1 00:00:01,134 --> 00:00:09,109 ♬~ 2 00:01:37,130 --> 00:01:39,166 (小佐内ゆき)それで どうなったの? 3 00:01:39,166 --> 00:01:41,168 (小鳩常悟朗)片付いたよ→ 4 00:01:41,168 --> 00:01:43,136 健吾がやった。 5 00:01:43,136 --> 00:01:46,139 放火犯は誰だったの? 6 00:01:46,139 --> 00:01:49,142 誰だっていうのは まだ ちょっと…。 7 00:01:49,142 --> 00:01:51,144 予想はできてるけど。 8 00:01:51,144 --> 00:01:53,146 絞り込んだのね。 9 00:01:53,146 --> 00:01:55,148 40人ほどまでは。 10 00:01:55,148 --> 00:01:59,152 そこから先は 情報屋のおかげかな。 11 00:01:59,152 --> 00:02:02,155 教えて。 まあ いつかね。 12 00:02:02,155 --> 00:02:07,127 話して お願い。 今夜 全部済ませたいから。 13 00:02:10,130 --> 00:02:13,133 じゃあ 簡単に…。 14 00:02:13,133 --> 00:02:18,138 今年の2月 僕の家の近くで放火があった。 15 00:02:19,106 --> 00:02:23,143 その車は 北条さんのだった。 16 00:02:23,143 --> 00:02:28,115 覚えてる? 去年の夏 小佐内さんを拉致したグループの一人。 17 00:02:28,115 --> 00:02:30,150 えっ? そこからだったの? 18 00:02:30,150 --> 00:02:34,121 あっ やっぱり 知ってはいたんだ。 19 00:02:34,121 --> 00:02:37,124 あれは ただのゴミだから 狙われたんであって→ 20 00:02:37,124 --> 00:02:40,093 持ち主は関係なかったみたいだね。 21 00:02:41,128 --> 00:02:45,132 それで ちょっと興味を持って 健吾と話をしたら→ 22 00:02:45,132 --> 00:02:49,136 小佐内さんが新聞部に介入してるって わかってね。 23 00:02:49,136 --> 00:02:51,104 介入…。 24 00:02:51,104 --> 00:02:53,106 まあ 言い方は ともかく…。 25 00:02:55,108 --> 00:03:00,113 健吾から連続放火を追ってる部員の名前が 瓜野だってことや→ 26 00:03:00,113 --> 00:03:06,119 彼が この町の防災計画が事件に関係してると 思ってることなんかを聞いた。 27 00:03:09,122 --> 00:03:14,127 (小鳩の声)葉前 西森 小指 茜辺。 28 00:03:14,127 --> 00:03:18,131 偶然起きただろう この4件の放火の共通点を→ 29 00:03:18,131 --> 00:03:20,133 懸命に探した瓜野くんは→ 30 00:03:20,133 --> 00:03:24,137 消防署が出してる防災計画に たどり着いた。 31 00:03:26,106 --> 00:03:28,141 (小鳩の声)一連の連続放火は→ 32 00:03:28,141 --> 00:03:32,112 そこに書かれた消防分署の 管轄区域の逆順で起きてる。 33 00:03:35,115 --> 00:03:37,117 あっ…。 34 00:03:37,117 --> 00:03:39,152 (小鳩の声)その予想を元に 記事を書いたら→ 35 00:03:39,152 --> 00:03:42,122 そのとおりに事件が起きてしまった。 36 00:03:42,122 --> 00:03:47,127 仮説が事実によって裏づけられたように 感じただろうね。 37 00:03:47,127 --> 00:03:51,131 でも 僕は ちょっと妙に思った。 38 00:03:51,131 --> 00:03:56,136 放火犯が消防分署の管轄を 意識してるだなんて…。 39 00:03:56,136 --> 00:03:59,139 で 図書館で確認した。 40 00:03:59,139 --> 00:04:05,145 去年から5年前までの防災計画には 分署の管轄が書いてない。 