1 00:00:38,112 --> 00:00:43,083 やめろ!やめてくれ まだ死にたくねえ 2 00:00:43,083 --> 00:00:48,756 張讓宅への侵入 及び 衛兵殺害の容疑で逮捕された曹操 3 00:00:48,756 --> 00:00:52,926 その審問の日が翌日に迫っていた 4 00:00:52,926 --> 00:00:56,026 やめろー! ジタバタすんじゃねえ 5 00:00:58,732 --> 00:01:02,069 生前の罪滅ぼしにもっとあがけ! 6 00:01:02,069 --> 00:01:05,873 審問を行うのは裁判官 橋玄 7 00:01:05,873 --> 00:01:09,176 情状酌量も袖の下も 一切 受け付けぬ 8 00:01:09,176 --> 00:01:14,748 厳格な裁きぶりから 「洛陽の鬼神」と恐れられていた 9 00:01:14,748 --> 00:01:18,986 明日のお裁き 期待しておりますぞ 橋玄殿 10 00:01:18,986 --> 00:01:22,856 過分のご期待は無用に願いたい 11 00:01:22,856 --> 00:01:26,260 曹操という小僧の罪は明らかです 12 00:01:26,260 --> 00:01:30,931 斬首以外 妥当な刑はございませんぞ 13 00:01:30,931 --> 00:01:37,404 だが もしも厳格な法の裁きが 曹操に極刑を下せぬ時には 14 00:01:37,404 --> 00:01:42,676 裁いた人間に極刑を下すのは 私の務め 15 00:01:42,676 --> 00:01:45,245 十常侍 張譲殿といえども 16 00:01:45,245 --> 00:01:48,845 裁きの場に私情を持ち込むこと まかりなりませぬ 17 00:01:56,323 --> 00:02:01,628 張譲 わしの目の黒いうちは 好きにはさせんぞ 18 00:02:01,628 --> 00:02:07,367 現役を退いたとはいえ わしも 長らく帝に仕えておったのじゃ 19 00:02:07,367 --> 00:02:11,171 いざとなれば お前の悪行を帝に知らせ 20 00:02:11,171 --> 00:02:14,074 閻魔に引き渡すこともできる 21 00:02:14,074 --> 00:02:16,674 そのことを忘れるなよ 22 00:02:30,524 --> 00:02:36,196 審問を行う前に言っておく 私は法に仕える人間だ 23 00:02:36,196 --> 00:02:39,466 私の前でウソを申せば首をはねる 24 00:02:39,466 --> 00:02:42,166 真実のみを申せ よいな? 25 00:02:44,171 --> 00:02:48,942 過日 君は 中常侍張譲殿の屋敷に乱入し 26 00:02:48,942 --> 00:02:54,281 水晶なる使用人を拉致せんと 18名を殺傷し逃亡した 27 00:02:54,281 --> 00:02:57,751 間違いないか? 正確ではない 28 00:02:57,751 --> 00:03:00,521 どのように正確ではないのだ? 29 00:03:00,521 --> 00:03:02,589 まず 乱入ではない 30 00:03:02,589 --> 00:03:08,228 私は武器を持たず 正面玄関から 案内を請うて中に入った 31 00:03:08,228 --> 00:03:12,933 そして水晶を妻にするため 彼女の返還を求めたのだ 32 00:03:12,933 --> 00:03:14,968 拉致ではない 33 00:03:14,968 --> 00:03:19,239 張譲は返還を断る正当な理由が ないにもかかわらず 34 00:03:19,239 --> 00:03:23,644 それを拒み 衛兵に剣を抜かせた 35 00:03:23,644 --> 00:03:28,182 私がそこで15人を殺し 3人を傷つけたと言われれば 36 00:03:28,182 --> 00:03:30,117 そうだと答えよう 37 00:03:30,117 --> 00:03:34,955 しかし法によれば それは正当なる防衛というものだ 38 00:03:34,955 --> 00:03:37,457 むしろ罪は張譲にある 39 00:03:37,457 --> 00:03:41,695 水晶を殺すばかりか しかばねにも辱めを与えた 40 00:03:41,695 --> 00:03:45,599 あの卑劣漢こそ ここで断罪されねばならない 41 00:03:45,599 --> 00:03:50,504 張譲殿の証言によれば 君は水晶を強奪しようとし… 42 00:03:50,504 --> 00:03:53,307 返還を強奪というのなら そうだ 43 00:03:53,307 --> 00:03:58,445 その際 それを止めに入った 張譲殿の顔面を剣で切りつけ 44 00:03:58,445 --> 00:04:01,782 私なら奴の首をはねている 45 00:04:01,782 --> 00:04:06,186 逆上した君は 逃げる時に 水晶をも殺している 46 00:04:06,186 --> 00:04:09,923 妻にするのが 1日遅れたことを罪とするならば 47 00:04:09,923 --> 00:04:12,523 私が水晶を殺したことになろう 48 00:04:19,433 --> 00:04:23,770 多くの衛兵が 張譲殿の証言を裏付けておる 49 00:04:23,770 --> 00:04:26,740 これを否定しているのは 君の叫びのみだ 50 00:04:26,740 --> 00:04:30,310 君だけが君を弁護しておる 51 00:04:30,310 --> 00:04:36,183 ならば曹操 他に君の叫びを 裏付ける者がいるか? 52 00:04:36,183 --> 00:04:38,683 いる 誰だ それは? 53 00:04:40,954 --> 00:04:42,956 天だ 54 00:04:42,956 --> 00:04:45,926 張譲の衛兵や家臣たちが どんなに虚言を吐こうと 55 00:04:45,926 --> 00:04:48,061 天の目は欺けぬ 56 00:04:48,061 --> 00:04:51,932 人は天のことを知ることはできぬ 57 00:04:51,932 --> 00:04:54,401 天を知らずして 法に従うとは笑止 58 00:04:54,401 --> 00:04:56,336 貴方の信ずる法は 59 00:04:56,336 --> 00:04:59,873 天意にのっとっているからこそ 正しいのだろう 60 00:04:59,873 --> 00:05:03,176 君は私に向かって法を説くか 61 00:05:03,176 --> 00:05:08,448 君は天を語り 法を語る しかし天は証言せぬ 62 00:05:08,448 --> 00:05:10,384 では 1つ聞こう 63 00:05:10,384 --> 00:05:14,254 天が君に命を与えたら 君は何をする? 64 00:05:14,254 --> 00:05:19,860 もし このまま生きられるなら 天下で何をするというのだ? 