1 00:01:55,048 --> 00:01:58,051 (百華)これ わっぱ。 (鳳蝶)はい。 2 00:01:58,051 --> 00:02:00,988 わらわは 健康に気をつけよと 言わなんだか? 3 00:02:00,988 --> 00:02:04,658 (鳳蝶)申し訳ありません。 ちょっと いろいろ…。 4 00:02:04,658 --> 00:02:07,828 一緒に寝た レグルスくんを 潰したらどうしようって➨ 5 00:02:07,828 --> 00:02:10,330 心配で眠れず。 6 00:02:10,330 --> 00:02:13,166 そなた 見た目によらず 神経が細いのじゃなあ。 7 00:02:13,166 --> 00:02:17,004 うう…。 まあよい それでどうであった? 8 00:02:17,004 --> 00:02:19,006 えっ? 9 00:02:19,006 --> 00:02:21,675 娘に髪飾りを贈るとか なんとか言っていたであろう? 10 00:02:21,675 --> 00:02:24,678 進展を聞かせよ 早う。 11 00:02:24,678 --> 00:02:28,081 あ… それが実は…。 12 00:02:30,684 --> 00:02:33,353 (百華)なんと 喉をのぉ。 13 00:02:33,353 --> 00:02:37,524 (鳳蝶)幸い 姫君からいただいた 桃を分けて差し上げたので➨ 14 00:02:37,524 --> 00:02:41,194 すぐに治ったのですが…。 15 00:02:41,194 --> 00:02:43,196 桃を分けた。 16 00:02:43,196 --> 00:02:45,699 ですから ろくに お話することも…。 17 00:02:49,036 --> 00:02:51,038 《あれ?》 18 00:02:54,041 --> 00:02:57,044 そなたは あの桃が なんであるか➨ 19 00:02:57,044 --> 00:02:59,046 もしや わかっておらぬのか? 20 00:02:59,046 --> 00:03:02,983 えっと食べたら けがが治る すごい桃ですよね。 21 00:03:02,983 --> 00:03:06,486 ふう… そうじゃな。 22 00:03:06,486 --> 00:03:08,655 前の記憶や 知識があるとはいえ➨ 23 00:03:08,655 --> 00:03:10,657 そなたは まだ5歳。 24 00:03:10,657 --> 00:03:13,326 これは わらわが抜けておったわ。 25 00:03:13,326 --> 00:03:17,831 《何か まずかったんだろうか》 (百華)鳳蝶よ。 26 00:03:17,831 --> 00:03:19,833 あれは 仙桃といって➨ 27 00:03:19,833 --> 00:03:23,503 人の世界では 不老不死を もたらすと言われている。 28 00:03:23,503 --> 00:03:26,339 実際は 少し若返るだけだが➨ 29 00:03:26,339 --> 00:03:29,342 一口 食べれば 瀕死の重傷すら治し➨ 30 00:03:29,342 --> 00:03:32,512 人の秘められた力を引き出す。 31 00:03:32,512 --> 00:03:35,515 ゆえに 人界では この桃をめぐって➨ 32 00:03:35,515 --> 00:03:42,189 親子や友人が 殺しおうたりする そういう貴重な代物なのじゃ。 33 00:03:42,189 --> 00:03:45,525 それを そなたは 他者に分け与えたという。 34 00:03:45,525 --> 00:03:47,527 《怒っていらっしゃる?》 35 00:03:47,527 --> 00:03:49,863 も 申し訳ありません。 違う。 36 00:03:49,863 --> 00:03:53,033 とがめる気は ないのじゃ。 えっ? 37 00:03:53,033 --> 00:03:55,035 人間にとって 貴重な桃を➨ 38 00:03:55,035 --> 00:03:57,871 誰かに分けてやるとは 思ってもいなかった。 39 00:03:57,871 --> 00:03:59,873 わらわが 無意識に➨ 40 00:03:59,873 --> 00:04:03,143 人間とは そのようなものという 偏見を持っていて➨ 41 00:04:03,143 --> 00:04:06,813 そなたも そうだと 思い込んでおったのだ。 42 00:04:06,813 --> 00:04:10,317 許せよ わらわは そなたを侮っておった。 43 00:04:10,317 --> 00:04:12,819 姫君…。 (百華)そなたは 危うい。 44 00:04:12,819 --> 00:04:14,821 危うい? 45 00:04:14,821 --> 00:04:16,823 (百華)時折 大人でも舌を巻くような➨ 46 00:04:16,823 --> 00:04:20,994 智者ぶりを見せるのに その知識は 欠けることが多い。 