1 00:00:40,672 --> 00:00:44,576 袁紹を盟主とする 反董卓連合軍は 2 00:00:44,576 --> 00:00:48,776 決戦の地 シ水関に向かって 進軍していた 3 00:00:53,252 --> 00:00:56,255 エン州から 都 洛陽に攻め入るには 4 00:00:56,255 --> 00:00:59,358 董卓軍が守る天然の要害である 5 00:00:59,358 --> 00:01:02,858 このシ水関を 突破しなければならなかった 6 00:01:24,349 --> 00:01:28,687 よし 済北の鮑信の軍には 5つの旗を揚げい! 7 00:01:28,687 --> 00:01:30,687 はっ! 8 00:01:33,091 --> 00:01:36,962 曹洪殿 これで シ水関に向かっている全ての軍に 9 00:01:36,962 --> 00:01:39,898 我が曹操軍の旗を 押し込みました 10 00:01:39,898 --> 00:01:42,634 よし 曹操 11 00:01:42,634 --> 00:01:47,205 これらの報告が董卓に及べば さぞや驚くだろうなあ 12 00:01:47,205 --> 00:01:51,576 ただ 問題は 兵が思ったほど集まらぬこと 13 00:01:51,576 --> 00:01:56,348 我が曹操軍の評判の激しさに 尻込みしておるようだ 14 00:01:56,348 --> 00:02:01,219 今は いかなる評判であれ 風に乗せて行き渡らせればよい 15 00:02:01,219 --> 00:02:05,991 どこかで行き着いて こだまの ごとく返ってくる風評にこそ 16 00:02:05,991 --> 00:02:07,991 天命が含まれている 17 00:02:11,830 --> 00:02:14,666 何と面白きか 18 00:02:14,666 --> 00:02:19,604 このわずか数里ばかりの 天然の要害 シ水関に 19 00:02:19,604 --> 00:02:27,045 現世に名だたる将 武人 軍師の ことごとくが密集する 20 00:02:27,045 --> 00:02:31,616 そして 私は 曹の旗さえあれば 21 00:02:31,616 --> 00:02:35,216 いずこからでも出現できるのだ 22 00:02:37,122 --> 00:02:40,992 劉備もまた 関羽と張飛を従え 23 00:02:40,992 --> 00:02:44,796 北平太守 公孫サンの 2万の兵に交じって 24 00:02:44,796 --> 00:02:47,196 シ水関へ向かっていた 25 00:02:50,936 --> 00:02:55,374 そっか これか! なるほど 26 00:02:55,374 --> 00:02:59,378 おいらに足りねえと 思ってたのは これかあ 27 00:02:59,378 --> 00:03:03,782 しかも そいつは旗1本 掲げるだけで手に入るんだぜ 28 00:03:03,782 --> 00:03:06,718 関さんよ これ 揚げるっきゃねえだろ 29 00:03:06,718 --> 00:03:08,720 おいらの旗! 30 00:03:08,720 --> 00:03:10,956 公孫サン殿! 31 00:03:10,956 --> 00:03:13,392 曹操の旗 10本や20本で 32 00:03:13,392 --> 00:03:16,228 本当に敵が ビビっちまうんですかねえ 33 00:03:16,228 --> 00:03:19,965 劉備 それが風評ってもんだ 34 00:03:19,965 --> 00:03:21,900 それが知りたきゃ お前も 35 00:03:21,900 --> 00:03:26,471 シ水関で敵を震え上がらせる ほどの戦いぶりを示してみい 36 00:03:26,471 --> 00:03:30,342 何なんですか 将軍 あの劉備って奴は 37 00:03:30,342 --> 00:03:35,180 昔の塾仲間だ 出来は悪いが 妙に憎めん 38 00:03:35,180 --> 00:03:38,750 おいらも ちょっくら 劉備の旗 揚げさせてもらうよ! 39 00:03:38,750 --> 00:03:41,520 何? 好きにしろ 40 00:03:41,520 --> 00:03:45,020 将軍! ハッハッハッ… 41 00:03:47,025 --> 00:03:49,327 袁紹殿! 42 00:03:49,327 --> 00:03:51,897 曹操の家臣が付いてきてますぞ 43 00:03:51,897 --> 00:03:53,997 何?