1 00:00:39,907 --> 00:00:42,409 (魔術師たち)ルド・マルティグラ・フェーウ。 2 00:00:42,409 --> 00:00:47,915 マルテ・ルドル ダクス=ハーヴァル ルァ=フィヴァウ メイル=サァルハーヴァル。 3 00:00:47,915 --> 00:00:52,920 (竜騎士たち)うおぉ~! 4 00:00:52,920 --> 00:00:54,922 <竜害。 5 00:00:54,922 --> 00:00:57,925 ここ リディル王国 ケルベック伯爵領は➡ 6 00:00:57,925 --> 00:01:01,094 長年 竜と対峙し続けてきた> 7 00:01:01,094 --> 00:01:04,264 フォイ ロォウァ=メルゼ ペル・イグニア! 8 00:01:04,264 --> 00:01:09,269 <伯爵家の歴史は 竜との戦いの歴史である> 9 00:01:11,271 --> 00:01:15,108 クソッ! 眉間でなければ打ち抜けぬか! 10 00:01:15,108 --> 00:01:17,110 (ケルベック伯爵)構え~っ! 11 00:01:17,110 --> 00:01:19,446 (竜騎士たち)うおぉ~!! 12 00:01:19,446 --> 00:01:21,448 陣形を崩すな! 13 00:01:21,448 --> 00:01:25,052 魔術詠唱の時間を稼げ… うおっ! (衝撃音) 14 00:01:41,268 --> 00:01:44,938 (咆哮) 15 00:01:44,938 --> 00:01:47,608 <竜は災害だ。 16 00:01:47,608 --> 00:01:50,444 なかでも黒竜は➡ 17 00:01:50,444 --> 00:01:54,281 リディル王国史上 2度しか登場しない大災害。 18 00:01:54,281 --> 00:01:56,950 過去2回の記録では➡ 19 00:01:56,950 --> 00:02:00,253 街が複数消えたとされている> 20 00:02:00,253 --> 00:02:03,924 (アガサ)イザベルお嬢様 ここも危険です! 避難を! 21 00:02:03,924 --> 00:02:07,761 (イザベル)お父様と騎士たちが 戦っているのです。 22 00:02:07,761 --> 00:02:10,931 娘のわたくしが 民を見捨て逃げるなど➡ 23 00:02:10,931 --> 00:02:13,100 あってはならないことですわ。 24 00:02:13,100 --> 00:02:15,936 たとえ➡ 25 00:02:15,936 --> 00:02:20,440 この身がケルベックの地に ついえようとも。 26 00:02:30,317 --> 00:02:33,987 (荷馬車の音) 27 00:02:36,890 --> 00:02:40,394 (アニー)モニカ 食料届けに来たわよ~! 28 00:02:47,567 --> 00:02:52,239 (アニー)久しぶり~。 荷物運び込むから扉押さえててね。 29 00:02:52,239 --> 00:02:54,241 (モニカ)う… うん。 30 00:02:56,743 --> 00:03:00,247 よいしょ… と。 (ネロ)ニャー。 31 00:03:00,247 --> 00:03:03,083 ネロ ごきげんよう。 32 00:03:03,083 --> 00:03:05,752 相変わらず散らかってる。 33 00:03:05,752 --> 00:03:10,257 ねぇ この紙の束は大事なもの? 捨てていいもの? 34 00:03:10,257 --> 00:03:12,592 (モニカ)ぜ… 全部 大事。 35 00:03:12,592 --> 00:03:14,594 ふ~ん。 36 00:03:14,594 --> 00:03:16,930 そうだ! モニカ知ってる? 37 00:03:16,930 --> 00:03:20,267 3か月前に 東の国境が竜害にあったの。 38 00:03:20,267 --> 00:03:23,937 翼竜が群れをなして 人里に現れたんだって。 39 00:03:23,937 --> 00:03:26,940 しかも その翼竜たちを 統率していたのが➡ 40 00:03:26,940 --> 00:03:30,444 伝説の 悪名高いウォーガンの黒竜! 41 00:03:30,444 --> 00:03:32,446 (モニカ)へぇ。 42 00:03:32,446 --> 00:03:36,716 でね そこに七賢人が 1人派兵されたらしいの! 