1 00:00:48,115 --> 00:00:51,118 (鳳蝶)んん… ん…。 2 00:00:51,118 --> 00:00:53,453 《私の部屋だ…》 3 00:00:53,453 --> 00:00:55,455 いっ!! 4 00:00:55,455 --> 00:00:58,792 《なんじゃこりゃ~ 体じゅう痛っ! 5 00:00:58,792 --> 00:01:03,130 起き上がれない! 私 どうなっちゃったの?》 6 00:01:03,130 --> 00:01:07,134 ハッ? いやぁ~ 腹肉が~っ! 7 00:01:07,134 --> 00:01:10,304 うぅ… えいっ! えっ!! 8 00:01:10,304 --> 00:01:13,807 はあ? (レグルス)もち もち もち もち…。 9 00:01:13,807 --> 00:01:16,810 いっだ! いだだだだだ いや~っ。 10 00:01:16,810 --> 00:01:18,812 誰か~っ!! 11 00:03:00,781 --> 00:03:03,450 (宇都宮)たいへん 申し訳ございませんでした! 12 00:03:03,450 --> 00:03:05,952 (ロッテンマイヤー) あなたは1度ならず2度までも。 13 00:03:05,952 --> 00:03:09,289 昨日も あなたが レグルス様から目を離したせいで➡ 14 00:03:09,289 --> 00:03:11,458 若様が怪我をされたのですよ! 15 00:03:11,458 --> 00:03:15,462 レグルス様だって 若様がいなければ どうなっていたか! 16 00:03:15,462 --> 00:03:18,465 (宇都宮)はい 本当に深く反省…。 (レグルス)にぃに。 17 00:03:18,465 --> 00:03:21,635 おなかすいた! 18 00:03:21,635 --> 00:03:23,804 レグルスくん。 ん? 19 00:03:23,804 --> 00:03:27,140 あそこにかかっているカバンを 持ってきてくれますか? 20 00:03:27,140 --> 00:03:29,309 はあ~い! 21 00:03:29,309 --> 00:03:31,478 んしょ~ あ~い! 22 00:03:31,478 --> 00:03:36,083 はい これ! ありがと~。 たしか この中に…。 23 00:03:36,083 --> 00:03:39,252 ((百華:これは褒美じゃ)) 24 00:03:39,252 --> 00:03:41,755 (鳳蝶)姫君からもらった桃! 25 00:03:43,790 --> 00:03:49,096 (鳳蝶)おぉ~ さすが姫君の桃 勝手に食べやすい大きさに! 26 00:03:49,096 --> 00:03:51,098 はい! 27 00:03:51,098 --> 00:03:53,967 おいち~! 28 00:03:53,967 --> 00:03:55,969 《やっ やだ やめて~。 29 00:03:55,969 --> 00:03:59,473 美幼児が喜ぶまぶしさで 豚が焼けてしまうよ~》 30 00:03:59,473 --> 00:04:01,475 はあ… はい。 31 00:04:01,475 --> 00:04:05,112 《いや ホント美幼児まぶしい》 あ~ん。 32 00:04:05,112 --> 00:04:11,151 《ってか 体じゅう痛いし めまいはするし もう限界…》 33 00:04:11,151 --> 00:04:13,820 にぃに! ふえ? んん…。 34 00:04:13,820 --> 00:04:15,789 おいちい? 35 00:04:17,824 --> 00:04:20,827 お… おぉ! ありがとう! 36 00:04:20,827 --> 00:04:23,163 どういたちまして。 37 00:04:23,163 --> 00:04:27,834 このたびは 私がレグルス様から 目を離したばっかりに➡ 38 00:04:27,834 --> 00:04:30,337 若君様におかれましては…。 39 00:04:30,337 --> 00:04:33,740 あぁ いや 謝らなくていいですよ。 それに…。 40 00:04:33,740 --> 00:04:36,743 レグルスくんを突き落としたのは…。 41 00:04:36,743 --> 00:04:39,246 ((おぉっ…。 42 00:04:39,246 --> 00:04:41,248 (セバスチャン)チッ)) 43 00:04:41,248 --> 00:04:45,085 母の従僕のセバスチャンです。 44 00:04:45,085 --> 00:04:47,254 (ロマノフ)見たんですか 鳳蝶くん。 45 00:04:47,254 --> 00:04:49,589 はい ハッキリと。 46 00:04:49,589 --> 00:04:53,093 でも私以外は 誰も見ていなかったとなると➡ 47 00:04:53,093 --> 00:04:55,762 真実を突きつけたところで➡ 48 00:04:55,762 --> 00:04:59,099 あれこれ理由をつけて 言い逃れされそうですね。 