1 00:00:47,014 --> 00:00:49,850 ⸨ラーラ:僕は イラリオーン・ルビンスキー。 2 00:00:49,850 --> 00:00:53,020 イラリヤ・ルビンスカヤと 名乗る時もあるけれど➨ 3 00:00:53,020 --> 00:00:55,022 どうぞ よろしく⸩ 4 00:00:55,022 --> 00:00:59,693 (百華)なんじゃ そのエルフ。 菫の園の男役のようではないか。 5 00:00:59,693 --> 00:01:03,030 (鳳蝶)あっ! それです! (百華)大声を出すな。 6 00:01:03,030 --> 00:01:07,534 《そういえば 前世でも男役さんにハマってて…》 7 00:01:07,534 --> 00:01:10,370 ⸨いかにも僕は お兄さんじゃなくて➨ 8 00:01:10,370 --> 00:01:13,040 お姉さんだよ。 ふあぁ!?⸩ 9 00:01:13,040 --> 00:01:15,542 (鳳蝶)ラーラさんに対して なんでこんなに➨ 10 00:01:15,542 --> 00:01:18,045 ドキドキするのかと思ったら…。 11 00:01:18,045 --> 00:01:21,882 はぁ~ なるほど スッキリしました! 12 00:01:21,882 --> 00:01:27,054 おぬしは本当に 色気のある話にならぬのう。 13 00:01:27,054 --> 00:01:29,056 のう ひよこや。 14 00:01:29,056 --> 00:01:33,660 (レグルス)れーは好きな人います! 兄上です! 15 00:01:33,660 --> 00:01:37,564 キャー! 《キャー! かわいい!》 16 00:03:21,034 --> 00:03:24,704 それで そのエルフの授業とは どんなものなのじゃ。 17 00:03:24,704 --> 00:03:26,707 (鳳蝶)あっ それは…。 18 00:03:26,707 --> 00:03:29,543 ⸨まんまるちゃんは 歌って踊る劇➨ 19 00:03:29,543 --> 00:03:32,713 ミュージカルをやれる人を 教育したいんだったよね。 20 00:03:32,713 --> 00:03:36,316 まずは君に それを再現してもらおうと思う。 21 00:03:36,316 --> 00:03:39,486 えっ 私が 歌って踊るってことですか? 22 00:03:39,486 --> 00:03:42,322 歩き方やダンスの練習にもなるし➨ 23 00:03:42,322 --> 00:03:45,992 何より運動音痴の克服にも ダイエットにもなる。 24 00:03:45,992 --> 00:03:48,328 一石二鳥だろう⸩ 25 00:03:48,328 --> 00:03:52,666 (鳳蝶)ということになりまして 早速 その翌日から…。 26 00:03:52,666 --> 00:03:56,503 ⸨ふん! ふん! 27 00:03:56,503 --> 00:03:59,005 にぃに 頑張って~! 28 00:03:59,005 --> 00:04:02,008 ふっ! おお~。 29 00:04:02,008 --> 00:04:05,679 わぁ~! あぁ~! にぃに 頑張って~! 30 00:04:05,679 --> 00:04:07,848 うごっ! コケ! 31 00:04:07,848 --> 00:04:10,350 ♬「ラ ラ~ラララ~」 32 00:04:10,350 --> 00:04:13,854 にぃに 頑張って~! ♬「ラ~ラララ~」 33 00:04:13,854 --> 00:04:16,022 あぁ! ううっ…⸩ 34 00:04:16,022 --> 00:04:18,024 ほう。 35 00:04:18,024 --> 00:04:21,194 そのかいあって 確かに ほんの少しだけ➨ 36 00:04:21,194 --> 00:04:24,030 すっきりしたようにも 見えなくもないが。 37 00:04:24,030 --> 00:04:27,200 ホントですか! 痩せられるうえに➨ 38 00:04:27,200 --> 00:04:32,372 ミュージカルの再現に役立つのであれば 一挙両得というものじゃなぁ。 39 00:04:32,372 --> 00:04:35,809 わらわのためにも しかと励むがよい。 40 00:04:35,809 --> 00:04:40,480 はい 頑張ります…。 にぃに 頑張って。 41 00:04:40,480 --> 00:04:43,984 それはそうと ヴィクトルとやらも➨ 42 00:04:43,984 --> 00:04:47,988 わらわの望みどおり 譜面を起こし始めたのじゃなぁ。 43 00:04:47,988 --> 00:04:50,590 ならば対価を払わねばの。 44 00:04:53,994 --> 00:04:55,996 これは? 45 00:04:55,996 --> 00:04:59,100 エルフの始祖が わらわに捧げた原初の笛よ。 