1 00:00:02,002 --> 00:00:05,172 (イゴール)悪いね 突然訪ねてきて。 2 00:00:05,172 --> 00:00:07,174 (鳳蝶)いえ。 それで本日は➨ 3 00:00:07,174 --> 00:00:09,176 どういったご用件でしょうか? 4 00:00:09,176 --> 00:00:11,678 (イゴール)お願いしたいことが あってね。 5 00:00:11,678 --> 00:00:15,349 君が マリアという歌姫に作った 髪飾りがあるだろう。 6 00:00:15,349 --> 00:00:18,518 あれを1つ作ってくれない? えっ? 7 00:00:18,518 --> 00:00:21,688 《イゴール様まで?》 (イゴール)どうだろう? 8 00:00:21,688 --> 00:00:23,690 作るのは かまわないのですが➨ 9 00:00:23,690 --> 00:00:27,361 あの髪飾りは 特別な材料で作ってまして。 10 00:00:27,361 --> 00:00:31,031 百華の羽衣だよね。 ご存じでしたか。 11 00:00:31,031 --> 00:00:35,535 それに見合う材料は こちらで用意できるよ。 ハァ…。 12 00:00:35,535 --> 00:00:38,372 《なんだろ このタイミングのよさ。 13 00:00:38,372 --> 00:00:40,874 話がうますぎる》 14 00:00:40,874 --> 00:00:42,876 ふう…。 15 00:00:42,876 --> 00:00:46,046 実は 僕が加護を与えている この国の大貴族が➨ 16 00:00:46,046 --> 00:00:50,217 あの髪飾りを気に入ってさ。 《大貴族?》 17 00:00:50,217 --> 00:00:53,720 よくよく見ると 髪飾りから 百華の気配がするし➨ 18 00:00:53,720 --> 00:00:57,391 作り手は これまた 僕が加護を与えてる君。 19 00:00:57,391 --> 00:00:59,726 すごい偶然じゃない? 20 00:00:59,726 --> 00:01:01,662 これも何かの縁かなって➨ 21 00:01:01,662 --> 00:01:04,998 僕が 一肌脱ごうと お使いに来たってわけ。 22 00:01:04,998 --> 00:01:07,834 《話がうますぎると思った。 23 00:01:07,834 --> 00:01:10,170 あの髪飾りは うまくいけば➨ 24 00:01:10,170 --> 00:01:13,173 菊乃井の産業に なるかもしれない。 25 00:01:13,173 --> 00:01:17,344 やすやすと よその大貴族に 奪われてたまるか》 26 00:01:17,344 --> 00:01:19,346 フフッ。 27 00:01:19,346 --> 00:01:24,851 《将来 ここを治める レグルスくんのためにも。 28 00:01:24,851 --> 00:01:26,853 神様だろうと➨ 29 00:01:26,853 --> 00:01:28,855 抑えつけてくるなら くそくらえだ! 30 00:01:28,855 --> 00:01:32,192 こうなってくると マリアさんの手紙にあった➨ 31 00:01:32,192 --> 00:01:36,863 皇妃殿下が 欲しがっているって いうのも疑わしい》 32 00:01:36,863 --> 00:01:38,865 そんなに警戒しないでよ。 33 00:01:38,865 --> 00:01:41,201 君が 警戒すると 百華が来ちゃうから。 34 00:01:41,201 --> 00:01:44,204 姫君が? なぜですか? 35 00:01:44,204 --> 00:01:46,206 (イゴール)そりゃあ来るさ。 36 00:01:46,206 --> 00:01:48,375 君には 百華の加護が ついてるんだから。 37 00:01:48,375 --> 00:01:51,712 あいつが来ると ややこしくなるから勘弁してよ。 38 00:01:51,712 --> 00:01:54,381 (鳳蝶)ハァ…。 (イゴール)大貴族といったって➨ 39 00:01:54,381 --> 00:01:57,551 君が警戒するような 人物じゃないから。 40 00:01:57,551 --> 00:01:59,720 公爵家の次男坊でね➨ 41 00:01:59,720 --> 00:02:02,823 今 技術者の権利を 保護するための➨ 42 00:02:02,823 --> 00:02:05,993 法整備をしようと 考えてるんだよ。 43 00:02:05,993 --> 00:02:08,328 その適応技術を探してたら➨ 44 00:02:08,328 --> 00:02:10,497 くだんの髪飾りの事を知ってね。 45 00:02:10,497 --> 00:02:14,668 独自のルートで 皇妃に 協力を仰いだそうなんだ。 46 00:02:14,668 --> 00:02:17,671 《やっぱり 偶然じゃ なかったんだ》 47 00:02:17,671 --> 00:02:20,007 君が髪飾りを献上してくれたら➨ 48 00:02:20,007 --> 00:02:23,510 褒美として 技術を 適応技術に登録しようと➨ 49 00:02:23,510 --> 00:02:25,512 予定してるんだよ。 