41 00:04:05,145 --> 00:04:09,149 7年以上前は 小指分署が存在してない。 42 00:04:09,149 --> 00:04:15,155 瓜野くんの説に従えば 放火犯が参考にしたのは…→ 43 00:04:15,155 --> 00:04:20,160 6年前の防災計画ということになる。 44 00:04:20,160 --> 00:04:24,131 ただでさえ無理っぽい仮定に 限定が加わった。 45 00:04:24,131 --> 00:04:29,136 こうなれば 防災計画説は諦めたほうがいい。 46 00:04:29,136 --> 00:04:34,141 むしろ 『月報船戸』説のほうが自然だ。 47 00:04:34,141 --> 00:04:37,144 つまり 犯人は船高の生徒で→ 48 00:04:37,144 --> 00:04:42,115 瓜野くんが書いた記事を見て 次の犯行現場を決めてたという説。 49 00:04:43,150 --> 00:04:48,121 だとしたら すぐに記事を止めなきゃならない。 50 00:04:48,121 --> 00:04:51,158 健吾に話せば可能だ。 51 00:04:51,158 --> 00:04:55,128 ただ それで犯行が止まるかな? 52 00:04:55,128 --> 00:04:58,131 そこで 五日市くん。 53 00:04:58,131 --> 00:05:00,133 彼に協力してもらった。 54 00:05:00,133 --> 00:05:02,169 そう…。 55 00:05:02,169 --> 00:05:06,139 4月までは 門地くんが 情報源になってくれたんだけど→ 56 00:05:06,139 --> 00:05:10,143 小鳩くんもスパイを送り込んでたなんて…。 57 00:05:10,143 --> 00:05:13,146 彼に 瓜野くんの仕事ぶりを聞いたら→ 58 00:05:13,146 --> 00:05:15,148 連続放火にかかりきりになって→ 59 00:05:15,148 --> 00:05:18,118 基本的なことを やらなくなってるって言うんだ。 60 00:05:20,153 --> 00:05:26,159 誤字を探したり 何百枚も印刷したり そういう地味な仕事をね…。 61 00:05:28,128 --> 00:05:30,096 そこで 作戦を立てた。 62 00:05:31,131 --> 00:05:34,201 6月号のコラムを 少し書き換えたんだ。 63 00:05:34,201 --> 00:05:36,136 犯行現場の予想で→ 64 00:05:36,136 --> 00:05:39,139 もっと細かい場所を 指定した。 65 00:05:39,139 --> 00:05:42,142 それを何種類も作り クラスごとに→ 66 00:05:42,142 --> 00:05:44,110 内容の違うものを 配った。 67 00:05:49,149 --> 00:05:51,151 (小鳩の声)放火が起きれば その時点で→ 68 00:05:51,151 --> 00:05:53,119 犯人のクラスを特定できる。 69 00:05:54,120 --> 00:05:59,125 事件は去年から起きてるから 当時いなかった1年生は除外してね。 70 00:06:01,127 --> 00:06:04,130 6月は大雨で放火は起こらなかったけど→ 71 00:06:04,130 --> 00:06:06,166 7月→ 72 00:06:06,166 --> 00:06:09,135 北浦町の太子堂付近で 放火があった。 73 00:06:09,135 --> 00:06:11,104 その場所が書かれてたクラスは…。 74 00:06:13,139 --> 00:06:16,142 犯人は この中の誰かだ。 75 00:06:16,142 --> 00:06:19,145 特に 瓜野くんと親しい奴。 76 00:06:19,145 --> 00:06:21,147 親しいっていうのは どうして? 77 00:06:21,147 --> 00:06:24,117 最初に放火の記事が載った2月の時点で→ 78 00:06:24,117 --> 00:06:28,121 『月報船戸』に注目してた人間は ほとんどいなかった。 79 00:06:30,123 --> 00:06:35,128 なのに 犯人は記事に目を付けて それを元に犯行に及んだ。 80 00:06:36,129 --> 00:06:38,131 なぜか…。 