1 00:00:34,167 --> 00:00:37,337 (イゴール)悪いね 突然訪ねてきて。 2 00:00:37,337 --> 00:00:39,339 (鳳蝶)いえ。 それで本日は➡ 3 00:00:39,339 --> 00:00:41,341 どういったご用件でしょうか? 4 00:00:41,341 --> 00:00:43,844 (イゴール)お願いしたいことが あってね。 5 00:00:43,844 --> 00:00:47,514 君が マリアという歌姫に作った 髪飾りがあるだろう。 6 00:00:47,514 --> 00:00:50,684 あれを1つ作ってくれない? えっ? 7 00:00:50,684 --> 00:00:53,854 《イゴール様まで?》 (イゴール)どうだろう? 8 00:00:53,854 --> 00:00:55,856 作るのは かまわないのですが➡ 9 00:00:55,856 --> 00:00:59,526 あの髪飾りは 特別な材料で作ってまして。 10 00:00:59,526 --> 00:01:03,196 百華の羽衣だよね。 ご存じでしたか。 11 00:01:03,196 --> 00:01:07,701 それに見合う材料は こちらで用意できるよ。 ハァ…。 12 00:01:07,701 --> 00:01:10,537 《なんだろ このタイミングのよさ。 13 00:01:10,537 --> 00:01:13,040 話がうますぎる》 14 00:01:13,040 --> 00:01:15,042 ふう…。 15 00:01:15,042 --> 00:01:18,211 実は 僕が加護を与えている この国の大貴族が➡ 16 00:01:18,211 --> 00:01:22,382 あの髪飾りを気に入ってさ。 《大貴族?》 17 00:01:22,382 --> 00:01:25,886 よくよく見ると 髪飾りから 百華の気配がするし➡ 18 00:01:25,886 --> 00:01:29,556 作り手は これまた 僕が加護を与えてる君。 19 00:01:29,556 --> 00:01:31,892 すごい偶然じゃない? 20 00:01:31,892 --> 00:01:33,827 これも何かの縁かなって➡ 21 00:01:33,827 --> 00:01:37,164 僕が 一肌脱ごうと お使いに来たってわけ。 22 00:01:37,164 --> 00:01:39,100 《話がうますぎると思った。 23 00:01:39,100 --> 00:01:42,336 あの髪飾りは うまくいけば➡ 24 00:01:42,336 --> 00:01:45,339 菊乃井の産業に なるかもしれない。 25 00:01:45,339 --> 00:01:49,509 やすやすと よその大貴族に 奪われてたまるか》 26 00:01:49,509 --> 00:01:51,511 フフッ。 27 00:01:51,511 --> 00:01:57,017 《将来 ここを治める レグルスくんのためにも。 28 00:01:57,017 --> 00:01:59,019 神様だろうと➡ 29 00:01:59,019 --> 00:02:01,021 抑えつけてくるなら くそくらえだ! 30 00:02:01,021 --> 00:02:04,358 こうなってくると マリアさんの手紙にあった➡ 31 00:02:04,358 --> 00:02:09,029 皇妃殿下が 欲しがっているって いうのも疑わしい》 32 00:02:09,029 --> 00:02:11,031 そんなに警戒しないでよ。 33 00:02:11,031 --> 00:02:13,367 君が 警戒すると 百華が来ちゃうから。 34 00:02:13,367 --> 00:02:16,370 姫君が? なぜですか? 35 00:02:16,370 --> 00:02:18,372 (イゴール)そりゃあ来るさ。 36 00:02:18,372 --> 00:02:20,540 君には 百華の加護が ついてるんだから。 37 00:02:20,540 --> 00:02:23,877 あいつが来ると ややこしくなるから勘弁してよ。 38 00:02:23,877 --> 00:02:26,546 (鳳蝶)ハァ…。 (イゴール)大貴族といったって➡ 39 00:02:26,546 --> 00:02:29,716 君が警戒するような 人物じゃないから。 40 00:02:29,716 --> 00:02:31,885 公爵家の次男坊でね➡ 41 00:02:31,885 --> 00:02:34,988 今 技術者の権利を 保護するための➡ 42 00:02:34,988 --> 00:02:38,158 法整備をしようと 考えてるんだよ。 43 00:02:38,158 --> 00:02:40,494 その適応技術を探してたら➡ 44 00:02:40,494 --> 00:02:42,662 くだんの髪飾りの事を知ってね。 45 00:02:42,662 --> 00:02:46,833 独自のルートで 皇妃に 協力を仰いだそうなんだ。 46 00:02:46,833 --> 00:02:49,836 《やっぱり 偶然じゃ なかったんだ》 47 00:02:49,836 --> 00:02:52,172 君が髪飾りを献上してくれたら➡ 48 00:02:52,172 --> 00:02:55,675 褒美として 技術を 適応技術に登録しようと➡ 49 00:02:55,675 --> 00:02:57,678 予定してるんだよ。 