49 00:04:59,099 --> 00:05:03,603 逆に 世話役の宇都宮さんの 監督不行届きを突いて➡ 50 00:05:03,603 --> 00:05:08,108 責任転嫁されるかもしれませんよ。 (鳳蝶)そうですね。 51 00:05:08,108 --> 00:05:10,443 安心してください 宇都宮さん。 52 00:05:10,443 --> 00:05:13,280 そんなことにはさせませんから。 えっ! 53 00:05:13,280 --> 00:05:17,117 どうしたんですか? い… いえ… その…。 54 00:05:17,117 --> 00:05:20,620 私が向こうのお屋敷で 聞いていた話とは➡ 55 00:05:20,620 --> 00:05:22,789 違うなって…。 (鳳蝶)えっ? 56 00:05:22,789 --> 00:05:25,792 こちらでは レグルス様は疎まれているから➡ 57 00:05:25,792 --> 00:05:28,628 お守りするようにと 仰せつかっていたんです。 58 00:05:28,628 --> 00:05:31,464 《まあ そうなるだろうな~》 59 00:05:31,464 --> 00:05:35,735 実はですね 私は当家の事情を知らなくて➡ 60 00:05:35,735 --> 00:05:39,739 レグルスくんのことも つい先日 知ったばかりなんです。 61 00:05:39,739 --> 00:05:42,242 なので 疎みようもないというか…。 62 00:05:42,242 --> 00:05:45,245 では レグルス様をお知りになった今は? 63 00:05:45,245 --> 00:05:48,748 う~ん そうですね 正直に言うと…。 64 00:05:48,748 --> 00:05:52,452 少し うらやましくは あるかもしれません。 65 00:05:52,452 --> 00:05:56,790 レグルスくんを見る父の目は とても優しかった。 66 00:05:56,790 --> 00:06:00,126 私を あんなふうには見ないでしょう。 67 00:06:00,126 --> 00:06:03,129 抱き上げられてもいましたね。 68 00:06:03,129 --> 00:06:08,802 それに比べ私は 両親の顔と声も まともには知らなかった。 69 00:06:08,802 --> 00:06:10,971 でもそれは ないものねだりです。 70 00:06:10,971 --> 00:06:13,807 レグルスくんに ぶつけるものではありません。 71 00:06:13,807 --> 00:06:17,477 複雑ではありますが 私と両親の事情は➡ 72 00:06:17,477 --> 00:06:19,813 この子には関係のないことです。 73 00:06:19,813 --> 00:06:21,815 そう言われても➡ 74 00:06:21,815 --> 00:06:24,818 すぐに安心できるものでは ないでしょうが➡ 75 00:06:24,818 --> 00:06:29,489 不安ならば 私からはレグルスくんに 近づかないようにしましょう。 76 00:06:29,489 --> 00:06:31,825 ところで あの…。 77 00:06:31,825 --> 00:06:33,727 レグルスくんは さっきから➡ 78 00:06:33,727 --> 00:06:37,230 なぜ私のおなかを もちもちしているんですかね? 79 00:06:37,230 --> 00:06:40,066 わかりかねます。 えぇ…。 80 00:06:40,066 --> 00:06:44,738 鳳蝶くん 弟君は 2~3日こちらに滞在して➡ 81 00:06:44,738 --> 00:06:46,906 帝都に お帰りになるそうですよ。 82 00:06:46,906 --> 00:06:49,409 そうなんですか? はい。 83 00:06:49,409 --> 00:06:53,413 ですから今後のことは さほど 難しいことではありませんよ。 84 00:06:53,413 --> 00:06:56,583 なにせ めったにお会いしない 距離なんですから。 85 00:06:56,583 --> 00:06:59,419 《それじゃあ レグルスくんに関しては➡ 86 00:06:59,419 --> 00:07:02,422 あのセバスチャンとやらの動向に 目を光らせておけば➡ 87 00:07:02,422 --> 00:07:04,424 何とかなりそうだな》 88 00:07:04,424 --> 00:07:06,760 勝手に お決めにならないでください! 89 00:07:06,760 --> 00:07:10,263 本気で レグルス様の家庭教師を 断るおつもりですか!? 90 00:07:10,263 --> 00:07:13,600 宇都宮さん! 私 納得いたしかねます! 91 00:07:13,600 --> 00:07:15,602 おかしなことを…。 92 00:07:15,602 --> 00:07:18,772 なぜ あなたに納得して いただかねばならないのです? 93 00:07:18,772 --> 00:07:21,775 旦那様も納得されていません! 94 00:07:21,775 --> 00:07:25,278 ですから どうして 納得していただく必要が? 