1 00:02:30,984 --> 00:02:34,955 (レグルス)ばーんしゅたいんけの れぐるすです。 2 00:02:34,955 --> 00:02:37,924 よろしくおねがいします。 3 00:02:37,924 --> 00:02:42,262 (鳳蝶)え~っと 菊乃井・レグルス・バーンシュタインですね。 4 00:02:42,262 --> 00:02:45,432 バーンシュタインは 父の姓です。 5 00:02:45,432 --> 00:02:49,269 (百華)ふむ このひよこが そなたの弟かや? 6 00:02:49,269 --> 00:02:51,271 (鳳蝶)はい。 7 00:02:51,271 --> 00:02:54,307 《金髪フワフワで 本当に ひよこみたいなんだよな。 8 00:02:54,307 --> 00:02:56,276 和む~》 9 00:02:56,276 --> 00:02:59,946 これから 私が教育係を 務めることになりました。 10 00:02:59,946 --> 00:03:03,283 同席を許してくださって ありがとうございます。 11 00:03:03,283 --> 00:03:06,286 よいよい おもしろそうだからの。 12 00:03:06,286 --> 00:03:08,588 それでは 失礼して。 13 00:03:12,125 --> 00:03:15,162 ここに座って待っていてね。 あい! 14 00:03:15,162 --> 00:03:18,999 《動作の一つ一つが かわいいな》 15 00:03:18,999 --> 00:03:22,636 こわっぱ そなた 鞄に何を入れておる? 16 00:03:22,636 --> 00:03:24,638 鞄… ですか? 17 00:03:24,638 --> 00:03:28,642 ハサミとハンカチ 折り紙用の紙 懐紙と…。 18 00:03:28,642 --> 00:03:32,312 《特に おかしなものを 入れた覚えはないんだけど》 19 00:03:32,312 --> 00:03:35,248 ほれ それじゃ。 紙で作ってある。 20 00:03:35,248 --> 00:03:38,085 あぁ これですか? 21 00:03:38,085 --> 00:03:40,754 それは 花か何かか? 22 00:03:40,754 --> 00:03:45,092 いえ これは完成前でして。 実は…。 23 00:03:45,092 --> 00:03:48,762 せっかくですので 作り方をご覧になります? 24 00:03:48,762 --> 00:03:52,566 うむ 苦しゅうない 始めよ。 (鳳蝶)はい。 25 00:03:59,473 --> 00:04:02,476 《子どもの頃は よく いろいろと折ったっけなぁ。 26 00:04:02,476 --> 00:04:06,046 やっこさんとか セミとか。 あっ かぶとも》 27 00:04:08,115 --> 00:04:10,283 《もともとは レグルスくんの➡ 28 00:04:10,283 --> 00:04:13,620 知育玩具にどうかなって 思ったんだけど》 29 00:04:13,620 --> 00:04:19,126 レグルスくん ここを持ってくれる? あい。 30 00:04:19,126 --> 00:04:22,963 せ~の はい。 31 00:04:22,963 --> 00:04:25,966 わぁ アハハ! 32 00:04:25,966 --> 00:04:28,635 お~っ。 折り鶴といいます。 33 00:04:28,635 --> 00:04:32,305 折り鶴! とく見せよ。 34 00:04:32,305 --> 00:04:34,741 《めっちゃ食いつかれましたよ》 35 00:04:34,741 --> 00:04:37,911 四角い紙から このような形に。 36 00:04:37,911 --> 00:04:41,248 なんと見事な なんと雅な。 37 00:04:41,248 --> 00:04:43,250 にぃに しゅごい! 38 00:04:43,250 --> 00:04:46,419 《2人とも なんだかかわいい》 39 00:04:46,419 --> 00:04:50,090 ふむ これは わらわが もらっておいてやろう。 40 00:04:50,090 --> 00:04:52,092 えっ いやそれは…。 41 00:04:52,092 --> 00:04:55,929 なんじゃ? わらわが もらってやると言うておるに。 42 00:04:55,929 --> 00:04:58,765 いえ ただの 紙で作ったものですし。 43 00:04:58,765 --> 00:05:02,102 もっと きれいな紙があれば いいんですけど…。 44 00:05:02,102 --> 00:05:04,604 きれいな紙とは どんなものじゃ? 45 00:05:04,604 --> 00:05:09,776 ええっと… こう 姫君の。 わらわのようにきれい? 46 00:05:09,776 --> 00:05:12,779 ウフフ 正直なこわっぱよのぉ…。 47 00:05:12,779 --> 00:05:15,448 だが そのようなものは ありはせぬ。 