43 00:03:36,716 --> 00:03:41,888 あっ 七賢人って この国の魔術師トップ7人のことね。 44 00:03:41,888 --> 00:03:45,392 へ へぇ…。 誰だと思う? 45 00:03:45,392 --> 00:03:49,229 なんと 最年少の七賢人 沈黙の魔女が➡ 46 00:03:49,229 --> 00:03:51,898 たった1人で撃退したんだって! 47 00:03:51,898 --> 00:03:53,900 へぇ~…。 48 00:03:53,900 --> 00:03:57,738 沈黙の魔女はね 今いる魔術師の中で唯一➡ 49 00:03:57,738 --> 00:04:00,407 無詠唱魔術の使い手らしいの! 50 00:04:00,407 --> 00:04:04,578 詠唱なしで魔術使っちゃうなんて かっこいいよね~。 51 00:04:04,578 --> 00:04:06,980 こ これ…。 52 00:04:10,250 --> 00:04:14,588 こんなに…。 いつも届けてもらってるから。 53 00:04:14,588 --> 00:04:17,591 モニカって なんの仕事してるの? 54 00:04:17,591 --> 00:04:21,595 え… と 計算? 55 00:04:21,595 --> 00:04:26,433 数学の博士なの? そんな… 感じ… かな。 56 00:04:26,433 --> 00:04:31,538 ふぅん じゃあウチの村に来てる人も 数学の博士なんだ。 57 00:04:33,540 --> 00:04:36,209 えっ? モニカの同僚って人が➡ 58 00:04:36,209 --> 00:04:39,212 会いたいって言ってたから 道 教えといたよ。 59 00:04:41,882 --> 00:04:43,884 (ルイス)私です。 ヒイッ。 60 00:04:47,721 --> 00:04:49,723 (ルイス)お久しぶ…。 61 00:04:54,561 --> 00:04:57,898 (モニカ)ルルルル ルイ ルイ… スさん。 62 00:04:57,898 --> 00:05:01,902 人の名前を ルルルル ルイ ルイ… スなどと➡ 63 00:05:01,902 --> 00:05:04,905 愉快な名前に しないでいただけますかな? 64 00:05:04,905 --> 00:05:06,907 ごめっ ごめんなさっ…。 65 00:05:10,410 --> 00:05:14,080 道を教えてくださり 助かりました お嬢さん。 66 00:05:14,080 --> 00:05:16,249 どういたしまして。 67 00:05:16,249 --> 00:05:19,452 じゃ これで失礼するわね。 バイバイ。 68 00:05:22,255 --> 00:05:26,092 お お久しぶりです… ルイスさん。 69 00:05:26,092 --> 00:05:28,428 えぇ お久しぶりです。 70 00:05:28,428 --> 00:05:34,234 七賢人が一人 沈黙の魔女 モニカ・エヴァレット殿。 71 00:05:38,238 --> 00:05:43,243 <人は 詠唱なくして 魔力を扱うことはできない。 72 00:05:43,243 --> 00:05:47,247 ところが その不可能を 可能にしてしまった➡ 73 00:05:47,247 --> 00:05:49,416 一人の天才がいた。 74 00:05:49,416 --> 00:05:52,252 名を モニカ・エヴァレット。 75 00:05:52,252 --> 00:05:55,922 山小屋に引きこもっている この少女こそ➡ 76 00:05:55,922 --> 00:05:58,925 リディル王国における魔術師の頂点➡ 77 00:05:58,925 --> 00:06:04,598 七賢人が一人 沈黙の魔女なのである。 78 00:06:04,598 --> 00:06:09,436 この少女が 無詠唱魔術を 習得するに至ったいきさつは➡ 79 00:06:09,436 --> 00:06:12,439 実に単純明快である。 80 00:06:12,439 --> 00:06:15,942 超絶人見知りで あがり症のモニカは➡ 81 00:06:15,942 --> 00:06:19,913 人前で まともに話すことが できなかったのだ。 82 00:06:19,913 --> 00:06:24,117 面識がない相手などを 前にすると➡ 83 00:06:24,117 --> 00:06:27,954 痙攣し 声を発することすら できなくなり➡ 84 00:06:27,954 --> 00:06:31,291 最悪 吐くか卒倒。 