1 00:00:07,033 --> 00:00:11,053 うわあ~! 2 00:00:11,053 --> 00:00:13,039 はっ はっ… 3 00:00:13,039 --> 00:00:15,039 グガッ… 4 00:00:16,042 --> 00:00:19,045 グガ… ギギギギ! 5 00:00:19,045 --> 00:00:21,013 なっ! 6 00:00:21,013 --> 00:00:23,013 グギギ… 7 00:00:24,050 --> 00:00:27,053 はあ はあ はあ… 8 00:00:27,053 --> 00:00:29,053 あっ! 9 00:00:31,040 --> 00:00:35,027 さすがに これは もうダメだと思いました 10 00:00:35,027 --> 00:00:37,046 グガ… 11 00:00:37,046 --> 00:00:41,067 芸は身を助くとは よく言ったもんです 12 00:00:41,067 --> 00:00:45,067 やつらの言葉で 「痛い痛い」と わめきながら逃げたんです 13 00:00:46,038 --> 00:00:50,059 結局 何もされませんでした はあ 14 00:00:50,059 --> 00:00:54,046 しかし その後 気が遠くなり 倒れてしまいました 15 00:00:54,046 --> 00:00:58,050 す~っと意識が薄れた時 誰かに助けられたんです 16 00:00:58,050 --> 00:01:00,019 ああ やっと人間に会えた 17 00:01:00,019 --> 00:01:02,037 そう思って目を開けると 18 00:01:02,037 --> 00:01:04,039 私の顔をのぞきこんでいたのは 19 00:01:04,039 --> 00:01:06,025 バリバリのバケネズミ 20 00:01:06,025 --> 00:01:10,045 こりゃあ もうダメだと思いました 呪力も使えません 21 00:01:10,045 --> 00:01:14,033 ところが ソイツが 私をここまで運んでくれたんです 22 00:01:14,033 --> 00:01:16,035 どういうことですか? 23 00:01:16,035 --> 00:01:19,038 ソイツは奇狼丸だったんですよ 24 00:01:19,038 --> 00:01:23,025 奇狼丸は生きていたんですね 今 どこにいるんですか? 25 00:01:23,025 --> 00:01:25,044 さあ どうしたんでしょう? 26 00:01:25,044 --> 00:01:28,047 私 さっき 目を覚ましたんですが 27 00:01:28,047 --> 00:01:32,034 寂静さんから 渡辺さんたちが ここに到着したと聞いて 28 00:01:32,034 --> 00:01:35,070 とにかく会わせてくれって 言ったんですが 29 00:01:35,070 --> 00:01:38,057 奇狼丸のことは すっかり忘れていました 30 00:01:38,057 --> 00:01:40,042 失礼します 31 00:01:40,042 --> 00:01:42,027 渡辺早季さんに お渡しするよう 32 00:01:42,027 --> 00:01:45,027 ご両親から お預かりした物です 33 00:01:42,932 --> 00:01:44,901 ありがとうございます 34 00:01:44,901 --> 00:01:48,905 奇狼丸が乾さんを連れて ここに来たと伺ったんですが 35 00:01:48,905 --> 00:01:50,907 その後 どうなったんでしょうか? 36 00:01:50,907 --> 00:01:55,895 ああ… あの異類ですか 当寺に留め置いております 37 00:01:55,895 --> 00:01:57,931 会えますか? 38 00:01:57,931 --> 00:01:59,931 さあ それはどうでしょう 39 00:02:00,900 --> 00:02:03,903 「愛する早季ちゃん」 40 00:02:03,903 --> 00:02:07,891 「あなたが無事に清浄寺に たどり着いている事を信じて 41 00:02:07,891 --> 00:02:10,910 この手紙を書きます」 42 00:02:10,910 --> 00:02:13,897 「今 町には 悪鬼が跳りょうしており 43 00:02:13,897 --> 00:02:16,916 既に 多くの犠牲者が出ているようです」 44 00:02:16,916 --> 00:02:19,919 「私たちは 今できる最善を尽くして 45 00:02:19,919 --> 00:02:22,922 悪鬼を止めなくてはなりません」 46 00:02:22,922 --> 00:02:25,925 「あなたは 決して 私たちを追ってきてはいけません」 47 00:02:25,925 --> 00:02:29,925 「あなたには どうしても やってほしいことがあるのです」 48 