1 00:00:02,336 --> 00:00:06,006 (セシリア)んっ なんでしょう? (ドアを叩く音) 2 00:00:06,006 --> 00:00:08,342 ローレン? (ドアを叩く音) 3 00:00:08,342 --> 00:00:11,345 いないのですか? (ドアを叩く音) 4 00:00:11,345 --> 00:00:13,347 (セシリア)ローレン。 5 00:00:13,347 --> 00:00:16,850 あの…。 6 00:00:16,850 --> 00:00:20,520 (ローレンス)あ おはようございます 聖女さ… まっ! 7 00:00:20,520 --> 00:00:22,523 (アベル)いや~ ひどくない? 8 00:00:22,523 --> 00:00:26,193 俺 ゆうべからずぅっと扉 叩いてたのに。 9 00:00:26,193 --> 00:00:29,029 って あれ? うぅっ。 10 00:00:29,029 --> 00:00:31,865 んん…。 (アベル)ごめんて。 11 00:00:31,865 --> 00:00:34,368 ローレン… この人は? 12 00:00:34,368 --> 00:00:36,370 ああ すみません。 13 00:00:36,370 --> 00:00:38,538 彼は 神学校時代の知り合いで…。 14 00:00:38,538 --> 00:00:41,141 アベルっていいま~す。 15 00:02:26,680 --> 00:02:29,016 まったく お前ってヤツは。 16 00:02:29,016 --> 00:02:31,018 事前に連絡くらいしろ。 17 00:02:31,018 --> 00:02:33,520 旧友のよしみってやつだろ~。 18 00:02:33,520 --> 00:02:35,522 本当 相変わらずだなあ。 19 00:02:35,522 --> 00:02:37,524 お互いさまだろ。 20 00:02:37,524 --> 00:02:40,193 じぇらっ。 っていうか⇒ 21 00:02:40,193 --> 00:02:42,195 あの人が聖女様か! なっ! 22 00:02:42,195 --> 00:02:44,865 どっ どうして 聖女様のことを知って…。 23 00:02:44,865 --> 00:02:47,534 あっ。 ほうほう…。 24 00:02:47,534 --> 00:02:49,536 近い! いでっ。 25 00:02:49,536 --> 00:02:52,039 聖女様が おびえるようなことするな。 26 00:02:52,039 --> 00:02:54,041 で 何しに来た? 27 00:02:54,041 --> 00:02:56,710 実は お前んとこの教会で⇒ 28 00:02:56,710 --> 00:02:59,212 短期間 働こうと思ってさ~。 29 00:03:01,481 --> 00:03:04,151 あれ? ローレン…。 30 00:03:04,151 --> 00:03:08,155 さまざまな事情があるのは 私でもうかがい知れますが⇒ 31 00:03:08,155 --> 00:03:10,824 さすがに ご友人をこのように⇒ 32 00:03:10,824 --> 00:03:13,827 ないがしろに扱うのは…。 33 00:03:13,827 --> 00:03:15,829 ん…。 34 00:03:17,998 --> 00:03:21,001 そもそも どうして ここで働こうと思ったんだ? 35 00:03:21,001 --> 00:03:24,504 お前もっと大きな街の教会に 所属していただろう。 36 00:03:24,504 --> 00:03:26,506 クビか! 37 00:03:26,506 --> 00:03:29,009 かわいそうなこと 言わないでください。 38 00:03:29,009 --> 00:03:32,846 人間関係に 疲れちゃって…。 39 00:03:32,846 --> 00:03:35,182 ローレン…。 うう…。 40 00:03:35,182 --> 00:03:38,351 少しの間だけだからな。 ふん…。 41 00:03:38,351 --> 00:03:40,854 よっし じゃあ荷物置いてくる。 42 00:03:40,854 --> 00:03:45,192 はあ すみません聖女様。 43 00:03:45,192 --> 00:03:48,028 いえ… 大変ですね。 44 00:03:48,028 --> 00:03:51,198 そうですね… しなくてもいい説教を⇒ 45 00:03:51,198 --> 00:03:53,533 俺がしないといけなくなるので。 46 00:03:53,533 --> 00:03:55,535 《俺…。 47 00:03:55,535 --> 00:03:57,537 俺…。 48 00:03:57,537 --> 00:04:00,307 俺って言った…》 49 00:04:00,307 --> 00:04:02,309 はぁ…。 50 00:04:02,309 --> 00:04:04,311 なあ ローレンス。 51 00:04:04,311 --> 00:04:06,980 聖女様の名前って なんていうんだ? 52 00:04:06,980 --> 00:04:09,983 えっ ええと…。 おっ? 53 00:04:14,321 --> 00:04:17,324 はい。 いや なんで筆記だよ。 54 00:04:17,324 --> 00:04:19,826 むふ~。 