85 00:06:31,291 --> 00:06:35,228 当然 魔術詠唱など できるはずもなかった。 86 00:06:35,228 --> 00:06:38,565 落第寸前であったモニカは考えた。 87 00:06:38,565 --> 00:06:42,569 試験官の前だと 緊張して詠唱ができない。 88 00:06:42,569 --> 00:06:44,571 ならば…> 89 00:06:44,571 --> 00:06:48,241 ((詠唱なしで 魔術を使えばいいんだ)) 90 00:06:48,241 --> 00:06:51,578 <普通なら 人見知りとあがり症を➡ 91 00:06:51,578 --> 00:06:54,414 克服する努力をするところだが➡ 92 00:06:54,414 --> 00:06:58,551 モニカの発想は 斜め上をかっ飛んでいき➡ 93 00:06:58,551 --> 00:07:03,390 そのまま 才能を開花させてしまった。 94 00:07:03,390 --> 00:07:08,261 かくして 天才少女は 無詠唱魔術をマスターし➡ 95 00:07:08,261 --> 00:07:10,930 トントン拍子に七賢人に。 96 00:07:10,930 --> 00:07:15,902 まさに 斜め上の努力の 行き着いた果てであった> 97 00:07:20,407 --> 00:07:23,910 (小鳥のさえずり) 98 00:07:23,910 --> 00:07:28,581 相変わらず 才能を無駄遣い しまくっているのですね。 99 00:07:28,581 --> 00:07:30,917 同期殿。 100 00:07:30,917 --> 00:07:33,520 (小鳥のさえずり) 101 00:07:33,520 --> 00:07:36,189 リン 防音結界を。 102 00:07:36,189 --> 00:07:38,191 (リン)かしこまりました。 103 00:07:38,191 --> 00:07:40,894 (小鳥のさえずり) 104 00:07:50,537 --> 00:07:53,540 《モニカ:さすが 上位精霊。 105 00:07:53,540 --> 00:07:57,877 人も魔術を使わず 魔力を行使できたら➡ 106 00:07:57,877 --> 00:08:03,383 私も無詠唱魔術を 完成させなくて済んだのにな》 107 00:08:03,383 --> 00:08:05,385 (ルイス)さて。 108 00:08:05,385 --> 00:08:09,556 今日は あなたに 頼みたいことがあって参りました。 109 00:08:09,556 --> 00:08:12,225 わ… 私に? 110 00:08:12,225 --> 00:08:15,895 えぇ 実は 国王陛下の密命で➡ 111 00:08:15,895 --> 00:08:18,898 第二王子の護衛をしておりまして。 112 00:08:18,898 --> 00:08:23,403 (モニカ)ル… ルイスさんは 第一王子派 ですよね? 113 00:08:23,403 --> 00:08:25,905 えぇ。 なのになぜ➡ 114 00:08:25,905 --> 00:08:29,576 私に第二王子の護衛を命じたのか。 115 00:08:29,576 --> 00:08:32,579 思うところはありますが➡ 116 00:08:32,579 --> 00:08:36,182 憶測で陛下の御心を語るのは 不敬ですので➡ 117 00:08:36,182 --> 00:08:38,351 ここでは やめておきましょう。 118 00:08:38,351 --> 00:08:40,520 重要なのは 私に➡ 119 00:08:40,520 --> 00:08:45,191 「第二王子にも気づかれぬよう 護衛せよ」と命じたことです。 120 00:08:45,191 --> 00:08:47,861 第二王子のフェリクス殿下は➡ 121 00:08:47,861 --> 00:08:51,197 全寮制の セレンディア学園に通っています。 122 00:08:51,197 --> 00:08:55,034 学園に潜入するのが 妥当なのですが➡ 123 00:08:55,034 --> 00:08:57,904 まあ 無理でしょうね。 124 00:08:57,904 --> 00:09:00,907 私ほどの知名度と この美貌では➡ 125 00:09:00,907 --> 00:09:04,077 隠密行動には不向きですから。 