1 00:00:46,480 --> 00:00:50,484 (ローラン)あのよ 冒険者たちに 金を落とさせるには➡ 2 00:00:50,484 --> 00:00:52,486 何が必要だと思う? 3 00:00:52,486 --> 00:00:57,324 食と住… つまり食事処と宿屋を まず整えるんだ。 4 00:00:57,324 --> 00:00:59,826 (ロマノフ)客は冒険者ですからね。 5 00:00:59,826 --> 00:01:02,996 魔物と戦う スタミナがつくようなもので…。 6 00:01:02,996 --> 00:01:05,832 うん 肉だな! 肉料理がいい! 7 00:01:05,832 --> 00:01:07,834 《鳳蝶:肉料理。 8 00:01:07,834 --> 00:01:13,674 魔物と戦う… 魔物に勝つ…》 9 00:01:13,674 --> 00:01:17,678 トンカツ… とか どうですかね? (ロマノフ/ローラン)トンカツ? 10 00:01:17,678 --> 00:01:21,348 では 作ってみましょうか。 えっ? 誰が? 11 00:01:21,348 --> 00:01:24,551 もちろん鳳蝶くんです。 えっ? 12 00:03:06,486 --> 00:03:08,488 (ローラン)急に悪いな フィオレ。 13 00:03:08,488 --> 00:03:12,492 ここなら 必要な食材が そろってると思ってな。 14 00:03:12,492 --> 00:03:14,661 (フィオレ) まあ まだ仕込みの時間前だし➡ 15 00:03:14,661 --> 00:03:17,998 ギルドマスターには世話になってるから いいっす。 16 00:03:17,998 --> 00:03:21,835 けど こんなガキんちょに 料理なんかできるんすか? 17 00:03:21,835 --> 00:03:23,837 ハハハハハ…。 18 00:03:23,837 --> 00:03:28,508 鳳蝶くんなら大丈夫ですよ。 じゃ 始めてくれや。 19 00:03:28,508 --> 00:03:32,012 その包丁は死ぬほど切れっかんな。 20 00:03:32,012 --> 00:03:34,448 指 切んなよ? はい。 21 00:03:34,448 --> 00:03:37,451 《いざ!》 22 00:03:37,451 --> 00:03:41,054 なんかあったら言えよ。 俺が やってやるから…。 23 00:03:46,460 --> 00:03:48,462 ふん ふん ふん ふん ふん。 24 00:03:48,462 --> 00:03:51,064 ふ~ん ふん ふん ふん ふん。 25 00:04:03,143 --> 00:04:06,480 油の温度が上がったら もう一度 揚げます。 26 00:04:06,480 --> 00:04:08,982 全然 出番ねえじゃん 俺…。 27 00:04:14,154 --> 00:04:18,558 はい! トンカツの完成です! (ロマノフ/ローラン)おぉ~っ。 28 00:04:21,495 --> 00:04:23,830 (ローラン)ほっ こりゃいいわ! 29 00:04:23,830 --> 00:04:28,168 サクサクしてるのに肉は柔らかい。 肉汁も たっぷり出てくる。 30 00:04:28,168 --> 00:04:31,838 食いでもありますし なかなか いけますね! 31 00:04:31,838 --> 00:04:34,774 トンカツには ゲン担ぎの意味もあります。 32 00:04:34,774 --> 00:04:37,444 カツと勝つを かけてるんです。 33 00:04:37,444 --> 00:04:40,113 冒険者ギルドにピッタリじゃねえか。 34 00:04:40,113 --> 00:04:42,115 さ~せんでしたっ! うわっ ひぃ~! 35 00:04:42,115 --> 00:04:44,117 こんなガキんちょとか言って。 36 00:04:44,117 --> 00:04:48,455 これからは師匠と呼ばせて いただきます! えぇ!? 37 00:04:48,455 --> 00:04:52,125 レシピは聞かれたら 開示してもかまいません。 38 00:04:52,125 --> 00:04:54,795 商店街で どんどん共有してください。 