聖女様~ 親しみを込めて⇒ 55 00:04:19,826 --> 00:04:22,162 セシリア様と呼んでいいですか! 56 00:04:22,162 --> 00:04:25,832 んっ! あ…。 どうしました? 57 00:04:25,832 --> 00:04:30,003 今まで 名前で呼んでもらった ことがなかったので…。 58 00:04:30,003 --> 00:04:32,005 えっ はっ? 59 00:04:32,005 --> 00:04:34,007 なんだよ。 60 00:04:34,007 --> 00:04:37,511 こんな キレイな名前があるのに 呼んだことがない! 61 00:04:37,511 --> 00:04:39,513 バカか 君は! なっ!? 62 00:04:39,513 --> 00:04:42,182 聖女様の名前を 教えてくれって言ったら⇒ 63 00:04:42,182 --> 00:04:45,018 紙に書いたんですよ コイツ。 んっ! 64 00:04:45,018 --> 00:04:47,854 アベル 3食抜きでいいか。 65 00:04:47,854 --> 00:04:49,856 すいませんでした。 66 00:04:49,856 --> 00:04:52,025 ちょっと⇒ 67 00:04:52,025 --> 00:04:54,027 整理しなければいけない 資料があるので⇒ 68 00:04:54,027 --> 00:04:56,029 少し 待っててください。 69 00:04:56,029 --> 00:04:58,031 へ~い。 はい。 70 00:04:58,031 --> 00:04:59,966 あ…。 71 00:04:59,966 --> 00:05:02,969 あの アベルさん。 72 00:05:02,969 --> 00:05:04,971 アベルでいいっすよ。 73 00:05:04,971 --> 00:05:08,808 あなたは ローレンと神学校からの 付き合いだと…。 74 00:05:08,808 --> 00:05:10,810 そうですよ~。 75 00:05:10,810 --> 00:05:12,813 えっと… ローレンは⇒ 76 00:05:12,813 --> 00:05:16,650 こっ 恋人とかいるんでしょうか。 77 00:05:16,650 --> 00:05:19,152 ふっ いますよ~。 78 00:05:19,152 --> 00:05:21,488 はっ!? は…。 79 00:05:21,488 --> 00:05:23,824 ガーン…。 80 00:05:23,824 --> 00:05:27,827 アイツは昔から 聖書が恋人みたいなもんで。 81 00:05:27,827 --> 00:05:29,996 聖書!? はい。 82 00:05:29,996 --> 00:05:34,000 あ… アベルはいじわるですね。 83 00:05:34,000 --> 00:05:36,837 じゃあ お詫びにこれあげます。 84 00:05:36,837 --> 00:05:39,005 それは? さっき ローレンスが⇒ 85 00:05:39,005 --> 00:05:42,842 セシリア様の名前を書いた紙です。 いただきます! 86 00:05:42,842 --> 00:05:45,846 《悪い人では ないのかもしれません》 87 00:05:45,846 --> 00:05:48,849 よく ちょろいって言われません? 88 00:05:48,849 --> 00:05:50,851 お待たせしました。 89 00:05:50,851 --> 00:05:53,186 では そろそろ教会に行きますか。 90 00:05:53,186 --> 00:05:56,356 あっ 待ってください ローレン。 91 00:05:56,356 --> 00:05:58,358 んっ。 92 00:06:02,629 --> 00:06:05,832 はい 大丈夫です。 ありがとうございます。 93 00:06:08,969 --> 00:06:12,639 ああ 今日は新月だもんな。 えっ? 94 00:06:12,639 --> 00:06:15,809 いや~ なんでもない。 95 00:06:15,809 --> 00:06:19,312 《そういえば学生時代 アベルのヤツ⇒ 96 00:06:19,312 --> 00:06:22,115 新月の日にやたらと 会いに来てたなぁ…》 97 00:06:25,151 --> 00:06:27,654 懐かしいなあ~。 98 00:06:27,654 --> 00:06:30,657 アベルは 前に来たことあるのですね。 99 00:06:30,657 --> 00:06:33,827 ええ。 学校の寮から遠かったので⇒ 100 00:06:33,827 --> 00:06:35,996 泊まりがけで 来ることもありましたね。 101 00:06:35,996 --> 00:06:38,999 騒がしくして よく怒られたな。 102 00:06:38,999 --> 00:06:41,835 それは お前が元気すぎるからだろ。 103 00:06:41,835 --> 00:06:44,838 じぇらっ。 わかりやすいっすね。 104 00:06:44,838 --> 00:06:48,842 少しほこりっぽいなあ 掃除するか。 105 00:06:48,842 --> 00:06:50,844 こんなに わかりやすいのに⇒ 106 00:06:50,844 --> 00:06:54,014 本当に アイツは気づかない… だと? 107 00:06:54,014 --> 00:06:58,351 もう自分を母親的存在と 思っているのかと…。 