126 00:09:04,077 --> 00:09:08,248 自分で言いますか。 駄メイド 静かに。 127 00:09:08,248 --> 00:09:10,917 (モニカ)じゃあ どうやって…。 128 00:09:10,917 --> 00:09:13,586 あの学園は 第二王子派筆頭の➡ 129 00:09:13,586 --> 00:09:17,090 クロックフォード公爵の 息がかかっていますから。 130 00:09:17,090 --> 00:09:20,560 これを用意しました。 131 00:09:20,560 --> 00:09:23,229 (モニカ)き… 危険察知➡ 132 00:09:23,229 --> 00:09:26,566 小範囲の物理・魔術防壁➡ 133 00:09:26,566 --> 00:09:30,737 追跡と伝令の複合結界… ですか? 134 00:09:30,737 --> 00:09:33,339 一目で見抜くとは。 135 00:09:33,339 --> 00:09:39,179 えぇ これは私が丹精込めて作った 護身用の魔導具です。 136 00:09:39,179 --> 00:09:42,682 このブローチと フェリクス殿下に贈ったブローチは➡ 137 00:09:42,682 --> 00:09:44,684 対になってましてね。 138 00:09:44,684 --> 00:09:49,355 殿下の居場所や動向を 常に把握できるのですが…。 139 00:09:49,355 --> 00:09:52,192 それって 監視 じゃ…。 140 00:09:52,192 --> 00:09:55,862 (ルイス)護衛対象の動向を 把握するのは当然でしょう。 141 00:09:55,862 --> 00:09:59,532 バレたら怒られるんじゃ…。 142 00:09:59,532 --> 00:10:03,870 同期殿は いささか 生真面目が過ぎるようで。 143 00:10:03,870 --> 00:10:06,539 そんなあなたに この名言を。 144 00:10:06,539 --> 00:10:10,443 バレなきゃいいんですよ。 バレなきゃ。 145 00:10:12,879 --> 00:10:15,215 プレゼント という体で➡ 146 00:10:15,215 --> 00:10:18,718 陛下から殿下に 渡していただいたのですがね➡ 147 00:10:18,718 --> 00:10:22,055 贈った翌日には砕けたそうです。 148 00:10:22,055 --> 00:10:25,892 私が不眠不休で 1週間費やしたのに➡ 149 00:10:25,892 --> 00:10:28,061 たった1日で。 150 00:10:28,061 --> 00:10:31,064 いやぁ ブローチが割れた時は➡ 151 00:10:31,064 --> 00:10:35,568 愉快すぎて笑ってしまいましたよ。 はっはっはっ。 152 00:10:35,568 --> 00:10:40,573 愛する妻に会うのも我慢して 作った一品なんですがね。 153 00:10:40,573 --> 00:10:44,577 はっはっはっはっはっ はっはっはっはっはっ…。 154 00:10:44,577 --> 00:10:49,282 だ 第二王子は 無事だったんですか? 155 00:10:51,251 --> 00:10:53,253 もちろん。 156 00:10:53,253 --> 00:10:57,257 寝不足の体に鞭打って 学園に駆けつけましたよ。 157 00:10:57,257 --> 00:11:02,929 そしたら 何事もなかったと言うのです。 158 00:11:02,929 --> 00:11:07,233 ブローチは 不注意で割ってしまったのだと。 159 00:11:13,940 --> 00:11:16,442 さて ここまで言えば➡ 160 00:11:16,442 --> 00:11:19,245 私の言いたいことは わかりますな? 161 00:11:24,617 --> 00:11:27,954 ちょっと私の代わりに 学園に潜入して➡ 162 00:11:27,954 --> 00:11:29,956 殿下を護衛してきてください。 163 00:11:29,956 --> 00:11:33,560 むっ 無理ですっ! どうして私が…。 164 00:11:33,560 --> 00:11:36,896 私と違って あなたは社交界には出ないし➡ 165 00:11:36,896 --> 00:11:40,066 式典でもフードをかぶって うつむいているから➡ 166 00:11:40,066 --> 00:11:42,068 顔を知られていない。 