1 00:00:32,705 --> 00:00:36,725 うわあ~! 2 00:00:36,725 --> 00:00:38,711 はっ はっ… 3 00:00:38,711 --> 00:00:40,711 グガッ… 4 00:00:41,714 --> 00:00:44,717 グガ… ギギギギ! 5 00:00:44,717 --> 00:00:46,685 なっ! 6 00:00:46,685 --> 00:00:48,685 グギギ… 7 00:00:49,722 --> 00:00:52,725 はあ はあ はあ… 8 00:00:52,725 --> 00:00:54,725 あっ! 9 00:00:56,712 --> 00:01:00,699 さすがに これは もうダメだと思いました 10 00:01:00,699 --> 00:01:02,718 グガ… 11 00:01:02,718 --> 00:01:06,739 芸は身を助くとは よく言ったもんです 12 00:01:06,739 --> 00:01:10,739 やつらの言葉で 「痛い痛い」と わめきながら逃げたんです 13 00:01:11,710 --> 00:01:15,731 結局 何もされませんでした はあ 14 00:01:15,731 --> 00:01:19,718 しかし その後 気が遠くなり 倒れてしまいました 15 00:01:19,718 --> 00:01:23,722 す~っと意識が薄れた時 誰かに助けられたんです 16 00:01:23,722 --> 00:01:25,691 ああ やっと人間に会えた 17 00:01:25,691 --> 00:01:27,709 そう思って目を開けると 18 00:01:27,709 --> 00:01:29,711 私の顔をのぞきこんでいたのは 19 00:01:29,711 --> 00:01:31,697 バリバリのバケネズミ 20 00:01:31,697 --> 00:01:35,717 こりゃあ もうダメだと思いました 呪力も使えません 21 00:01:35,717 --> 00:01:39,705 ところが ソイツが 私をここまで運んでくれたんです 22 00:01:39,705 --> 00:01:41,707 どういうことですか? 23 00:01:41,707 --> 00:01:44,710 ソイツは奇狼丸だったんですよ 24 00:01:44,710 --> 00:01:48,697 奇狼丸は生きていたんですね 今 どこにいるんですか? 25 00:01:48,697 --> 00:01:50,716 さあ どうしたんでしょう? 26 00:01:50,716 --> 00:01:53,719 私 さっき 目を覚ましたんですが 27 00:01:53,719 --> 00:01:57,706 寂静さんから 渡辺さんたちが ここに到着したと聞いて 28 00:01:57,706 --> 00:02:00,742 とにかく会わせてくれって 言ったんですが 29 00:02:00,742 --> 00:02:03,729 奇狼丸のことは すっかり忘れていました 30 00:02:03,729 --> 00:02:05,714 失礼します 31 00:02:05,714 --> 00:02:07,699 渡辺早季さんに お渡しするよう 32 00:02:07,699 --> 00:02:10,699 ご両親から お預かりした物です 33 00:02:19,761 --> 00:02:21,730 ありがとうございます 34 00:02:21,730 --> 00:02:25,734 奇狼丸が乾さんを連れて ここに来たと伺ったんですが 35 00:02:25,734 --> 00:02:27,736 その後 どうなったんでしょうか? 36 00:02:27,736 --> 00:02:32,724 ああ… あの異類ですか 当寺に留め置いております 37 00:02:32,724 --> 00:02:34,760 会えますか? 38 00:02:34,760 --> 00:02:36,760 さあ それはどうでしょう 39 00:02:37,729 --> 00:02:40,732 「愛する早季ちゃん」 40 00:02:40,732 --> 00:02:44,720 「あなたが無事に清浄寺に たどり着いている事を信じて 41 00:02:44,720 --> 00:02:47,739 この手紙を書きます」 42 00:02:47,739 --> 00:02:50,726 「今 町には 悪鬼が跳りょうしており 43 00:02:50,726 --> 00:02:53,745 既に 多くの犠牲者が出ているようです」 44 00:02:53,745 --> 00:02:56,748 「私たちは 今できる最善を尽くして 45 00:02:56,748 --> 00:02:59,751 悪鬼を止めなくてはなりません」 46 00:02:59,751 --> 00:03:02,754 「あなたは 決して 私たちを追ってきてはいけません」 47 00:03:02,754 --> 00:03:06,754 「あなたには どうしても やってほしいことがあるのです」 48 