00:02:30,897 --> 00:02:34,884 「これから書くことは 第4分類の知識の中でも 49 00:02:34,884 --> 00:02:36,903 『殃』に属する内容です」 50 00:02:36,903 --> 00:02:41,908 「そのため この手紙を読んだら 速やかに燃やしてください」 51 00:02:41,908 --> 00:02:44,911 「個人的な感傷に とらわれないこと」 52 00:02:44,911 --> 00:02:48,932 「常に 町の将来を考えて 行動しなくてはなりません」 53 00:02:48,932 --> 00:02:50,917 「あなたは 富子さまから 54 00:02:50,917 --> 00:02:53,917 選ばれた人間であることを 忘れないで」 55 00:02:54,938 --> 00:02:56,906 「安全保障会議の席で 56 00:02:56,906 --> 00:02:59,909 私が古代の大量破壊兵器について 話したことを 57 00:02:59,909 --> 00:03:01,895 覚えているでしょうか」 58 00:03:01,895 --> 00:03:05,915 「かつて 地上には 人類を何回も 皆殺しにできるほどの兵器が 59 00:03:05,915 --> 00:03:07,901 満ちあふれていました」 60 00:03:07,901 --> 00:03:10,887 「その大半は破壊されましたし 61 00:03:10,887 --> 00:03:13,890 残ったものも とうに朽ち果てたはずです」 62 00:03:13,890 --> 00:03:17,911 「しかし 1,000年が経過した今でさえ 63 00:03:17,911 --> 00:03:20,914 まだ生きている可能性のある 大量破壊兵器が 64 00:03:20,914 --> 00:03:23,917 1種類だけあるのです」 65 00:03:23,917 --> 00:03:27,904 「それは皮肉にも 呪力を持たない人間が 66 00:03:27,904 --> 00:03:31,925 呪力を持った人間を根絶やしに するために開発された兵器で 67 00:03:31,925 --> 00:03:35,912 サイコ・バスターという おぞましい俗称でした」 68 00:03:35,912 --> 00:03:39,933 「それほど多くの人を 殺傷する能力があるわけではなく 69 00:03:39,933 --> 00:03:43,920 人をあやめるという実感には 最も乏しい兵器ですから 70 00:03:43,920 --> 00:03:46,923 攻撃抑制に抵触しないばかりか 71 00:03:46,923 --> 00:03:50,923 おそらく 愧死機構の発動も 免れるはずです」 72 00:03:52,896 --> 00:03:57,934 「本来なら古代の住居表示の場所に たどり着くのは不可能でしょう」 73 00:03:57,934 --> 00:04:00,937 「しかし この箱に入っている物が 74 00:04:00,937 --> 00:04:04,891 何とか作動してさえくれれば 見つけられるはずです」 75 00:04:04,891 --> 00:04:07,894 「もし サイコ・バスターが 現存していれば 76 00:04:07,894 --> 00:04:10,930 あなたなら 絶対に見つけられるはずです」 77 00:04:10,930 --> 00:04:14,918 「どうか それで悪鬼を倒し 町を救ってください」 78 00:04:14,918 --> 00:04:16,903 「早季ちゃん 79 00:04:16,903 --> 00:04:20,924 あなたには 極めてまれな 得難い資質が備わっています」 80 00:04:20,924 --> 00:04:24,911 「ひと言で言えば それは強さです」 81 00:04:24,911 --> 00:04:27,947 「泣いたり めげたりすることはあっても 82 00:04:27,947 --> 00:04:29,916 あなたは絶対に折れない」 83 00:04:29,916 --> 00:04:32,919 「親の目から見ても そうでしたし 84 00:04:32,919 --> 00:04:35,922 富子さまにも 太鼓判を押していただきました」 85 00:04:35,922 --> 00:04:38,925 「私たちは 心の底から あなたを愛し 86 00:04:38,925 --> 00:04:42,925 いつ いかなる時でも あなたの行く末を見守っています」 87 00:04:46,900 --> 00:04:48,900 うっ… 88 00:04:59,929 --> 00:05:01,931 こちらです 89 00:05:01,931 --> 00:05:03,950 どうして こんな場所に? 