1 00:00:00,700 --> 00:00:04,720 うわあ~! 2 00:00:04,720 --> 00:00:06,710 はっ はっ… 3 00:00:06,710 --> 00:00:08,710 グガッ… 4 00:00:09,710 --> 00:00:12,710 グガ… ギギギギ! 5 00:00:12,710 --> 00:00:14,680 なっ! 6 00:00:14,680 --> 00:00:16,680 グギギ… 7 00:00:17,720 --> 00:00:20,720 はあ はあ はあ… 8 00:00:20,720 --> 00:00:22,720 あっ! 9 00:00:24,710 --> 00:00:28,690 さすがに これは もうダメだと思いました 10 00:00:28,690 --> 00:00:30,710 グガ… 11 00:00:30,710 --> 00:00:34,730 芸は身を助くとは よく言ったもんです 12 00:00:34,730 --> 00:00:38,730 やつらの言葉で 「痛い痛い」と わめきながら逃げたんです 13 00:00:39,710 --> 00:00:43,730 結局 何もされませんでした はあ 14 00:00:43,730 --> 00:00:47,710 しかし その後 気が遠くなり 倒れてしまいました 15 00:00:47,710 --> 00:00:51,720 す~っと意識が薄れた時 誰かに助けられたんです 16 00:00:51,720 --> 00:00:53,690 ああ やっと人間に会えた 17 00:00:53,690 --> 00:00:55,700 そう思って目を開けると 18 00:00:55,700 --> 00:00:57,710 私の顔をのぞきこんでいたのは 19 00:00:57,710 --> 00:00:59,690 バリバリのバケネズミ 20 00:00:59,690 --> 00:01:03,710 こりゃあ もうダメだと思いました 呪力も使えません 21 00:01:03,710 --> 00:01:07,700 ところが ソイツが 私をここまで運んでくれたんです 22 00:01:07,700 --> 00:01:09,700 どういうことですか? 23 00:01:09,700 --> 00:01:12,710 ソイツは奇狼丸だったんですよ 24 00:01:12,710 --> 00:01:16,690 奇狼丸は生きていたんですね 今 どこにいるんですか? 25 00:01:16,690 --> 00:01:18,710 さあ どうしたんでしょう? 26 00:01:18,710 --> 00:01:21,710 私 さっき 目を覚ましたんですが 27 00:01:21,710 --> 00:01:25,700 寂静さんから 渡辺さんたちが ここに到着したと聞いて 28 00:01:25,700 --> 00:01:28,740 とにかく会わせてくれって 言ったんですが 29 00:01:28,740 --> 00:01:31,720 奇狼丸のことは すっかり忘れていました 30 00:01:31,720 --> 00:01:33,710 失礼します 31 00:01:33,710 --> 00:01:35,690 渡辺早季さんに お渡しするよう 32 00:01:35,690 --> 00:01:38,690 ご両親から お預かりした物です 33 00:01:52,760 --> 00:01:54,730 ありがとうございます 34 00:01:54,730 --> 00:01:58,730 奇狼丸が乾さんを連れて ここに来たと伺ったんですが 35 00:01:58,730 --> 00:02:00,730 その後 どうなったんでしょうか? 36 00:02:00,730 --> 00:02:05,720 ああ… あの異類ですか 当寺に留め置いております 37 00:02:05,720 --> 00:02:07,760 会えますか? 38 00:02:07,760 --> 00:02:09,760 さあ それはどうでしょう 39 00:02:10,720 --> 00:02:13,730 「愛する早季ちゃん」 40 00:02:13,730 --> 00:02:17,720 「あなたが無事に清浄寺に たどり着いている事を信じて 41 00:02:17,720 --> 00:02:20,730 この手紙を書きます」 42 00:02:20,730 --> 00:02:23,720 「今 町には 悪鬼が跳りょうしており 43 00:02:23,720 --> 00:02:26,740 既に 多くの犠牲者が出ているようです」 44 00:02:26,740 --> 00:02:29,740 「私たちは 今できる最善を尽くして 45 00:02:29,740 --> 00:02:32,750 悪鬼を止めなくてはなりません」 46 00:02:32,750 --> 00:02:35,750 「あなたは 決して 私たちを追ってきてはいけません」 47 00:02:35,750 --> 00:02:39,750 「あなたには どうしても やってほしいことがあるのです」 48 