1 00:00:07,007 --> 00:00:09,509 (魔術師たち)ルド・マルティグラ・フェーウ。 2 00:00:09,509 --> 00:00:15,015 マルテ・ルドル ダクス=ハーヴァル ルァ=フィヴァウ メイル=サァルハーヴァル。 3 00:00:15,015 --> 00:00:20,020 (竜騎士たち)うおぉ~! 4 00:00:20,020 --> 00:00:22,022 <竜害。 5 00:00:22,022 --> 00:00:25,025 ここ リディル王国 ケルベック伯爵領は➨ 6 00:00:25,025 --> 00:00:28,195 長年 竜と対峙し続けてきた> 7 00:00:28,195 --> 00:00:31,365 フォイ ロォウァ=メルゼ ペル・イグニア! 8 00:00:31,365 --> 00:00:36,370 <伯爵家の歴史は 竜との戦いの歴史である> 9 00:00:38,372 --> 00:00:42,209 クソッ! 眉間でなければ打ち抜けぬか! 10 00:00:42,209 --> 00:00:44,211 (ケルベック伯爵)構え~っ! 11 00:00:44,211 --> 00:00:46,547 (竜騎士たち)うおぉ~!! 12 00:00:46,547 --> 00:00:48,548 陣形を崩すな! 13 00:00:48,548 --> 00:00:52,152 魔術詠唱の時間を稼げ… うおっ! (衝撃音) 14 00:01:08,368 --> 00:01:12,039 (咆哮) 15 00:01:12,039 --> 00:01:14,708 <竜は災害だ。 16 00:01:14,708 --> 00:01:17,544 なかでも黒竜は➨ 17 00:01:17,544 --> 00:01:21,381 リディル王国史上 2度しか登場しない大災害。 18 00:01:21,381 --> 00:01:24,051 過去2回の記録では➨ 19 00:01:24,051 --> 00:01:27,354 街が複数消えたとされている> 20 00:01:27,354 --> 00:01:31,024 (アガサ)イザベルお嬢様 ここも危険です! 避難を! 21 00:01:31,024 --> 00:01:34,861 (イザベル)お父様と騎士たちが 戦っているのです。 22 00:01:34,861 --> 00:01:38,031 娘のわたくしが 民を見捨て逃げるなど➨ 23 00:01:38,031 --> 00:01:40,200 あってはならないことですわ。 24 00:01:40,200 --> 00:01:43,036 たとえ➨ 25 00:01:43,036 --> 00:01:47,541 この身がケルベックの地に ついえようとも。 26 00:01:57,417 --> 00:02:01,088 (荷馬車の音) 27 00:02:03,991 --> 00:02:07,494 (アニー)モニカ 食料届けに来たわよ~! 28 00:02:14,668 --> 00:02:19,339 (アニー)久しぶり~。 荷物運び込むから扉押さえててね。 29 00:02:19,339 --> 00:02:21,341 (モニカ)う… うん。 30 00:02:23,844 --> 00:02:27,347 よいしょ… と。 (ネロ)ニャー。 31 00:02:27,347 --> 00:02:30,183 ネロ ごきげんよう。 32 00:02:30,183 --> 00:02:32,853 相変わらず散らかってる。 33 00:02:32,853 --> 00:02:37,357 ねぇ この紙の束は大事なもの? 捨てていいもの? 34 00:02:37,357 --> 00:02:39,693 (モニカ)ぜ… 全部 大事。 35 00:02:39,693 --> 00:02:41,695 ふ~ん。 36 00:02:41,695 --> 00:02:44,031 そうだ! モニカ知ってる? 37 00:02:44,031 --> 00:02:47,367 3か月前に 東の国境が竜害にあったの。 38 00:02:47,367 --> 00:02:51,038 翼竜が群れをなして 人里に現れたんだって。 39 00:02:51,038 --> 00:02:54,041 しかも その翼竜たちを 統率していたのが➨ 40 00:02:54,041 --> 00:02:57,544 伝説の 悪名高いウォーガンの黒竜! 41 00:02:57,544 --> 00:02:59,546 (モニカ)へぇ。 42 00:02:59,546 --> 00:03:03,817 でね そこに七賢人が 1人派兵されたらしいの! 