108 00:06:58,351 --> 00:07:02,289 気づかないのは アイツの悪いところですよね。 109 00:07:02,289 --> 00:07:05,292 セシリア様には 助けてもらってもいるのに。 110 00:07:05,292 --> 00:07:07,294 んっ アベル? 111 00:07:07,294 --> 00:07:11,464 さぁて ちょっと 散歩でもしてこよ~っと。 112 00:07:11,464 --> 00:07:14,134 ん…。 聖女様。 113 00:07:14,134 --> 00:07:16,636 いつもみたいに ダラけていてもいいんですよ。 114 00:07:16,636 --> 00:07:19,306 ローレン それは秘密ごとですよ! 115 00:07:19,306 --> 00:07:21,641 そんなに焦らなくても。 116 00:07:21,641 --> 00:07:25,645 では聖女様は ダラけるのを 我慢されるということですか? 117 00:07:25,645 --> 00:07:28,315 んっ! 難しいですね。 118 00:07:28,315 --> 00:07:30,317 ぐた~ってしたいです。 119 00:07:30,317 --> 00:07:32,319 素直ですね…。 120 00:07:32,319 --> 00:07:35,989 困りました… これからどうしましょう。 121 00:07:35,989 --> 00:07:38,325 ウソはつけませんし…。 122 00:07:38,325 --> 00:07:40,327 まぁ 仕方ないですよ。 123 00:07:40,327 --> 00:07:43,163 当分は アベルのいない隙を 狙うしかありません。 124 00:07:43,163 --> 00:07:45,165 そうですね。 125 00:07:45,165 --> 00:07:47,667 でも 聖女様が これほど人目を気にして⇒ 126 00:07:47,667 --> 00:07:49,836 悩むのは珍しいですね。 んっ。 127 00:07:49,836 --> 00:07:52,672 私には そんなことないのに。 128 00:07:52,672 --> 00:07:54,674 んっ。 あっ。 129 00:07:54,674 --> 00:07:57,344 んん~。 なっ なんです!? 130 00:07:57,344 --> 00:08:02,282 私が ローレンの目を気にしないで ダラけているのは⇒ 131 00:08:02,282 --> 00:08:05,618 ローレンが それを 受け入れてくれるからです。 132 00:08:05,618 --> 00:08:08,288 おっ! ほかの方を⇒ 133 00:08:08,288 --> 00:08:10,957 警戒している わけではありませんが⇒ 134 00:08:10,957 --> 00:08:14,794 あなたは 特別なのです。 135 00:08:14,794 --> 00:08:17,464 そりゃあ しばらく一緒に暮らしてますし。 136 00:08:17,464 --> 00:08:19,966 そうですよね。 137 00:08:19,966 --> 00:08:23,136 でも 少し安心しました。 えっ? 138 00:08:23,136 --> 00:08:25,138 私の友人とはいえ⇒ 139 00:08:25,138 --> 00:08:28,308 初対面の人にも ダラけた姿でいられたら⇒ 140 00:08:28,308 --> 00:08:31,144 私だけが知る 聖女様が減っちゃって⇒ 141 00:08:31,144 --> 00:08:34,481 悲しいですから。 あっ! 142 00:08:34,481 --> 00:08:36,983 あっ そろそろ準備しないと。 143 00:08:36,983 --> 00:08:40,153 すみません 聖女様。 ん…。 144 00:08:40,153 --> 00:08:42,989 あう…。 145 00:08:42,989 --> 00:08:46,993 《ローレンは 正直すぎて ある意味 怖いです。 146 00:08:46,993 --> 00:08:50,330 正直で 真面目で⇒ 147 00:08:50,330 --> 00:08:53,833 頭がよくて 優しくて⇒ 148 00:08:53,833 --> 00:08:56,002 私を⇒ 149 00:08:56,002 --> 00:08:59,506 最初に見つけてくれた人…》 150 00:08:59,506 --> 00:09:09,949 ♪~ 151 00:09:09,949 --> 00:09:14,120 何か 手伝えよ! 張り切ってたから いいかなって。 152 00:09:14,120 --> 00:09:16,790 (鳥の鳴き声) 153 00:09:16,790 --> 00:09:19,959 さて 後片づけしましょうか。 んっ。 154 00:09:19,959 --> 00:09:22,295 アベルは 外の見回りに行ってくれ。 155 00:09:22,295 --> 00:09:24,964 今 ちょっと忙しくて。 行ってこい。 156 00:09:24,964 --> 00:09:27,300 へ~い。 157 00:09:27,300 --> 00:09:29,302 (扉が閉まる音) 158 00:09:29,302 --> 00:09:32,639 フフッ。 なっ なんですか? 159 00:09:32,639 --> 00:09:36,309 ローレンは 友人には少し乱暴なんだなって。 