00:02:40,720 --> 00:02:44,710 「これから書くことは 第4分類の知識の中でも 49 00:02:44,710 --> 00:02:46,730 『殃』に属する内容です」 50 00:02:46,730 --> 00:02:51,730 「そのため この手紙を読んだら 速やかに燃やしてください」 51 00:02:51,730 --> 00:02:54,740 「個人的な感傷に とらわれないこと」 52 00:02:54,740 --> 00:02:58,760 「常に 町の将来を考えて 行動しなくてはなりません」 53 00:02:58,760 --> 00:03:00,740 「あなたは 富子さまから 54 00:03:00,740 --> 00:03:03,740 選ばれた人間であることを 忘れないで」 55 00:03:04,760 --> 00:03:06,730 「安全保障会議の席で 56 00:03:06,730 --> 00:03:09,730 私が古代の大量破壊兵器について 話したことを 57 00:03:09,730 --> 00:03:11,720 覚えているでしょうか」 58 00:03:11,720 --> 00:03:15,740 「かつて 地上には 人類を何回も 皆殺しにできるほどの兵器が 59 00:03:15,740 --> 00:03:17,730 満ちあふれていました」 60 00:03:17,730 --> 00:03:20,710 「その大半は破壊されましたし 61 00:03:20,710 --> 00:03:23,710 残ったものも とうに朽ち果てたはずです」 62 00:03:23,710 --> 00:03:27,740 「しかし 1,000年が経過した今でさえ 63 00:03:27,740 --> 00:03:30,740 まだ生きている可能性のある 大量破壊兵器が 64 00:03:30,740 --> 00:03:33,740 1種類だけあるのです」 65 00:03:33,740 --> 00:03:37,730 「それは皮肉にも 呪力を持たない人間が 66 00:03:37,730 --> 00:03:41,750 呪力を持った人間を根絶やしに するために開発された兵器で 67 00:03:41,750 --> 00:03:45,740 サイコ・バスターという おぞましい俗称でした」 68 00:03:45,740 --> 00:03:49,760 「それほど多くの人を 殺傷する能力があるわけではなく 69 00:03:49,760 --> 00:03:53,740 人をあやめるという実感には 最も乏しい兵器ですから 70 00:03:53,740 --> 00:03:56,750 攻撃抑制に抵触しないばかりか 71 00:03:56,750 --> 00:04:00,750 おそらく 愧死機構の発動も 免れるはずです」 72 00:04:02,720 --> 00:04:07,760 「本来なら古代の住居表示の場所に たどり着くのは不可能でしょう」 73 00:04:07,760 --> 00:04:10,760 「しかし この箱に入っている物が 74 00:04:10,760 --> 00:04:14,720 何とか作動してさえくれれば 見つけられるはずです」 75 00:04:14,720 --> 00:04:17,720 「もし サイコ・バスターが 現存していれば 76 00:04:17,720 --> 00:04:20,750 あなたなら 絶対に見つけられるはずです」 77 00:04:20,750 --> 00:04:24,740 「どうか それで悪鬼を倒し 町を救ってください」 78 00:04:24,740 --> 00:04:26,730 「早季ちゃん 79 00:04:26,730 --> 00:04:30,750 あなたには 極めてまれな 得難い資質が備わっています」 80 00:04:30,750 --> 00:04:34,740 「ひと言で言えば それは強さです」 81 00:04:34,740 --> 00:04:37,770 「泣いたり めげたりすることはあっても 82 00:04:37,770 --> 00:04:39,740 あなたは絶対に折れない」 83 00:04:39,740 --> 00:04:42,740 「親の目から見ても そうでしたし 84 00:04:42,740 --> 00:04:45,750 富子さまにも 太鼓判を押していただきました」 85 00:04:45,750 --> 00:04:48,750 「私たちは 心の底から あなたを愛し 86 00:04:48,750 --> 00:04:52,750 いつ いかなる時でも あなたの行く末を見守っています」 87 00:04:56,720 --> 00:04:58,720 うっ… 88 00:05:09,750 --> 00:05:11,760 こちらです 89 00:05:11,760 --> 00:05:13,770 どうして こんな場所に? 