1 00:00:04,484 --> 00:00:06,502 なんで… この辺り 2 00:00:06,502 --> 00:00:09,489 こんなに ヒキガエルが いっぱいなんだ? 3 00:00:09,489 --> 00:00:11,474 あなた 図書館なのに 4 00:00:11,474 --> 00:00:14,474 どうして そんな格好なの? 5 00:00:15,495 --> 00:00:19,482 私… 私が聞きたいのは 6 00:00:19,482 --> 00:00:21,501 悪鬼って 本当にいるの? 7 00:00:21,501 --> 00:00:24,501 あと業魔… 業魔は? 8 00:00:25,488 --> 00:00:28,491 質問 検索サービスには 利用者登録が必要です 9 00:00:28,491 --> 00:00:32,478 なんだい 先に言えよ 登録が出来るのは 満18歳以上で 10 00:00:32,478 --> 00:00:36,499 氏名 住所 年齢を証明するために 以下のものが必要です… 11 00:00:36,499 --> 00:00:38,484 どうしよう? とりあえず 12 00:00:38,484 --> 00:00:40,486 これ 全部 抜いてから 半分に割る? 13 00:00:40,486 --> 00:00:43,489 うん? お… おう! 14 00:00:43,489 --> 00:00:48,489 その前に あのゴムみたいな皮を 剥いだ方がいいんじゃねえか? 15 00:00:50,480 --> 00:00:53,483 書類による手続きは 省略されました 16 00:00:53,483 --> 00:00:55,485 これより 利用者登録を 17 00:00:55,485 --> 00:00:57,485 開始します 18 00:01:02,784 --> 00:01:05,636 よし! じゃあ なんで この辺り こんなにヒキガエルが… 19 00:01:05,636 --> 00:01:07,622 いろいろ 山ほどあるんだけどさ 20 00:01:07,622 --> 00:01:09,624 まず さっきの 悪鬼って 本当にいるのか 21 00:01:09,624 --> 00:01:11,624 それと 業魔も 22 00:01:12,627 --> 00:01:16,614 悪鬼という言葉は 先史文明の末期に現れた 23 00:01:16,614 --> 00:01:20,635 ラーマン・クロギウス症候群 別名「鶏小屋のキツネ」 24 00:01:20,635 --> 00:01:23,638 フォックス・イン・ザ・ヘンハウス 症候群に該当します 25 00:01:23,638 --> 00:01:26,641 現在は その存在は 確認されていませんが 26 00:01:26,641 --> 00:01:29,644 かつて 存在したことは 厳然たる事実であり 27 00:01:29,644 --> 00:01:33,631 将来 再び誕生する可能性は 高いと思われます 28 00:01:33,631 --> 00:01:35,633 業魔とは やはり先史文明が 29 00:01:35,633 --> 00:01:37,618 崩壊する 直前に出現した 30 00:01:37,618 --> 00:01:39,637 橋本・アッペルバウム 症候群の 31 00:01:39,637 --> 00:01:42,623 重篤期患者に 対する俗称です 32 00:01:42,623 --> 00:01:44,642 それは… 33 00:01:44,642 --> 00:01:46,627 先史文明において サイコキネシスが 34 00:01:46,627 --> 00:01:49,630 科学の 曙光によって 照らし出されたのは 35 00:01:49,630 --> 00:01:52,617 キリスト教歴 2011年のことでした 36 00:01:52,617 --> 00:01:54,635 アゼルバイジャン共和国の 認知科学者 37 00:01:54,635 --> 00:01:58,623 イムラン・イスマイロフが 行った実験は ほぼ成功を収め 38 00:01:58,623 --> 00:02:01,626 その世界で 最初の科学によって 39 00:02:01,626 --> 00:02:03,628 認証された超能力者に続き 40 00:02:03,628 --> 00:02:05,646 世界の人々の中で 41 00:02:05,646 --> 00:02:08,646 それまで 眠っていた力が 目覚め始めました 42 00:02:09,634 --> 00:02:12,637 サイコキネシスを 獲得した人間の数は 43 00:02:12,637 --> 00:02:14,639 ある時点を境に 急激に増加して 44 00:02:14,639 --> 00:02:16,624 最終的には 世界の人口の 45 00:02:16,624 --> 00:02:19,627 0.3%まで 達しました 46 00:02:19,627 --> 00:02:21,629 たったの 0.3%? 