167 00:11:42,068 --> 00:11:46,739 何より こんな地味な小娘が 七賢人だなんて➡ 168 00:11:46,739 --> 00:11:48,908 誰も思わないでしょう。 169 00:11:48,908 --> 00:11:51,411 ででででで でも! 170 00:11:51,411 --> 00:11:54,747 ででででで でも! ではありません。 171 00:11:54,747 --> 00:11:59,452 何より あなたの無詠唱魔術は 内密の護衛に最適です。 172 00:12:01,421 --> 00:12:05,225 無理ですぅ… 無理なんですぅ~。 173 00:12:08,428 --> 00:12:13,600 私たちが七賢人に就任して かれこれ2年経ちますな。 174 00:12:13,600 --> 00:12:16,936 その間 あなたのした仕事といえば➡ 175 00:12:16,936 --> 00:12:19,939 引きこもって紙と向き合うばかり。 176 00:12:19,939 --> 00:12:24,611 さ… 3か月前に 竜討伐も しましたぁ。 177 00:12:24,611 --> 00:12:29,449 私は この3か月で 10回は竜討伐してますけど何か? 178 00:12:29,449 --> 00:12:31,451 ふ ぐぅ…。 179 00:12:31,451 --> 00:12:34,887 いいですか? あなたは我がリディル王国の➡ 180 00:12:34,887 --> 00:12:38,725 頂点に立つ魔術師 七賢人なのですよ。 181 00:12:38,725 --> 00:12:42,395 あなたにしかできない仕事が あると思いませんか? 182 00:12:42,395 --> 00:12:46,733 思うでしょう? 思いますよね? 思いなさい。 183 00:12:46,733 --> 00:12:49,269 は… わ… わわ…。 184 00:12:49,269 --> 00:12:51,571 思え。 185 00:12:51,571 --> 00:12:53,573 ででででで でも➡ 186 00:12:53,573 --> 00:12:57,243 七賢人になれたのも 補欠合格みたいなもので…。 187 00:12:57,243 --> 00:13:00,580 ででででで でも ではありません。 188 00:13:00,580 --> 00:13:04,784 第二王子護衛に関して 私は陛下に一任されています。 189 00:13:07,253 --> 00:13:10,923 つまり あなたに拒否権はないのですよ。 190 00:13:10,923 --> 00:13:12,925 同期殿? 191 00:13:16,429 --> 00:13:18,531 わかればよろしい。 192 00:13:20,600 --> 00:13:23,102 (ルイス)では 具体的な作戦を。 193 00:13:23,102 --> 00:13:28,274 今から数年前 ケルベック伯爵領の修道院に➡ 194 00:13:28,274 --> 00:13:31,944 身寄りのない娘がいました。 はぁ…。 195 00:13:31,944 --> 00:13:36,215 そんな哀れな娘に ケルベック前伯爵夫人は➡ 196 00:13:36,215 --> 00:13:40,386 亡き夫の面影を見出し 娘を養女にします。 197 00:13:40,386 --> 00:13:44,223 娘は 前伯爵夫人にかわいがられて➡ 198 00:13:44,223 --> 00:13:46,392 幸せに育ちました。 199 00:13:46,392 --> 00:13:49,729 いいお話 ですね。 200 00:13:49,729 --> 00:13:52,565 (ルイス)しかし 夫人は病に倒れ➡ 201 00:13:52,565 --> 00:13:55,902 帰らぬ人になってしまったのです。 (モニカ)そんな…。 202 00:13:55,902 --> 00:13:58,905 (ルイス)後見人を失った娘は➡ 203 00:13:58,905 --> 00:14:03,743 意地悪な伯爵令嬢に疎まれ 使用人として こき使われました。 204 00:14:03,743 --> 00:14:08,581 そして その伯爵令嬢が セレンディア学園に入学が決まると➡ 205 00:14:08,581 --> 00:14:13,419 世話係として 一緒に編入 させられることとなったのです。 206 00:14:13,419 --> 00:14:16,255 か かわいそう。 