160 00:09:36,309 --> 00:09:39,979 あっ はぁ… それは 祖父の影響で…。 161 00:09:39,979 --> 00:09:42,649 言葉遣いの荒い人だったので…。 162 00:09:42,649 --> 00:09:46,319 あっ! うっ。 ローレン!? 163 00:09:46,319 --> 00:09:48,321 大丈夫ですか? 164 00:09:48,321 --> 00:09:50,323 すみません 頭痛が…。 165 00:09:50,323 --> 00:09:52,659 ちょっと横になります。 はっ! 166 00:09:52,659 --> 00:09:56,329 はあ… はあ…。 《どうして 急に頭痛だなんて…。 167 00:09:56,329 --> 00:09:59,499 だっ 誰か呼んで…》 (扉が開く音) 168 00:09:59,499 --> 00:10:02,168 (アベル)見回り終わったぞ~。 あっ! 169 00:10:02,168 --> 00:10:05,672 って あれ? アベル 大変です! 170 00:10:05,672 --> 00:10:08,675 ローレンの体調が… どうしましょう。 171 00:10:08,675 --> 00:10:11,344 あ~ もしかして。 172 00:10:11,344 --> 00:10:15,515 セシリア様 加護 つけすぎたんじゃないですか? 173 00:10:15,515 --> 00:10:17,517 あ…。 174 00:10:17,517 --> 00:10:21,187 はっ わ~ん。 175 00:10:21,187 --> 00:10:23,356 そうやって取るんすね…。 176 00:10:23,356 --> 00:10:26,192 んっ あぁ? 177 00:10:26,192 --> 00:10:29,529 よくなってきた…。 あっ! ローレン! 178 00:10:29,529 --> 00:10:31,531 よかった! おっ うおっ! 179 00:10:31,531 --> 00:10:35,869 ああっ ローレンが! 今のは 物理的な痛みだなぁ。 180 00:10:35,869 --> 00:10:38,705 黙ってて すいません。 181 00:10:38,705 --> 00:10:41,708 俺 昔から いろいろ見えちゃうヤツでして。 182 00:10:41,708 --> 00:10:46,546 だから 加護をつけすぎていたのも 見えていたのですね。 183 00:10:46,546 --> 00:10:50,383 いやいや さすがに そこまでは見えませんよ。 184 00:10:50,383 --> 00:10:53,052 ついているのは わかりましたけど。 185 00:10:53,052 --> 00:10:55,388 ただでさえ ソイツには⇒ 186 00:10:55,388 --> 00:10:58,725 ほかの人とは 比べものにならないくらい⇒ 187 00:10:58,725 --> 00:11:01,995 誰かさんの いろんな守りが ついてましたから。 188 00:11:01,995 --> 00:11:04,497 ん… セシリア様。 189 00:11:04,497 --> 00:11:08,501 ローレンスをいったい 何重で守ってるんですか。 190 00:11:08,501 --> 00:11:12,338 何重でなんて 数えられないほどです。 191 00:11:12,338 --> 00:11:16,843 ローレンが私と出会うまで 平気だったのは⇒ 192 00:11:16,843 --> 00:11:19,345 あなたのおかげですね? 193 00:11:19,345 --> 00:11:22,182 大げさな 俺がやっていたのは⇒ 194 00:11:22,182 --> 00:11:25,351 素人知識で なんとかできる範囲だけっすよ。 195 00:11:25,351 --> 00:11:27,687 ((ほれ ほれ ほれ)) 中でも特に⇒ 196 00:11:27,687 --> 00:11:30,690 今日みたいな 新月の日は…。 197 00:11:30,690 --> 00:11:33,359 月明かりのない夜は⇒ 198 00:11:33,359 --> 00:11:36,362 より悪いものに 好かれてしまいますから…。 199 00:11:36,362 --> 00:11:40,033 それらとは真反対のヤツらにも 好かれてますけどね。 200 00:11:40,033 --> 00:11:42,535 天使や悪魔って⇒ 201 00:11:42,535 --> 00:11:46,039 こういうのが タイプなんですね。 202 00:11:46,039 --> 00:11:48,041 ふふ~。 203 00:11:50,210 --> 00:11:52,712 ちゃんと聞いてるのか? ごめんね。 204 00:11:52,712 --> 00:11:54,714 ふおぉ~! 205 00:11:54,714 --> 00:11:58,551 ♪(オルガン) 206 00:11:58,551 --> 00:12:01,487 ((あっ またここでつまずいた~。 207 00:12:01,487 --> 00:12:03,489 も~! 208 00:12:03,489 --> 00:12:06,159 むぐっ。 お前はそこだけ⇒ 209 00:12:06,159 --> 00:12:09,662 先の譜面を 追わなくなるからだ。 