47 00:02:21,629 --> 00:02:25,633 れい明期には PK能力者は 極めて微弱なパワーしか 48 00:02:25,633 --> 00:02:27,635 ふるうことが できませんでしたが 49 00:02:27,635 --> 00:02:30,638 それでも 当時の社会秩序を 破壊するのに 50 00:02:30,638 --> 00:02:33,641 十分な可能性を秘めていました 51 00:02:33,641 --> 00:02:36,644 日本において その決定的な引き金となったのは 52 00:02:36,644 --> 00:02:39,630 少年Aが起こした事件でした 53 00:02:39,630 --> 00:02:42,633 何をしたの? 54 00:02:42,633 --> 00:02:45,636 Aは ある日 PKを使えば どんな錠前も 55 00:02:45,636 --> 00:02:48,639 自在に開けられることに 気付きました 56 00:02:48,639 --> 00:02:50,641 彼は 侵入を繰り返し 57 00:02:50,641 --> 00:02:53,644 就寝中の女性 19人に暴行を加え 58 00:02:53,644 --> 00:02:55,630 そのうち 17人を殺害したのです 59 00:02:55,630 --> 00:02:57,632 あっ… 60 00:02:57,632 --> 00:02:59,650 ちょ… ちょっと待ってくれよ 61 00:02:59,650 --> 00:03:01,636 ありえねえだろ 人間なんだろ? 62 00:03:01,636 --> 00:03:04,622 人間が人間を殺すのか? 63 00:03:04,622 --> 00:03:06,641 そうです 64 00:03:06,641 --> 00:03:08,643 さらに Aの逮捕後にも 65 00:03:08,643 --> 00:03:12,647 PKを使った手口による 同様の事件が相次ぎました 66 00:03:12,647 --> 00:03:16,634 ついには PKを使った 無差別テロを行うに至り 67 00:03:16,634 --> 00:03:18,636 これに政治的 人権的 68 00:03:18,636 --> 00:03:22,623 思想的対立が 複雑に絡み合い 69 00:03:22,623 --> 00:03:26,644 そして 世界は かつて 経験したことのない 70 00:03:26,644 --> 00:03:29,644 戦いの時代に 突入したのです 71 00:03:32,650 --> 00:03:35,653 ウソだ… ウソ! 72 00:03:35,653 --> 00:03:37,638 皮肉なことに 間断なく 73 00:03:37,638 --> 00:03:40,625 生命の危機を 感じさせられる状況により 74 00:03:40,625 --> 00:03:42,643 生き残った能力者たちのPKは 75 00:03:42,643 --> 00:03:44,645 飛躍的な進化を遂げました 76 00:03:44,645 --> 00:03:48,649 また 世界の人口は 大幅に減少し 77 00:03:48,649 --> 00:03:51,636 最盛期の2%以下になったと 推計されています 78 00:03:51,636 --> 00:03:56,657 それが およそ500年続いた 暗黒時代の概要です 79 00:03:56,657 --> 00:03:58,626 東北アジアにおいて 人間社会は 80 00:03:58,626 --> 00:04:02,647 4種類の 相いれない単位に 分断されていました 81 00:04:02,647 --> 00:04:07,635 第1は PK能力者が 多数の 一般人を支配する奴隷王朝 82 00:04:07,635 --> 00:04:10,638 第2は 奴隷王朝の脅威から逃れていた 83 00:04:10,638 --> 00:04:12,640 非能力者の狩猟民 84 00:04:12,640 --> 00:04:14,659 第3は PKによって 85 00:04:14,659 --> 00:04:18,646 襲撃と殺りくを 繰り返していた略奪者たち 86 00:04:18,646 --> 00:04:21,649 そして 最後は ほそぼそと科学技術文明を 87 00:04:21,649 --> 00:04:23,651 伝承していた集団です 88 00:04:23,651 --> 00:04:26,654 言うまでもなく 書籍の発行を継続していたのは 89 00:04:26,654 --> 00:04:29,657 第4の集団です 90 00:04:29,657 --> 00:04:32,657 それから… どうなったの? 