曹操の? 44 00:03:58,103 --> 00:04:01,807 わずか100騎に 10本の旗 45 00:04:01,807 --> 00:04:04,242 うーん どういうつもりだ 46 00:04:04,242 --> 00:04:07,042 あいつら なぜ我が軍の中にいる 47 00:04:13,785 --> 00:04:16,188 更に河内よりは王匡 48 00:04:16,188 --> 00:04:19,891 そして酸棗より 主力の袁紹ら8将の軍 49 00:04:19,891 --> 00:04:25,497 以上 各地より進軍してくる 連合軍の総勢は およそ20万 50 00:04:25,497 --> 00:04:30,402 そして どの軍にも曹の旗が ひるがえっております 51 00:04:30,402 --> 00:04:33,302 あの華雄殿が討たれるとはな 52 00:04:40,645 --> 00:04:43,248 孫堅の強さは ただごとではない 53 00:04:43,248 --> 00:04:47,486 いや華雄殿を討ったのは 曹の旗を携えた男だったらしいぞ 54 00:04:47,486 --> 00:04:49,421 何? しかし まずは 55 00:04:49,421 --> 00:04:52,190 孫堅に対して 兵を割くべきであろう 56 00:04:52,190 --> 00:04:54,125 うろたえるでないわ! 57 00:04:54,125 --> 00:04:57,596 わずか二手で覆せることよ 58 00:04:57,596 --> 00:05:00,499 孫堅が 本拠の長沙を離れて 戦えるのは 59 00:05:00,499 --> 00:05:03,034 袁術が支援しておるからだ 60 00:05:03,034 --> 00:05:07,339 まずは孫堅の後方から攻め この2人の間を分断し 61 00:05:07,339 --> 00:05:09,674 孫堅への兵糧を断つ 62 00:05:09,674 --> 00:05:12,878 しかるのち 窮する孫堅を討ってもよし 63 00:05:12,878 --> 00:05:16,515 和議を持ちかけ 奴の軍を利用する手もある 64 00:05:16,515 --> 00:05:19,384 そもそも 奴のどう猛な本性は 65 00:05:19,384 --> 00:05:22,420 我が軍にあってこそ しかるべきもの 66 00:05:22,420 --> 00:05:25,190 李カク! 67 00:05:25,190 --> 00:05:27,125 ただちに 68 00:05:27,125 --> 00:05:29,928 残るは シ水関の烏合の衆だ 69 00:05:29,928 --> 00:05:32,731 いや 烏合の衆とも言い切れぬぞ 70 00:05:32,731 --> 00:05:35,166 総勢20万といえばなあ 71 00:05:35,166 --> 00:05:39,471 数の問題ではない 気になるのは曹操の動きだ 72 00:05:39,471 --> 00:05:41,406 うーん 73 00:05:41,406 --> 00:05:43,441 ベン水の一戦での風評は 74 00:05:43,441 --> 00:05:46,711 末端の兵にも 相当 効いておるからな 75 00:05:46,711 --> 00:05:48,780 それに 曹操の軍が 76 00:05:48,780 --> 00:05:52,484 各地に同時に出没しておるのは どういうことだ 77 00:05:52,484 --> 00:05:56,354 各地に分散して 配置されておるのではないのか? 78 00:05:56,354 --> 00:05:59,891 しかし 旗の数からして 相当の兵だぞ 79 00:05:59,891 --> 00:06:03,361 いつの間に 奴は それだけの兵力を蓄えたのだ? 80 00:06:03,361 --> 00:06:06,264 いや それよりも 曹操が袁紹に代わって 81 00:06:06,264 --> 00:06:10,168 全軍の指揮を執り始めたとあらば それが一番の問題だ 82 00:06:10,168 --> 00:06:14,005 しかり まずは 曹操の居所を突き止めるべし 83 00:06:14,005 --> 00:06:15,941 曹操の弱みは? 84 00:06:15,941 --> 00:06:19,144 この痴れ狗どもがー! 85 00:06:19,144 --> 00:06:22,180 戦に勝ち 勇者をなぶり殺し 86 00:06:22,180 --> 00:06:27,852 美女を犯し 無差別に金銀を 略奪するのは何のためか! 87 00:06:27,852 --> 00:06:34,152 天下を奪い 天下にある者が 敵を選ぶとは何事だ! 88 00:06:36,861 --> 00:06:40,732 我が信条を解する者の名を 思い出そうぞ 89 00:06:40,732 --> 00:06:42,968 郭シか はっ! 90 00:06:42,968 --> 00:06:44,936 徐栄か はっ! 91 00:06:44,936 --> 00:06:46,938 樊稠か はっ! 92 00:06:46,938 --> 00:06:49,338 張済か はっ! 93 00:06:51,710 --> 00:06:53,710 ん? 94 00:06:56,214 --> 00:06:58,914 おおっ… 95 00:07:01,886 --> 00:07:03,886 うーん 96 00:07:24,743 --> 00:07:28,443 来たか 呂布よ 97 00:07:36,454 --> 00:07:39,354 呂布殿 控えられよ 98 00:07:51,803 --> 00:07:55,273 呂布殿 董卓様の愛馬 赤兎馬ですぞ 99 00:07:55,273 --> 00:07:57,942 指一本 触れてはなりませぬ 100 00:07:57,942 --> 00:08:03,748 何とぞ おやめくだされ 呂布殿! 101 00:08:03,748 --> 00:08:07,048 おー! 102 00:08:37,615 --> 00:08:40,518 音が変わったなあ 103 00:08:40,518 --> 00:08:44,389 張飛 これはもうじき 関門が開くぜ 104 00:08:44,389 --> 00:08:47,058 これほどの戦場にありながら 105 00:08:47,058 --> 00:08:49,961 この人は まだ 何の緊張もしておらぬ 106 00:08:49,961 --> 00:08:55,767 いや それどころか この場違いな楽しみようは何だ? 