210 00:12:09,662 --> 00:12:13,499 じいさん 聖女様が発見されるのって⇒ 211 00:12:13,499 --> 00:12:16,836 そんなに大ごとなの? そりゃあ そうさ。 212 00:12:16,836 --> 00:12:21,174 人々が求める聖女様が また増えたのだから。 213 00:12:21,174 --> 00:12:24,010 皆 喜ぶに決まっている。 214 00:12:24,010 --> 00:12:26,012 ふ~ん…。 215 00:12:26,012 --> 00:12:30,016 この街にはまだ 聖女様のご加護がない。 216 00:12:30,016 --> 00:12:32,852 加護? 聖女とは⇒ 217 00:12:32,852 --> 00:12:35,188 人々を守る存在だ。 218 00:12:35,188 --> 00:12:38,191 それは 心の弱さからだったり⇒ 219 00:12:38,191 --> 00:12:40,193 悪意からだったり⇒ 220 00:12:40,193 --> 00:12:43,363 災害から守ったなんて話もある。 221 00:12:43,363 --> 00:12:46,032 災害から どうやって? 222 00:12:46,032 --> 00:12:48,034 さぁな。 223 00:12:48,034 --> 00:12:50,703 聖女が 我々を守ろうとする意志。 224 00:12:50,703 --> 00:12:53,706 そして 彼女たちが為す奇跡を⇒ 225 00:12:53,706 --> 00:12:56,209 加護と呼ぶことがあるらしい。 226 00:12:56,209 --> 00:12:58,878 守ってくれる存在は⇒ 227 00:12:58,878 --> 00:13:02,148 我々もまた 守ってこそ成り立つ。 228 00:13:02,148 --> 00:13:04,651 いいか ローレンス。 んっ! 229 00:13:04,651 --> 00:13:08,321 もし 聖女様と出会うことがあれば⇒ 230 00:13:08,321 --> 00:13:10,657 それを忘れてはいけないぞ。 231 00:13:10,657 --> 00:13:12,659 お前は ほかより少し⇒ 232 00:13:12,659 --> 00:13:14,661 特別なんだからな)) 233 00:13:16,996 --> 00:13:18,998 (アベル)天使や悪魔⇒ 234 00:13:18,998 --> 00:13:23,336 妖精のような 目に見えないものに 好かれやすい体質。 235 00:13:23,336 --> 00:13:27,340 しかも無自覚ってとこが 面倒なんすよねえ。 236 00:13:27,340 --> 00:13:29,509 見えないものに好かれて⇒ 237 00:13:29,509 --> 00:13:32,845 ローレン自身に 負担がかかるばかりです。 238 00:13:32,845 --> 00:13:36,015 せめて ローレンにも見えていれば⇒ 239 00:13:36,015 --> 00:13:38,017 防ぎようもありますが。 240 00:13:38,017 --> 00:13:40,353 街の人からの呼び出しがあれば⇒ 241 00:13:40,353 --> 00:13:43,022 夜だろうと 出かけちゃいますし。 242 00:13:43,022 --> 00:13:46,859 ローレンの部屋に 魔除けのゼラニウムを置いても…。 243 00:13:46,859 --> 00:13:50,530 ((キレイだし 聖女様にも 見えるとこに置いとこ)) 244 00:13:50,530 --> 00:13:53,866 そしてゼラニウム あそこにあるし。 245 00:13:53,866 --> 00:13:56,703 ああ! あっ ああ~。 246 00:13:56,703 --> 00:14:00,139 セシリア様が守っているんだから 心配ないのでは? 247 00:14:00,139 --> 00:14:02,809 そういうわけにもいきません。 248 00:14:02,809 --> 00:14:06,813 ローレンを守る要素は 多いほうが心強いですから。 249 00:14:06,813 --> 00:14:10,483 ただでさえ ここはセシリア様の聖域なのに⇒ 250 00:14:10,483 --> 00:14:13,319 さらに 加護を 上乗せしてしまったんですね。 251 00:14:13,319 --> 00:14:16,989 うっ。 そういう力は 人に与えすぎると⇒ 252 00:14:16,989 --> 00:14:20,326 かえって毒になると 聞いたことがありますけど…。 253 00:14:20,326 --> 00:14:24,163 すみませんでした…。 《土下座》 254 00:14:24,163 --> 00:14:28,668 ローレンを守るはずが 苦しめるなんて 聖女失格です。 255 00:14:28,668 --> 00:14:30,670 まあまあ。 256 00:14:30,670 --> 00:14:33,339 そもそも私に もっと力があれば⇒ 257 00:14:33,339 --> 00:14:36,843 より 安全圏を 広げることができるのに。 258 00:14:36,843 --> 00:14:39,011 ローレンの移動圏内を⇒ 259 00:14:39,011 --> 00:14:41,681 すべて私の聖域下にしたい。 260 00:14:41,681 --> 00:14:44,016 過保護だなぁ。 