50 00:02:57,678 --> 00:03:01,014 でもさ 君は献上できないでしょ? えっ? 51 00:03:01,014 --> 00:03:05,185 髪飾りを僕に自慢しにきたとき 百華が言ってたもん。 52 00:03:05,185 --> 00:03:08,355 ((百華:見合う 材料がなければ作れぬと➡ 53 00:03:08,355 --> 00:03:11,525 わらわに たんかを切りおった。 ホホホ…。 54 00:03:11,525 --> 00:03:14,695 一流の作り手とは こうでなくてはのう)) 55 00:03:14,695 --> 00:03:17,197 《3人:たんか!?》 56 00:03:17,197 --> 00:03:21,034 え~ また百華の思い込み? まぁ いいや。 57 00:03:21,034 --> 00:03:23,703 とにかく話を聞くかぎり➡ 58 00:03:23,703 --> 00:03:26,206 君は 気難しい 職人のようだからさ。 59 00:03:26,206 --> 00:03:29,042 《いやいや いやいや どこの人間国宝ですか》 60 00:03:29,042 --> 00:03:31,044 それで 僕が事前に➡ 61 00:03:31,044 --> 00:03:33,980 協力要請に きたってわけなんだけど。 62 00:03:33,980 --> 00:03:36,316 もっと ストレートに お願いすればよかったね。 63 00:03:36,316 --> 00:03:38,318 ごめん ごめん。 64 00:03:38,318 --> 00:03:40,821 いえ こちらこそ疑いすぎました。 65 00:03:40,821 --> 00:03:43,156 君が そんなに警戒するほど➡ 66 00:03:43,156 --> 00:03:45,826 大貴族の搾取は ひどいんだろうね。 67 00:03:45,826 --> 00:03:50,664 まぁ ロマノフ先生の座学での 聞きかじり程度ですが…。 68 00:03:50,664 --> 00:03:52,666 (イゴール)けどね➡ 69 00:03:52,666 --> 00:03:56,670 その貴族の次男坊は 典型的 庶民感覚を持ってる。 70 00:03:56,670 --> 00:03:58,672 世界をよりよくするためには➡ 71 00:03:58,672 --> 00:04:01,174 平民も皆 豊かにならなければ。 72 00:04:01,174 --> 00:04:04,010 君と同じように考えてる。 73 00:04:04,010 --> 00:04:06,680 貴族が 平民から 搾取するだけなら➡ 74 00:04:06,680 --> 00:04:09,349 強制的に 還元させるよりほかない。 75 00:04:09,349 --> 00:04:13,520 この法律は その初手になるだってさ。 76 00:04:13,520 --> 00:04:15,522 搾取するような人間じゃない。 77 00:04:15,522 --> 00:04:19,192 そのへんは安心していいと思うよ。 (鳳蝶)はい。 78 00:04:19,192 --> 00:04:21,528 《確かに悪い話じゃない。 79 00:04:21,528 --> 00:04:24,865 つまみ細工を はやらせて 需要を大きくできるなら➡ 80 00:04:24,865 --> 00:04:27,367 むしろ渡りに船だ》 81 00:04:27,367 --> 00:04:30,537 (イゴール)じゃ 決まりだね。 (鳳蝶)はい。 82 00:04:30,537 --> 00:04:33,306 (3人)神様と商談成立! 83 00:04:33,306 --> 00:04:37,144 材料は 後日。 それから協力者ということで➡ 84 00:04:37,144 --> 00:04:40,313 君の家の存在も 皇帝や皇妃に知らせるよう➡ 85 00:04:40,313 --> 00:04:43,517 あいつに伝えておこう。 ありがとうござい…。 86 00:04:45,819 --> 00:04:49,156 ハッ! いえ 家名を売られては困ります! 87 00:04:49,156 --> 00:04:53,160 えっ なんで? 私 親とは絶縁状態なんで。 88 00:04:53,160 --> 00:04:55,662 お金になりそうなことを してるって バレたら➡ 89 00:04:55,662 --> 00:04:57,664 取り上げられちゃう。 90 00:04:57,664 --> 00:05:00,834 (イゴール)おぉ 心温まらない話だね。 91 00:05:00,834 --> 00:05:06,339 それじゃあ どうする? それは…。 92 00:05:06,339 --> 00:05:08,842 会社を興します。 93 00:05:08,842 --> 00:05:10,844 (ラーラ)へぇ。 94 00:05:10,844 --> 00:05:13,246 (レグルス)かいちゃ? 95 00:06:54,147 --> 00:06:56,816 まだ明確ではありませんが➡ 96 00:06:56,816 --> 00:07:00,654 地元の人を 職人として育成するんです。 