47 00:04:20,994 --> 00:04:26,333 もし そなたの周りに あさましき者がおったとしたら。 48 00:04:26,333 --> 00:04:28,335 わかるであろう? 49 00:04:28,335 --> 00:04:32,839 《簡単につけこまれ 貴重な仙桃を手に入れるために➨ 50 00:04:32,839 --> 00:04:38,178 私や 私の周りの人が 利用されていたかもしれない》 51 00:04:38,178 --> 00:04:40,180 申し訳ございません。 52 00:04:40,180 --> 00:04:43,183 そうならないよう もっと勉強します。 53 00:04:43,183 --> 00:04:48,522 うむ 勉強することは大事じゃが それだけでは不十分じゃぞ。 54 00:04:48,522 --> 00:04:51,525 えっ では他にどうしたら。 55 00:04:53,527 --> 00:04:56,530 《えっ 自分で考えろってこと? 56 00:04:56,530 --> 00:05:00,834 えっ え~と え~と 勉強すること以外…》 57 00:05:03,136 --> 00:05:06,139 ああっ。 (レグルス)お顔のしわが取れた。 58 00:05:06,139 --> 00:05:08,141 ほお…。 59 00:05:08,141 --> 00:05:10,143 《なごむ~》 60 00:05:10,143 --> 00:05:12,145 じゃなくて! 61 00:05:12,145 --> 00:05:14,981 姫君 私は どうすればいいのでしょう? 62 00:05:14,981 --> 00:05:16,983 それじゃ。 ハァ? 63 00:05:16,983 --> 00:05:18,985 わからぬことは大人に聞き➨ 64 00:05:18,985 --> 00:05:22,322 わらしでは できぬことは 大人に丸投げするのじゃ。 65 00:05:22,322 --> 00:05:25,659 丸投げ? (百華)遠慮することはなかろう。 66 00:05:25,659 --> 00:05:29,996 もっと周りの大人たちを頼れ。 大人を。 67 00:05:29,996 --> 00:05:32,999 そなたは 他者と 分かち合うことを知っているし➨ 68 00:05:32,999 --> 00:05:36,169 こうして わらわと 毎日会うても騒ぎにならず➨ 69 00:05:36,169 --> 00:05:38,839 静かに暮らせておる。 70 00:05:38,839 --> 00:05:42,642 そなたが 善良な大人たちに 囲まれておる証拠じゃ。 71 00:05:44,678 --> 00:05:47,380 (百華)大事にするがよいぞ。 (鳳蝶)はい! 72 00:05:49,516 --> 00:05:54,354 (鳳蝶)ロマノフ先生は 仙桃のことを 知ってらしたんですよね。 73 00:05:54,354 --> 00:05:57,691 なのに どうして何も おっしゃらなかったんですか? 74 00:05:57,691 --> 00:06:00,627 (ロマノフ)アプローチの仕方を 考えてたんです。 75 00:06:00,627 --> 00:06:02,796 君にどうやって 外の世界に➨ 76 00:06:02,796 --> 00:06:07,300 興味を持ってもらおうかと思って。 外の世界? 77 00:06:07,300 --> 00:06:09,636 (ロマノフ)初めて会った頃の君は➨ 78 00:06:09,636 --> 00:06:13,640 屋敷の外に ほとんど 興味を示さない子どもでした。 79 00:06:13,640 --> 00:06:16,977 私は 初めて家の外から来た存在➨ 80 00:06:16,977 --> 00:06:21,147 にもかかわらず 君は 屋敷内のことばかり➨ 81 00:06:21,147 --> 00:06:23,650 かと思えば 大きな意味での➨ 82 00:06:23,650 --> 00:06:27,988 世界の政治のことなどの 話には 食いついてくる。 83 00:06:27,988 --> 00:06:32,158 それが ちょっと不思議でした。 あ~。 84 00:06:32,158 --> 00:06:34,995 《あの頃は この世界が何なのか➨ 85 00:06:34,995 --> 00:06:38,498 前世の知識と 今の私の中の知識のずれを➨ 86 00:06:38,498 --> 00:06:42,669 かみ合わせることに 必死だったんだよね》 87 00:06:42,669 --> 00:06:45,839 聞けば 大病で 死のふちに立つ前の君は➨ 88 00:06:45,839 --> 00:06:49,509 外に出たいと かんしゃくを 起こしたこともあったそうですね。 