1 00:00:48,782 --> 00:00:52,452 (レグルス)姫様 まじゅちゅの練習したら➡ 2 00:00:52,452 --> 00:00:55,789 にぃにのご病気 悪くならないですか? 3 00:00:55,789 --> 00:00:59,459 (百華)うむ ちゃんと聞いておったの ひよこ。 4 00:00:59,459 --> 00:01:04,298 兄の病は治ることはない。 じゃが 悪化は防げるはずじゃ。 5 00:01:04,298 --> 00:01:06,800 ほれ。 6 00:01:06,800 --> 00:01:08,802 仙桃じゃ。 7 00:01:10,804 --> 00:01:12,806 (宇都宮)ふわぁ…。 8 00:01:12,806 --> 00:01:15,976 私まで いただいてしまって よろしいんですか? 9 00:01:15,976 --> 00:01:18,478 (鳳蝶)はい 食べてくださいな。 10 00:01:18,478 --> 00:01:21,648 屋敷におつとめの方 全員分ありますので。 11 00:01:21,648 --> 00:01:25,819 ほかの皆さんも食べたんですよ。 遠慮しないで。 12 00:01:25,819 --> 00:01:29,323 ふえぇ~。 甘いの おいち~。 13 00:01:29,323 --> 00:01:32,159 《姫君からいただいた仙桃➡ 14 00:01:32,159 --> 00:01:36,763 料理長に頼んでソルベにしてもらって 正解だったなぁ。 15 00:01:36,763 --> 00:01:39,266 めちゃくちゃおいしい! 16 00:01:39,266 --> 00:01:43,437 そうだ! 今度 マリアさんのコンサートに行く時➡ 17 00:01:43,437 --> 00:01:47,274 ヴィクトルさんたちへのお土産に 持っていこうっと》 18 00:01:47,274 --> 00:01:50,377 あぁ… あぁ…。 19 00:01:52,446 --> 00:01:54,615 おいしい~っ! 20 00:01:54,615 --> 00:01:57,451 ん~ 甘いし濃厚だし➡ 21 00:01:57,451 --> 00:02:00,787 出入りのお店屋さんたち スゴ腕なんですね。 22 00:02:00,787 --> 00:02:04,291 こんなにおいしい桃 帝都でも手に入らないですよ! 23 00:02:04,291 --> 00:02:07,461 商人さんから 買ったわけじゃないですからね。 24 00:02:07,461 --> 00:02:10,797 へっ? お姫様からもらった~。 25 00:02:10,797 --> 00:02:15,469 お姫様? うん たぶん前もらったのと同じ➡ 26 00:02:15,469 --> 00:02:19,139 仙桃だったかな… アレです。 27 00:02:19,139 --> 00:02:21,141 は? 28 00:02:21,141 --> 00:02:24,478 せ… 仙桃を… た… たべ…。 29 00:02:24,478 --> 00:02:26,813 《なんか すごい顔してるな。 30 00:02:26,813 --> 00:02:30,150 そういえば ロマノフ先生にお出しした時も➡ 31 00:02:30,150 --> 00:02:32,319 同じような反応してたけど…》 32 00:02:32,319 --> 00:02:35,756 ((ロマノフ:仙桃なんですか これ…。 はい!)) 33 00:02:35,756 --> 00:02:39,760 《おいしいと 美形の顔も崩れるんだな~》 34 00:04:23,797 --> 00:04:28,135 疲れちゃったのかなぁ 剣術の稽古もやってるし。 35 00:04:28,135 --> 00:04:30,804 あまり無理してないといいけど。 36 00:04:30,804 --> 00:04:33,240 大丈夫ですよ 若様。 37 00:04:33,240 --> 00:04:37,077 レグルス様 ここに来てから 本当に楽しそうなんです。 38 00:04:37,077 --> 00:04:39,412 お母様のご実家にいた頃より➡ 39 00:04:39,412 --> 00:04:42,415 のびのびしていらっしゃるように 見えます。 40 00:04:42,415 --> 00:04:45,752 あちらでは たった1人の お後継ぎですし➡ 41 00:04:45,752 --> 00:04:51,091 亡きお嬢様の忘れ形見だからと 期待をかけられていましたから。 