97 00:07:00,654 --> 00:07:02,656 会社が大きくなったら➡ 98 00:07:02,656 --> 00:07:05,158 事務仕事にも 地元の人間を雇えば➡ 99 00:07:05,158 --> 00:07:10,664 それが領民たちの職となって 還元できるかなと。 100 00:07:10,664 --> 00:07:12,666 《い 勢いで言っちゃったけど➡ 101 00:07:12,666 --> 00:07:14,668 事業計画も資金もない。 102 00:07:14,668 --> 00:07:17,504 ちょっと 恥ずかしくなってきたぞ》 103 00:07:17,504 --> 00:07:19,506 その意気やよし だよ。 104 00:07:19,506 --> 00:07:22,842 そうだな とりあえず 会社名を決めちゃいなよ。 105 00:07:22,842 --> 00:07:26,346 そっちを宣伝するから。 (鳳蝶)か 会社名? 106 00:07:26,346 --> 00:07:29,683 (イゴール)あと資金? それもなんとかなるだろうしさ。 107 00:07:29,683 --> 00:07:31,685 えっ えっ? 108 00:07:31,685 --> 00:07:35,121 それ ひらめいたとき 商機って思ったんでしょ? 109 00:07:35,121 --> 00:07:37,123 なら大丈夫。 110 00:07:37,123 --> 00:07:41,962 僕の加護が きっちりお仕事するさ。 111 00:07:41,962 --> 00:07:43,964 なんだっけ こういうの。 112 00:07:43,964 --> 00:07:48,468 そうそう バタフライ・エフェクトだっけ? 113 00:07:48,468 --> 00:07:51,805 バター エフェク… ト? 114 00:07:51,805 --> 00:07:54,140 (奏)神様 それどういう意味だ? 115 00:07:54,140 --> 00:07:57,310 ここで蝶が羽ばたくと 世界の裏側では➡ 116 00:07:57,310 --> 00:07:59,979 嵐が起こるかもしれないって 意味らしいよ。 117 00:07:59,979 --> 00:08:01,981 よく わかんないなぁ。 118 00:08:01,981 --> 00:08:04,484 つまり 小さなことが 巡り巡って➡ 119 00:08:04,484 --> 00:08:06,820 大きくなるってことだね。 120 00:08:06,820 --> 00:08:09,322 僕からしたら 彼につけた加護なんて➡ 121 00:08:09,322 --> 00:08:11,991 まさに ちょうちょの 羽ばたきくらいに小さい。 122 00:08:11,991 --> 00:08:15,995 だけど この国でそれが 大きなうねりになろうとしてる。 123 00:08:15,995 --> 00:08:17,998 ふ~ん。 124 00:08:17,998 --> 00:08:19,100 《バタフライ・エフェクト。 125 00:08:19,100 --> 00:08:22,836 前世の記憶にある カオス理論の一種だ。 126 00:08:22,836 --> 00:08:26,172 こっちの世界にも そんな理論があるんだ》 127 00:08:26,172 --> 00:08:29,843 (ヴィクトル)アリョーシャ バタフライ・エフェクトって知ってる? 128 00:08:29,843 --> 00:08:33,279 (ロマノフ)いや ラーラは? 聞いたこともないね。 129 00:08:33,279 --> 00:08:35,782 えっ? あぁ 気にしないで。 130 00:08:35,782 --> 00:08:39,619 これ 異世界の理論らしいから。 《なんですと!?》 131 00:08:39,619 --> 00:08:43,123 異世界ですか? 話してた次男坊ね➡ 132 00:08:43,123 --> 00:08:46,126 生まれつき 異世界の記憶があるらしくて。 133 00:08:46,126 --> 00:08:48,294 《なんですと!》 134 00:08:48,294 --> 00:08:50,630 なんか そういうこと 話してたなって➡ 135 00:08:50,630 --> 00:08:52,632 今 思い出した。 136 00:08:52,632 --> 00:08:55,135 《なんてこった。 それってつまり➡ 137 00:08:55,135 --> 00:08:58,805 私と同じように 前世の記憶があるってこと? 138 00:08:58,805 --> 00:09:00,807 他にもいるんだ》 139 00:09:03,309 --> 00:09:07,147 (鳳蝶)これを次男坊さんに お渡し願えますか? 140 00:09:07,147 --> 00:09:09,315 これは? カレー粉といいます。 141 00:09:09,315 --> 00:09:12,819 使い方は 蓋に添えた 紙に書いてあります。 142 00:09:12,819 --> 00:09:16,990 《こちらの言葉と そして日本語で》 143 00:09:16,990 --> 00:09:18,992 異世界の知恵がある方なら➡ 144 00:09:18,992 --> 00:09:22,162 これの使い方が わかるはずですので。 