50 00:02:25,512 --> 00:02:28,849 でもさ 君は献上できないでしょ? えっ? 51 00:02:28,849 --> 00:02:33,020 髪飾りを僕に自慢しにきたとき 百華が言ってたもん。 52 00:02:33,020 --> 00:02:36,189 ⸨百華:見合う 材料がなければ作れぬと➨ 53 00:02:36,189 --> 00:02:39,359 わらわに たんかを切りおった。 ホホホ…。 54 00:02:39,359 --> 00:02:42,529 一流の作り手とは こうでなくてはのう⸩ 55 00:02:42,529 --> 00:02:45,032 《3人:たんか!?》 56 00:02:45,032 --> 00:02:48,869 え~ また百華の思い込み? まぁ いいや。 57 00:02:48,869 --> 00:02:51,538 とにかく話を聞くかぎり➨ 58 00:02:51,538 --> 00:02:54,041 君は 気難しい 職人のようだからさ。 59 00:02:54,041 --> 00:02:56,877 《いやいや いやいや どこの人間国宝ですか》 60 00:02:56,877 --> 00:02:58,879 それで 僕が事前に➨ 61 00:02:58,879 --> 00:03:01,815 協力要請に きたってわけなんだけど。 62 00:03:01,815 --> 00:03:04,151 もっと ストレートに お願いすればよかったね。 63 00:03:04,151 --> 00:03:06,153 ごめん ごめん。 64 00:03:06,153 --> 00:03:08,655 いえ こちらこそ疑いすぎました。 65 00:03:08,655 --> 00:03:10,991 君が そんなに警戒するほど➨ 66 00:03:10,991 --> 00:03:13,660 大貴族の搾取は ひどいんだろうね。 67 00:03:13,660 --> 00:03:18,498 まぁ ロマノフ先生の座学での 聞きかじり程度ですが…。 68 00:03:18,498 --> 00:03:20,500 (イゴール)けどね➨ 69 00:03:20,500 --> 00:03:24,504 その貴族の次男坊は 典型的 庶民感覚を持ってる。 70 00:03:24,504 --> 00:03:26,506 世界をよりよくするためには➨ 71 00:03:26,506 --> 00:03:29,009 平民も皆 豊かにならなければ。 72 00:03:29,009 --> 00:03:31,845 君と同じように考えてる。 73 00:03:31,845 --> 00:03:34,514 貴族が 平民から 搾取するだけなら➨ 74 00:03:34,514 --> 00:03:37,184 強制的に 還元させるよりほかない。 75 00:03:37,184 --> 00:03:41,354 この法律は その初手になるだってさ。 76 00:03:41,354 --> 00:03:43,356 搾取するような人間じゃない。 77 00:03:43,356 --> 00:03:47,027 そのへんは安心していいと思うよ。 (鳳蝶)はい。 78 00:03:47,027 --> 00:03:49,362 《確かに悪い話じゃない。 79 00:03:49,362 --> 00:03:52,699 つまみ細工を はやらせて 需要を大きくできるなら➨ 80 00:03:52,699 --> 00:03:55,202 むしろ渡りに船だ》 81 00:03:55,202 --> 00:03:58,371 (イゴール)じゃ 決まりだね。 (鳳蝶)はい。 82 00:03:58,371 --> 00:04:01,141 (3人)神様と商談成立! 83 00:04:01,141 --> 00:04:04,978 材料は 後日。 それから協力者ということで➨ 84 00:04:04,978 --> 00:04:08,148 君の家の存在も 皇帝や皇妃に知らせるよう➨ 85 00:04:08,148 --> 00:04:11,351 あいつに伝えておこう。 ありがとうござい…。 86 00:04:13,653 --> 00:04:16,990 ハッ! いえ 家名を売られては困ります! 87 00:04:16,990 --> 00:04:20,994 えっ なんで? 私 親とは絶縁状態なんで。 88 00:04:20,994 --> 00:04:23,497 お金になりそうなことを してるって バレたら➨ 89 00:04:23,497 --> 00:04:25,499 取り上げられちゃう。 90 00:04:25,499 --> 00:04:28,668 (イゴール)おぉ 心温まらない話だね。 91 00:04:28,668 --> 00:04:34,174 それじゃあ どうする? それは…。 92 00:04:34,174 --> 00:04:36,676 会社を興します。 93 00:04:36,676 --> 00:04:38,678 (ラーラ)へぇ。 94 00:04:38,678 --> 00:04:41,081 (レグルス)かいちゃ? 95 00:06:21,982 --> 00:06:24,651 まだ明確ではありませんが➨ 96 00:06:24,651 --> 00:06:28,488 地元の人を 職人として育成するんです。 