39 00:04:54,795 --> 00:04:57,497 わかりました! あざっす 師匠! 40 00:04:59,466 --> 00:05:02,636 じゃ 今回の報酬 金貨2枚な。 41 00:05:02,636 --> 00:05:05,472 あぁ 金貨2枚ではなくて➡ 42 00:05:05,472 --> 00:05:08,475 できれば 金貨1枚と銀貨90枚➡ 43 00:05:08,475 --> 00:05:11,978 銅貨99枚 鉄貨100枚でください。 44 00:05:11,978 --> 00:05:14,981 おい! うちは両替商じゃねえぞ!? 45 00:05:14,981 --> 00:05:19,152 帝都で お土産を買うのに 金貨なんて使えないでしょ? 46 00:05:19,152 --> 00:05:21,822 鳳蝶様 帝都に行くのかい? 47 00:05:21,822 --> 00:05:25,825 はい 今日は そのお小遣い稼ぎにきたんです。 48 00:05:25,825 --> 00:05:28,328 はい。 (ロマノフ)まいど。 49 00:05:28,328 --> 00:05:31,998 それと これは餞別だ。 えっ? 50 00:05:31,998 --> 00:05:34,768 レシピを提供してくれた礼もある。 51 00:05:34,768 --> 00:05:37,771 そんなに入っちゃいねえから 受け取ってくんな。 52 00:05:37,771 --> 00:05:39,940 ありがとうございます! 53 00:05:39,940 --> 00:05:43,443 《おぉ! 結構な重さあるじゃん》 54 00:05:43,443 --> 00:05:46,746 (ロッテンマイヤー/宇都宮) おかえりなさいませ…。 55 00:05:48,949 --> 00:05:53,453 どうしました? たった半日で ずいぶん やつれましたね。 56 00:05:53,453 --> 00:05:55,789 (ロッテンマイヤー)それが…。 (足音) 57 00:05:55,789 --> 00:05:58,792 (2人)わあっ! レグルスく~ん!? 58 00:05:58,792 --> 00:06:02,462 (レグルス)うぅ… にぃに~。 59 00:06:02,462 --> 00:06:05,131 (2人)うわぁ~ ひぇ~! 60 00:06:05,131 --> 00:06:07,801 (宇都宮) ずっと この調子だったんです。 61 00:06:07,801 --> 00:06:10,470 若様が お出かけになってから➡ 62 00:06:10,470 --> 00:06:13,974 玄関から 何度も脱走なさろうとして…。 63 00:06:13,974 --> 00:06:18,311 捕まえようとすれば 更に激しく お泣きあそばして➡ 64 00:06:18,311 --> 00:06:22,148 脱走を止めれば 屋敷中 走り回られて…。 65 00:06:22,148 --> 00:06:24,818 げ… 元気ですね。 66 00:06:24,818 --> 00:06:26,820 泣き止んでいたのは➡ 67 00:06:26,820 --> 00:06:30,490 源三さんの 剣術の稽古の時だけでした。 68 00:06:30,490 --> 00:06:32,993 うぅ…。 69 00:06:34,928 --> 00:06:36,930 (鳳蝶)実は…。 70 00:06:36,930 --> 00:06:40,433 えっ それって 旦那様の丸投げ…。 71 00:06:40,433 --> 00:06:42,602 差し出口ですが➡ 72 00:06:42,602 --> 00:06:45,438 帝都で不正を暴けていたなら➡ 73 00:06:45,438 --> 00:06:47,774 ついでに産業も 誘致なさっておけば➡ 74 00:06:47,774 --> 00:06:50,777 よろしかったのでは? (鳳蝶)ですよね~。 75 00:06:50,777 --> 00:06:55,448 不正を暴いてやったのだからと 菊乃井に恩を着せて➡ 76 00:06:55,448 --> 00:06:59,452 レグルスくんをタダで育てろと 要求するつもりだったのでは? 77 00:06:59,452 --> 00:07:03,123 それを鳳蝶くんに 防がれちゃったわけですが。 78 00:07:03,123 --> 00:07:06,793 そこまでアレな人とは 思いたくないですが…。 