107 00:08:55,767 --> 00:09:00,405 しかし 関さんよ 何だろねえ 108 00:09:00,405 --> 00:09:04,905 関門の奥の方で 何か嫌な気配がするんだよなあ 109 00:09:07,045 --> 00:09:08,980 全軍 突撃! 110 00:09:08,980 --> 00:09:12,080 西の虎牢関まで一気に攻めい! 111 00:09:18,490 --> 00:09:23,190 何かひょっとして こりゃあ 董卓の罠なんじゃねえのか? 112 00:09:29,734 --> 00:09:32,203 たやすく関門を破らせたのは 113 00:09:32,203 --> 00:09:35,607 左右の退路のない 天然の要害に引き込み 114 00:09:35,607 --> 00:09:40,512 連合軍を全滅に至らしめる 董卓の余裕の戦略か 115 00:09:40,512 --> 00:09:44,282 しかし 大義は我にあり 116 00:09:44,282 --> 00:09:46,217 退路なき戦いは 117 00:09:46,217 --> 00:09:50,121 この連合軍の指揮を いやが応にも高めることになる 118 00:09:50,121 --> 00:09:53,958 敵を上回る兵力の我が軍が 死に物狂いで戦えば 119 00:09:53,958 --> 00:09:56,758 勝負は おのずと見えてこようぞ! 120 00:10:12,343 --> 00:10:15,213 来る!何か来るぞ! 121 00:10:15,213 --> 00:10:17,213 おりゃー とう! 122 00:10:24,355 --> 00:10:27,392 来る 来る 来る… 123 00:10:27,392 --> 00:10:29,392 来る! 124 00:10:57,255 --> 00:11:00,225 おー! 125 00:11:00,225 --> 00:11:03,225 よー! 126 00:11:08,600 --> 00:11:12,003 おおっ あれが呂布か… 127 00:11:12,003 --> 00:11:17,609 20万を超す兵が戦う この戦場の 表情を ただ一人で塗り替える 128 00:11:17,609 --> 00:11:23,314 敵はおろか味方の陣までをも 切り裂く あの戦慄 129 00:11:23,314 --> 00:11:26,217 武神とは こういうものか 130 00:11:26,217 --> 00:11:29,217 よー! 131 00:11:42,333 --> 00:11:45,333 よー! 132 00:11:48,172 --> 00:11:51,172 おー! 133 00:11:53,544 --> 00:11:55,580 旗揚げの祝いじゃ 134 00:11:55,580 --> 00:11:59,918 我らのボロ旗を あやつの首で飾ってやるぜ! 135 00:11:59,918 --> 00:12:02,820 ダメだ! ダメだ ダメだ ダメだ… 136 00:12:02,820 --> 00:12:05,757 関さん 関さん 関さーん! 137 00:12:05,757 --> 00:12:10,028 ダメだ 死ぬよ 義弟が死ぬ! 138 00:12:10,028 --> 00:12:13,765 止めてくれ 俺の勘は当たるんだ! 139 00:12:13,765 --> 00:12:16,501 何という人だ… 140 00:12:16,501 --> 00:12:22,640 このように哀願する目で 張飛の命を助けろと言うのか 141 00:12:22,640 --> 00:12:25,410 あの敵は この関羽に譲ってもらう 142 00:12:25,410 --> 00:12:28,279 ダメだ!関さんでもダメだ! 143 00:12:28,279 --> 00:12:32,083 あの敵の強さは 尋常じゃねえ 異常だ 144 00:12:32,083 --> 00:12:34,352 それも ただの異常じゃねえ 145 00:12:34,352 --> 00:12:37,689 異常の 何倍も何十倍も異常だ 146 00:12:37,689 --> 00:12:40,491 そんな敵を避けて 兄弟を守るのは 147 00:12:40,491 --> 00:12:43,728 この劉備にとって 恥でも何でもねえ 148 00:12:43,728 --> 00:12:45,663 頼む! 149 00:12:45,663 --> 00:12:47,699 兄者 150 00:12:47,699 --> 00:12:51,803 あなたの徳の器は 誠に計り知れない 151 00:12:51,803 --> 00:12:56,503 大いなる敬意の下に 私の武をお示し申そう 152 00:12:59,043 --> 00:13:01,713 恐るべき敵将 呂布よ 153 00:13:01,713 --> 00:13:05,113 この旗の下 貴殿を討ち果たす 154 00:27:32,649 --> 00:27:37,254 それを得た者が国を得ると 言われる みかどの印 155 00:27:37,254 --> 00:27:41,854 殿 洛陽は 大義を残しておりました! 