00:03:07,726 --> 00:03:11,713 「これから書くことは 第4分類の知識の中でも 49 00:03:11,713 --> 00:03:13,732 『殃』に属する内容です」 50 00:03:13,732 --> 00:03:18,737 「そのため この手紙を読んだら 速やかに燃やしてください」 51 00:03:18,737 --> 00:03:21,740 「個人的な感傷に とらわれないこと」 52 00:03:21,740 --> 00:03:25,761 「常に 町の将来を考えて 行動しなくてはなりません」 53 00:03:25,761 --> 00:03:27,746 「あなたは 富子さまから 54 00:03:27,746 --> 00:03:30,746 選ばれた人間であることを 忘れないで」 55 00:03:31,767 --> 00:03:33,735 「安全保障会議の席で 56 00:03:33,735 --> 00:03:36,738 私が古代の大量破壊兵器について 話したことを 57 00:03:36,738 --> 00:03:38,724 覚えているでしょうか」 58 00:03:38,724 --> 00:03:42,744 「かつて 地上には 人類を何回も 皆殺しにできるほどの兵器が 59 00:03:42,744 --> 00:03:44,730 満ちあふれていました」 60 00:03:44,730 --> 00:03:47,716 「その大半は破壊されましたし 61 00:03:47,716 --> 00:03:50,719 残ったものも とうに朽ち果てたはずです」 62 00:03:50,719 --> 00:03:54,740 「しかし 1,000年が経過した今でさえ 63 00:03:54,740 --> 00:03:57,743 まだ生きている可能性のある 大量破壊兵器が 64 00:03:57,743 --> 00:04:00,746 1種類だけあるのです」 65 00:04:00,746 --> 00:04:04,733 「それは皮肉にも 呪力を持たない人間が 66 00:04:04,733 --> 00:04:08,754 呪力を持った人間を根絶やしに するために開発された兵器で 67 00:04:08,754 --> 00:04:12,741 サイコ・バスターという おぞましい俗称でした」 68 00:04:12,741 --> 00:04:16,762 「それほど多くの人を 殺傷する能力があるわけではなく 69 00:04:16,762 --> 00:04:20,749 人をあやめるという実感には 最も乏しい兵器ですから 70 00:04:20,749 --> 00:04:23,752 攻撃抑制に抵触しないばかりか 71 00:04:23,752 --> 00:04:27,752 おそらく 愧死機構の発動も 免れるはずです」 72 00:04:29,725 --> 00:04:34,763 「本来なら古代の住居表示の場所に たどり着くのは不可能でしょう」 73 00:04:34,763 --> 00:04:37,766 「しかし この箱に入っている物が 74 00:04:37,766 --> 00:04:41,720 何とか作動してさえくれれば 見つけられるはずです」 75 00:04:41,720 --> 00:04:44,723 「もし サイコ・バスターが 現存していれば 76 00:04:44,723 --> 00:04:47,759 あなたなら 絶対に見つけられるはずです」 77 00:04:47,759 --> 00:04:51,747 「どうか それで悪鬼を倒し 町を救ってください」 78 00:04:51,747 --> 00:04:53,732 「早季ちゃん 79 00:04:53,732 --> 00:04:57,753 あなたには 極めてまれな 得難い資質が備わっています」 80 00:04:57,753 --> 00:05:01,740 「ひと言で言えば それは強さです」 81 00:05:01,740 --> 00:05:04,776 「泣いたり めげたりすることはあっても 82 00:05:04,776 --> 00:05:06,745 あなたは絶対に折れない」 83 00:05:06,745 --> 00:05:09,748 「親の目から見ても そうでしたし 84 00:05:09,748 --> 00:05:12,751 富子さまにも 太鼓判を押していただきました」 85 00:05:12,751 --> 00:05:15,754 「私たちは 心の底から あなたを愛し 86 00:05:15,754 --> 00:05:19,754 いつ いかなる時でも あなたの行く末を見守っています」 87 00:05:23,729 --> 00:05:25,729 うっ… 88 00:05:36,758 --> 00:05:38,760 こちらです 89 00:05:38,760 --> 00:05:40,779 どうして こんな場所に? 