145 00:09:22,162 --> 00:09:24,664 《もし 同じ世界の 記憶を持ってるなら➡ 146 00:09:24,664 --> 00:09:26,100 もっと協力 しあえるかもしれない。 147 00:09:26,100 --> 00:09:30,670 同じ日本人で 前世の年代が近いなら➡ 148 00:09:30,670 --> 00:09:33,440 なお ありがたいんだけど》 149 00:09:33,440 --> 00:09:37,777 カレー うまいよな。 あい おいち! 150 00:09:37,777 --> 00:09:42,449 ふ~ん 引き受けたよ。 それから会社名ですが➡ 151 00:09:42,449 --> 00:09:46,453 Effet-Papillon。 Effet-Papillon? 152 00:09:46,453 --> 00:09:49,456 (鳳蝶)異世界の言語で バタフライ・エフェクトをさします。 153 00:09:49,456 --> 00:09:51,791 それもお伝えください。 154 00:09:51,791 --> 00:09:54,494 心得た。 ではまた後日。 155 00:09:56,463 --> 00:09:58,965 (みんな)ハァ…。 156 00:09:58,965 --> 00:10:02,469 (宇都宮)あの 大丈夫なんですか? 157 00:10:02,469 --> 00:10:04,971 神様をパシらせるなんて。 158 00:10:04,971 --> 00:10:06,973 (ヴィクトル)あ… 大丈夫だと思うよ。 159 00:10:06,973 --> 00:10:09,976 《今日は たくさん考えたな。 160 00:10:09,976 --> 00:10:12,812 なんだか 頭が…。 161 00:10:12,812 --> 00:10:15,148 あっ ヤバ…》 162 00:10:15,148 --> 00:10:17,150 鳳蝶くん! (ロッテンマイヤー)タオル濡らしてきて! 163 00:10:17,150 --> 00:10:19,152 (宇都宮)はい! (レグルス)にぃに? にぃに! 164 00:10:21,321 --> 00:10:24,824 《やっちゃった また倒れちゃった。 165 00:10:24,824 --> 00:10:29,028 やっぱり難しいことを考えて 興奮しちゃうと だめみたい。 166 00:10:31,498 --> 00:10:33,500 おっ。 まんまるちゃん。 167 00:10:33,500 --> 00:10:35,502 眉間にしわが寄ってるよ。 168 00:10:35,502 --> 00:10:38,171 リラックスして。 ひゃい。 169 00:10:38,171 --> 00:10:40,340 肥満による肩こりと冷え性➡ 170 00:10:40,340 --> 00:10:42,342 そして そこからくる偏頭痛➡ 171 00:10:42,342 --> 00:10:45,345 こうやって マッサージすれば 血行がよくなって➡ 172 00:10:45,345 --> 00:10:49,682 ずいぶん マシになるよ。 ふぁい ありがとうございます。 173 00:10:49,682 --> 00:10:52,519 (ラーラ)ねぇ さっきのイゴール様との 話だけど➡ 174 00:10:52,519 --> 00:10:55,688 君は 何がしたいのかな。 えっ? 175 00:10:55,688 --> 00:10:58,024 会社を興し 自領民に職を与え➡ 176 00:10:58,024 --> 00:11:01,528 法によって 技術者を保護するだっけ? 177 00:11:01,528 --> 00:11:03,863 はい。 つまり君は➡ 178 00:11:03,863 --> 00:11:07,033 その技術を 独占するつもりなのかい? 179 00:11:07,033 --> 00:11:09,202 いえ 逆にむしろ➡ 180 00:11:09,202 --> 00:11:11,871 技術は 広めて もらいたいと思ってますよ。 181 00:11:11,871 --> 00:11:15,708 そのために 技術者を守る 法律が必要なんです。 182 00:11:15,708 --> 00:11:17,710 (ラーラ)ふ~ん。 183 00:11:17,710 --> 00:11:19,879 姫君から聞いた話なんですが➡ 184 00:11:19,879 --> 00:11:24,384 異世界に ヴェネツィアングラスという 美しいガラス工芸があって➡ 185 00:11:24,384 --> 00:11:27,053 その技術が 他国に漏れ出し➡ 186 00:11:27,053 --> 00:11:30,056 模造品を作られることを 恐れた権力者は➡ 187 00:11:30,056 --> 00:11:33,326 職人たちを 1つの島に移住させ➡ 188 00:11:33,326 --> 00:11:36,162 出入りを 厳しく監視したそうです。 189 00:11:36,162 --> 00:11:39,999 それでも職人が 無理やり 連れ去られることがあったとか。 190 00:11:39,999 --> 00:11:42,669 私は 菊乃井の職人たちを➡ 191 00:11:42,669 --> 00:11:45,838 島に閉じ込めるなんてことは したくありません。 