207 00:14:16,255 --> 00:14:19,959 はい このかわいそうな娘が あなたの役です。 208 00:14:21,928 --> 00:14:23,930 はい? 209 00:14:23,930 --> 00:14:28,434 (虫の音) 210 00:14:28,434 --> 00:14:30,436 (ネロ)ニャー ニャー。 211 00:14:37,376 --> 00:14:40,546 (ネロ)おい モニカ お~い? 212 00:14:40,546 --> 00:14:42,715 ほら 肉球。 213 00:14:42,715 --> 00:14:45,885 お前が大好きな肉球だぞ? 214 00:14:45,885 --> 00:14:48,488 ていっ ていっ ていっ ていっ。 215 00:14:51,224 --> 00:14:55,561 私 王子様の護衛なんて…。 216 00:14:55,561 --> 00:14:58,898 無理ぃ~ うぅ…。 217 00:14:58,898 --> 00:15:02,902 そんなに嫌なら 逃げちまえばいいじゃねえか。 218 00:15:02,902 --> 00:15:07,407 だ だめ ルイスさんは 地の果てまでも追いかけてくる。 219 00:15:07,407 --> 00:15:10,743 見たことあるの あの手袋の下の殴りダコ。 220 00:15:10,743 --> 00:15:15,081 おい あいつ 冥府の番人の 間違いじゃないのか? 221 00:15:15,081 --> 00:15:17,417 それくらい怖い人なの! 222 00:15:17,417 --> 00:15:20,086 なら 前向きに考えようぜ。 223 00:15:20,086 --> 00:15:23,256 王子様ってのは すっげえ かっこいいんだろ? 224 00:15:23,256 --> 00:15:25,925 俺さま 本が好きだからな。 225 00:15:25,925 --> 00:15:29,428 ダスティン・ギュンターの本にも 書いてあるから 知ってるんだぜ。 226 00:15:31,431 --> 00:15:33,366 よくわかんない。 227 00:15:33,366 --> 00:15:36,536 七賢人って 式典とかに出るんだろ? 228 00:15:36,536 --> 00:15:38,871 見たことあるんじゃないのか? 229 00:15:38,871 --> 00:15:42,475 (モニカ)ずっと目を閉じてたから…。 230 00:15:44,544 --> 00:15:49,382 なあ 俺さま 思ったんだけどよぉ。 うん。 231 00:15:49,382 --> 00:15:53,986 護衛対象の顔がわからないって わりと致命的じゃね? 232 00:15:56,923 --> 00:15:59,926 ♬(子どもたち) 「1年目の冬 1匹売られ」 233 00:15:59,926 --> 00:16:03,930 ♬「2年目の冬 1匹売られ」 234 00:16:03,930 --> 00:16:07,433 ♬「3年目の冬 2匹売られ」 235 00:16:07,433 --> 00:16:10,937 ♬「4年目の冬 3匹売られ」 236 00:16:10,937 --> 00:16:14,607 ♬「5年目の冬 5匹売られた」 237 00:16:14,607 --> 00:16:18,277 ♬「ガラガラ ガラガラ 車輪の音に」 238 00:16:18,277 --> 00:16:21,280 ♬「ブゥブゥブゥブゥ 豚が鳴く」 239 00:16:21,280 --> 00:16:24,951 ♬「6年目が8匹ならば」 240 00:16:24,951 --> 00:16:31,624 ♬「10年目の冬 売られた豚は さて何匹?」 241 00:16:31,624 --> 00:16:34,727 ♬「55匹」 242 00:16:34,727 --> 00:16:38,898 28年目は31万7,811匹 29年目は…。 243 00:16:38,898 --> 00:16:41,234 同期殿? 51万4,229匹。 244 00:16:41,234 --> 00:16:45,204 ど う き ど の? ちょっ ちょっと考え事を。 245 00:16:48,241 --> 00:16:50,409 (リン)そろそろ到着いたします。 246 00:16:50,409 --> 00:16:54,914 それにあたりまして 画期的な着地方法のご提案が。 247 00:16:54,914 --> 00:16:56,883 結構。 