42 00:04:51,091 --> 00:04:55,095 そうか… 小さいなりに レグルスくんも➡ 43 00:04:55,095 --> 00:04:59,099 その重圧を 感じていたのかもしれないな。 44 00:04:59,099 --> 00:05:04,104 さて レグルスくんのお昼寝中にっと。 45 00:05:04,104 --> 00:05:09,609 姫君からいただいた羽衣で 何を作ろうかしら… ふふっ。 46 00:05:09,609 --> 00:05:13,446 《姫君に捧げるのに ふさわしいもの。 47 00:05:13,446 --> 00:05:15,849 それは やはり…》 48 00:05:17,784 --> 00:05:20,954 《そうこうしてるうちに…》 49 00:05:20,954 --> 00:05:23,790 にぃに お出かけするの? 50 00:05:23,790 --> 00:05:26,626 どっ どうして! お荷物いっぱい。 51 00:05:26,626 --> 00:05:29,129 夕方から ちょっとだけだよ。 52 00:05:29,129 --> 00:05:31,298 それに今日は ロマノフ先生が➡ 53 00:05:31,298 --> 00:05:34,901 ピューンて連れてってくれるから 帰りも すぐだし。 54 00:05:34,901 --> 00:05:38,905 ピューン? 《ヤバい 駄々こねちゃうかな?》 55 00:05:38,905 --> 00:05:41,908 れーも ししょ~とお出かけするの。 56 00:05:41,908 --> 00:05:45,078 うちゅのみやも一緒。 OH! 57 00:05:45,078 --> 00:05:49,916 今日は わらわに 捧げものがあるようじゃなぁ。 58 00:05:49,916 --> 00:05:52,752 おはようございます 姫様! 59 00:05:52,752 --> 00:05:56,256 お… おはようございます! 60 00:05:56,256 --> 00:05:58,258 ほ…。 61 00:05:58,258 --> 00:06:01,761 苦しゅうない 出してみよ。 はい。 62 00:06:04,264 --> 00:06:06,933 ほう 牡丹かや。 63 00:06:06,933 --> 00:06:10,770 はい! 姫君といえば やはり牡丹かと。 64 00:06:10,770 --> 00:06:14,774 あちらの世界に こんな詩があるのです。 65 00:06:14,774 --> 00:06:18,445 「残紅落ち尽くして 始めて芳を吐く。 66 00:06:18,445 --> 00:06:21,948 佳名喚びて百花の王と作す。 67 00:06:21,948 --> 00:06:25,118 競い誇る天下無双の艶。 68 00:06:25,118 --> 00:06:28,788 独り占む人間第一の香り」。 69 00:06:28,788 --> 00:06:32,292 姫君は私にとって天下無双。 70 00:06:32,292 --> 00:06:36,563 あなた様以上に美しい人を 私は知りません。 71 00:06:36,563 --> 00:06:41,067 気に入った。 しかし まだその袋の中には➡ 72 00:06:41,067 --> 00:06:44,070 小さな髪飾りが 入っているようじゃが? 73 00:06:44,070 --> 00:06:47,073 あ… これは 帝都でお世話になった➡ 74 00:06:47,073 --> 00:06:50,243 マリアさんという女性に プレゼントしようと思いまして。 75 00:06:50,243 --> 00:06:53,079 余った生地で 作らせてもらいました。 76 00:06:53,079 --> 00:06:57,584 ほほ~う フフフ… 好いておるのかえ。 77 00:06:57,584 --> 00:07:01,254 嫁にもらいたいとか そういうアレではないのか? 78 00:07:01,254 --> 00:07:03,757 はい? いやいや まさか! 79 00:07:03,757 --> 00:07:06,092 マリアさんは妙齢の女性ですよ? 80 00:07:06,092 --> 00:07:09,095 すでに婚約者とかが いらっしゃるはずです! 81 00:07:09,095 --> 00:07:12,265 照れんでもよいぞ。 詳しく話してみよ。 82 00:07:12,265 --> 00:07:14,601 ほれたはれたの話は大好きじゃ。 83 00:07:14,601 --> 00:07:17,604 そんなんじゃないのに~。 ほれほれ。 84 00:07:17,604 --> 00:07:19,940 コホン… 姫君。 