95 00:07:25,278 --> 00:07:27,280 あなたが仕える あるじは➡ 96 00:07:27,280 --> 00:07:29,950 菊乃井家の当主 旦那様だからです! 97 00:07:29,950 --> 00:07:32,719 当然ではないですか! 宇都宮さん! 98 00:07:32,719 --> 00:07:37,057 ロマノフ先生 菊乃井家の使用人が ご無礼いたしました。 99 00:07:37,057 --> 00:07:40,727 どうか お許しを。 あぁ ロッテンマイヤーさん。 100 00:07:40,727 --> 00:07:43,063 あなたから 謝罪していただかなくても➡ 101 00:07:43,063 --> 00:07:46,399 結構ですよ。 彼女は 正式にはまだ➡ 102 00:07:46,399 --> 00:07:49,102 菊乃井家の 使用人ではないのでしょう? 103 00:07:49,102 --> 00:07:52,439 それに 菊乃井家の 使用人であるならなおさら➡ 104 00:07:52,439 --> 00:07:54,607 この場合は あなたではなく➡ 105 00:07:54,607 --> 00:07:58,278 伯爵か伯爵夫人が 謝罪するものです。 106 00:07:58,278 --> 00:08:01,114 《これは なんか地雷を踏んだっぽい》 107 00:08:01,114 --> 00:08:06,119 フッ… たかが伯爵家の当主風情が 私のあるじ? 108 00:08:06,119 --> 00:08:08,121 冗談も大概にしなさい。 109 00:08:08,121 --> 00:08:12,092 しっ… 失礼します! 110 00:08:12,092 --> 00:08:14,594 あ…。 111 00:08:14,594 --> 00:08:18,932 どうしました? ロマノフ先生って もしかして➡ 112 00:08:18,932 --> 00:08:21,601 とっても偉い人だったり するんですか? 113 00:08:21,601 --> 00:08:24,771 ナイショです 今はまだ ねっ。 114 00:08:24,771 --> 00:08:27,774 ふあぁ~ 美しさで豚を焼くの➡ 115 00:08:27,774 --> 00:08:30,377 禁止して! まぶしい…。 116 00:08:32,479 --> 00:08:34,714 (鳳蝶)あれ? おかしい。 117 00:08:34,714 --> 00:08:38,051 さっきまで地獄かと思うほど 痛かったのに…。 118 00:08:38,051 --> 00:08:40,553 鳳蝶くん? 119 00:08:40,553 --> 00:08:43,256 おぉ もう全然痛くない。 120 00:08:45,225 --> 00:08:47,227 (ロマノフ)傷がない! 121 00:08:47,227 --> 00:08:50,897 うそ! アザも きれいに消えている。 どうして? 122 00:08:50,897 --> 00:08:55,735 ちょ… 太い脚を そんなに まじまじと見ないでほしい。 123 00:08:55,735 --> 00:09:00,073 あっ もしかして さっき弟君と食べていた桃! 124 00:09:00,073 --> 00:09:02,909 あれは 姫君から賜った仙桃ですか? 125 00:09:02,909 --> 00:09:04,911 はい… あれ? 126 00:09:04,911 --> 00:09:08,748 姫君にいただいた桃のこと 先生に話しましたっけ? 127 00:09:08,748 --> 00:09:11,251 今朝 姫君に お会いしにいったのです。 128 00:09:11,251 --> 00:09:14,421 鳳蝶くんが怪我で 今日は来られないのでね。 129 00:09:14,421 --> 00:09:16,423 その際に…。 130 00:09:16,423 --> 00:09:21,261 ((わらわが授けた桃を食べれば すぐに傷など消えようぞ。 131 00:09:21,261 --> 00:09:25,265 養生に努め 早う わらわのために歌いに来い)) 132 00:09:25,265 --> 00:09:27,434 と おっしゃっていました。 133 00:09:27,434 --> 00:09:31,938 あ~ なるほど。 姫君? 桃? 仙桃? 134 00:09:31,938 --> 00:09:35,708 一切れ食べただけで 全身の傷が治るなんて➡ 135 00:09:35,708 --> 00:09:39,712 すごい桃だったんですね。 もらってよかったのかな? 136 00:09:39,712 --> 00:09:42,715 ん? 一切れだけ? はい。 137 00:09:42,715 --> 00:09:45,718 レグルスくんが おなかが すいていたみたいだったので➡ 138 00:09:45,718 --> 00:09:48,054 ほとんど 食べさせてしまいましたが。 139 00:09:48,054 --> 00:09:50,223 (宇都宮)え~っ! 仙桃って!? 140 00:09:50,223 --> 00:09:53,226 鳳蝶くんは 本当にもう大丈夫なんですね? 