248 00:16:58,918 --> 00:17:00,887 (ルイス)ようこそ 我が家へ。 249 00:17:02,889 --> 00:17:06,225 ロザリー ただいま戻りました。 250 00:17:06,225 --> 00:17:10,596 (ロザリー)失礼。 眼球運動 異常なし。 歯肉の出血なし。 251 00:17:10,596 --> 00:17:13,933 ただし 下瞼の裏側が白く 爪も白っぽい。 252 00:17:13,933 --> 00:17:16,602 その他 栄養失調 貧血の症状。 253 00:17:16,602 --> 00:17:18,571 あなた 年齢は? 254 00:17:18,571 --> 00:17:21,741 じゅ 16でしゅ…。 痩せすぎね。 255 00:17:21,741 --> 00:17:25,244 どなたか存じ上げないけれど 誰が見ても不健康なのは確か…。 256 00:17:25,244 --> 00:17:28,748 帰宅した夫に 「おかえり」の一言が あってもよいのでは? 257 00:17:28,748 --> 00:17:31,250 (ロザリー)患者の対応が最優先よ。 258 00:17:33,352 --> 00:17:35,354 (ルイス)ふむ。 259 00:17:35,354 --> 00:17:39,025 少しは人前に出られる状態に なりましたな。 260 00:17:39,025 --> 00:17:43,195 では これから客人に 挨拶をしてもらいましょう。 261 00:17:43,195 --> 00:17:45,197 客人…。 262 00:17:48,367 --> 00:17:51,370 (ルイス)あなたは これから誰になるんです? 263 00:17:51,370 --> 00:17:53,539 あっ… でも➡ 264 00:17:53,539 --> 00:17:58,210 ルイスさんが考えた設定では ご迷惑をかけてしまうのでは。 265 00:17:58,210 --> 00:18:00,212 ケルベック伯爵は➡ 266 00:18:00,212 --> 00:18:03,382 「いやぁ まるで バラッドのようではありませんか」➡ 267 00:18:03,382 --> 00:18:06,218 と ノリノリでして。 ノリノリ…。 268 00:18:06,218 --> 00:18:10,523 それに ケルベック伯爵の名に 聞き覚えは? 269 00:18:12,558 --> 00:18:14,894 あっ 竜討伐の。 270 00:18:14,894 --> 00:18:16,896 いかにも。 271 00:18:16,896 --> 00:18:21,567 3か月前 あなたが ウォーガンの黒竜から守った地域です。 272 00:18:21,567 --> 00:18:27,073 伯爵は 沈黙の魔女殿のためならば と。 273 00:18:27,073 --> 00:18:30,476 では 参りましょう。 274 00:18:32,411 --> 00:18:35,548 (イザベル)オーホッホッホッ! 275 00:18:35,548 --> 00:18:38,551 ご機嫌よう! 276 00:18:38,551 --> 00:18:43,055 あ~ら モニカ伯母様? 相も変わらず貧相な身なり。 277 00:18:43,055 --> 00:18:47,059 あなたが我がケルベック伯爵家の末席に 名を残しているなんて➡ 278 00:18:47,059 --> 00:18:52,365 わたくし恥ずかしくて しかたありませんわ オーッホッホッホッ。 279 00:18:52,365 --> 00:18:55,868 オーッホッホッホッ…。 280 00:18:57,870 --> 00:18:59,872 今の いかがですか? 281 00:18:59,872 --> 00:19:02,541 悪役令嬢っぽく ありませんでしたこと? 282 00:19:02,541 --> 00:19:06,379 わたくし 毎日欠かさず 発声練習をしてまいりましたの! 283 00:19:06,379 --> 00:19:09,215 え… あ…。 284 00:19:09,215 --> 00:19:11,917 あら いけない わたくしったら。 285 00:19:13,919 --> 00:19:18,257 お初にお目にかかりますわ 沈黙の魔女様。 286 00:19:18,257 --> 00:19:20,893 イザベル・ノートンと申します。 287 00:19:20,893 --> 00:19:24,230 黒竜討伐 父と領民に代わって➡ 288 00:19:24,230 --> 00:19:26,932 深く 感謝を。 