89 00:06:49,509 --> 00:06:52,178 他にも わがままばかりで➨ 90 00:06:52,178 --> 00:06:56,516 暴れたり 物を投げたり 問題の多い子だったと。 91 00:06:56,516 --> 00:07:00,287 《う~っ 黒歴史。 耳が痛い》 92 00:07:00,287 --> 00:07:05,792 でも大病後は それが ほとんどなくなってしまった。 93 00:07:05,792 --> 00:07:07,794 それで思ったんです。 94 00:07:07,794 --> 00:07:10,130 大病したとき 君は一度➨ 95 00:07:10,130 --> 00:07:12,299 死んでしまったのかもしれないと。 96 00:07:12,299 --> 00:07:14,301 そんな…。 97 00:07:14,301 --> 00:07:17,304 泣きわめいたりするのって すごく 体力がいるんですよ。 98 00:07:17,304 --> 00:07:19,973 わがままというのも いわば 欲ですから➨ 99 00:07:19,973 --> 00:07:22,976 生きるための力にもなります。 100 00:07:22,976 --> 00:07:26,980 つまり そういうエネルギーを すべて使いきらなければ➨ 101 00:07:26,980 --> 00:07:31,151 君は 病に勝てなかった。 だから…。 102 00:07:31,151 --> 00:07:33,486 じゃあ 今の私は? 103 00:07:33,486 --> 00:07:36,990 小さな君が 命のかぎり戦って守った➨ 104 00:07:36,990 --> 00:07:41,828 菊乃井鳳蝶という むき出しの魂でしょうか。 105 00:07:41,828 --> 00:07:44,497 《詩的な表現。 106 00:07:44,497 --> 00:07:47,334 でも たしかに熱が下がったあと➨ 107 00:07:47,334 --> 00:07:51,838 自分は生まれ変わったんだなって 感じたし。 108 00:07:51,838 --> 00:07:55,842 ロッテンマイヤーさんも 同意していましたよ。 えっ? 109 00:07:55,842 --> 00:07:57,844 というか 泣いていました。 110 00:07:57,844 --> 00:08:00,113 神様は 私たちに➨ 111 00:08:00,113 --> 00:08:03,783 やり直す機会を お与えくださったのですって。 112 00:08:03,783 --> 00:08:05,785 やり直す。 113 00:08:05,785 --> 00:08:09,289 (ロマノフ)若様の境遇に 真に寄り添うのであれば➨ 114 00:08:09,289 --> 00:08:12,292 わがままに 唯々諾々と従うのではなく➨ 115 00:08:12,292 --> 00:08:17,130 誠実に諭し 叱るべきだったのではないかと。 116 00:08:17,130 --> 00:08:21,034 君が 死にかけたとき ずいぶん後悔したそうですよ。 117 00:08:24,137 --> 00:08:28,141 君が 外界に 興味を持たないのは➨ 118 00:08:28,141 --> 00:08:31,978 そのエネルギーを失ってしまった からだと考えていました。 119 00:08:31,978 --> 00:08:36,316 それが 最近は 君の様子が変わってきてまして。 120 00:08:36,316 --> 00:08:41,488 私 変わりましたか? (ロマノフ)えぇ それはもう。 121 00:08:41,488 --> 00:08:44,324 レグルスくんを 引き取ってからですかね➨ 122 00:08:44,324 --> 00:08:47,660 教育がどうとか ミュージカルを観たいとか➨ 123 00:08:47,660 --> 00:08:51,331 心臓が口から 飛び出るかと思いましたよ。 124 00:08:51,331 --> 00:08:54,167 そんな大げさな。 いいえ。 125 00:08:54,167 --> 00:08:57,837 子どもから 目を離しちゃ いけないっていうのは真理ですね。 126 00:08:57,837 --> 00:09:00,774 一足飛びに 成長しちゃうんだもの。 127 00:09:00,774 --> 00:09:04,110 ふう… 今の気持ちはあれですよ。 128 00:09:04,110 --> 00:09:06,112 立てそうな赤さんがいて➨ 129 00:09:06,112 --> 00:09:08,948 いつ 一人で立つのか 楽しみに見てたのに➨ 130 00:09:08,948 --> 00:09:13,119 ちょっと わき見をしたら 赤さんが立ってた的な。 