90 00:05:40,779 --> 00:05:44,779 なにぶん 異類であり 宿坊に泊めることはできません 91 00:05:45,751 --> 00:05:48,754 ましてや今は バケネズミどもの反乱により 92 00:05:48,754 --> 00:05:51,757 多くの人命が失われた直後です 93 00:05:51,757 --> 00:05:55,744 でも 人間に忠実な 大雀蜂コロニーの将軍ですよ? 94 00:05:55,744 --> 00:05:59,731 乾さんの命を助けて 連れてきてくれたのに 95 00:05:59,731 --> 00:06:02,768 どこのコロニーかは問わず 駆除せよという 96 00:06:02,768 --> 00:06:05,737 倫理委員会からの 申し送りがありますし 97 00:06:05,737 --> 00:06:10,776 戦の勝負の帰すうを見て 簡単に寝返るのが獣の常ですから 98 00:06:10,776 --> 00:06:12,776 でも… 99 00:06:13,745 --> 00:06:17,733 これ 奇狼丸 お前に会いたいと言われて 100 00:06:17,733 --> 00:06:19,733 わざわざ お客さまが来られた 101 00:06:21,753 --> 00:06:24,756 うっ あっ… あっ! 102 00:06:24,756 --> 00:06:27,759 これは よく いらっしゃいました 103 00:06:27,759 --> 00:06:30,762 このような むさ苦しい所まで 足をお運びいただき 104 00:06:30,762 --> 00:06:32,731 誠に恐縮です 105 00:06:32,731 --> 00:06:35,734 渡辺早季です 分かりますか? 106 00:06:35,734 --> 00:06:39,755 こっちは朝比奈 覚 こんな扱いはあんまりです! 107 00:06:39,755 --> 00:06:41,773 せめて この鎖を外してください 108 00:06:41,773 --> 00:06:44,760 それには 監寺のご許可を得ませんと 109 00:06:44,760 --> 00:06:46,745 今は ご祈とうの真っ最中でしょ? 110 00:06:46,745 --> 00:06:48,764 許可は後でいただきます 111 00:06:48,764 --> 00:06:51,750 困りますな このようなことをされては 112 00:06:51,750 --> 00:06:54,753 お2人のことは よく覚えております 113 00:06:54,753 --> 00:06:57,756 異類管理課の渡辺早季さまは もちろん 114 00:06:57,756 --> 00:07:00,759 朝比奈 覚さまは 以前にお目にかかった時は 115 00:07:00,759 --> 00:07:03,762 まだ かわいい少年でしたが 116 00:07:03,762 --> 00:07:06,765 随分 立派になられました 117 00:07:06,765 --> 00:07:09,751 ごめんなさい こんな目に遭わせて 118 00:07:09,751 --> 00:07:12,754 乾さんを助けてくれて ありがとう 119 00:07:12,754 --> 00:07:15,757 なに 当然のことをしたまでです 120 00:07:15,757 --> 00:07:18,760 それより あの悪鬼 どうなさるおつもりですか? 121 00:07:18,760 --> 00:07:20,745 異類風情が くちばしを入れることではない 122 00:07:20,745 --> 00:07:22,781 控えておれ! 123 00:07:22,781 --> 00:07:27,752 我が精鋭部隊が 子供1人のために 簡単に全滅させられました 124 00:07:27,752 --> 00:07:30,755 こちらの放った矢は ことごとく空中で止められ 125 00:07:30,755 --> 00:07:35,744 その上 呪力で武器を奪われては なすすべがありません 126 00:07:35,744 --> 00:07:37,779 あなたは よく無事だったわね 127 00:07:37,779 --> 00:07:40,749 奇跡に近いことだったと思います 128 00:07:40,749 --> 00:07:42,767 私の退路を作るため 129 00:07:42,767 --> 00:07:46,755 我が精鋭たちが 一丸となって突進しましたが 130 00:07:46,755 --> 00:07:49,758 武器は既に奪われ 丸腰です 131 00:07:49,758 --> 00:07:51,760 彼らが徒手空拳で戦い 132 00:07:51,760 --> 00:07:54,763 なますのように 切り刻まれるのを横目に 133 00:07:54,763 --> 00:07:58,750 私は悪鬼の目と鼻の先を走り抜け 溝に飛び込んだのです 134 00:07:58,750 --> 00:08:01,753 神仏のご加護があったからとしか 思えません 135 00:08:01,753 --> 00:08:04,756 悪鬼は私たちの町も襲ったわ 136 00:08:04,756 --> 00:08:08,777 あなたの部下の敵は 必ず取ってあげるから 137 00:08:08,777 --> 00:08:10,745 しかし 神様 138 00:08:10,745 --> 00:08:12,764 人類は同種に対しては 139 00:08:12,764 --> 00:08:15,767 呪力を用いることが できないのではありませんか? 