43 00:03:03,817 --> 00:03:08,989 あっ 七賢人って この国の魔術師トップ7人のことね。 44 00:03:08,989 --> 00:03:12,492 へ へぇ…。 誰だと思う? 45 00:03:12,492 --> 00:03:16,329 なんと 最年少の七賢人 沈黙の魔女が➨ 46 00:03:16,329 --> 00:03:18,999 たった1人で撃退したんだって! 47 00:03:18,999 --> 00:03:21,001 へぇ~…。 48 00:03:21,001 --> 00:03:24,838 沈黙の魔女はね 今いる魔術師の中で唯一➨ 49 00:03:24,838 --> 00:03:27,507 無詠唱魔術の使い手らしいの! 50 00:03:27,507 --> 00:03:31,678 詠唱なしで魔術使っちゃうなんて かっこいいよね~。 51 00:03:31,678 --> 00:03:34,081 こ これ…。 52 00:03:37,350 --> 00:03:41,688 こんなに…。 いつも届けてもらってるから。 53 00:03:41,688 --> 00:03:44,691 モニカって なんの仕事してるの? 54 00:03:44,691 --> 00:03:48,695 え… と 計算? 55 00:03:48,695 --> 00:03:53,533 数学の博士なの? そんな… 感じ… かな。 56 00:03:53,533 --> 00:03:58,638 ふぅん じゃあウチの村に来てる人も 数学の博士なんだ。 57 00:04:00,640 --> 00:04:03,310 えっ? モニカの同僚って人が➨ 58 00:04:03,310 --> 00:04:06,313 会いたいって言ってたから 道 教えといたよ。 59 00:04:08,982 --> 00:04:10,984 (ルイス)私です。 ヒイッ。 60 00:04:14,821 --> 00:04:16,823 (ルイス)お久しぶ…。 61 00:04:21,661 --> 00:04:24,998 (モニカ)ルルルル ルイ ルイ… スさん。 62 00:04:24,998 --> 00:04:29,002 人の名前を ルルルル ルイ ルイ… スなどと➨ 63 00:04:29,002 --> 00:04:32,005 愉快な名前に しないでいただけますかな? 64 00:04:32,005 --> 00:04:34,007 ごめっ ごめんなさっ…。 65 00:04:37,511 --> 00:04:41,181 道を教えてくださり 助かりました お嬢さん。 66 00:04:41,181 --> 00:04:43,350 どういたしまして。 67 00:04:43,350 --> 00:04:46,553 じゃ これで失礼するわね。 バイバイ。 68 00:04:49,356 --> 00:04:53,193 お お久しぶりです… ルイスさん。 69 00:04:53,193 --> 00:04:55,529 えぇ お久しぶりです。 70 00:04:55,529 --> 00:05:01,334 七賢人が一人 沈黙の魔女 モニカ・エヴァレット殿。 71 00:05:05,338 --> 00:05:10,343 <人は 詠唱なくして 魔力を扱うことはできない。 72 00:05:10,343 --> 00:05:14,347 ところが その不可能を 可能にしてしまった➨ 73 00:05:14,347 --> 00:05:16,516 一人の天才がいた。 74 00:05:16,516 --> 00:05:19,352 名を モニカ・エヴァレット。 75 00:05:19,352 --> 00:05:23,023 山小屋に引きこもっている この少女こそ➨ 76 00:05:23,023 --> 00:05:26,026 リディル王国における魔術師の頂点➨ 77 00:05:26,026 --> 00:05:31,698 七賢人が一人 沈黙の魔女なのである。 78 00:05:31,698 --> 00:05:36,536 この少女が 無詠唱魔術を 習得するに至ったいきさつは➨ 79 00:05:36,536 --> 00:05:39,539 実に単純明快である。 80 00:05:39,539 --> 00:05:43,043 超絶人見知りで あがり症のモニカは➨ 81 00:05:43,043 --> 00:05:47,013 人前で まともに話すことが できなかったのだ。 82 00:05:47,013 --> 00:05:51,218 面識がない相手などを 前にすると➨ 83 00:05:51,218 --> 00:05:55,055 痙攣し 声を発することすら できなくなり➨ 84 00:05:55,055 --> 00:05:58,391 最悪 吐くか卒倒。 