90 00:05:03,950 --> 00:05:07,950 なにぶん 異類であり 宿坊に泊めることはできません 91 00:05:08,922 --> 00:05:11,925 ましてや今は バケネズミどもの反乱により 92 00:05:11,925 --> 00:05:14,928 多くの人命が失われた直後です 93 00:05:14,928 --> 00:05:18,915 でも 人間に忠実な 大雀蜂コロニーの将軍ですよ? 94 00:05:18,915 --> 00:05:22,902 乾さんの命を助けて 連れてきてくれたのに 95 00:05:22,902 --> 00:05:25,939 どこのコロニーかは問わず 駆除せよという 96 00:05:25,939 --> 00:05:28,908 倫理委員会からの 申し送りがありますし 97 00:05:28,908 --> 00:05:33,947 戦の勝負の帰すうを見て 簡単に寝返るのが獣の常ですから 98 00:05:33,947 --> 00:05:35,947 でも… 99 00:05:36,916 --> 00:05:40,904 これ 奇狼丸 お前に会いたいと言われて 100 00:05:40,904 --> 00:05:42,904 わざわざ お客さまが来られた 101 00:05:44,924 --> 00:05:47,927 うっ あっ… あっ! 102 00:05:47,927 --> 00:05:50,930 これは よく いらっしゃいました 103 00:05:50,930 --> 00:05:53,933 このような むさ苦しい所まで 足をお運びいただき 104 00:05:53,933 --> 00:05:55,902 誠に恐縮です 105 00:05:55,902 --> 00:05:58,905 渡辺早季です 分かりますか? 106 00:05:58,905 --> 00:06:02,926 こっちは朝比奈 覚 こんな扱いはあんまりです! 107 00:06:02,926 --> 00:06:04,944 せめて この鎖を外してください 108 00:06:04,944 --> 00:06:07,931 それには 監寺のご許可を得ませんと 109 00:06:07,931 --> 00:06:09,916 今は ご祈とうの真っ最中でしょ? 110 00:06:09,916 --> 00:06:11,935 許可は後でいただきます 111 00:06:11,935 --> 00:06:14,921 困りますな このようなことをされては 112 00:06:14,921 --> 00:06:17,924 お2人のことは よく覚えております 113 00:06:17,924 --> 00:06:20,927 異類管理課の渡辺早季さまは もちろん 114 00:06:20,927 --> 00:06:23,930 朝比奈 覚さまは 以前にお目にかかった時は 115 00:06:23,930 --> 00:06:26,933 まだ かわいい少年でしたが 116 00:06:26,933 --> 00:06:29,936 随分 立派になられました 117 00:06:29,936 --> 00:06:32,922 ごめんなさい こんな目に遭わせて 118 00:06:32,922 --> 00:06:35,925 乾さんを助けてくれて ありがとう 119 00:06:35,925 --> 00:06:38,928 なに 当然のことをしたまでです 120 00:06:38,928 --> 00:06:41,931 それより あの悪鬼 どうなさるおつもりですか? 121 00:06:41,931 --> 00:06:43,916 異類風情が くちばしを入れることではない 122 00:06:43,916 --> 00:06:45,952 控えておれ! 123 00:06:45,952 --> 00:06:50,923 我が精鋭部隊が 子供1人のために 簡単に全滅させられました 124 00:06:50,923 --> 00:06:53,926 こちらの放った矢は ことごとく空中で止められ 125 00:06:53,926 --> 00:06:58,915 その上 呪力で武器を奪われては なすすべがありません 126 00:06:58,915 --> 00:07:00,950 あなたは よく無事だったわね 127 00:07:00,950 --> 00:07:03,920 奇跡に近いことだったと思います 128 00:07:03,920 --> 00:07:05,938 私の退路を作るため 129 00:07:05,938 --> 00:07:09,926 我が精鋭たちが 一丸となって突進しましたが 130 00:07:09,926 --> 00:07:12,929 武器は既に奪われ 丸腰です 131 00:07:12,929 --> 00:07:14,931 彼らが徒手空拳で戦い 132 00:07:14,931 --> 00:07:17,934 なますのように 切り刻まれるのを横目に 133 00:07:17,934 --> 00:07:21,921 私は悪鬼の目と鼻の先を走り抜け 溝に飛び込んだのです 134 00:07:21,921 --> 00:07:24,924 神仏のご加護があったからとしか 思えません 135 00:07:24,924 --> 00:07:27,927 悪鬼は私たちの町も襲ったわ 136 00:07:27,927 --> 00:07:31,948 あなたの部下の敵は 必ず取ってあげるから 137 00:07:31,948 --> 00:07:33,916 しかし 神様 138 00:07:33,916 --> 00:07:35,935 人類は同種に対しては 139 00:07:35,935 --> 00:07:38,938 呪力を用いることが できないのではありませんか? 