156 00:27:50,801 --> 00:27:55,205 兵を率いて 洛陽に集まってきた 157 00:27:55,205 --> 00:27:58,208 董卓が一夜にして長安に遷都し 158 00:27:58,208 --> 00:28:13,090 孫堅が廃虚と化した洛陽を 復旧しているという うわさは 159 00:28:13,090 --> 00:28:33,210 黄巾党の戦いから すでに8年の歳月が流れていた 160 00:28:33,210 --> 00:28:38,048 漢王朝の正統と 断じて認めるわけにはいかぬ 161 00:28:38,048 --> 00:28:40,817 袁紹は董卓に対抗すべく 162 00:28:40,817 --> 00:28:45,956 幽州の皇族である劉虞を 皇帝として擁立しようとしていた 163 00:28:45,956 --> 00:28:48,258 そして 曹操もまた 164 00:28:48,258 --> 00:28:51,628 故郷 豫州に帰っていた 165 00:28:51,628 --> 00:28:54,331 のう 曹操よ 166 00:28:54,331 --> 00:28:57,234 こんなことをしとってよいのか? 167 00:28:57,234 --> 00:28:59,703 世の群雄は躍起になって 168 00:28:59,703 --> 00:29:03,573 軍師や将兵を 集めておるというではないか 169 00:29:03,573 --> 00:29:06,944 父上 いずれ人は集めます 170 00:29:06,944 --> 00:29:10,681 しかし その前に 人を集める用意がいるのですよ 171 00:29:10,681 --> 00:29:15,218 金か わしの金を 狙っておるのであろう 172 00:29:15,218 --> 00:29:18,956 一つは金 もう一つは策です 173 00:29:18,956 --> 00:29:21,758 策… 策じゃと? 174 00:29:21,758 --> 00:29:24,194 お前は本当に面白いな 175 00:29:24,194 --> 00:29:26,229 誰よりも策に富んでおる男が 176 00:29:26,229 --> 00:29:30,429 この上 まだ 他人の策を求めておるのか 177 00:29:33,603 --> 00:29:37,341 おお? 178 00:29:37,341 --> 00:29:40,677 父上 私の策が帰ってきました 179 00:29:40,677 --> 00:29:43,714 ほう… 180 00:29:43,714 --> 00:29:49,353 この荀いく あらゆるものを見聞しただ今 戻ってまいりました! 181 00:29:49,353 --> 00:29:52,953 待っておったぞ 荀いく よくぞ戻ってきた 182 00:30:02,899 --> 00:30:07,137 董卓 長安にて けんらんたる都を築くも 183 00:30:07,137 --> 00:30:09,906 その暴挙は とどまるところを知らず 184 00:30:09,906 --> 00:30:12,809 天下皇族をじゅうりんす 185 00:30:12,809 --> 00:30:16,013 また 過酷を極める法令の下 186 00:30:16,013 --> 00:30:20,283 刑罰が乱用され 密告が奨励されるに及び 187 00:30:20,283 --> 00:30:25,922 冤罪にして死する者 限りなし 188 00:30:25,922 --> 00:30:28,392 私めが いかに いさめもうしましても 189 00:30:28,392 --> 00:30:31,094 この蔡よう 太師董卓様の誹謗を 190 00:30:31,094 --> 00:30:35,032 史書に記し続けておるので ございます 191 00:30:35,032 --> 00:30:38,835 お前か 漢王朝きっての文人と うたわれながら 192 00:30:38,835 --> 00:30:41,638 宮仕えを拒み続けた男は 193 00:30:41,638 --> 00:30:45,108 董卓殿 私を殺し 史書を改ざんしたところで 194 00:30:45,108 --> 00:30:47,477 天の意志は欺けませんぞ 195 00:30:47,477 --> 00:30:51,982 天に確たる意志などなく 地に確たる歴史もない 196 00:30:51,982 --> 00:30:55,419 なんと この男… 197 00:30:55,419 --> 00:30:57,988 後世とは何か 198 00:30:57,988 --> 00:30:59,956 