79 00:07:06,793 --> 00:07:10,797 いずれにしても 菊乃井が潤うのは いいことです。 80 00:07:10,797 --> 00:07:13,466 あの人の味方はしないけど➡ 81 00:07:13,466 --> 00:07:17,804 目的が同じなら 協力するのは やぶさかではありません。 82 00:07:17,804 --> 00:07:22,309 黒かろうが白かろうが ネズミを捕る猫は いい猫です。 83 00:07:22,309 --> 00:07:26,646 とにかく レシピを冒険者ギルドに 開示する理由については➡ 84 00:07:26,646 --> 00:07:28,982 料理長に私から説明します。 85 00:07:28,982 --> 00:07:33,920 料理人にとっては レシピは命。 相応の誠意が必要でしょう。 86 00:07:33,920 --> 00:07:35,922 承知いたしました。 87 00:07:35,922 --> 00:07:37,924 それにしても…。 88 00:07:37,924 --> 00:07:41,094 半日お出かけしたくらいで この騒ぎだと➡ 89 00:07:41,094 --> 00:07:44,264 丸一日 留守にしたら どうなっちゃうんでしょうね。 90 00:07:44,264 --> 00:07:46,933 えっ? 若様 また…。 91 00:07:46,933 --> 00:07:49,769 にぃに またお出かけするの? 92 00:07:49,769 --> 00:07:53,273 えっ ああ… うん…。 93 00:07:53,273 --> 00:07:55,775 いやぁ~!! わぁ~! 94 00:07:55,775 --> 00:07:59,446 れーも いく~!! 95 00:07:59,446 --> 00:08:03,450 <鳳蝶:そして 帝都へと向かう日の朝> 96 00:08:03,450 --> 00:08:07,954 それじゃあ行きますか。 転移魔術を使います。 97 00:08:07,954 --> 00:08:12,125 《転移魔術とな!? ファンタジー きた~!》 98 00:08:12,125 --> 00:08:15,628 絶対 離しちゃダメですよ。 はい。 99 00:08:15,628 --> 00:08:17,630 じゃ 飛びます。 100 00:08:28,808 --> 00:08:31,511 もう目を開けていいですよ。 101 00:08:35,749 --> 00:08:39,419 えっ… これって 五線譜!? 102 00:08:39,419 --> 00:08:41,755 おや ご存じでしたか。 103 00:08:41,755 --> 00:08:44,924 音楽に使う 楽譜を書く紙ですよね!? 104 00:08:44,924 --> 00:08:48,261 これがあるって… もしかして もしかして!? 105 00:08:48,261 --> 00:08:51,598 ここの家主は 変わった人物なんですが➡ 106 00:08:51,598 --> 00:08:53,767 楽器を奏でさせたら➡ 107 00:08:53,767 --> 00:08:57,937 古今東西に並ぶものなしと 言われています。 108 00:08:57,937 --> 00:09:01,441 いや 私も そっち方面には詳しくなくて➡ 109 00:09:01,441 --> 00:09:04,110 友人が そんなこと言っていたな~ と思…。 110 00:09:04,110 --> 00:09:06,780 そんなすごい人と お知り合いなんですか!? 111 00:09:06,780 --> 00:09:11,451 先生すご~い! 音楽への食いつきがすごいですね。 112 00:09:11,451 --> 00:09:16,122 (ヴィクトル)だから~ さっきから君に そう言ってるんだけど。 113 00:09:16,122 --> 00:09:19,459 なんか お取り込み中なんじゃ ないですか? 114 00:09:19,459 --> 00:09:23,129 いえ 男女のよしなしごとでは ないようです。 115 00:09:23,129 --> 00:09:26,299 なぜ 男女のよしなしごとではないと? 116 00:09:26,299 --> 00:09:29,469 エルフの耳は地獄耳ですから。 