81 00:06:38,131 --> 00:06:41,134 恐らく 記事のことを 事前に本人から聞けるほど→ 82 00:06:41,134 --> 00:06:44,137 瓜野くんと親しい人物だからだ。 83 00:06:45,105 --> 00:06:47,107 なるほどね。 84 00:06:48,141 --> 00:06:54,114 で 2年G組には 確かに 瓜野くんの親しい友人がいた。 85 00:06:54,114 --> 00:06:58,118 その子を最有力容疑者に もう一度 罠を張った。 86 00:07:00,120 --> 00:07:02,122 8月は 針見町一丁目の→ 87 00:07:02,122 --> 00:07:05,125 貯水池付近が 狙われるってね。 88 00:07:05,125 --> 00:07:07,127 じゃあ 容疑者さんの名前は? 89 00:07:10,130 --> 00:07:13,133 氷谷優人くん。 ふーん…。 90 00:07:17,137 --> 00:07:20,140 見事ね 小鳩くん。 91 00:07:20,140 --> 00:07:23,143 時間がかかってるし 被害も出てる。 92 00:07:23,143 --> 00:07:26,146 褒めてもらえる手際じゃない。 93 00:07:26,146 --> 00:07:28,148 知ってる? 94 00:07:28,148 --> 00:07:32,152 この連続放火 結構ニュースになってるの。 95 00:07:32,152 --> 00:07:36,156 そんな事件を ただの高校生の小鳩くんが 解決しちゃったの。 96 00:07:36,156 --> 00:07:40,126 うん。 おかげで 公共の福祉のお役に立てた。 97 00:07:42,128 --> 00:07:45,131 …なんて思わない。 98 00:07:45,131 --> 00:07:48,134 僕は ただ 知恵働きを楽しんでただけだよ。 99 00:07:50,170 --> 00:07:53,139 知ってるくせに 小佐内さん。 100 00:07:55,141 --> 00:07:58,144 小佐内さんが この事件に関わってると知って→ 101 00:07:58,144 --> 00:08:00,146 僕が最初に考えたのは→ 102 00:08:00,146 --> 00:08:05,151 一体 誰に対する どんな復讐なんだろうってことだったよ。 103 00:08:05,151 --> 00:08:08,154 ひどい。 ごめん。 104 00:08:09,122 --> 00:08:11,124 …で どこまで知ってたの? 105 00:08:11,124 --> 00:08:13,126 私? 106 00:08:15,128 --> 00:08:18,131 私 何も知らなかった。 107 00:08:18,131 --> 00:08:25,138 放火犯は きっと 新聞部の作戦を知って その裏をかいてくるって思ってた。 108 00:08:25,138 --> 00:08:30,143 だから 新聞部がカバーしてない所を狙って 張り込んだの。 109 00:08:30,143 --> 00:08:33,113 私にできたのは せいぜいそのくらい。 110 00:08:36,149 --> 00:08:39,119 小鳩くん 彼女とはどうしたの? 111 00:08:39,119 --> 00:08:41,121 えっ? 仲丸さん。 112 00:08:42,122 --> 00:08:44,124 別れた→ 113 00:08:44,124 --> 00:08:48,128 っていうか かなり一方的にフラれた…。 114 00:08:48,128 --> 00:08:51,131 仲丸さんは 他に ちゃんと 恋人がいてね→ 115 00:08:51,131 --> 00:08:54,134 それを知っても それまでどおりにしてたら→ 116 00:08:54,134 --> 00:08:59,105 なんだか 人間失格みたいな勢いで 怒られちゃった。 117 00:08:59,105 --> 00:09:03,109 あっ うん。 それは人間失格っぽい。 118 00:09:07,147 --> 00:09:12,118 私も 今夜 別れたことになるのかな…。 119 00:09:13,119 --> 00:09:17,123 私 告白されて嬉しかった。 