85 00:05:58,391 --> 00:06:02,329 当然 魔術詠唱など できるはずもなかった。 86 00:06:02,329 --> 00:06:05,665 落第寸前であったモニカは考えた。 87 00:06:05,665 --> 00:06:09,669 試験官の前だと 緊張して詠唱ができない。 88 00:06:09,669 --> 00:06:11,671 ならば…> 89 00:06:11,671 --> 00:06:15,342 《詠唱なしで 魔術を使えばいいんだ》 90 00:06:15,342 --> 00:06:18,678 <普通なら 人見知りとあがり症を➨ 91 00:06:18,678 --> 00:06:21,514 克服する努力をするところだが➨ 92 00:06:21,514 --> 00:06:25,652 モニカの発想は 斜め上をかっ飛んでいき➨ 93 00:06:25,652 --> 00:06:30,490 そのまま 才能を開花させてしまった。 94 00:06:30,490 --> 00:06:35,362 かくして 天才少女は 無詠唱魔術をマスターし➨ 95 00:06:35,362 --> 00:06:38,031 トントン拍子に七賢人に。 96 00:06:38,031 --> 00:06:43,003 まさに 斜め上の努力の 行き着いた果てであった> 97 00:06:47,507 --> 00:06:51,011 (小鳥のさえずり) 98 00:06:51,011 --> 00:06:55,682 相変わらず 才能を無駄遣い しまくっているのですね。 99 00:06:55,682 --> 00:06:58,018 同期殿。 100 00:06:58,018 --> 00:07:00,620 (小鳥のさえずり) 101 00:07:00,620 --> 00:07:03,290 リン 防音結界を。 102 00:07:03,290 --> 00:07:05,292 (リン)かしこまりました。 103 00:07:05,292 --> 00:07:07,994 (小鳥のさえずり) 104 00:07:17,637 --> 00:07:20,640 《モニカ:さすが 上位精霊。 105 00:07:20,640 --> 00:07:24,978 人も魔術を使わず 魔力を行使できたら➨ 106 00:07:24,978 --> 00:07:30,483 私も無詠唱魔術を 完成させなくて済んだのにな》 107 00:07:30,483 --> 00:07:32,485 (ルイス)さて。 108 00:07:32,485 --> 00:07:36,656 今日は あなたに 頼みたいことがあって参りました。 109 00:07:36,656 --> 00:07:39,326 わ… 私に? 110 00:07:39,326 --> 00:07:42,996 えぇ 実は 国王陛下の密命で➨ 111 00:07:42,996 --> 00:07:45,999 第二王子の護衛をしておりまして。 112 00:07:45,999 --> 00:07:50,503 (モニカ)ル… ルイスさんは 第一王子派 ですよね? 113 00:07:50,503 --> 00:07:53,006 えぇ。 なのになぜ➨ 114 00:07:53,006 --> 00:07:56,676 私に第二王子の護衛を命じたのか。 115 00:07:56,676 --> 00:07:59,679 思うところはありますが➨ 116 00:07:59,679 --> 00:08:03,283 憶測で陛下の御心を語るのは 不敬ですので➨ 117 00:08:03,283 --> 00:08:05,452 ここでは やめておきましょう。 118 00:08:05,452 --> 00:08:07,620 重要なのは 私に➨ 119 00:08:07,620 --> 00:08:12,292 「第二王子にも気づかれぬよう 護衛せよ」と命じたことです。 120 00:08:12,292 --> 00:08:14,961 第二王子のフェリクス殿下は➨ 121 00:08:14,961 --> 00:08:18,298 全寮制の セレンディア学園に通っています。 122 00:08:18,298 --> 00:08:22,135 学園に潜入するのが 妥当なのですが➨ 123 00:08:22,135 --> 00:08:25,005 まあ 無理でしょうね。 124 00:08:25,005 --> 00:08:28,007 私ほどの知名度と この美貌では➨ 125 00:08:28,007 --> 00:08:31,177 隠密行動には不向きですから。 