117 00:09:29,469 --> 00:09:31,805 (ヴィクトル) 君が聞き分けないだけでしょ。 118 00:09:31,805 --> 00:09:34,407 おじゃましますよ ヴィーチャ。 119 00:09:34,407 --> 00:09:37,243 アリョーシャ! やっと来たんだね! 120 00:09:37,243 --> 00:09:39,412 あっ 君! うわぁ! 121 00:09:39,412 --> 00:09:42,415 (ヴィクトル)君が あーたんだね! 122 00:09:46,419 --> 00:09:48,922 <ロマノフ:ヴィクトル・ショスタコーヴィッチ。 123 00:09:48,922 --> 00:09:52,926 麒凰帝国の宮廷に勤める 宮廷音楽師。 124 00:09:52,926 --> 00:09:57,096 音楽に関して 古今東西に並ぶものはおらず➡ 125 00:09:57,096 --> 00:10:00,767 各大国固有の楽曲 楽器の収集や➡ 126 00:10:00,767 --> 00:10:03,102 保護に努める人物でもある。 127 00:10:03,102 --> 00:10:06,773 なお 魔術師としても 優れた人物であるが➡ 128 00:10:06,773 --> 00:10:08,775 それを知る者は少ない> 129 00:10:08,775 --> 00:10:12,278 <鳳蝶:出典 ロマノフペディアより> 130 00:10:12,278 --> 00:10:14,447 あーたん 待ってたんだ! あーたん? 131 00:10:14,447 --> 00:10:16,449 早く お歌聴かせてよ! うぇ? 132 00:10:16,449 --> 00:10:19,452 《鳳蝶:近っ! っていうか…。 133 00:10:19,452 --> 00:10:22,956 ほらぁ やっぱり男女のよしなしごとの➡ 134 00:10:22,956 --> 00:10:25,125 真っ最中だったじゃないですか》 135 00:10:25,125 --> 00:10:29,295 こらこら ヴィーチャ 鳳蝶くんが驚いているでしょう? 136 00:10:29,295 --> 00:10:31,464 もう 音楽のことなら➡ 137 00:10:31,464 --> 00:10:33,967 真っ先に 僕を思い出してくれなきゃ。 138 00:10:33,967 --> 00:10:37,804 いや~ 実は つい最近まで 忘れてたんですよね。 139 00:10:37,804 --> 00:10:39,973 あなたが音楽家ってこと。 140 00:10:39,973 --> 00:10:43,476 本当に やになるよ この朴念仁には。 141 00:10:43,476 --> 00:10:46,980 ね~? あ… はじめまして 私は…。 142 00:10:46,980 --> 00:10:50,149 菊乃井伯爵家の嫡男 鳳蝶くん。 143 00:10:50,149 --> 00:10:53,486 は… はい! よろしくお願いいたします。 144 00:10:53,486 --> 00:10:57,657 よろしくね あーたん。 あの あーたんって…。 145 00:10:57,657 --> 00:11:01,160 鳳蝶くんだから あーたん。 かわいいよね! 146 00:11:01,160 --> 00:11:04,163 《あ~ もう何も言うまい》 147 00:11:04,163 --> 00:11:06,100 あの そちらの女性は…。 148 00:11:06,100 --> 00:11:11,170 あぁ 僕に歌の指導をしてほしくて 来てたんだ。 149 00:11:11,170 --> 00:11:14,007 今 帰ってもらう ところだったんだけど…。 150 00:11:14,007 --> 00:11:17,177 まあいいや。 あーたんに会えた記念で➡ 151 00:11:17,177 --> 00:11:19,512 レッスンしてあげる。 (マリア)はあっ!? 152 00:11:19,512 --> 00:11:22,315 《はあ!?》 嫌なら別にいいけど? 153 00:11:25,018 --> 00:11:29,689 その前に そちらのお客様を 紹介してくださいませんこと? 154 00:11:29,689 --> 00:11:32,959 あ~ アレクセイ・ロマノフ卿と➡ 155 00:11:32,959 --> 00:11:37,797 教え子で菊乃井伯爵家の嫡男 鳳蝶くんだよ。 