141 00:09:53,226 --> 00:09:56,229 はい もうすっかり! ならよし! 142 00:09:56,229 --> 00:09:58,231 (ノック) 143 00:09:58,231 --> 00:10:00,400 (ロッテンマイヤー)若様 レグルス様。 144 00:10:00,400 --> 00:10:03,736 旦那様と奥様が 応接間でお待ちです。 145 00:10:03,736 --> 00:10:08,775 ロマノフ先生と宇都宮さんも 一緒にいらっしゃるようにと。 146 00:10:08,775 --> 00:10:10,777 はい。 147 00:10:10,777 --> 00:10:14,614 (ロッテンマイヤー)お連れしました。 あぁ。 148 00:10:14,614 --> 00:10:17,250 おぉ…。 149 00:10:17,250 --> 00:10:20,787 あの 先生 私ひとりで座れます。 150 00:10:20,787 --> 00:10:24,757 鳳蝶くんは怪我をしているんです。 無理しちゃダメですよ。 151 00:10:24,757 --> 00:10:28,094 いやいや そんな 重いですから。 152 00:10:28,094 --> 00:10:30,763 まあ 羽のように軽いとは 言いませんが➡ 153 00:10:30,763 --> 00:10:33,600 別段 気になりませんよ。 アハハハハ! 154 00:10:33,600 --> 00:10:36,402 《ぐぬぬ 細マッチョめ》 155 00:10:43,443 --> 00:10:47,480 《でも こうやって 膝に乗せてくれてるってことは➡ 156 00:10:47,480 --> 00:10:52,318 先生は私の味方で いてくれるってことなのかな…》 157 00:10:52,318 --> 00:10:55,154 話は ロッテンマイヤーから聞いた。 158 00:10:55,154 --> 00:10:57,991 当家の宇都宮の無礼を謝罪する。 159 00:10:57,991 --> 00:11:01,160 まあっ 当家のだなんて ロマノフ卿。 160 00:11:01,160 --> 00:11:04,330 その娘は 当家とは何のゆかりもない娘。 161 00:11:04,330 --> 00:11:07,333 煮るなり焼くなり お好きになさればよろしいわ。 162 00:11:07,333 --> 00:11:11,337 これだから 下賤な家の使用人は困るのよ! 163 00:11:11,337 --> 00:11:15,174 帝国認定英雄である アレクセイ・ロマノフ卿のあるじが➡ 164 00:11:15,174 --> 00:11:17,510 たかだか婿養子の当主ですって? 165 00:11:17,510 --> 00:11:20,179 《帝国認定英雄?》 166 00:11:20,179 --> 00:11:23,183 まったく なんて無知で 恥知らずなのかしら。 167 00:11:23,183 --> 00:11:26,853 その男を手に入れるために なりふりかまわなかった醜女が➡ 168 00:11:26,853 --> 00:11:29,856 よく言うものだな! なんですって! 169 00:11:29,856 --> 00:11:32,358 誰のおかげで 食うや食わずの生活から➡ 170 00:11:32,358 --> 00:11:34,260 抜け出せたと思っているの! 171 00:11:34,260 --> 00:11:36,429 犬でも恩義を忘れないというのに。 172 00:11:36,429 --> 00:11:39,098 あら? 犬と比べたら 犬に失礼だったかしら? 173 00:11:39,098 --> 00:11:42,101 言うに事欠いて犬畜生以下だと!? 174 00:11:42,101 --> 00:11:44,437 《あ~ こういうのを➡ 175 00:11:44,437 --> 00:11:47,774 家庭教師とはいえ お客様に見せるってのは➡ 176 00:11:47,774 --> 00:11:50,109 どうなんだろう…。 177 00:11:50,109 --> 00:11:54,447 この男はこの男で 母に忠実というより➡ 178 00:11:54,447 --> 00:11:59,118 他人の不幸が蜜の味に思える たぐいの人種っぽいし…》 179 00:11:59,118 --> 00:12:02,121 あらあら 羽虫が騒々しいこと。 180 00:12:02,121 --> 00:12:05,124 知性のない虫は 騒ぐことしかできないのかしら? 181 00:12:05,124 --> 00:12:08,461 いいかげん やかましく鳴くのは やめたらどうだ? 182 00:12:08,461 --> 00:12:12,298 まあ 豚に人間の言葉が 理解できるとは思わんが。 183 00:12:12,298 --> 00:12:15,134 あの~ 質問していいですか? 184 00:12:15,134 --> 00:12:17,136 はい 鳳蝶くん 何でしょう? 