140 00:08:15,767 --> 00:08:17,769 うっ… お前は それをどこで知ったのだ? 141 00:08:17,769 --> 00:08:20,772 我々の間では周知の事実です 142 00:08:20,772 --> 00:08:23,775 無論 野狐丸めも知っていたはずです 143 00:08:23,775 --> 00:08:27,762 おそらく その辺りが 今回の 計画の出発点だったのでしょう 144 00:08:27,762 --> 00:08:30,765 奇狼丸 君なら どうやって悪鬼を退治する? 145 00:08:30,765 --> 00:08:33,768 呪力が使えないとなれば 146 00:08:33,768 --> 00:08:37,756 我々が用いる通常の戦闘方法に 頼るしかありません 147 00:08:37,756 --> 00:08:40,759 銃か 毒矢か 落とし穴か… 148 00:08:40,759 --> 00:08:42,761 そうだ もう1つ 149 00:08:42,761 --> 00:08:45,764 俺らは これから 東京へ行かなきゃならない 150 00:08:45,764 --> 00:08:48,767 何か知っていることがあったら 教えてほしいんだ 151 00:08:48,767 --> 00:08:51,770 あの呪われた地には 神様は もちろん 152 00:08:51,770 --> 00:08:54,773 我が同族も めったに近づこうとはしません 153 00:08:54,773 --> 00:08:58,793 現在 あの周辺には 全くコロニーはないはずです 154 00:08:58,793 --> 00:09:02,747 大昔の戦争で 土も水も汚染されていて 155 00:09:02,747 --> 00:09:05,750 致命的な毒ガスや放射能が 残っていて 156 00:09:05,750 --> 00:09:08,770 一歩 足を踏み入れれば 死ぬっていう話は? 157 00:09:08,770 --> 00:09:11,740 いや それは単なる うわさかと思います 158 00:09:11,740 --> 00:09:14,743 あの地域 一帯が 生命に危険を来すほど 159 00:09:14,743 --> 00:09:16,795 汚染されているとは思えません 160 00:09:16,795 --> 00:09:18,763 なぜ分かるんだ? 以前に1度だけ 161 00:09:18,763 --> 00:09:21,766 実際に足を踏み入れたことが あるからです 162 00:09:21,766 --> 00:09:25,787 健康には 別段 問題を生じませんでした 163 00:09:25,787 --> 00:09:30,775 しかし 同行した兵士の およそ3分の1が死傷しました 164 00:09:30,775 --> 00:09:34,775 ぜひとも 私に道案内させていただきたい 165 00:09:47,726 --> 00:09:49,711 潜航した方がいいようです 166 00:09:49,711 --> 00:09:53,732 この先から同族のにおいが 強く漂ってきますので 167 00:09:53,732 --> 00:09:57,732 どこまで潜ったまま 行けばいいんだ? 168 00:10:21,760 --> 00:10:23,728 浮上しよう 169 00:10:23,728 --> 00:10:25,747 まだ近くにいるかも 170 00:10:25,747 --> 00:10:27,749 息継ぎのチャンスは 見逃すべきじゃないよ 171 00:10:27,749 --> 00:10:29,749 そうしましょう 172 00:10:33,722 --> 00:10:35,740 はあっ… 173 00:10:35,740 --> 00:10:37,709 潜航してください 174 00:10:37,709 --> 00:10:40,712 この先に相当数の同類がいます 175 00:10:40,712 --> 00:10:42,712 ううっ 176 00:10:47,736 --> 00:10:49,721 もう全然見えない どうする? 177 00:10:49,721 --> 00:10:53,721 しばらくは 流れに乗って 行くだけでいいでしょう 178 00:10:59,731 --> 00:11:02,734 あれ? 見て 明るくなってきた 179 00:11:02,734 --> 00:11:05,734 しっ! 静かに ああ… 180 00:11:08,740 --> 00:11:10,742 たいまつで川を照らしてるんだ 181 00:11:10,742 --> 00:11:12,761 見つかっちゃう? 