46 00:04:59,100 --> 00:05:03,670 音楽を愛し 人に混じるエルフに渡すには➨ 47 00:05:03,670 --> 00:05:07,007 それより最たるものはなかろう。 48 00:05:07,007 --> 00:05:09,509 この笛の持ち主であるエルフは➨ 49 00:05:09,509 --> 00:05:12,345 人間に混じって生活をしておった。 50 00:05:12,345 --> 00:05:14,514 笛を奏でる時は➨ 51 00:05:14,514 --> 00:05:18,685 太鼓のようなものを持った 人間の友が必ずおって➨ 52 00:05:18,685 --> 00:05:22,189 ともに 音楽を楽しんでおったのじゃ。 53 00:05:22,189 --> 00:05:26,193 しかし どんなに心を通わせても➨ 54 00:05:26,193 --> 00:05:30,030 人間は エルフより はるかに先に旅立ってしまう。 55 00:05:30,030 --> 00:05:33,300 友との永訣の証しは すなわち➨ 56 00:05:33,300 --> 00:05:35,969 人間との決別の証し。 57 00:05:35,969 --> 00:05:40,640 それがつらいと わらわに その笛を託して去った。 58 00:05:40,640 --> 00:05:44,311 エルフは人間に 非友好的だって聞きましたけど➨ 59 00:05:44,311 --> 00:05:47,647 エルフの始祖は そうではなかったんですね。 60 00:05:47,647 --> 00:05:51,651 断絶が続くと 最初の意図など忘れ去られ➨ 61 00:05:51,651 --> 00:05:54,988 勝手な偏見だけが ひとり歩きするものじゃ。 62 00:05:54,988 --> 00:05:58,992 今のエルフを見れば 始祖が嘆くぞえ。 63 00:06:02,329 --> 00:06:04,664 ♬「フンフ フンフ フーンフー」 フフフフ。 64 00:06:04,664 --> 00:06:06,666 (笑い声) 65 00:06:06,666 --> 00:06:09,669 楽しいね! (ヴィクトル)いいね! 66 00:06:09,669 --> 00:06:12,339 (ロマノフ)見てください 葉っぱが こんなに! 67 00:06:12,339 --> 00:06:15,675 (ヴィクトル)いい香り~! (ラーラ)あ~ ミミズ! 68 00:06:15,675 --> 00:06:18,678 先生たち 何をなさっているんですか? 69 00:06:18,678 --> 00:06:21,681 あぁ 鳳蝶くん。 土づくりだよ。 70 00:06:21,681 --> 00:06:23,683 は はあ…。 71 00:06:23,683 --> 00:06:27,687 暇なので散歩していたら この菜園を見かけてね。 72 00:06:27,687 --> 00:06:31,691 せっかくだから 何か 手伝わせてほしいって言ったら➨ 73 00:06:31,691 --> 00:06:34,461 じゃあ腐葉土作りをと お願いされて。 74 00:06:34,461 --> 00:06:38,465 (3人) 喜んで引き受けたところさ! 75 00:06:38,465 --> 00:06:41,134 きゃ~! 3人とも 土にまみれても➨ 76 00:06:41,134 --> 00:06:43,470 なお お美しい! 77 00:06:43,470 --> 00:06:45,472 (源三)すみません。 78 00:06:45,472 --> 00:06:49,142 お客様にしてもらうことでは ねえと存じてますが。 79 00:06:49,142 --> 00:06:52,979 いえ ご本人たちが楽しそうなら かまいませんよ。 80 00:06:52,979 --> 00:06:54,981 さっきより でっかいミミズ! 81 00:06:54,981 --> 00:06:57,984 ホントだ! みみじゅ みみじゅ~! 82 00:06:57,984 --> 00:07:01,321 アッハハハハ…。 (ラーラ)ふかふかの土ができるね! 83 00:07:01,321 --> 00:07:06,826 《エルフというのは 草や木や土に親しむ種族らしい》 84 00:07:06,826 --> 00:07:09,329 ん? えっ 誰? 85 00:07:09,329 --> 00:07:12,499 (奏)お前こそ誰だよ。 こりゃ 奏! 86 00:07:12,499 --> 00:07:16,336 すみません 若様。 孫が とんだことを。 87 00:07:16,336 --> 00:07:19,005 なんだよ じいちゃ… イテテテテテ。 88 00:07:19,005 --> 00:07:23,176 あぁ いえいえ。 源三さんの お孫さんでしたか。 89 00:07:23,176 --> 00:07:27,347 はじめまして。 菊乃井の嫡男 鳳蝶です。 