前世に天意が消滅し 199 00:30:59,956 --> 00:31:04,094 後世に この董卓が 誕生したことを知るのみだ 200 00:31:04,094 --> 00:31:07,898 そこには 皇帝の息吹など 何も残らぬ 201 00:31:07,898 --> 00:31:11,234 この男 とてつもない権力を手中にし 202 00:31:11,234 --> 00:31:13,670 数限りない暴虐を行いながら 203 00:31:13,670 --> 00:31:18,008 自らは皇帝を称さずにいたのは そういうことか 204 00:31:18,008 --> 00:31:21,344 千年を超えて続いた 天の概念を打ち砕き 205 00:31:21,344 --> 00:31:25,982 400年を超える皇帝の命脈を 断ち切ろうとしておるのか 206 00:31:25,982 --> 00:31:28,552 分からぬ この男は何者だ 207 00:31:28,552 --> 00:31:32,989 この怪物の唱える理とは いかなる形をしておるのか 208 00:31:32,989 --> 00:31:36,293 蔡よう この董卓を 記することを許す 209 00:31:36,293 --> 00:31:38,228 筆を取れ! 210 00:31:38,228 --> 00:31:43,366 貴様たち この才を見抜けぬ 目の罪は重い 211 00:31:43,366 --> 00:31:46,069 はっ… 212 00:31:46,069 --> 00:31:48,769 うわあー! 213 00:31:52,809 --> 00:31:58,615 土孫瑞よ 反董卓の声なき声は 天下に満ち満ちておる 214 00:31:58,615 --> 00:32:02,152 董卓が私より先に死ねば 民が次に望むのは 215 00:32:02,152 --> 00:32:06,022 三公の司徒である この王允の処刑だ 216 00:32:06,022 --> 00:32:09,426 そして 私が先に死ねば 後世の史家は私を 217 00:32:09,426 --> 00:32:13,296 逆賊 董卓の配下のごときに 扱うであろう 218 00:32:13,296 --> 00:32:15,232 耐えられぬ 219 00:32:15,232 --> 00:32:19,769 が それを逃れる道はただ一つ 220 00:32:19,769 --> 00:32:22,038 董卓 討つべし 221 00:32:22,038 --> 00:32:27,010 しかし王允殿 軍の大義は すでに董卓の掌中にあるのですぞ 222 00:32:27,010 --> 00:32:31,581 董卓様を討つのに 軍の大義など要りません 223 00:32:31,581 --> 00:32:33,517 貂蝉 224 00:32:33,517 --> 00:32:36,853 私が侍女として宮中に入り 225 00:32:36,853 --> 00:32:41,591 董卓様を討つすべを 探してまいりましょう 226 00:32:41,591 --> 00:32:47,531 ならぬ もう決めたことでございます 227 00:32:47,531 --> 00:32:53,003 私は 董卓様の死に じかに触れてみとうございます 228 00:32:53,003 --> 00:32:54,971 たわけたことを申すでない 229 00:32:54,971 --> 00:32:58,875 何十万の兵馬が あの男を討てずにおるのだぞ 230 00:32:58,875 --> 00:33:03,947 兵の力では 討てませぬと申しました 231 00:33:03,947 --> 00:33:07,247 うむ 貂蝉… 232 00:33:44,120 --> 00:33:49,120 董卓様 お会いしとうございます 233 00:34:00,170 --> 00:34:02,138 袁紹は4代にわたり 234 00:34:02,138 --> 00:34:05,809 国の最高官僚である 三公を輩出した 235 00:34:05,809 --> 00:34:09,512 我が袁家が5代目に生んだ 奸物なり 236 00:34:09,512 --> 00:34:12,515 そもそも あやつは董卓討伐の失敗を 237 00:34:12,515 --> 00:34:15,318 糾弾されてしかるべきもの 238 00:34:15,318 --> 00:34:20,090 ところが 不届きにも偽のみかど 劉虞の擁立を図るや 239 00:34:20,090 --> 00:34:22,959 狡猾なやり方で冀州を奪い取り 240 00:34:22,959 --> 00:34:27,797 更に 襄陽の太守 劉表を 荊州の刺史に仕立て 241 00:34:27,797 --> 00:34:31,268 それをかすめ取ろうと しておるのだぞ 242 00:34:31,268 --> 00:34:34,604 諸侯 大義を捨て おのが私欲の赴くまま 243 00:34:34,604 --> 00:34:40,277 天下への邪心 あらわにす なんと嘆かわしや 244 00:34:40,277 --> 00:34:42,345 この重々しい風情は 245 00:34:42,345 --> 00:34:46,049 洛陽一番乗りを果たした 自負からか 246 00:34:46,049 --> 00:34:50,720 以前であれば 真っすぐに 怒りをあらわにしおったはず 247 00:34:50,720 --> 00:34:53,356 孫堅 天下を嘆く気概あらば 248 00:34:53,356 --> 00:34:58,628 直ちに兵を挙げ 荊州を奪回するがよい 249 00:34:58,628 --> 00:35:02,432 命は天より授く おお! 250 00:35:02,432 --> 00:35:06,736 袁術殿 しばし この洛陽の守りは お任せする 251 00:35:06,736 --> 00:35:09,773 分かっておる! 