140 00:07:38,938 --> 00:07:40,940 うっ… お前は それをどこで知ったのだ? 141 00:07:40,940 --> 00:07:43,943 我々の間では周知の事実です 142 00:07:43,943 --> 00:07:46,946 無論 野狐丸めも知っていたはずです 143 00:07:46,946 --> 00:07:50,933 おそらく その辺りが 今回の 計画の出発点だったのでしょう 144 00:07:50,933 --> 00:07:53,936 奇狼丸 君なら どうやって悪鬼を退治する? 145 00:07:53,936 --> 00:07:56,939 呪力が使えないとなれば 146 00:07:56,939 --> 00:08:00,927 我々が用いる通常の戦闘方法に 頼るしかありません 147 00:08:00,927 --> 00:08:03,930 銃か 毒矢か 落とし穴か… 148 00:08:03,930 --> 00:08:05,932 そうだ もう1つ 149 00:08:05,932 --> 00:08:08,935 俺らは これから 東京へ行かなきゃならない 150 00:08:08,935 --> 00:08:11,938 何か知っていることがあったら 教えてほしいんだ 151 00:08:11,938 --> 00:08:14,941 あの呪われた地には 神様は もちろん 152 00:08:14,941 --> 00:08:17,944 我が同族も めったに近づこうとはしません 153 00:08:17,944 --> 00:08:21,964 現在 あの周辺には 全くコロニーはないはずです 154 00:08:21,964 --> 00:08:25,918 大昔の戦争で 土も水も汚染されていて 155 00:08:25,918 --> 00:08:28,921 致命的な毒ガスや放射能が 残っていて 156 00:08:28,921 --> 00:08:31,941 一歩 足を踏み入れれば 死ぬっていう話は? 157 00:08:31,941 --> 00:08:34,911 いや それは単なる うわさかと思います 158 00:08:34,911 --> 00:08:37,914 あの地域 一帯が 生命に危険を来すほど 159 00:08:37,914 --> 00:08:39,966 汚染されているとは思えません 160 00:08:39,966 --> 00:08:41,934 なぜ分かるんだ? 以前に1度だけ 161 00:08:41,934 --> 00:08:44,937 実際に足を踏み入れたことが あるからです 162 00:08:44,937 --> 00:08:48,958 健康には 別段 問題を生じませんでした 163 00:08:48,958 --> 00:08:53,946 しかし 同行した兵士の およそ3分の1が死傷しました 164 00:08:48,958 --> 00:08:52,958 ぜひとも 私に道案内させていただきたい 165 00:09:05,909 --> 00:09:07,894 潜航した方がいいようです 166 00:09:07,894 --> 00:09:11,915 この先から同族のにおいが 強く漂ってきますので 167 00:09:11,915 --> 00:09:15,915 どこまで潜ったまま 行けばいいんだ? 168 00:09:39,943 --> 00:09:41,911 浮上しよう 169 00:09:41,911 --> 00:09:43,930 まだ近くにいるかも 170 00:09:43,930 --> 00:09:45,932 息継ぎのチャンスは 見逃すべきじゃないよ 171 00:09:45,932 --> 00:09:47,932 そうしましょう 172 00:09:51,905 --> 00:09:53,923 はあっ… 173 00:09:53,923 --> 00:09:55,892 潜航してください 174 00:09:55,892 --> 00:09:58,895 この先に相当数の同類がいます 175 00:09:58,895 --> 00:10:00,895 ううっ 176 00:10:05,919 --> 00:10:07,904 もう全然見えない どうする? 177 00:10:07,904 --> 00:10:11,904 しばらくは 流れに乗って 行くだけでいいでしょう 178 00:10:17,914 --> 00:10:20,917 あれ? 見て 明るくなってきた 179 00:10:20,917 --> 00:10:23,917 しっ! 静かに ああ… 180 00:10:26,923 --> 00:10:28,925 たいまつで川を照らしてるんだ 181 00:10:28,925 --> 00:10:30,944 見つかっちゃう? 