65 00:05:19,860 --> 00:05:25,699 漢朝400年 帝室は乱れ 国は病んでいる 66 00:05:25,699 --> 00:05:29,536 帝に覇気なく 宦官の害 甚だしく 67 00:05:29,536 --> 00:05:32,739 天下は怨念と不満に満ちている 68 00:05:32,739 --> 00:05:34,675 民は貧しく 69 00:05:34,675 --> 00:05:37,577 私欲をむさぼる役人どもが ばっこしている 70 00:05:37,577 --> 00:05:41,415 これを裁かずして 天下の正義はない 71 00:05:41,415 --> 00:05:44,151 そもそも国家とは万民の大義 72 00:05:44,151 --> 00:05:48,055 すなわち天下の大義なり 73 00:05:48,055 --> 00:05:51,491 この曹操 今は覇者にあらず 74 00:05:51,491 --> 00:05:54,091 しかれども 天下の大義を知る 75 00:05:56,229 --> 00:06:01,029 天が機会が与えるならば 我 天下を治むるに至らん 76 00:06:15,048 --> 00:06:17,718 法の衣をまとうがよい 77 00:06:17,718 --> 00:06:21,188 わしの名は橋玄である 78 00:06:21,188 --> 00:06:25,158 君の語るように この世は まさに乱世 79 00:06:25,158 --> 00:06:30,458 曹操よ 君は英雄となり この乱世を治めうる人間か 80 00:06:39,906 --> 00:06:43,276 天と一体となっている 若者を断ずるのは 81 00:06:43,276 --> 00:06:46,213 この橋玄の任務ではない! 82 00:06:46,213 --> 00:06:50,183 この任務は天そのものに 預けるものとする! 83 00:06:50,183 --> 00:06:53,683 行けい 曹操! 84 00:07:00,660 --> 00:07:03,296 西暦175年 85 00:07:03,296 --> 00:07:05,332 20歳となった曹操は 86 00:07:05,332 --> 00:07:11,338 洛陽 北門の警備隊長である 北部尉に自ら志願した 87 00:07:11,338 --> 00:07:15,208 帝に仕えた宦官 曹騰の孫である彼にとって 88 00:07:15,208 --> 00:07:18,208 それあまりにも 位の低い官職であった 89 00:07:20,180 --> 00:07:25,619 洛陽北部尉 ご着任 隊長曹操殿 訓示 90 00:07:25,619 --> 00:07:30,524 万民の幸福は 漢王朝の治安にかかっている 91 00:07:30,524 --> 00:07:35,095 しかし今 洛陽城内の 風紀の乱れは甚だしい 92 00:07:35,095 --> 00:07:39,933 その乱れを まずは最悪である この北部城門より正していく 93 00:07:39,933 --> 00:07:43,170 これは諸君の重大なる責務である 94 00:07:43,170 --> 00:07:46,840 コホン… 北部尉殿 ご立派であります 95 00:07:46,840 --> 00:07:49,276 はははは… 96 00:07:49,276 --> 00:07:52,679 厳然たる法に基づき 本日より 97 00:07:52,679 --> 00:07:56,550 北部の城門すべてに 夜間通行禁止令を敷き 98 00:07:56,550 --> 00:08:00,420 夜陰に乗じて 悪事を働く者を一掃する 99 00:08:00,420 --> 00:08:04,925 この令を犯す者は 何人であっても厳罰に処する 100 00:08:04,925 --> 00:08:09,196 コホン 皇族 官吏であってもですか? 101 00:08:09,196 --> 00:08:11,431 君の発言を許してはいない 102 00:08:11,431 --> 00:08:14,468 コホン 俺たちは役目を知りたいんです 103 00:08:14,468 --> 00:08:18,205 どうなんです 皇族 官吏でもですか? 104 00:08:18,205 --> 00:08:20,807 どうなんですか? 答えてもらいましょう 105 00:08:20,807 --> 00:08:25,712 北部尉の命令に背くことは 死罪に値する 106 00:08:25,712 --> 00:08:29,249 私は「何人も」と言った 107 00:08:29,249 --> 00:08:32,152 それは貴賎を問わず 「皇族 官吏から」 108 00:08:32,152 --> 00:08:36,056 「庶民の下々に至るまで」と いう意味だ 109 00:08:36,056 --> 00:08:39,156 後列左より3名 列をいでよ 110 00:08:45,699 --> 00:08:47,699 貴様もだ 111 00:08:53,039 --> 00:08:56,443 この3名に いかなる処罰を与える? 112 00:08:56,443 --> 00:08:58,912 棒打ち2回 113 00:08:58,912 --> 00:09:02,782 なぜ2回だ? 命令不服従で1つ 114 00:09:02,782 --> 00:09:06,653 上官不敬で1つ 115 00:09:06,653 --> 00:09:09,022 それを仲間に 指図した理由を加え 116 00:09:09,022 --> 00:09:12,222 打擲 3回! 貴様が罰を受けよ 117 00:09:17,163 --> 00:09:20,663 打て! 構わん やれ 118 00:09:24,804 --> 00:09:26,804 次! 119 00:09:35,415 --> 00:09:37,415 次! 120 00:09:41,755 --> 00:09:44,658 今後 貴様は 後ろに立つこと まかりならん 121 00:09:44,658 --> 00:09:48,128 私の横に侍り 我が副官として 122 00:09:48,128 --> 00:09:50,328 兵を前より見据えて役目せよ 123 00:09:52,866 --> 00:09:55,366 これをもって我が隊は新生する 124 00:10:07,314 --> 00:10:10,250 こんな禁令のことなど 聞いてはおらぬぞ 125 00:10:10,250 --> 00:10:13,520 日没後は この城門より 外には出られません 126 00:10:13,520 --> 00:10:15,520 悪しからず 127 00:10:25,799 --> 00:10:29,669 蹇朔 帝の居城 温徳殿に仕える 128 00:10:29,669 --> 00:10:33,306 大官と呼ばれる官僚の1人である 129 00:10:33,306 --> 00:10:36,876 お待ちくだされ 蹇朔殿 130 00:10:36,876 --> 00:10:40,280 こんな時間まで門番とはご苦労 131 00:10:40,280 --> 00:10:43,049 北門は夜間の通行は 禁止されています 132 00:10:43,049 --> 00:10:45,952 貴様 誰に向かって言っておる 133 00:10:45,952 --> 00:10:48,888 わしは これから 帝に会いに行くのじゃ 134 00:10:48,888 --> 00:10:51,658 いっときの遅れは万死に値する 135 00:10:51,658 --> 00:10:55,495 貴様ら下賎の者どもの 首をいくら差し出しても 136 00:10:55,495 --> 00:10:57,864 申し開きが立たんのだ 137 00:10:57,864 --> 00:11:01,401 ですが いかなる方の いかなる理由であれ 138 00:11:01,401 --> 00:11:05,705 この禁令を厳守するよう 言われております 139 00:11:05,705 --> 00:11:08,141 騒者打擲だと? 