261 00:14:44,016 --> 00:14:48,020 《アイツもだけど こうしてみると どっこいどっこいだなぁ》 262 00:14:48,020 --> 00:14:51,858 ローレンスには この話を まったくしてないんすね。 263 00:14:51,858 --> 00:14:55,361 はい… 自分が特殊だと気づくことは⇒ 264 00:14:55,361 --> 00:14:57,363 怖いことですから…。 265 00:14:57,363 --> 00:15:00,133 まあ 俺も話してこなかったですしね。 266 00:15:00,133 --> 00:15:03,636 そういえば 教会の中にも何かいますね? 267 00:15:03,636 --> 00:15:06,139 ええ 天使が4人と⇒ 268 00:15:06,139 --> 00:15:08,474 妖精がたくさんいますね。 269 00:15:08,474 --> 00:15:11,310 アイツについちゃうと また体調崩すんでしょう。 270 00:15:11,310 --> 00:15:15,815 はい 天使たちは ローレンに 引っ張られてしまうようなので…。 271 00:15:15,815 --> 00:15:18,651 よく 私と奪い合いになります。 272 00:15:18,651 --> 00:15:20,653 《修羅場》 273 00:15:20,653 --> 00:15:23,322 そもそも アベルが来訪したのは⇒ 274 00:15:23,322 --> 00:15:26,325 ローレンの無事を 確認するためですね? 275 00:15:26,325 --> 00:15:30,329 そうですね~ 手紙でも 体調とか書いてなかったので⇒ 276 00:15:30,329 --> 00:15:33,100 どうなってるかなあと。 私のことは? 277 00:15:33,100 --> 00:15:36,335 書いてなかったですよ。 えっ? 278 00:15:36,335 --> 00:15:39,005 正しくは 同居人の話はありました。 279 00:15:39,005 --> 00:15:41,507 朝起きなかったり。 あっ! 280 00:15:41,507 --> 00:15:44,343 よく転んだりして 振り回されてる~っていう。 281 00:15:44,343 --> 00:15:46,846 ローレン… あぁ…。 282 00:15:46,846 --> 00:15:48,848 ああでも。 あ…。 283 00:15:48,848 --> 00:15:53,352 おかげで毎日が違う色を見せて 楽しいって⇒ 284 00:15:53,352 --> 00:15:56,689 言ってました。 あぁ…。 285 00:15:56,689 --> 00:16:00,293 そんな感じだったんで あまり気にしてませんでしたが⇒ 286 00:16:00,293 --> 00:16:02,462 どちらにせよ 杞憂でしたね。 287 00:16:02,462 --> 00:16:04,630 俺みたいな バカより⇒ 288 00:16:04,630 --> 00:16:07,133 聖女である セシリア様がいるなら⇒ 289 00:16:07,133 --> 00:16:09,802 ローレンスの身は 安泰ですから。 290 00:16:09,802 --> 00:16:12,138 そんなこと言ってはいけません。 291 00:16:12,138 --> 00:16:14,473 んっ セシリア様? 292 00:16:14,473 --> 00:16:17,476 ローレンの体質は 珍しいですから⇒ 293 00:16:17,476 --> 00:16:20,146 対応するのも難しいはず。 294 00:16:20,146 --> 00:16:24,484 にもかかわらず 一般の方が それをやってのけたのは⇒ 295 00:16:24,484 --> 00:16:28,487 それなりの 労力と才能を要したということ。 296 00:16:28,487 --> 00:16:30,823 あなたがいなければ⇒ 297 00:16:30,823 --> 00:16:33,659 ローレンも ここにはいなかったでしょう。 298 00:16:33,659 --> 00:16:36,162 アベル。 299 00:16:36,162 --> 00:16:38,664 あなたは立派な人です。 300 00:16:38,664 --> 00:16:40,666 おぉ…。 301 00:16:40,666 --> 00:16:44,670 たとえ 突拍子なくて 行動も意味不明で⇒ 302 00:16:44,670 --> 00:16:47,173 すぐ調子に乗るタイプだとしても。 303 00:16:47,173 --> 00:16:50,009 それ 褒めてるようで けなしてません? 304 00:16:50,009 --> 00:16:52,345 んっ! そんなつもりは…。 305 00:16:52,345 --> 00:16:54,514 けなしてなんていませんよ。 306 00:16:54,514 --> 00:16:58,184 思ったことを言っただけで…。 セシリア様は 本当に聖女なんだなあ。 307 00:16:58,184 --> 00:17:01,454 だいたい アベルはズルいのです! 308 00:17:01,454 --> 00:17:04,624 私も ローレンの学生時代を見たいです! 309 00:17:04,624 --> 00:17:06,626 写真なら 何枚かありますよ。 