48 00:05:15,448 --> 00:05:18,618 いえ あの 姫君の お召しになっている➡ 49 00:05:18,618 --> 00:05:20,954 着物のように華やかな…。 50 00:05:20,954 --> 00:05:24,291 ああいえ もちろん姫君も とてもきれいで。 51 00:05:24,291 --> 00:05:28,295 よい 続けよ。 はい あとはその➡ 52 00:05:28,295 --> 00:05:31,464 花の模様のついたような 紙ですかね。 53 00:05:31,464 --> 00:05:34,100 ふむ… よかろう。 54 00:05:34,100 --> 00:05:36,469 2~3日 待っておれ。 55 00:05:38,438 --> 00:05:40,507 姫君? 56 00:05:42,943 --> 00:05:46,279 <鳳蝶:私たちが こうやって 散歩をしている間➡ 57 00:05:46,279 --> 00:05:49,115 レグルスくん付きとして 屋敷に同行してきた➡ 58 00:05:49,115 --> 00:05:51,785 宇都宮さんは ロッテンマイヤーさんから➡ 59 00:05:51,785 --> 00:05:56,122 菊乃井家の使用人としての 教育を受けている。 60 00:05:56,122 --> 00:06:00,126 そして 私とレグルスくんは…> 61 00:06:00,126 --> 00:06:03,597 お世話になります 料理長。 あいよ。 62 00:06:03,597 --> 00:06:05,599 いらっしゃい 若様。 63 00:06:09,269 --> 00:06:13,773 おせわになります れぐるすです。 フフッ。 64 00:06:13,773 --> 00:06:18,111 はい ご挨拶できましたね。 65 00:06:18,111 --> 00:06:20,113 弟です。 66 00:06:20,113 --> 00:06:22,115 お話は かねがね。 67 00:06:22,115 --> 00:06:24,784 今日の新メニュー開発ですが➡ 68 00:06:24,784 --> 00:06:28,288 若様のリクエストは 甘くないプリンでしたかね。 69 00:06:28,288 --> 00:06:30,290 はい。 70 00:06:30,290 --> 00:06:33,894 《甘くないプリン すなわち茶碗蒸しです はい》 71 00:06:33,894 --> 00:06:37,897 < この世界の文化レベルは 実に不思議というか➡ 72 00:06:37,897 --> 00:06:41,735 魔石を使った コンロやオーブン 冷蔵庫まであって➡ 73 00:06:41,735 --> 00:06:47,407 野菜も果物も前世の世界と 変わらないくらい豊富 なのに➡ 74 00:06:47,407 --> 00:06:50,243 料理の種類が やたら少ない。 75 00:06:50,243 --> 00:06:53,913 プリンはあるのに 茶碗蒸しがない。 76 00:06:53,913 --> 00:06:58,084 オムレツはあるのに スフレオムレツがない。 77 00:06:58,084 --> 00:07:02,255 クレープはあるのに ミルクレープはない。 78 00:07:02,255 --> 00:07:05,925 要するに 発展型がないのだ。 79 00:07:05,925 --> 00:07:09,262 そんなわけで 私は お勉強させてもらいつつ➡ 80 00:07:09,262 --> 00:07:11,431 前世の記憶にある料理を➡ 81 00:07:11,431 --> 00:07:15,135 不自然にならないように 開発している> 82 00:07:15,135 --> 00:07:17,437 しかし 若様もまた➡ 83 00:07:17,437 --> 00:07:19,439 変わったことを 考えつきますなぁ。 84 00:07:19,439 --> 00:07:23,777 えっ だって卵って塩かけても おいしいじゃないですか。 85 00:07:23,777 --> 00:07:25,779 ねっ? おいち! 86 00:07:25,779 --> 00:07:27,781 まぁ 確かに…。 87 00:07:27,781 --> 00:07:29,783 でも プリンに 塩はかけないでしょう? 88 00:07:29,783 --> 00:07:32,619 それは 甘いからでしょう。 89 00:07:32,619 --> 00:07:36,056 ハハッ 甘くないプリンは プリンじゃないですよ。 90 00:07:36,056 --> 00:07:38,058 《はい そのとおり。 91 00:07:38,058 --> 00:07:41,728 さて どう しぜんに 茶碗蒸しにもっていこう》 92 00:07:41,728 --> 00:07:46,566 料理長 卵の料理法といえば どんなものがあるでしょう? 93 00:07:46,566 --> 00:07:49,569 基本はゆでる 焼くでしょうな。 94 00:07:49,569 --> 00:07:55,075 卵焼き オムレツ ゆで卵 ポーチドエッグなんかもありますなぁ。 