 00:19:40,479 --> 00:19:42,481 何かが違ったはずだ。 286 00:19:42,481 --> 00:19:47,486 それなのに 最後まで 独りで死んでいったなんて➡ 287 00:19:47,486 --> 00:19:50,322 悲しすぎる。 288 00:19:50,322 --> 00:19:53,492 やはり 彼女は生きなきゃだめだ。 289 00:19:53,492 --> 00:19:55,995 死ぬ前に戻って 何がなんでも連れて帰る。 290 00:19:55,995 --> 00:19:59,298 絶対に死なせたくない! 291 00:20:07,006 --> 00:20:09,175 ⦅坊や 何してるの? 292 00:20:09,175 --> 00:20:12,378 大好きなアリスにあげる よつばを 探してるんだ⦆ 293 00:20:14,346 --> 00:20:16,515 (坊ちゃん)ごめんなさい。 やっと落ち着きました。 294 00:20:16,515 --> 00:20:19,685 あっ…。 僕 泣き虫で 弱気で 根性なしで➡ 295 00:20:19,685 --> 00:20:21,687 ほんと だめ人間なんです。 296 00:20:21,687 --> 00:20:24,356 そんなに 自分を卑下しちゃいけませんわ。 297 00:20:24,356 --> 00:20:28,694 それより 私たち もうすぐ ここを 出なければいけないのですわ。 298 00:20:28,694 --> 00:20:31,864 えっ 短っ! シャーデーとの契約は➡ 299 00:20:31,864 --> 00:20:34,867 リズと2人で 旅をするのが目的だからね。 300 00:20:34,867 --> 00:20:37,536 同じ場所に居続けると 消えてしまうんだ。 301 00:20:37,536 --> 00:20:41,373 それに 同じ場所には 二度と 訪れられない決まりなので➡ 302 00:20:41,373 --> 00:20:45,211 お屋敷は ここぞというときに 訪ねるつもりだったのです。 303 00:20:45,211 --> 00:20:48,714 それで 坊ちゃんの呪いのことも ご存じなかったのですね。 304 00:20:48,714 --> 00:20:51,717 今日は たまたま この近くまで来たのでね。 305 00:20:51,717 --> 00:20:53,886 懐かしくなって 君たちが住んでいるとも知らず➡ 306 00:20:53,886 --> 00:20:56,222 訪ねたというわけさ。 307 00:20:56,222 --> 00:20:58,557 てっきり 空き家だと思っていましたので➡ 308 00:20:58,557 --> 00:21:01,160 孫ちゃんたちに会えて よかったですわ。 309 00:21:01,160 --> 00:21:04,497 あっ! ロブと話します? 310 00:21:04,497 --> 00:21:07,166 ロブー! 311 00:21:07,166 --> 00:21:09,502 (ロブ)はい。 こちら ロブです。 312 00:21:09,502 --> 00:21:13,005 この眼鏡を掛けてくれ。 これを耳に差し込んで。 313 00:21:13,005 --> 00:21:16,675 ああ…。 やはり 私も そんな年ですか。 314 00:21:16,675 --> 00:21:18,677 (坊ちゃん)老眼鏡じゃないから。 315 00:21:32,191 --> 00:21:35,528 こっ… これは どういう…。 316 00:21:35,528 --> 00:21:38,197 えっ… ええ… はい。 317 00:21:38,197 --> 00:21:41,534 どう? おじい様と おばあ様 喜んでるみたい? 318 00:21:41,534 --> 00:21:44,203 いえ 私には 何も見えません。 319 00:21:44,203 --> 00:21:47,540 ですが ロブさんに お2人が寄り添っているのが➡ 320 00:21:47,540 --> 00:21:49,542 見える気がします。 321 00:21:52,711 --> 00:21:54,713 (坊ちゃん)たくさん話せたかい? 322 00:21:54,713 --> 00:21:58,384 はい。 たくさん ありがとうが言えました。 323 00:21:58,384 --> 00:22:01,487 さて そろそろ行かねば。 324 00:22:01,487 --> 00:22:04,823 しかし この屋敷に 二度と来られないとは…。 325 00:22:04,823 --> 00:22:06,825 せめて これ 持ってこうかな? 326 00:22:06,825 --> 00:22:08,994 アッハハ! おもしろ~い! 327 00:22:08,994 --> 00:22:11,997 だめですわ。 孫ちゃんが まねしたら どうしますの? 328 00:22:11,997 --> 00:22:15,834 死んでも楽しそうだね。 ええ。 329 00:22:15,834 --> 00:22:20,005 私たちは この日程どおりに進む予定だ。 330 00:22:20,005 --> 00:22:22,508 役に立てるかは わからないが➡ 331 00:22:22,508 --> 00:22:24,510 何かあったら いつでも来てくれ。 332 00:22:24,510 --> 00:22:27,680 シャーデーも 大事な友人なんだ。 333 00:22:27,680 --> 00:22:31,851 よろしく頼んだぞ。 はい! 334 00:22:31,851 --> 00:22:34,353 アリスさんも お体に気を付けて。 335 00:22:34,353 --> 00:22:36,855 ロブにも よろしく伝えてくださいませ。 336 00:22:36,855 --> 00:22:38,858 はい。 ありがとうございます。 337 00:22:38,858 --> 00:22:41,861 あの… 今 どういう状態でしょうか? 338 00:22:41,861 --> 00:22:45,564 では いつか また会おう。 ごきげんよう! 339 00:22:56,709 --> 00:22:59,712 (坊ちゃん)優しい人たちだったね。 (アリス)はい。 340 00:23:01,814 --> 00:23:05,150 僕 呪われたり ここに隔離されたり➡ 341 00:23:05,150 --> 00:23:08,654 結構 さんざんだけど この家に生まれて よかった。 342 00:23:08,654 --> 00:23:28,674 ♬~ 343 00:23:28,674 --> 00:23:42,388 ♬~