120 00:09:18,124 --> 00:09:24,130 瓜野くんって ほら 結構かっこいいほうで 自信家だし…。 121 00:09:24,130 --> 00:09:28,101 知りたかったの 恋とはどんなものかしらって…。 122 00:09:30,103 --> 00:09:33,106 私 瓜野くんのために尽くしたのよ。 123 00:09:33,106 --> 00:09:36,109 行動が気持ちを育てると思ったの。 124 00:09:38,111 --> 00:09:41,147 自分でも うまくやったと思うのに→ 125 00:09:41,147 --> 00:09:45,151 さっき 小鳩くんが見たとおり→ 126 00:09:45,151 --> 00:09:49,155 私は ちっとも変わりはしなかったの。 127 00:09:52,125 --> 00:09:55,095 私は 瓜野くんと付き合って こう思った。 128 00:09:57,130 --> 00:10:01,134 この子 たわいないなって。 なっ…! 129 00:10:01,134 --> 00:10:04,104 小鳩くん 覚えてる? 130 00:10:04,104 --> 00:10:07,106 去年 私たちが さよならしたこと。 131 00:10:08,107 --> 00:10:12,111 もちろん。 さよならの訳も覚えてるんでしょう? 132 00:10:13,146 --> 00:10:16,149 互恵関係と名付けた その甘えと→ 133 00:10:16,149 --> 00:10:19,152 それでも小市民を目指す という建前が摩擦して→ 134 00:10:19,152 --> 00:10:23,122 僕たちは一緒にいられなくなった。 135 00:10:23,122 --> 00:10:26,159 あの時 言ったことは嘘じゃなかった。 136 00:10:26,159 --> 00:10:30,163 でも 1年経って 少し考え直したの。 137 00:10:30,163 --> 00:10:34,167 私たち とっても賢いわけじゃない。 138 00:10:34,167 --> 00:10:39,139 本当に賢かったら もっと間違いは少ないはず。 139 00:10:39,139 --> 00:10:43,109 何より 誰も傷つけずにいられるはず。 140 00:10:46,145 --> 00:10:50,149 だけど 全然無能だっていうのも嘘なのよ。 141 00:10:50,149 --> 00:10:56,155 瓜野くんのおぼつかない動きを見ながら 私 思ったの。 142 00:10:56,155 --> 00:11:02,128 もし 小鳩くんなら もう少し上手にやるのにって。 143 00:11:02,128 --> 00:11:08,134 それが ただの買いかぶりじゃないって 小鳩くんは証明してくれた。 144 00:11:08,134 --> 00:11:12,138 僕の本当の趣味は こっちなんだ。 145 00:11:12,138 --> 00:11:17,243 今夜みたいな解決編のほうが 何倍も興奮する。 146 00:11:17,243 --> 00:11:20,146 しゃべらせてくれて ありがとう。 147 00:11:20,146 --> 00:11:23,116 やっぱり こっちのほうが…。 148 00:11:28,121 --> 00:11:30,123 体温が上がるよ。 149 00:11:33,159 --> 00:11:36,129 1年かかって ぐるっと一回り。 150 00:11:40,133 --> 00:11:44,137 私 小鳩くんがベストだとは思わない。 151 00:11:46,139 --> 00:11:48,141 きっと この先→ 152 00:11:48,141 --> 00:11:53,112 もっと賢くて それでいて優しい人と 巡り合うチャンスがある。 153 00:11:53,112 --> 00:11:57,150 私 その日を信じてる。 154 00:11:57,150 --> 00:12:00,119 でもね 小鳩くん。 155 00:12:00,119 --> 00:12:05,124 この町にいる限り 船戸高校にいる限り→ 156 00:12:05,124 --> 00:12:11,130 白馬の王子様が 私の前に現れるまでは…→ 157 00:12:11,130 --> 00:12:15,134 私にとっては あなたが次善…。 158 00:12:15,134 --> 00:12:18,104 だから…。 