1 00:00:02,168 --> 00:00:04,045 (ナレーター)ここはハットゥサ 2 00:00:04,421 --> 00:00:09,009 紀元前14世紀 ヒッタイト帝国の首都である 3 00:00:10,677 --> 00:00:16,057 この物語は アナトリアの大地を 熱い風と共に駆け抜けた⸺ 4 00:00:16,683 --> 00:00:18,977 1人の少女の物語 5 00:00:21,354 --> 00:00:24,232 (馬のいななき) 6 00:00:26,067 --> 00:00:27,277 ♪~ 7 00:00:27,402 --> 00:00:31,364 (ユーリ)風が舞い上がる 乾いた砂を巻き込んで 8 00:00:33,283 --> 00:00:34,951 熱い風が舞い上がる 9 00:00:35,827 --> 00:00:37,871 私の生きる空は ここ 10 00:00:38,455 --> 00:00:40,957 この赤い河のほとり 11 00:02:00,954 --> 00:02:05,959 ~♪ 12 00:02:14,676 --> 00:02:17,178 (兵士)イシュタル様! (兵士)イシュタル様が… 13 00:02:19,222 --> 00:02:20,098 (ザナンザ)ユーリ! 14 00:02:20,348 --> 00:02:22,517 (ズィダ) カイル 王と王太子を捕らえるぞ 15 00:02:22,642 --> 00:02:24,185 (カイル) 待ってください 叔父上! 16 00:02:24,310 --> 00:02:27,689 何をためらう!? あの娘のために 勝機を逃(のが)す気か? 17 00:02:27,814 --> 00:02:31,901 そんなことでは お前の下で 戦ってきた兵士たちが納得せんぞ 18 00:02:32,110 --> 00:02:33,444 (カイル)うっ… 19 00:02:33,736 --> 00:02:37,657 (マッティワザ)さあ 道を空けろ 空けぬなら イシュタルを殺す! 20 00:02:37,824 --> 00:02:39,659 (どよめき) 21 00:02:43,913 --> 00:02:44,789 (ズィダ・カイル)ああっ… 22 00:02:45,164 --> 00:02:47,292 (ズィダ)兵が自ら 道を… 23 00:02:47,417 --> 00:02:48,960 (カイル)ユーリのために 24 00:02:49,627 --> 00:02:50,461 (ユーリ)うっ… 25 00:02:53,506 --> 00:02:55,341 ユーリ! (ザナンザ)兄上! 26 00:02:55,508 --> 00:02:58,428 (兵士)どけどけ! イシュタル様は 俺たちのものだ 27 00:02:58,553 --> 00:03:00,930 (兵士)何だと!? (兵士)絶対 取り戻す! 28 00:03:01,097 --> 00:03:02,265 (カイル)くっ… 29 00:03:02,599 --> 00:03:04,517 (ズィダ)カイルよ (カイル)うん? 30 00:03:04,851 --> 00:03:07,729 アナトリアの 小国にすぎなかった我が国を 31 00:03:07,854 --> 00:03:10,440 帝国と呼ばれるまでに 大きくしたのは 32 00:03:10,565 --> 00:03:13,109 今の皇帝陛下や私たちだ 33 00:03:13,318 --> 00:03:17,197 だが それを完成させるのは お前だと思っている 34 00:03:17,322 --> 00:03:18,198 (カイル)あっ… 35 00:03:18,323 --> 00:03:21,492 (ズィダ)お前には 皇帝にふさわしい器量がある 36 00:03:21,618 --> 00:03:23,494 近衛長官にはザナンザが 37 00:03:23,786 --> 00:03:26,748 元老院を構成する人材も そろっている 38 00:03:26,956 --> 00:03:30,460 これで ふさわしい皇妃(おうひ)さえいれば 完璧なのだが… 39 00:03:30,793 --> 00:03:34,756 あの娘に その身分がないのは 残念なことだな 40 00:03:38,009 --> 00:03:41,054 (キックリ)カイル様 このあとは どうされますか? 41 00:03:41,179 --> 00:03:42,931 当然 追撃だ 42 00:03:43,056 --> 00:03:45,767 あと4か月で ユーリを帰さねばならない 43 00:03:46,559 --> 00:03:48,561 身分があろうがなかろうが⸺ 44 00:03:48,937 --> 00:03:51,230 ユーリは 皇妃になどなるわけがない 45 00:03:57,570 --> 00:04:00,365 (ザナンザ)あれから 黒太子が カルケミシュに立てこもって 46 00:04:00,490 --> 00:04:02,116 4か月近くか 47 00:04:02,241 --> 00:04:05,620 ヒッタイトでは 水の季節が終わろうとしています 48 00:04:05,745 --> 00:04:10,166 ホントにマズいな