95 00:07:55,075 --> 00:07:58,745 《ゆで卵といえば この世界では固ゆで。 96 00:07:58,745 --> 00:08:00,914 でも ポーチドエッグがあるんだから➡ 97 00:08:00,914 --> 00:08:02,916 半熟の概念が ないわけではない。 98 00:08:02,916 --> 00:08:06,586 そういや 温泉卵もなかったっけ》 99 00:08:06,586 --> 00:08:10,757 私 ポーチドエッグの 半分 生みたいなの好きです。 100 00:08:10,757 --> 00:08:14,594 なら 明日の朝は ポーチドエッグをお出ししましょうかね。 101 00:08:14,594 --> 00:08:17,464 ありがとうございます。 102 00:08:17,464 --> 00:08:22,268 《明日は 半熟卵! わ~い 言ってみるもんだ。 103 00:08:22,268 --> 00:08:25,438 コホン じゃなくて》 104 00:08:25,438 --> 00:08:27,941 ゆで卵は 塩で食べますよね。 105 00:08:27,941 --> 00:08:32,145 ポーチドエッグは ベーコンにつけたり サラダを添えたり。 (モーリス)えぇ。 106 00:08:32,145 --> 00:08:34,047 それは 卵料理が➡ 107 00:08:34,047 --> 00:08:36,716 塩以外は 合いそうにないからですか? 108 00:08:36,716 --> 00:08:39,219 いやいや そんなことはないかと。 109 00:08:39,219 --> 00:08:41,888 現に プリンは 砂糖を使ってますしね。 110 00:08:41,888 --> 00:08:43,890 ふむ…。 111 00:08:43,890 --> 00:08:46,226 とりあえず ポーチドエッグを➡ 112 00:08:46,226 --> 00:08:49,062 作ってみましょうか。 はい! 113 00:08:49,062 --> 00:08:51,898 (モーリス)塩もいいけど 醤油も➡ 114 00:08:51,898 --> 00:08:53,900 ありなんじゃないかと 思うんですよ。 115 00:08:53,900 --> 00:08:55,902 どうぞ。 わぁ…。 116 00:08:55,902 --> 00:08:59,072 あ~ん。 117 00:08:59,072 --> 00:09:01,074 おいち! 118 00:09:05,578 --> 00:09:09,082 おいしいです。 おぉ やっぱりですか。 119 00:09:09,082 --> 00:09:12,085 料理長 醤油が合うなら➡ 120 00:09:12,085 --> 00:09:14,921 醤油味のだしも 合うんじゃないですか? 121 00:09:14,921 --> 00:09:18,525 だしですか? おぉ ちょっとやってみますか。 122 00:09:22,128 --> 00:09:24,097 どうぞ。 123 00:09:26,132 --> 00:09:28,134 《ん~ うまぁ。 124 00:09:28,134 --> 00:09:31,471 温泉卵に近い味がする》 125 00:09:31,471 --> 00:09:34,207 おいち おいち! 126 00:09:34,207 --> 00:09:37,710 本当ですかい? どれ…。 127 00:09:37,710 --> 00:09:41,714 ん… これは。 128 00:09:41,714 --> 00:09:45,718 若様 甘くないプリン できるかもしれませんぜ。 129 00:09:45,718 --> 00:09:49,722 本当ですか。 ちなみに どうやって? 130 00:09:49,722 --> 00:09:53,893 プリンは 砂糖や牛乳で 卵をのばして作るんですがね➡ 131 00:09:53,893 --> 00:09:56,563 それをだしで やってみたらどうでしょう? 132 00:09:56,563 --> 00:09:58,731 甘くないプリンになるかも。 133 00:09:58,731 --> 00:10:01,901 《はい正解 さすがプロの料理人。 134 00:10:01,901 --> 00:10:03,903 素人の突飛な発想から➡ 135 00:10:03,903 --> 00:10:07,740 茶碗蒸しの原型に たどりついてくれた!》 136 00:10:07,740 --> 00:10:11,077 よかったね。 よかった。 137 00:10:11,077 --> 00:10:14,080 若様 大丈夫ですか? えっ? 138 00:10:14,080 --> 00:10:16,082 卵 おいしいですよ。 139 00:10:16,082 --> 00:10:18,918 や… そうじゃなくて。 140 00:10:18,918 --> 00:10:22,021 いや なんでもありません。 141 00:10:26,092 --> 00:10:30,597 《何か料理長に 心配かけてる? 142 00:10:30,597 --> 00:10:32,599 あっ。 