97 00:06:28,488 --> 00:06:30,490 会社が大きくなったら➨ 98 00:06:30,490 --> 00:06:32,993 事務仕事にも 地元の人間を雇えば➨ 99 00:06:32,993 --> 00:06:38,498 それが領民たちの職となって 還元できるかなと。 100 00:06:38,498 --> 00:06:40,500 《い 勢いで言っちゃったけど➨ 101 00:06:40,500 --> 00:06:42,502 事業計画も資金もない。 102 00:06:42,502 --> 00:06:45,338 ちょっと 恥ずかしくなってきたぞ》 103 00:06:45,338 --> 00:06:47,340 その意気やよし だよ。 104 00:06:47,340 --> 00:06:50,677 そうだな とりあえず 会社名を決めちゃいなよ。 105 00:06:50,677 --> 00:06:54,180 そっちを宣伝するから。 (鳳蝶)か 会社名? 106 00:06:54,180 --> 00:06:57,517 (イゴール)あと資金? それもなんとかなるだろうしさ。 107 00:06:57,517 --> 00:06:59,519 えっ えっ? 108 00:06:59,519 --> 00:07:02,956 それ ひらめいたとき 商機って思ったんでしょ? 109 00:07:02,956 --> 00:07:04,958 なら大丈夫。 110 00:07:04,958 --> 00:07:09,796 僕の加護が きっちりお仕事するさ。 111 00:07:09,796 --> 00:07:11,798 なんだっけ こういうの。 112 00:07:11,798 --> 00:07:16,303 そうそう バタフライ・エフェクトだっけ? 113 00:07:16,303 --> 00:07:19,639 バター エフェク… ト? 114 00:07:19,639 --> 00:07:21,975 (奏)神様 それどういう意味だ? 115 00:07:21,975 --> 00:07:25,145 ここで蝶が羽ばたくと 世界の裏側では➨ 116 00:07:25,145 --> 00:07:27,814 嵐が起こるかもしれないって 意味らしいよ。 117 00:07:27,814 --> 00:07:29,816 よく わかんないなぁ。 118 00:07:29,816 --> 00:07:32,319 つまり 小さなことが 巡り巡って➨ 119 00:07:32,319 --> 00:07:34,654 大きくなるってことだね。 120 00:07:34,654 --> 00:07:37,157 僕からしたら 彼につけた加護なんて➨ 121 00:07:37,157 --> 00:07:39,826 まさに ちょうちょの 羽ばたきくらいに小さい。 122 00:07:39,826 --> 00:07:43,830 だけど この国でそれが 大きなうねりになろうとしてる。 123 00:07:43,830 --> 00:07:45,832 ふ~ん。 124 00:07:45,832 --> 00:07:47,834 《バタフライ・エフェクト。 125 00:07:47,834 --> 00:07:50,670 前世の記憶にある カオス理論の一種だ。 126 00:07:50,670 --> 00:07:54,007 こっちの世界にも そんな理論があるんだ》 127 00:07:54,007 --> 00:07:57,677 (ヴィクトル)アリョーシャ バタフライ・エフェクトって知ってる? 128 00:07:57,677 --> 00:08:01,114 (ロマノフ)いや ラーラは? 聞いたこともないね。 129 00:08:01,114 --> 00:08:03,616 えっ? あぁ 気にしないで。 130 00:08:03,616 --> 00:08:07,454 これ 異世界の理論らしいから。 《なんですと!?》 131 00:08:07,454 --> 00:08:10,957 異世界ですか? 話してた次男坊ね➨ 132 00:08:10,957 --> 00:08:13,960 生まれつき 異世界の記憶があるらしくて。 133 00:08:13,960 --> 00:08:16,129 《なんですと!》 134 00:08:16,129 --> 00:08:18,465 なんか そういうこと 話してたなって➨ 135 00:08:18,465 --> 00:08:20,467 今 思い出した。 136 00:08:20,467 --> 00:08:22,969 《なんてこった。 それってつまり➨ 137 00:08:22,969 --> 00:08:26,639 私と同じように 前世の記憶があるってこと? 138 00:08:26,639 --> 00:08:28,641 他にもいるんだ》 139 00:08:31,144 --> 00:08:34,981 (鳳蝶)これを次男坊さんに お渡し願えますか? 140 00:08:34,981 --> 00:08:37,150 これは? カレー粉といいます。 141 00:08:37,150 --> 00:08:40,653 使い方は 蓋に添えた 紙に書いてあります。 142 00:08:40,653 --> 00:08:44,824 《こちらの言葉と そして日本語で》 143 00:08:44,824 --> 00:08:46,826 異世界の知恵がある方なら➨ 144 00:08:46,826 --> 00:08:49,996 これの使い方が わかるはずですので。 