85 00:07:19,940 --> 00:07:23,443 私は 女性には 優しくありたいと思いますが➡ 86 00:07:23,443 --> 00:07:26,780 それは私が 姫君のご家来衆の末席に➡ 87 00:07:26,780 --> 00:07:29,783 加えていただいたと 自負しているからです。 88 00:07:29,783 --> 00:07:31,785 ふむ その心は? 89 00:07:31,785 --> 00:07:36,222 前世の言い回しに 解語の花という言葉があるのです。 90 00:07:36,222 --> 00:07:39,392 これは 女性を花に見立てて➡ 91 00:07:39,392 --> 00:07:42,729 「人の言葉を話す花よ」と。 92 00:07:42,729 --> 00:07:46,232 つまり 人の女性が花であるなら➡ 93 00:07:46,232 --> 00:07:49,402 この世のすべての花の あるじたる姫君の➡ 94 00:07:49,402 --> 00:07:51,404 眷属ということです。 95 00:07:51,404 --> 00:07:56,076 姫君の家来の私が 丁重に接するのは当然かと。 96 00:07:56,076 --> 00:07:59,412 なんとのう… あちらの世界では➡ 97 00:07:59,412 --> 00:08:03,083 人間について ずいぶんと 詩的な物言いをするのじゃな。 98 00:08:03,083 --> 00:08:06,252 ほほほほ… 気に入ったぞ。 99 00:08:06,252 --> 00:08:08,588 わらわの眷属であるなら➡ 100 00:08:08,588 --> 00:08:12,425 これからは 少しばかり人間にも 目こぼししてやらねばのう。 101 00:08:12,425 --> 00:08:14,761 ありがたき幸せ。 102 00:08:14,761 --> 00:08:17,263 ありがたきちあわしぇ! 103 00:08:17,263 --> 00:08:20,433 ん? フフフ…。 あ! 104 00:08:20,433 --> 00:08:22,769 (ロマノフ) レグルスくんは出発しましたか? 105 00:08:22,769 --> 00:08:26,439 はい ぐずったりせず 頑張ってくると言って。 106 00:08:26,439 --> 00:08:30,777 ほお。 子どもの成長って 早いですよね~。 107 00:08:30,777 --> 00:08:32,712 子どもねぇ…。 108 00:08:32,712 --> 00:08:37,217 それじゃあ 私たちも 行くとしましょうか。 はい。 109 00:08:39,219 --> 00:08:42,222 (ヴィクトル)あーたんも アリョーシャも いらっしゃい。 110 00:08:42,222 --> 00:08:46,893 2週間ぶりだね。 おじゃまします ヴィクトルさん。 111 00:08:46,893 --> 00:08:51,598 おぉ~! いただきま~す! 112 00:08:53,733 --> 00:08:58,071 ん~ おいしい! 特に この中に入っている桃! 113 00:08:58,071 --> 00:09:01,074 すごく甘いでしょう? うん! 114 00:09:01,074 --> 00:09:04,411 フッ。 ん? 何 その顔。 115 00:09:04,411 --> 00:09:07,914 いやぁ… おいしそうに食べるなあと。 116 00:09:07,914 --> 00:09:10,417 そりゃあ おいしいもの。 117 00:09:10,417 --> 00:09:12,752 何だよ! 118 00:09:12,752 --> 00:09:17,424 今日は 宮廷付き歌手としての マリア嬢のお披露目なんだよ。 119 00:09:17,424 --> 00:09:19,426 宮廷付き? 120 00:09:19,426 --> 00:09:22,429 これまでは 第2皇子のお抱えだったけど➡ 121 00:09:22,429 --> 00:09:25,765 これからは 帝国を代表する歌姫ってわけ。 122 00:09:25,765 --> 00:09:29,602 そんな大事な日だったんですか? そう。 123 00:09:29,602 --> 00:09:32,105 《ってか 第2皇子って…。 124 00:09:32,105 --> 00:09:35,708 マリアさんって すごい人なんだな》 125 00:09:35,708 --> 00:09:38,878 だからまあ 一応 調べておいたけど➡ 126 00:09:38,878 --> 00:09:40,880 あーたんとこの親御さんは➡ 127 00:09:40,880 --> 00:09:43,716 今日のコンサートには 来ないみたいだよ。 