143 00:10:32,599 --> 00:10:35,268 もしかして 子どもが 子どもを教育するなんて➡ 144 00:10:35,268 --> 00:10:38,938 大丈夫なんですかって 言いたかったのかな? 145 00:10:38,938 --> 00:10:42,108 まぁ それが普通の反応だよね。 146 00:10:42,108 --> 00:10:44,944 カリキュラムを考えないとな。 147 00:10:44,944 --> 00:10:49,616 でもな 3歳児に 何を教えたらいいんだろう。 148 00:10:49,616 --> 00:10:52,619 読み書き 四則演算は必須だから➡ 149 00:10:52,619 --> 00:10:56,956 まずは 童話を読むとか 数を教えるとかかなぁ? 150 00:10:56,956 --> 00:10:58,958 さすがに この世界にだって➡ 151 00:10:58,958 --> 00:11:02,061 絵本とかは あるよね。 う~ん》 152 00:11:04,163 --> 00:11:06,165 (ロッテンマイヤー)そもそも 読み書き 計算などは➡ 153 00:11:06,165 --> 00:11:09,335 市井の者には 縁がないことなのでございます。 154 00:11:09,335 --> 00:11:11,337 へっ? (ロッテンマイヤー)商家の者や➡ 155 00:11:11,337 --> 00:11:14,674 貴族でもなければ 学ぶ機会自体がないのです。 156 00:11:14,674 --> 00:11:17,177 ふえ~っ! 157 00:11:17,177 --> 00:11:20,346 まれに教会や 貴族の奉仕活動の一環で➡ 158 00:11:20,346 --> 00:11:22,849 教えている ところもありますが…。 159 00:11:22,849 --> 00:11:27,487 あ~ 当然 菊乃井家はやってないですよね? 160 00:11:27,487 --> 00:11:29,522 はい。 161 00:11:29,522 --> 00:11:31,858 《うわぁ 知りたくなかった真実。 162 00:11:31,858 --> 00:11:36,095 ハッ! あぁそういえば 前にロマノフ先生が…》 163 00:11:36,095 --> 00:11:39,098 ((ロマノフ:菊乃井領の領民は 主に農業者で➡ 164 00:11:39,098 --> 00:11:41,935 次いで 多いのが冒険者です。 165 00:11:41,935 --> 00:11:45,438 ただ 菊乃井領は 街におもしろみがないうえに➡ 166 00:11:45,438 --> 00:11:47,440 税が よそよりも重いので➡ 167 00:11:47,440 --> 00:11:49,609 ダンジョンで ある程度稼いだら➡ 168 00:11:49,609 --> 00:11:53,947 他の街へ 移ってしまいます。 それって つまり…。 169 00:11:53,947 --> 00:11:57,283 ウフフ 菊乃井の 冒険者ギルドや宿場は➡ 170 00:11:57,283 --> 00:12:00,453 さほど 潤っていない ということですね)) 171 00:12:00,453 --> 00:12:03,790 《なんてこった。 その状況って もしや➡ 172 00:12:03,790 --> 00:12:06,626 教育が行き届いていないせいで 人材が枯渇して➡ 173 00:12:06,626 --> 00:12:10,463 整理が追いついていないせい だったりして》 174 00:12:10,463 --> 00:12:12,465 ハァ…。 175 00:12:12,465 --> 00:12:14,467 領民の暮らし向きは➡ 176 00:12:14,467 --> 00:12:19,305 いずれ 自分の目で見て 学ばせていただきます。 177 00:12:19,305 --> 00:12:22,475 まずは レグルスくんの カリキュラムを作って➡ 178 00:12:22,475 --> 00:12:24,978 うまくいったら それをたたき台にして➡ 179 00:12:24,978 --> 00:12:26,980 教育の基礎を作る。 180 00:12:26,980 --> 00:12:31,084 菊乃井が 教育にお金を かけられるようにならないと。 181 00:12:33,586 --> 00:12:35,588 あっ ごめんなさい。 182 00:12:35,588 --> 00:12:39,259 つまり 子ども向けの本は ないということですね。 183 00:12:39,259 --> 00:12:42,462 さようでございます。 貴族の子弟は➡ 184 00:12:42,462 --> 00:12:46,132 幼年学校に入る前から 家庭教師を雇いますので➡ 185 00:12:46,132 --> 00:12:50,803 家庭教師から手製の教科書等を いただくのが 常でございます。 186 00:12:50,803 --> 00:12:55,608 へっ? 私 ロマノフ先生から 教科書もらってませんよ。 