145 00:08:49,996 --> 00:08:52,499 《もし 同じ世界の 記憶を持ってるなら➨ 146 00:08:52,499 --> 00:08:54,834 もっと協力 しあえるかもしれない。 147 00:08:54,834 --> 00:08:58,505 同じ日本人で 前世の年代が近いなら➨ 148 00:08:58,505 --> 00:09:01,274 なお ありがたいんだけど》 149 00:09:01,274 --> 00:09:05,612 カレー うまいよな。 あい おいち! 150 00:09:05,612 --> 00:09:10,283 ふ~ん 引き受けたよ。 それから会社名ですが➨ 151 00:09:10,283 --> 00:09:14,287 Effet-Papillon。 Effet-Papillon? 152 00:09:14,287 --> 00:09:17,290 (鳳蝶)異世界の言語で バタフライ・エフェクトをさします。 153 00:09:17,290 --> 00:09:19,626 それもお伝えください。 154 00:09:19,626 --> 00:09:22,328 心得た。 ではまた後日。 155 00:09:24,297 --> 00:09:26,800 (みんな)ハァ…。 156 00:09:26,800 --> 00:09:30,303 (宇都宮)あの 大丈夫なんですか? 157 00:09:30,303 --> 00:09:32,806 神様をパシらせるなんて。 158 00:09:32,806 --> 00:09:34,808 (ヴィクトル)あ… 大丈夫だと思うよ。 159 00:09:34,808 --> 00:09:37,811 《今日は たくさん考えたな。 160 00:09:37,811 --> 00:09:40,647 なんだか 頭が…。 161 00:09:40,647 --> 00:09:42,982 あっ ヤバ…》 162 00:09:42,982 --> 00:09:44,984 鳳蝶くん! (ロッテンマイヤー)タオル濡らしてきて! 163 00:09:44,984 --> 00:09:46,986 (宇都宮)はい! (レグルス)にぃに? にぃに! 164 00:09:49,155 --> 00:09:52,659 《やっちゃった また倒れちゃった。 165 00:09:52,659 --> 00:09:56,863 やっぱり難しいことを考えて 興奮しちゃうと だめみたい。 166 00:09:59,332 --> 00:10:01,334 おっ。 まんまるちゃん。 167 00:10:01,334 --> 00:10:03,336 眉間にしわが寄ってるよ。 168 00:10:03,336 --> 00:10:06,005 リラックスして。 ひゃい。 169 00:10:06,005 --> 00:10:08,174 肥満による肩こりと冷え性➨ 170 00:10:08,174 --> 00:10:10,176 そして そこからくる偏頭痛➨ 171 00:10:10,176 --> 00:10:13,179 こうやって マッサージすれば 血行がよくなって➨ 172 00:10:13,179 --> 00:10:17,517 ずいぶん マシになるよ。 ふぁい ありがとうございます。 173 00:10:17,517 --> 00:10:20,353 (ラーラ)ねぇ さっきのイゴール様との 話だけど➨ 174 00:10:20,353 --> 00:10:23,523 君は 何がしたいのかな。 えっ? 175 00:10:23,523 --> 00:10:25,859 会社を興し 自領民に職を与え➨ 176 00:10:25,859 --> 00:10:29,362 法によって 技術者を保護するだっけ? 177 00:10:29,362 --> 00:10:31,698 はい。 つまり君は➨ 178 00:10:31,698 --> 00:10:34,868 その技術を 独占するつもりなのかい? 179 00:10:34,868 --> 00:10:37,036 いえ 逆にむしろ➨ 180 00:10:37,036 --> 00:10:39,706 技術は 広めて もらいたいと思ってますよ。 181 00:10:39,706 --> 00:10:43,543 そのために 技術者を守る 法律が必要なんです。 182 00:10:43,543 --> 00:10:45,545 (ラーラ)ふ~ん。 183 00:10:45,545 --> 00:10:47,714 姫君から聞いた話なんですが➨ 184 00:10:47,714 --> 00:10:52,218 異世界に ヴェネツィアングラスという 美しいガラス工芸があって➨ 185 00:10:52,218 --> 00:10:54,888 その技術が 他国に漏れ出し➨ 186 00:10:54,888 --> 00:10:57,891 模造品を作られることを 恐れた権力者は➨ 187 00:10:57,891 --> 00:11:01,160 職人たちを 1つの島に移住させ➨ 188 00:11:01,160 --> 00:11:03,997 出入りを 厳しく監視したそうです。 189 00:11:03,997 --> 00:11:07,834 それでも職人が 無理やり 連れ去られることがあったとか。 190 00:11:07,834 --> 00:11:10,503 私は 菊乃井の職人たちを➨ 191 00:11:10,503 --> 00:11:13,673 島に閉じ込めるなんてことは したくありません。 