156 00:11:37,797 --> 00:11:41,968 ロマノフ卿とは あのロマノフ卿で いらっしゃいますの? 157 00:11:41,968 --> 00:11:44,971 「あの」が どれを指すのか わかりかねますが➡ 158 00:11:44,971 --> 00:11:47,640 アレクセイ・ロマノフと申します。 159 00:11:47,640 --> 00:11:51,844 まあ~! お会いできて光栄ですわ! 160 00:11:53,813 --> 00:11:58,151 《あっ… おう…。 161 00:11:58,151 --> 00:12:01,988 触らぬ神に祟りなし》 162 00:12:01,988 --> 00:12:05,491 ねぇ レッスンしないなら 帰ってくれないかな? 163 00:12:05,491 --> 00:12:09,162 しますわよ! しますけど…。 164 00:12:09,162 --> 00:12:12,165 《あっ… レッスンするなら お邪魔かな》 165 00:12:12,165 --> 00:12:14,167 (ヴィクトル)いや かまわないよ。 (ロマノフ)えっ? 166 00:12:14,167 --> 00:12:17,337 まさか 部外者がいたら歌えない? 167 00:12:17,337 --> 00:12:20,840 歌えますわよ! わたくしを 誰だと思っていますの!? 168 00:12:20,840 --> 00:12:22,842 《誰でしょう!?》 169 00:12:22,842 --> 00:12:26,846 あーたん 彼女は今度 国立劇場に立つ歌手なんだよ。 170 00:12:26,846 --> 00:12:29,349 歌手! わぁ すごい! 171 00:12:29,349 --> 00:12:33,786 当たり前でしてよ。 わたくしはマリア・クロウなのですから。 172 00:12:33,786 --> 00:12:36,789 これは すばらしい偶然ですね。 173 00:12:36,789 --> 00:12:38,791 どういうことですの? 174 00:12:38,791 --> 00:12:42,295 アリョーシャはね さるやんごとないお方から➡ 175 00:12:42,295 --> 00:12:46,132 あーたんの音楽の才能を磨くよう 仰せつかってるの。 176 00:12:46,132 --> 00:12:49,802 それで 幼なじみの僕を 頼ってきたんだよ。 177 00:12:49,802 --> 00:12:51,804 僕なら ちょっとくらい➡ 178 00:12:51,804 --> 00:12:54,807 何かしら あーたんに 教えられるんじゃないかって。 179 00:12:54,807 --> 00:12:59,812 せ… 先生!? 宮廷音楽家の方に ちょっとくらいって失礼では? 180 00:12:59,812 --> 00:13:03,483 だって どのくらいすごいか わかんなかったんですもん。 181 00:13:03,483 --> 00:13:05,652 《もん って…》 182 00:13:05,652 --> 00:13:08,655 やんごとないお方… ですか? 183 00:13:08,655 --> 00:13:11,658 はい 身分は明かせませんが。 184 00:13:11,658 --> 00:13:14,661 《あ… 姫君のことか》 185 00:13:14,661 --> 00:13:19,332 帝都一の歌い手の歌を聴くのも 勉強になるのではと思い➡ 186 00:13:19,332 --> 00:13:22,001 ヴィーチャに ツテがないか聞こうと。 187 00:13:22,001 --> 00:13:25,838 なければ ヴィーチャに歌ってもらえば いいですしね。 188 00:13:25,838 --> 00:13:30,176 あいにく僕 楽器は得意だけど 歌はそうでもないよ。 189 00:13:30,176 --> 00:13:32,345 (ロマノフ)それが思いがけず➡ 190 00:13:32,345 --> 00:13:37,283 国立劇場に立つ歌手に 出会えるとは 実にすばらしい。 191 00:13:37,283 --> 00:13:40,486 はぁ… じゃ こっちへ。 192 00:13:42,455 --> 00:13:44,457 (ピアノ) 193 00:13:44,457 --> 00:13:47,794 じゃ ちょっと歌ってみてくれる? 