1 00:00:29,486 --> 00:00:33,690 徐州州牧 陶謙が警護にあたる中で 2 00:00:33,690 --> 00:00:37,995 曹操は父 曹嵩と一族を失った 3 00:00:37,995 --> 00:00:43,800 それを機に曹操の徐州侵攻は 恐るべき速さで進められた 4 00:00:43,800 --> 00:00:47,371 だが 前線をいく 青州兵による殺りくは 5 00:00:47,371 --> 00:00:52,643 敵兵に限らず 無関係の民草にまで及んだ 6 00:00:52,643 --> 00:00:56,046 一方 公孫サンの 客将となった劉備は 7 00:00:56,046 --> 00:00:58,115 公孫サンと同盟関係にある 8 00:00:58,115 --> 00:01:02,886 徐州州牧 陶謙の救援に かけつけていた 9 00:01:02,886 --> 00:01:05,686 あの峠を越えれば徐州だ 10 00:01:08,458 --> 00:01:11,858 あ?何だ ありゃ 11 00:01:16,199 --> 00:01:18,199 ああっ 12 00:01:27,210 --> 00:01:30,414 か… 川が… 13 00:01:30,414 --> 00:01:32,814 死体でせき止められてる 14 00:01:35,719 --> 00:01:38,221 何と民草までもが 15 00:01:38,221 --> 00:01:43,527 この凄惨な光景は まるで 飛蝗の去ったあとではないか 16 00:01:43,527 --> 00:01:48,365 曹操… 青州兵という イナゴを得たってのか 17 00:01:48,365 --> 00:01:50,365 おっ 18 00:02:02,245 --> 00:02:06,950 劉備さま 劉備さま お願いしますだ 19 00:02:06,950 --> 00:02:09,519 わしらも一緒に 連れってってくだせい 20 00:02:09,519 --> 00:02:12,389 天子さまと 同じ血筋だって聞いただ 21 00:02:12,389 --> 00:02:15,158 どうかオラたちを助けてくだせえ 22 00:02:15,158 --> 00:02:18,061 ああ… 関さん… 23 00:02:18,061 --> 00:02:21,965 ここを見捨てては 劉備じゃあるまい 24 00:02:21,965 --> 00:02:25,669 そうだよな うん おおし! 25 00:02:25,669 --> 00:02:28,469 ここは この劉備に任せてくんな! 26 00:02:43,754 --> 00:02:46,223 はて 公孫サン殿からは 27 00:02:46,223 --> 00:02:49,059 救援の軍を送ったと 聞いておったが… 28 00:02:49,059 --> 00:02:51,928 この陶謙の聞き違いだったか 29 00:02:51,928 --> 00:02:55,799 いや 陶謙どん あんたの耳は まだ達者なようだぜ 30 00:02:55,799 --> 00:02:59,669 ほざくな!飢えた農民を 連れての物乞いであろう 31 00:02:59,669 --> 00:03:03,407 殿 劉備の脇におるのは 「シ水関の戦い」で 32 00:03:03,407 --> 00:03:06,676 呂布と互角に渡り合ったという 関羽でございます 33 00:03:06,676 --> 00:03:08,612 おお あの呂布と… 34 00:03:08,612 --> 00:03:14,384 それに劉備は あの中山靖王 劉勝殿の末えいだそうで 35 00:03:14,384 --> 00:03:16,784 中山靖王… 36 00:03:21,758 --> 00:03:26,196 よかろう 劉備 このタン城の警護にあたれ 37 00:03:26,196 --> 00:03:30,133 あいよ だが その前に 1つ聞いときてえ 38 00:03:30,133 --> 00:03:32,969 あ? あんた 39 00:03:32,969 --> 00:03:35,906 自分の州の民たちが 虐殺された惨状を 40 00:03:35,906 --> 00:03:38,408 直接 自分の目で見てみたかい? 41 00:03:38,408 --> 00:03:42,245 も もちろんだ だからこそ公孫サン殿に 42 00:03:42,245 --> 00:03:45,182 救援を要請したのだ 43 00:03:45,182 --> 00:03:47,184 なるほど 44 00:03:47,184 --> 00:03:50,954 ちゃんと徐州の牧としての責任は 感じてるってことだな 45 00:03:50,954 --> 00:03:52,954 な 何を! 46 00:03:54,958 --> 00:03:58,228 じゃ! 47 00:03:58,228 --> 00:04:01,528 曹操からは守ってやるよ 48 00:04:03,967 --> 00:04:05,902 ああ… 49 00:04:05,902 --> 00:04:08,602 陶謙様! 