126 00:08:31,177 --> 00:08:35,348 自分で言いますか。 駄メイド 静かに。 127 00:08:35,348 --> 00:08:38,018 (モニカ)じゃあ どうやって…。 128 00:08:38,018 --> 00:08:40,687 あの学園は 第二王子派筆頭の➨ 129 00:08:40,687 --> 00:08:44,190 クロックフォード公爵の 息がかかっていますから。 130 00:08:44,190 --> 00:08:47,660 これを用意しました。 131 00:08:47,660 --> 00:08:50,330 (モニカ)き… 危険察知➨ 132 00:08:50,330 --> 00:08:53,666 小範囲の物理・魔術防壁➨ 133 00:08:53,666 --> 00:08:57,837 追跡と伝令の複合結界… ですか? 134 00:08:57,837 --> 00:09:00,440 一目で見抜くとは。 135 00:09:00,440 --> 00:09:06,279 えぇ これは私が丹精込めて作った 護身用の魔導具です。 136 00:09:06,279 --> 00:09:09,783 このブローチと フェリクス殿下に贈ったブローチは➨ 137 00:09:09,783 --> 00:09:11,785 対になってましてね。 138 00:09:11,785 --> 00:09:16,456 殿下の居場所や動向を 常に把握できるのですが…。 139 00:09:16,456 --> 00:09:19,292 それって 監視 じゃ…。 140 00:09:19,292 --> 00:09:22,962 (ルイス)護衛対象の動向を 把握するのは当然でしょう。 141 00:09:22,962 --> 00:09:26,633 バレたら怒られるんじゃ…。 142 00:09:26,633 --> 00:09:30,970 同期殿は いささか 生真面目が過ぎるようで。 143 00:09:30,970 --> 00:09:33,640 そんなあなたに この名言を。 144 00:09:33,640 --> 00:09:37,544 バレなきゃいいんですよ。 バレなきゃ。 145 00:09:39,979 --> 00:09:42,315 プレゼント という体で➨ 146 00:09:42,315 --> 00:09:45,819 陛下から殿下に 渡していただいたのですがね➨ 147 00:09:45,819 --> 00:09:49,155 贈った翌日には砕けたそうです。 148 00:09:49,155 --> 00:09:52,992 私が不眠不休で 1週間費やしたのに➨ 149 00:09:52,992 --> 00:09:55,161 たった1日で。 150 00:09:55,161 --> 00:09:58,164 いやぁ ブローチが割れた時は➨ 151 00:09:58,164 --> 00:10:02,669 愉快すぎて笑ってしまいましたよ。 はっはっはっ。 152 00:10:02,669 --> 00:10:07,674 愛する妻に会うのも我慢して 作った一品なんですがね。 153 00:10:07,674 --> 00:10:11,678 はっはっはっはっはっ はっはっはっはっはっ…。 154 00:10:11,678 --> 00:10:16,382 だ 第二王子は 無事だったんですか? 155 00:10:18,351 --> 00:10:20,353 もちろん。 156 00:10:20,353 --> 00:10:24,357 寝不足の体に鞭打って 学園に駆けつけましたよ。 157 00:10:24,357 --> 00:10:30,029 そしたら 何事もなかったと言うのです。 158 00:10:30,029 --> 00:10:34,334 ブローチは 不注意で割ってしまったのだと。 159 00:10:41,040 --> 00:10:43,543 さて ここまで言えば➨ 160 00:10:43,543 --> 00:10:46,346 私の言いたいことは わかりますな? 161 00:10:51,718 --> 00:10:55,054 ちょっと私の代わりに 学園に潜入して➨ 162 00:10:55,054 --> 00:10:57,056 殿下を護衛してきてください。 163 00:10:57,056 --> 00:11:00,660 むっ 無理ですっ! どうして私が…。 164 00:11:00,660 --> 00:11:03,997 私と違って あなたは社交界には出ないし➨ 165 00:11:03,997 --> 00:11:07,167 式典でもフードをかぶって うつむいているから➨ 166 00:11:07,167 --> 00:11:09,168 顔を知られていない。 