曲は何が得意? 194 00:13:47,794 --> 00:13:49,796 劇場で歌うのは➡ 195 00:13:49,796 --> 00:13:53,299 『帝国よ そは永遠の楽土なり』 ですわ。 196 00:13:53,299 --> 00:13:55,301 (ヴィクトル)じゃ それで。 197 00:13:55,301 --> 00:14:06,813 ♬~ 198 00:14:06,813 --> 00:14:17,490 ♬「神よ 我らを 守り給え」 199 00:14:17,490 --> 00:14:28,167 ♬「実りある豊かな この地を讃えよ」 200 00:14:28,167 --> 00:14:38,778 ♬「希望の光を 授け給え」 201 00:14:38,778 --> 00:14:49,122 ♬「治世が長く続くよう 何処までも」 202 00:14:49,122 --> 00:14:55,128 ♬「そして帝国よ そは」 203 00:14:55,128 --> 00:15:09,041 ♬「永遠の楽土なり」 204 00:15:12,812 --> 00:15:15,515 (2人)ふふふふ。 205 00:15:18,484 --> 00:15:21,821 あーたん 大人を甘やかしちゃダメだ。 206 00:15:21,821 --> 00:15:26,492 音がずれたの わかったでしょ? それは でも…。 207 00:15:26,492 --> 00:15:28,995 (ヴィクトル) 「でも」も 「しかし」もないの。 208 00:15:28,995 --> 00:15:31,497 まあ いちばんダメなのは➡ 209 00:15:31,497 --> 00:15:33,766 自覚はあるのに 拍手されたら➡ 210 00:15:33,766 --> 00:15:37,103 これでもいいと自分を許す 甘ちゃんだけどね。 211 00:15:37,103 --> 00:15:41,441 まあまあヴィーチャ 私には 十分すばらしく聴こえましたし➡ 212 00:15:41,441 --> 00:15:44,277 君の水準でも 悪くはないんでしょ? 213 00:15:44,277 --> 00:15:46,279 悪くはないよね。 214 00:15:46,279 --> 00:15:49,448 国立劇場で 歌うだけのことはあると思うよ。 215 00:15:49,448 --> 00:15:52,452 だけどねぇ…。 どうでしょう? 216 00:15:52,452 --> 00:15:56,289 鳳蝶くんの歌を聴いてもらって アドバイスを求めるのは。 217 00:15:56,289 --> 00:15:59,959 えっ? ヴィーチャは 歌専門ではないのですから➡ 218 00:15:59,959 --> 00:16:03,462 本職の歌姫に教えを乞う。 219 00:16:03,462 --> 00:16:06,466 いかがですか? 220 00:16:06,466 --> 00:16:11,137 ロマノフ卿に そんなふうに頼まれては 断れるはずありませんわ。 221 00:16:11,137 --> 00:16:14,473 よろしいですわよ ご指導いたしましょう。 222 00:16:14,473 --> 00:16:18,978 ですって 鳳蝶くん。 あ… ありがとうございます! 223 00:16:24,150 --> 00:16:26,152 ふふっ。 224 00:16:30,823 --> 00:16:39,932 ♬「わらべは見たり 野中のばら」 225 00:16:39,932 --> 00:16:49,275 ♬「清らに咲ける その色めでつ」 226 00:16:49,275 --> 00:16:53,946 ♬「あかずながむ」 227 00:16:53,946 --> 00:17:03,789 ♬「くれないにおう 野中のばら」 228 00:17:03,789 --> 00:17:13,132 ♬「たおりてゆかん 野中のばら」 229 00:17:13,132 --> 00:17:22,642 ♬「たおらばたおれ 思い出ぐさに」 230 00:17:22,642 --> 00:17:27,146 ♬「君を刺さん」 231 00:17:27,146 --> 00:17:36,555 ♬「くれないにおう 野中のばら」 232 00:17:43,095 --> 00:17:47,099 うん すてきな曲だね! 野ばらが見たくなる。 