192 00:11:45,838 --> 00:11:48,675 強制的に連れ去るなんて 絶対に許さない。 193 00:11:48,675 --> 00:11:52,345 どんな相手とだって 戦ってみます。 194 00:11:52,345 --> 00:11:55,348 でも その前に 最初から技術を広めて➡ 195 00:11:55,348 --> 00:11:57,850 法によって すべての職人に➡ 196 00:11:57,850 --> 00:12:00,019 利益が 還元されるようにしておけば➡ 197 00:12:00,019 --> 00:12:03,189 不毛な争いを せずにすむでしょう? 198 00:12:03,189 --> 00:12:07,026 なるほどねぇ。 まんまるちゃんて 結構ただものじゃないね。 199 00:12:07,026 --> 00:12:09,696 えっ? 200 00:12:09,696 --> 00:12:15,201 ありがとうございます。 肩が めっちゃ軽くなりました。 201 00:12:15,201 --> 00:12:17,870 レグルスくん。 にぃに 終わった? 202 00:12:17,870 --> 00:12:21,541 ひよこちゃん それはなんだい? 短いマフラーだねぇ。 203 00:12:21,541 --> 00:12:24,544 フワフワ にぃにが作ったの。 204 00:12:24,544 --> 00:12:29,048 (鳳蝶)ネックウォーマーといって ボタンでとめて使う防寒具なんです。 205 00:12:29,048 --> 00:12:32,318 へぇ 菊乃井領には そんなのがあるんだ。 206 00:12:32,318 --> 00:12:35,488 ねぇよ。 俺 町にはよく行くけど➡ 207 00:12:35,488 --> 00:12:37,991 そんなの売ってるの みたことねえもん。 208 00:12:37,991 --> 00:12:42,161 ほお… ということは まんまるちゃんのオリジナルだね。 209 00:12:42,161 --> 00:12:44,330 あっ いや…。 210 00:12:44,330 --> 00:12:48,001 《前世の記憶から 引っ張り出したものなんだけど》 211 00:12:48,001 --> 00:12:52,672 これ今度 僕にも作ってよ。 えっ もちろんかまいませんが。 212 00:12:52,672 --> 00:12:55,341 マフラーは 戦闘中に 引っかかったりして➡ 213 00:12:55,341 --> 00:12:58,177 邪魔なんだよね。 戦闘? 214 00:12:58,177 --> 00:13:00,179 言ってなかったっけ。 215 00:13:00,179 --> 00:13:03,683 僕も教師をやってないときは 冒険者なんだ。 216 00:13:03,683 --> 00:13:05,685 (3人)お~っ。 217 00:13:05,685 --> 00:13:07,687 なんか かっこいい。 いい いい! 218 00:13:07,687 --> 00:13:10,289 《わかる わかるよ!》 219 00:13:13,526 --> 00:13:18,197 (ロッテンマイヤー)若様 会社を興すという お話ですが。 はい。 220 00:13:18,197 --> 00:13:22,368 若様のお命が危険になるような ことは ないでしょうか。 221 00:13:22,368 --> 00:13:24,370 そんな大げさな。 222 00:13:24,370 --> 00:13:26,372 (ロマノフ)大げさでもないですよ。 えっ? 223 00:13:26,372 --> 00:13:29,375 利権絡みで 損害を被る家があれば➡ 224 00:13:29,375 --> 00:13:32,478 強硬手段に出てくる 者もあるでしょう。 225 00:13:32,478 --> 00:13:34,480 えっ そこまで? 226 00:13:34,480 --> 00:13:37,817 既得利権にしがみつく 旧態依然とした家➡ 227 00:13:37,817 --> 00:13:39,819 しかも大きな家だと➡ 228 00:13:39,819 --> 00:13:43,990 平民を虫か 雑草程度にしか 思っていないところもある。 229 00:13:43,990 --> 00:13:48,327 そんな人間が 平民と同じ テーブルで商談をするなど➡ 230 00:13:48,327 --> 00:13:51,164 屈辱と侮辱を与えられたも同然。 231 00:13:51,164 --> 00:13:55,668 そういう方向からの思わぬ恨みを 買うこともあるでしょうね。 232 00:13:55,668 --> 00:13:57,837 《なんですと!》 233 00:13:57,837 --> 00:13:59,839 ふう…。 234 00:13:59,839 --> 00:14:03,342 《まったく この世界の 大貴族ってやつは…。 235 00:14:03,342 --> 00:14:06,346 平民も貴族も同じ人間なのに》 236 00:14:06,346 --> 00:14:09,182 (ヴィクトル)もし その法律に 菊乃井が関わって➡ 237 00:14:09,182 --> 00:14:11,184 矢面に立たされるなら➡ 238 00:14:11,184 --> 00:14:13,186 僕たちが あーたんのそばにいるって➡ 239 00:14:13,186 --> 00:14:15,521 公表したらいいんじゃない? うん。 