このままでは ユーリが帰れなくなってしまう 49 00:04:12,043 --> 00:04:16,047 (兵士)申し上げます ただいま 皇帝陛下がご着陣になられました 50 00:04:16,214 --> 00:04:17,048 (カイル)うん? 51 00:04:18,174 --> 00:04:22,011 (シュッピルリウマ1世)カイル ミタンニは籠城戦の構えのようだな 52 00:04:22,178 --> 00:04:24,931 はっ 申し訳ありません 首都を落としながら⸺ 53 00:04:25,056 --> 00:04:27,725 王を取り逃がしたのは 私の落ち度です 54 00:04:28,434 --> 00:04:31,104 もとより厳しい戦いのつもりだ 55 00:04:31,562 --> 00:04:35,984 それをお前が 1年足らずで ここまで詰めたのは手柄である 56 00:04:36,192 --> 00:04:37,026 はっ 57 00:04:37,360 --> 00:04:38,653 (シュッピルリウマ1世) あの城塞なら⸺ 58 00:04:38,778 --> 00:04:42,657 兵糧が尽きるのに あと三月(みつき)もあれば十分だろう 59 00:04:42,782 --> 00:04:44,909 このまま こうしておればよい 60 00:04:45,326 --> 00:04:48,913 いえ この戦いは あと5日以内に終わらせます 61 00:04:49,080 --> 00:04:51,124 なに? できるのか? 62 00:04:51,541 --> 00:04:55,712 はい 城内に刺客を送り込めれば… 63 00:04:55,837 --> 00:04:59,465 要は 王と王太子さえ いなくなればよいのです 64 00:04:59,590 --> 00:05:03,469 2人がいなくなれば ミタンニは 名実ともに滅びます 65 00:05:03,803 --> 00:05:06,681 死体を焼く煙は 日に日に増えるばかり 66 00:05:06,806 --> 00:05:09,726 既に 城内では 餓死者が出ているということ 67 00:05:09,851 --> 00:05:13,229 仰ぐ者を失えば 兵たちも降伏するでしょう 68 00:05:13,521 --> 00:05:17,734 ふむ… だが どうやって 刺客を送り込む? 69 00:05:18,776 --> 00:05:20,820 それは まだ… 70 00:05:21,529 --> 00:05:22,905 まあ よい 71 00:05:23,031 --> 00:05:26,701 前線の指揮はお前に任せてある 好きにせよ 72 00:05:27,035 --> 00:05:31,539 わしは 王の… トゥシュラッタの 最期さえ拝めればよい 73 00:05:31,664 --> 00:05:32,498 (カイル)はっ 74 00:05:34,500 --> 00:05:35,960 (イル)殿下 (カイル)うん? 75 00:05:36,252 --> 00:05:38,379 お急ぎになる必要はありません 76 00:05:38,504 --> 00:05:40,798 カルケミシュは 放っておいても落ちます 77 00:05:41,049 --> 00:05:44,552 ユーリ様は そのあと ゆっくり 取り戻せばよろしいでしょう 78 00:05:44,677 --> 00:05:46,346 だが それだと ユーリは… 79 00:05:46,471 --> 00:05:49,891 ええ ユーリ様はとどめ置かれなさいませ 80 00:05:50,099 --> 00:05:51,142 なに? 81 00:05:51,351 --> 00:05:52,935 (イル) 殿下も ユーリ様の資質には 82 00:05:53,061 --> 00:05:54,979 とっくにお気づきでしょう 83 00:05:55,104 --> 00:05:58,524 このまま とどめ置かれて ご正妃になさいませ 84 00:05:58,691 --> 00:06:02,945 ユーリを側室にするとき いちばん反対したのはお前だぞ 85 00:06:03,154 --> 00:06:07,658 はい あのときは ユーリ様が どういう方か存じませんでしたので 86 00:06:07,992 --> 00:06:08,910 (カイル)あっ… 87 00:06:09,619 --> 00:06:13,414 (イル)殿下は ずっと 皇妃に ふさわしい姫を探しておられた 88 00:06:13,539 --> 00:06:18,961 人の上に立つ器量 自戒心 自制心 それらを持つお方を 89 00:06:19,253 --> 00:06:21,672 そして 現れたのです 90 00:06:23,091 --> 00:06:24,425 確かに ユーリは 91 00:06:24,550 --> 00:06:27,678 歴代にない理想的な皇妃に なるかもしれない 92 00:06:28,137 --> 00:06:31,808 だが 私は ユーリを帰すと約束したんだ 93 00:06:32,100 --> 00:06:35,228 あいつは もともと この国にいるはずのない人間だ 94 00:06:35,561 --> 00:06:40,233 私とは… 私たちとは 会うはずのない人間だったのだ 95 00:06:40,608 --> 00:06:44,737 あいつのことは 初めからいない者と思って 諦めろ 96 00:06:46,864 --> 00:06:48,825 (マッティワザ)また 餓死者か 97 00:06:49,909 --> 00:06:52,495 (マッティワザ)お前も 食えるうちに食っておくがいい 98 00:06:53,329 --> 00:06:55,581 一体 これから どうするつもり? 