192 00:11:13,673 --> 00:11:16,509 強制的に連れ去るなんて 絶対に許さない。 193 00:11:16,509 --> 00:11:20,179 どんな相手とだって 戦ってみます。 194 00:11:20,179 --> 00:11:23,183 でも その前に 最初から技術を広めて➨ 195 00:11:23,183 --> 00:11:25,685 法によって すべての職人に➨ 196 00:11:25,685 --> 00:11:27,854 利益が 還元されるようにしておけば➨ 197 00:11:27,854 --> 00:11:31,024 不毛な争いを せずにすむでしょう? 198 00:11:31,024 --> 00:11:34,861 なるほどねぇ。 まんまるちゃんて 結構ただものじゃないね。 199 00:11:34,861 --> 00:11:37,530 えっ? 200 00:11:37,530 --> 00:11:43,036 ありがとうございます。 肩が めっちゃ軽くなりました。 201 00:11:43,036 --> 00:11:45,705 レグルスくん。 にぃに 終わった? 202 00:11:45,705 --> 00:11:49,375 ひよこちゃん それはなんだい? 短いマフラーだねぇ。 203 00:11:49,375 --> 00:11:52,378 フワフワ にぃにが作ったの。 204 00:11:52,378 --> 00:11:56,883 (鳳蝶)ネックウォーマーといって ボタンでとめて使う防寒具なんです。 205 00:11:56,883 --> 00:12:00,153 へぇ 菊乃井領には そんなのがあるんだ。 206 00:12:00,153 --> 00:12:03,323 ねぇよ。 俺 町にはよく行くけど➨ 207 00:12:03,323 --> 00:12:05,825 そんなの売ってるの みたことねえもん。 208 00:12:05,825 --> 00:12:09,996 ほお… ということは まんまるちゃんのオリジナルだね。 209 00:12:09,996 --> 00:12:12,165 あっ いや…。 210 00:12:12,165 --> 00:12:15,835 《前世の記憶から 引っ張り出したものなんだけど》 211 00:12:15,835 --> 00:12:20,506 これ今度 僕にも作ってよ。 えっ もちろんかまいませんが。 212 00:12:20,506 --> 00:12:23,176 マフラーは 戦闘中に 引っかかったりして➨ 213 00:12:23,176 --> 00:12:26,012 邪魔なんだよね。 戦闘? 214 00:12:26,012 --> 00:12:28,014 言ってなかったっけ。 215 00:12:28,014 --> 00:12:31,517 僕も教師をやってないときは 冒険者なんだ。 216 00:12:31,517 --> 00:12:33,519 (3人)お~っ。 217 00:12:33,519 --> 00:12:35,521 なんか かっこいい。 いい いい! 218 00:12:35,521 --> 00:12:38,124 《わかる わかるよ!》 219 00:12:41,361 --> 00:12:46,032 (ロッテンマイヤー)若様 会社を興すという お話ですが。 はい。 220 00:12:46,032 --> 00:12:50,203 若様のお命が危険になるような ことは ないでしょうか。 221 00:12:50,203 --> 00:12:52,205 そんな大げさな。 222 00:12:52,205 --> 00:12:54,207 (ロマノフ)大げさでもないですよ。 えっ? 223 00:12:54,207 --> 00:12:57,210 利権絡みで 損害を被る家があれば➨ 224 00:12:57,210 --> 00:13:00,313 強硬手段に出てくる 者もあるでしょう。 225 00:13:00,313 --> 00:13:02,315 えっ そこまで? 226 00:13:02,315 --> 00:13:05,652 既得利権にしがみつく 旧態依然とした家➨ 227 00:13:05,652 --> 00:13:07,654 しかも大きな家だと➨ 228 00:13:07,654 --> 00:13:11,824 平民を虫か 雑草程度にしか 思っていないところもある。 229 00:13:11,824 --> 00:13:16,162 そんな人間が 平民と同じ テーブルで商談をするなど➨ 230 00:13:16,162 --> 00:13:18,998 屈辱と侮辱を与えられたも同然。 231 00:13:18,998 --> 00:13:23,503 そういう方向からの思わぬ恨みを 買うこともあるでしょうね。 232 00:13:23,503 --> 00:13:25,672 《なんですと!》 233 00:13:25,672 --> 00:13:27,674 ふう…。 234 00:13:27,674 --> 00:13:31,177 《まったく この世界の 大貴族ってやつは…。 235 00:13:31,177 --> 00:13:34,180 平民も貴族も同じ人間なのに》 236 00:13:34,180 --> 00:13:37,016 (ヴィクトル)もし その法律に 菊乃井が関わって➨ 237 00:13:37,016 --> 00:13:39,018 矢面に立たされるなら➨ 238 00:13:39,018 --> 00:13:41,020 僕たちが あーたんのそばにいるって➨ 239 00:13:41,020 --> 00:13:43,356 公表したらいいんじゃない? うん。 