91 00:04:35,663 --> 00:04:39,650 その暗黒時代から 今までに 何があったんだ? 92 00:04:39,650 --> 00:04:41,652 そうよ! 暗黒時代には さっきの4つしか 93 00:04:41,652 --> 00:04:44,655 残ってなかったんでしょう? どれが 私たちの… 94 00:04:44,655 --> 00:04:47,658 いやだ! 聞きたくない! 95 00:04:47,658 --> 00:04:50,661 およそ 19の奴隷王朝は 96 00:04:50,661 --> 00:04:52,630 互いに不可侵 不干渉を守ることで 97 00:04:52,630 --> 00:04:55,633 600年以上 長らえました 98 00:04:55,633 --> 00:04:59,654 日本列島には 4つの奴隷王朝が存在しましたが 99 00:04:59,654 --> 00:05:03,641 私の中に記憶があるのは 神聖サクラ王朝のみです 100 00:05:03,641 --> 00:05:06,644 570年の間に 即位した王は 101 00:05:06,644 --> 00:05:09,647 実に 94代を数えます 102 00:05:09,647 --> 00:05:13,634 第5代皇帝 大歓喜帝の即位に際しては 103 00:05:13,634 --> 00:05:15,653 民衆の歓喜と喝采が 104 00:05:15,653 --> 00:05:18,656 3日3晩 鳴りやまなかったという 記述があります 105 00:05:18,656 --> 00:05:22,643 王朝の末期になると 王を後継者が殺害して 106 00:05:22,643 --> 00:05:25,646 王位を さん奪するのが 通例になりました 107 00:05:25,646 --> 00:05:29,667 後継者が思春期になり PKが発動された瞬間から 108 00:05:29,667 --> 00:05:33,667 先王の命は 風前の灯となったのです 109 00:05:35,656 --> 00:05:38,659 慈光帝は… 110 00:05:38,659 --> 00:05:41,662 呼吸をするように 人を殺し… 111 00:05:41,662 --> 00:05:44,665 時には 半ば… 112 00:05:44,665 --> 00:05:49,637 無意識のまま PKを行使して… 113 00:05:49,637 --> 00:05:54,658 臣下や領民を殺したのでは… 114 00:05:54,658 --> 00:05:56,660 その治世で… 115 00:05:56,660 --> 00:05:58,646 王朝の人口は半減し… 116 00:05:58,646 --> 00:06:03,651 野山に放置された遺骸… 117 00:06:03,651 --> 00:06:07,638 市中 至るところが ハエの大群で真っ黒になり… 118 00:06:07,638 --> 00:06:10,641 腐敗臭は 何kmも先まで… 119 00:06:10,641 --> 00:06:12,660 い… いや! 120 00:06:12,660 --> 00:06:14,662 やめろ やめろ! 121 00:06:14,662 --> 00:06:16,647 こんな話 何の意味があんだ! 122 00:06:16,647 --> 00:06:19,650 全部 でたらめかもしれねえし 123 00:06:19,650 --> 00:06:22,636 瞬! もう やめようぜ 頭 おかしくなりそうだよ 124 00:06:22,636 --> 00:06:26,657 僕だって こんな話を聞きたいわけじゃない 125 00:06:26,657 --> 00:06:29,660 僕らの社会は どうやって生まれたんだ? 126 00:06:29,660 --> 00:06:32,660 知りたいのは それだけだ 127 00:06:33,647 --> 00:06:35,666 500年の暗黒時代は 128 00:06:35,666 --> 00:06:39,653 奴隷王朝の終えんによって 幕が引かれました 129 00:06:39,653 --> 00:06:42,656 ついに PK能力者が 絶えてしまったのです 130 00:06:42,656 --> 00:06:46,644 戦火は 拡大の 一途をたどりました 131 00:06:46,644 --> 00:06:49,647 その混乱を収拾するために 132 00:06:49,647 --> 00:06:51,649 それまでは 歴史の傍観者に徹してきた 133 00:06:51,649 --> 00:06:55,653 科学文明の継承者たちが 立ち上がったのです 134 00:06:55,653 --> 00:06:57,655 じゃあ 私たちは その… 135 00:06:57,655 --> 00:07:01,642 だけど そこから どうやって 今の社会が できたんだ? 