140 00:11:08,141 --> 00:11:11,044 「騒者打擲」 騒ぎを起こした者は 141 00:11:11,044 --> 00:11:13,644 棒打ちの刑に処するという 意味である 142 00:11:16,850 --> 00:11:19,886 この曹操とかいう バカ者を連れてこい 143 00:11:19,886 --> 00:11:22,188 わしが直々に打擲してやる 144 00:11:22,188 --> 00:11:26,026 私が曹操だ 145 00:11:26,026 --> 00:11:28,926 貴様か?この身の程知らずが 146 00:11:31,431 --> 00:11:33,466 これは君の持つものではない 147 00:11:33,466 --> 00:11:35,466 おのれーっ 148 00:11:38,204 --> 00:11:41,104 捕らえよ! よ… よせ 149 00:11:44,644 --> 00:11:48,181 宗鎰 彼の場合 何擲が妥当か 150 00:11:48,181 --> 00:11:50,850 はい 100擲が適当であります 151 00:11:50,850 --> 00:11:54,688 理由は? 夜間北門通行の罪 152 00:11:54,688 --> 00:11:58,358 城中乗馬と帯刀 並びに門中騒乱 153 00:11:58,358 --> 00:12:00,293 それに… それに加え 154 00:12:00,293 --> 00:12:02,762 門衛威嚇に脅迫 155 00:12:02,762 --> 00:12:05,498 白馬馬車騎乗行列 無届け 156 00:12:05,498 --> 00:12:09,436 紫禁朝服着用 掲示板損壊 157 00:12:09,436 --> 00:12:14,207 乱暴ろうぜき罪に侮辱罪 貴人にあるまじき言動 158 00:12:14,207 --> 00:12:18,745 それに伴う風紀罪 配下を使っての役目妨害 159 00:12:18,745 --> 00:12:22,649 部尉への脅迫と武力行為 まだまだあるぞ 160 00:12:22,649 --> 00:12:27,487 待て! わしは十常侍 蹇碩の叔父じゃぞ 161 00:12:27,487 --> 00:12:30,790 部尉なら蹇碩の名を 聞いたことがあろう 162 00:12:30,790 --> 00:12:33,493 宦官を親戚に持つのか 163 00:12:33,493 --> 00:12:35,428 蹇碩を呼んでくれ 164 00:12:35,428 --> 00:12:38,898 奴に頼んで お前を昇級させてやる どうだ? 165 00:12:38,898 --> 00:12:40,900 褒美も たんと出すぞ 166 00:12:40,900 --> 00:12:42,902 昇級に褒美か 167 00:12:42,902 --> 00:12:47,273 そうだ お前と部下のしたことは 全部 水に流してやる 168 00:12:47,273 --> 00:12:50,643 悪いことは言わん すぐに やめるのだ 169 00:12:50,643 --> 00:12:53,213 君は また罪を犯した 170 00:12:53,213 --> 00:12:58,485 部尉を侮辱し 指図した罪 賄賂に官名汚辱 171 00:12:58,485 --> 00:13:01,285 さらに4擲を加えねば ならないではないか 172 00:13:06,092 --> 00:13:09,395 決してお放しなさるな 173 00:13:09,395 --> 00:13:14,734 蹇朔殿 死罪にまでは 当たらないと酌量し減刑した 174 00:13:14,734 --> 00:13:18,634 22打擲だ 気迫を込めて受けられよ 175 00:13:22,475 --> 00:13:25,979 北門の厳法に従い 罰を下す 176 00:13:25,979 --> 00:13:28,448 五彩棒22打擲 177 00:13:28,448 --> 00:13:30,950 ひとつ 178 00:13:30,950 --> 00:13:33,650 うぎゃああー 179 00:13:38,658 --> 00:13:41,558 蹇朔殿 手引き通り耐えられよ 180 00:13:51,938 --> 00:13:54,438 蹇朔殿?蹇朔殿? 181 00:13:58,111 --> 00:14:00,811 北部尉殿 死んでしまいました 182 00:14:03,449 --> 00:14:05,449 ならば よし! 183 00:14:10,223 --> 00:14:13,827 蹇朔殿も えらい災難でござったのう 184 00:14:13,827 --> 00:14:16,696 北宮でのイタズラは ちょっとできんな 185 00:14:16,696 --> 00:14:19,532 「ならば よし」で 一巻の終わりじゃ 186 00:14:19,532 --> 00:14:22,335 でも付近の領民は大喜びだ 187 00:14:22,335 --> 00:14:25,705 あれ以来 治安はよくなったからな 188 00:14:25,705 --> 00:14:28,608 蹇朔を処罰した曹操のうわさは 189 00:14:28,608 --> 00:14:32,145 瞬く間に洛陽中に広がっていった 190 00:14:32,145 --> 00:14:35,582 その厳しい取り締まりぶりに 人々は曹操のことを 191 00:14:35,582 --> 00:14:39,786 「北門の鬼」と呼び 恐れるようになっていた 192 00:14:39,786 --> 00:14:43,089 人形師どもがこのような物まで 193 00:14:43,089 --> 00:14:48,228 これでは北部尉殿が まるで鬼畜生のようでございます 194 00:14:48,228 --> 00:14:50,797 辛 それが今やるべきことだ 195 00:14:50,797 --> 00:14:52,797 拝見いたします 196 00:14:57,237 --> 00:15:00,073 こ… これは まさか… 197 00:15:00,073 --> 00:15:04,544 恐れながら この件については すでに片が付いております 198 00:15:04,544 --> 00:15:07,814 お役目を越えて このようなものに興味を示されるのは 199 00:15:07,814 --> 00:15:10,216 北部殿の評価を下げるばかりか 200 00:15:10,216 --> 00:15:13,920 ここにいる全員の 首が飛ぶことになりまする 201 00:15:13,920 --> 00:15:18,091 どうか おやめ下され 202 00:15:18,091 --> 00:15:21,961 後漢時代 帝は自ら 官職を切り売りし 203 00:15:21,961 --> 00:15:26,132 私財を蓄えることに 精を出していた 204 00:15:26,132 --> 00:15:30,703 その官職を買い占めて 勢力を伸ばしていったのが宦官 205 00:15:30,703 --> 00:15:32,705 男の機能を切除することで 206 00:15:32,705 --> 00:15:37,410 後宮に入る 資格を得た者たちである 207 00:15:37,410 --> 00:15:40,179 宦官たちは 自分の縁者を地方官にし 208 00:15:40,179 --> 00:15:45,018 