187 00:12:55,608 --> 00:12:59,112 若様は すでに読み書きを なさっておいでだったと➡ 188 00:12:59,112 --> 00:13:01,614 ロマノフ先生よりお聞きしています。 189 00:13:01,614 --> 00:13:06,653 刺繍の図面を読み 定規を使って 布を裁断する者に➡ 190 00:13:06,653 --> 00:13:09,489 基礎を教えるのは 時間の浪費だと。 191 00:13:09,489 --> 00:13:12,492 それよりも魔素神経の定着や➡ 192 00:13:12,492 --> 00:13:16,329 世界の情勢などを教えたほうが おためになるだろう➡ 193 00:13:16,329 --> 00:13:18,331 そうおっしゃってました。 194 00:13:18,331 --> 00:13:22,001 《あぁ そうか。 だから先生 私のことを➡ 195 00:13:22,001 --> 00:13:25,338 おもしろい子だって。 196 00:13:25,338 --> 00:13:29,676 でも 私のこれって 前世の記憶のおかげというか➡ 197 00:13:29,676 --> 00:13:32,512 言ってみれば チートだからな。 198 00:13:32,512 --> 00:13:36,616 いずれ そのズルの代償を 払うことにはなるんだろうけど➡ 199 00:13:36,616 --> 00:13:39,952 まぁ 今は勘弁で。 200 00:13:39,952 --> 00:13:43,456 それより問題は 絵本がない。 201 00:13:43,456 --> 00:13:45,458 ないのなら…。 202 00:13:45,458 --> 00:13:49,128 作ってしまえ ホトトギスだ!》 203 00:13:49,128 --> 00:13:54,100 わぁ~。 かわいい。 204 00:13:54,100 --> 00:13:58,771 (宇都宮)それは ウサギさんですね。 わぁ… うちゃ。 205 00:13:58,771 --> 00:14:02,308 こっちは キツネさんですね。 206 00:14:02,308 --> 00:14:04,644 (ロマノフ)布の本ですか。 207 00:14:04,644 --> 00:14:07,146 本当に君は ちょっと目を離すと➡ 208 00:14:07,146 --> 00:14:10,950 いろんな物を作りますね。 えへへ。 209 00:14:10,950 --> 00:14:15,455 まさか 青の手のスキルで 教科書を作ってしまうなんて。 210 00:14:15,455 --> 00:14:17,957 いえ 3歳児に 何を教えたらいいか➡ 211 00:14:17,957 --> 00:14:20,626 迷ったあげくのことですから。 212 00:14:20,626 --> 00:14:24,831 (ロマノフ)ロッテンマイヤーさんが 言ってましたよ。 えっ? 213 00:14:24,831 --> 00:14:28,167 鳳蝶くんは レグルスくんの教育を通じて➡ 214 00:14:28,167 --> 00:14:31,504 領民に 学を授けようと考えている。 215 00:14:31,504 --> 00:14:35,074 領民の生活にまで 考えをいたしているなんて➡ 216 00:14:35,074 --> 00:14:39,278 なんて立派なんだろうって 感動していました。 217 00:14:39,278 --> 00:14:42,415 それは 前に 先生から教えていただいた➡ 218 00:14:42,415 --> 00:14:44,917 菊乃井の廃れぶりの要因が➡ 219 00:14:44,917 --> 00:14:48,421 人的資源の 枯渇ならいいななんて➡ 220 00:14:48,421 --> 00:14:52,425 希望的観測をしてみただけです。 ほぉ…。 221 00:14:52,425 --> 00:14:55,595 土地や文化 そのものに問題があった場合は➡ 222 00:14:55,595 --> 00:14:58,097 正直 お手上げなわけですし。 223 00:14:58,097 --> 00:15:00,933 でも その病巣にも メスを入れられる➡ 224 00:15:00,933 --> 00:15:03,936 人材を育てられれば 巻き返しの芽は➡ 225 00:15:03,936 --> 00:15:07,273 あるんじゃないかなって そう思ったんです。 226 00:15:07,273 --> 00:15:10,443 ふむ つまり自分が 領主になったときに➡ 227 00:15:10,443 --> 00:15:12,945 使える人材を育てておきたいと。 228 00:15:12,945 --> 00:15:15,448 そこまでは 考えていませんよ。 229 00:15:15,448 --> 00:15:18,117 私にそんな力はありませんし。 230 00:15:18,117 --> 00:15:21,954 でも レグルスくんには少しだけ できることがあるからやる。 231 00:15:21,954 --> 00:15:25,792 それだけです。 