240 00:13:43,356 --> 00:13:46,693 それが いちばんの 抑止力かもしれませんね。 うん。 241 00:13:46,693 --> 00:13:48,695 ありがとうございます。 242 00:13:48,695 --> 00:13:52,699 《ともあれ 蝶は羽ばたいた。 243 00:13:52,699 --> 00:13:55,535 資本金や 準備資金はどう融通しよう。 244 00:13:55,535 --> 00:13:58,705 職人を養成するなら 技術をマニュアルに落として➨ 245 00:13:58,705 --> 00:14:01,908 整理しておかなきゃ。 企画書も必要かな》 246 00:14:05,311 --> 00:14:08,147 にぃに おなか減ってる? へっ? 247 00:14:08,147 --> 00:14:11,317 ううん おなかはすいてないよ。 248 00:14:11,317 --> 00:14:13,319 えっ 何? 249 00:14:13,319 --> 00:14:15,988 れーの! れーの にぃにのおなかがぺったん! 250 00:14:15,988 --> 00:14:17,990 (宇都宮)い いけませんレグルス様! 251 00:14:17,990 --> 00:14:20,660 最近 若様がお痩せになったから➨ 252 00:14:20,660 --> 00:14:23,996 レグルス様の好きな ぽよんぽよんの おなかがなくなって➨ 253 00:14:23,996 --> 00:14:26,666 危機感が 芽生えてらっしゃるんです。 254 00:14:26,666 --> 00:14:30,670 へっ? 痩せた!? 255 00:14:30,670 --> 00:14:34,674 痩 せ た! 256 00:14:34,674 --> 00:14:37,009 これから まだ痩せるよ。 257 00:14:37,009 --> 00:14:40,680 やあ~っ 減っちゃや~だ! 258 00:14:40,680 --> 00:14:45,685 へへへ… 白豚から痩せ えへ えへへへ。 259 00:14:45,685 --> 00:14:48,187 へへへへ…。 260 00:14:50,690 --> 00:14:54,026 んっ? にぃに 減らさないで。 261 00:14:54,026 --> 00:14:56,362 あぁ そうきたか ひよこちゃん。 262 00:14:56,362 --> 00:15:00,299 さすがのラーラも 泣く子には弱いよね。 263 00:15:00,299 --> 00:15:03,136 (ラーラ)ひよこちゃん それはできない。 264 00:15:03,136 --> 00:15:07,306 あんな 痩せないと兄ちゃん 病気になりやすいんだよ。 265 00:15:07,306 --> 00:15:09,509 また倒れたら嫌だろ? 266 00:15:11,477 --> 00:15:14,480 や~。 じゃあ我慢しないとな。 267 00:15:14,480 --> 00:15:17,316 あい。 268 00:15:17,316 --> 00:15:20,820 《やだ~。 奏くんたらいいお兄ちゃん》 269 00:15:20,820 --> 00:15:23,990 若様。 俺にできることあるか? 270 00:15:23,990 --> 00:15:25,992 へっ? 何か俺に➨ 271 00:15:25,992 --> 00:15:27,994 手伝えることがあったら 言ってくれよ。 272 00:15:27,994 --> 00:15:32,331 あるよ。 ううん 今も頑張ってくれてると思う。 273 00:15:32,331 --> 00:15:34,333 俺 なんもしてないぞ。 274 00:15:34,333 --> 00:15:37,336 ううん たくさん勉強してくれてる。 275 00:15:37,336 --> 00:15:39,338 奏くんが 勉強して➨ 276 00:15:39,338 --> 00:15:41,674 魔術を使いこなせるように なったときに➨ 277 00:15:41,674 --> 00:15:43,676 私や レグルスくんを助けて➨ 278 00:15:43,676 --> 00:15:46,179 この菊乃井を裕福にできたら➨ 279 00:15:46,179 --> 00:15:49,182 みんなが勉強の 大切さに気づいて➨ 280 00:15:49,182 --> 00:15:52,351 自分も勉強したい 子どもにも勉強させたいと➨ 281 00:15:52,351 --> 00:15:55,688 考えてくれるように なると思うんだ。 282 00:15:55,688 --> 00:16:00,126 う~ん つまり俺が勉強 たくさんして出世したら➨ 283 00:16:00,126 --> 00:16:02,962 若様が助かるってことか? うん。 284 00:16:02,962 --> 00:16:06,299 わかった 任せとけ。 285 00:16:06,299 --> 00:16:08,467 キシシッ。 286 00:16:08,467 --> 00:16:13,139 奏くん大好き! 俺も若様のこと大好きだぞ! 