136 00:07:01,642 --> 00:07:04,645 それに 奴隷王朝の民や 狩猟民族たちは 137 00:07:04,645 --> 00:07:07,648 呪力 PKがなかったんだろう? 138 00:07:07,648 --> 00:07:09,650 その人たちは どこに行ったんだ 139 00:07:09,650 --> 00:07:12,653 その後 現在に至る歴史について 140 00:07:12,653 --> 00:07:15,656 信頼のおける文献は 極めて少数です 141 00:07:15,656 --> 00:07:20,661 そのため 残念ながら ご質問の点に関しては 不明です 142 00:07:20,661 --> 00:07:24,665 僕たちの社会は それまでと 何が変わったんだ 143 00:07:24,665 --> 00:07:26,667 いや 変わったんじゃないか 144 00:07:26,667 --> 00:07:29,670 今の この社会を作ったのは 145 00:07:29,670 --> 00:07:32,673 その科学文明の継承者って グループだろう? 146 00:07:32,673 --> 00:07:35,676 僕らの先祖なら 呪力を持っていたはずなのに 147 00:07:35,676 --> 00:07:38,662 奴隷王朝の王や 略奪者たちと違って 148 00:07:38,662 --> 00:07:40,648 互いに争ったりしなかった 149 00:07:40,648 --> 00:07:42,666 なぜなんだ? 150 00:07:42,666 --> 00:07:44,668 そんなの あたりまえ はっ…! 151 00:07:44,668 --> 00:07:48,656 PKに潜んでいる無限の可能性 裏を返せば 152 00:07:48,656 --> 00:07:51,659 その恐るべき破壊力についての 認識が深まってからは 153 00:07:51,659 --> 00:07:56,664 いかにして 対人攻撃を防ぐかが 最大の懸案となりました 154 00:07:56,664 --> 00:07:58,649 どうやって防ぐのよ! 155 00:07:58,649 --> 00:08:02,670 早くから指摘されていたのは 教育の重要性でした 156 00:08:02,670 --> 00:08:06,670 次に模索されたのは 心理学的手法です 157 00:08:07,658 --> 00:08:09,660 いずれも 有効ではあるものの 158 00:08:09,660 --> 00:08:12,660 完璧ではありませんでした 159 00:08:13,647 --> 00:08:16,650 ただ 心理テストや 性格検査を駆使すれば 160 00:08:16,650 --> 00:08:19,653 問題を起こす可能性のある児童は 161 00:08:19,653 --> 00:08:24,658 ほぼ100% 事前に抽出できる という 研究結果が得られ 162 00:08:24,658 --> 00:08:26,677 危険な因子を持った者は 163 00:08:26,677 --> 00:08:29,680 あらかじめ排除するという 考え方が 164 00:08:29,680 --> 00:08:32,666 その後の主流となったのです 165 00:08:32,666 --> 00:08:35,669 かわって脚光を浴びたのは 動物行動学でした 166 00:08:35,669 --> 00:08:40,658 中でも注目されたのは ボノボという霊長類の社会です 167 00:08:40,658 --> 00:08:42,660 ボノボの群れにおいては 168 00:08:42,660 --> 00:08:44,678 ほとんど争いというものが 見られません 169 00:08:44,678 --> 00:08:46,647 どうして? 170 00:08:46,647 --> 00:08:50,668 ボノボは 個体間の緊張や ストレスが高まると 171 00:08:50,668 --> 00:08:53,671 濃密な性的接触によって 解消します 172 00:08:53,671 --> 00:08:57,658 成熟した雄と雌の場合は そのようになりますが 173 00:08:57,658 --> 00:08:59,677 同性間や未成熟な個体の場合でも 174 00:08:59,677 --> 00:09:02,680 疑似的な行為を行うのです 175 00:09:02,680 --> 00:09:05,683 人間の社会も また ボノボ型の愛の社会へと 176 00:09:05,683 --> 00:09:07,651 作りかえることが急務でした 177 00:09:07,651 --> 00:09:10,654 しかし それでも なお 不十分だということが 178 00:09:10,654 --> 00:09:12,673 分かってきました 179 00:09:12,673 --> 00:09:15,659 PK後の社会では たった1人の暴走によって 180 00:09:15,659 --> 00:09:18,662 社会全体が 崩壊に導かれるからです 181 00:09:18,662 --> 00:09:22,650 PKを持った人間が 集団で社会生活を営むためには 182 00:09:22,650 --> 00:09:26,670 強力な攻撃抑制を与えることが 不可欠でした 183 00:09:26,670 --> 00:09:30,674 でも 与えるって どうやって? 