232 00:15:25,792 --> 00:15:29,796 《だって 菊乃井の跡継ぎは レグルスくんだもの。 233 00:15:29,796 --> 00:15:31,998 私は 殺される》 234 00:15:37,437 --> 00:15:40,606 でも うまくいったら それをたたき台にして➡ 235 00:15:40,606 --> 00:15:43,409 幼児教育体制を 整えたいのでしょう? 236 00:15:43,409 --> 00:15:45,578 元手は どうするんですか? 237 00:15:45,578 --> 00:15:50,082 それは 父上に 頑張って稼いでもらって。 238 00:15:50,082 --> 00:15:52,084 稼いでもらえたとして➡ 239 00:15:52,084 --> 00:15:56,088 あのお父上が そんな教育制度を 敷いてくれますかねぇ? 240 00:15:56,088 --> 00:15:58,090 それは… あ~。 241 00:15:58,090 --> 00:16:00,092 今から レグルスくんに➡ 242 00:16:00,092 --> 00:16:03,596 教育の大切さを すり込んでおけばなんとか。 243 00:16:03,596 --> 00:16:06,299 それこそ希望的観測。 244 00:16:06,299 --> 00:16:09,635 いや超希望的妄想ですね。 アハハハ。 245 00:16:09,635 --> 00:16:14,106 《子どもが 一人健やかに 育つって本当に難しい》 246 00:16:16,142 --> 00:16:18,811 わぁ…。 247 00:16:18,811 --> 00:16:22,281 (百華)そ~ら。 248 00:16:22,281 --> 00:16:24,617 わっ わっ…。 249 00:16:24,617 --> 00:16:26,619 (レグルス)きれ~。 250 00:16:26,619 --> 00:16:29,121 折り紙 いや千代紙かな? 251 00:16:29,121 --> 00:16:33,226 キラキラしてて 華やかで 私こういうの大好きです。 252 00:16:33,226 --> 00:16:35,228 すてきです。 253 00:16:35,228 --> 00:16:37,730 そうじゃろう そうじゃろう。 なんせ わらわが➡ 254 00:16:37,730 --> 00:16:40,066 イゴールに作らせたのじゃからなぁ。 255 00:16:40,066 --> 00:16:43,402 イゴールって… え~っ! 256 00:16:43,402 --> 00:16:48,574 《たしか技術と医薬 風と商業を司る神様!》 257 00:16:48,574 --> 00:16:53,913 技術の神様のお手製…。 ふお~っ すごすぎて…。 258 00:16:53,913 --> 00:16:55,915 なんじゃ そなた➡ 259 00:16:55,915 --> 00:16:59,418 わらわのことは知らなかったのに 奴の名を知っておるのか? 260 00:16:59,418 --> 00:17:03,589 あっ! あああ あのあと めっちゃ勉強しましたので! 261 00:17:03,589 --> 00:17:07,426 フン! まぁよいわ。 それ早う。 262 00:17:07,426 --> 00:17:09,428 えっ? 263 00:17:09,428 --> 00:17:11,764 うぇ? 264 00:17:11,764 --> 00:17:14,267 何をまぬけた声で 鳴いておるのじゃ! 265 00:17:14,267 --> 00:17:16,269 美しい紙があれば 何かを➡ 266 00:17:16,269 --> 00:17:18,271 わらわに捧げると 言うたではないか ああん? 267 00:17:18,271 --> 00:17:20,273 ひえ~ 申し訳ありません! 268 00:17:20,273 --> 00:17:22,942 《言ってはいないと 思うんだけども!》 269 00:17:22,942 --> 00:17:25,745 で では早速。 早う 早う。 270 00:17:27,780 --> 00:17:30,783 《そうだなぁ。 こんなに きれいだから…》 271 00:17:32,785 --> 00:17:35,254 お~っ。 272 00:17:35,254 --> 00:17:38,925 お~っ。 273 00:17:38,925 --> 00:17:40,927 ちょうちょ! 274 00:17:40,927 --> 00:17:42,895 うむ 見事じゃ! 275 00:17:42,895 --> 00:17:44,897 これは もらっておく。 276 00:17:44,897 --> 00:17:47,433 残りの紙は そなたにやるゆえ➡ 277 00:17:47,433 --> 00:17:50,102 ひよこにも 何か作ってやるがよい。 278 00:17:50,102 --> 00:17:52,939 えっ いいんですか? ありがとうございます! 279 00:17:52,939 --> 00:17:57,076 と~ ございます! フフッ 何作ろう。 