飢饉に苦しむ農民から 更に搾取した 209 00:15:45,018 --> 00:15:50,156 西暦168年 腐敗しきった 宦官政治を排斥しようと 210 00:15:50,156 --> 00:15:52,892 心ある者たちが立ち上がった 211 00:15:52,892 --> 00:15:58,531 しかし 計画は宦官たちの 情報網の前に あえなく失敗 212 00:15:58,531 --> 00:16:03,002 見せしめとして 首謀者 陳蕃ほか 100余名が惨殺され 213 00:16:03,002 --> 00:16:05,972 2000名に及ぶ者が 厳しい拷問を受け 214 00:16:05,972 --> 00:16:10,410 かえって 宦官の力を 世に知らしめることとなった 215 00:16:10,410 --> 00:16:14,347 これを党錮の禁と言う 216 00:16:14,347 --> 00:16:18,451 時の世を震え上がらせたのは 皇帝の印璽を預かり 217 00:16:18,451 --> 00:16:23,289 詔勅を自在に操った 10人の宦官たちであった 218 00:16:23,289 --> 00:16:28,289 張譲を筆頭とする彼らを 人々は十常侍と呼んだ 219 00:16:32,465 --> 00:16:37,036 その十常侍の1人 蹇碩 蹇朔の甥である 220 00:16:37,036 --> 00:16:39,372 蹇碩 はい 221 00:16:39,372 --> 00:16:43,242 まさか叔父上の復讐を 考えてはいまいな 222 00:16:43,242 --> 00:16:48,081 張譲殿 私にも十常侍としての メンツがあります 223 00:16:48,081 --> 00:16:50,950 今回のことの結末は つけるつもりです 224 00:16:50,950 --> 00:16:55,788 この張譲が4年間 ついに何の手出しもできずにいる 225 00:16:55,788 --> 00:16:58,057 ですが あの曹操は… 226 00:16:58,057 --> 00:17:01,361 余程の覚悟があろうな 227 00:17:01,361 --> 00:17:03,361 もちろんです 228 00:17:10,703 --> 00:17:14,307 辛 つなげ あいやー 229 00:17:14,307 --> 00:17:17,977 辛 これだ はい 230 00:17:17,977 --> 00:17:21,247 日一日と出仕時間が早くなる 231 00:17:21,247 --> 00:17:26,119 北部尉殿は いつ眠っておられるのだ? 232 00:17:26,119 --> 00:17:28,121 党錮の禁の直前 233 00:17:28,121 --> 00:17:32,458 羌族の討伐の隊長は 官を辞して隠遁している 234 00:17:32,458 --> 00:17:36,558 その隊長 張奐は 2本の投げ斧を使う名人だった 235 00:17:38,398 --> 00:17:41,801 上奏文を持った 陳蕃の死体は一撃のもと 236 00:17:41,801 --> 00:17:45,038 3つに飛び散っていた 237 00:17:45,038 --> 00:17:50,676 陳蕃に直接手を下したのは 恐らく この男 238 00:17:50,676 --> 00:17:52,676 張奐の行方を追うぞ 239 00:17:54,680 --> 00:17:57,183 報告いたします 240 00:17:57,183 --> 00:18:02,021 北部尉曹操 前任の北部尉が 目こぼししていた官吏7名を 241 00:18:02,021 --> 00:18:04,524 収賄などの罪で処刑 242 00:18:04,524 --> 00:18:09,362 また夜間 農家に押し入り 娘を強姦した3名をはじめ 243 00:18:09,362 --> 00:18:15,234 同様の罪状で 合計12名の役人を処刑しました 244 00:18:15,234 --> 00:18:20,106 申し上げます 曹操 東 西 南 各部尉を丸め込み 245 00:18:20,106 --> 00:18:23,276 各門に北門と同じ禁令を 敷かせました 246 00:18:23,276 --> 00:18:28,548 また各部より出させた 大工 左官の元に多数の流民を集め 247 00:18:28,548 --> 00:18:34,153 城壁修理役とし 洛陽城中 すべての城壁を修理中です 248 00:18:34,153 --> 00:18:37,156 本日最後の報告でございます 249 00:18:37,156 --> 00:18:41,861 曹操の部下数名が 古い記録を調べておりまして 250 00:18:41,861 --> 00:18:45,832 それが 陳蕃の縁故の者を 探っておる模様であります 251 00:18:45,832 --> 00:18:47,832 うえ~ 252 00:18:49,969 --> 00:18:51,969 陳蕃だと… 253 00:18:55,508 --> 00:18:57,508 張奐 254 00:18:59,679 --> 00:19:01,679 貴様 なぜ生きている? 255 00:19:04,917 --> 00:19:11,691 確かに張讓殿から命を受け 陳蕃殿を斬りました 256 00:19:11,691 --> 00:19:14,727 陳蕃殿が握りしめていた巻物は 257 00:19:14,727 --> 00:19:19,232 十常侍の悪行を 帝に訴える上奏文でした 258 00:19:19,232 --> 00:19:24,232 その時 私は十常侍に 欺かれたことを知りました 259 00:19:27,473 --> 00:19:30,243 その証言に偽りはないな? 260 00:19:30,243 --> 00:19:33,646 はい そして これが 261 00:19:33,646 --> 00:19:38,584 私がひそかに持ち帰った 陳蕃殿の上奏文でございます 262 00:19:38,584 --> 00:19:44,290 陳蕃殿は最後の一瞬まで 誇り高いお方でした 263 00:19:44,290 --> 00:19:47,126 私は心のどこかで 264 00:19:47,126 --> 00:19:51,831 探し出される この日を 待っていたのやも しれませぬ 265 00:19:51,831 --> 00:19:55,131 貴方のお名前を お聞かせ願えませぬか 266 00:19:57,303 --> 00:20:00,206 辛 竹簡と上奏文を預かれ 267 00:20:00,206 --> 00:20:02,206 は… はい 268 00:20:31,170 --> 00:20:34,073 張奐! 269 00:20:34,073 --> 00:20:38,077 宦官どもに荷担した 君の過ちを五分と見よ 270 00:20:38,077 --> 00:20:42,515 そして これから張奐という 武人が漢の大地に打ち立てる 271 00:20:42,515 --> 00:20:45,151 生きた証しを五分と見よ 272 00:20:45,151 --> 00:20:47,386 命を絶つ気概があるなら 273 00:20:47,386 --> 00:20:51,090 陳蕃を一撃で葬った その腕を買い上げよう 274 00:20:51,090 --> 00:20:54,961 生きたしかばねから いでて 私の元へ来い! 