289 00:19:28,901 --> 00:19:33,839 同期殿 イザベル様にご挨拶は? 290 00:19:33,839 --> 00:19:35,841 あっ…。 291 00:19:35,841 --> 00:19:38,177 少々 シャイな方でして。 292 00:19:38,177 --> 00:19:40,846 気にしませんわ。 293 00:19:40,846 --> 00:19:45,851 モニカお姉様は 誰よりも強くて 勇敢なお方であると➡ 294 00:19:45,851 --> 00:19:47,853 知っていますから。 295 00:19:49,855 --> 00:19:51,857 ((イザベル:アガサ。 296 00:19:51,857 --> 00:19:54,694 長年 我が家に仕えてくれて ありがとう。 297 00:19:54,694 --> 00:19:57,863 あなたには暇を出します。 298 00:19:57,863 --> 00:20:01,867 いいえ アガサも最後までお供します。 299 00:20:03,869 --> 00:20:06,038 ありがとう。 300 00:20:06,038 --> 00:20:08,040 (アラン)アガサ姉さん 大変だ! 301 00:20:08,040 --> 00:20:11,377 王都から来た魔術師が 黒竜を倒した! 302 00:20:11,377 --> 00:20:14,213 沈黙の魔女だ。 303 00:20:14,213 --> 00:20:19,385 沈黙の魔女が たった1人で 黒竜を撃退したらしい。 304 00:20:19,385 --> 00:20:23,189 (イザベル)被害は? (アラン)死傷者ゼロです! 305 00:20:28,894 --> 00:20:32,231 お嬢様。 306 00:20:32,231 --> 00:20:47,079 ♬~ 307 00:20:47,079 --> 00:20:51,584 そんな! 黒竜を失った翼竜たちが…。 308 00:20:56,255 --> 00:20:58,257 お嬢様!)) 309 00:20:58,257 --> 00:21:09,568 ♬~ 310 00:21:12,605 --> 00:21:23,949 ♬~ 311 00:21:23,949 --> 00:21:27,953 <魔力を行使して奇跡を起こす。 312 00:21:27,953 --> 00:21:33,259 詠唱によって魔術式を編み 魔力を行使するすべを➡ 313 00:21:33,259 --> 00:21:35,528 魔術という> 314 00:21:41,934 --> 00:21:47,606 <人は 詠唱なくして 魔力を扱うことはできない。 315 00:21:47,606 --> 00:21:51,944 ところが その不可能を 可能にしてしまった➡ 316 00:21:51,944 --> 00:21:53,913 一人の天才がいた> 317 00:21:55,948 --> 00:21:59,285 <名を モニカ・エヴァレット。 318 00:21:59,285 --> 00:22:02,588 リディル王国における魔術師の頂点➡ 319 00:22:02,588 --> 00:22:07,293 七賢人が一人 沈黙の魔女> 320 00:22:14,967 --> 00:22:16,969 <史上 初めて➡ 321 00:22:16,969 --> 00:22:21,440 無詠唱魔術を生み出した 魔術師である> 322 00:22:23,475 --> 00:22:28,280 ウォーガンの黒竜だけでなく 翼竜たちまでも たった1人で! 323 00:22:28,280 --> 00:22:32,451 しかも 街に被害が出ないよう 落下する翼竜を風で運び➡ 324 00:22:32,451 --> 00:22:35,888 しかもしかも 何も言わず その場を去るなんて! 325 00:22:35,888 --> 00:22:40,226 かっこよすぎますわぁ~! う… あ… えっと…。 326 00:22:40,226 --> 00:22:43,896 今回は セレンディア学園に潜入されると 伺っております。 327 00:22:43,896 --> 00:22:47,399 わたくし お姉様が 疑われることがないよう➡ 328 00:22:47,399 --> 00:22:51,904 お姉様を徹底的に いびって いびって いびり抜きますので! 329 00:22:51,904 --> 00:22:56,909 安心して 殿下の護衛に 専念してくださいませねぇ~!