280 00:17:57,076 --> 00:18:00,413 さほどに ひかれるかえ? (鳳蝶)はい とても! 281 00:18:00,413 --> 00:18:03,749 なれば イゴールに 感想を伝えてやろう。 282 00:18:03,749 --> 00:18:06,419 こんな きれいな 紙をありがとうございます。 283 00:18:06,419 --> 00:18:08,754 すばらしいですと お伝えください。 284 00:18:08,754 --> 00:18:10,756 うむ。 (鳳蝶)あの…。 285 00:18:10,756 --> 00:18:15,428 あの… この紙はどうやって お作りになったのでしょう? 286 00:18:15,428 --> 00:18:18,431 イゴールの領分ゆえ しかとは知らぬが➡ 287 00:18:18,431 --> 00:18:22,435 ええと たしか 版木がどうとか…。 288 00:18:22,435 --> 00:18:24,437 はんぎ…。 289 00:18:24,437 --> 00:18:26,939 あぁ 版木か! 290 00:18:26,939 --> 00:18:28,941 知っておるのか? 291 00:18:28,941 --> 00:18:31,611 前世の記憶に 版画というものがありまして➡ 292 00:18:31,611 --> 00:18:34,046 それを利用した木版印刷➡ 293 00:18:34,046 --> 00:18:37,550 更に発展させた 活版印刷というものがあって。 294 00:18:37,550 --> 00:18:40,553 姫君 この世界には➡ 295 00:18:40,553 --> 00:18:43,389 活版印刷という 技術もあるのですか? 296 00:18:43,389 --> 00:18:45,424 かっぱん? 297 00:18:45,424 --> 00:18:47,593 金属のように 硬くて丈夫なものに➡ 298 00:18:47,593 --> 00:18:49,595 絵や文字をバラバラに彫って➡ 299 00:18:49,595 --> 00:18:53,265 より簡単に 多くの本を作れる技術です。 300 00:18:53,265 --> 00:18:56,936 木版印刷なるものは こちらにもあったが➡ 301 00:18:56,936 --> 00:18:59,772 活版? は知らぬな。 302 00:18:59,772 --> 00:19:02,742 《そうか まだなかったんだ》 303 00:19:02,742 --> 00:19:07,413 姫君 活版印刷の技術があれば いいことがたくさんあります! 304 00:19:07,413 --> 00:19:09,415 いいこと? 305 00:19:09,415 --> 00:19:11,751 本が もっと簡単に 作れるようになります。 306 00:19:11,751 --> 00:19:14,754 そうすれば 平民にも本が行き渡り➡ 307 00:19:14,754 --> 00:19:17,590 知識の共有が 簡単にできるように。 308 00:19:17,590 --> 00:19:21,594 ぜひ イゴール様に。 (百華)なんじゃ。 309 00:19:21,594 --> 00:19:24,764 わらわには 何のいいこともないのう。 310 00:19:24,764 --> 00:19:28,467 得するのは 人間だけじゃ。 あっ…。 311 00:19:31,637 --> 00:19:34,373 《ここで姫君が 興味を失えば➡ 312 00:19:34,373 --> 00:19:36,709 この話は それで終わってしまう。 313 00:19:36,709 --> 00:19:39,712 もう 二度と こんな機会はないかもしれない。 314 00:19:39,712 --> 00:19:45,217 何か言わなくちゃ。 考えろ 考えろ 考えろ》 315 00:19:45,217 --> 00:19:49,055 (レグルス)キツネたん こんにちは。 316 00:19:49,055 --> 00:19:51,057 あい こんにちは。 317 00:19:51,057 --> 00:19:54,460 よろしくお願いします。 あいあい。 318 00:20:00,900 --> 00:20:04,904 姫君 本が簡単に 出回るようになれば➡ 319 00:20:04,904 --> 00:20:06,906 『菫の園の歌劇』のお芝居が➡ 320 00:20:06,906 --> 00:20:09,408 観られるようになるかも しれません。 321 00:20:09,408 --> 00:20:14,246 なんじゃと? どういうことじゃ 詳しく話せ。 322 00:20:14,246 --> 00:20:16,248 《よし》 323 00:20:16,248 --> 00:20:18,250 芝居には 台本があって➡ 324 00:20:18,250 --> 00:20:21,253 それには 登場人物の セリフや状況が記されています。 325 00:20:21,253 --> 00:20:23,756 前世の世界の役者たちは➡ 326 00:20:23,756 --> 00:20:26,425 その台本に沿って 芝居をされていました。 