90 00:05:13,770 --> 00:05:17,770 なにぶん 異類であり 宿坊に泊めることはできません 91 00:05:18,750 --> 00:05:21,750 ましてや今は バケネズミどもの反乱により 92 00:05:21,750 --> 00:05:24,750 多くの人命が失われた直後です 93 00:05:24,750 --> 00:05:28,740 でも 人間に忠実な 大雀蜂コロニーの将軍ですよ? 94 00:05:28,740 --> 00:05:32,730 乾さんの命を助けて 連れてきてくれたのに 95 00:05:32,730 --> 00:05:35,760 どこのコロニーかは問わず 駆除せよという 96 00:05:35,760 --> 00:05:38,730 倫理委員会からの 申し送りがありますし 97 00:05:38,730 --> 00:05:43,770 戦の勝負の帰すうを見て 簡単に寝返るのが獣の常ですから 98 00:05:43,770 --> 00:05:45,770 でも… 99 00:05:46,740 --> 00:05:50,730 これ 奇狼丸 お前に会いたいと言われて 100 00:05:50,730 --> 00:05:52,730 わざわざ お客さまが来られた 101 00:05:54,750 --> 00:05:57,750 うっ あっ… あっ! 102 00:05:57,750 --> 00:06:00,750 これは よく いらっしゃいました 103 00:06:00,750 --> 00:06:03,760 このような むさ苦しい所まで 足をお運びいただき 104 00:06:03,760 --> 00:06:05,730 誠に恐縮です 105 00:06:05,730 --> 00:06:08,730 渡辺早季です 分かりますか? 106 00:06:08,730 --> 00:06:12,750 こっちは朝比奈 覚 こんな扱いはあんまりです! 107 00:06:12,750 --> 00:06:14,770 せめて この鎖を外してください 108 00:06:14,770 --> 00:06:17,760 それには 監寺のご許可を得ませんと 109 00:06:17,760 --> 00:06:19,740 今は ご祈とうの真っ最中でしょ? 110 00:06:19,740 --> 00:06:21,760 許可は後でいただきます 111 00:06:21,760 --> 00:06:24,750 困りますな このようなことをされては 112 00:06:24,750 --> 00:06:27,750 お2人のことは よく覚えております 113 00:06:27,750 --> 00:06:30,750 異類管理課の渡辺早季さまは もちろん 114 00:06:30,750 --> 00:06:33,750 朝比奈 覚さまは 以前にお目にかかった時は 115 00:06:33,750 --> 00:06:36,760 まだ かわいい少年でしたが 116 00:06:36,760 --> 00:06:39,760 随分 立派になられました 117 00:06:39,760 --> 00:06:42,750 ごめんなさい こんな目に遭わせて 118 00:06:42,750 --> 00:06:45,750 乾さんを助けてくれて ありがとう 119 00:06:45,750 --> 00:06:48,750 なに 当然のことをしたまでです 120 00:06:48,750 --> 00:06:51,760 それより あの悪鬼 どうなさるおつもりですか? 121 00:06:51,760 --> 00:06:53,740 異類風情が くちばしを入れることではない 122 00:06:53,740 --> 00:06:55,780 控えておれ! 123 00:06:55,780 --> 00:07:00,750 我が精鋭部隊が 子供1人のために 簡単に全滅させられました 124 00:07:00,750 --> 00:07:03,750 こちらの放った矢は ことごとく空中で止められ 125 00:07:03,750 --> 00:07:08,740 その上 呪力で武器を奪われては なすすべがありません 126 00:07:08,740 --> 00:07:10,770 あなたは よく無事だったわね 127 00:07:10,770 --> 00:07:13,740 奇跡に近いことだったと思います 128 00:07:13,740 --> 00:07:15,760 私の退路を作るため 129 00:07:15,760 --> 00:07:19,750 我が精鋭たちが 一丸となって突進しましたが 130 00:07:19,750 --> 00:07:22,750 武器は既に奪われ 丸腰です 131 00:07:22,750 --> 00:07:24,760 彼らが徒手空拳で戦い 132 00:07:24,760 --> 00:07:27,760 なますのように 切り刻まれるのを横目に 133 00:07:27,760 --> 00:07:31,750 私は悪鬼の目と鼻の先を走り抜け 溝に飛び込んだのです 134 00:07:31,750 --> 00:07:34,750 神仏のご加護があったからとしか 思えません 135 00:07:34,750 --> 00:07:37,750 悪鬼は私たちの町も襲ったわ 136 00:07:37,750 --> 00:07:41,770 あなたの部下の敵は 必ず取ってあげるから 137 00:07:41,770 --> 00:07:43,740 しかし 神様 138 00:07:43,740 --> 00:07:45,760 人類は同種に対しては 139 00:07:45,760 --> 00:07:48,760 呪力を用いることが できないのではありませんか? 