167 00:11:09,168 --> 00:11:13,840 何より こんな地味な小娘が 七賢人だなんて➨ 168 00:11:13,840 --> 00:11:16,009 誰も思わないでしょう。 169 00:11:16,009 --> 00:11:18,511 ででででで でも! 170 00:11:18,511 --> 00:11:21,848 ででででで でも! ではありません。 171 00:11:21,848 --> 00:11:26,553 何より あなたの無詠唱魔術は 内密の護衛に最適です。 172 00:11:28,521 --> 00:11:32,325 無理ですぅ… 無理なんですぅ~。 173 00:11:35,528 --> 00:11:40,700 私たちが七賢人に就任して かれこれ2年経ちますな。 174 00:11:40,700 --> 00:11:44,037 その間 あなたのした仕事といえば➨ 175 00:11:44,037 --> 00:11:47,040 引きこもって紙と向き合うばかり。 176 00:11:47,040 --> 00:11:51,711 さ… 3か月前に 竜討伐も しましたぁ。 177 00:11:51,711 --> 00:11:56,549 私は この3か月で 10回は竜討伐してますけど何か? 178 00:11:56,549 --> 00:11:58,551 ふ ぐぅ…。 179 00:11:58,551 --> 00:12:01,988 いいですか? あなたは我がリディル王国の➨ 180 00:12:01,988 --> 00:12:05,825 頂点に立つ魔術師 七賢人なのですよ。 181 00:12:05,825 --> 00:12:09,495 あなたにしかできない仕事が あると思いませんか? 182 00:12:09,495 --> 00:12:13,833 思うでしょう? 思いますよね? 思いなさい。 183 00:12:13,833 --> 00:12:16,369 は… わ… わわ…。 184 00:12:16,369 --> 00:12:18,671 思え。 185 00:12:18,671 --> 00:12:20,673 ででででで でも➨ 186 00:12:20,673 --> 00:12:24,344 七賢人になれたのも 補欠合格みたいなもので…。 187 00:12:24,344 --> 00:12:27,680 ででででで でも ではありません。 188 00:12:27,680 --> 00:12:31,884 第二王子護衛に関して 私は陛下に一任されています。 189 00:12:34,354 --> 00:12:38,024 つまり あなたに拒否権はないのですよ。 190 00:12:38,024 --> 00:12:40,026 同期殿? 191 00:12:43,529 --> 00:12:45,632 わかればよろしい。 192 00:12:47,700 --> 00:12:50,203 (ルイス)では 具体的な作戦を。 193 00:12:50,203 --> 00:12:55,375 今から数年前 ケルベック伯爵領の修道院に➨ 194 00:12:55,375 --> 00:12:59,045 身寄りのない娘がいました。 はぁ…。 195 00:12:59,045 --> 00:13:03,316 そんな哀れな娘に ケルベック前伯爵夫人は➨ 196 00:13:03,316 --> 00:13:07,487 亡き夫の面影を見出し 娘を養女にします。 197 00:13:07,487 --> 00:13:11,324 娘は 前伯爵夫人にかわいがられて➨ 198 00:13:11,324 --> 00:13:13,493 幸せに育ちました。 199 00:13:13,493 --> 00:13:16,829 いいお話 ですね。 200 00:13:16,829 --> 00:13:19,666 (ルイス)しかし 夫人は病に倒れ➨ 201 00:13:19,666 --> 00:13:23,002 帰らぬ人になってしまったのです。 (モニカ)そんな…。 202 00:13:23,002 --> 00:13:26,005 (ルイス)後見人を失った娘は➨ 203 00:13:26,005 --> 00:13:30,843 意地悪な伯爵令嬢に疎まれ 使用人として こき使われました。 204 00:13:30,843 --> 00:13:35,682 そして その伯爵令嬢が セレンディア学園に入学が決まると➨ 205 00:13:35,682 --> 00:13:40,520 世話係として 一緒に編入 させられることとなったのです。 206 00:13:40,520 --> 00:13:43,356 か かわいそう。 