233 00:17:47,099 --> 00:17:52,438 あなた… 今の歌い方は? 234 00:17:52,438 --> 00:17:54,941 あ… 変でしたか? 235 00:17:54,941 --> 00:17:58,611 魔素神経を意識して歌うように と言われたんです。 236 00:17:58,611 --> 00:18:00,947 私は音程が甘いから➡ 237 00:18:00,947 --> 00:18:03,783 そうすることで 安定させることができると。 238 00:18:03,783 --> 00:18:07,119 それは あなたの やんごとないお方から? 239 00:18:07,119 --> 00:18:09,455 はい そうです。 240 00:18:09,455 --> 00:18:11,791 あ… あの…。 241 00:18:11,791 --> 00:18:14,794 おかげで目が覚めましたわ。 242 00:18:14,794 --> 00:18:19,632 2週間後の国立劇場での公演に ぜひいらして。 243 00:18:19,632 --> 00:18:23,803 本当のわたくし マリア・クロウの歌を 聴かせて差し上げてよ。 244 00:18:23,803 --> 00:18:26,138 《マジか!? ラッキー! 245 00:18:26,138 --> 00:18:29,475 これって お手本を 見せてくれるってことだよね!?》 246 00:18:29,475 --> 00:18:32,578 あなたの歌は 聴いたことない曲でしたが➡ 247 00:18:32,578 --> 00:18:36,415 悪くはありませんでしたわ。 胸を張るといいわ。 248 00:18:36,415 --> 00:18:40,086 わたくし めったに 人を褒めたりしないのよ。 249 00:18:40,086 --> 00:18:42,421 ありがとうございます! 250 00:18:42,421 --> 00:18:45,424 フッ いい顔になったね マリア嬢。 251 00:18:45,424 --> 00:18:49,095 今の君になら 喜んでレッスンしてあげる。 252 00:18:49,095 --> 00:18:52,765 明日から本番まで みっちり しごくよ。 253 00:18:52,765 --> 00:18:55,434 望むところですわ。 254 00:18:55,434 --> 00:18:59,605 《雨降って 地固まったみたい》 255 00:18:59,605 --> 00:19:04,276 あーたんのレッスンだけど 2か月後から どうかな。 256 00:19:04,276 --> 00:19:07,947 (ロマノフ)では ロッテンマイヤーさんに そのように伝えておきます。 257 00:19:07,947 --> 00:19:11,117 えっ? レッスン? 私にも? 258 00:19:11,117 --> 00:19:14,453 《いや けど お月謝とかは…》 259 00:19:14,453 --> 00:19:16,789 (ヴィクトル) あっ お月謝とか交通費とか➡ 260 00:19:16,789 --> 00:19:19,792 あーたんは 心配しなくていいからね。 えっ? 261 00:19:19,792 --> 00:19:24,463 ヴィーチャには 金銭的な対価より 君から欲しいものがあるんです。 262 00:19:24,463 --> 00:19:26,632 (鳳蝶)欲しいもの? 263 00:19:26,632 --> 00:19:30,469 うん あーたんが 姫君から教わった異世界の曲を➡ 264 00:19:30,469 --> 00:19:34,407 楽譜に起こして 演奏する許可がほしい。 265 00:19:34,407 --> 00:19:37,076 さっきの曲 『野ばら』だっけ? 266 00:19:37,076 --> 00:19:39,912 覚えたから 弾こうと思えば弾ける。 267 00:19:39,912 --> 00:19:43,416 でも あれは 姫君から教わったんだよね? 268 00:19:43,416 --> 00:19:46,919 なら 勝手に弾けないし 楽譜にも起こせない。 269 00:19:46,919 --> 00:19:49,922 だから その許可がほしいんだ。 270 00:19:49,922 --> 00:19:53,726 それはきっと 姫君も喜ばれると思います! 