140 00:07:48,760 --> 00:07:50,760 うっ… お前は それをどこで知ったのだ? 141 00:07:50,760 --> 00:07:53,770 我々の間では周知の事実です 142 00:07:53,770 --> 00:07:56,770 無論 野狐丸めも知っていたはずです 143 00:07:56,770 --> 00:08:00,760 おそらく その辺りが 今回の 計画の出発点だったのでしょう 144 00:08:00,760 --> 00:08:03,760 奇狼丸 君なら どうやって悪鬼を退治する? 145 00:08:03,760 --> 00:08:06,760 呪力が使えないとなれば 146 00:08:06,760 --> 00:08:10,750 我々が用いる通常の戦闘方法に 頼るしかありません 147 00:08:10,750 --> 00:08:13,750 銃か 毒矢か 落とし穴か… 148 00:08:13,750 --> 00:08:15,760 そうだ もう1つ 149 00:08:15,760 --> 00:08:18,760 俺らは これから 東京へ行かなきゃならない 150 00:08:18,760 --> 00:08:21,760 何か知っていることがあったら 教えてほしいんだ 151 00:08:21,760 --> 00:08:24,770 あの呪われた地には 神様は もちろん 152 00:08:24,770 --> 00:08:27,770 我が同族も めったに近づこうとはしません 153 00:08:27,770 --> 00:08:31,790 現在 あの周辺には 全くコロニーはないはずです 154 00:08:31,790 --> 00:08:35,740 大昔の戦争で 土も水も汚染されていて 155 00:08:35,740 --> 00:08:38,750 致命的な毒ガスや放射能が 残っていて 156 00:08:38,750 --> 00:08:41,770 一歩 足を踏み入れれば 死ぬっていう話は? 157 00:08:41,770 --> 00:08:44,740 いや それは単なる うわさかと思います 158 00:08:44,740 --> 00:08:47,740 あの地域 一帯が 生命に危険を来すほど 159 00:08:47,740 --> 00:08:49,790 汚染されているとは思えません 160 00:08:49,790 --> 00:08:51,760 なぜ分かるんだ? 以前に1度だけ 161 00:08:51,760 --> 00:08:54,760 実際に足を踏み入れたことが あるからです 162 00:08:54,760 --> 00:08:58,780 健康には 別段 問題を生じませんでした 163 00:08:58,780 --> 00:09:03,770 しかし 同行した兵士の およそ3分の1が死傷しました 164 00:09:03,770 --> 00:09:07,770 ぜひとも 私に道案内させていただきたい 165 00:09:15,720 --> 00:09:17,710 潜航した方がいいようです 166 00:09:17,710 --> 00:09:21,730 この先から同族のにおいが 強く漂ってきますので 167 00:09:21,730 --> 00:09:25,730 どこまで潜ったまま 行けばいいんだ? 168 00:09:49,760 --> 00:09:51,720 浮上しよう 169 00:09:51,720 --> 00:09:53,740 まだ近くにいるかも 170 00:09:53,740 --> 00:09:55,740 息継ぎのチャンスは 見逃すべきじゃないよ 171 00:09:55,740 --> 00:09:57,740 そうしましょう 172 00:10:01,720 --> 00:10:03,740 はあっ… 173 00:10:03,740 --> 00:10:05,700 潜航してください 174 00:10:05,700 --> 00:10:08,710 この先に相当数の同類がいます 175 00:10:08,710 --> 00:10:10,710 ううっ 176 00:10:15,730 --> 00:10:17,720 もう全然見えない どうする? 177 00:10:17,720 --> 00:10:21,720 しばらくは 流れに乗って 行くだけでいいでしょう 178 00:10:27,730 --> 00:10:30,730 あれ? 見て 明るくなってきた 179 00:10:30,730 --> 00:10:33,730 しっ! 静かに ああ… 180 00:10:36,740 --> 00:10:38,740 たいまつで川を照らしてるんだ 181 00:10:38,740 --> 00:10:40,760 見つかっちゃう? 