252 00:35:09,773 --> 00:35:12,976 荊州へ赴く はあっ! 253 00:35:12,976 --> 00:35:17,814 この袁術に従い 赴くのではないということか 254 00:35:17,814 --> 00:35:20,717 何とも意のままにならぬやつ 255 00:35:20,717 --> 00:35:25,555 だが今は まだ同盟の契りを 結んでおかざるを得ん 256 00:35:25,555 --> 00:35:27,490 孫堅殿ー! 257 00:35:27,490 --> 00:35:30,427 必ずや この洛陽に お戻りくださいませ! 258 00:35:30,427 --> 00:35:35,832 殿の行いが この洛陽に これだけの人を呼び戻したのです 259 00:35:35,832 --> 00:35:40,670 再び西の董卓を狙うにも 東の諸侯どもをけん制するにも 260 00:35:40,670 --> 00:35:43,973 今は ここに とどまるのが得策かと 261 00:35:43,973 --> 00:35:46,543 孫策も納得が行きませぬ 262 00:35:46,543 --> 00:35:48,478 今 劉表を討つことは 263 00:35:48,478 --> 00:35:52,148 袁家の骨肉の争いに 加わることではござらぬか 264 00:35:52,148 --> 00:35:55,352 聞こえぬか? は? 265 00:35:55,352 --> 00:35:59,522 遠く南の空から まことの理が聞こえてこぬか 266 00:35:59,522 --> 00:36:04,122 求める民の声に応じずして 抱くべき大義などない 267 00:36:08,231 --> 00:36:13,002 しからば この出立 いわば孫堅殿の覇業の一歩 268 00:36:13,002 --> 00:36:15,905 我らは見送る以外にござらぬな 269 00:36:15,905 --> 00:36:19,309 次に相まみえるのはいつだ? 夏侯惇 270 00:36:19,309 --> 00:36:22,212 再び董卓討伐に打ち立つ時かと 271 00:36:22,212 --> 00:36:24,547 曹操殿に伝えられよ 272 00:36:24,547 --> 00:36:27,450 「その先は共に覇を競わん」と 273 00:36:27,450 --> 00:36:29,550 しかと! 274 00:36:48,838 --> 00:36:51,975 えん州では天変地異による凶作で 275 00:36:51,975 --> 00:36:56,813 困窮した農民たちが 反乱を起こしていた 276 00:36:56,813 --> 00:37:00,583 そして曹操は その鎮圧の援軍として 277 00:37:00,583 --> 00:37:03,319 えん州 濮陽城に赴いていた 278 00:37:03,319 --> 00:37:07,123 いつまで こんな所で サボっているつもりだ 曹操! 279 00:37:07,123 --> 00:37:09,426 今は できる限りの兵を集め 280 00:37:09,426 --> 00:37:13,296 勢力を拡張すべき時では ないのか! 281 00:37:13,296 --> 00:37:16,199 曹仁は大きな兵が好きか? 282 00:37:16,199 --> 00:37:19,803 今 大きな兵を持てば 天下を取りに行きたくなるぞ 283 00:37:19,803 --> 00:37:23,440 当たり前だ そう考えて どこが悪い 284 00:37:23,440 --> 00:37:27,677 天下とは取るものか? 治めるものではないのか? 285 00:37:27,677 --> 00:37:31,548 天下とは 人が食べて 生きていく広がりのこと 286 00:37:31,548 --> 00:37:33,950 つまりは農民が支えだ 287 00:37:33,950 --> 00:37:36,386 その扱いは慎重であるべき 288 00:37:36,386 --> 00:37:38,321 うっ… 289 00:37:38,321 --> 00:37:42,625 ところで曹仁 この城下に これといった人物はいたか? 290 00:37:42,625 --> 00:37:45,562 勇者など一人もおるわけがない 291 00:37:45,562 --> 00:37:47,564 荀いく殿は いかがか 292 00:37:47,564 --> 00:37:50,433 これという知恵者は おったのか? 