131 00:09:13,119 --> 00:09:16,956 その例えは 自分のことだと思うと 複雑なんですが➨ 132 00:09:16,956 --> 00:09:20,460 レグルスくんだと思うと めっちゃ悔しいです! 133 00:09:20,460 --> 00:09:23,296 でも まだまだ 君には教えたいこと➨ 134 00:09:23,296 --> 00:09:25,465 知ってほしいことがあります。 135 00:09:25,465 --> 00:09:27,967 せっかく助かった命です。 136 00:09:27,967 --> 00:09:31,137 どうせなら いろんなことを 見て聞いて体験して➨ 137 00:09:31,137 --> 00:09:33,807 楽しく生きて もらいたいですからね。 138 00:09:33,807 --> 00:09:38,478 それは 立派な大人に 領主になるためですか? 139 00:09:38,478 --> 00:09:40,814 鳳蝶くん! はい! 140 00:09:40,814 --> 00:09:44,484 肩書なんて 君の人生の 一面にすぎませんよ。 141 00:09:44,484 --> 00:09:47,153 人生において 自分自身を含め➨ 142 00:09:47,153 --> 00:09:51,991 幸せにした人間の数が 不幸にした人間の数を上回れば➨ 143 00:09:51,991 --> 00:09:55,495 人としては 上出来だと思います。 144 00:09:55,495 --> 00:10:02,168 君をそこまで導けたら 私は 師として鼻が高いですね。 145 00:10:02,168 --> 00:10:05,171 よろしくお願いします。 146 00:10:14,013 --> 00:10:18,818 ⸨ロマノフ:君が死にかけたとき ずいぶん 後悔したそうですよ⸩ 147 00:10:26,359 --> 00:10:30,163 (ロッテンマイヤー)若様 何かございましたか? へっ? 148 00:10:32,699 --> 00:10:34,701 いえ えっと➨ 149 00:10:34,701 --> 00:10:37,537 カレーのスパイスの調合を どうしようかなあと。 150 00:10:37,537 --> 00:10:40,707 カレーって 調味料しだいで辛くなったり➨ 151 00:10:40,707 --> 00:10:44,210 甘く まろやかになったり いろんな味になるんです。 152 00:10:44,210 --> 00:10:46,546 領地の名物にしたいから➨ 153 00:10:46,546 --> 00:10:49,883 できれば 万人受けするような ものにしたいんですよ。 154 00:10:49,883 --> 00:10:52,719 それに低価格で提供するには…。 155 00:10:52,719 --> 00:10:56,055 どうしました? せんえつながら➨ 156 00:10:56,055 --> 00:10:59,993 若様には 料理や菊乃井の 発展をお考えになる前に➨ 157 00:10:59,993 --> 00:11:02,996 おやりになるべきことが あるのでは ないでしょうか? 158 00:11:02,996 --> 00:11:07,167 えっ やるべきことですか? はい。 159 00:11:07,167 --> 00:11:10,670 今 私がやってることは違うと。 160 00:11:10,670 --> 00:11:16,176 発展や 開発などは 若様の領分ではございません。 161 00:11:16,176 --> 00:11:18,678 学ぶことは 必要と存じます。 162 00:11:18,678 --> 00:11:21,848 実践も よき学び場と心得ております。 163 00:11:21,848 --> 00:11:24,517 ですが 今はまだ若様は➨ 164 00:11:24,517 --> 00:11:27,520 子どもとして お過ごしになるべきです。 165 00:11:27,520 --> 00:11:32,525 《ロッテンマイヤーさんが こんなに はっきり進言するなんて》 166 00:11:32,525 --> 00:11:35,862 その間に 大人になる 準備をなさらなくては。 167 00:11:35,862 --> 00:11:38,865 大人になる準備のために 今いろいろと。 168 00:11:38,865 --> 00:11:41,534 そうではございません。 えっ? 169 00:11:41,534 --> 00:11:45,038 どうぞ お体を いたわってくださいませ。 170 00:11:45,038 --> 00:11:47,874 えっと 私は元気ですよ? 171 00:11:47,874 --> 00:11:50,210 ちょっと太めですけど。 172 00:11:50,210 --> 00:11:53,880 えへへへ… おっ。 