182 00:10:40,760 --> 00:10:42,720 多分 大丈夫だよ 183 00:10:42,720 --> 00:10:44,740 心配ご無用です 184 00:10:44,740 --> 00:10:46,730 上にいる者どもは 185 00:10:46,730 --> 00:10:48,730 もっぱら 水上を見張っているのです 186 00:10:48,730 --> 00:10:53,730 いかにも 疑心暗鬼に駆られた 臆病者の考えそうなことです 187 00:10:59,710 --> 00:11:02,710 我々が 水中を抜けていくというのは 188 00:11:02,710 --> 00:11:05,710 いかな策士でも 想定外だったようですな 189 00:11:08,750 --> 00:11:12,750 ここまで来れば 河口まで ほんの少しですよ 190 00:11:13,760 --> 00:11:15,740 ああ… 191 00:11:15,740 --> 00:11:18,730 もう 潜航する必要は ないんじゃないですか? 192 00:11:18,730 --> 00:11:21,730 奇狼丸 あなたの同族の においはしない? 193 00:11:21,730 --> 00:11:25,750 分かりません 風向きが逆になったようです 194 00:11:25,750 --> 00:11:28,750 今のところ 何の音も 聞こえないようです が しかし 195 00:11:28,750 --> 00:11:33,750 こちらも 極力 音を立てるのは 控えた方がよさそうです 196 00:11:36,730 --> 00:11:38,730 はあ… 197 00:11:39,730 --> 00:11:41,730 舟がいるわ どうしよう? 198 00:11:44,720 --> 00:11:46,760 潜航しよう 199 00:11:46,760 --> 00:11:48,740 海までは息継ぎせずに行ける 200 00:11:48,740 --> 00:11:50,710 早く逃げてください! アイツだ! 201 00:11:50,710 --> 00:11:52,760 間違いない あの悪鬼のにおいです! 202 00:11:52,760 --> 00:11:55,760 でも 風向きは逆… あっ… 203 00:11:58,750 --> 00:12:00,740 潜りますか? 204 00:12:00,740 --> 00:12:04,740 間に合わない… このまま突破するんだ! 205 00:12:07,760 --> 00:12:09,760 早季 目をつぶれ! 206 00:12:20,720 --> 00:12:23,740 悪鬼は… まいたのかな? 207 00:12:23,740 --> 00:12:25,730 今のところはね 208 00:12:25,730 --> 00:12:29,730 でも すぐ態勢を立て直して 追いかけてくるよ 209 00:12:30,730 --> 00:12:33,740 野狐丸なら こっちの意図に 気が付くかもしれない 210 00:12:33,740 --> 00:12:35,740 早く行かないと… 211 00:12:41,740 --> 00:12:43,760 これが… 212 00:12:43,760 --> 00:12:45,760 東京… 213 00:12:47,720 --> 00:12:50,750 真夜中に岸に近づくのは危険です 214 00:12:50,750 --> 00:12:52,740 夜明けを待ちましょう 215 00:12:52,740 --> 00:12:54,740 どうして? 216 00:12:54,740 --> 00:12:56,730 以前 東京に入った時には 217 00:12:56,730 --> 00:12:58,760 昼間は 何の異状もありませんでしたが… 218 00:12:58,760 --> 00:13:02,750 夜間 不用意に 岸辺に近づいた部下たちは 219 00:13:02,750 --> 00:13:07,770 全員 正体不明の怪物によって 食い殺されてしまいました 220 00:13:07,770 --> 00:13:09,740 怪物って? 221 00:13:09,740 --> 00:13:11,740 怪物です 222 00:13:45,740 --> 00:13:47,760 どうする? 223 00:13:47,760 --> 00:13:49,730 やみくもに動き回っても しかたない 224 00:13:49,730 --> 00:13:52,730 とにかく こいつの充電を再開しよう 225 00:13:57,750 --> 00:14:00,740 起動した 充電完了だ 226 00:14:00,740 --> 00:14:05,730 私は国会図書館つくば館の ミラー端末 008号です 227 00:14:05,730 --> 00:14:08,730 生きてた! やりましたね 228 00:14:09,750 --> 