293 00:37:50,433 --> 00:37:52,836 荀いく殿! 294 00:37:52,836 --> 00:37:55,705 荀いく えっ?はい 295 00:37:55,705 --> 00:37:57,640 ちゃんと聞いておりましたよ 296 00:37:57,640 --> 00:38:00,543 農民たちの反乱は絶望的ですが 297 00:38:00,543 --> 00:38:04,848 これを討伐することは もっと絶望的ってことでしょう? 298 00:38:04,848 --> 00:38:07,750 何?そんなことは聞いておらん 299 00:38:07,750 --> 00:38:09,719 何が絶望的だ! 300 00:38:09,719 --> 00:38:13,022 農民は 討伐し尽くせぬ ものだからです 301 00:38:13,022 --> 00:38:18,561 では 荀いく 農民を討たずに その反乱を鎮める策を言ってみよ 302 00:38:18,561 --> 00:38:21,064 はい 1つだけございます 303 00:38:21,064 --> 00:38:25,502 そりゃあ曹操様 あなたが 反乱農民のすべてをまとめあげ 304 00:38:25,502 --> 00:38:28,137 それを1つの勢力となすことです 305 00:38:28,137 --> 00:38:32,775 むちゃくちゃだ 民を安寧に導こうとする我らと 306 00:38:32,775 --> 00:38:37,080 イナゴのごとき やつらに 相いれる余地などない 307 00:38:37,080 --> 00:38:39,015 続けろ 荀いく 308 00:38:39,015 --> 00:38:42,252 お前のように考えると 何が見えてくる? 309 00:38:42,252 --> 00:38:48,658 はい 農民の顔が一人一人 つぶさに見えてまいりますなあ 310 00:38:48,658 --> 00:38:51,127 すでに目をつけた者がいるんだな 311 00:38:51,127 --> 00:38:57,767 はい 黒山の農民の先頭に立って 戦っている山賊の頭領で 312 00:38:57,767 --> 00:39:02,367 虎痴と呼ばれる 義に富む 怪力のうわさが聞こえております 313 00:39:07,477 --> 00:39:09,846 どうしたのじゃ 曹操は 314 00:39:09,846 --> 00:39:13,316 黒山の農民どもが 次々に湧いて出おるというのに 315 00:39:13,316 --> 00:39:18,254 一向に本腰を入れて これを討とうとせぬではないか 316 00:39:18,254 --> 00:39:20,390 何だ?何事だ! 317 00:39:20,390 --> 00:39:23,490 大男が城門を 破ろうとしています! 318 00:39:40,777 --> 00:39:43,046 おお! 開いたぞー! 319 00:39:43,046 --> 00:39:47,646 さすが虎痴だ そりゃあ 突っ込むだ 320 00:39:51,321 --> 00:39:53,321 あっ… 321 00:39:55,625 --> 00:39:58,528 あ! あの男です 322 00:39:58,528 --> 00:40:01,798 身の丈8尺にして 腹回り5尺 323 00:40:01,798 --> 00:40:03,998 あの巨漢が虎痴です 324 00:40:07,604 --> 00:40:10,807 うわー! 虎痴 どこへ行くだ? 325 00:40:10,807 --> 00:40:14,607 荀いく 以後の指揮を委ねる はい! 326 00:40:20,483 --> 00:40:22,418 虎痴と呼ばせているのか? 327 00:40:22,418 --> 00:40:24,354 お前なんか知らねえぞ! 328 00:40:24,354 --> 00:40:27,256 俺は知ってるぞ お前の名はな… 329 00:40:27,256 --> 00:40:30,256 やめろー! 330 00:40:32,161 --> 00:40:35,298 ああ! 331 00:40:35,298 --> 00:40:41,738 どうせオイラは ばか力の うすのろだー! 332 00:40:41,738 --> 00:40:44,207 おメエは偉い人だ 333 00:40:44,207 --> 00:40:47,610 仲間を飢えさせねえために 賊になるしかなかった 334 00:40:47,610 --> 00:40:51,481 オラのことをおメエなんかに… 335 00:40:51,481 --> 00:40:55,381 曹操なんかに 336 00:40:58,254 --> 00:41:01,954 分かってたまるかよー! 