あのさ ちょっと待って。 159 00:12:18,104 --> 00:12:20,106 うん。 160 00:12:22,108 --> 00:12:28,114 小佐内さんにとって 僕がそうであれば 最高の組み合わせだけど→ 161 00:12:28,114 --> 00:12:34,120 そうでなかったとしても とりあえず 今のところだけでも…。 162 00:12:34,120 --> 00:12:36,122 うん。 163 00:12:36,122 --> 00:12:40,126 僕にとって小佐内さんは 必要だと思う。 164 00:12:40,126 --> 00:12:47,133 ♬~ 165 00:12:47,133 --> 00:12:50,103 フフッ…。 フフッ…。 166 00:12:50,103 --> 00:13:06,119 (2人の笑い声) 167 00:13:06,119 --> 00:13:11,157 瓜野くんが 付き合ってくれの ひと言で済ませたことを→ 168 00:13:11,157 --> 00:13:16,129 私たち どれだけ言葉を 積み重ねなきゃいけないの? 169 00:13:16,129 --> 00:13:18,097 小鳩くん。 170 00:13:21,134 --> 00:13:23,136 また一緒にいようね。 171 00:13:29,108 --> 00:13:32,111 (五日市公也の声)「新聞によると犯人は→ 172 00:13:32,111 --> 00:13:38,117 “むしゃくしゃしていてやった。 友達が大騒ぎするのが面白かった”」 173 00:13:38,117 --> 00:13:40,086 「大騒ぎした側にも→ 174 00:13:40,086 --> 00:13:42,088 少し責任が あるかもしれません」 175 00:13:42,088 --> 00:13:44,090 「この欄にも→ 176 00:13:44,090 --> 00:13:46,092 反省しなければ ならないことがあると→ 177 00:13:46,092 --> 00:13:48,094 思っています」 178 00:13:48,094 --> 00:13:50,129 「五日市公也」 179 00:13:50,129 --> 00:13:52,131 (堂島健吾)「人間関係が希薄になる中で→ 180 00:13:52,131 --> 00:13:55,101 こういう形でしか繋がりを求められない」…。 181 00:13:55,101 --> 00:14:00,106 別に そこまで考えてなかったと思うよ 氷谷くんは。 182 00:14:00,106 --> 00:14:04,110 月に一度の ささやかな気晴らし って感じかな。 183 00:14:04,110 --> 00:14:08,114 瓜野くんが書く記事に沿って放火して→ 184 00:14:08,114 --> 00:14:13,119 「さすが瓜野 また当たった」とか 言ってたんだろうね。 185 00:14:13,119 --> 00:14:18,124 氷谷くんは 瓜野くんを心の底から 馬鹿にして からかってたんだよ。 186 00:14:18,124 --> 00:14:20,093 なんて奴だ。 187 00:14:20,093 --> 00:14:22,128 だとしたら→ 188 00:14:22,128 --> 00:14:24,130 ハンマーの痕跡も 瓜野くんのために→ 189 00:14:24,130 --> 00:14:27,300 わざわざ作り上げた 可能性が高いね。 190 00:14:27,300 --> 00:14:30,303 さすがに 瓜野が気の毒だよ。 191 00:14:31,104 --> 00:14:33,139 友達に馬鹿にされ続けて→ 192 00:14:33,139 --> 00:14:37,143 部下だと思ってた同級生に 皮肉な記事を書かれて→ 193 00:14:37,143 --> 00:14:41,114 おまけに 恋人だと思ってた女の子に…。 194 00:14:42,148 --> 00:14:45,118 恋人? いや なんでもない。 195 00:14:48,121 --> 00:14:50,089 (吉口)やるね。 196 00:14:55,128 --> 00:14:57,096 ごめん 待たせちゃって。 197 00:15:06,105 --> 00:15:08,107 (店員)お待たせしました。 198 00:15:09,108 --> 00:15:14,147 ああ… これを待っていたのよ! 