184 00:09:30,674 --> 00:09:32,676 唯一 有効な方法は 185 00:09:32,676 --> 00:09:35,679 人間の遺伝子を 改変することでした 186 00:09:35,679 --> 00:09:38,682 人間の遺伝子に組み込む予定の メカニズムは 187 00:09:38,682 --> 00:09:40,651 2種類ありました 188 00:09:40,651 --> 00:09:43,654 1つは オオカミなどと同じ 普通の攻撃抑制 189 00:09:43,654 --> 00:09:45,673 そして もう1つは 190 00:09:45,673 --> 00:09:48,676 「愧死機構」と 呼ばれていたものです 191 00:09:48,676 --> 00:09:51,662 「愧死機構」の作用機序は 以下のようなものです 192 00:09:51,662 --> 00:09:54,665 最初に 自分が同種の人間を 攻撃しようとしていると 193 00:09:54,665 --> 00:09:57,668 脳が認識すると 無意識にPKが発動して 194 00:09:57,668 --> 00:10:01,655 肝臓 および 副甲状腺の機能を 停止させます 195 00:10:01,655 --> 00:10:06,677 これによって 不安 どうき 発汗などの警告発作が起きますが 196 00:10:06,677 --> 00:10:10,664 その効果は 学習や 動機付け 暗示などによって 197 00:10:10,664 --> 00:10:12,664 増強が可能です 198 00:10:13,667 --> 00:10:15,669 やめてください! 199 00:10:15,669 --> 00:10:20,674 わかりますか? あなたが 私を苦しめているのですよ 200 00:10:20,674 --> 00:10:23,674 私を殺さないでください! 201 00:10:27,665 --> 00:10:31,669 この段階で ほとんどの人間は 攻撃を中止しますが 202 00:10:31,669 --> 00:10:33,671 なおも 攻撃が続行された場合には 203 00:10:33,671 --> 00:10:37,658 低カルシウム血症による テタニーの発作で 窒息死するか 204 00:10:37,658 --> 00:10:40,661 カリウムの濃度の急増によって 205 00:10:40,661 --> 00:10:42,680 心停止に至るのです 206 00:10:42,680 --> 00:10:44,682 そんな… バカな 207 00:10:44,682 --> 00:10:46,667 ウソでしょ? 208 00:10:46,667 --> 00:10:49,667 でも 筋は通ってる 209 00:10:51,672 --> 00:10:53,691 悪鬼が現れたのは その後? 210 00:10:53,691 --> 00:10:55,659 いいえ 211 00:10:55,659 --> 00:10:58,662 悪鬼 すなわち ラーマン・クロギウス症候群は 212 00:10:58,662 --> 00:11:00,681 先史文明時代の崩壊以前にも 213 00:11:00,681 --> 00:11:03,667 存在していたという 記録があります 214 00:11:03,667 --> 00:11:07,671 また 業魔と呼ばれている 橋本・アッペルバウム症候群も 215 00:11:07,671 --> 00:11:10,658 ほぼ同時期に発生したと 推定されています 216 00:11:10,658 --> 00:11:13,661 今の社会のシステムって… 217 00:11:13,661 --> 00:11:16,664 まるで 悪鬼と業魔を 防ぐことだけを目的に 218 00:11:16,664 --> 00:11:19,667 作られて感じじゃないか? 219 00:11:19,667 --> 00:11:21,669 そうよ じゃあ…・ 220 00:11:21,669 --> 00:11:23,687 どういうことなの? もっと分かりやすく 221 00:11:23,687 --> 00:11:27,675 言えねえのかよ! もう怖いこと言わないで! 