182 00:11:12,761 --> 00:11:14,729 多分 大丈夫だよ 183 00:11:14,729 --> 00:11:16,748 心配ご無用です 184 00:11:16,748 --> 00:11:18,733 上にいる者どもは 185 00:11:18,733 --> 00:11:20,735 もっぱら 水上を見張っているのです 186 00:11:20,735 --> 00:11:25,735 いかにも 疑心暗鬼に駆られた 臆病者の考えそうなことです 187 00:11:31,713 --> 00:11:34,716 我々が 水中を抜けていくというのは 188 00:11:34,716 --> 00:11:37,716 いかな策士でも 想定外だったようですな 189 00:11:40,755 --> 00:11:44,755 ここまで来れば 河口まで ほんの少しですよ 190 00:11:45,760 --> 00:11:47,746 ああ… 191 00:11:47,746 --> 00:11:50,732 もう 潜航する必要は ないんじゃないですか? 192 00:11:50,732 --> 00:11:53,735 奇狼丸 あなたの同族の においはしない? 193 00:11:53,735 --> 00:11:57,756 分かりません 風向きが逆になったようです 194 00:11:57,756 --> 00:12:00,759 今のところ 何の音も 聞こえないようです が しかし 195 00:12:00,759 --> 00:12:05,759 こちらも 極力 音を立てるのは 控えた方がよさそうです 196 00:12:08,733 --> 00:12:10,733 はあ… 197 00:12:11,736 --> 00:12:13,736 舟がいるわ どうしよう? 198 00:12:16,725 --> 00:12:18,760 潜航しよう 199 00:12:18,760 --> 00:12:20,745 海までは息継ぎせずに行ける 200 00:12:20,745 --> 00:12:22,714 早く逃げてください! アイツだ! 201 00:12:22,714 --> 00:12:24,766 間違いない あの悪鬼のにおいです! 202 00:12:24,766 --> 00:12:27,766 でも 風向きは逆… あっ… 203 00:12:30,755 --> 00:12:32,741 潜りますか? 204 00:12:32,741 --> 00:12:36,741 間に合わない… このまま突破するんだ! 205 00:12:39,764 --> 00:12:41,764 早季 目をつぶれ! 206 00:12:52,727 --> 00:12:55,747 悪鬼は… まいたのかな? 207 00:12:55,747 --> 00:12:57,732 今のところはね 208 00:12:57,732 --> 00:13:01,732 でも すぐ態勢を立て直して 追いかけてくるよ 209 00:13:02,737 --> 00:13:05,740 野狐丸なら こっちの意図に 気が付くかもしれない 210 00:13:05,740 --> 00:13:07,740 早く行かないと… 211 00:13:13,748 --> 00:13:15,767 これが… 212 00:13:15,767 --> 00:13:17,767 東京… 213 00:13:19,721 --> 00:13:22,757 真夜中に岸に近づくのは危険です 214 00:13:22,757 --> 00:13:24,742 夜明けを待ちましょう 215 00:13:24,742 --> 00:13:26,744 どうして? 216 00:13:26,744 --> 00:13:28,730 以前 東京に入った時には 217 00:13:28,730 --> 00:13:30,765 昼間は 何の異状もありませんでしたが… 218 00:13:30,765 --> 00:13:34,752 夜間 不用意に 岸辺に近づいた部下たちは 219 00:13:34,752 --> 00:13:39,774 全員 正体不明の怪物によって 食い殺されてしまいました 220 00:13:39,774 --> 00:13:41,743 怪物って? 221 00:13:41,743 --> 00:13:43,743 怪物です 222 00:14:17,745 --> 00:14:19,764 どうする? 223 00:14:19,764 --> 00:14:21,733 やみくもに動き回っても しかたない 224 00:14:21,733 --> 00:14:24,733 とにかく こいつの充電を再開しよう 225 00:14:29,757 --> 00:14:32,744 起動した 充電完了だ 226 00:14:32,744 --> 00:14:37,732 私は国会図書館つくば館の ミラー端末 008号です 227 00:14:37,732 --> 00:14:40,732 生きてた! やりましたね 228 00:14:41,753 --> 