殿! 50 00:04:18,148 --> 00:04:23,653 この陳宮 曹操についていこうと 心に決めたこともあった 51 00:04:23,653 --> 00:04:26,556 乱世の奸雄 曹操の名が 52 00:04:26,556 --> 00:04:28,592 歴史において 変わることはあるまい 53 00:04:28,592 --> 00:04:32,429 そして曹操の名ばかりが バケモノのように大きくなり 54 00:04:32,429 --> 00:04:35,332 配下の名はすべて消えてしまう 55 00:04:35,332 --> 00:04:39,469 曹操とは そんなやつだ 56 00:04:39,469 --> 00:04:43,173 この陳宮が 歴史に名を残すとすれば 57 00:04:43,173 --> 00:04:45,609 あの張バクは どうか 58 00:04:45,609 --> 00:04:50,580 軍師 陳宮 戦における 作戦立案の専門家である 59 00:04:50,580 --> 00:04:53,917 彼ら軍師にとって 優れた将の下で 60 00:04:53,917 --> 00:04:57,821 おのれの軍略の才能を 発揮することが生きがいである 61 00:04:57,821 --> 00:05:02,626 そのためには様々な武将の下を 渡り歩くことも珍しくない 62 00:05:02,626 --> 00:05:07,197 時には敵将の配下となることも 不思議ではなかった 63 00:05:07,197 --> 00:05:11,801 陳宮でございます うむ 入られよ 64 00:05:11,801 --> 00:05:16,006 仰せのとおり首尾万端 整えてまいりました 65 00:05:16,006 --> 00:05:19,509 首尾万端?何のことだ? 66 00:05:19,509 --> 00:05:24,114 反曹操連合を結び 曹操に天誅を下す 67 00:05:24,114 --> 00:05:26,750 誰がそんなことを言った! 68 00:05:26,750 --> 00:05:30,950 「曹操許すまじ」と 申されたではございませぬか 69 00:05:32,923 --> 00:05:35,559 この陳宮 そのお言葉に従い 70 00:05:35,559 --> 00:05:40,463 既にエン州大半の郡や県と 結託を取り付けてまいりました 71 00:05:40,463 --> 00:05:43,563 我が名を語り謀りおったな! 72 00:05:48,705 --> 00:05:53,905 曹操を討つために 最も心強いお方をお連れしました 73 00:05:57,814 --> 00:06:02,414 夢… 初めて夢というものを見た 74 00:06:10,794 --> 00:06:14,764 1つ見始めると毎晩 夢を見る 75 00:06:14,764 --> 00:06:18,535 夢はいつも違うが どこか同じだ 76 00:06:18,535 --> 00:06:20,935 な… 何を言っておる 77 00:06:24,040 --> 00:06:27,711 比類なき勇士 呂布将軍にございます 78 00:06:27,711 --> 00:06:30,981 張バク 兵を挙げよ 79 00:06:30,981 --> 00:06:35,381 陳宮め なんというものを 引き入れた! 80 00:06:38,154 --> 00:06:41,124 ええい 曹操はどこだ 81 00:06:41,124 --> 00:06:43,660 やつの進路は変幻自在 82 00:06:43,660 --> 00:06:46,563 通過したあとは 惨状が残るばかりと 83 00:06:46,563 --> 00:06:48,832 そんなバカな報告があるか! 84 00:06:48,832 --> 00:06:53,737 これだけの布陣を敷いておるのだ 何を恐れることがある 85 00:06:53,737 --> 00:06:56,237 き 来たか… 86 00:07:18,895 --> 00:07:22,232 曹操軍は次々と 城を攻め落としながら 87 00:07:22,232 --> 00:07:26,736 陶謙の居城である タン城に迫っていた 88 00:07:26,736 --> 00:07:30,740 これ以上 徐州の民を 死なせるわけにはいかん 89 00:07:30,740 --> 00:07:35,779 わしは この首をさらし曹操に 和議を申し入れることにした 90 00:07:35,779 --> 00:07:38,548 和議ですと!殿に非はござらぬ! 91 00:07:38,548 --> 00:07:41,584 いや 民を思えば立派なご決断 92 00:07:41,584 --> 00:07:44,387 死んじゃいけねえよ 陶謙どん 93 00:07:44,387 --> 00:07:48,058 何? あんたの首を差し出したって 94 00:07:48,058 --> 00:07:50,293 曹操の攻撃は止まんねえよ 95 00:07:50,293 --> 00:07:53,563 曹操は わしを親の敵と みなしておる! 