185 00:12:17,136 --> 00:12:22,308 帝国認定英雄って 何ですか? 186 00:12:22,308 --> 00:12:25,144 帝国認定英雄とはですね➡ 187 00:12:25,144 --> 00:12:28,815 皇帝陛下が 英雄であると お認めになった証しである➡ 188 00:12:28,815 --> 00:12:31,317 免状を持つ人物のことです。 189 00:12:31,317 --> 00:12:35,622 国家に対して膨大な寄与や功績が ある者に対して➡ 190 00:12:35,622 --> 00:12:37,790 与えられる免状なんですよ。 191 00:12:37,790 --> 00:12:40,460 へぇ~ そうなんですか。 192 00:12:40,460 --> 00:12:43,296 先生 すごいエルフさんなんですね。 193 00:12:43,296 --> 00:12:45,298 ちなみに免状には➡ 194 00:12:45,298 --> 00:12:48,134 「余に刃を向ける以外のことを ゆるし➡ 195 00:12:48,134 --> 00:12:50,136 意にそぐわぬ者には➡ 196 00:12:50,136 --> 00:12:52,805 頭を垂れずとも よいことを明言す」➡ 197 00:12:52,805 --> 00:12:56,142 「汝のあるじは 汝が求むる以外は皇帝のみ➡ 198 00:12:56,142 --> 00:13:01,114 何人も汝に臣従を迫るを許さず」 とあります。 199 00:13:01,114 --> 00:13:03,783 つまり私が望まない限り➡ 200 00:13:03,783 --> 00:13:06,786 私の上位者は 皇帝のみってことですね。 201 00:13:10,123 --> 00:13:12,125 まあ 鳳蝶くんが知らないのは➡ 202 00:13:12,125 --> 00:13:15,294 致し方ないと思うんですよ。 5歳ですし。 203 00:13:15,294 --> 00:13:18,798 私も あえて 教えてませんでした… し? 204 00:13:18,798 --> 00:13:21,467 ぐっ。 しかしねえ➡ 205 00:13:21,467 --> 00:13:25,304 伯爵家の使用人としては どうなんでしょうね。 206 00:13:25,304 --> 00:13:30,009 しかも 仕えるあるじの家庭教師に なるかもしれない人物の素性を➡ 207 00:13:30,009 --> 00:13:33,379 何も調べないなんて… ねぇ? 208 00:13:36,282 --> 00:13:40,453 《なるほど これは宇都宮さんの分が悪いよ。 209 00:13:40,453 --> 00:13:44,290 知らなかったとはいえ 帝国認定英雄に対して…》 210 00:13:44,290 --> 00:13:46,459 ((あなたが仕える あるじは➡ 211 00:13:46,459 --> 00:13:49,462 菊乃井家の当主 旦那様だからです!)) 212 00:13:49,462 --> 00:13:52,799 《なんて 侮辱にも等しい》 213 00:13:52,799 --> 00:13:56,302 まったく あちらは どういう教育をしていたのかしら。 214 00:13:56,302 --> 00:13:59,138 だから今 当家の責任として! 215 00:13:59,138 --> 00:14:02,475 《で その責任は どちらのものか➡ 216 00:14:02,475 --> 00:14:05,812 この2人は今 なすりつけ合ってるわけか。 217 00:14:05,812 --> 00:14:08,481 別居したって どちらも菊乃井家。 218 00:14:08,481 --> 00:14:13,486 貴族社会的に 菊乃井家として 無関係では済まないでしょうよ。 219 00:14:13,486 --> 00:14:17,156 さて どう収拾を図るのか…。 220 00:14:17,156 --> 00:14:20,159 今はまず これ以上 恥の上塗りしないために➡ 221 00:14:20,159 --> 00:14:22,995 どうすればいいかを 考えるべきでは? 222 00:14:22,995 --> 00:14:26,165 あんたら 頭おかしいんじゃないか? 223 00:14:26,165 --> 00:14:29,502 小さなレグルスくんの未来が かかってるのに。 224 00:14:29,502 --> 00:14:32,505 そして親父 あんたは レグルスくんが➡ 225 00:14:32,505 --> 00:14:35,742 先生の生徒になることに 全力を尽くせ! 226 00:14:35,742 --> 00:14:39,746 親父にできないのなら私が! うぅ…》 227 00:14:39,746 --> 00:14:41,748 (レグルス)うちゅのみや。 228 00:14:41,748 --> 00:14:44,350 あっち行こ あそぼ。 229 00:14:48,755 --> 00:14:50,757 ロマノフ先生。 230 00:14:50,757 --> 00:14:53,760 先生が レグルスくんの家庭教師になる話を➡ 231 00:14:53,760 --> 00:14:56,763 断った理由を 伺ってもいいですか? 232 00:14:56,763 --> 00:14:59,432 単に 興味がわかなかっただけですよ。 