00:14:44,756 地図データとの照合完了 229 00:14:44,756 --> 00:14:47,759 電子コンパスによる 地磁気測位完了 230 00:14:47,759 --> 00:14:49,761 目的地の方位が判明しました 231 00:14:49,761 --> 00:14:53,748 現在位置より 西29度 北に進んでください 232 00:14:53,748 --> 00:14:55,767 よしっ! しまった… 233 00:14:55,767 --> 00:14:58,767 どうした? あの鳥です 234 00:14:59,754 --> 00:15:02,757 信じられない… もう… 235 00:15:02,757 --> 00:15:07,729 不注意でした こんなに早く発見されるとは 236 00:15:07,729 --> 00:15:09,747 おそらく 昨晩 湾内に停泊している間に 237 00:15:09,747 --> 00:15:11,749 見つかっていたんでしょう 238 00:15:11,749 --> 00:15:14,752 どうすればいい? 今すぐに逃げるべきですが 239 00:15:14,752 --> 00:15:17,755 砂漠ばかりで 身を隠せる場所はありません 240 00:15:17,755 --> 00:15:19,757 だったら地下に潜ったら どうなんだ? 241 00:15:19,757 --> 00:15:21,743 東京の地下は地獄です 242 00:15:21,743 --> 00:15:25,763 私が部下を失ったのも ほとんどが地下探検の時でした 243 00:15:25,763 --> 00:15:29,751 しかし この際 そんなことは 言っていられないでしょうな 244 00:15:29,751 --> 00:15:32,754 上等ですよ とにかく 追いつかれる前に 245 00:15:32,754 --> 00:15:35,757 サイコ・バスターを 見つければいいんだ 246 00:15:35,757 --> 00:15:38,760 追ってくるんなら 手間が省けるというもんです 247 00:15:38,760 --> 00:15:41,760 地獄の底へ 誘い込んでやりましょう 248 00:15:43,731 --> 00:15:46,734 なんで こんなに暑いの? 249 00:15:46,734 --> 00:15:49,734 コウモリです この先は もっと暑くなります 250 00:15:50,755 --> 00:15:54,742 ねえ サイコ・バスターって どういうものなの? 251 00:15:54,742 --> 00:15:57,745 サイコ・バスターとは 古代文明の末期に 252 00:15:57,745 --> 00:16:00,782 アメリカで超能力者の 一掃計画に用いられた 253 00:16:00,782 --> 00:16:03,751 細菌兵器の俗称です えっ? 254 00:16:03,751 --> 00:16:06,771 正式名は強毒性炭疽菌です 255 00:16:06,771 --> 00:16:10,742 炭疽菌とは 土壌中に存在する 枯草菌の 一種ですが 256 00:16:10,742 --> 00:16:13,745 人体に摂取されることにより 257 00:16:13,745 --> 00:16:17,765 皮膚炭疽 肺炭疽 腸炭疽などの 重症を引き起こします 258 00:16:17,765 --> 00:16:21,786 改良により きわめて強い 感染力があるため 259 00:16:21,786 --> 00:16:24,756 通常の疫学的な対処法では 260 00:16:24,756 --> 00:16:27,775 感染爆発を 抑え込むことは困難です 261 00:16:27,775 --> 00:16:30,745 炭疽菌は環境が悪化すると 生き延びるために 262 00:16:30,745 --> 00:16:34,766 胞子の状態で休眠します このため 極めて… 263 00:16:34,766 --> 00:16:38,753 私たちは こんなものを 本当に取りに行くの? 264 00:16:38,753 --> 00:16:41,756 悪鬼を倒すためなんだ しかたないだろ 265 00:16:41,756 --> 00:16:45,743 戦後処理の容易さのため 1年~2年で弱毒化するように… 266 00:16:45,743 --> 00:16:48,780 それなら 将来に 禍根を残さずに済みますね 267 00:16:48,780 --> 00:16:52,767 …加えて 環境にも優しい生物兵器として 268 00:16:52,767 --> 00:16:54,752 非常に評価が高いのです 269 00:16:54,752 --> 00:16:57,755 すばらしい これなら 悪鬼が気付かないうちに 270 00:16:57,755 --> 00:17:00,758 感染させることが十分に可能です 271 00:17:00,758 --> 00:17:04,758 問題は どうやって 粉末を吸わせるかですが… 272 00:17:09,751 --> 00:17:11,769 臭い! 273 00:17:11,769 --> 00:17:13,771 足下に気をつけてください 274 00:17:13,771 --> 00:17:16,774 フンでできた地面の上に虫が! 