240 00:14:15,521 --> 00:14:18,858 それが いちばんの 抑止力かもしれませんね。 うん。 241 00:14:18,858 --> 00:14:20,860 ありがとうございます。 242 00:14:20,860 --> 00:14:24,864 《ともあれ 蝶は羽ばたいた。 243 00:14:24,864 --> 00:14:27,700 資本金や 準備資金はどう融通しよう。 244 00:14:27,700 --> 00:14:30,870 職人を養成するなら 技術をマニュアルに落として➡ 245 00:14:30,870 --> 00:14:34,073 整理しておかなきゃ。 企画書も必要かな》 246 00:14:37,477 --> 00:14:40,313 にぃに おなか減ってる? へっ? 247 00:14:40,313 --> 00:14:43,483 ううん おなかはすいてないよ。 248 00:14:43,483 --> 00:14:45,485 えっ 何? 249 00:14:45,485 --> 00:14:48,154 れーの! れーの にぃにのおなかがぺったん! 250 00:14:48,154 --> 00:14:50,156 (宇都宮)い いけませんレグルス様! 251 00:14:50,156 --> 00:14:52,825 最近 若様がお痩せになったから➡ 252 00:14:52,825 --> 00:14:56,162 レグルス様の好きな ぽよんぽよんの おなかがなくなって➡ 253 00:14:56,162 --> 00:14:58,831 危機感が 芽生えてらっしゃるんです。 254 00:14:58,831 --> 00:15:02,835 へっ? 痩せた!? 255 00:15:02,835 --> 00:15:06,839 痩 せ た! 256 00:15:06,839 --> 00:15:09,175 これから まだ痩せるよ。 257 00:15:09,175 --> 00:15:12,845 やあ~っ 減っちゃや~だ! 258 00:15:12,845 --> 00:15:17,850 へへへ… 白豚から痩せ えへ えへへへ。 259 00:15:17,850 --> 00:15:20,353 へへへへ…。 260 00:15:22,855 --> 00:15:26,192 んっ? にぃに 減らさないで。 261 00:15:26,192 --> 00:15:28,528 あぁ そうきたか ひよこちゃん。 262 00:15:28,528 --> 00:15:32,465 さすがのラーラも 泣く子には弱いよね。 263 00:15:32,465 --> 00:15:35,301 (ラーラ)ひよこちゃん それはできない。 264 00:15:35,301 --> 00:15:39,472 あんな 痩せないと兄ちゃん 病気になりやすいんだよ。 265 00:15:39,472 --> 00:15:41,674 また倒れたら嫌だろ? 266 00:15:43,643 --> 00:15:46,646 や~。 じゃあ我慢しないとな。 267 00:15:46,646 --> 00:15:49,482 あい。 268 00:15:49,482 --> 00:15:52,985 《やだ~。 奏くんたらいいお兄ちゃん》 269 00:15:52,985 --> 00:15:56,155 若様。 俺にできることあるか? 270 00:15:56,155 --> 00:15:58,157 へっ? 何か俺に➡ 271 00:15:58,157 --> 00:16:00,159 手伝えることがあったら 言ってくれよ。 272 00:16:00,159 --> 00:16:04,497 あるよ。 ううん 今も頑張ってくれてると思う。 273 00:16:04,497 --> 00:16:06,499 俺 なんもしてないぞ。 274 00:16:06,499 --> 00:16:09,502 ううん たくさん勉強してくれてる。 275 00:16:09,502 --> 00:16:11,504 奏くんが 勉強して➡ 276 00:16:11,504 --> 00:16:13,840 魔術を使いこなせるように なったときに➡ 277 00:16:13,840 --> 00:16:15,842 私や レグルスくんを助けて➡ 278 00:16:15,842 --> 00:16:18,344 この菊乃井を裕福にできたら➡ 279 00:16:18,344 --> 00:16:21,347 みんなが勉強の 大切さに気づいて➡ 280 00:16:21,347 --> 00:16:24,517 自分も勉強したい 子どもにも勉強させたいと➡ 281 00:16:24,517 --> 00:16:27,854 考えてくれるように なると思うんだ。 282 00:16:27,854 --> 00:16:32,291 う~ん つまり俺が勉強 たくさんして出世したら➡ 283 00:16:32,291 --> 00:16:35,127 若様が助かるってことか? うん。 284 00:16:35,127 --> 00:16:38,464 わかった 任せとけ。 285 00:16:38,464 --> 00:16:40,633 キシシッ。 286 00:16:40,633 --> 00:16:45,304 奏くん大好き! 俺も若様のこと大好きだぞ! 