275 00:20:54,961 --> 00:20:58,461 私は洛陽北部尉 曹操である 276 00:21:04,437 --> 00:21:08,641 曹操は党錮の禁の真実を 暴き出した 277 00:21:08,641 --> 00:21:11,911 そして それは 張譲 率いる十常侍との 278 00:21:11,911 --> 00:21:15,811 激しい戦いの幕開けを 意味していた 279 00:24:28,073 --> 00:24:30,476 漢王朝末期 280 00:24:30,476 --> 00:24:33,913 国は病み えんさが国中にはびこっていた 281 00:24:33,913 --> 00:24:36,282 大乱世の予兆である 282 00:24:36,282 --> 00:24:39,685 そして歴史は 1人の男を世に送った 283 00:24:39,685 --> 00:24:42,955 曹操である 284 00:24:42,955 --> 00:24:46,826 曹操16の時 心から愛した女性がいた 285 00:24:46,826 --> 00:24:49,094 その名は水晶 286 00:24:49,094 --> 00:24:51,530 だが 水晶は 宦官の最高権力者である 287 00:24:51,530 --> 00:24:53,466 張譲に金で買われ 288 00:24:53,466 --> 00:24:56,166 曹操の目の前で命を落とした 289 00:24:58,237 --> 00:25:00,172 張譲 以下 十常侍たちは 290 00:25:00,172 --> 00:25:04,343 官僚のみならず 天子をも牛耳っていた 291 00:25:04,343 --> 00:25:09,915 20歳となった曹操は 洛陽北門の 警備隊長である北部尉に志願 292 00:25:09,915 --> 00:25:12,715 十常侍 弾劾に立ち上がる 293 00:26:22,321 --> 00:26:24,890 どうじゃ 孟徳 294 00:26:24,890 --> 00:26:28,861 この絶景が こうやって 両手でつかみ取れる 295 00:26:28,861 --> 00:26:31,063 これは至福ぞ 296 00:26:31,063 --> 00:26:34,466 帝のおられる温徳殿の大屋根も 297 00:26:34,466 --> 00:26:37,069 あんなに小ちゃく見える 298 00:26:37,069 --> 00:26:40,306 お仕えしておった時は 大層なものじゃったが 299 00:26:40,306 --> 00:26:44,944 今では我が庭の点景じゃ 300 00:26:44,944 --> 00:26:49,348 こんなに離れておるのに お前のうわさだけは届いてくる 301 00:26:49,348 --> 00:26:52,351 かなり激しい務めぶりのようだが 302 00:26:52,351 --> 00:26:58,057 時には己の職務を点景として 捉えることも必要じゃぞ 303 00:26:58,057 --> 00:27:00,960 おじい様 私にとっては 304 00:27:00,960 --> 00:27:03,996 温徳殿すら 点景の1つに過ぎません 305 00:27:03,996 --> 00:27:09,034 私は常に天下全体を 見つめております 306 00:27:09,034 --> 00:27:11,036 のう 孟徳 307 00:27:11,036 --> 00:27:14,840 お前は一体 何を考えておるのじゃ 308 00:27:14,840 --> 00:27:19,211 そもそも 北部尉などという 職を選んだことからして 309 00:27:19,211 --> 00:27:21,146 わしゃ 理解できぬぞ 310 00:27:21,146 --> 00:27:25,517 おじい様 私は陳蕃が 出すつもりだった上奏文と 311 00:27:25,517 --> 00:27:27,586 彼を殺害した者の証言を得ました 312 00:27:27,586 --> 00:27:29,722 孟徳! 313 00:27:29,722 --> 00:27:32,458 私の上奏文は完成しました 314 00:27:32,458 --> 00:27:35,461 私は じきに帝を 知ることになるでしょう 315 00:27:35,461 --> 00:27:38,797 洛陽を知り 帝を知る 316 00:27:38,797 --> 00:27:42,101 すなわち 地を知り 天を知る 317 00:27:42,101 --> 00:27:44,870 そして己の天を知るに至る 318 00:27:44,870 --> 00:27:49,508 これが洛陽城の門番である 北部尉を選んだ理由です 319 00:27:49,508 --> 00:27:52,177 孟徳 320 00:27:52,177 --> 00:27:55,781 党錮の禁で 私達を糾弾しようとする者は 321 00:27:55,781 --> 00:27:58,484 ほとんど姿を消しております 322 00:27:58,484 --> 00:28:01,020 ですが どんなに小さくとも 323 00:28:01,020 --> 00:28:04,890 災いの芽は 早めに 摘み取っておくのがいいでしょう 324 00:28:04,890 --> 00:28:09,762 それが張譲様の てこずられた程の芽であれば なおのこと 325 00:28:09,762 --> 00:28:14,566 はい そこで趙忠殿の お力をお借りしたいのです 326 00:28:14,566 --> 00:28:16,502 いかなる事でしょう? 327 00:28:16,502 --> 00:28:19,772 曹操は夜間通行禁止令を破る者は 328 00:28:19,772 --> 00:28:22,107 王侯貴族であろうと 厳罰に処すると 329 00:28:22,107 --> 00:28:24,043 うそぶいております 330 00:28:24,043 --> 00:28:29,848 そこで その禁令を あえて 破って頂きたい方がおります 331 00:28:29,848 --> 00:28:33,052 蹇碩 まさかあなた 332 00:28:33,052 --> 00:28:35,352 皇族を動かす おつもりか? 333 00:28:49,201 --> 00:28:55,007 うわさの鬼とやらは どのように恐ろしい鬼かのう 334 00:28:55,007 --> 00:29:00,007 亶公 現皇帝 劉宏の 叔父にあたる皇族である 335 00:29:02,281 --> 00:29:04,281 お待ち下され 336 00:29:08,220 --> 00:29:10,355 城中は下馬 願います 337 00:29:10,355 --> 00:29:14,259 お持ちの刀剣類は ここで お預かりさせて頂きます 338 00:29:14,259 --> 00:29:17,963 嫌じゃと申せば どうなる? 339 00:29:17,963 --> 00:29:22,601 あなたは! 鬼とやらが出てくるのか? 340 00:29:22,601 --> 00:29:25,504 何だ 何だ? 誰か死ぬのかい? 