222 00:11:27,675 --> 00:11:30,675 ラーマン・クロギウス症候群とは… 223 00:11:32,680 --> 00:11:35,680 あっ… ああ! 224 00:11:43,674 --> 00:11:45,674 ああ… 225 00:11:50,681 --> 00:11:52,666 あっ! 226 00:11:52,666 --> 00:11:54,666 うっ… 227 00:11:55,669 --> 00:11:57,671 誰? えっ? 228 00:11:57,671 --> 00:11:59,690 誰って? 229 00:11:59,690 --> 00:12:01,675 今の呪力の発火… 誰がやったんだ? 230 00:12:01,675 --> 00:12:03,675 私だ 231 00:12:10,718 --> 00:12:12,718 あっ! 232 00:12:13,721 --> 00:12:16,724 それは 妄言を吹き込んでは 人心を惑わす 233 00:12:16,724 --> 00:12:18,692 魑魅魍魎の類だ 234 00:12:18,692 --> 00:12:21,695 見つけしだい 焼尽せねばならないのだ… 235 00:12:21,695 --> 00:12:24,698 君たちは いったい ここで何をしている? 236 00:12:24,698 --> 00:12:26,700 僕たちは… 237 00:12:26,700 --> 00:12:29,703 夏季キャンプで 川を逆上ってきたんです 238 00:12:29,703 --> 00:12:34,725 こんなところまで来る許可を 学校から得ているのか? 239 00:12:29,703 --> 00:12:32,689 すいません 許可は いただいてません 240 00:12:32,689 --> 00:12:34,674 つい ここまで来てしまいました 241 00:12:34,674 --> 00:12:39,674 なるほど… つい ここまでか? 242 00:12:41,698 --> 00:12:45,685 私は 清浄寺で 西堂を勤めている離塵だ 243 00:12:45,685 --> 00:12:48,688 君たちのことは よく知っている 244 00:12:48,688 --> 00:12:51,691 君たちには これから寺に来てもらう 245 00:12:51,691 --> 00:12:53,693 無瞋上人の お沙汰を いただかないうちは 246 00:12:53,693 --> 00:12:55,679 町へ戻すわけには いかない 247 00:12:55,679 --> 00:12:57,681 ちょっと待ってください その前に 248 00:12:57,681 --> 00:12:59,699 1つだけ教えて欲しいんです 249 00:12:59,699 --> 00:13:03,699 コイツが言ったことは 全部 ウソだったんですか? 250 00:13:04,671 --> 00:13:09,693 君たちは 規則を破って 来てはいけないところに来た 251 00:13:09,693 --> 00:13:13,680 しかも 禁を犯して 悪魔の言葉に耳を傾けた 252 00:13:13,680 --> 00:13:15,682 それだけでも重大な罪だ 253 00:13:15,682 --> 00:13:18,685 だが 問題はその先にある 254 00:13:18,685 --> 00:13:22,672 君たちは 倫理規定の さらに根幹にある白金法 255 00:13:22,672 --> 00:13:26,693 その第10条 悪謗四宝戒に背いた 256 00:13:26,693 --> 00:13:31,681 よって私は 君たちの呪力を ただちに凍結せねばならぬ 257 00:13:31,681 --> 00:13:34,681 えっ! 凍結って? 258 00:13:42,692 --> 00:13:46,680 今より 君たちの呪力を この人形に封じ込める 259 00:13:46,680 --> 00:13:49,680 各自 人形を立たせなさい 260 00:13:59,709 --> 00:14:02,696 青沼 瞬… 秋月 真理亜… 朝比奈 覚! 261 00:14:02,696 --> 00:14:05,699 伊東 守… 渡辺早季 262 00:14:05,699 --> 00:14:09,699 お前たちの呪力は ここに凍結された! 