173 00:11:53,880 --> 00:11:58,217 若様 どうかご無理だけは なさいませんよう➨ 174 00:11:58,217 --> 00:12:00,820 お約束いただけますね? 175 00:12:00,820 --> 00:12:03,122 どうしたんですか? 176 00:12:05,825 --> 00:12:09,329 私は若様が はやり病に 苦しんでおられたとき➨ 177 00:12:09,329 --> 00:12:11,331 おそばにおりました。 178 00:12:11,331 --> 00:12:15,835 真っ赤だった 若様のお顔が 土気色に変わっていくのも➨ 179 00:12:15,835 --> 00:12:19,005 荒かった呼吸が 細くなっていくのも➨ 180 00:12:19,005 --> 00:12:22,508 熱かった体が 氷のように冷えていくのも➨ 181 00:12:22,508 --> 00:12:24,510 すべて見ておりました。 182 00:12:24,510 --> 00:12:27,113 あんなことは もう。 183 00:12:31,184 --> 00:12:35,588 ⸨神様は 私たちにやり直す機会を お与えくださったのです⸩ 184 00:12:37,523 --> 00:12:40,860 ロッテンマイヤーさん 私。 185 00:12:40,860 --> 00:12:43,529 差し出口を申しました。 186 00:12:43,529 --> 00:12:45,531 お許しくださいませ。 187 00:12:47,533 --> 00:12:50,703 私 話したいことが たくさんあるのに➨ 188 00:12:50,703 --> 00:12:53,706 うまく言葉にできなくて。 189 00:12:53,706 --> 00:12:59,212 でも あなたがロッテンマイヤーさんが いてくれてよかったです。 190 00:12:59,212 --> 00:13:02,615 これからも そばにいてください。 191 00:13:09,322 --> 00:13:13,159 私 アーデルハイド・ロッテンマイヤーは➨ 192 00:13:13,159 --> 00:13:17,830 命あるかぎり 若様のおそばにおりますとも。 193 00:13:17,830 --> 00:13:19,832 ありがとう。 194 00:13:19,832 --> 00:13:23,503 その言葉にふさわしい 大人になりますから➨ 195 00:13:23,503 --> 00:13:25,505 見ていてくださいね。 196 00:13:33,680 --> 00:13:37,350 (ラーラ)ヴィーチャー。 197 00:13:37,350 --> 00:13:40,520 (ラーラ)ヴィーチャ 聞こえているかな? 198 00:13:40,520 --> 00:13:43,356 お~い。 (ヴィクトル)う~ん。 199 00:13:43,356 --> 00:13:45,358 この前も伝えたのだけど➨ 200 00:13:45,358 --> 00:13:47,860 アリョーシャを 呼び出してくれないかな? 201 00:13:47,860 --> 00:13:51,030 また その話? だめだってば➨ 202 00:13:51,030 --> 00:13:56,202 約束は 2か月後なの。 こっちにも都合があるんだよ。 203 00:13:56,202 --> 00:13:59,706 頼むよ 菊乃井家の ご子息に用事があるんだ。 204 00:13:59,706 --> 00:14:02,308 だから だめだって! ねぇ~。 205 00:14:02,308 --> 00:14:05,812 もう! いいかげんにしてよラーラ! おっと。 206 00:14:05,812 --> 00:14:08,981 夜中に何度も 使い魔 送ってくるの! 207 00:14:08,981 --> 00:14:12,785 (ラーラ)頼むよ けちんぼ~。 (ヴィクトル)だ~め! 208 00:14:17,323 --> 00:14:21,494 <鳳蝶:この世界にカレー 爆誕! 209 00:14:21,494 --> 00:14:25,665 カレーライスは 屋敷の人たちの評価も上々。 210 00:14:25,665 --> 00:14:30,169 レグルスくんも子ども用の 甘口カレーを気に入ってくれた。 211 00:14:30,169 --> 00:14:33,673 早速 フィオレさんにも レシピを渡したところ➨ 212 00:14:33,673 --> 00:14:36,175 大評判らしく 菊乃井の街には➨ 213 00:14:36,175 --> 00:14:41,180 少しずつ 冒険者さんたちが 滞在してくれるようになった。 214 00:14:41,180 --> 00:14:43,516 ゆっくりだけど 菊乃井は➨ 215 00:14:43,516 --> 00:14:47,353 少しずつ よくなっているのかもしれない> 216 00:14:47,353 --> 00:14:50,022 ⚟(宇都宮)若様~。 