99 00:06:55,706 --> 00:07:00,128 兵も次々に亡くなって 外も包囲されたままじゃない 100 00:07:01,587 --> 00:07:03,297 もしかして 待ってるの? 101 00:07:03,423 --> 00:07:06,467 エジプトからの… お姉さんからの援軍を 102 00:07:06,592 --> 00:07:08,386 (マッティワザ)うん!? (ユーリ)あっ! 103 00:07:08,511 --> 00:07:10,763 何するの! 近づかないで! 104 00:07:10,888 --> 00:07:15,601 お前こそ あの男の所に帰るのを よく 諦めずにいられるな 105 00:07:15,768 --> 00:07:16,936 当たり前でしょう! 106 00:07:20,314 --> 00:07:23,401 (マッティワザ)大抵の女は 捕らえられて ひと月もすれば 107 00:07:23,526 --> 00:07:25,736 心変わりするものだが 108 00:07:26,654 --> 00:07:29,699 もし お前の心が 私のものになれば 109 00:07:29,824 --> 00:07:34,078 お前も あの男も どんな顔をするのだろうな 110 00:07:34,537 --> 00:07:35,746 (ユーリ)それは! 111 00:07:40,668 --> 00:07:41,502 んんっ! 112 00:07:42,753 --> 00:07:46,215 カイル様 どうか 少しお休みくださいませ 113 00:07:46,340 --> 00:07:49,135 刺客を送り込む隙は 必ずできます 114 00:07:49,260 --> 00:07:51,679 すまない いらだっていて… 115 00:07:51,804 --> 00:07:54,682 だが ユーリを帰すまでの 期限を思うと… 116 00:07:55,766 --> 00:07:56,642 (兵士)申し上げます 117 00:07:56,767 --> 00:08:00,188 ただいま 黒太子の側室と 名乗る者が来ております 118 00:08:00,354 --> 00:08:02,398 (カイル)うん!? (シャラ・リュイ)ああっ… 119 00:08:02,523 --> 00:08:03,774 (ナディア)お願いいたします! 120 00:08:04,192 --> 00:08:07,278 どうか 私を 太子のもとにお通しくださいませ! 121 00:08:07,445 --> 00:08:11,908 ならん! 側室とはいえ 敵のもとに 行かせるわけにはいかぬ 122 00:08:12,116 --> 00:08:13,951 父上 お待ちを 123 00:08:14,076 --> 00:08:17,163 その方は義母上(ははうえ)の妹君だそうですよ 124 00:08:17,288 --> 00:08:19,457 特別に お通ししてもよろしいのでは? 125 00:08:19,582 --> 00:08:20,416 なに? 126 00:08:21,209 --> 00:08:24,420 (カイル)側室なら 何人も侍女を連れているでしょう 127 00:08:24,545 --> 00:08:27,715 そこに紛れて 刺客を送り込めます (シュッピルリウマ1世)あっ… 128 00:08:28,758 --> 00:08:31,093 すぐに ミタンニに問い合わせよ! 129 00:08:33,596 --> 00:08:34,430 (キックリ)カイル様! 130 00:08:34,555 --> 00:08:37,099 ナディア妃を受け入れると 返事があったそうです 131 00:08:37,225 --> 00:08:38,059 そうか 132 00:08:38,184 --> 00:08:40,853 (ミッタンナムワ) よし 城内へは俺が潜入する 133 00:08:40,978 --> 00:08:42,063 (ルサファ)俺も行こう 134 00:08:42,313 --> 00:08:46,609 行くのは1人だ 変装していても 複数では さすがに目立つ 135 00:08:46,734 --> 00:08:52,323 ならば 剣の腕が立つ俺だな 国王も黒太子も倒してやる 136 00:08:52,448 --> 00:08:53,282 あっ… 137 00:08:53,616 --> 00:08:56,160 いや 城内には私が行く 138 00:08:56,285 --> 00:08:59,330 (カッシュ)殿下 とんでもない! (ルサファ)私たちにお任せを! 139 00:08:59,664 --> 00:09:02,959 兄上 ユーリを取り戻すおつもりですね? 