90 00:07:27,347 --> 00:07:30,183 こっちは弟のレグルスです。 91 00:07:30,183 --> 00:07:33,586 あ… か 奏です! 92 00:07:36,456 --> 00:07:39,959 ごめんなさい! えっ なんで謝るの? 93 00:07:39,959 --> 00:07:42,629 お前とか言っちゃって。 94 00:07:42,629 --> 00:07:45,632 あぁ 気にしてませんよ。 大丈夫。 95 00:07:45,632 --> 00:07:48,969 たしか 君のほうが1つ年上だし。 96 00:07:48,969 --> 00:07:52,806 あっ 年上の子に君とか言ったら 偉そうかな。 97 00:07:52,806 --> 00:07:56,142 いや! だ 大丈夫! 気にしない。 98 00:07:56,142 --> 00:07:58,845 なら よかった。 フフッ。 99 00:08:00,814 --> 00:08:03,149 お手伝いに来てくれたんですか? 100 00:08:03,149 --> 00:08:06,319 その お恥ずかしい話なんですが➨ 101 00:08:06,319 --> 00:08:09,322 親とケンカして家出中でして。 102 00:08:09,322 --> 00:08:12,325 今 ワシのところで 面倒を見ておりますじゃ。 103 00:08:12,325 --> 00:08:14,661 あぁ そうでしたか。 104 00:08:14,661 --> 00:08:18,665 《弟さんと折り合いが悪いって 言ってたっけ》 105 00:08:18,665 --> 00:08:21,501 こいつも詳しく話さんし➨ 106 00:08:21,501 --> 00:08:24,671 親のほうも 意地を張るなら 帰ってこなくていいと➨ 107 00:08:24,671 --> 00:08:26,673 強硬姿勢でのう。 108 00:08:26,673 --> 00:08:29,009 どうしたもんかと… ハハ。 109 00:08:29,009 --> 00:08:33,279 はぁ… 別に帰らなくても いいんじゃないですか? 110 00:08:33,279 --> 00:08:35,782 えっ? いやぁ しかし➨ 111 00:08:35,782 --> 00:08:39,119 時間が経つほど 帰りにくくなるんじゃないかと。 112 00:08:39,119 --> 00:08:42,956 気の済むまで いさせてあげては? 113 00:08:42,956 --> 00:08:45,959 じゃあ ちょっと準備運動しますね。 114 00:08:49,963 --> 00:08:53,299 (3人)いっちに さんし。 115 00:08:53,299 --> 00:08:55,969 (鳳蝶)敬語 使わなくていいよ。 116 00:08:55,969 --> 00:08:58,972 (奏)いや じいちゃんに怒られる… ます。 117 00:08:58,972 --> 00:09:01,808 (鳳蝶) そう 私は別に普通でいいけど。 118 00:09:01,808 --> 00:09:04,644 (レグルス)さんし いっちに。 119 00:09:04,644 --> 00:09:07,814 まあ 困ることもあるもんね~。 120 00:09:07,814 --> 00:09:09,816 困ること? 121 00:09:09,816 --> 00:09:13,319 他の貴族の人たちは 気にするかもしれないから➨ 122 00:09:13,319 --> 00:09:16,656 無礼だなんだって いろいろ言われちゃうかも。 123 00:09:16,656 --> 00:09:21,995 だから 将来のために ここで練習するのもアリかもね。 124 00:09:21,995 --> 00:09:26,499 あぁ でも私は 普通で大丈夫だからね。 125 00:09:26,499 --> 00:09:29,002 弟…。 126 00:09:32,505 --> 00:09:37,277 弟って ムカつくだろ。 奏くんは ムカつくんだ。 127 00:09:37,277 --> 00:09:40,113 だって あいつが何したって➨ 128 00:09:40,113 --> 00:09:42,515 悪いのは いっつも俺だし。 129 00:09:46,619 --> 00:09:49,456 私は弟が かわいいよ。 130 00:09:49,456 --> 00:09:51,458 腹違いの弟だから➨ 131 00:09:51,458 --> 00:09:54,461 一緒に暮らし始めたのは 最近なんだけど➨ 132 00:09:54,461 --> 00:09:56,463 かわいいって思う。 133 00:09:56,463 --> 00:09:58,965 腹違い? (鳳蝶)そっちは? 134 00:09:58,965 --> 00:10:02,635 お 俺? 俺は…。 