287 00:16:45,304 --> 00:16:48,808 あっ れーもれーも にぃに大好き! 288 00:16:48,808 --> 00:16:51,811 入れて れーも! 289 00:16:51,811 --> 00:16:54,313 《友情万歳》 (咳払い) 290 00:16:54,313 --> 00:16:56,315 んっ? (ラーラ)でね まんまるちゃん。 291 00:16:56,315 --> 00:16:58,317 資金のことなんだけど➡ 292 00:16:58,317 --> 00:17:00,319 そこで ぶすくれてる 帝国認定英雄が➡ 293 00:17:00,319 --> 00:17:03,155 出してくれるって。 別にぶすくれては…。 294 00:17:03,155 --> 00:17:06,826 もちろん 僕とヴィーチャも出資するよ。 うん。 295 00:17:06,826 --> 00:17:09,996 本当ですか!? ただし ネックウォーマー➡ 296 00:17:09,996 --> 00:17:12,665 あれを Effet-Papillonで作ってよ。 297 00:17:12,665 --> 00:17:17,670 もちろん材料は提供するからさ。 任せてください! 298 00:17:17,670 --> 00:17:20,840 《おおう これは絶対 手を抜けない》 299 00:17:20,840 --> 00:17:23,042 気合い入れていくぞ! 300 00:17:26,012 --> 00:17:28,681 (百華)む~。 301 00:17:28,681 --> 00:17:33,452 《ご ご機嫌斜めだ。 ものすごく》 イゴールのやつめ。 302 00:17:33,452 --> 00:17:37,123 わらわを通さず あやつは何様のつもりなのじゃ。 303 00:17:37,123 --> 00:17:40,126 そなたは わらわの臣なのじゃぞ! 304 00:17:40,126 --> 00:17:42,128 そなたも そなたじゃ! 305 00:17:42,128 --> 00:17:44,630 もっと高く 売りつけてやればよいものを! 306 00:17:44,630 --> 00:17:47,633 で でも 立法に関わる面倒ごとを➡ 307 00:17:47,633 --> 00:17:50,469 すべて請け負って くださるわけですし。 308 00:17:50,469 --> 00:17:52,471 おつりが くるのではないかと。 309 00:17:52,471 --> 00:17:54,473 ふん! まぁよいわ。 310 00:17:54,473 --> 00:17:57,977 そなたが 必要だと思うたなら そうなのだろう。 311 00:17:57,977 --> 00:18:01,981 早う領内を富ませて わらわにミュージカルを見せよ。 312 00:18:01,981 --> 00:18:03,983 心得ております。 313 00:18:03,983 --> 00:18:07,153 《あれ? こんな時期に薔薇が?》 314 00:18:07,153 --> 00:18:11,824 姫様 お花咲いてる。 きれい。 315 00:18:11,824 --> 00:18:14,493 これは いかんな。 316 00:18:14,493 --> 00:18:18,164 イゴールに請われたゆえ これをそなたに授ける。 317 00:18:18,164 --> 00:18:20,100 はなむけじゃ。 好きに使うがよい。 318 00:18:20,100 --> 00:18:24,003 はなむけとは? 319 00:18:24,003 --> 00:18:27,506 今日よりわらわは 天上に帰り 地上に現れぬ。 320 00:18:30,009 --> 00:18:33,279 な なぜですか? 私が何かしましたか? 321 00:18:33,279 --> 00:18:36,282 姫様 もう会えないの? 322 00:18:36,282 --> 00:18:39,285 落ち着け。 春になれば また降りてくる。 323 00:18:39,285 --> 00:18:41,787 春…。 見やれ。 324 00:18:41,787 --> 00:18:43,789 わらわが地上におると➡ 325 00:18:43,789 --> 00:18:45,958 ああして わらわの目を楽しませようと➡ 326 00:18:45,958 --> 00:18:48,961 季節でもない 草木までもが花を咲かせる。 327 00:18:48,961 --> 00:18:50,963 (鳳蝶)あぁ…。 328 00:18:50,963 --> 00:18:52,965 しかし それは花の命を削る。 329 00:18:52,965 --> 00:18:56,636 ゆえに 冬は地上におらぬように しておるのよ。 330 00:18:56,636 --> 00:19:01,140 冬に咲く花は 天上に招いてめでておる。 331 00:19:01,140 --> 00:19:06,145 《花が気を遣わないように。 でも…》 332 00:19:09,148 --> 00:19:12,151 そのような途方に暮れた 顔をするでないわ。 333 00:19:12,151 --> 00:19:15,655 春になれば また 戻ると言うておろうに。 334 00:19:15,655 --> 00:19:18,324 でも 寂しくなります。 