00:14:12,750 地図データとの照合完了 229 00:14:12,750 --> 00:14:15,750 電子コンパスによる 地磁気測位完了 230 00:14:15,750 --> 00:14:17,760 目的地の方位が判明しました 231 00:14:17,760 --> 00:14:21,740 現在位置より 西29度 北に進んでください 232 00:14:21,740 --> 00:14:23,760 よしっ! しまった… 233 00:14:23,760 --> 00:14:26,760 どうした? あの鳥です 234 00:14:27,750 --> 00:14:30,750 信じられない… もう… 235 00:14:30,750 --> 00:14:35,720 不注意でした こんなに早く発見されるとは 236 00:14:35,720 --> 00:14:37,740 おそらく 昨晩 湾内に停泊している間に 237 00:14:37,740 --> 00:14:39,740 見つかっていたんでしょう 238 00:14:39,740 --> 00:14:42,750 どうすればいい? 今すぐに逃げるべきですが 239 00:14:42,750 --> 00:14:45,750 砂漠ばかりで 身を隠せる場所はありません 240 00:14:45,750 --> 00:14:47,750 だったら地下に潜ったら どうなんだ? 241 00:14:47,750 --> 00:14:49,740 東京の地下は地獄です 242 00:14:49,740 --> 00:14:53,760 私が部下を失ったのも ほとんどが地下探検の時でした 243 00:14:53,760 --> 00:14:57,750 しかし この際 そんなことは 言っていられないでしょうな 244 00:14:57,750 --> 00:15:00,750 上等ですよ とにかく 追いつかれる前に 245 00:15:00,750 --> 00:15:03,750 サイコ・バスターを 見つければいいんだ 246 00:15:03,750 --> 00:15:06,760 追ってくるんなら 手間が省けるというもんです 247 00:15:06,760 --> 00:15:09,760 地獄の底へ 誘い込んでやりましょう 248 00:15:11,730 --> 00:15:14,730 なんで こんなに暑いの? 249 00:15:14,730 --> 00:15:17,730 コウモリです この先は もっと暑くなります 250 00:15:18,750 --> 00:15:22,740 ねえ サイコ・バスターって どういうものなの? 251 00:15:22,740 --> 00:15:25,740 サイコ・バスターとは 古代文明の末期に 252 00:15:25,740 --> 00:15:28,780 アメリカで超能力者の 一掃計画に用いられた 253 00:15:28,780 --> 00:15:31,750 細菌兵器の俗称です えっ? 254 00:15:31,750 --> 00:15:34,770 正式名は強毒性炭疽菌です 255 00:15:34,770 --> 00:15:38,740 炭疽菌とは 土壌中に存在する 枯草菌の 一種ですが 256 00:15:38,740 --> 00:15:41,740 人体に摂取されることにより 257 00:15:41,740 --> 00:15:45,760 皮膚炭疽 肺炭疽 腸炭疽などの 重症を引き起こします 258 00:15:45,760 --> 00:15:49,780 改良により きわめて強い 感染力があるため 259 00:15:49,780 --> 00:15:52,750 通常の疫学的な対処法では 260 00:15:52,750 --> 00:15:55,770 感染爆発を 抑え込むことは困難です 261 00:15:55,770 --> 00:15:58,740 炭疽菌は環境が悪化すると 生き延びるために 262 00:15:58,740 --> 00:16:02,760 胞子の状態で休眠します このため 極めて… 263 00:16:02,760 --> 00:16:06,750 私たちは こんなものを 本当に取りに行くの? 264 00:16:06,750 --> 00:16:09,750 悪鬼を倒すためなんだ しかたないだろ 265 00:16:09,750 --> 00:16:13,740 戦後処理の容易さのため 1年~2年で弱毒化するように… 266 00:16:13,740 --> 00:16:16,780 それなら 将来に 禍根を残さずに済みますね 267 00:16:16,780 --> 00:16:20,760 …加えて 環境にも優しい生物兵器として 268 00:16:20,760 --> 00:16:22,750 非常に評価が高いのです 269 00:16:22,750 --> 00:16:25,750 すばらしい これなら 悪鬼が気付かないうちに 270 00:16:25,750 --> 00:16:28,750 感染させることが十分に可能です 271 00:16:28,750 --> 00:16:32,750 問題は どうやって 粉末を吸わせるかですが… 272 00:16:37,750 --> 00:16:39,760 臭い! 273 00:16:39,760 --> 00:16:41,770 足下に気をつけてください 274 00:16:41,770 --> 00:16:44,770 フンでできた地面の上に虫が! 