233 00:14:59,432 --> 00:15:03,770 興味? だってねぇ ちょっと目を離したら➡ 234 00:15:03,770 --> 00:15:06,773 おもしろいスキルが ポンポン生えてくる子が➡ 235 00:15:06,773 --> 00:15:08,775 身近にいるんですから。 236 00:15:08,775 --> 00:15:12,111 よそ見してる余裕は ないかな~って。 237 00:15:12,111 --> 00:15:14,280 《あぁ 私のせいか…》 238 00:15:14,280 --> 00:15:16,616 でも レグルスくんも➡ 239 00:15:16,616 --> 00:15:19,619 突然スキルが生える子かも しれないじゃないですか。 240 00:15:19,619 --> 00:15:23,122 半分は私と 血がつながっているわけですし。 241 00:15:23,122 --> 00:15:25,792 (ロマノフ)そうかもしれませんが➡ 242 00:15:25,792 --> 00:15:30,129 5歳で緑の手と青の手を 持ってる子を見てしまうとねぇ。 243 00:15:30,129 --> 00:15:34,767 レグルスくんも ここで過ごせば 同じスキルが生えるかもですよ? 244 00:15:34,767 --> 00:15:38,104 それじゃあ 鳳蝶くんの 二番煎じじゃないですか。 245 00:15:38,104 --> 00:15:41,741 なので その線からの説得は無理ですよ。 246 00:15:41,741 --> 00:15:44,744 ダメか バレてた…。 247 00:15:44,744 --> 00:15:47,413 じゃあ 正攻法でいきます! 248 00:15:47,413 --> 00:15:51,083 先生と菊乃井は どんな契約を 結んでいるのですか? 249 00:15:51,083 --> 00:15:53,252 ん~ それについては➡ 250 00:15:53,252 --> 00:15:56,756 ロッテンマイヤーさんに お願いしましょうか。 251 00:15:56,756 --> 00:16:00,793 その件でございますが アレクセイ・ロマノフ卿は➡ 252 00:16:00,793 --> 00:16:05,465 もともと私のほうから お声がけさせていただきました。 253 00:16:05,465 --> 00:16:08,301 しかし 家庭教師として➡ 254 00:16:08,301 --> 00:16:11,471 菊乃井家とは 一切 雇用関係はございません。 255 00:16:11,471 --> 00:16:14,140 《えっ うちの家庭教師じゃない?》 256 00:16:14,140 --> 00:16:17,310 (ロッテンマイヤー) 帝国では 帝国認定英雄に➡ 257 00:16:17,310 --> 00:16:20,313 宿と食事の提供を 求められた貴族は➡ 258 00:16:20,313 --> 00:16:22,481 これを拒否することはできません。 259 00:16:22,481 --> 00:16:27,486 我が菊乃井が ロマノフ卿から 宿と食事の提供を求められ➡ 260 00:16:27,486 --> 00:16:29,822 その見返りとして ご厚意で➡ 261 00:16:29,822 --> 00:16:32,892 家庭教師をしていただいているに すぎないのです。 262 00:16:32,892 --> 00:16:35,228 《つまり ボランティア? 263 00:16:35,228 --> 00:16:39,065 ボランティアじゃ 正攻法も通用しないし 強制もできない。 264 00:16:39,065 --> 00:16:41,067 ダメだ! 早速詰んだ!》 265 00:16:41,067 --> 00:16:46,072 うふふ はははは。 ん~。 266 00:16:46,072 --> 00:16:48,407 《うぅ~ 応援されている。 267 00:16:48,407 --> 00:16:52,411 よし もうちょい頑張るか。 何より レグルスくんのため! 268 00:16:52,411 --> 00:16:54,914 ロマノフ先生は 私のやることなすことに➡ 269 00:16:54,914 --> 00:16:57,750 興味があると言っている。 270 00:16:57,750 --> 00:16:59,752 突破口は そこだな》 271 00:16:59,752 --> 00:17:04,423 家庭教師が 実はご厚意だった というのは よくわかりました。 272 00:17:04,423 --> 00:17:10,096 それに甘えて レグルスくんの教育まで というのは確かに厚かましい。 273 00:17:10,096 --> 00:17:13,933 おや 諦めますか? そうですね。 274 00:17:13,933 --> 00:17:17,603 これ以上お願いするのは 私としても気が引けます。 275 00:17:17,603 --> 00:17:20,273 若様 そんな…。 276 00:17:20,273 --> 00:17:24,110 なので私が ロマノフ先生に教わったことを➡ 277 00:17:24,110 --> 00:17:27,613 レグルスくんに教えます! (ロマノフ)おやまあ…。 