135 00:10:02,635 --> 00:10:04,971 だって あいつ➨ 136 00:10:04,971 --> 00:10:08,641 俺の大事にしてた木彫りの犬 壊したんだ。 137 00:10:08,641 --> 00:10:10,977 だけど 母ちゃんも父ちゃんも➨ 138 00:10:10,977 --> 00:10:13,980 出しっぱなしにしてた お前が悪いって。 139 00:10:13,980 --> 00:10:18,151 あれは じいちゃんに 作ってもらったやつなのに…。 140 00:10:18,151 --> 00:10:20,987 そりゃ おめえ 出しっぱなしだったら➨ 141 00:10:20,987 --> 00:10:22,989 壊されるだろ。 142 00:10:22,989 --> 00:10:26,993 だからって なんで俺だけ 怒られなきゃいけないんだよ! 143 00:10:26,993 --> 00:10:29,829 うん 奏くんは悪くないと思う。 144 00:10:29,829 --> 00:10:32,499 だろ? 悪いのは紡なのに! 145 00:10:32,499 --> 00:10:35,835 ううん この場合 いちばん悪いのは➨ 146 00:10:35,835 --> 00:10:38,338 君のご両親です。 147 00:10:38,338 --> 00:10:41,508 だって 奏くんが おもちゃを片づけなかったのと➨ 148 00:10:41,508 --> 00:10:46,679 弟くんが奏くんのおもちゃを 壊したことは 別問題でしょ。 149 00:10:46,679 --> 00:10:51,518 両方 それぞれ叱るべきところを 奏くんだけ叱って終わるなんて。 150 00:10:51,518 --> 00:10:53,686 弟くんは これで➨ 151 00:10:53,686 --> 00:10:58,191 他人のものを壊しても叱られない という経験を積んだんです。 152 00:10:58,191 --> 00:11:00,193 ちょっとズルい子なら➨ 153 00:11:00,193 --> 00:11:03,029 これからも それを言い訳にすると思うけど? 154 00:11:03,029 --> 00:11:06,699 いやいや 弟の紡は まだ2歳ですじゃ。 155 00:11:06,699 --> 00:11:09,369 そこまで知恵はついとらんです。 156 00:11:09,369 --> 00:11:13,540 それに親は 紡を叱らんのじゃなく 言うてもわからんから…。 157 00:11:13,540 --> 00:11:16,376 ハッ… 言うことがわからないから➨ 158 00:11:16,376 --> 00:11:18,711 何してもかまわないんですね。 159 00:11:18,711 --> 00:11:23,383 それなら 奏くんのご両親が 畑を持っていたとして➨ 160 00:11:23,383 --> 00:11:26,386 それを 野獣に荒らされたとしましょう。 161 00:11:26,386 --> 00:11:29,889 私は 同じ境遇の よその家には 見舞金を出しますが➨ 162 00:11:29,889 --> 00:11:33,326 奏くんのご両親には出しません。 163 00:11:33,326 --> 00:11:37,497 獣には言い聞かせることが できないから 諦めてください。 164 00:11:37,497 --> 00:11:42,335 極端に言えば そういうことですよ これ。 165 00:11:42,335 --> 00:11:45,338 (鼓動) 166 00:11:45,338 --> 00:11:47,674 《大人は理不尽だ》 167 00:11:47,674 --> 00:11:50,677 (鼓動) 168 00:11:50,677 --> 00:11:53,513 若様 どうしなすった? 169 00:11:53,513 --> 00:11:57,517 《なのに 同じ理不尽を返されると➨ 170 00:11:57,517 --> 00:12:00,019 ひどいと相手をなじる…》 171 00:12:00,019 --> 00:12:03,022 (鼓動) 172 00:12:03,022 --> 00:12:07,026 《だけど 私だって同じくらい理不尽で➨ 173 00:12:07,026 --> 00:12:10,363 奏くんの親は 私の親じゃないのに➨ 174 00:12:10,363 --> 00:12:13,533 重ねて 「許せない」なんて…。 175 00:12:13,533 --> 00:12:18,037 胸の奥から ドス黒いものが噴き出してくる。 176 00:12:18,037 --> 00:12:20,540 むかむかする!》 177 00:12:20,540 --> 00:12:25,878 顔色 悪いぞ。 腹減ってるんだよ 焼き芋しよ! 178 00:12:25,878 --> 00:12:29,048 や… 焼き芋? うん。 