んっ? 217 00:14:50,022 --> 00:14:53,025 ⚟(宇都宮)お客様がお見えです。 お客様? 218 00:14:55,027 --> 00:14:58,197 (ラーラ)アハハ これはうわさに違わぬ まんまるちゃんだね。 219 00:14:58,197 --> 00:15:01,801 うん 君のことは まんまるちゃんと呼ぼう。 220 00:15:01,801 --> 00:15:05,471 後ろの子は ひよこちゃんかな? (ヴィクトル)ちょっと! 221 00:15:05,471 --> 00:15:07,807 いきなり まんまるちゃんとか何なの? 222 00:15:07,807 --> 00:15:11,477 あーたんには ちゃんと 鳳蝶って名前があるんですけど。 223 00:15:11,477 --> 00:15:15,314 いや ヴィーチャのあーたんも どうなんだって話ですけどね。 224 00:15:15,314 --> 00:15:18,985 アリョーシャは 僕とラーラ どっちの味方なのさ! 225 00:15:18,985 --> 00:15:21,988 私は 鳳蝶くんの味方ですよ。 226 00:15:21,988 --> 00:15:24,824 えっと…。 お久しぶり あーたん。 227 00:15:24,824 --> 00:15:26,993 急に来ちゃってごめんね。 228 00:15:26,993 --> 00:15:31,164 この失礼なのが 僕らのエルフ仲間のラーラだよ。 229 00:15:31,164 --> 00:15:33,332 私たち 3人合わせて➨ 230 00:15:33,332 --> 00:15:36,002 人間びいきの3ばかって 言われてましてねぇ。 231 00:15:36,002 --> 00:15:39,839 ばかは ひどいよね。 やっぱ。 アハハハ。 232 00:15:39,839 --> 00:15:43,176 人間びいきは 事実だけどね。 233 00:15:43,176 --> 00:15:48,514 《なんて美しい3ばか。 いや エルフの人たち》 234 00:15:48,514 --> 00:15:52,185 はじめまして ラーラさん。 私は…。 235 00:15:52,185 --> 00:15:54,854 うれしいな。 ラーラと呼んでくれるのかい? 236 00:15:54,854 --> 00:15:57,857 僕は イラリオーン・ルビンスキー。 237 00:15:57,857 --> 00:16:00,660 イラリヤ・ルビンスカヤと 名乗るときもあるけれど。 238 00:16:05,131 --> 00:16:07,133 《ふわわ…》 239 00:16:07,133 --> 00:16:09,135 どうぞ よろしく。 240 00:16:09,135 --> 00:16:11,637 菊乃井鳳蝶です。 241 00:16:11,637 --> 00:16:14,473 んっ? んっ? 242 00:16:14,473 --> 00:16:19,645 (レグルス)おに… お姉さん? へっ? 243 00:16:19,645 --> 00:16:22,315 おや よくわかったね ひよこちゃん。 244 00:16:22,315 --> 00:16:25,985 いかにも僕は お兄さんじゃなくて お姉さんだよ。 245 00:16:25,985 --> 00:16:27,987 ふぁ!? 246 00:16:27,987 --> 00:16:29,989 でも お姉さんより➨ 247 00:16:29,989 --> 00:16:32,158 お兄さんと呼ばれるほうが 好きなんだよ。 248 00:16:32,158 --> 00:16:36,495 だからって 男になりたい わけじゃないんだけど。 249 00:16:36,495 --> 00:16:39,999 《なんか またロマノフ先生や ヴィクトルさんとは➨ 250 00:16:39,999 --> 00:16:43,002 違った美しさのエルフさん》 251 00:16:43,002 --> 00:16:48,674 ところで ヴィクトルさん 今日はどういったご用件で? 252 00:16:48,674 --> 00:16:53,012 僕が 君に会いたかったんだ。 《ふあ~っ! 253 00:16:53,012 --> 00:16:55,014 なんか ラーラさんって所作が➨ 254 00:16:55,014 --> 00:16:58,017 いちいち きれいで かっこいいんですけど!》 255 00:16:58,017 --> 00:17:00,453 マリアから 紹介状を預かっている。 256 00:17:00,453 --> 00:17:04,457 マリアさんから? 257 00:17:04,457 --> 00:17:08,961 よかった。 お元気でいるみたいですね。 258 00:17:08,961 --> 00:17:10,963 《差し上げた髪飾りも➨ 259 00:17:10,963 --> 00:17:12,965 社交の場に出ると 話題になるって。 