337 00:41:10,166 --> 00:41:12,402 許ちょ うっ… 338 00:41:12,402 --> 00:41:14,337 許ちょ 339 00:41:14,337 --> 00:41:16,906 20年前 曹操の下で 340 00:41:16,906 --> 00:41:21,406 爆裂団を相手に戦った あの許ちょであった 341 00:41:28,184 --> 00:41:32,655 何人の貧しき民を食わせるために 賊となったかは知らぬ 342 00:41:32,655 --> 00:41:36,359 だが もし億の民を 救うことを考えるなら 343 00:41:36,359 --> 00:41:40,229 この曹操に仕えろ 344 00:41:40,229 --> 00:41:42,729 以後の生涯 ずっとだ 345 00:41:51,974 --> 00:41:55,274 だあー! 346 00:41:57,346 --> 00:42:01,150 そのころ 荊州に入っていた孫堅の下には 347 00:42:01,150 --> 00:42:06,122 度重なる戦と 劉表の圧政に 苦しむ農民たちが集結していた 348 00:42:06,122 --> 00:42:09,492 孫堅様ー! 共に戦いますぜえ! 349 00:42:09,492 --> 00:42:13,329 殿!城を占拠していた 劉表配下の軍は 350 00:42:13,329 --> 00:42:16,833 すでに撤退いたしました 351 00:42:16,833 --> 00:42:18,768 戦わずして勝つ 352 00:42:18,768 --> 00:42:22,405 殿 これぞ まことの王道でございます 353 00:42:22,405 --> 00:42:28,811 早まるな周瑜 敵は襄陽の 劉表の下へ退いたに過ぎん 354 00:42:28,811 --> 00:42:32,115 日の高いうちに 漢水を渡るぞ 355 00:42:32,115 --> 00:42:34,484 いやいや まったく たまげたぜ 356 00:42:34,484 --> 00:42:37,787 殿の評判が これほど早く及んでおったとは 357 00:42:37,787 --> 00:42:41,691 「空に民の声を聞け」などと 半信半疑で来てみたが 358 00:42:41,691 --> 00:42:46,195 まさか 風評ってやつの力が これほどとは思わなかったぞ 359 00:42:46,195 --> 00:42:50,166 だが考えてもみれば この荊州は肥沃な穀倉地帯であり 360 00:42:50,166 --> 00:42:52,602 水陸両路の要地でもある 361 00:42:52,602 --> 00:42:54,604 我が軍にとっては ひざ元として 362 00:42:54,604 --> 00:42:57,807 侵されてはならぬ 軍事拠点といえる 363 00:42:57,807 --> 00:43:01,210 これで 天下に一歩 近づいたような気がしないか? 364 00:43:01,210 --> 00:43:05,214 荊州に足を踏み入れた時 俺も確かに それを感じた 365 00:43:05,214 --> 00:43:07,350 うん これはまさに 366 00:43:07,350 --> 00:43:10,887 夏侯惇殿の言った 覇業の一歩かもしれん 367 00:43:10,887 --> 00:43:13,890 天下か まだ一歩だが 確かに見える 368 00:43:13,890 --> 00:43:16,392 天下 天下か! 369 00:43:16,392 --> 00:43:19,992 おお 天下だ! 370 00:43:24,133 --> 00:43:26,702 ところで 殿はどこに行かれた? 371 00:43:26,702 --> 00:43:30,802 いつものように お一人で思索される時よ 372 00:43:33,442 --> 00:43:38,815 この辺りから 遠く黄河まで結ぶ 大運河を開削すれば 373 00:43:38,815 --> 00:43:40,750 この南の果ての荊州は 374 00:43:40,750 --> 00:43:44,587 一直線に北とつながる 交易の要衝となり 375 00:43:44,587 --> 00:43:47,387 中原以上の繁栄が望めよう 376 00:43:52,895 --> 00:43:56,499 この地より 大軍船団を率い 377 00:43:56,499 --> 00:44:00,369 中原へ攻め上ることも可能だ 378 00:44:00,369 --> 00:44:05,469 むら雲の陰にあっても 月は満ちていたか 379 00:44:11,414 --> 00:44:14,614 やった! 確かに孫堅だ 380 00:44:18,521 --> 00:44:22,221 う… 動いてる 何してる!早く首を 381 00:44:27,663 --> 00:44:32,763 うわあ 化け物だー! 382 00:44:49,051 --> 00:44:53,623 今 果つる時を迎えてみれば 383 00:44:53,623 --> 00:44:56,523 なんと悔いなき天命よ 384 00:45:00,429 --> 00:45:03,966 おおー! 385 00:45:03,966 --> 00:45:07,266 快なり! 386 00:45:33,763 --> 00:45:36,032 巨星 落つ 387 00:45:36,032 --> 00:45:39,435 孫堅 享年36歳 388 00:45:39,435 --> 00:45:44,273 西暦192年のことであった 389 00:45:44,273 --> 00:45:50,373 そして都 長安では まさに 波乱の幕が開けようとしていた 390 00:46:01,324 --> 00:46:06,024 董卓様 早くお会いしとうございます