179 00:12:29,048 --> 00:12:32,385 途中から 難しくて わかんなくなったけど➨ 180 00:12:32,385 --> 00:12:35,321 俺のために怒ってくれてんのは わかった。 181 00:12:35,321 --> 00:12:38,658 ありがとな。 182 00:12:38,658 --> 00:12:43,329 ううん ごめんね。 奏くんのご両親を悪く言って。 183 00:12:43,329 --> 00:12:46,100 まあ 片づけしなかった 俺も悪いよなぁ。 184 00:12:46,100 --> 00:12:49,836 でも 紡だって悪い! 185 00:12:49,836 --> 00:12:52,505 それでいいや。 186 00:12:52,505 --> 00:12:55,842 ねっ ねっ。 ん? どうしたの? 187 00:12:55,842 --> 00:12:59,012 にぃに むかちゅくって何? 188 00:12:59,012 --> 00:13:03,516 う~ん… ちょっと嫌いとか そんな感じ? 189 00:13:03,516 --> 00:13:06,519 にぃに れーのこと むかちゅく? 190 00:13:08,521 --> 00:13:10,690 そんなことないよ。 191 00:13:10,690 --> 00:13:13,526 レグルスくんは とってもかわいいです。 192 00:13:13,526 --> 00:13:18,531 ヘヘ~。 行こう 焼き芋 きっとおいしいよ。 193 00:13:18,531 --> 00:13:23,703 (2人) 焼き芋 焼き芋 焼き芋 焼き芋! 194 00:13:23,703 --> 00:13:26,539 《たき火やキャンプファイヤーっていうと➨ 195 00:13:26,539 --> 00:13:29,876 あっちの世界では 定番の歌があったっけ》 196 00:13:29,876 --> 00:13:38,651 ♬~ 197 00:13:38,651 --> 00:13:41,321 《炎よ 燃えろ》 198 00:13:41,321 --> 00:13:44,323 (3人)えっ。 199 00:13:44,323 --> 00:13:47,660 (3人)あっ。 200 00:13:47,660 --> 00:13:51,064 《うえぇ! 何ごと~っ!?》 201 00:13:54,333 --> 00:13:57,337 すっげえ! こりゃすごい! きれい! 202 00:13:59,338 --> 00:14:03,009 危ないよ まんまるちゃん。 魔術を使うときは➨ 203 00:14:03,009 --> 00:14:06,012 ひと声かけてからにしようよ。 はっ!? 204 00:14:06,012 --> 00:14:09,348 これ あーたんが 魔術で火をつけたんでしょ? 205 00:14:09,348 --> 00:14:11,684 ええっ!? やってないですよ! 206 00:14:11,684 --> 00:14:14,687 というか まだそんなことできないですし! 207 00:14:14,687 --> 00:14:18,191 でも あーたんから 魔力放出があったよ。 208 00:14:18,191 --> 00:14:22,862 魔力? 歌は歌いましたけど…。 209 00:14:22,862 --> 00:14:25,698 鳳蝶くん 歌を歌う時➨ 210 00:14:25,698 --> 00:14:28,701 目の前にある落ち葉で たき火をしているようなイメージ➨ 211 00:14:28,701 --> 00:14:32,705 しませんでしたか? あ~ したような…。 212 00:14:32,705 --> 00:14:35,308 というか あの歌自体が➨ 213 00:14:35,308 --> 00:14:38,311 たき火の時に歌うものって イメージがあって。 214 00:14:38,311 --> 00:14:40,646 あ~ じゃあそれだよ。 215 00:14:40,646 --> 00:14:44,150 それだね~。 ハァ… わかりました。 216 00:14:44,150 --> 00:14:47,653 明日から きちんと 魔術の練習を始めましょう。 217 00:14:47,653 --> 00:14:50,490 はあ…。 君の歌は➨ 218 00:14:50,490 --> 00:14:53,493 魔術の詠唱と 同じ効果を持つようです。 219 00:14:53,493 --> 00:14:57,497 それを知ったうえで 魔術の使い方を学ばなければ。 220 00:14:57,497 --> 00:15:00,333 わかりますね? は はい! 221 00:15:00,333 --> 00:15:04,337 《歌うたびに魔術発動なんて 危なすぎるわ!》 222 00:15:04,337 --> 00:15:08,174 ごめんね 2人とも。 ケガしてない? 223 00:15:08,174 --> 00:15:12,345 うん 大丈夫。 ゴーッて しゅごかった~! 224 00:15:12,345 --> 00:15:14,514 よかった~。 