275 00:17:16,774 --> 00:17:18,774 こんなとこ歩けないわ! 276 00:17:19,744 --> 00:17:22,744 早季 行くしかないんだ あっ… 277 00:17:24,749 --> 00:17:28,770 ダメ 行けない 278 00:17:28,770 --> 00:17:31,739 大丈夫です この者たちは害をなしません 279 00:17:31,739 --> 00:17:34,739 でも… 時間がない 行くしかないんだ 280 00:17:37,745 --> 00:17:41,745 うっ… ううっ… 281 00:17:47,772 --> 00:17:49,774 地獄って意味が分かったわ 282 00:17:49,774 --> 00:17:54,779 いや この辺りは まだ 天国のようなものですよ 283 00:17:54,779 --> 00:17:58,750 あなたは前にも東京に 来たことがあるって言ったわね? 284 00:17:58,750 --> 00:18:00,752 はい 285 00:18:00,752 --> 00:18:03,755 どうして ここにコロニーを 作ろうとしなかったの? 286 00:18:03,755 --> 00:18:06,758 最初っから こんなに広い洞窟があるのに 287 00:18:06,758 --> 00:18:10,745 我が同族は数多くの 挑戦者を輩出してきましたが 288 00:18:10,745 --> 00:18:13,781 さすがに この地に 住もうとした者はおりません 289 00:18:13,781 --> 00:18:18,753 ここには いろいろと 不愉快な先住者が多すぎます 290 00:18:18,753 --> 00:18:20,772 ここからの方位は? 291 00:18:20,772 --> 00:18:22,740 西27度 北です 292 00:18:22,740 --> 00:18:26,740 これまでのところ おおむね正しい方角へ来ています 293 00:18:27,762 --> 00:18:29,764 どうしたんだ? 追っ手です 294 00:18:29,764 --> 00:18:32,767 においが漂ってきました 295 00:18:32,767 --> 00:18:34,752 フフッ やはりそうか 296 00:18:34,752 --> 00:18:36,752 おい 早く逃げないと! 297 00:18:37,755 --> 00:18:40,741 大丈夫です 敵は まだ かなり遠くにいますから 298 00:18:40,741 --> 00:18:44,762 しかも 我々とは 別の筋に入ったようです 299 00:18:44,762 --> 00:18:47,765 向こうの陣容は ほぼ特定できました 300 00:18:47,765 --> 00:18:50,768 陣容って? 全部で… 7匹 301 00:18:50,768 --> 00:18:52,753 思ったよりは少ないですが 302 00:18:52,753 --> 00:18:56,774 狭い地下で行動するには 手ごろな数かもしれません 303 00:18:56,774 --> 00:18:58,743 そのうち5匹は 初めて嗅ぐにおいです 304 00:18:58,743 --> 00:19:02,763 一般の兵士でしょう しかし あとは よく知っている 305 00:19:02,763 --> 00:19:05,766 あの悪鬼 そして野狐丸です 306 00:19:05,766 --> 00:19:09,754 野狐丸が? 大将が 自ら追ってきたっていうのか? 307 00:19:09,754 --> 00:19:11,772 今までは ずっと隠れていたのに 308 00:19:11,772 --> 00:19:13,758 何の不思議もありませんな 309 00:19:13,758 --> 00:19:16,777 お三方との戦いで勝つためには 310 00:19:16,777 --> 00:19:18,763 どうしても 悪鬼を起用する必要がある 311 00:19:18,763 --> 00:19:21,766 そして 悪鬼は ヤツらの切り札なのです 312 00:19:21,766 --> 00:19:24,769 悪鬼を失う事は敗北に直結します 313 00:19:24,769 --> 00:19:26,771 自ら 陣頭指揮して 314 00:19:26,771 --> 00:19:29,774 万全を期すくらいのことは 当然でしょう 315 00:19:29,774 --> 00:19:31,776 もしかして 向こうにも 316 00:19:31,776 --> 00:19:33,761 こちらの人数が 知られているんじゃないか? 