207 00:13:43,356 --> 00:13:47,060 はい このかわいそうな娘が あなたの役です。 208 00:13:49,028 --> 00:13:51,030 はい? 209 00:13:51,030 --> 00:13:55,535 (虫の音) 210 00:13:55,535 --> 00:13:57,537 (ネロ)ニャー ニャー。 211 00:14:04,477 --> 00:14:07,647 (ネロ)おい モニカ お~い? 212 00:14:07,647 --> 00:14:09,816 ほら 肉球。 213 00:14:09,816 --> 00:14:12,985 お前が大好きな肉球だぞ? 214 00:14:12,985 --> 00:14:15,588 ていっ ていっ ていっ ていっ。 215 00:14:18,324 --> 00:14:22,662 私 王子様の護衛なんて…。 216 00:14:22,662 --> 00:14:25,998 無理ぃ~ うぅ…。 217 00:14:25,998 --> 00:14:30,002 そんなに嫌なら 逃げちまえばいいじゃねえか。 218 00:14:30,002 --> 00:14:34,507 だ だめ ルイスさんは 地の果てまでも追いかけてくる。 219 00:14:34,507 --> 00:14:37,844 見たことあるの あの手袋の下の殴りダコ。 220 00:14:37,844 --> 00:14:42,181 おい あいつ 冥府の番人の 間違いじゃないのか? 221 00:14:42,181 --> 00:14:44,517 それくらい怖い人なの! 222 00:14:44,517 --> 00:14:47,186 なら 前向きに考えようぜ。 223 00:14:47,186 --> 00:14:50,356 王子様ってのは すっげえ かっこいいんだろ? 224 00:14:50,356 --> 00:14:53,025 俺さま 本が好きだからな。 225 00:14:53,025 --> 00:14:56,529 ダスティン・ギュンターの本にも 書いてあるから 知ってるんだぜ。 226 00:14:58,531 --> 00:15:00,466 よくわかんない。 227 00:15:00,466 --> 00:15:03,636 七賢人って 式典とかに出るんだろ? 228 00:15:03,636 --> 00:15:05,972 見たことあるんじゃないのか? 229 00:15:05,972 --> 00:15:09,575 (モニカ)ずっと目を閉じてたから…。 230 00:15:11,644 --> 00:15:16,482 なあ 俺さま 思ったんだけどよぉ。 うん。 231 00:15:16,482 --> 00:15:21,087 護衛対象の顔がわからないって わりと致命的じゃね? 232 00:15:24,023 --> 00:15:27,026 ♬(子どもたち) 「1年目の冬 1匹売られ」 233 00:15:27,026 --> 00:15:31,030 ♬「2年目の冬 1匹売られ」 234 00:15:31,030 --> 00:15:34,534 ♬「3年目の冬 2匹売られ」 235 00:15:34,534 --> 00:15:38,037 ♬「4年目の冬 3匹売られ」 236 00:15:38,037 --> 00:15:41,707 ♬「5年目の冬 5匹売られた」 237 00:15:41,707 --> 00:15:45,378 ♬「ガラガラ ガラガラ 車輪の音に」 238 00:15:45,378 --> 00:15:48,381 ♬「ブゥブゥブゥブゥ 豚が鳴く」 239 00:15:48,381 --> 00:15:52,051 ♬「6年目が8匹ならば」 240 00:15:52,051 --> 00:15:58,724 ♬「10年目の冬 売られた豚は さて何匹?」 241 00:15:58,724 --> 00:16:01,828 ♬「55匹」 242 00:16:01,828 --> 00:16:05,998 28年目は31万7,811匹 29年目は…。 243 00:16:05,998 --> 00:16:08,334 同期殿? 51万4,229匹。 244 00:16:08,334 --> 00:16:12,305 ど う き ど の? ちょっ ちょっと考え事を。 245 00:16:15,341 --> 00:16:17,510 (リン)そろそろ到着いたします。 246 00:16:17,510 --> 00:16:22,014 それにあたりまして 画期的な着地方法のご提案が。 247 00:16:22,014 --> 00:16:23,983 結構。 