96 00:07:53,563 --> 00:07:55,532 このわしが一命を懸ければ 97 00:07:55,532 --> 00:07:58,902 やつは兵を止めざるを得んはず 98 00:07:58,902 --> 00:08:02,639 曹操は あんたを見ちゃいねえよ 99 00:08:02,639 --> 00:08:04,941 あいつの通ったあとを 見たんだろ? 100 00:08:04,941 --> 00:08:10,080 親を殺されたことへの報復だけで あそこまで できるもんじゃねえ 101 00:08:10,080 --> 00:08:12,515 復讐心で動いてるんじゃねえんだ 102 00:08:12,515 --> 00:08:15,418 ならば あの大量の殺りくには 103 00:08:15,418 --> 00:08:17,787 何の意味があると申すのだ! 104 00:08:17,787 --> 00:08:21,024 兵ってもんは一端 動かしゃ 105 00:08:21,024 --> 00:08:23,824 意味は無くても 人は死ぬんじゃねえかい 106 00:08:27,530 --> 00:08:30,333 やつにとって この戦いは地ならしだ 107 00:08:30,333 --> 00:08:34,204 一度 真っ平らにした上に 天下を おっ立てようってんだ 108 00:08:34,204 --> 00:08:37,207 なぜ そんなことが分かる? 109 00:08:37,207 --> 00:08:39,907 おいらも天下の器だからさ 110 00:08:46,783 --> 00:08:49,619 な… ならば 劉備殿 111 00:08:49,619 --> 00:08:52,522 そ… 曹操を止めてくれぬか 112 00:08:52,522 --> 00:08:55,022 ああ 分かった 113 00:09:07,103 --> 00:09:09,503 みんな 行くぜ! 114 00:09:11,875 --> 00:09:15,475 本気か 大将! 本気だ! 115 00:09:18,214 --> 00:09:22,014 大将に どこまでもついて行くぞ おー! 116 00:09:27,590 --> 00:09:29,859 飢えた農民までもが 117 00:09:29,859 --> 00:09:34,697 たたみようのない大風呂敷を 広げる この男の後についてくる 118 00:09:34,697 --> 00:09:37,897 遠目には数万の軍にも見える 119 00:09:41,471 --> 00:09:47,071 おいらの器は曹操の器も 飲みこんじまうんじゃねえか 120 00:09:51,781 --> 00:09:53,716 エン州より報告! 121 00:09:53,716 --> 00:09:57,587 呂布が兵1万を率いて ケン城へ向かっているとのこと! 122 00:09:57,587 --> 00:10:00,123 荀イクに任せておけ! 123 00:10:00,123 --> 00:10:05,261 荀イクは この曹操以外の人間は すべて推し量れると思っていよう 124 00:10:05,261 --> 00:10:08,598 だが呂布には元々 器などない 125 00:10:08,598 --> 00:10:13,837 器で呂布を推し量ろうと すれば… 死ぬぞ 荀イク 126 00:10:13,837 --> 00:10:17,737 いいか!城門の外は曹操軍だ 127 00:10:23,880 --> 00:10:27,580 突撃!城門を開けろ! 128 00:10:39,929 --> 00:10:41,929 あら? 129 00:10:47,170 --> 00:10:49,405 行っちゃったよ 130 00:10:49,405 --> 00:10:51,905 ここを攻めに来たんじゃねえのか 131 00:10:55,211 --> 00:10:58,882 呂布将軍 ケン城は曹操の拠点です 132 00:10:58,882 --> 00:11:01,784 曹操不在の今 あの城を落とせば 133 00:11:01,784 --> 00:11:05,154 やつは戻る場所を 失うことになります 134 00:11:05,154 --> 00:11:08,024 そうなれば曹操を 打ち取るまでもなく 135 00:11:08,024 --> 00:11:10,624 エン州は将軍のものです 136 00:11:25,308 --> 00:11:29,208 曹操のやつ 俺たち攻めずに消えちまった 137 00:11:32,548 --> 00:11:36,753 うーん 俺たちを恐れたのか ナメられたのか 138 00:11:36,753 --> 00:11:39,489 劉備殿! あ? 139 00:11:39,489 --> 00:11:42,889 すぐに来てくだされ 陶謙さまが… 140 00:11:46,696 --> 00:11:49,399 曹操の侵攻を恐れた陶謙は 141 00:11:49,399 --> 00:11:54,799 心労のあまり病に伏し そのまま息を引き取ってしまった 142 00:11:57,674 --> 00:11:59,943 ごめんな 陶謙どん 143 00:11:59,943 --> 00:12:03,279 曹操から守ってやるって 約束したが 144 00:12:03,279 --> 00:12:07,779 病で倒れちまっちゃ おいらには どうすることも出来ねえよ 145 00:12:12,322 --> 00:12:17,126 中山靖王 劉勝殿の 末えいであられる劉備殿 146 00:12:17,126 --> 00:12:20,997 何とぞ この徐州の牧を お引き受けいただき 147 00:12:20,997 --> 00:12:23,533 民をお守りくだされ 148 00:12:23,533 --> 00:12:27,971 陶謙さまの遺言でございます 149 00:12:27,971 --> 00:12:30,206 劉備殿 お引き受けくだされ 150 00:12:30,206 --> 00:12:32,141 劉備殿 お願いいたす 151 00:12:32,141 --> 00:12:34,741 じゃっかましい! 