278 00:17:27,613 --> 00:17:31,617 人に教えるのは 真に その物事を理解しているかの➡ 279 00:17:31,617 --> 00:17:34,720 確認になります。 だから私は➡ 280 00:17:34,720 --> 00:17:38,758 レグルスくんに授業する時は 先生に そばについてもらって➡ 281 00:17:38,758 --> 00:17:43,596 私が間違ったことを言ったら 私に指導してくださったら と。 282 00:17:43,596 --> 00:17:47,266 考えましたねぇ… というか➡ 283 00:17:47,266 --> 00:17:50,903 君は やっぱり おもしろいことを言い出しますね。 284 00:17:50,903 --> 00:17:53,239 ダメ… ですか? 285 00:17:53,239 --> 00:17:58,244 そうですねぇ ただ鳳蝶くんは 剣術や弓術は苦手でしょう? 286 00:17:58,244 --> 00:18:02,415 そちらは… 私が レグルスくんに負けたら➡ 287 00:18:02,415 --> 00:18:06,419 仇を討って レグルスくんを コテンパンに負かしてやってください。 288 00:18:06,419 --> 00:18:09,922 あはは そうきましたか。 まあいいでしょう。 289 00:18:09,922 --> 00:18:13,592 ただし あくまで教えるのは 鳳蝶くんですからね。 290 00:18:13,592 --> 00:18:15,795 よっしゃ! うふふふ。 291 00:18:19,432 --> 00:18:22,101 いやはや 若様はお優しい。 292 00:18:22,101 --> 00:18:24,603 このセバスチャン 感服いたしました。 293 00:18:24,603 --> 00:18:26,605 ありがとうございます。 294 00:18:26,605 --> 00:18:28,774 しかし 果たしてそれが➡ 295 00:18:28,774 --> 00:18:31,811 若様のおために なりますでしょうか。 296 00:18:31,811 --> 00:18:35,081 レグルス様は奥様の ご心痛の象徴。 297 00:18:35,081 --> 00:18:37,883 その方を この屋敷に留め置くのは➡ 298 00:18:37,883 --> 00:18:40,720 ご子息であられる鳳蝶様は当然➡ 299 00:18:40,720 --> 00:18:44,890 奥様のお気持ちを お察しくださるものと存じますが。 300 00:18:44,890 --> 00:18:50,429 《こいつ 私にレグルスくんを 追い出す手伝いをさせたいのか》 301 00:18:50,429 --> 00:18:53,766 それは両親が話し合って 解決することで➡ 302 00:18:53,766 --> 00:18:56,769 私が口出しすることでは ありません。 303 00:18:56,769 --> 00:19:01,240 母親を亡くして 知らない場所に 連れてこられた小さな子どもに➡ 304 00:19:01,240 --> 00:19:04,410 私が同情して何が悪いのですか。 305 00:19:04,410 --> 00:19:09,615 さすがは奥様のご子息 立派なお心構えかと。 306 00:19:09,615 --> 00:19:12,118 《ぐぬぬ… 嫌味な笑い方だ》 307 00:19:12,118 --> 00:19:15,121 しかし やはりレグルス様を受け入れるのは➡ 308 00:19:15,121 --> 00:19:18,457 早計ではございませんか? 意味がわかりかねます。 309 00:19:18,457 --> 00:19:22,294 確かに 婚姻外のお子に 家督を継がせるのは➡ 310 00:19:22,294 --> 00:19:24,797 国法で禁じられておりますが➡ 311 00:19:24,797 --> 00:19:28,634 恐れながら 恩を仇で返される可能性も。 312 00:19:28,634 --> 00:19:32,138 物事には例外というものが ございますゆえ。 313 00:19:32,138 --> 00:19:34,040 貴様 どういう意味だ! 314 00:19:34,040 --> 00:19:36,542 《それって つまり➡ 315 00:19:36,542 --> 00:19:40,379 私が殺される可能性を考えろと。 316 00:19:40,379 --> 00:19:44,550 なぜか私にはわかる あの時 見えた光景が…》 317 00:19:44,550 --> 00:19:49,221 ((兄と呼ぶのも汚らわしい豚め 覚悟してもらおう)) 318 00:19:49,221 --> 00:19:52,558 《鳳蝶:確定された未来なのだと》 319 00:19:52,558 --> 00:19:55,061 だから何だというのです。 320 00:19:55,061 --> 00:19:57,730 そんなこと こっちは百も承知ですが。 