275 00:16:44,770 --> 00:16:46,770 こんなとこ歩けないわ! 276 00:16:47,740 --> 00:16:50,740 早季 行くしかないんだ あっ… 277 00:16:52,740 --> 00:16:56,770 ダメ 行けない 278 00:16:56,770 --> 00:16:59,730 大丈夫です この者たちは害をなしません 279 00:16:59,730 --> 00:17:02,730 でも… 時間がない 行くしかないんだ 280 00:17:05,740 --> 00:17:09,740 うっ… ううっ… 281 00:17:15,770 --> 00:17:17,770 地獄って意味が分かったわ 282 00:17:17,770 --> 00:17:22,770 いや この辺りは まだ 天国のようなものですよ 283 00:17:22,770 --> 00:17:26,750 あなたは前にも東京に 来たことがあるって言ったわね? 284 00:17:26,750 --> 00:17:28,750 はい 285 00:17:28,750 --> 00:17:31,750 どうして ここにコロニーを 作ろうとしなかったの? 286 00:17:31,750 --> 00:17:34,750 最初っから こんなに広い洞窟があるのに 287 00:17:34,750 --> 00:17:38,740 我が同族は数多くの 挑戦者を輩出してきましたが 288 00:17:38,740 --> 00:17:41,780 さすがに この地に 住もうとした者はおりません 289 00:17:41,780 --> 00:17:46,750 ここには いろいろと 不愉快な先住者が多すぎます 290 00:17:46,750 --> 00:17:48,770 ここからの方位は? 291 00:17:48,770 --> 00:17:50,740 西27度 北です 292 00:17:50,740 --> 00:17:54,740 これまでのところ おおむね正しい方角へ来ています 293 00:17:55,760 --> 00:17:57,760 どうしたんだ? 追っ手です 294 00:17:57,760 --> 00:18:00,760 においが漂ってきました 295 00:18:00,760 --> 00:18:02,750 フフッ やはりそうか 296 00:18:02,750 --> 00:18:04,750 おい 早く逃げないと! 297 00:18:05,750 --> 00:18:08,740 大丈夫です 敵は まだ かなり遠くにいますから 298 00:18:08,740 --> 00:18:12,760 しかも 我々とは 別の筋に入ったようです 299 00:18:12,760 --> 00:18:15,760 向こうの陣容は ほぼ特定できました 300 00:18:15,760 --> 00:18:18,760 陣容って? 全部で… 7匹 301 00:18:18,760 --> 00:18:20,750 思ったよりは少ないですが 302 00:18:20,750 --> 00:18:24,770 狭い地下で行動するには 手ごろな数かもしれません 303 00:18:24,770 --> 00:18:26,740 そのうち5匹は 初めて嗅ぐにおいです 304 00:18:26,740 --> 00:18:30,760 一般の兵士でしょう しかし あとは よく知っている 305 00:18:30,760 --> 00:18:33,760 あの悪鬼 そして野狐丸です 306 00:18:33,760 --> 00:18:37,750 野狐丸が? 大将が 自ら追ってきたっていうのか? 307 00:18:37,750 --> 00:18:39,770 今までは ずっと隠れていたのに 308 00:18:39,770 --> 00:18:41,750 何の不思議もありませんな 309 00:18:41,750 --> 00:18:44,770 お三方との戦いで勝つためには 310 00:18:44,770 --> 00:18:46,760 どうしても 悪鬼を起用する必要がある 311 00:18:46,760 --> 00:18:49,760 そして 悪鬼は ヤツらの切り札なのです 312 00:18:49,760 --> 00:18:52,760 悪鬼を失う事は敗北に直結します 313 00:18:52,760 --> 00:18:54,770 自ら 陣頭指揮して 314 00:18:54,770 --> 00:18:57,770 万全を期すくらいのことは 当然でしょう 315 00:18:57,770 --> 00:18:59,770 もしかして 向こうにも 316 00:18:59,770 --> 00:19:01,760 こちらの人数が 知られているんじゃないか? 