341 00:29:25,504 --> 00:29:29,241 北部尉様に逆らおうって奴は また「ならば よし」だ 342 00:29:29,241 --> 00:29:31,176 すごい派手な貴人ね 343 00:29:31,176 --> 00:29:33,112 ありゃ 亶公殿下だぜ 344 00:29:33,112 --> 00:29:35,114 北部尉様を出せと言っておられる 345 00:29:35,114 --> 00:29:37,683 さすがに皇族には 手出しできねえだろ 346 00:29:37,683 --> 00:29:40,385 これが鬼の金棒か 347 00:29:40,385 --> 00:29:43,288 お返し下され 348 00:29:43,288 --> 00:29:45,657 何度も言わせるでないわ 349 00:29:45,657 --> 00:29:48,127 わしを その禁令に 従わせようとする 350 00:29:48,127 --> 00:29:51,930 北部尉を出せと申しておろう 351 00:29:51,930 --> 00:29:53,930 宗イツ 352 00:29:56,502 --> 00:29:58,470 なぜ捕らえぬ? 353 00:29:58,470 --> 00:30:01,940 あの 興ざめじゃのう 354 00:30:01,940 --> 00:30:06,378 このような やさ男の鬼では 少しも恐ろしくないではないか 355 00:30:06,378 --> 00:30:10,048 あなたはご自身の歓楽のために 禁令を破り 356 00:30:10,048 --> 00:30:13,252 門衛を もてあそんでおられるのか? 357 00:30:13,252 --> 00:30:15,187 そうだと申せば? 358 00:30:15,187 --> 00:30:20,692 漢王朝の現法を侮辱した罪により 100打擲の罰を申し付ける 359 00:30:20,692 --> 00:30:25,330 控えぬか この方は 亶公殿下にあらせられるぞ 360 00:30:25,330 --> 00:30:29,701 ほう であればなおさら その罪は重いな 361 00:30:29,701 --> 00:30:33,071 更に100打を加える 362 00:30:33,071 --> 00:30:35,007 無礼者! 363 00:30:35,007 --> 00:30:38,343 無礼者はお前だ 364 00:30:38,343 --> 00:30:40,279 何故 城門があるか? 365 00:30:40,279 --> 00:30:45,117 城門は その内部の 貴重なものを守るためにある 366 00:30:45,117 --> 00:30:48,754 皇族ならば ご自身を 貴重な者とお考えであろう 367 00:30:48,754 --> 00:30:50,689 それはそれで良い 368 00:30:50,689 --> 00:30:52,624 しかし このような護衛で ご自身を守れるとでも 369 00:30:52,624 --> 00:30:54,626 思っておられるのか 370 00:30:54,626 --> 00:30:56,795 殿下を守っているのは国であり 371 00:30:56,795 --> 00:31:01,200 城門はその国の守りを示す 城壁の入り口である 372 00:31:01,200 --> 00:31:04,970 ご自身を守るための法を ないがしろにされるとは 373 00:31:04,970 --> 00:31:08,870 天のこだわりが分からぬような あなたは敬うに値しない 374 00:31:16,448 --> 00:31:18,848 捕らえよ こいつは罪人だ 375 00:31:26,959 --> 00:31:29,261 宗イツ 打て 376 00:31:29,261 --> 00:31:33,765 バカな 一介の部尉が皇族を 処罰するなど聞いたことがないわ 377 00:31:33,765 --> 00:31:37,769 早く解き放たぬと お前たち全員 死罪じゃぞ 378 00:31:37,769 --> 00:31:40,939 宗イツ 379 00:31:40,939 --> 00:31:43,208 この方を打てば死罪 380 00:31:43,208 --> 00:31:47,145 北部尉殿の命令に従わぬのも また死罪 381 00:31:47,145 --> 00:31:50,949 ならば選ぶのは簡単至極 382 00:31:50,949 --> 00:31:53,149 宗イツ 刑を執行致します 383 00:32:08,901 --> 00:32:13,672 さすがは帝とつながりのあるお方 384 00:32:13,672 --> 00:32:16,975 5打擲とはいえ なかなかの耐えっぷり 385 00:32:16,975 --> 00:32:20,775 しかし あなたには 死んでもらわねばなりません 386 00:32:24,716 --> 00:32:27,619 いやに静かになりましたな 387 00:32:27,619 --> 00:32:29,855 そろそろ踏み込みますか? 388 00:32:29,855 --> 00:32:31,790 もう少し待て 389 00:32:31,790 --> 00:32:34,226 しかし それでは殿下のお命が 390 00:32:34,226 --> 00:32:37,129 私の指示に従え 391 00:32:37,129 --> 00:32:39,729 48 392 00:32:46,872 --> 00:32:51,743 北部尉殿 200打擲を数えず 死んでしまいました 393 00:32:51,743 --> 00:32:53,743 ならば よし 394 00:32:56,982 --> 00:32:58,917 片付けろ 395 00:32:58,917 --> 00:33:00,852 宮中警護役 阿政である 396 00:33:00,852 --> 00:33:04,723 亶公殿下を捜しておる 397 00:33:04,723 --> 00:33:08,527 皇族の方が ここを通られるという知らせは受けておらぬが 398 00:33:08,527 --> 00:33:11,496 貴様が北部尉か 399 00:33:11,496 --> 00:33:14,199 その台の上の物は何だ? 400 00:33:14,199 --> 00:33:16,802 その黄色い布から覗いておるのは 401 00:33:16,802 --> 00:33:19,071 亶公殿下の物ではないか 402 00:33:19,071 --> 00:33:21,006 ほう そうなのか 403 00:33:21,006 --> 00:33:25,844 そうとは知らず 北部禁令に従い たった今 処刑したぞ 404 00:33:25,844 --> 00:33:28,714 逆賊めが! 405 00:33:28,714 --> 00:33:30,749 殿下に手を下しおったな 406 00:33:30,749 --> 00:33:34,886 ならば 殿下をお守りする役目を 怠った君は死罪だな 407 00:33:34,886 --> 00:33:39,524 何? 何をしておる? 408 00:33:39,524 --> 00:33:42,227 さっさとそいつを ひっ捕らえぬか 409 00:33:42,227 --> 00:33:46,098 皇族と知らずに処刑した私が 捕らえられる いわれはない 410 00:33:46,098 --> 00:33:49,001 早くあのバカを殺せ 411 00:33:49,001 --> 00:33:51,970 私を殺すと言うのならば聞こう 412 00:33:51,970 --> 00:33:54,673 南の 温徳殿に住まわれる殿下が 413 00:33:54,673 --> 00:33:59,111 公式の用もないのに なぜ わざわざ北門を通られた? 