128 00:09:43,716 --> 00:09:45,718 あ… そうですか。 129 00:09:45,718 --> 00:09:48,221 単に芸術に興味がないだけか➡ 130 00:09:48,221 --> 00:09:51,891 これに参加して 第2皇子派って 思われたくないのかは➡ 131 00:09:51,891 --> 00:09:55,395 わからないけどね。 《ん? 第2皇子派? 132 00:09:55,395 --> 00:09:58,731 ってことは 第1皇子派もあるってこと? 133 00:09:58,731 --> 00:10:00,733 やだぁ…。 134 00:10:00,733 --> 00:10:04,404 それって派閥争い真っただ中って ことじゃないですか~。 135 00:10:04,404 --> 00:10:07,740 そんな さらっと 怖いこと言わないで~》 136 00:10:07,740 --> 00:10:11,744 あれ? それじゃあ 私が顔を出すのも➡ 137 00:10:11,744 --> 00:10:15,748 よくないんじゃ? 私 伯爵家の嫡男だし。 138 00:10:15,748 --> 00:10:20,086 鳳蝶くんは 私とヴィーチャの連れ ということになっていますから➡ 139 00:10:20,086 --> 00:10:22,088 大丈夫ですよ。 え? 140 00:10:22,088 --> 00:10:25,258 私たちは 王位継承には中立だと➡ 141 00:10:25,258 --> 00:10:28,094 先々代から 言い続けてますからねぇ。 142 00:10:28,094 --> 00:10:30,763 かえって 私たちと行動しているほうが➡ 143 00:10:30,763 --> 00:10:34,100 いいということです。 中立…。 144 00:10:34,100 --> 00:10:37,437 僕たち 一応 一代かぎりではあるけど➡ 145 00:10:37,437 --> 00:10:40,440 帝国騎士の称号も 持っているからね。 146 00:10:40,440 --> 00:10:44,110 いろいろ面倒なんだよ。 はあ…。 147 00:10:44,110 --> 00:10:47,947 《そういえば先生は 帝国認定英雄でもあるし➡ 148 00:10:47,947 --> 00:10:51,451 利用しようと思う者は 多いんだろうな。 149 00:10:51,451 --> 00:10:55,622 やだやだ 大人の世界って ホントに怖い…》 150 00:10:55,622 --> 00:10:59,459 わぁ! すてきな建物ですね。 151 00:10:59,459 --> 00:11:05,131 天井に描かれている絵も この細かい彫刻も。 152 00:11:05,131 --> 00:11:10,637 ハァ ハァ… ホント とても… ハァ…。 153 00:11:10,637 --> 00:11:15,642 すば… らし… ハァ ハァ…。 154 00:11:15,642 --> 00:11:18,311 うぅ… う…。 155 00:11:18,311 --> 00:11:22,148 ハァ ハァ ハァ…。 156 00:11:22,148 --> 00:11:25,652 《控室って いちばん上にあるのね》 157 00:11:25,652 --> 00:11:29,322 大人でもつらいのに よく頑張りましたね。 158 00:11:29,322 --> 00:11:32,492 偉い偉い。 あーたん お疲れさま。 159 00:11:32,492 --> 00:11:36,429 あ… りがとうござ… います…。 160 00:11:36,429 --> 00:11:39,098 《もう二度と 登らないんだからね…》 161 00:11:39,098 --> 00:11:41,601 (衝撃音) 162 00:11:41,601 --> 00:11:43,603 (エルザ)お嬢様! 163 00:11:43,603 --> 00:11:45,805 何!? 164 00:11:49,275 --> 00:11:52,445 マリア嬢! どうしたの!? 165 00:11:52,445 --> 00:11:55,949 (エルザ)それが… 差し入れのお水を飲んだとたん➡ 166 00:11:55,949 --> 00:11:58,451 苦しみ出されて。 (ヴィクトル)水? 167 00:11:58,451 --> 00:12:01,287 第2皇子からの 差し入れのお水です。 