317 00:19:01,760 --> 00:19:03,780 その可能性はあります 318 00:19:03,780 --> 00:19:06,760 こちらが残した空気も 風で運ばれていく 319 00:19:06,760 --> 00:19:10,770 そのにおいを嗅げば 我々の数や内訳などは 320 00:19:10,770 --> 00:19:12,770 たなごころを指すように 分かるでしょう 321 00:19:12,770 --> 00:19:14,770 ああ… 322 00:19:16,750 --> 00:19:18,770 ねえ 覚? 323 00:19:18,770 --> 00:19:20,780 どうして あのコは 悪鬼になっちゃったんだろう? 324 00:19:20,780 --> 00:19:22,790 それは分からない 325 00:19:22,790 --> 00:19:26,780 どういう育てられ方をされたか 見当もつかないし 326 00:19:26,780 --> 00:19:28,770 アイツらは薬物も使うだろう? 327 00:19:28,770 --> 00:19:31,790 でも そんなことで そんなに簡単に 328 00:19:31,790 --> 00:19:34,790 普通の子供が 悪鬼になっちゃうのかな? 329 00:19:34,790 --> 00:19:37,760 全て突然変異だっていう話だよ 330 00:19:37,760 --> 00:19:39,780 両親の資質とは関係ないって… 331 00:19:39,780 --> 00:19:42,780 そんなの ものすごく小さな確率でしょう? 332 00:19:42,780 --> 00:19:44,750 とにかく 悪鬼を止める 333 00:19:44,750 --> 00:19:47,750 そのためには サイコ・バスターが必要なんだ 334 00:19:47,750 --> 00:19:50,750 うん… だけど… 335 00:19:51,770 --> 00:19:53,790 何ていうか… 336 00:19:53,790 --> 00:19:55,760 あのコは本当に悪鬼なのかな? 337 00:19:55,760 --> 00:19:58,760 何 言ってんだよ! アイツが 何をしたのか見ただろう? 338 00:19:58,760 --> 00:20:00,780 何人 殺されたと思ってるんだ? 339 00:20:00,780 --> 00:20:02,780 あっ うわっ! 340 00:20:02,780 --> 00:20:04,770 すぐに取ってください 341 00:20:04,770 --> 00:20:06,770 無理に引っ張ってはいけない 342 00:20:06,770 --> 00:20:09,770 火を付けて 自分から離れるようにするんです 343 00:20:11,760 --> 00:20:15,780 信じられない ナメクジが人を襲うなんて 344 00:20:15,780 --> 00:20:17,780 大丈夫? 345 00:20:17,780 --> 00:20:19,770 気をつけてください! まだ上にいます 346 00:20:19,770 --> 00:20:21,770 私が… 347 00:20:24,770 --> 00:20:26,770 ううう… 348 00:20:30,780 --> 00:20:33,780 痛い? これ 一体 何なの? 349 00:20:33,780 --> 00:20:35,750 チスイナメクジです 350 00:20:35,750 --> 00:20:39,770 洞窟の天井にいて 獲物が通りかかると落下し 351 00:20:39,770 --> 00:20:44,790 逆棘状の歯によって 獲物の表皮を 広範囲に傷つけて吸血します 352 00:20:44,790 --> 00:20:48,780 浅手のようですが 放っておくと 出血がひどくなります 353 00:20:48,780 --> 00:20:50,750 止血しておいた方がいい 354 00:20:50,750 --> 00:20:52,770 鎮痛剤 飲む? 355 00:20:52,770 --> 00:20:55,770 要らない 呪力が使えなくなると まずい 356 00:20:55,770 --> 00:20:57,770 やっぱり… 357 00:20:57,770 --> 00:21:00,780 ここは地獄なんだわ… 358 00:21:00,780 --> 00:21:03,780 こんなのは ほんの序の口ですよ 359 00:22:35,800 --> 00:22:37,810 約束してください 360 00:22:37,810 --> 00:22:39,790 私が 志 半ばで 倒れることになっても 361 00:22:39,790 --> 00:22:42,790 あなたが 必ず悪鬼を止めるということを 362 00:22:42,790 --> 00:22:44,800 約束します 363 00:22:44,800 --> 00:22:48,800 早季… 早季? 何も心配はいらない