199 00:15:14,147 --> 00:15:26,125 ♬~ 200 00:15:26,125 --> 00:15:28,094 う~ん! 201 00:15:33,132 --> 00:15:35,134 素敵…。 202 00:15:40,106 --> 00:15:42,108 はあ…。 203 00:15:43,142 --> 00:15:48,114 小鳩くん 栗きんとんの作り方 知ってる? 204 00:15:48,114 --> 00:15:50,116 いや。 205 00:15:50,116 --> 00:15:56,122 煮た栗をね よく裏ごしして 砂糖と合わせて 弱火にかけて→ 206 00:15:56,122 --> 00:16:01,127 栗から出た水分だけをつなぎにして 茶巾絞りにするの。 207 00:16:01,127 --> 00:16:03,129 ねっ? 簡単でしょう? 208 00:16:03,129 --> 00:16:05,131 聞くだけなら。 209 00:16:05,131 --> 00:16:12,104 ♬~ 210 00:16:12,104 --> 00:16:14,106 じゃあ マロングラッセは? 211 00:16:14,106 --> 00:16:16,108 マロングラッセ? 212 00:16:16,108 --> 00:16:21,113 えっとね 西洋の栗きんとんみたいなもの かな? 213 00:16:21,113 --> 00:16:23,115 へえ~。 214 00:16:23,115 --> 00:16:26,085 でも 作り方は全然違ってて→ 215 00:16:26,085 --> 00:16:30,122 栗を煮て むいて シロップに漬けるの。 216 00:16:30,122 --> 00:16:35,127 栗を砂糖が覆ったら もう少し濃いシロップに漬ける。 217 00:16:35,127 --> 00:16:39,098 それを何度も何度も繰り返すの。 218 00:16:39,098 --> 00:16:43,102 そうして膜を作るうちに→ 219 00:16:43,102 --> 00:16:48,074 栗そのものが いつの間にか 甘くなっていくの。 220 00:16:50,109 --> 00:16:52,111 小鳩くんは どっちが好き? 221 00:16:52,111 --> 00:16:56,115 マロングラッセって 食べたことないんだよね。 222 00:16:56,115 --> 00:16:59,085 じゃあ 今度 食べさせてあげる。 223 00:17:03,089 --> 00:17:07,093 ところで 一つ聞いていいかな? 何? 224 00:17:07,093 --> 00:17:11,097 この間 上ノ町の高架下に行ってみたんだ。 225 00:17:11,097 --> 00:17:15,101 そしたらさ 電車がうるさいには うるさいんだけど→ 226 00:17:15,101 --> 00:17:18,104 我慢できる範囲だったんだよね。 227 00:17:22,108 --> 00:17:24,110 はあ…。 228 00:17:24,110 --> 00:17:27,113 瓜野くんは あの5月の放火の夜→ 229 00:17:27,113 --> 00:17:32,118 小佐内さんが上ノ町にいたことを論証した。 230 00:17:32,118 --> 00:17:35,087 小佐内さんは 壊れた時計を見て→ 231 00:17:35,087 --> 00:17:39,125 事件の発生を金曜日だと勘違いした。 232 00:17:39,125 --> 00:17:43,095 だから あの夜 現場にいたんだって…。 233 00:17:43,095 --> 00:17:46,098 彼は もう一つ言ってた。 234 00:17:46,098 --> 00:17:49,135 あの夜 小佐内さんから電話をもらったけど→ 235 00:17:49,135 --> 00:17:53,105 電車の音がものすごくて 話ができなかったって。 236 00:17:53,105 --> 00:17:58,110 事件現場は線路のそば。 だから 小佐内さんは事件現場にいた。 237 00:17:58,110 --> 00:18:00,112 (電車の走行音) 238 00:18:03,115 --> 00:18:09,155 瓜野くんは 電話の向こうの電車の音という 有力な手掛かりを得た。 