263 00:14:11,705 --> 00:14:13,690 いっさいを焼施… 264 00:14:13,690 --> 00:14:16,676 全ての煩悩を焼尽せしめ… 265 00:14:16,676 --> 00:14:20,714 灰は 無辺の荒土に… 266 00:14:20,714 --> 00:14:22,682 うっ… 267 00:14:22,682 --> 00:14:26,703 精霊は飛び去り 真言も消え失せた… 268 00:14:26,703 --> 00:14:28,688 肝に銘じるがよい 269 00:14:28,688 --> 00:14:33,688 君たちは 2度と 再び真言を 思い出すことは無いだろう… 270 00:14:43,687 --> 00:14:46,690 あれが 本物の浮遊術か… 271 00:14:46,690 --> 00:14:48,692 どんなイメージを 作ってるんだろう 272 00:14:48,692 --> 00:14:50,710 もう 関係ねえよ 273 00:14:50,710 --> 00:14:53,713 2度と呪力を使える日は 来ねえんだから 274 00:14:53,713 --> 00:14:55,682 いい加減なこと言わないでよ! 275 00:14:55,682 --> 00:14:57,701 きっと また 使えるようになるんだから! 276 00:14:57,701 --> 00:14:59,703 どうして分かるんだよ? 277 00:14:59,703 --> 00:15:02,706 なくなったんじゃない 一時的に凍結されただけじゃない 278 00:15:02,706 --> 00:15:05,709 解いてもらえると 本気で思ってんのか? 279 00:15:05,709 --> 00:15:08,712 余計なことを知った俺たちは 排除の対象だろ 280 00:15:08,712 --> 00:15:11,715 何 言ってんの… 281 00:15:11,715 --> 00:15:13,683 なあ ちょっと変じゃないか? 282 00:15:13,683 --> 00:15:16,686 何が? あの離塵ていう お坊さん 283 00:15:16,686 --> 00:15:18,705 さっきから ちょっと様子が おかしいんだ 284 00:15:18,705 --> 00:15:21,705 もともと ああいうヤツなんだよ 285 00:15:23,710 --> 00:15:26,713 本当… おかしいわ… 286 00:15:26,713 --> 00:15:28,682 あれじゃないのかな… 287 00:15:28,682 --> 00:15:30,700 あれって… 何? 288 00:15:30,700 --> 00:15:33,703 ミノシロモドキの呪い 289 00:15:33,703 --> 00:15:36,706 あれは多分 人間から身を守るために 290 00:15:36,706 --> 00:15:39,693 作った映像だと思うんだ… 291 00:15:39,693 --> 00:15:44,714 「愧死機構」だよ… ミノシロモドキが言ってた… 292 00:15:44,714 --> 00:15:46,683 本当に 人間を攻撃したわけじゃないから 293 00:15:46,683 --> 00:15:48,702 死ぬことは ないんだろうけど… 294 00:15:48,702 --> 00:15:52,689 あれを見ただけで 僕は ものすごく気分が 悪くなった 295 00:15:52,689 --> 00:15:55,692 攻撃した あの人には 影響が 大きかったはずだよ 296 00:15:55,692 --> 00:15:57,694 呪力の炎が 消えたのも 297 00:15:57,694 --> 00:15:59,713 それで 集中が途切れたせいだと思う 298 00:15:59,713 --> 00:16:01,698 うっ! 299 00:16:01,698 --> 00:16:03,700 う… 300 00:16:03,700 --> 00:16:05,700 わ~! 301 00:16:12,709 --> 00:16:14,711 バケネズミだ… 何か変ね… 302 00:16:14,711 --> 00:16:17,714 態度でかいな… 303 00:16:17,714 --> 00:16:22,714 ガガガガ… 304 00:16:27,707 --> 00:16:29,707 オン! 305 00:16:37,701 --> 00:16:42,706 入れ墨は ないか… 野生のコロニーもない… 306 00:16:42,706 --> 00:16:44,708 と なると… 307 00:16:44,708 --> 00:16:48,712 あっ あ… 308 00:16:48,712 --> 00:16:51,698 どうやら このあたりには 309 00:16:51,698 --> 00:16:54,701 外来種のバケネズミが 侵入しているようだ 310 00:16:54,701 --> 00:16:56,720 これは 少々 やっかいな事態だ… 311 00:16:56,720 --> 00:16:58,720 えっ? 312 00:17:06,713 --> 00:17:08,715 何か いる あっ! 313 00:17:08,715 --> 00:17:10,700 止まれ! 何が見えた? 