140 00:09:04,460 --> 00:09:06,379 父上には ないしょだぞ 141 00:09:10,841 --> 00:09:13,594 (兵士) これはナディア様 よくご無事で 142 00:09:13,803 --> 00:09:15,596 (兵士)さあ どうぞ こちらへ 143 00:09:15,721 --> 00:09:17,431 (ナディア)太子様は どちらに? 144 00:09:17,557 --> 00:09:20,017 (兵士)ただいま 要塞のほうに いらっしゃいます 145 00:09:20,142 --> 00:09:22,728 ナディア様にも お部屋をご用意しましたので 146 00:09:22,853 --> 00:09:24,855 ひとまず そちらにて お待ちを 147 00:09:29,318 --> 00:09:32,196 (兵士)うん? 宮殿から抜け出した女官か? 148 00:09:32,321 --> 00:09:35,491 (兵士)俺たちも ちょうど ここから脱出しようとしてたんだ 149 00:09:36,284 --> 00:09:38,411 どうだ? 一緒に行かないか? 150 00:09:38,536 --> 00:09:39,829 うっ! (カイル)ほう 151 00:09:39,954 --> 00:09:41,414 それはちょうどいい 152 00:09:41,872 --> 00:09:44,375 戻って 案内してもらおうか 153 00:09:45,751 --> 00:09:47,545 (マッティワザ)イルヤンカの眼(め) 154 00:09:47,962 --> 00:09:51,090 伝承では 人の心を操れるそうだが… 155 00:09:51,257 --> 00:09:54,427 あなた 私のことなんて 何とも思ってないじゃない! 156 00:09:54,552 --> 00:09:58,556 なのに 皇子への対抗意識だけで 私の心を操ろうとするなんて 157 00:09:58,681 --> 00:09:59,849 どうかしてるよ! 158 00:10:00,016 --> 00:10:02,143 だったら どうだと言うのだ? 159 00:10:02,268 --> 00:10:05,187 確かに あの男の顔は見てやりたい 160 00:10:05,438 --> 00:10:08,149 国を賭けるほど いとしい女が⸺ 161 00:10:08,274 --> 00:10:11,319 私のものになったと 知ったときの顔をな 162 00:10:11,444 --> 00:10:12,695 (ユーリ)くっ… 163 00:10:20,036 --> 00:10:21,203 (カイル)妙だな 164 00:10:21,329 --> 00:10:25,082 いくら餓死していっているとはいえ 兵が少なすぎる 165 00:10:25,207 --> 00:10:29,462 国王も王太子もいるというのに なぜ こんなに警備が甘い? 166 00:10:30,004 --> 00:10:33,215 (兵士)この先に 国王陛下や殿下がいるはずだ 167 00:10:33,382 --> 00:10:34,842 じゃ 俺たちは ここで… 168 00:10:34,967 --> 00:10:37,553 待て! 黒太子の部屋まで案内しろ 169 00:10:37,678 --> 00:10:38,846 勘弁してくれ! 170 00:10:38,971 --> 00:10:41,140 そろそろ この場を離れたいんだよ! 171 00:10:41,265 --> 00:10:42,099 なに? 172 00:10:42,224 --> 00:10:43,643 あとのことは もう知らねえ! 173 00:10:43,768 --> 00:10:46,145 お前も巻き込まれないようにな! (カイル)おい! 174 00:10:46,687 --> 00:10:48,272 どういうことだ? 175 00:10:48,522 --> 00:10:51,901 (ユーリ)ヤ… ヤダ やめ… やめて! 176 00:10:52,193 --> 00:10:53,903 あっ… ああっ! 177 00:10:54,403 --> 00:10:55,863 (家臣)殿下 大変です! 178 00:10:56,030 --> 00:10:56,989 何事だ? 179 00:10:57,114 --> 00:10:58,658 衛兵たちが! ああっ! (斬る音) 180 00:11:00,034 --> 00:11:02,078 (衛兵)これは王太子殿下 181 00:11:02,203 --> 00:11:06,332 兵士が 続々 餓死していると いうのに 女とご一緒とは 182 00:11:06,791 --> 00:11:08,709 近衛の将校たちか? 183 00:11:08,834 --> 00:11:12,588 反乱でも起こすつもりか 冗談は やめておけ 184 00:11:12,713 --> 00:11:15,216 冗談で こんなことできるか! 