182 00:10:30,944 --> 00:10:32,912 多分 大丈夫だよ 183 00:10:32,912 --> 00:10:34,931 心配ご無用です 184 00:10:34,931 --> 00:10:36,916 上にいる者どもは 185 00:10:36,916 --> 00:10:38,918 もっぱら 水上を見張っているのです 186 00:10:38,918 --> 00:10:43,918 いかにも 疑心暗鬼に駆られた 臆病者の考えそうなことです 187 00:10:49,896 --> 00:10:52,899 我々が 水中を抜けていくというのは 188 00:10:52,899 --> 00:10:55,899 いかな策士でも 想定外だったようですな 189 00:10:58,938 --> 00:11:02,938 ここまで来れば 河口まで ほんの少しですよ 190 00:11:03,943 --> 00:11:05,929 ああ… 191 00:11:05,929 --> 00:11:08,915 もう 潜航する必要は ないんじゃないですか? 192 00:11:08,915 --> 00:11:11,918 奇狼丸 あなたの同族の においはしない? 193 00:11:11,918 --> 00:11:15,939 分かりません 風向きが逆になったようです 194 00:11:15,939 --> 00:11:18,942 今のところ 何の音も 聞こえないようです が しかし 195 00:11:18,942 --> 00:11:23,942 こちらも 極力 音を立てるのは 控えた方がよさそうです 196 00:11:26,916 --> 00:11:28,916 はあ… 197 00:11:29,919 --> 00:11:31,919 舟がいるわ どうしよう? 198 00:11:34,908 --> 00:11:36,943 潜航しよう 199 00:11:36,943 --> 00:11:38,928 海までは息継ぎせずに行ける 200 00:11:38,928 --> 00:11:40,897 早く逃げてください! アイツだ! 201 00:11:40,897 --> 00:11:42,949 間違いない あの悪鬼のにおいです! 202 00:11:42,949 --> 00:11:45,949 でも 風向きは逆… あっ… 203 00:11:48,938 --> 00:11:50,924 潜りますか? 204 00:11:50,924 --> 00:11:54,924 間に合わない… このまま突破するんだ! 205 00:11:57,947 --> 00:11:59,947 早季 目をつぶれ! 206 00:12:10,910 --> 00:12:13,930 悪鬼は… まいたのかな? 207 00:12:13,930 --> 00:12:15,915 今のところはね 208 00:12:15,915 --> 00:12:19,915 でも すぐ態勢を立て直して 追いかけてくるよ 209 00:12:20,920 --> 00:12:23,923 野狐丸なら こっちの意図に 気が付くかもしれない 210 00:12:23,923 --> 00:12:25,923 早く行かないと… 211 00:12:31,931 --> 00:12:33,950 これが… 212 00:12:33,950 --> 00:12:35,950 東京… 213 00:12:37,904 --> 00:12:40,940 真夜中に岸に近づくのは危険です 214 00:12:40,940 --> 00:12:42,925 夜明けを待ちましょう 215 00:12:42,925 --> 00:12:44,927 どうして? 216 00:12:44,927 --> 00:12:46,913 以前 東京に入った時には 217 00:12:46,913 --> 00:12:48,948 昼間は 何の異状もありませんでしたが… 218 00:12:48,948 --> 00:12:52,935 夜間 不用意に 岸辺に近づいた部下たちは 219 00:12:52,935 --> 00:12:57,957 全員 正体不明の怪物によって 食い殺されてしまいました 220 00:12:57,957 --> 00:12:59,926 怪物って? 221 00:12:59,926 --> 00:13:01,926 怪物です 222 00:13:35,928 --> 00:13:37,947 どうする? 223 00:13:37,947 --> 00:13:39,916 やみくもに動き回っても しかたない 224 00:13:39,916 --> 00:13:42,916 とにかく こいつの充電を再開しよう 225 00:13:47,940 --> 00:13:50,927 起動した 充電完了だ 226 00:13:50,927 --> 00:13:55,915 私は国会図書館つくば館の ミラー端末 008号です 227 00:13:55,915 --> 00:13:58,915 生きてた! やりましたね 228 00:13:59,936 --> 