248 00:16:26,018 --> 00:16:27,987 (ルイス)ようこそ 我が家へ。 249 00:16:29,989 --> 00:16:33,326 ロザリー ただいま戻りました。 250 00:16:33,326 --> 00:16:37,697 (ロザリー)失礼。 眼球運動 異常なし。 歯肉の出血なし。 251 00:16:37,697 --> 00:16:41,033 ただし 下瞼の裏側が白く 爪も白っぽい。 252 00:16:41,033 --> 00:16:43,703 その他 栄養失調 貧血の症状。 253 00:16:43,703 --> 00:16:45,671 あなた 年齢は? 254 00:16:45,671 --> 00:16:48,841 じゅ 16でしゅ…。 痩せすぎね。 255 00:16:48,841 --> 00:16:52,345 どなたか存じ上げないけれど 誰が見ても不健康なのは確か…。 256 00:16:52,345 --> 00:16:55,848 帰宅した夫に 「おかえり」の一言が あってもよいのでは? 257 00:16:55,848 --> 00:16:58,351 (ロザリー)患者の対応が最優先よ。 258 00:17:00,453 --> 00:17:02,455 (ルイス)ふむ。 259 00:17:02,455 --> 00:17:06,125 少しは人前に出られる状態に なりましたな。 260 00:17:06,125 --> 00:17:10,296 では これから客人に 挨拶をしてもらいましょう。 261 00:17:10,296 --> 00:17:12,298 客人…。 262 00:17:15,468 --> 00:17:18,471 (ルイス)あなたは これから誰になるんです? 263 00:17:18,471 --> 00:17:20,640 あっ… でも➨ 264 00:17:20,640 --> 00:17:25,311 ルイスさんが考えた設定では ご迷惑をかけてしまうのでは。 265 00:17:25,311 --> 00:17:27,313 ケルベック伯爵は➨ 266 00:17:27,313 --> 00:17:30,483 「いやぁ まるで バラッドのようではありませんか」➨ 267 00:17:30,483 --> 00:17:33,319 と ノリノリでして。 ノリノリ…。 268 00:17:33,319 --> 00:17:37,623 それに ケルベック伯爵の名に 聞き覚えは? 269 00:17:39,659 --> 00:17:41,994 あっ 竜討伐の。 270 00:17:41,994 --> 00:17:43,996 いかにも。 271 00:17:43,996 --> 00:17:48,668 3か月前 あなたが ウォーガンの黒竜から守った地域です。 272 00:17:48,668 --> 00:17:54,173 伯爵は 沈黙の魔女殿のためならば と。 273 00:17:54,173 --> 00:17:57,576 では 参りましょう。 274 00:17:59,512 --> 00:18:02,648 (イザベル)オーホッホッホッ! 275 00:18:02,648 --> 00:18:05,651 ご機嫌よう! 276 00:18:05,651 --> 00:18:10,156 あ~ら モニカ伯母様? 相も変わらず貧相な身なり。 277 00:18:10,156 --> 00:18:14,160 あなたが我がケルベック伯爵家の末席に 名を残しているなんて➨ 278 00:18:14,160 --> 00:18:19,465 わたくし恥ずかしくて しかたありませんわ オーッホッホッホッ。 279 00:18:19,465 --> 00:18:22,969 オーッホッホッホッ…。 280 00:18:24,971 --> 00:18:26,973 今の いかがですか? 281 00:18:26,973 --> 00:18:29,642 悪役令嬢っぽく ありませんでしたこと? 282 00:18:29,642 --> 00:18:33,479 わたくし 毎日欠かさず 発声練習をしてまいりましたの! 283 00:18:33,479 --> 00:18:36,315 え… あ…。 284 00:18:36,315 --> 00:18:39,018 あら いけない わたくしったら。 285 00:18:41,020 --> 00:18:45,358 お初にお目にかかりますわ 沈黙の魔女様。 286 00:18:45,358 --> 00:18:47,994 イザベル・ノートンと申します。 287 00:18:47,994 --> 00:18:51,330 黒竜討伐 父と領民に代わって➨ 288 00:18:51,330 --> 00:18:54,033 深く 感謝を。 