185 00:11:17,551 --> 00:11:19,178 ひいっ! (マッティワザ)父上! 186 00:11:19,470 --> 00:11:22,181 (衛兵) 殿下 あんたにも死んでもらうぜ 187 00:11:22,515 --> 00:11:26,310 あんたの首を差し出せば ヒッタイト軍は包囲を解く 188 00:11:26,435 --> 00:11:29,063 これ以上 俺たちが死ぬ必要はないんだ! 189 00:11:30,022 --> 00:11:31,148 やれ! 190 00:11:32,483 --> 00:11:33,776 (衛兵)うわっ! (衛兵)ああっ! うっ! 191 00:11:33,901 --> 00:11:36,821 (衛兵たち)うわーっ! (斬る音) 192 00:11:39,532 --> 00:11:40,700 (衛兵)死ねー! 193 00:11:40,950 --> 00:11:42,451 あっ… (ナディア)殿下! 194 00:11:42,576 --> 00:11:44,412 (斬る音) (ナディア)ああっ! 195 00:11:44,578 --> 00:11:45,996 ナディア! (ナディア)ああっ… 196 00:11:46,122 --> 00:11:47,123 ナディアさん! 197 00:11:47,790 --> 00:11:49,166 (剣をはじく音) (衛兵)ううっ… 198 00:11:50,042 --> 00:11:52,002 (衛兵)うっ! (衛兵)うわっ あっ! 199 00:11:52,128 --> 00:11:54,213 に… 逃げろ! 200 00:11:55,589 --> 00:11:57,550 殿下 ご無事で? 201 00:11:57,675 --> 00:11:59,051 ナディア なぜ… 202 00:11:59,176 --> 00:12:01,637 殿下 ここを出ましょう 203 00:12:01,762 --> 00:12:05,057 お命さえあれば 国など なくてもよいではありませんか 204 00:12:05,182 --> 00:12:07,268 私が 殿下のそばにいます 205 00:12:07,726 --> 00:12:08,561 (マッティワザ)んっ… 206 00:12:09,228 --> 00:12:11,647 それとも まだ 姉君を… 207 00:12:11,772 --> 00:12:14,316 タトゥーキア様を お忘れになれませんか? 208 00:12:14,442 --> 00:12:16,652 (マッティワザ)あっ… 姉上… 209 00:12:17,069 --> 00:12:19,697 (タトゥーキア) マッティ… マッティ! 210 00:12:19,822 --> 00:12:22,741 (マッティワザ)父上は なぜ 姉上を黄金(きん)と交換など! 211 00:12:22,867 --> 00:12:25,619 (トゥシュラッタ)黙れ! 姉の嫁入りを祝えないのか! 212 00:12:25,745 --> 00:12:28,164 (マッティワザ)父上こそ ミタンニの誇りはないのか! 213 00:12:28,289 --> 00:12:29,749 (斬る音) (トゥシュラッタ)黙れというに! 214 00:12:29,874 --> 00:12:30,708 (タトゥーキア)マッティ! 215 00:12:31,459 --> 00:12:32,626 これを! 216 00:12:33,252 --> 00:12:36,088 愛してるわ マッティ! 元気でね 217 00:12:36,213 --> 00:12:38,340 (マッティワザ)姉上ー! 218 00:12:40,217 --> 00:12:44,138 殿下 私の故郷 バビロニアにまいりましょう 219 00:12:44,263 --> 00:12:46,348 御身の安全はお約束します 220 00:12:46,807 --> 00:12:49,977 ねえ いるじゃない あなただけの人が 221 00:12:50,102 --> 00:12:53,481 ずっといたのに あなたが 見ようとしなかっただけだよ 222 00:12:54,565 --> 00:12:59,361 ナディア 国も身分もなくしても 私についてくるか? 223 00:12:59,612 --> 00:13:02,990 あっ… もちろん どこへなりと! 224 00:13:04,200 --> 00:13:05,242 そうか 225 00:13:07,077 --> 00:13:10,039 ユーリ お前は ムルシリの所に戻るがいい 226 00:13:10,164 --> 00:13:10,998 (ユーリ)えっ? 227 00:13:13,501 --> 00:13:17,546 持っていけ ここから出るときの 手形代わりにはなるだろう 228 00:13:19,423 --> 00:13:21,217 あ… ありがとう 229 00:13:21,675 --> 00:13:23,844 (マッティワザ) カイル・ムルシリに伝えろ 230 00:13:23,969 --> 00:13:28,974 こののち この世界を どう治めるのか見せてもらうとな 231 00:13:29,642 --> 00:13:31,143 黒太子… 232 00:13:37,942 --> 00:13:41,821 どうしよう 外に出たいのに ここは どこ? 233 00:13:42,905 --> 00:13:44,156 (悲鳴) 234 00:13:44,281 --> 00:13:47,993 イヤ! 