225 00:15:14,514 --> 00:15:18,851 なあ 今のって魔術だよな! 俺にもできるかな? 226 00:15:18,851 --> 00:15:22,188 魔素神経を鍛えれば たぶん? 227 00:15:22,188 --> 00:15:24,690 れーも! れーもやりたい! 228 00:15:24,690 --> 00:15:27,527 魔術使えたら かっこいいよなぁ。 229 00:15:27,527 --> 00:15:29,862 うん かっこいい! 230 00:15:29,862 --> 00:15:31,864 ふむ…。 231 00:15:31,864 --> 00:15:35,968 子どもは無邪気だね。 あーたん お芋 何個食べる? 232 00:15:35,968 --> 00:15:38,638 あっ そうだ! ん? 233 00:15:38,638 --> 00:15:43,309 ヴィクトルさん 姫君からの 預かりものがあったんです。 234 00:15:43,309 --> 00:15:45,311 えっ? 235 00:15:45,311 --> 00:15:50,149 これ… これは 始祖の…。 236 00:15:50,149 --> 00:15:52,985 姫君からヴィクトルさんへ➨ 237 00:15:52,985 --> 00:15:55,655 例の対価だそうです。 238 00:15:55,655 --> 00:15:59,325 こんな貴重なものを僕に!? 239 00:15:59,325 --> 00:16:03,996 ありがとう… 僕 一生 あーたんについてく~。 240 00:16:03,996 --> 00:16:07,667 いや 私は何も。 だって あーたんのおかげで➨ 241 00:16:07,667 --> 00:16:12,338 異世界の曲を譜面に起こせるし こ こんな すばらしいものまで。 242 00:16:12,338 --> 00:16:15,508 あーたんのやりたいことは 僕が手伝ってあげるから➨ 243 00:16:15,508 --> 00:16:17,510 もう なんでも言って~! 244 00:16:17,510 --> 00:16:20,012 いや なんでもって…。 245 00:16:20,012 --> 00:16:23,015 あっ じゃあヴィクトルさん➨ 246 00:16:23,015 --> 00:16:26,853 レグルスくんと奏くんに 魔術を教えてくださいませんか? 247 00:16:26,853 --> 00:16:29,689 えっ 俺も? いいのか? 248 00:16:29,689 --> 00:16:33,960 (鳳蝶)いいでしょうか? いいよいいよ 教えてあげる。 249 00:16:33,960 --> 00:16:36,629 あーたんの言うことは なんでも聞くよ。 250 00:16:36,629 --> 00:16:39,298 それはどうかと思いますけど。 251 00:16:39,298 --> 00:16:42,969 いいんだって。 わ~い! やった やったぁ! 252 00:16:42,969 --> 00:16:45,304 うん! やった やったぁ! 253 00:16:45,304 --> 00:16:47,306 《ヴィクトルさんは魔術師としても➨ 254 00:16:47,306 --> 00:16:50,309 世界で屈指の存在だって言うし》 255 00:16:50,309 --> 00:16:52,979 アハハ ヴィーチャ すごい顔! 256 00:16:52,979 --> 00:16:55,481 だって~ うえ~ん。 257 00:16:55,481 --> 00:16:59,986 《鳳蝶:奏くんが ここで勉強して 魔術を使えるようになったら➨ 258 00:16:59,986 --> 00:17:03,656 もっと いろいろ学ぶ気に なってくれるかもしれない。 259 00:17:03,656 --> 00:17:06,158 ひいては教育の重要性を➨ 260 00:17:06,158 --> 00:17:10,997 他の人たちに意識してもらえる きっかけになるかも…。 261 00:17:10,997 --> 00:17:12,999 よっしゃ~! 262 00:17:12,999 --> 00:17:17,003 レグルスくんと奏くんの先生 ゲットだぜ!》 263 00:17:19,005 --> 00:17:23,342 <鳳蝶:奏くんは3日に一度 源三さん宅に泊まって➨ 264 00:17:23,342 --> 00:17:27,647 ヴィクトルさんの授業を受けるため うちに通うことになった> 265 00:17:30,016 --> 00:17:32,952 《どさくさに紛れて 私にもレグルスくんにも➨ 266 00:17:32,952 --> 00:17:34,954 友達ができちゃった!》 267 00:17:34,954 --> 00:17:39,292 < そうして 風は だんだんと冷たさを増し➨ 268 00:17:39,292 --> 00:17:42,461 季節は冬へと向かっていく。 