00:14:02,939 地図データとの照合完了 229 00:14:02,939 --> 00:14:05,942 電子コンパスによる 地磁気測位完了 230 00:14:05,942 --> 00:14:07,944 目的地の方位が判明しました 231 00:14:07,944 --> 00:14:11,931 現在位置より 西29度 北に進んでください 232 00:14:11,931 --> 00:14:13,950 よしっ! しまった… 233 00:14:13,950 --> 00:14:16,950 どうした? あの鳥です 234 00:14:17,937 --> 00:14:20,940 信じられない… もう… 235 00:14:20,940 --> 00:14:25,912 不注意でした こんなに早く発見されるとは 236 00:14:25,912 --> 00:14:27,930 おそらく 昨晩 湾内に停泊している間に 237 00:14:27,930 --> 00:14:29,932 見つかっていたんでしょう 238 00:14:29,932 --> 00:14:32,935 どうすればいい? 今すぐに逃げるべきですが 239 00:14:32,935 --> 00:14:35,938 砂漠ばかりで 身を隠せる場所はありません 240 00:14:35,938 --> 00:14:37,940 だったら地下に潜ったら どうなんだ? 241 00:14:37,940 --> 00:14:39,926 東京の地下は地獄です 242 00:14:39,926 --> 00:14:43,946 私が部下を失ったのも ほとんどが地下探検の時でした 243 00:14:43,946 --> 00:14:47,934 しかし この際 そんなことは 言っていられないでしょうな 244 00:14:47,934 --> 00:14:50,937 上等ですよ とにかく 追いつかれる前に 245 00:14:50,937 --> 00:14:53,940 サイコ・バスターを 見つければいいんだ 246 00:14:53,940 --> 00:14:56,943 追ってくるんなら 手間が省けるというもんです 247 00:14:56,943 --> 00:14:59,943 地獄の底へ 誘い込んでやりましょう 248 00:15:01,914 --> 00:15:04,917 なんで こんなに暑いの? 249 00:15:04,917 --> 00:15:07,917 コウモリです この先は もっと暑くなります 250 00:15:08,938 --> 00:15:12,925 ねえ サイコ・バスターって どういうものなの? 251 00:15:12,925 --> 00:15:15,928 サイコ・バスターとは 古代文明の末期に 252 00:15:15,928 --> 00:15:18,965 アメリカで超能力者の 一掃計画に用いられた 253 00:15:18,965 --> 00:15:21,934 細菌兵器の俗称です えっ? 254 00:15:21,934 --> 00:15:24,954 正式名は強毒性炭疽菌です 255 00:15:24,954 --> 00:15:28,925 炭疽菌とは 土壌中に存在する 枯草菌の 一種ですが 256 00:15:28,925 --> 00:15:31,928 人体に摂取されることにより 257 00:15:31,928 --> 00:15:35,948 皮膚炭疽 肺炭疽 腸炭疽などの 重症を引き起こします 258 00:15:35,948 --> 00:15:39,969 改良により きわめて強い 感染力があるため 259 00:15:39,969 --> 00:15:42,939 通常の疫学的な対処法では 260 00:15:42,939 --> 00:15:45,958 感染爆発を 抑え込むことは困難です 261 00:15:45,958 --> 00:15:48,928 炭疽菌は環境が悪化すると 生き延びるために 262 00:15:48,928 --> 00:15:52,949 胞子の状態で休眠します このため 極めて… 263 00:15:52,949 --> 00:15:56,936 私たちは こんなものを 本当に取りに行くの? 264 00:15:56,936 --> 00:15:59,939 悪鬼を倒すためなんだ しかたないだろ 265 00:15:59,939 --> 00:16:03,926 戦後処理の容易さのため 1年~2年で弱毒化するように… 266 00:16:03,926 --> 00:16:06,963 それなら 将来に 禍根を残さずに済みますね 267 00:16:06,963 --> 00:16:10,950 …加えて 環境にも優しい生物兵器として 268 00:16:10,950 --> 00:16:12,935 非常に評価が高いのです 269 00:16:12,935 --> 00:16:15,938 すばらしい これなら 悪鬼が気付かないうちに 270 00:16:15,938 --> 00:16:18,941 感染させることが十分に可能です 271 00:16:18,941 --> 00:16:22,941 問題は どうやって 粉末を吸わせるかですが… 272 00:16:27,934 --> 00:16:29,952 臭い! 273 00:16:29,952 --> 00:16:31,954 足下に気をつけてください 274 00:16:31,954 --> 00:16:34,957 フンでできた地面の上に虫が! 