離して! これを見て! 私は… あっ! 235 00:13:48,160 --> 00:13:49,995 (カイル)分かってる (ユーリ)えっ!? 236 00:13:54,375 --> 00:13:55,835 カイル皇子 237 00:13:56,085 --> 00:13:58,587 ああ ユーリ 会いたかった! 238 00:13:58,921 --> 00:14:01,715 皇子 会いたかった! 239 00:14:05,761 --> 00:14:06,595 (兵士)おっ!? 240 00:14:06,720 --> 00:14:09,014 ヒッタイト兵め! ううっ! 241 00:14:10,683 --> 00:14:14,562 見て分からないか? 取り込み中だ あとにしろ 242 00:14:14,687 --> 00:14:15,521 (ユーリ)うんっ… 243 00:14:15,855 --> 00:14:16,939 この野郎… 244 00:14:17,189 --> 00:14:18,148 (刺す音) (兵士)うっ… 245 00:14:20,317 --> 00:14:21,860 (カイル)ハア …たく 246 00:14:21,986 --> 00:14:24,738 ゆっくり 再会を 確かめ合ってる暇もないか 247 00:14:25,239 --> 00:14:28,200 (ユーリ)皇子 トゥシュラッタ王が殺されて… 248 00:14:28,409 --> 00:14:30,411 国王の件は 私も聞いた 249 00:14:30,536 --> 00:14:34,874 そう 黒太子も国を捨てて… (カイル)どこへ行った? 250 00:14:35,249 --> 00:14:38,168 バビロニアって言ってたけど… 追うの? 251 00:14:39,253 --> 00:14:40,087 うん? 252 00:14:40,296 --> 00:14:43,966 もし 本当に あいつが お前を自分のものにしていたら 253 00:14:44,091 --> 00:14:46,552 地の果てまで追ってでも 殺してやるが… 254 00:14:47,761 --> 00:14:50,264 今は 国を捨てた男に用はない 255 00:14:51,265 --> 00:14:52,683 それより 急ごう 256 00:14:53,517 --> 00:14:56,353 お前を帰す約束の日まで もう 猶予はない 257 00:14:56,520 --> 00:14:57,354 あっ… 258 00:14:57,605 --> 00:15:01,275 そうだった 皇子に会うときは帰るとき 259 00:15:01,900 --> 00:15:04,903 分かってる もう 覚悟はできてる 260 00:15:05,988 --> 00:15:08,365 (ハディ) ユーリ様 よくご無事で! 261 00:15:08,490 --> 00:15:12,870 カッシュ すぐに 私とユーリに 馬を用意してくれ 換え馬もだ! 262 00:15:13,120 --> 00:15:16,540 ユーリ様 やっぱり お帰りになるのですか? 263 00:15:16,665 --> 00:15:19,209 うん 家族が待ってるから 264 00:15:19,335 --> 00:15:20,919 そうですか 265 00:15:21,503 --> 00:15:24,214 キックリ ちょっと来てくれ (キックリ)はい? 266 00:15:25,924 --> 00:15:28,010 (イル)いやあ ユーリ様 間に合ってよかったな 267 00:15:28,135 --> 00:15:28,969 (ウルヒ)うん? 268 00:15:29,261 --> 00:15:31,847 これで 無事に 帰してさしあげることができる 269 00:15:31,972 --> 00:15:34,850 ホントに よかったなあ お前も そう思うだろう? 270 00:15:34,975 --> 00:15:36,352 ホ… ホントに! 271 00:15:36,477 --> 00:15:41,982 あと数日 足止めされたら また1年 いなければならないところだった 272 00:15:42,608 --> 00:15:46,612 ああっ… ホントに いいんですか? こんなこと ウルヒに聞かれたら… 273 00:15:46,737 --> 00:15:50,532 ああ きっと 何か画策するだろうな (キックリ)だったら… 274 00:15:50,699 --> 00:15:54,787 これでいい たまには ウルヒにも 役に立ってもらおう 275 00:15:55,287 --> 00:15:57,498 (カイル) ザナンザ あとは任せたぞ 276 00:15:57,623 --> 00:16:00,209 私は ひと足先に ハットゥサへ戻らせてもらう 277 00:16:00,334 --> 00:16:01,168 (ザナンザ)はい 278 00:16:01,752 --> 00:16:05,798 ユーリ 私が戻るころには あなたはいないんだな 279 00:16:06,090 --> 00:16:08,425 今までありがとう 皇子 280 