310 00:17:06,626 --> 00:17:09,128 今度 持ってきますね。 わっ! 311 00:17:09,128 --> 00:17:11,130 絶対ですよ! 312 00:17:11,130 --> 00:17:13,132 《こう見てると⇒ 313 00:17:13,132 --> 00:17:16,636 ただのローレンスを 大好きな子なんだけどなぁ》 314 00:17:16,636 --> 00:17:19,472 (2人)あっ。 (お腹の鳴る音) 315 00:17:19,472 --> 00:17:23,809 セシリア様って料理できます? いえ…。 316 00:17:23,809 --> 00:17:25,811 (調理道具を落とす音) 317 00:17:25,811 --> 00:17:28,814 んっ ん…。 318 00:17:28,814 --> 00:17:31,984 聖女様? アベル? 319 00:17:31,984 --> 00:17:35,655 あっ! あ…。 320 00:17:35,655 --> 00:17:38,991 ローレンの代わりに 何か作ろうと…。 321 00:17:38,991 --> 00:17:40,993 聖女様が? 322 00:17:40,993 --> 00:17:42,995 ローレンの存在の大切さを⇒ 323 00:17:42,995 --> 00:17:45,331 改めて思い知りました。 324 00:17:45,331 --> 00:17:47,833 どうぞ。 おっ? 325 00:17:47,833 --> 00:17:49,835 あぁ アベル~! 326 00:17:49,835 --> 00:17:53,673 こっ これはその みっ 見た目もキレイじゃなくて! 327 00:17:53,673 --> 00:17:56,175 初めてなんて そんなものでしょう。 328 00:17:56,175 --> 00:17:58,344 いただきます。 329 00:17:58,344 --> 00:18:00,279 あっ。 330 00:18:00,279 --> 00:18:02,281 あ…。 331 00:18:02,281 --> 00:18:04,283 あ~ん。 332 00:18:04,283 --> 00:18:06,452 んん…。 333 00:18:06,452 --> 00:18:09,789 あ…。 あれ おいしいですよ? 334 00:18:09,789 --> 00:18:12,124 ほっ 本当ですか? 335 00:18:12,124 --> 00:18:14,126 ふむ…。 336 00:18:16,128 --> 00:18:19,131 あんっ!? んっ! 337 00:18:19,131 --> 00:18:21,467 ばっ 危ないだろ アベル! 338 00:18:21,467 --> 00:18:23,636 聖女様 大丈夫ですか!? 339 00:18:23,636 --> 00:18:27,974 ん… もっ 問題ありません。 340 00:18:27,974 --> 00:18:29,976 でも 一応見せてください! 341 00:18:29,976 --> 00:18:32,478 ひゃっ! だっ 大丈夫です。 342 00:18:32,478 --> 00:18:34,981 唇が切れてたら どうするんですか! 343 00:18:34,981 --> 00:18:36,983 きっ 切れてません! 344 00:18:36,983 --> 00:18:39,986 切れてませんってば~。 《セシリア様への 拷問かな》 345 00:18:39,986 --> 00:18:43,155 きっ 着替えてきます! お…。 346 00:18:43,155 --> 00:18:46,158 はぁ…。 さて アベル。 347 00:18:46,158 --> 00:18:49,996 おっ? お前 本当は何しに来たんだ? 348 00:18:49,996 --> 00:18:54,333 あっ! 警戒してるな? あっ。 349 00:18:54,333 --> 00:18:57,503 心配しなくても セシリア様のことを⇒ 350 00:18:57,503 --> 00:19:00,272 タチの悪い貴族に 言いふらしたりしないし⇒ 351 00:19:00,272 --> 00:19:02,775 むやみに さらすつもりもねえよ。 352 00:19:02,775 --> 00:19:07,446 聖女の影響力は 俺たちが 思ってるより ずっと大きいしな。 353 00:19:07,446 --> 00:19:11,784 おっ そうだな 悪かった。 354 00:19:11,784 --> 00:19:14,453 今日は 頭痛がひどかったせいか⇒ 355 00:19:14,453 --> 00:19:16,455 妙に 落ち着かなくて…。 356 00:19:16,455 --> 00:19:18,457 なあ アベル…。 357 00:19:18,457 --> 00:19:20,459 今日のように 体調が悪い日は⇒ 358 00:19:20,459 --> 00:19:23,629 聖女様がそばにいてくれると すぐに治まるんだ。 359 00:19:23,629 --> 00:19:26,298 考えてみたら それってさ⇒ 360 00:19:26,298 --> 00:19:29,969 学生時代 お前と会う時も そんな感じだったような…。 361 00:19:29,969 --> 00:19:32,972 聖女様と 何か関係があるのか? 362 00:19:32,972 --> 00:19:35,474 いや~ 偶然じゃない? 