239 00:18:09,155 --> 00:18:14,126 でも 実際には 電車はそこまで うるさくなかった。 240 00:18:14,126 --> 00:18:17,129 これが ちょっとだけ気になってね。 241 00:18:20,132 --> 00:18:23,102 で 考えたんだ。 242 00:18:23,102 --> 00:18:26,138 小佐内さんが現場にいたのが 事実だとすると→ 243 00:18:26,138 --> 00:18:29,141 嘘は どうしても音になる。 244 00:18:29,141 --> 00:18:31,143 音なんて簡単だ。 245 00:18:31,143 --> 00:18:36,115 ささやかな再生装置一つで すぐに流せる。 246 00:18:36,115 --> 00:18:39,118 でも 小佐内さんは どうして→ 247 00:18:39,118 --> 00:18:43,155 スマホにレコーダーを 押し当てるようなまねをしたのか? 248 00:18:43,155 --> 00:18:49,128 理由は 瓜野くんに 自分が上ノ町にいると アピールするためだね。 249 00:18:52,131 --> 00:18:54,133 瓜野くんは 後日 思うんだ。 250 00:18:54,133 --> 00:18:58,137 もしかして 小佐内は放火犯じゃないか? 251 00:18:58,137 --> 00:19:03,109 そういえば 5月の電話は奇妙じゃなかったか? 252 00:19:03,109 --> 00:19:05,111 ああ なんてことだ! 253 00:19:05,111 --> 00:19:07,146 考えてみれば明らかだ。 254 00:19:07,146 --> 00:19:10,116 あの日 小佐内ゆきは 事件現場にいたんだ! 255 00:19:10,116 --> 00:19:16,122 ♬~ 256 00:19:16,122 --> 00:19:18,124 (せき払い) 257 00:19:19,125 --> 00:19:22,094 つまり 電話の音は なんらかの理由で→ 258 00:19:22,094 --> 00:19:25,097 瓜野くんに 「あなたが犯人だ」と言わせるための→ 259 00:19:25,097 --> 00:19:27,099 誘導の一つだったと考えられる。 260 00:19:30,102 --> 00:19:33,105 事件を整理すると 気がつくんだけど→ 261 00:19:33,105 --> 00:19:37,109 小佐内さんの行動は 5月を境に変化してる。 262 00:19:40,112 --> 00:19:46,085 それまでは 瓜野くんのために 縁の下の力持ちをやってたかもしれない。 263 00:19:47,119 --> 00:19:50,089 でも 5月以降は変化してる。 264 00:19:51,090 --> 00:19:57,129 その頃から小佐内さんは 瓜野くんへの復讐を始めた…。 265 00:19:57,129 --> 00:20:01,100 いつか 間違った告発をさせるという ね。 266 00:20:01,100 --> 00:20:06,105 小鳩くんなら きっと わかってくれると思ってた。 267 00:20:10,109 --> 00:20:17,116 私 高校に入ってから 初めて本当に復讐したの。 268 00:20:17,116 --> 00:20:21,120 1年の春は せいぜい仕返しだったし→ 269 00:20:21,120 --> 00:20:24,090 2年の夏は 自分を守るためだった。 270 00:20:25,091 --> 00:20:30,096 私にとって復讐は あんなものじゃない。 271 00:20:30,096 --> 00:20:36,102 相手に敗北感を植え付けて 行動が愚かだったって思わせて→ 272 00:20:36,102 --> 00:20:40,106 自分の無力を 心から信じるようにすることなの。 273 00:20:41,107 --> 00:20:43,109 教えてくれないかな→ 274 00:20:43,109 --> 00:20:47,113 瓜野くんは なんで こんな目にあったのかな? 275 00:21:04,130 --> 00:21:06,098 (ため息) 276 00:21:17,109 --> 00:21:19,078 あのね…。 277 00:21:24,116 --> 00:21:29,088 ♬~