00:16:11,011 --> 00:16:12,930 (カイル)行くぞ! (馬のいななき) 281 00:16:15,891 --> 00:16:18,102 (ユーリ) なんだか 実感が湧かない 282 00:16:18,477 --> 00:16:21,772 でも 今 帰れるのは喜ぶべきこと 283 00:16:22,106 --> 00:16:24,775 これ以上 皇子のことを好きになる前に 284 00:16:24,900 --> 00:16:28,487 皇子が 正妃を迎えるのを見る前に 帰れるんだから 285 00:16:28,904 --> 00:16:31,073 今なら まだ 諦められる 286 00:16:31,198 --> 00:16:35,911 1年ぶりに家族の所に帰って 皇子のことも忘れて… 287 00:16:36,495 --> 00:16:41,125 パパ ママ お姉ちゃん 詠美(えいみ)… 288 00:16:41,667 --> 00:16:45,504 みんなの所に帰って 元どおりに暮らすんだ 289 00:16:46,672 --> 00:16:47,506 うん? 290 00:16:48,173 --> 00:16:50,509 何だ? あれは (キックリ)火事でしょうか 291 00:16:55,305 --> 00:16:56,640 (カイル)これは… 292 00:16:57,057 --> 00:17:00,352 何があった? 我々は急いでいる 通してくれ! 293 00:17:00,644 --> 00:17:03,355 (兵士)申し訳ありませんが 橋は もう ムリです 294 00:17:03,480 --> 00:17:06,483 では 舟だ! 渡河用のいかだがあったはずだ! 295 00:17:06,692 --> 00:17:09,111 (兵士)それが いかだも燃えてしまっており 296 00:17:09,236 --> 00:17:11,321 すぐに 木材を手配いたしますので 297 00:17:11,447 --> 00:17:13,866 7日ほど お待ちいただけますでしょうか 298 00:17:14,032 --> 00:17:16,577 7日!? (ユーリ)もっと早くできないの? 299 00:17:16,827 --> 00:17:21,707 (兵士)はい いちばん近い森まで どんなに急いでも 往復で7日は… 300 00:17:21,832 --> 00:17:23,917 (カイル) なぜ こんなことになったんだ? 301 00:17:24,042 --> 00:17:26,170 (兵士) 最後に ウルヒ様が渡ったときは 302 00:17:26,295 --> 00:17:28,088 まだ大丈夫だったのですが 303 00:17:28,255 --> 00:17:30,841 ウルヒだと!? (イル)また あいつか 304 00:17:30,966 --> 00:17:34,303 これ以上 あの男を 放っておくわけにはいきませんな 305 00:17:35,971 --> 00:17:38,557 (ユーリ)私 帰れないの? 306 00:17:38,682 --> 00:17:42,060 また1年 ここにいなくちゃいけないの? 307 00:17:42,394 --> 00:17:43,645 (カイル)あっ… 308 00:17:44,021 --> 00:17:48,984 (ユーリ)やっと決心したのに パパ ママ みんな… 309 00:17:53,864 --> 00:17:59,161 (泣き声) 310 00:17:59,286 --> 00:18:01,288 (カイル)“また1年”か 311 00:18:01,663 --> 00:18:06,418 来年 私は また ユーリを 帰すつもりになれるだろうか 312 00:18:06,543 --> 00:18:10,589 (泣き声) 313 00:18:15,302 --> 00:18:17,471 (ユーリ)見て見て! 似合う? 314 00:18:17,596 --> 00:18:19,807 戦勝祝いで着飾っちゃった! 315 00:18:19,932 --> 00:18:23,393 (リュイ)ユーリ様 あと少しだけ じっとなさっててくださいませ 316 00:18:23,519 --> 00:18:26,438 (シャラ)この髪飾りを着けたら 終わりですから 317 00:18:27,523 --> 00:18:30,526 ユーリ 用意ができたら 神殿に行くぞ 318 00:18:30,984 --> 00:18:33,278 うん! 分かった 早く行こう 319 00:18:33,654 --> 00:18:36,782 式典の主役は皇子でしょう 遅れちゃマズいよ! 