335 00:19:18,324 --> 00:19:21,994 (百華)顔を上げよ。 336 00:19:21,994 --> 00:19:26,165 おっ そなたも年相応に 駄々をこねるのじゃなあ➡ 337 00:19:26,165 --> 00:19:28,167 珍しいものを見た。 338 00:19:28,167 --> 00:19:32,438 まっ そこまで慕われれば 悪い気はせぬのう。 339 00:19:32,438 --> 00:19:34,640 近う 額を出せ。 340 00:19:40,446 --> 00:19:43,949 わらわが おらぬ間に なんじらに災難が訪れぬよう➡ 341 00:19:43,949 --> 00:19:46,252 厄除けしてしんぜる。 342 00:19:49,955 --> 00:19:53,626 花鈿という魔除けの化粧よ。 わらわが描いたのじゃ➡ 343 00:19:53,626 --> 00:19:55,795 魔王でも避けて通るぞえ。 344 00:19:55,795 --> 00:19:58,464 えっ 魔王なんているんですか!? 345 00:19:58,464 --> 00:20:02,968 おるとも。 おるが まぁ害はない。 346 00:20:02,968 --> 00:20:05,137 《ないんだ》 347 00:20:05,137 --> 00:20:08,140 魔王なんぞより そなたが 気をつけなければならぬのは➡ 348 00:20:08,140 --> 00:20:11,143 同じ人間であろう。 349 00:20:11,143 --> 00:20:14,647 神の加護が あるゆえ 大抵のことはなんとでもなる。 350 00:20:14,647 --> 00:20:17,483 しかし そなたの周りの人間は➡ 351 00:20:17,483 --> 00:20:20,319 そなたが 守ってやらねばならぬぞ。 352 00:20:20,319 --> 00:20:22,988 エルフの3人は強かろう。 353 00:20:22,988 --> 00:20:26,826 じゃがその他 身の回りを 整える従者たちにまでは➡ 354 00:20:26,826 --> 00:20:29,662 手が及ぶまいよ。 355 00:20:29,662 --> 00:20:32,998 これから そなたが相手にせねば ならぬ古狸どもは➡ 356 00:20:32,998 --> 00:20:36,001 弱いところに手を伸ばすぞ。 357 00:20:36,001 --> 00:20:39,672 魑魅魍魎を 相手にとるのじゃと心得よ。 358 00:20:39,672 --> 00:20:44,844 《姫君は 上に立つ者の覚悟を 私に説いてくださっているんだ》 359 00:20:44,844 --> 00:20:48,013 はい。 (百華)手を出せ。 360 00:20:48,013 --> 00:20:50,716 はい。 覚悟を持て。 361 00:20:54,019 --> 00:20:58,190 (百華)わらわの守り刀じゃ 貸しておくゆえ春には返せ。 362 00:20:58,190 --> 00:21:00,192 しかし抜くな。 363 00:21:00,192 --> 00:21:02,194 この屋敷の大将は そなたぞ。 364 00:21:02,194 --> 00:21:06,532 そなたが 自ら刀を振るわねば ならぬような状況は➡ 365 00:21:06,532 --> 00:21:09,702 すでに そなたの負けを意味しておる。 366 00:21:09,702 --> 00:21:12,037 そこに至るまでに手を打て。 367 00:21:12,037 --> 00:21:14,039 はい 承知いたしました! 368 00:21:16,375 --> 00:21:20,045 では しばしの別れじゃ。 春まで息災でな。 369 00:21:20,045 --> 00:21:23,549 あっ 姫君! なんじゃ未練な。 370 00:21:23,549 --> 00:21:26,385 いえ いただいた はなむけのお礼を。 371 00:21:26,385 --> 00:21:29,388 歌をささげても よろしいでしょうか? 372 00:21:29,388 --> 00:21:32,591 ふっ 苦しうないぞ。 373 00:21:35,494 --> 00:21:44,170 ♬「童はみたり 野なかの薔薇」 374 00:21:44,170 --> 00:21:53,512 ♬「清らに咲ける その色愛でつ」 375 00:21:53,512 --> 00:21:57,683 ♬「飽かずながむ」 376 00:21:57,683 --> 00:22:09,028 ♬「紅におう 野なかの薔薇」 377 00:22:09,028 --> 00:22:11,530 ♬「手折りて」 378 00:22:11,530 --> 00:22:16,702 《手の中にある重みは 刀だけの重みではない。 379 00:22:16,702 --> 00:22:19,538 この方が 春に お戻りになるまでに➡ 380 00:22:19,538 --> 00:22:27,046 私は 何か少しでも 成長できているだろうか》 381 00:22:27,046 --> 00:22:36,155 ♬「君を刺さん 紅におう」 382 00:22:36,155 --> 00:22:41,160 ♬「野なかの薔薇」