287 00:16:13,139 --> 00:16:16,642 あっ れーもれーも にぃに大好き! 288 00:16:16,642 --> 00:16:19,645 入れて れーも! 289 00:16:19,645 --> 00:16:22,148 《友情万歳》 (咳払い) 290 00:16:22,148 --> 00:16:24,150 んっ? (ラーラ)でね まんまるちゃん。 291 00:16:24,150 --> 00:16:26,152 資金のことなんだけど➨ 292 00:16:26,152 --> 00:16:28,154 そこで ぶすくれてる 帝国認定英雄が➨ 293 00:16:28,154 --> 00:16:30,990 出してくれるって。 別にぶすくれては…。 294 00:16:30,990 --> 00:16:34,660 もちろん 僕とヴィーチャも出資するよ。 うん。 295 00:16:34,660 --> 00:16:37,830 本当ですか!? ただし ネックウォーマー➨ 296 00:16:37,830 --> 00:16:40,500 あれを Effet-Papillonで作ってよ。 297 00:16:40,500 --> 00:16:45,505 もちろん材料は提供するからさ。 任せてください! 298 00:16:45,505 --> 00:16:48,674 《おおう これは絶対 手を抜けない》 299 00:16:48,674 --> 00:16:50,877 気合い入れていくぞ! 300 00:16:53,846 --> 00:16:56,515 (百華)む~。 301 00:16:56,515 --> 00:17:01,287 《ご ご機嫌斜めだ。 ものすごく》 イゴールのやつめ。 302 00:17:01,287 --> 00:17:04,957 わらわを通さず あやつは何様のつもりなのじゃ。 303 00:17:04,957 --> 00:17:07,960 そなたは わらわの臣なのじゃぞ! 304 00:17:07,960 --> 00:17:09,962 そなたも そなたじゃ! 305 00:17:09,962 --> 00:17:12,465 もっと高く 売りつけてやればよいものを! 306 00:17:12,465 --> 00:17:15,468 で でも 立法に関わる面倒ごとを➨ 307 00:17:15,468 --> 00:17:18,304 すべて請け負って くださるわけですし。 308 00:17:18,304 --> 00:17:20,306 おつりが くるのではないかと。 309 00:17:20,306 --> 00:17:22,308 ふん! まぁよいわ。 310 00:17:22,308 --> 00:17:25,811 そなたが 必要だと思うたなら そうなのだろう。 311 00:17:25,811 --> 00:17:29,815 早う領内を富ませて わらわにミュージカルを見せよ。 312 00:17:29,815 --> 00:17:31,817 心得ております。 313 00:17:31,817 --> 00:17:34,987 《あれ? こんな時期に薔薇が?》 314 00:17:34,987 --> 00:17:39,659 姫様 お花咲いてる。 きれい。 315 00:17:39,659 --> 00:17:42,328 これは いかんな。 316 00:17:42,328 --> 00:17:45,998 イゴールに請われたゆえ これをそなたに授ける。 317 00:17:45,998 --> 00:17:48,834 はなむけじゃ。 好きに使うがよい。 318 00:17:48,834 --> 00:17:51,837 はなむけとは? 319 00:17:51,837 --> 00:17:55,341 今日よりわらわは 天上に帰り 地上に現れぬ。 320 00:17:57,843 --> 00:18:01,113 な なぜですか? 私が何かしましたか? 321 00:18:01,113 --> 00:18:04,116 姫様 もう会えないの? 322 00:18:04,116 --> 00:18:07,119 落ち着け。 春になれば また降りてくる。 323 00:18:07,119 --> 00:18:09,622 春…。 見やれ。 324 00:18:09,622 --> 00:18:11,624 わらわが地上におると➨ 325 00:18:11,624 --> 00:18:13,793 ああして わらわの目を楽しませようと➨ 326 00:18:13,793 --> 00:18:16,796 季節でもない 草木までもが花を咲かせる。 327 00:18:16,796 --> 00:18:18,798 (鳳蝶)あぁ…。 328 00:18:18,798 --> 00:18:20,800 しかし それは花の命を削る。 329 00:18:20,800 --> 00:18:24,470 ゆえに 冬は地上におらぬように しておるのよ。 330 00:18:24,470 --> 00:18:28,975 冬に咲く花は 天上に招いてめでておる。 331 00:18:28,975 --> 00:18:33,980 《花が気を遣わないように。 でも…》 332 00:18:36,983 --> 00:18:39,986 そのような途方に暮れた 顔をするでないわ。 333 00:18:39,986 --> 00:18:43,489 春になれば また 戻ると言うておろうに。 334 00:18:43,489 --> 00:18:46,158 でも 寂しくなります。 