168 00:12:01,287 --> 00:12:03,790 えっ!? 以前からよく➡ 169 00:12:03,790 --> 00:12:07,126 差し入れしていただいていたので 疑うこともなく…。 170 00:12:07,126 --> 00:12:09,629 (マリア)ハァ… ハァ…。 171 00:12:09,629 --> 00:12:12,298 毒が仕込まれているね。 172 00:12:12,298 --> 00:12:15,134 命を損なうほどじゃないけれど➡ 173 00:12:15,134 --> 00:12:17,804 これは… 喉が焼けただれている。 174 00:12:17,804 --> 00:12:19,806 そんな…。 175 00:12:19,806 --> 00:12:23,142 ハァ ハァ ハァ…。 176 00:12:23,142 --> 00:12:25,645 わ… 私のせいで! 177 00:12:25,645 --> 00:12:30,817 アリョーシャ 犯人は 東の階段から下に向かってる。 178 00:12:30,817 --> 00:12:34,120 衛兵に伝えて。 わかりました。 179 00:12:40,260 --> 00:12:43,363 (ヴィクトル)マリア嬢 毒は消したよ。 180 00:12:45,598 --> 00:12:47,600 マリアさん。 181 00:12:47,600 --> 00:12:50,269 (ドアが開く音) 182 00:12:50,269 --> 00:12:52,438 犯人が見つかりました。 183 00:12:52,438 --> 00:12:55,108 すでに 首をつって死んでいたそうです。 184 00:12:55,108 --> 00:12:57,610 えっ! ただ ヴィーチャが➡ 185 00:12:57,610 --> 00:13:01,614 犯人を割り出してから 捕まるまでのスパンが短すぎますね。 186 00:13:01,614 --> 00:13:05,118 そんなの もともと 仕組まれてたんだろうさ。 187 00:13:05,118 --> 00:13:08,288 バレた時は かくあれかしってね。 188 00:13:08,288 --> 00:13:10,790 《つまり この件は➡ 189 00:13:10,790 --> 00:13:15,294 マリアさん個人を傷つけることだけが 目的じゃないってことだ》 190 00:13:18,298 --> 00:13:21,134 マリアさん お熱が! 191 00:13:21,134 --> 00:13:24,303 喉が焼き腫れて ただれているからね。 192 00:13:24,303 --> 00:13:27,473 こういう時は 回復魔術は使えないんだ。 193 00:13:27,473 --> 00:13:31,811 傷口を無理に塞ぐと 後遺症が出るかもしれないから。 194 00:13:31,811 --> 00:13:34,414 魔術で氷を出しましょうか。 195 00:13:34,414 --> 00:13:37,583 お医者様を呼んできます! 196 00:13:37,583 --> 00:13:40,420 ハァ ハァ…。 197 00:13:40,420 --> 00:13:43,089 《歌手にとっては喉は命。 198 00:13:43,089 --> 00:13:47,427 しかも今日は 一世一代の晴れの舞台》 199 00:13:47,427 --> 00:13:49,429 くっ! 200 00:13:49,429 --> 00:13:52,432 《そんな日に こんなひどいことを➡ 201 00:13:52,432 --> 00:13:55,768 されなければならない理由って 何だろう…。 202 00:13:55,768 --> 00:14:00,440 喉を冷やしてあげたら 少しは楽にならないだろうか。 203 00:14:00,440 --> 00:14:04,777 何か冷たいもの… 何か…》 204 00:14:04,777 --> 00:14:08,114 そうだ! ソルベ! 205 00:14:08,114 --> 00:14:11,784 (ロマノフ)鳳蝶くん マリア嬢にも 持ってきてたんですか? 206 00:14:11,784 --> 00:14:13,786 マリアさん。 207 00:14:13,786 --> 00:14:16,122 さあ。 208 00:14:16,122 --> 00:14:20,293 風邪とは違うから それ食べさせても…。 209 00:14:20,293 --> 00:14:23,296 マリアさん 少しだけでも。 210 00:14:30,470 --> 00:14:32,872 もうひとくち…。 