320 00:18:37,115 --> 00:18:38,242 ユーリ様… 321 00:18:38,367 --> 00:18:41,411 あれって 絶対… (シャラ)ムリしてるよね 322 00:18:43,747 --> 00:18:46,667 (歓声) 323 00:18:47,125 --> 00:18:50,796 カイル この度の遠征はご苦労だった 324 00:18:51,130 --> 00:18:56,009 ミタンニ戦の最大の功労が お前にあるのは 皆 承知している 325 00:18:56,134 --> 00:18:59,054 それから ユーリといったか (ユーリ)えっ? 326 00:18:59,221 --> 00:19:02,224 イシュタルの加護も いよいよ本物だな 327 00:19:02,516 --> 00:19:04,852 お前の労もねぎらおう 328 00:19:07,145 --> 00:19:08,856 ありがとうございます 329 00:19:09,398 --> 00:19:10,232 (ナキア)フン… 330 00:19:10,941 --> 00:19:14,027 帝国のために戦い 倒れたズィダをはじめ 331 00:19:14,153 --> 00:19:16,655 多くの戦士たちを失った 332 00:19:17,114 --> 00:19:18,323 叔父上… 333 00:19:18,991 --> 00:19:21,869 (議員)流れ矢に 当たったそうですから 不運な… 334 00:19:21,994 --> 00:19:24,997 (議員)空位になった近衛長官には どなたが… 335 00:19:25,122 --> 00:19:27,207 (議員) カイル殿下に決まっているだろう 336 00:19:27,332 --> 00:19:29,668 今回の武勲から見ても… 337 00:19:30,460 --> 00:19:32,713 ナキア皇妃 悔しそうだったな 338 00:19:32,838 --> 00:19:36,633 そりゃ カイル様とユーリ様の 名声が こうも高まっては… 339 00:19:37,301 --> 00:19:39,178 ユーリ 疲れただろう (ユーリ)あっ… 340 00:19:39,303 --> 00:19:42,014 すぐに 宮へ帰って… (ユーリ)うん そうだね! 341 00:19:42,139 --> 00:19:45,475 キックリ! 私が先に行って 馬の準備しておくね! 342 00:19:45,601 --> 00:19:47,436 (キックリ) えっ! あっ いや そんな… 343 00:19:48,020 --> 00:19:52,149 殿下 女性には優しくですよ 誠意を持って 344 00:19:52,274 --> 00:19:53,817 お前に言われたくない! 345 00:19:54,401 --> 00:19:56,904 ユーリは いずれ この国を出ていく人間だ 346 00:19:57,029 --> 00:20:00,824 私の望みだけで ここに残らせ 不幸にしたくない 347 00:20:00,991 --> 00:20:05,329 ほう 殿下は 女性1人 幸せにする自信がないと? 348 00:20:05,454 --> 00:20:06,330 (カイル)なに? 349 00:20:06,538 --> 00:20:09,291 (イル)本当に ユーリ様を いとおしくお思いなら 350 00:20:09,416 --> 00:20:13,337 この国にとどめ 愛し 元の世界を忘れるくらい 351 00:20:13,462 --> 00:20:16,465 幸せにしてさしあげれば よろしいではないですか 352 00:20:16,632 --> 00:20:18,842 (カイル)私が ユーリを… 353 00:20:19,426 --> 00:20:23,055 元の世界を忘れるくらい幸せに… 354 00:20:25,432 --> 00:20:26,308 (ユーリ)どうしよう 355 00:20:26,934 --> 00:20:30,562 このあとも ずっと 皇子のことを避け続けるの? 356 00:20:30,854 --> 00:20:33,565 でも ほかに どうすればいいの? 357 00:20:33,690 --> 00:20:36,693 また1年 そばで暮らすことになって… 358 00:20:36,902 --> 00:20:40,113 笑ってやり過ごす以外 どうしたらいいの? 359 00:20:42,824 --> 00:20:43,700 (アンケセナーメ)ファラオよ! 360 00:20:43,951 --> 00:20:46,954 目を開けて! ツタンカーメン王よ 361 00:20:47,412 --> 00:20:49,122 (アンケセナーメ) きっと 毒殺されたのよ 362 00:20:49,248 --> 00:20:52,417 (ネフェルティティ) 口を慎みなさい アンケセナーメ 363 00:20:53,919 --> 00:20:54,920 (アンケセナーメ)お母様… 364 00:20:55,045 --> 00:20:57,839 (ネフェルティティ)あなたと ファラオの間には御子(みこ)がいない 365 00:20:58,423 --> 00:21:02,678 王朝を継続するために 早急に再婚の手配をしなければ 366 00:21:02,803 --> 00:21:03,637 (アンケセナーメ)くっ… 367 00:21:04,471 --> 00:21:08,684 私は 家臣とは… エジプトの人間とは結婚しません! 368 00:21:09,017 --> 00:21:12,312 私の夫を 殺したかもしれない人たちとは! 369 00:21:15,399 --> 00:21:20,404 ♪~ 370 00:22:39,941 --> 00:22:44,946 ~♪