275 00:16:34,957 --> 00:16:36,957 こんなとこ歩けないわ! 276 00:16:37,927 --> 00:16:40,927 早季 行くしかないんだ あっ… 277 00:16:42,932 --> 00:16:46,953 ダメ 行けない 278 00:16:46,953 --> 00:16:49,922 大丈夫です この者たちは害をなしません 279 00:16:49,922 --> 00:16:52,922 でも… 時間がない 行くしかないんだ 280 00:16:55,928 --> 00:16:59,928 うっ… ううっ… 281 00:17:05,955 --> 00:17:07,957 地獄って意味が分かったわ 282 00:17:07,957 --> 00:17:12,962 いや この辺りは まだ 天国のようなものですよ 283 00:17:12,962 --> 00:17:16,933 あなたは前にも東京に 来たことがあるって言ったわね? 284 00:17:16,933 --> 00:17:18,935 はい 285 00:17:18,935 --> 00:17:21,938 どうして ここにコロニーを 作ろうとしなかったの? 286 00:17:21,938 --> 00:17:24,941 最初っから こんなに広い洞窟があるのに 287 00:17:24,941 --> 00:17:28,928 我が同族は数多くの 挑戦者を輩出してきましたが 288 00:17:28,928 --> 00:17:31,964 さすがに この地に 住もうとした者はおりません 289 00:17:31,964 --> 00:17:36,936 ここには いろいろと 不愉快な先住者が多すぎます 290 00:17:36,936 --> 00:17:38,955 ここからの方位は? 291 00:17:38,955 --> 00:17:40,923 西27度 北です 292 00:17:40,923 --> 00:17:44,923 これまでのところ おおむね正しい方角へ来ています 293 00:17:45,945 --> 00:17:47,947 どうしたんだ? 追っ手です 294 00:17:47,947 --> 00:17:50,950 においが漂ってきました 295 00:17:50,950 --> 00:17:52,935 フフッ やはりそうか 296 00:17:52,935 --> 00:17:54,935 おい 早く逃げないと! 297 00:17:55,938 --> 00:17:58,924 大丈夫です 敵は まだ かなり遠くにいますから 298 00:17:58,924 --> 00:18:02,945 しかも 我々とは 別の筋に入ったようです 299 00:18:02,945 --> 00:18:05,948 向こうの陣容は ほぼ特定できました 300 00:18:05,948 --> 00:18:08,951 陣容って? 全部で… 7匹 301 00:18:08,951 --> 00:18:10,936 思ったよりは少ないですが 302 00:18:10,936 --> 00:18:14,957 狭い地下で行動するには 手ごろな数かもしれません 303 00:18:14,957 --> 00:18:16,926 そのうち5匹は 初めて嗅ぐにおいです 304 00:18:16,926 --> 00:18:20,946 一般の兵士でしょう しかし あとは よく知っている 305 00:18:20,946 --> 00:18:23,949 あの悪鬼 そして野狐丸です 306 00:18:23,949 --> 00:18:27,937 野狐丸が? 大将が 自ら追ってきたっていうのか? 307 00:18:27,937 --> 00:18:29,955 今までは ずっと隠れていたのに 308 00:18:29,955 --> 00:18:31,941 何の不思議もありませんな 309 00:18:31,941 --> 00:18:34,960 お三方との戦いで勝つためには 310 00:18:34,960 --> 00:18:36,946 どうしても 悪鬼を起用する必要がある 311 00:18:36,946 --> 00:18:39,949 そして 悪鬼は ヤツらの切り札なのです 312 00:18:39,949 --> 00:18:42,952 悪鬼を失う事は敗北に直結します 313 00:18:42,952 --> 00:18:44,954 自ら 陣頭指揮して 314 00:18:44,954 --> 00:18:47,957 万全を期すくらいのことは 当然でしょう 315 00:18:47,957 --> 00:18:49,959 もしかして 向こうにも 316 00:18:49,959 --> 00:18:51,944 こちらの人数が 知られているんじゃないか? 