211 00:14:42,749 --> 00:14:46,085 喉が… 喉が痛くないわ! 212 00:14:46,085 --> 00:14:48,087 《効いた!》 はあっ! 213 00:14:48,087 --> 00:14:51,758 不思議! なんだか毒を盛られる前より➡ 214 00:14:51,758 --> 00:14:54,761 体調が よくなってる気がしますわ。 215 00:14:54,761 --> 00:14:56,929 ヴィーチャ。 216 00:14:56,929 --> 00:14:59,932 あなたも食べた あのソルベですけどね➡ 217 00:14:59,932 --> 00:15:02,769 あれに使われている桃は➡ 218 00:15:02,769 --> 00:15:05,772 やんごとなき方からの 贈り物なんですよ。 219 00:15:05,772 --> 00:15:07,774 やんごとなき…。 220 00:15:07,774 --> 00:15:09,776 《はっ!》 221 00:15:09,776 --> 00:15:14,113 えっ? もしかして… 仙桃? 222 00:15:14,113 --> 00:15:16,115 えぇ~!! 223 00:15:16,115 --> 00:15:18,117 お嬢様! 224 00:15:18,117 --> 00:15:22,288 エルザ 心配かけたわね もう大丈夫よ! 225 00:15:22,288 --> 00:15:25,458 ほ… 本当に? えぇ。 226 00:15:25,458 --> 00:15:29,128 わたくしの小さなお友達が 治してくださったのよ。 227 00:15:29,128 --> 00:15:31,464 あなたからも お礼を申し上げて。 228 00:15:31,464 --> 00:15:34,233 あっ… ありがとうございます。 229 00:15:34,233 --> 00:15:37,069 この御恩は一生忘れません。 230 00:15:37,069 --> 00:15:39,071 いえ そんな…。 231 00:15:39,071 --> 00:15:42,742 たまたま お薬になるようなものを 持っていただけの話で。 232 00:15:42,742 --> 00:15:48,080 あーたん たまたま万能薬を 持ってる人なんか いないからね。 233 00:15:48,080 --> 00:15:52,752 しかし また他の人間に 仙桃を分けたと知られたら➡ 234 00:15:52,752 --> 00:15:55,755 今度こそ あのお方に 叱られませんかね。 235 00:15:55,755 --> 00:15:57,757 これで2度目ですよ。 236 00:15:57,757 --> 00:16:01,761 まさか! そんな理不尽なお方では ありませんよ。 237 00:16:01,761 --> 00:16:04,764 おや! フッ フフフフ。 238 00:16:04,764 --> 00:16:09,936 さあ ショスタコーヴィッチ卿 最後のレッスンをいたしましょう。 239 00:16:09,936 --> 00:16:13,105 わたくしを ひいては第2皇子殿下を➡ 240 00:16:13,105 --> 00:16:17,944 貶めようとした輩に 目にもの見せてさしあげましてよ。 241 00:16:17,944 --> 00:16:20,947 <鳳蝶:元気になったマリアさんは➡ 242 00:16:20,947 --> 00:16:23,783 本番前の最後のレッスンを終えて…> 243 00:16:23,783 --> 00:16:26,786 それでは またのちほど。 244 00:16:26,786 --> 00:16:28,788 (2人)はい。 あっ! 245 00:16:28,788 --> 00:16:31,791 そうだ マリアさん これを…。 246 00:16:33,726 --> 00:16:36,229 まあ かわいい髪飾り。 247 00:16:38,231 --> 00:16:40,233 大事にいたします。 248 00:16:42,235 --> 00:16:45,071 (鳳蝶)素人の手なぐさみで 申し訳ありませんが。 249 00:16:45,071 --> 00:16:48,274 (マリア)いいえ 珍しいものを ありがとうございます。 250 00:16:50,409 --> 00:16:52,411 では。 251 00:16:56,249 --> 00:16:59,418 ねぇ あーたん あれ何? 252 00:16:59,418 --> 00:17:04,090 精霊が群がって マタタビに酔った 猫みたいになってたんだけど? 