321 00:19:57,730 --> 00:19:59,732 (3人)うっ! 322 00:19:59,732 --> 00:20:04,070 実際 私は半年前に 病で死にかけた身ですしね。 323 00:20:04,070 --> 00:20:06,906 人間 何があるかわからない。 324 00:20:06,906 --> 00:20:09,742 そういう意味でも 代わりは必要です。 325 00:20:09,742 --> 00:20:13,079 別に代わりは レグルスくんに限りません。 326 00:20:13,079 --> 00:20:16,415 仮に 新たに弟や妹ができたとしても➡ 327 00:20:16,415 --> 00:20:19,418 同じ対応をすると約束します。 328 00:20:19,418 --> 00:20:21,754 ただ セバスチャン。 329 00:20:21,754 --> 00:20:25,091 あなたがレグルスくんを 階段から突きとばしたのを➡ 330 00:20:25,091 --> 00:20:27,426 私は この目で しっかりと見ています。 331 00:20:27,426 --> 00:20:31,097 なんだと! まさか そのような。 332 00:20:31,097 --> 00:20:34,266 きっと 鳳蝶様の見間違いにございます。 333 00:20:34,266 --> 00:20:37,103 (鳳蝶)誰かの差し金とは 思っていませんが➡ 334 00:20:37,103 --> 00:20:39,939 あなたが そういう人だ ということについては➡ 335 00:20:39,939 --> 00:20:42,108 記憶に残します。 336 00:20:42,108 --> 00:20:46,445 しかるべき形 遺言書にして ロマノフ先生にお渡ししますから➡ 337 00:20:46,445 --> 00:20:49,281 そのおつもりで。 338 00:20:49,281 --> 00:20:51,784 そして父上は➡ 339 00:20:51,784 --> 00:20:55,788 母上に レグルスくんの教育費を 払って差し上げてください。 340 00:20:55,788 --> 00:20:59,291 それも 父個人の収入から。 はっ? 341 00:20:59,291 --> 00:21:02,795 菊乃井家の財産は もともと母上のもの。 342 00:21:02,795 --> 00:21:06,632 レグルスくんは 父上と あちらの方の子どもです。 343 00:21:06,632 --> 00:21:09,802 母上が教育費を出すいわれは ないですよね。 344 00:21:09,802 --> 00:21:13,305 そうよ! 鳳蝶 もっと言って差し上げなさい! 345 00:21:13,305 --> 00:21:16,809 なので 菊乃井家の領地を ちゃんと経営し➡ 346 00:21:16,809 --> 00:21:20,813 できたお金を きちんと 借用書を書いて借り受け➡ 347 00:21:20,813 --> 00:21:25,484 それを元手に 父上個人の事業を 起こされたらどうでしょう。 348 00:21:25,484 --> 00:21:27,820 事業が成功したら➡ 349 00:21:27,820 --> 00:21:30,990 レグルスくんに譲られて しかるべき家として➡ 350 00:21:30,990 --> 00:21:34,093 独立させるのも 可能かと思いますし。 351 00:21:34,093 --> 00:21:36,462 くっ…。 352 00:21:36,462 --> 00:21:40,099 《あとは 大人で話し合ってほしい。 353 00:21:40,099 --> 00:21:43,769 前世の私の記憶を フル回転させたせいか➡ 354 00:21:43,769 --> 00:21:47,106 なんだか頭がクラクラする》 355 00:21:47,106 --> 00:21:50,109 うぅ…。 356 00:21:50,109 --> 00:21:54,780 ロマノフ先生 ロッテンマイヤーさん。 357 00:21:54,780 --> 00:21:58,984 父上と母上の証人を お願いいたします。 358 00:21:58,984 --> 00:22:03,155 2人が出した結論を 文章にしたためて➡ 359 00:22:03,155 --> 00:22:06,158 威力を持つような形にして➡ 360 00:22:06,158 --> 00:22:11,831 お手数ですが ロマノフ先生に お預かりいただきたいのです。 361 00:22:15,301 --> 00:22:18,804 私には 頼れる大人は➡ 362 00:22:18,804 --> 00:22:24,143 ロマノフ先生とロッテンマイヤーさんより他に いないのです。 363 00:22:24,143 --> 00:22:26,812 ご厄介とは思いますが➡ 364 00:22:26,812 --> 00:22:29,982 重ねて お願い… いた し…。 365 00:22:29,982 --> 00:22:32,184 若様! 366 00:22:35,754 --> 00:22:38,257 <私は熱を出し➡ 367 00:22:38,257 --> 00:22:42,361 このあと丸一日 寝込むこととなった>