414 00:33:59,111 --> 00:34:01,913 皇族に仕える方であれば 答えられよう 415 00:34:01,913 --> 00:34:04,816 小役人の知ったことではないわ 416 00:34:04,816 --> 00:34:07,252 答えられぬのであろう 417 00:34:07,252 --> 00:34:11,590 なぜなら殿下の禁令破りは あなたの はかりごとだからだ 418 00:34:11,590 --> 00:34:15,994 私が皇族であろうと 処罰を 下すことを計算した上でのな 419 00:34:15,994 --> 00:34:18,363 大方 酔狂を好む殿下に 420 00:34:18,363 --> 00:34:21,400 「鬼見物でもどうか」と そそのかしたのだろう 421 00:34:21,400 --> 00:34:24,569 そんな ざれ言で 言い逃れはできぬぞ 422 00:34:24,569 --> 00:34:26,938 そこにある物は何じゃ? 423 00:34:26,938 --> 00:34:29,207 お前が処刑した亶公であろう 424 00:34:29,207 --> 00:34:31,710 皇族をあやめた お前は死罪じゃ 425 00:34:31,710 --> 00:34:35,580 近頃 私の名もこの洛陽では 知られるようになったが 426 00:34:35,580 --> 00:34:38,150 君の名は もっと知られているぞ 427 00:34:38,150 --> 00:34:41,053 北門の禁令を破って 粋がったのはいいが 428 00:34:41,053 --> 00:34:44,956 その後 わずか1打擲で 悶死した蹇朔の おい 429 00:34:44,956 --> 00:34:46,958 蹇碩殿 430 00:34:46,958 --> 00:34:49,094 あの蹇朔様の? 431 00:34:49,094 --> 00:34:51,363 随分みっともねえ 死に方だったそうじゃねえか 432 00:34:51,363 --> 00:34:54,766 この人 あの十常侍の蹇碩殿か 433 00:34:54,766 --> 00:34:57,002 それがどうした? 434 00:34:57,002 --> 00:34:59,404 亶公のこととは 何の関係もないぞ 435 00:34:59,404 --> 00:35:02,307 貴様の行いは全てが私事 436 00:35:02,307 --> 00:35:06,244 この曹操を陥れるために 殿下の命をもてあそんだな 437 00:35:06,244 --> 00:35:10,849 皇族の命さえも 謀略の駒にする貴様は 438 00:35:10,849 --> 00:35:15,687 殺せ!亶公を殺した あの暴漢を今すぐ殺すのじゃ 439 00:35:15,687 --> 00:35:18,687 貴様は宮中に巣食う 害虫でしかない 440 00:35:22,961 --> 00:35:27,461 この曹操 謀略にはまった 殿下を殺すほど愚かではない 441 00:35:32,304 --> 00:35:35,307 蹇碩 442 00:35:35,307 --> 00:35:37,707 この食わせ物め 443 00:35:41,513 --> 00:35:43,448 曹操 444 00:35:43,448 --> 00:35:48,286 君の皇族批判と棒打ち5打擲は 大層こたえたが 445 00:35:48,286 --> 00:35:50,922 後の芝居は蹇碩のはかりごとを 446 00:35:50,922 --> 00:35:54,326 ありのままに示した 見事な策であった 447 00:35:54,326 --> 00:35:59,297 あそこで奴を叩き殺してくれれば もっと良かったのにのう 448 00:35:59,297 --> 00:36:01,433 蹇碩を殺したところで 449 00:36:01,433 --> 00:36:05,303 皇族を敬わぬ十常侍の行いに 変わりはありません 450 00:36:05,303 --> 00:36:08,206 まあな 451 00:36:08,206 --> 00:36:12,444 今回の件 蹇碩1人の 陰謀ではないでしょう 452 00:36:12,444 --> 00:36:16,281 それより 殿下に彼らを 懲らしめるご意向がおありならば 453 00:36:16,281 --> 00:36:18,517 お力を仰ぎたいのですが 454 00:36:18,517 --> 00:36:21,419 何か面白い手でもあるのか? 455 00:36:21,419 --> 00:36:24,256 この件に限らず十常侍の謀略は 456 00:36:24,256 --> 00:36:26,258 宮中のあらゆることに及び 457 00:36:26,258 --> 00:36:30,061 それが天下の正義を 乱しております 458 00:36:30,061 --> 00:36:32,998 私は十常侍による 悪略非道な行いを 459 00:36:32,998 --> 00:36:35,198 過去にさかのぼって 調べ上げました 460 00:36:37,802 --> 00:36:41,039 殿下のお力を借りて これを上奏できれば 461 00:36:41,039 --> 00:36:45,443 十常侍どもは自らの謀略で あなたに北門をくぐらせたことを 462 00:36:45,443 --> 00:36:49,014 悔やむことになりましょう 463 00:36:49,014 --> 00:36:54,214 曹操 まるで君の方が わなを張っていたようじゃ 464 00:37:01,560 --> 00:37:03,862 なぜ皇族を動かした? 465 00:37:03,862 --> 00:37:06,765 曹操に上奏を許す気か 466 00:37:06,765 --> 00:37:09,968 上奏ですと? 467 00:37:09,968 --> 00:37:13,004 では 奴が 党錮の禁を調べておったのは 468 00:37:13,004 --> 00:37:16,741 奴の狙いは我々 十常侍の 弾劾にあるのだ 469 00:37:16,741 --> 00:37:19,211 お前たちが 亶公と引き会わせたことで 470 00:37:19,211 --> 00:37:23,648 奴に絶好の機会を 与えてしまったではないか 471 00:37:23,648 --> 00:37:26,117 奴の恐ろしさが身にしみたか 472 00:37:26,117 --> 00:37:30,555 以後はわしの指示に従い ここにいる10人全員で手を尽くし 473 00:37:30,555 --> 00:37:32,524 奴の上奏を阻止するのだ 474 00:37:32,524 --> 00:37:35,060 良いな? はい 475 00:37:35,060 --> 00:37:38,160 まずは亶公の身柄を確保するのだ 476 00:37:42,601 --> 00:37:45,870 桃の花の咲き乱れる この季節 477 00:37:45,870 --> 00:37:48,773 帝のための端午の節句の宴が 478 00:37:48,773 --> 00:37:52,644 毎年 華々しく催されていた 479 00:37:52,644 --> 00:37:55,280 この年の宴を 取り仕切っているのは 480 00:37:55,280 --> 00:37:59,150 かの亶公であった 481 00:37:59,150 --> 00:38:01,820 亶公はまだ見つからんのか 482 00:38:01,820 --> 00:38:04,189 宴の準備は進んでおるのですが 483 00:38:04,189 --> 00:38:06,691 その指示がどこから出ているのか 484 00:38:06,691 --> 00:38:09,728 曹操めが隠しておるのであろう 485 00:38:09,728 --> 00:38:13,465 宴の席で上奏をするなどと いうことはなかろうが 486 00:38:13,465 --> 00:38:16,968 万一に備え 腕の立つ者を待機させておけ 487 00:38:16,968 --> 00:38:18,968 はい 488 00:38:22,641 --> 00:38:25,441 見事な しつらいじゃのう 489 00:38:27,479 --> 00:38:32,779 ところで 肝心の亶公の姿が 見当たらぬが どこじゃ 490 00:39:02,447 --> 00:39:05,717 お待たせいたしましたな ご一同 491 00:39:05,717 --> 00:39:09,020 わあ 良いぞ 亶公!