327 00:20:26,425 --> 00:20:29,095 台本 ふむ…。 328 00:20:29,095 --> 00:20:32,598 つまり 私が覚えているお芝居を すべて書き起こして➡ 329 00:20:32,598 --> 00:20:35,768 台本にすれば…。 ふむ すれば? 330 00:20:35,768 --> 00:20:38,938 私が観たあちらの世界の お芝居を再現して➡ 331 00:20:38,938 --> 00:20:41,607 姫君に お観せすることができます。 332 00:20:41,607 --> 00:20:45,111 なんと そなたの 記憶でのぞいたあれを? 333 00:20:47,780 --> 00:20:50,783 わらわも直接 観ることができるのかえ? 334 00:20:50,783 --> 00:20:53,786 はい! ですが 台本を作るだけでは➡ 335 00:20:53,786 --> 00:20:57,123 あのレベルの舞台を 再現するのは難しいです。 336 00:20:57,123 --> 00:21:01,293 では どうするのじゃ? 平民の識字率を上げるんです。 337 00:21:01,293 --> 00:21:03,796 皆が 字を読めるようにかえ? 338 00:21:03,796 --> 00:21:05,965 はい 台本を書き起こしても➡ 339 00:21:05,965 --> 00:21:08,300 それを読めなければ 意味がありません。 340 00:21:08,300 --> 00:21:10,636 ふむ 道理じゃな。 341 00:21:10,636 --> 00:21:13,139 平民に学問は不要? 否! 342 00:21:13,139 --> 00:21:15,307 学問は 誰にも必要です! 343 00:21:15,307 --> 00:21:17,810 お? おぉ…。 344 00:21:17,810 --> 00:21:20,312 字が 読めなければ 台本が読めない。 345 00:21:20,312 --> 00:21:23,315 楽譜が 読めなければ 歌を正しく歌えない。 346 00:21:23,315 --> 00:21:26,318 セリフや歌詞の意味を 聴衆が理解できねば➡ 347 00:21:26,318 --> 00:21:28,320 劇は評価されない。 348 00:21:28,320 --> 00:21:31,157 評価されなければ 芸術は 廃れます。 349 00:21:31,157 --> 00:21:34,760 評価は そのまま価値になり 価値は お金に変わります。 350 00:21:34,760 --> 00:21:36,762 よい役者を育てるには➡ 351 00:21:36,762 --> 00:21:40,766 庶民が 芝居にお金を落とせる 状況を作らなければいけません。 352 00:21:40,766 --> 00:21:43,435 それには 無学ではいけないんです。 353 00:21:43,435 --> 00:21:45,938 だまされて 不当に安い賃金で働かされ➡ 354 00:21:45,938 --> 00:21:47,940 搾取されることなく➡ 355 00:21:47,940 --> 00:21:49,942 働いた対価を 過不足なく受け取り➡ 356 00:21:49,942 --> 00:21:52,778 日々の暮らしが ちゃんと立ち行くようになり。 357 00:21:52,778 --> 00:21:54,780 《止まらない! 358 00:21:54,780 --> 00:21:57,950 記憶の中の前世の私が 興奮してる!》 359 00:21:57,950 --> 00:22:00,119 生活に余裕ができれば➡ 360 00:22:00,119 --> 00:22:02,621 人間は 娯楽を求めるようになります。 361 00:22:02,621 --> 00:22:05,624 その娯楽に 芝居をあて込むんです。 362 00:22:05,624 --> 00:22:09,461 なるほど 商売が成り立てば 競争が生まれ➡ 363 00:22:09,461 --> 00:22:11,797 切磋琢磨する環境になる。 364 00:22:11,797 --> 00:22:15,467 そして わらわは質のいい 芝居を観ることができる。 365 00:22:15,467 --> 00:22:19,138 というわけじゃな? よいではないか! 366 00:22:19,138 --> 00:22:21,173 はい! 367 00:22:21,173 --> 00:22:24,176 《そんな簡単には 運ばないだろうけど…。 368 00:22:24,176 --> 00:22:27,980 あれ? 頭が熱い。 369 00:22:27,980 --> 00:22:30,516 オーバーヒートしそう》 370 00:22:30,516 --> 00:22:33,419 して その活版は…。 371 00:22:33,419 --> 00:22:35,588 それは…。 372 00:22:35,588 --> 00:22:38,991 (レグルス)にぃに!