260 00:17:12,965 --> 00:17:14,967 うれしいな》 261 00:17:14,967 --> 00:17:17,803 氷菓子は 再び凍らせて➨ 262 00:17:17,803 --> 00:17:21,641 エルザと一緒に おいしく いただきましたですって。 263 00:17:21,641 --> 00:17:23,643 あぁ それは僕見てたよ。 264 00:17:23,643 --> 00:17:25,811 菓子を はしゃいで食べてたあたり➨ 265 00:17:25,811 --> 00:17:30,149 マリア嬢も 年相応の 普通の女の子なんだって思ったよ。 266 00:17:30,149 --> 00:17:33,319 ヴィーチャ それは違うよ。 んっ? 267 00:17:33,319 --> 00:17:35,988 マリーは 特にかわいい女の子だ。 268 00:17:35,988 --> 00:17:38,991 訂正してくれたまえ。 269 00:17:38,991 --> 00:17:41,661 (ヴィクトル)でたよ 師匠ばか。 270 00:17:41,661 --> 00:17:45,331 ラーラさんは マリアさんの 先生だったんですか? 271 00:17:45,331 --> 00:17:47,333 いったい何の… んっ? 272 00:17:47,333 --> 00:17:50,503 あぁ 懐かしいな このもちもち具合。 273 00:17:50,503 --> 00:17:53,839 マリーも 昔は こんなもちもちぶりだったよ。 274 00:17:53,839 --> 00:17:56,842 君と同じくらいの まんまるちゃんでね。 275 00:17:56,842 --> 00:17:59,679 あにょ マリアひゃんが? 276 00:17:59,679 --> 00:18:01,614 (ラーラ)初めて会ったときから➨ 277 00:18:01,614 --> 00:18:03,783 彼女は 抜群に 歌がうまい子だったよ。 278 00:18:03,783 --> 00:18:06,285 なのに 自分の外見を気にして➨ 279 00:18:06,285 --> 00:18:08,955 人前で歌うことが できなかったんだ。 280 00:18:08,955 --> 00:18:12,124 体型が 自信を 失わせていたんだね。 281 00:18:12,124 --> 00:18:14,794 いや 僕が初めて会ったときは➨ 282 00:18:14,794 --> 00:18:18,130 鼻もちならないくらいの 自信家だったけど? 283 00:18:18,130 --> 00:18:21,634 褒められ慣れないうちに 過剰な 褒め言葉を浴びてしまって➨ 284 00:18:21,634 --> 00:18:24,303 感覚が 麻痺しちゃったんだと思う。 285 00:18:24,303 --> 00:18:27,640 人を褒める目的は たたえるだけではなく➨ 286 00:18:27,640 --> 00:18:30,977 根腐れを起こさせるためという こともある。 287 00:18:30,977 --> 00:18:36,816 って教える前に お父様が 社交界にデビューさせてしまって➨ 288 00:18:36,816 --> 00:18:40,152 マリーとは もう5年くらい会えてないんだ。 289 00:18:40,152 --> 00:18:42,822 彼女のよくない うわさを聞くようになって➨ 290 00:18:42,822 --> 00:18:45,157 心配していたんだけど。 291 00:18:45,157 --> 00:18:48,327 こうやって 連絡がきて 僕もほっとしたよ。 292 00:18:48,327 --> 00:18:51,497 ちょっと ラーラ。 そんなに もちもちしたら➨ 293 00:18:51,497 --> 00:18:54,667 鳳蝶くんのチャームポイントが 削がれてしまうじゃないですか。 294 00:18:54,667 --> 00:18:56,836 それ アリョーシャが言う? 295 00:18:56,836 --> 00:19:00,106 失礼だな。 この美の伝道師に向かって。 296 00:19:00,106 --> 00:19:03,943 たとえ やせてもこの肌のもちもち 具合は死守してみせるよ。 297 00:19:03,943 --> 00:19:07,613 ふぃほふぇんほうひ? そう。 298 00:19:07,613 --> 00:19:10,616 かなり ふくよかな人を そこそこふくよかにしたり。 299 00:19:10,616 --> 00:19:13,119 わっ! (ラーラ)ものすごくきゃしゃな人を➨ 300 00:19:13,119 --> 00:19:15,121 やわらかく 豊かにしたり➨ 301 00:19:15,121 --> 00:19:19,291 僕は その人に合った 美しくてしなやかな体格➨ 302 00:19:19,291 --> 00:19:23,462 立ち居振る舞い 社交界で 必要な舞踏やしぐさ➨ 303 00:19:23,462 --> 00:19:27,466 エトセトラ エトセトラを教える➨ 304 00:19:27,466 --> 00:19:31,303 いわば お作法の先生だよ。 