269 00:17:42,461 --> 00:17:45,965 魔術の勉強はまず 瞑想から始める。 270 00:17:45,965 --> 00:17:48,467 私は もともとインドア派だから➨ 271 00:17:48,467 --> 00:17:51,470 瞑想は あまり苦ではなかったんだけど➨ 272 00:17:51,470 --> 00:17:53,973 レグルスくんと奏くんは➨ 273 00:17:53,973 --> 00:17:57,310 一定時間じっとしているのが つらいみたいで。 274 00:17:57,310 --> 00:18:00,479 それを見越していた ヴィクトルさんは…> 275 00:18:00,479 --> 00:18:02,815 フンッ! (奏/レグルス)わぁ! 276 00:18:02,815 --> 00:18:06,319 <瞑想と実技を 短時間に繰り返す方法で➨ 277 00:18:06,319 --> 00:18:09,655 2人に魔術を教えてくれていた。 278 00:18:09,655 --> 00:18:15,161 私はその間 せっせと レグルスくんの冬支度をしていく> 279 00:18:15,161 --> 00:18:17,997 わぁ~ あったかいの! 280 00:18:17,997 --> 00:18:20,333 うん ちょうどいいね。 281 00:18:20,333 --> 00:18:23,502 あとで ここにボタンつけようね~。 あい! 282 00:18:23,502 --> 00:18:26,672 なあ そのマフラー 短くないか? 283 00:18:26,672 --> 00:18:29,342 ん? いや ネックウォーマーだから➨ 284 00:18:29,342 --> 00:18:32,345 こうやって ボタンでとめるんだよ。 285 00:18:32,345 --> 00:18:35,281 へ~ 初めて見た。 286 00:18:35,281 --> 00:18:40,119 <両親間の取り決めによって レグルスくんの生活にかかるお金は➨ 287 00:18:40,119 --> 00:18:43,289 父の借金になることになっていた。 288 00:18:43,289 --> 00:18:47,960 あの人の借金が増えようと 私はかまわない。 289 00:18:47,960 --> 00:18:52,631 でも それを将来レグルスくんが 背負わねばならないとなると➨ 290 00:18:52,631 --> 00:18:55,301 話は別なわけで…。 291 00:18:55,301 --> 00:18:59,138 こうして 私の趣味の毛糸と時間を使って➨ 292 00:18:59,138 --> 00:19:04,310 少しずつ冬服を作って 節約に励んでいるのであった> 293 00:19:04,310 --> 00:19:08,981 わあ! これ すげえフカフカしてる。 気持ちいい! 294 00:19:08,981 --> 00:19:11,984 はっ… だろうね。 295 00:19:11,984 --> 00:19:16,155 精霊が寄ってたかって フカフカにして遊んでるもん。 296 00:19:16,155 --> 00:19:19,325 しかも氷結耐性ついてるんだけど。 297 00:19:19,325 --> 00:19:21,327 氷結耐性? 298 00:19:21,327 --> 00:19:24,997 れーたんは これから 氷竜退治にでも行くのかな? 299 00:19:24,997 --> 00:19:28,000 ただの毛糸で編んだだけですけど。 300 00:19:28,000 --> 00:19:31,337 特に凝った編み方もしていないし。 301 00:19:31,337 --> 00:19:34,440 う~ん… あーたんはアレかな。 302 00:19:34,440 --> 00:19:37,777 付与魔術に 特化してるのかもしれないね。 303 00:19:37,777 --> 00:19:41,280 付与魔術? ふよ まじゅちゅ? 304 00:19:41,280 --> 00:19:44,450 ふよって何だ? 付与っていうのは➨ 305 00:19:44,450 --> 00:19:47,787 何かの効果を物や人につけること。 306 00:19:47,787 --> 00:19:51,624 例えば。 おおっ… んっ…。 307 00:19:51,624 --> 00:19:55,294 《鳳蝶:やだ かわいい》 308 00:19:55,294 --> 00:19:57,997 それを こう。 309 00:20:00,966 --> 00:20:03,469 もう一度 だっこしてごらん。 310 00:20:03,469 --> 00:20:07,973 うわっ! めっちゃ軽い! ハハッ わ~い! 311 00:20:07,973 --> 00:20:09,975 これが付与魔術。 312 00:20:09,975 --> 00:20:13,312 かなたんに 腕力強化をつけたんだよ。 