253 00:17:04,090 --> 00:17:06,425 精霊 見えるんですか? 254 00:17:06,425 --> 00:17:09,095 鳳蝶くん もしかして あれ…。 255 00:17:09,095 --> 00:17:13,599 姫君から賜わった布で作ったもの ですが…。 256 00:17:13,599 --> 00:17:18,104 はあ~ また君は…。 よくなかったですか? 257 00:17:18,104 --> 00:17:22,108 よくなくはないですけれど… う~ん。 258 00:17:22,108 --> 00:17:26,612 魔術ブーストと状態異常無効が 付与されてるね。 259 00:17:26,612 --> 00:17:29,415 ありがとう あーたん。 260 00:17:31,450 --> 00:17:34,387 ⚟マリア嬢に 毒を盛った者がいるらしいぞ。 261 00:17:34,387 --> 00:17:37,390 ⚟マリア嬢は それで声が出なくなったとか…。 262 00:17:37,390 --> 00:17:39,725 ⚟まあ なんて恐ろしい。 263 00:17:39,725 --> 00:17:43,396 先ほどの件が もう広まっているようですね。 264 00:17:43,396 --> 00:17:46,399 えっ! 短時間で終わったのに➡ 265 00:17:46,399 --> 00:17:49,068 ここまで早く伝わるなんて。 266 00:17:49,068 --> 00:17:53,272 意図的に拡散している人間が いるとみていいでしょうね。 267 00:17:55,241 --> 00:17:59,245 (鳳蝶)シャンデリア… 落ちてきたりしないですよね。 268 00:17:59,245 --> 00:18:03,749 や~だ 怖いこと言わないでよ。 僕も思ったけど…。 269 00:18:03,749 --> 00:18:07,253 一応 落下防止の魔術でも かけておきますか。 270 00:18:07,253 --> 00:18:09,922 うんうん そうしよう。 (ロマノフ/ヴィクトル)えいっ! 271 00:18:09,922 --> 00:18:15,428 ♬~ 272 00:18:15,428 --> 00:18:21,434 (拍手) 273 00:18:21,434 --> 00:18:25,771 《あれが マリアさんの後ろ盾の 第2皇子殿下。 274 00:18:25,771 --> 00:18:29,442 遠くて よく見えないな。 275 00:18:29,442 --> 00:18:33,879 マリアさんに毒を盛った犯人は すでに死んでいる。 276 00:18:33,879 --> 00:18:38,551 だけど あれも 本当に犯人だったかどうか…。 277 00:18:38,551 --> 00:18:41,053 計画が失敗したと知って➡ 278 00:18:41,053 --> 00:18:44,056 すでに二の矢が 放たれているということも…。 279 00:18:44,056 --> 00:18:46,892 疑い出せば キリがない。 280 00:18:46,892 --> 00:18:50,062 マリアさんは 怖くはないんだろうか》 281 00:18:50,062 --> 00:18:53,065 ((目にもの見せて 差し上げましてよ!)) 282 00:18:53,065 --> 00:18:56,402 《鳳蝶:いや… あの人は知っているのだ。 283 00:18:56,402 --> 00:19:00,740 自分のいる場所が どれだけ危険なのかを。 284 00:19:00,740 --> 00:19:05,077 そのうえで 自分と 守るべきお方の誇りをかけて➡ 285 00:19:05,077 --> 00:19:11,083 身ひとつで己の戦場… 舞台に立っている。 286 00:19:11,083 --> 00:19:16,255 どうか姫君の ご加護がありますように…》 287 00:19:16,255 --> 00:19:22,261 ♬~ 288 00:19:22,261 --> 00:19:32,705 ♬「神よ 我らを 守り給え」 289 00:19:32,705 --> 00:19:43,382 ♬「実りある豊かな この地を讃えよ」 290 00:19:43,382 --> 00:19:54,060 ♬「希望の光を 授け給え」 291 00:19:54,060 --> 00:20:04,403 ♬「治世が長く続くよう 何処までも」 292 00:20:04,403 --> 00:20:10,409 ♬「そして帝国よ そは」 293 00:20:10,409 --> 00:20:24,323 ♬「永遠の楽土なり」 294 00:20:26,258 --> 00:20:29,428 (歓声) 295 00:20:29,428 --> 00:20:34,433 <国立劇場のコンサートは 大成功で幕を下ろした> 296 00:20:37,436 --> 00:20:40,606 <名実ともに 帝国一の歌姫となった➡ 297 00:20:40,606 --> 00:20:42,608 マリアさんの楽屋には➡ 298 00:20:42,608 --> 00:20:44,610 彼女をひとめ見ようと➡ 299 00:20:44,610 --> 00:20:48,948 あるいは言葉を交わし あわよくば取り入って➡ 300 00:20:48,948 --> 00:20:54,787 第2皇子殿下へのとりつぎを 願おうとする人々が押し寄せた> 301 00:20:54,787 --> 00:20:59,291 この様子だと 楽屋に近づくのも難しいですね。 302 00:20:59,291 --> 00:21:03,129 特別 中に入れてもらうことは できるだろうけど。 303 00:21:03,129 --> 00:21:06,632 う~ん 他家の人間に 目をつけられるのは➡ 304 00:21:06,632 --> 00:21:08,801 ちょっと困りますしね。 305 00:21:08,801 --> 00:21:11,470 えっと… それじゃあ 私➡ 306 00:21:11,470 --> 00:21:15,307 お手紙を書くので 渡してもらえませんか? 307 00:21:15,307 --> 00:21:18,144 では お願いします。 308 00:21:18,144 --> 00:21:20,813 もちろん。 じゃあ…。 309 00:21:20,813 --> 00:21:22,815 あぁ ヴィクトルさん! 310 00:21:22,815 --> 00:21:25,484 私 大事なことを お伝えそびれていました。 311 00:21:25,484 --> 00:21:28,320 んっ!? 何かあったっけ? 312 00:21:28,320 --> 00:21:31,824 ほら 姫君に ご許可をいただくって。 313 00:21:31,824 --> 00:21:35,261 ((あーたんが姫君から教わった 異世界の曲を➡ 314 00:21:35,261 --> 00:21:38,764 楽譜に起こして 演奏する許可がほしい)) 315 00:21:38,764 --> 00:21:41,433 あぁ! それで どう? 316 00:21:41,433 --> 00:21:43,435 「疾くせよ!」と。 317 00:21:43,435 --> 00:21:46,939 それから それは 自分も望んでいたことだから➡ 318 00:21:46,939 --> 00:21:49,942 別に対価を授けるとも おっしゃっていました。 319 00:21:49,942 --> 00:21:53,779 おっ! ありがとう! すごくうれしいよ! 320 00:21:53,779 --> 00:21:55,948 ぷにゅう~。 321 00:21:55,948 --> 00:21:58,784 それじゃあ 2か月後のレッスンで! 322 00:21:58,784 --> 00:22:00,786 はいっ! 323 00:22:02,788 --> 00:22:04,790 鳳蝶くん。 はい。 324 00:22:04,790 --> 00:22:07,293 君には 見て学んで感じて➡ 325 00:22:07,293 --> 00:22:10,296 考えなければいけないことが たくさんあります。 326 00:22:10,296 --> 00:22:15,134 それは君だけでなく 大勢の人にも言えることですし➡ 327 00:22:15,134 --> 00:22:18,804 私も まだまだ 知らなければならないことがある。 328 00:22:18,804 --> 00:22:20,806 はい。 329 00:22:20,806 --> 00:22:24,310 今日は楽しかったですか? はい とっても! 330 00:22:24,310 --> 00:22:28,314 今日は連れてきてくださって ありがとうございました。 331 00:22:28,314 --> 00:22:32,151 いえいえ これからも いろいろお出かけしましょうね。 332 00:22:32,151 --> 00:22:37,756 でもまあ 今日のところはこれで 課外授業は終了です。 333 00:22:37,756 --> 00:22:41,260 夕食をとって ゆっくり休むとしましょう。 334 00:22:41,260 --> 00:22:43,262 (鳳蝶)はいっ!