305 00:19:31,303 --> 00:19:34,140 じゃあ 紹介状っていうのは。 306 00:19:34,140 --> 00:19:36,142 あの子にお願いされたんだ。 307 00:19:36,142 --> 00:19:39,311 「どうか先生 私の命を救ってくれた➨ 308 00:19:39,311 --> 00:19:43,816 小さなお友達に 恩を 返させてほしいのです」ってね。 309 00:19:43,816 --> 00:19:45,818 マリアさんが…。 310 00:19:45,818 --> 00:19:48,320 《えっ ダイエットの先生来ちゃった。 311 00:19:48,320 --> 00:19:51,657 確かに最近 散歩だけでは お肉も減らないし➨ 312 00:19:51,657 --> 00:19:54,160 トンカツとか カレーたくさん食べてるから➨ 313 00:19:54,160 --> 00:19:56,328 いい 機会かもだけど》 314 00:19:56,328 --> 00:20:00,166 若様 このお話 ぜひお受けください。 315 00:20:00,166 --> 00:20:02,668 えっ? 貴族には 時期がきたら➨ 316 00:20:02,668 --> 00:20:05,337 幼年学校に通う 義務がございます。 317 00:20:05,337 --> 00:20:08,174 そうなると どうしても年中行事などで➨ 318 00:20:08,174 --> 00:20:11,177 舞踏会がございまして。 319 00:20:11,177 --> 00:20:14,180 (鳳蝶)それは まあ そうですけど。 とととと…。 320 00:20:14,180 --> 00:20:16,682 でも 幼年学校って うおっととと…。 321 00:20:16,682 --> 00:20:19,351 まだ 先の話じゃないですか。 322 00:20:19,351 --> 00:20:21,687 そんなに焦らなくても。 323 00:20:21,687 --> 00:20:26,192 えっ 何? そ それは…。 324 00:20:26,192 --> 00:20:29,862 ロッテンマイヤーさん 私から説明しましょう。 325 00:20:29,862 --> 00:20:32,531 申し訳ありません。 326 00:20:32,531 --> 00:20:34,834 えっ? えっ? 327 00:20:37,703 --> 00:20:42,041 ど どうしたんですか先生。 328 00:20:42,041 --> 00:20:47,713 鳳蝶くん 今まで黙っていましたが君は…。 329 00:20:47,713 --> 00:20:50,116 はい 私は…。 330 00:21:04,830 --> 00:21:09,335 君は ものすごく 運動音痴なんです。 331 00:21:09,335 --> 00:21:11,337 ハッ。 332 00:21:11,337 --> 00:21:14,507 運動音痴なんです。 いや そんな大げさな。 333 00:21:14,507 --> 00:21:17,009 つまり 今から 練習しておかないと➨ 334 00:21:17,009 --> 00:21:20,179 幼年学校の舞踏会で踊るとか 全然 無理ってくらい➨ 335 00:21:20,179 --> 00:21:22,848 あーたんは 運動が できないってこと? 336 00:21:22,848 --> 00:21:25,518 えぇ もう壊滅的に。 337 00:21:25,518 --> 00:21:29,522 ハァ!? 338 00:21:29,522 --> 00:21:34,693 (ロマノフ)壊滅的に 壊滅的に…。 339 00:21:34,693 --> 00:21:36,695 そ そんなに…。 340 00:21:36,695 --> 00:21:39,398 私って そんなに? 341 00:21:42,201 --> 00:21:46,705 舞踏には あんまり 運動音痴とか関係ないよ。 342 00:21:46,705 --> 00:21:49,875 そりゃあ 運動できるに 越したことはないけど。 343 00:21:49,875 --> 00:21:53,712 それだけじゃないから。 ラーラさん。 344 00:21:53,712 --> 00:21:55,714 んふっ。 345 00:21:59,385 --> 00:22:03,489 あしたから よろしくお願いします。 346 00:22:03,489 --> 00:22:08,994 もちろん あしたと言わず 今日からね。 あい。