313 00:20:13,312 --> 00:20:15,981 《やだ~ 和む~》 314 00:20:15,981 --> 00:20:18,150 (ノック) 315 00:20:18,150 --> 00:20:22,488 ちょっと おじゃまするよ。 (鳳蝶)はい どうぞ。 316 00:20:22,488 --> 00:20:24,990 マリーから手紙が来てね。 317 00:20:24,990 --> 00:20:27,493 まんまるちゃんに お願いがあるそうだよ。 318 00:20:27,493 --> 00:20:29,995 私に? 319 00:20:29,995 --> 00:20:34,166 皇妃様が つまみ細工の髪どめを➨ 320 00:20:34,166 --> 00:20:36,502 とても 気に入ってくださったそうです。 321 00:20:36,502 --> 00:20:41,006 それって演奏会の時に マリア嬢に渡してた あれ? 322 00:20:41,006 --> 00:20:43,342 (ヴィクトル)精霊が たかってたやつ? 323 00:20:43,342 --> 00:20:46,846 はい 手に入るなら ぜひ欲しいと。 324 00:20:46,846 --> 00:20:52,518 へぇ そりゃすごいね。 あの皇妃様は物欲のない人だよ。 325 00:20:52,518 --> 00:20:56,355 夫に 誕生日プレゼントは何がいいか 聞かれても➨ 326 00:20:56,355 --> 00:20:59,692 家族との時間って 答えるくらいだし。 327 00:20:59,692 --> 00:21:04,196 よほど気に入ったんだろうね。 そうなんですか? 328 00:21:06,532 --> 00:21:08,701 《う~ん 困ったなぁ。 329 00:21:08,701 --> 00:21:12,037 つまみ細工自体は作れるんだけど。 330 00:21:12,037 --> 00:21:16,375 マリアさんに差し上げたものと 同じものをとなると➨ 331 00:21:16,375 --> 00:21:21,547 姫君からいただいた布が もうほとんど残っていないし》 332 00:21:21,547 --> 00:21:24,550 つまみ細工って? 聞いたことないな。 333 00:21:24,550 --> 00:21:27,720 布を丸めたものを 花びらに見立てて➨ 334 00:21:27,720 --> 00:21:30,389 立体的な花を作るんだよ。 335 00:21:30,389 --> 00:21:32,992 きれいだったよ~。 336 00:21:32,992 --> 00:21:35,661 へぇ 珍しいものなんだね。 337 00:21:35,661 --> 00:21:38,998 そりゃ 他の貴族も欲しがりそうだ。 338 00:21:38,998 --> 00:21:41,834 《確かに 流行りというのは➨ 339 00:21:41,834 --> 00:21:45,337 上流階級から下流へ というのがセオリーだ。 340 00:21:45,337 --> 00:21:50,509 もし皇妃様に献上すれば 欲しがる人が増える… かも。 341 00:21:50,509 --> 00:21:55,014 あっ! これ 菊乃井領の産業になるんでは!? 342 00:21:55,014 --> 00:21:57,349 流行れば数が必要になる。 343 00:21:57,349 --> 00:22:01,353 大量生産できるように うちの領地で職人を育てて…。 344 00:22:01,353 --> 00:22:06,692 今からでも間に合うだろうか? なるべく流行を引き延ばしたい。 345 00:22:06,692 --> 00:22:10,029 あぁ そうすると 偽物が出回るかも。 346 00:22:10,029 --> 00:22:12,031 特許法みたいなもので➨ 347 00:22:12,031 --> 00:22:14,533 技術も職人も しっかり守らないと》 348 00:22:14,533 --> 00:22:18,370 あーたん? 《法整備って どうやるんだ? 349 00:22:18,370 --> 00:22:21,707 このへんは 前世の俺も専門外なんだよな~。 350 00:22:21,707 --> 00:22:25,377 どうしよう 知識が足りない!》 351 00:22:25,377 --> 00:22:27,546 まんまるちゃん 何か来るよ! 352 00:22:27,546 --> 00:22:30,049 ふえっ! おっと! 353 00:22:32,384 --> 00:22:35,487 (イゴール)それ なんとかなるかもよ。 354 00:22:35,487 --> 00:22:38,324 やあ 久しぶりだね! 355 00:22:38,324 --> 00:22:40,826 (一同)イゴール様!? 356 00:22:40,826 --> 00:22:43,028 イゴールで~す。