317 00:18:51,944 --> 00:18:53,963 その可能性はあります 318 00:18:53,963 --> 00:18:56,949 こちらが残した空気も 風で運ばれていく 319 00:18:56,949 --> 00:19:00,953 そのにおいを嗅げば 我々の数や内訳などは 320 00:19:00,953 --> 00:19:02,955 たなごころを指すように 分かるでしょう 321 00:19:02,955 --> 00:19:04,955 ああ… 322 00:19:06,942 --> 00:19:08,961 ねえ 覚? 323 00:19:08,961 --> 00:19:10,963 どうして あのコは 悪鬼になっちゃったんだろう? 324 00:19:10,963 --> 00:19:12,982 それは分からない 325 00:19:12,982 --> 00:19:16,969 どういう育てられ方をされたか 見当もつかないし 326 00:19:16,969 --> 00:19:18,954 アイツらは薬物も使うだろう? 327 00:19:18,954 --> 00:19:21,974 でも そんなことで そんなに簡単に 328 00:19:21,974 --> 00:19:24,977 普通の子供が 悪鬼になっちゃうのかな? 329 00:19:24,977 --> 00:19:27,947 全て突然変異だっていう話だよ 330 00:19:27,947 --> 00:19:29,965 両親の資質とは関係ないって… 331 00:19:29,965 --> 00:19:32,968 そんなの ものすごく小さな確率でしょう? 332 00:19:32,968 --> 00:19:34,937 とにかく 悪鬼を止める 333 00:19:34,937 --> 00:19:37,940 そのためには サイコ・バスターが必要なんだ 334 00:19:37,940 --> 00:19:40,940 うん… だけど… 335 00:19:41,961 --> 00:19:43,979 何ていうか… 336 00:19:43,979 --> 00:19:45,948 あのコは本当に悪鬼なのかな? 337 00:19:45,948 --> 00:19:48,951 何 言ってんだよ! アイツが 何をしたのか見ただろう? 338 00:19:48,951 --> 00:19:50,970 何人 殺されたと思ってるんだ? 339 00:19:50,970 --> 00:19:52,972 あっ うわっ! 340 00:19:52,972 --> 00:19:54,957 すぐに取ってください 341 00:19:54,957 --> 00:19:56,959 無理に引っ張ってはいけない 342 00:19:56,959 --> 00:19:59,959 火を付けて 自分から離れるようにするんです 343 00:20:01,947 --> 00:20:05,968 信じられない ナメクジが人を襲うなんて 344 00:20:05,968 --> 00:20:07,970 大丈夫? 345 00:20:07,970 --> 00:20:09,955 気をつけてください! まだ上にいます 346 00:20:09,955 --> 00:20:11,955 私が… 347 00:20:14,960 --> 00:20:16,960 ううう… 348 00:20:20,966 --> 00:20:23,969 痛い? これ 一体 何なの? 349 00:20:23,969 --> 00:20:25,938 チスイナメクジです 350 00:20:25,938 --> 00:20:29,959 洞窟の天井にいて 獲物が通りかかると落下し 351 00:20:29,959 --> 00:20:34,980 逆棘状の歯によって 獲物の表皮を 広範囲に傷つけて吸血します 352 00:20:34,980 --> 00:20:38,968 浅手のようですが 放っておくと 出血がひどくなります 353 00:20:38,968 --> 00:20:40,936 止血しておいた方がいい 354 00:20:40,936 --> 00:20:42,955 鎮痛剤 飲む? 355 00:20:42,955 --> 00:20:45,958 要らない 呪力が使えなくなると まずい 356 00:20:45,958 --> 00:20:47,960 やっぱり… 357 00:20:47,960 --> 00:20:50,963 ここは地獄なんだわ… 358 00:20:50,963 --> 00:20:53,963 こんなのは ほんの序の口ですよ 359 00:22:25,991 --> 00:22:27,993 約束してください 360 00:22:27,993 --> 00:22:29,979 私が 志 半ばで 倒れることになっても 361 00:22:29,979 --> 00:22:32,982 あなたが 必ず悪鬼を止めるということを 362 00:22:32,982 --> 00:22:34,984 約束します 363 00:22:34,984 --> 00:22:38,984 早季… 早季? 何も心配はいらない