271 00:19:55,761 --> 00:19:59,432 人も多くて 道も入り組んでますからね。 272 00:19:59,432 --> 00:20:02,435 はぐれないように。 迷子を よく見かけるよ。 273 00:20:02,435 --> 00:20:04,437 《おおう それは大変》 274 00:20:04,437 --> 00:20:06,439 ふん…。 275 00:20:06,439 --> 00:20:09,442 あっ! スパイスがある! 276 00:20:09,442 --> 00:20:11,944 (ロマノフ)珍しいですね。 277 00:20:11,944 --> 00:20:14,447 (ヴィクトル) ここ最近 見るようになったんだ。 278 00:20:14,447 --> 00:20:18,784 スパイス たくさんあるよ。 あの ひととおり全部! 279 00:20:18,784 --> 00:20:21,287 これで買えるだけください! 280 00:20:23,289 --> 00:20:27,460 これだけあれば 菊乃井に 名物を作れるかもしれません。 281 00:20:27,460 --> 00:20:31,964 名物 ですか? はい カレーライスっていいます。 282 00:20:31,964 --> 00:20:36,635 スパイスを調合した辛い煮汁で 野菜や肉を煮て➡ 283 00:20:36,635 --> 00:20:39,472 それを ご飯にかけて食べるんです。 284 00:20:39,472 --> 00:20:41,974 《これは期待できるかも。 285 00:20:41,974 --> 00:20:44,977 トンカツと合わせて カレーも食べたい!》 286 00:20:46,979 --> 00:20:49,982 (ヴィクトル) ここは 神々を祭った神殿だよ。 287 00:20:52,151 --> 00:20:54,153 これは…。 288 00:20:54,153 --> 00:20:57,490 (ロマノフ)百華公主様ですよ。 やっぱり。 289 00:20:57,490 --> 00:21:00,159 (ヴィクトル)昔 ある芸術家が➡ 290 00:21:00,159 --> 00:21:03,496 神々のご尊顔を 拝した人を集めてね。 291 00:21:03,496 --> 00:21:09,001 それぞれの証言をもとに 神々のブロンズ像を作り上げたんだ。 292 00:21:09,001 --> 00:21:11,837 へぇ~。 あれは? 293 00:21:11,837 --> 00:21:16,342 氷輪公主様だよ。 誰も ご尊顔を拝したことがない。 294 00:21:16,342 --> 00:21:19,345 誰も? どうしてですか? 295 00:21:19,345 --> 00:21:25,184 氷輪公主様は 夜と眠り 死と再生を司るお方。 296 00:21:25,184 --> 00:21:27,853 人前に現れたりなさらない。 297 00:21:27,853 --> 00:21:32,158 (ロマノフ)現れても 臨終の時だけだと 言われてますね。 298 00:21:40,466 --> 00:21:44,970 先生 イゴール様は どの方でいらっしゃるのでしょう。 299 00:21:44,970 --> 00:21:48,574 イゴール様ですか? こっちだよ。 300 00:21:52,311 --> 00:21:57,149 《お会いしたことないはずなのに なぜか ご加護をいただいた神様。 301 00:21:57,149 --> 00:21:59,819 お詣りしておかなくちゃ。 302 00:21:59,819 --> 00:22:03,489 お布施 お布施…》 303 00:22:03,489 --> 00:22:07,493 (イゴール)それは 君が初めて 自分で稼いだお金なんだから➡ 304 00:22:07,493 --> 00:22:09,829 とっておきなよ。 305 00:22:09,829 --> 00:22:11,831 えっ? 306 00:22:24,510 --> 00:22:26,512 (イゴール)ふっ。 307 00:22:28,514 --> 00:22:31,517 やあ 菊乃井鳳蝶。 308 00:22:31,517 --> 00:22:34,620 僕は イゴール。 309 00:22:34,620 --> 00:22:39,525 えっ… えぇ~!?