363 00:19:35,474 --> 00:19:37,476 そうかな…。 364 00:19:37,476 --> 00:19:40,479 2人に 何かさせてるとしたら悪いから。 365 00:19:40,479 --> 00:19:44,316 《自分の体質については 二の次かい》 366 00:19:44,316 --> 00:19:47,653 俺に人を守る力なんて あるわけないだろ。 367 00:19:47,653 --> 00:19:49,989 そんなことより お前⇒ 368 00:19:49,989 --> 00:19:52,324 セシリア様のこと どう思ってるんだ? 369 00:19:52,324 --> 00:19:54,994 えっ? それは…。 370 00:19:54,994 --> 00:19:57,163 尊敬してるよ。 371 00:19:57,163 --> 00:20:00,833 朝は弱いし 人の目がなくなると怠けるし⇒ 372 00:20:00,833 --> 00:20:04,837 しょっちゅう機嫌がよくなったり 悪くなったりするけど。 373 00:20:04,837 --> 00:20:08,007 今日みたいに 一生懸命になる部分もある。 374 00:20:08,007 --> 00:20:10,509 人のために動く 優しい人だ。 375 00:20:10,509 --> 00:20:12,678 尊敬も信頼もしてる。 376 00:20:12,678 --> 00:20:14,680 当然だろ。 377 00:20:14,680 --> 00:20:18,017 ん… そうか。 378 00:20:18,017 --> 00:20:20,019 (2人)おっ! (ドアが開く音) 379 00:20:20,019 --> 00:20:22,855 ローレン…。 どうかしました? 380 00:20:22,855 --> 00:20:25,858 部屋に 8つ足の彼が…。 381 00:20:25,858 --> 00:20:28,861 クモですね 逃がしに行きます。 382 00:20:28,861 --> 00:20:32,364 その間 アベルは台所を片づけておくこと。 383 00:20:32,364 --> 00:20:34,867 えっ! 急ぎましょう ローレン。 384 00:20:34,867 --> 00:20:37,703 早くしないと 隠れちゃうかもしれません。 385 00:20:37,703 --> 00:20:41,207 《いざ 本人と 尊敬の文字を並べてみると⇒ 386 00:20:41,207 --> 00:20:43,876 それだけじゃ 足りないような。 387 00:20:43,876 --> 00:20:46,378 いや 尊敬はしてるんだけど⇒ 388 00:20:46,378 --> 00:20:49,381 いまいち しっくりこないというか。 389 00:20:49,381 --> 00:20:51,584 出会った時から…》 390 00:20:57,056 --> 00:20:59,558 《この人は 聖女だったからなあ》 391 00:21:01,494 --> 00:21:03,662 ロ ローレン! おっ! 392 00:21:03,662 --> 00:21:05,998 いました この子です! 393 00:21:05,998 --> 00:21:08,100 ああ はい 今逃がします。 394 00:21:10,169 --> 00:21:12,338 はい 大丈夫ですよ。 395 00:21:12,338 --> 00:21:16,342 料理のことといい ありがとうございます。 396 00:21:16,342 --> 00:21:18,511 どうやら私は⇒ 397 00:21:18,511 --> 00:21:20,846 ローレンがいないと⇒ 398 00:21:20,846 --> 00:21:23,349 生きていけないみたいですね。 399 00:21:23,349 --> 00:21:26,685 は…! 400 00:21:26,685 --> 00:21:28,687 (2人)あっ。 401 00:21:28,687 --> 00:21:31,023 《その言い方だと⇒ 402 00:21:31,023 --> 00:21:33,025 俺が 必要みたいじゃないか。 403 00:21:33,025 --> 00:21:36,629 俺だって 聖女様のおかげで毎日…》 404 00:21:38,697 --> 00:21:40,699 ((守ってくれる存在は⇒ 405 00:21:40,699 --> 00:21:44,370 我々もまた 守ってこそ成り立つ)) 406 00:21:44,370 --> 00:21:47,373 ローレンも こういう失敗はするのですね。 407 00:21:47,373 --> 00:21:50,042 私と一緒です。 うっ。 408 00:21:50,042 --> 00:21:53,712 《じいさんは こういうことを 伝えたかったんだろうか》 409 00:21:53,712 --> 00:21:55,714 フフッ。 410 00:21:55,714 --> 00:21:58,050 《あなたの言った もしものとおり⇒ 411 00:21:58,050 --> 00:22:02,354 俺は 守りたい聖女様に 出会えましたよ》 412 00:23:35,848 --> 00:23:38,350 片づけ…。 413 00:23:38,350 --> 00:23:40,352 あっ。 414 00:23:42,354 --> 00:23:44,356 あっ! 415 00:23:46,358 --> 00:23:49,061 家事って大変だなぁ…。