335 00:18:46,158 --> 00:18:49,829 (百華)顔を上げよ。 336 00:18:49,829 --> 00:18:53,100 おっ そなたも年相応に 駄々をこねるのじゃなあ➨ 337 00:18:53,100 --> 00:18:56,002 珍しいものを見た。 338 00:18:56,002 --> 00:19:00,272 まっ そこまで慕われれば 悪い気はせぬのう。 339 00:19:00,272 --> 00:19:02,475 近う 額を出せ。 340 00:19:08,280 --> 00:19:11,784 わらわが おらぬ間に なんじらに災難が訪れぬよう➨ 341 00:19:11,784 --> 00:19:14,086 厄除けしてしんぜる。 342 00:19:17,790 --> 00:19:21,460 花鈿という魔除けの化粧よ。 わらわが描いたのじゃ➨ 343 00:19:21,460 --> 00:19:23,629 魔王でも避けて通るぞえ。 344 00:19:23,629 --> 00:19:26,298 えっ 魔王なんているんですか!? 345 00:19:26,298 --> 00:19:30,803 おるとも。 おるが まぁ害はない。 346 00:19:30,803 --> 00:19:32,972 《ないんだ》 347 00:19:32,972 --> 00:19:35,975 魔王なんぞより そなたが 気をつけなければならぬのは➨ 348 00:19:35,975 --> 00:19:38,978 同じ人間であろう。 349 00:19:38,978 --> 00:19:42,481 神の加護が あるゆえ 大抵のことはなんとでもなる。 350 00:19:42,481 --> 00:19:45,317 しかし そなたの周りの人間は➨ 351 00:19:45,317 --> 00:19:48,154 そなたが 守ってやらねばならぬぞ。 352 00:19:48,154 --> 00:19:50,823 エルフの3人は強かろう。 353 00:19:50,823 --> 00:19:54,660 じゃがその他 身の回りを 整える従者たちにまでは➨ 354 00:19:54,660 --> 00:19:57,496 手が及ぶまいよ。 355 00:19:57,496 --> 00:20:00,833 これから そなたが相手にせねば ならぬ古狸どもは➨ 356 00:20:00,833 --> 00:20:03,836 弱いところに手を伸ばすぞ。 357 00:20:03,836 --> 00:20:07,506 魑魅魍魎を 相手にとるのじゃと心得よ。 358 00:20:07,506 --> 00:20:12,678 《姫君は 上に立つ者の覚悟を 私に説いてくださっているんだ》 359 00:20:12,678 --> 00:20:15,848 はい。 (百華)手を出せ。 360 00:20:15,848 --> 00:20:18,551 はい。 覚悟を持て。 361 00:20:21,854 --> 00:20:26,025 (百華)わらわの守り刀じゃ 貸しておくゆえ春には返せ。 362 00:20:26,025 --> 00:20:28,027 しかし抜くな。 363 00:20:28,027 --> 00:20:30,029 この屋敷の大将は そなたぞ。 364 00:20:30,029 --> 00:20:34,366 そなたが 自ら刀を振るわねば ならぬような状況は➨ 365 00:20:34,366 --> 00:20:37,536 すでに そなたの負けを意味しておる。 366 00:20:37,536 --> 00:20:39,872 そこに至るまでに手を打て。 367 00:20:39,872 --> 00:20:41,874 はい 承知いたしました! 368 00:20:44,210 --> 00:20:47,880 では しばしの別れじゃ。 春まで息災でな。 369 00:20:47,880 --> 00:20:51,383 あっ 姫君! なんじゃ未練な。 370 00:20:51,383 --> 00:20:54,220 いえ いただいた はなむけのお礼を。 371 00:20:54,220 --> 00:20:57,223 歌をささげても よろしいでしょうか? 372 00:20:57,223 --> 00:21:00,426 ふっ 苦しうないぞ。 373 00:21:03,329 --> 00:21:12,004 ♬「童はみたり 野なかの薔薇」 374 00:21:12,004 --> 00:21:21,347 ♬「清らに咲ける その色愛でつ」 375 00:21:21,347 --> 00:21:25,518 ♬「飽かずながむ」 376 00:21:25,518 --> 00:21:36,862 ♬「紅におう 野なかの薔薇」 377 00:21:36,862 --> 00:21:39,365 ♬「手折りて」 378 00:21:39,365 --> 00:21:44,537 《手の中にある重みは 刀だけの重みではない。 379 00:21:44,537 --> 00:21:47,373 この方が 春に お戻りになるまでに➨ 380 00:21:47,373 --> 00:21:54,880 私は 何か少しでも 成長できているだろうか》 381 00:21:54,880 --> 00:22:03,989 ♬「君を刺さん 紅におう」 382 00:22:03,989 --> 00:22:08,994 ♬「野なかの薔薇」