289 00:18:56,002 --> 00:19:00,940 同期殿 イザベル様にご挨拶は? 290 00:19:00,940 --> 00:19:02,942 あっ…。 291 00:19:02,942 --> 00:19:05,277 少々 シャイな方でして。 292 00:19:05,277 --> 00:19:07,947 気にしませんわ。 293 00:19:07,947 --> 00:19:12,952 モニカお姉様は 誰よりも強くて 勇敢なお方であると➨ 294 00:19:12,952 --> 00:19:14,954 知っていますから。 295 00:19:16,956 --> 00:19:18,958 《イザベル:アガサ。 296 00:19:18,958 --> 00:19:21,794 長年 我が家に仕えてくれて ありがとう。 297 00:19:21,794 --> 00:19:24,964 あなたには暇を出します。 298 00:19:24,964 --> 00:19:28,968 いいえ アガサも最後までお供します。 299 00:19:30,970 --> 00:19:33,139 ありがとう。 300 00:19:33,139 --> 00:19:35,141 (アラン)アガサ姉さん 大変だ! 301 00:19:35,141 --> 00:19:38,477 王都から来た魔術師が 黒竜を倒した! 302 00:19:38,477 --> 00:19:41,313 沈黙の魔女だ。 303 00:19:41,313 --> 00:19:46,485 沈黙の魔女が たった1人で 黒竜を撃退したらしい。 304 00:19:46,485 --> 00:19:50,289 (イザベル)被害は? (アラン)死傷者ゼロです! 305 00:19:55,995 --> 00:19:59,331 お嬢様。 306 00:19:59,331 --> 00:20:14,180 ♬~ 307 00:20:14,180 --> 00:20:18,684 そんな! 黒竜を失った翼竜たちが…。 308 00:20:23,355 --> 00:20:25,357 お嬢様!》 309 00:20:25,357 --> 00:20:36,669 ♬~ 310 00:20:39,705 --> 00:20:51,050 ♬~ 311 00:20:51,050 --> 00:20:55,054 <魔力を行使して奇跡を起こす。 312 00:20:55,054 --> 00:21:00,359 詠唱によって魔術式を編み 魔力を行使するすべを➨ 313 00:21:00,359 --> 00:21:02,628 魔術という> 314 00:21:09,034 --> 00:21:14,707 <人は 詠唱なくして 魔力を扱うことはできない。 315 00:21:14,707 --> 00:21:19,044 ところが その不可能を 可能にしてしまった➨ 316 00:21:19,044 --> 00:21:21,013 一人の天才がいた> 317 00:21:23,048 --> 00:21:26,385 <名を モニカ・エヴァレット。 318 00:21:26,385 --> 00:21:29,688 リディル王国における魔術師の頂点➨ 319 00:21:29,688 --> 00:21:34,393 七賢人が一人 沈黙の魔女> 320 00:21:42,067 --> 00:21:44,069 <史上 初めて➨ 321 00:21:44,069 --> 00:21:48,541 無詠唱魔術を生み出した 魔術師である> 322 00:21:50,576 --> 00:21:55,381 ウォーガンの黒竜だけでなく 翼竜たちまでも たった1人で! 323 00:21:55,381 --> 00:21:59,552 しかも 街に被害が出ないよう 落下する翼竜を風で運び➨ 324 00:21:59,552 --> 00:22:02,988 しかもしかも 何も言わず その場を去るなんて! 325 00:22:02,988 --> 00:22:07,326 かっこよすぎますわぁ~! う… あ… えっと…。 326 00:22:07,326 --> 00:22:10,996 今回は セレンディア学園に潜入されると 伺っております。 327 00:22:10,996 --> 00:22:14,500 わたくし お姉様が 疑われることがないよう➨ 328 00:22:14,500 --> 00:22:19,004 お姉様を徹底的に いびって いびって いびり抜きますので! 329 00:22:19,004 --> 00:22:24,009 安心して 殿下の護衛に 専念してくださいませねぇ~!