良い良い 492 00:39:09,020 --> 00:39:10,955 端午の節句にちなみ 493 00:39:10,955 --> 00:39:14,155 悪鬼を追い払う 剣舞をご覧にいれましょう 494 00:39:54,165 --> 00:39:56,165 何と 495 00:40:20,725 --> 00:40:24,125 舞じゃ 舞じゃ 恐れるバカがあるか 496 00:40:26,398 --> 00:40:30,298 天子様の前での騒動は 避けたかったが やむを得ん 497 00:41:00,398 --> 00:41:04,698 芝居仕立てか 凝った趣向じゃ 498 00:41:39,404 --> 00:41:43,608 すごい!すごい!すごい! 褒美じゃ 褒美を取らせ 499 00:41:43,608 --> 00:41:47,008 名は何じゃ?何なりと望みを申せ 500 00:41:58,957 --> 00:42:03,127 天子様 洛陽北部尉 曹操 501 00:42:03,127 --> 00:42:05,063 望みを申し述べます 502 00:42:05,063 --> 00:42:07,465 うん 何じゃ? 503 00:42:07,465 --> 00:42:10,965 恐れ多くも真の義 上奏 奉ります 504 00:42:13,238 --> 00:42:15,206 上奏? 505 00:42:15,206 --> 00:42:18,443 そのような褒美で良いのか? はい 506 00:42:18,443 --> 00:42:23,882 北部尉殿 これは宮中における 端午の節句の宴でございます 507 00:42:23,882 --> 00:42:26,584 その書簡は私めが お預かりし 508 00:42:26,584 --> 00:42:30,154 後日 政を取り行う市と府にて 509 00:42:30,154 --> 00:42:34,359 正式に手続きを お取り致しましょう 510 00:42:34,359 --> 00:42:38,196 天子様のご意向に 従うばかりでございます 511 00:42:38,196 --> 00:42:40,164 張譲 良いではないか 512 00:42:40,164 --> 00:42:43,034 美しく舞う男の上奏じゃ 513 00:42:43,034 --> 00:42:45,434 余興の1つと思えば良い 514 00:42:48,773 --> 00:42:51,676 これが帝か 515 00:42:51,676 --> 00:42:54,679 曹操は帝 劉宏に対して 516 00:42:54,679 --> 00:42:58,216 党錮の禁の生き証人である 張カンと共に 517 00:42:58,216 --> 00:43:03,454 事件の詳細と十常侍らの 悪行を記した書簡を提出し 518 00:43:03,454 --> 00:43:07,254 その吟味と 宦官らの弾劾を上奏した 519 00:43:14,666 --> 00:43:19,237 よろしく ご吟味たまわりますよう 520 00:43:19,237 --> 00:43:23,637 これが帝とは先が見えるわ 521 00:43:34,619 --> 00:43:38,823 曹操とかいう者の 上奏のことじゃが 522 00:43:38,823 --> 00:43:41,492 部尉には部尉の権限があります 523 00:43:41,492 --> 00:43:48,032 権限の拡大をみだりに許しては 国の政は なし得ませぬ 524 00:43:48,032 --> 00:43:50,268 しかし ご安心下さいませ 525 00:43:50,268 --> 00:43:52,637 曹操に対しては県令という 526 00:43:52,637 --> 00:43:56,574 異例の抜てきを 行う手はずを整えておきました 527 00:43:56,574 --> 00:43:58,576 それよりも天子様 528 00:43:58,576 --> 00:44:02,076 奥の間で美女たちが 待ちかねております 529 00:44:05,583 --> 00:44:08,386 そうかそうか 曹操は県令か 530 00:44:08,386 --> 00:44:10,386 それなら安心じゃな 531 00:44:20,431 --> 00:44:24,035 司徒府辞令 司徒府辞令である 532 00:44:24,035 --> 00:44:27,972 北部尉 曹操 冀州頓丘の県令に任命する 533 00:44:27,972 --> 00:44:32,677 ただちに任地に赴き 冀州頓丘の民を治めよ 534 00:44:32,677 --> 00:44:35,246 これが上奏の褒美か 535 00:44:35,246 --> 00:44:37,746 張譲による厄介払いだな 536 00:44:40,485 --> 00:44:43,154 ならば よし! 537 00:44:43,154 --> 00:44:47,058 いまだ 我 天命を問う時期にあらず 538 00:44:47,058 --> 00:44:49,260 一度 上奏した結果であれば 539 00:44:49,260 --> 00:44:51,460 いかようなものでも 受け止めておく 540 00:44:57,969 --> 00:45:00,738 曹操は県令という命を受け 541 00:45:00,738 --> 00:45:03,775 冀州頓丘へと出発した 542 00:45:03,775 --> 00:45:07,245 隊員の多くが彼を慕い 後を追ってきたが 543 00:45:07,245 --> 00:45:12,083 曹操は引き続き 北門の任にあたるよう言い渡した 544 00:45:12,083 --> 00:45:16,487 向かうは遥か冀州頓丘 545 00:45:16,487 --> 00:45:21,325 さらに曹操は張かんに 武芸指南として亶公のそばに仕え 546 00:45:21,325 --> 00:45:24,228 その身辺の警護に あたるよう指示し 547 00:45:24,228 --> 00:45:29,467 宗イツには頓丘周辺の悪党どもを 調査するよう命じた 548 00:45:29,467 --> 00:45:33,037 そして辛には 先に頓丘の官舎に乗り込み 549 00:45:33,037 --> 00:45:35,737 全てを準備するよう言い渡した 550 00:45:39,310 --> 00:45:41,679 上奏を果たした曹操は 551 00:45:41,679 --> 00:45:45,679 帝 劉宏を知るに至り 洛陽を後にした 552 00:45:48,820 --> 00:45:52,757 今 曹操は天下へと向かう 新たな一歩を 553 00:45:52,757 --> 00:45:56,657 冀州頓丘の地から 踏み出そうとしていた