314 00:17:10,700 --> 00:17:15,705 よく 分からないけど… 何か… 何か動いていたんです 315 00:17:15,705 --> 00:17:19,693 伊東 守くん よく見て来るんだ 316 00:17:19,693 --> 00:17:24,714 やだ… やだ… やめてえ! 317 00:17:24,714 --> 00:17:28,702 ひい… 318 00:17:28,702 --> 00:17:32,702 どうだ? バケネズミは いたか? 319 00:17:33,707 --> 00:17:36,707 分かりま… しえん 320 00:17:37,694 --> 00:17:41,715 君たちを安全に 寺に連れて帰る責務がある以上 321 00:17:41,715 --> 00:17:44,718 用心するに越したことはない 322 00:17:44,718 --> 00:17:48,718 一応 消毒しておこうか… 323 00:17:49,706 --> 00:17:51,706 えっ? 324 00:17:59,716 --> 00:18:01,716 危ない! 325 00:18:05,722 --> 00:18:07,722 えっ? 326 00:18:11,728 --> 00:18:14,728 では 行こうか… 327 00:18:22,705 --> 00:18:25,705 うん? 止まれ! 328 00:18:29,729 --> 00:18:31,698 うわっ… 329 00:18:31,698 --> 00:18:34,701 何だ あれ… 330 00:18:34,701 --> 00:18:38,721 ウオオ! 331 00:18:38,721 --> 00:18:40,707 攻めてくる気だわ 332 00:18:40,707 --> 00:18:43,710 本来 三界に その住みかなく 333 00:18:43,710 --> 00:18:46,696 仏の格別の恩恵によって 334 00:18:46,696 --> 00:18:48,715 人外畜生道を 生る身でありながら 335 00:18:48,715 --> 00:18:52,702 この 離塵に向かって 蟷螂の斧を振り上げるか… 336 00:18:52,702 --> 00:18:57,707 ならば 調伏せねばなるまい 337 00:18:57,707 --> 00:18:59,707 違う… 338 00:19:00,710 --> 00:19:02,710 はっ! 339 00:19:09,719 --> 00:19:11,721 醜き害虫どもが… 340 00:19:11,721 --> 00:19:13,706 殴殺してくれるわ! 341 00:19:13,706 --> 00:19:15,706 やめて! 342 00:19:36,713 --> 00:19:38,713 ああ… 343 00:19:45,722 --> 00:19:48,725 やった! すげえ! 344 00:19:48,725 --> 00:19:51,711 バカじゃないの? 何 喜んでんのよ 345 00:19:51,711 --> 00:19:53,730 だって… アイツら 敵じゃないか 346 00:19:53,730 --> 00:19:56,733 本当の敵は アイツらじゃないでしょ! 347 00:19:56,733 --> 00:19:59,733 じゃあ 誰なんだよ? 348 00:20:20,723 --> 00:20:23,726 どうしたんだろう… 349 00:20:23,726 --> 00:20:25,726 大丈夫ですか? 350 00:20:28,715 --> 00:20:30,717 愧死機構じゃない… えっ? 351 00:20:30,717 --> 00:20:34,704 さっきのバケネズミさ 遠目だと 人間に見えたのかも… 352 00:20:34,704 --> 00:20:38,704 今度こそ 本当に発動してるのかも… 353 00:20:40,710 --> 00:20:43,713 何 あれ? 354 00:20:43,713 --> 00:20:45,713 何? 355 00:20:46,716 --> 00:20:48,718 風船犬? 356 00:20:48,718 --> 00:20:53,718 何 言ってんだよ そんなもの 本当に いるわけねえだろ 357 00:22:25,715 --> 00:22:27,734 きてる きてる きてる… 358 00:22:27,734 --> 00:22:29,736 どうするの? 呪力が無いのに どうするの? 359 00:22:29,736 --> 00:22:31,721 走れ! 急げって! 360 00:22:31,721 --> 00:22:34,724 急いでる… こちらです 早く 361 00:22:34,724 --> 00:22:36,726 違う 362 00:22:36,726 --> 00:22:38,726 やるしかねえ… やめて!