317 00:19:33,761 --> 00:19:35,780 その可能性はあります 318 00:19:35,780 --> 00:19:38,766 こちらが残した空気も 風で運ばれていく 319 00:19:38,766 --> 00:19:42,770 そのにおいを嗅げば 我々の数や内訳などは 320 00:19:42,770 --> 00:19:44,772 たなごころを指すように 分かるでしょう 321 00:19:44,772 --> 00:19:46,772 ああ… 322 00:19:48,759 --> 00:19:50,778 ねえ 覚? 323 00:19:50,778 --> 00:19:52,780 どうして あのコは 悪鬼になっちゃったんだろう? 324 00:19:52,780 --> 00:19:54,799 それは分からない 325 00:19:54,799 --> 00:19:58,786 どういう育てられ方をされたか 見当もつかないし 326 00:19:58,786 --> 00:20:00,771 アイツらは薬物も使うだろう? 327 00:20:00,771 --> 00:20:03,791 でも そんなことで そんなに簡単に 328 00:20:03,791 --> 00:20:06,794 普通の子供が 悪鬼になっちゃうのかな? 329 00:20:06,794 --> 00:20:09,764 全て突然変異だっていう話だよ 330 00:20:09,764 --> 00:20:11,782 両親の資質とは関係ないって… 331 00:20:11,782 --> 00:20:14,785 そんなの ものすごく小さな確率でしょう? 332 00:20:14,785 --> 00:20:16,754 とにかく 悪鬼を止める 333 00:20:16,754 --> 00:20:19,757 そのためには サイコ・バスターが必要なんだ 334 00:20:19,757 --> 00:20:22,757 うん… だけど… 335 00:20:23,778 --> 00:20:25,796 何ていうか… 336 00:20:25,796 --> 00:20:27,765 あのコは本当に悪鬼なのかな? 337 00:20:27,765 --> 00:20:30,768 何 言ってんだよ! アイツが 何をしたのか見ただろう? 338 00:20:30,768 --> 00:20:32,787 何人 殺されたと思ってるんだ? 339 00:20:32,787 --> 00:20:34,789 あっ うわっ! 340 00:20:34,789 --> 00:20:36,774 すぐに取ってください 341 00:20:36,774 --> 00:20:38,776 無理に引っ張ってはいけない 342 00:20:38,776 --> 00:20:41,776 火を付けて 自分から離れるようにするんです 343 00:20:43,764 --> 00:20:47,785 信じられない ナメクジが人を襲うなんて 344 00:20:47,785 --> 00:20:49,787 大丈夫? 345 00:20:49,787 --> 00:20:51,772 気をつけてください! まだ上にいます 346 00:20:51,772 --> 00:20:53,772 私が… 347 00:20:56,777 --> 00:20:58,777 ううう… 348 00:21:02,783 --> 00:21:05,786 痛い? これ 一体 何なの? 349 00:21:05,786 --> 00:21:07,755 チスイナメクジです 350 00:21:07,755 --> 00:21:11,776 洞窟の天井にいて 獲物が通りかかると落下し 351 00:21:11,776 --> 00:21:16,797 逆棘状の歯によって 獲物の表皮を 広範囲に傷つけて吸血します 352 00:21:16,797 --> 00:21:20,785 浅手のようですが 放っておくと 出血がひどくなります 353 00:21:20,785 --> 00:21:22,753 止血しておいた方がいい 354 00:21:22,753 --> 00:21:24,772 鎮痛剤 飲む? 355 00:21:24,772 --> 00:21:27,775 要らない 呪力が使えなくなると まずい 356 00:21:27,775 --> 00:21:29,777 やっぱり… 357 00:21:29,777 --> 00:21:32,780 ここは地獄なんだわ… 358 00:21:32,780 --> 00:21:35,780 こんなのは ほんの序の口ですよ 359 00:23:07,808 --> 00:23:09,810 約束してください 360 00:23:09,810 --> 00:23:11,796 私が 志 半ばで 倒れることになっても 361 00:23:11,796 --> 00:23:14,799 あなたが 必ず悪鬼を止めるということを 362 00:23:14,799 --> 00:23:16,801 約束します 363 00:23:16,801 --> 00:23:20,801 早季… 早季? 何も心配はいらない