152 00:12:39,415 --> 00:12:43,686 おいら… おめえたちが 思ってるほどいい人じゃねえんだ 153 00:12:43,686 --> 00:12:46,622 おいらは助っ人に来たまでだ それ以上の筋はねえ 154 00:12:46,622 --> 00:12:48,822 関さん 張飛 帰るぜ 155 00:12:58,501 --> 00:13:01,404 劉備様だ 州牧様! 156 00:13:01,404 --> 00:13:03,604 劉備様! 157 00:13:13,683 --> 00:13:16,686 か… 関さん… 158 00:13:16,686 --> 00:13:22,992 決まりだな 劉備の覇業は ここから始めるしかあるまい 159 00:13:22,992 --> 00:13:25,862 西暦194年 160 00:13:25,862 --> 00:13:29,562 劉備 徐州州牧となる 161 00:13:40,676 --> 00:13:43,413 呂布の軍師 陳宮の策により 162 00:13:43,413 --> 00:13:48,113 荀イクが留守を預かる ケン城への攻撃が始まっていた 163 00:13:51,154 --> 00:13:55,591 不思議な強さだ 率いるでもなく ただいるだけで 164 00:13:55,591 --> 00:13:59,429 軍の強さが2倍にも3倍にもなる 165 00:13:59,429 --> 00:14:03,199 殿なら呂布をどうするか 166 00:14:03,199 --> 00:14:06,399 退却!引け! 167 00:14:09,872 --> 00:14:13,709 引けー!引け 引けー! 168 00:14:13,709 --> 00:14:16,279 なぜ敵が引く? 169 00:14:16,279 --> 00:14:20,149 呂布よ 自慢の馬で追って来い! 170 00:14:20,149 --> 00:14:23,753 脚の速い騎馬隊が 本隊と切り離されたところで 171 00:14:23,753 --> 00:14:25,753 城門の罠にはめてやる! 172 00:14:36,299 --> 00:14:40,899 うおー! 173 00:14:47,777 --> 00:14:49,777 あ! 174 00:14:54,584 --> 00:14:57,787 城門を閉じろ! 175 00:14:57,787 --> 00:15:00,787 全軍 散れー! 176 00:15:28,618 --> 00:15:31,621 やあーっ 曹操だ! 177 00:15:31,621 --> 00:15:36,025 曹操が兵を引き連れ 戻って来たぞ! 178 00:15:36,025 --> 00:15:41,497 呂布!地の利なく 人の利なく 天運のみで生きるものよ 179 00:15:41,497 --> 00:15:44,997 我が下につくのが 唯一の道だと知っているか 180 00:15:52,975 --> 00:15:55,878 お前が曹操か 181 00:15:55,878 --> 00:15:58,678 我は呂布なり 182 00:16:07,089 --> 00:16:09,989 曹操 殺す 183 00:16:13,963 --> 00:16:16,263 うおー 184 00:16:22,371 --> 00:16:24,840 なんと すばらしい 185 00:16:24,840 --> 00:16:28,411 振り下ろす剣に 天下がかかっている 186 00:16:28,411 --> 00:16:31,211 なぜ こやつを斬れぬ? 187 00:16:37,787 --> 00:16:40,687 呂布 天下とは何だ? 188 00:16:46,796 --> 00:16:49,596 天下は龍のすみか 189 00:16:52,235 --> 00:16:57,035 戦いのみに生きる… 純粋戦士よ! 190 00:17:07,450 --> 00:17:10,850 なぜだ なぜ斬れぬ 191 00:17:16,058 --> 00:17:18,058 ぬおー 192 00:17:22,398 --> 00:17:26,802 完ぺきだ 呂布 天下に対して善悪はなく 193 00:17:26,802 --> 00:17:30,002 ただ龍の息遣いでのみ 戦いぬくというのか 194 00:17:36,012 --> 00:17:38,812 また会おう 呂布! 195 00:17:59,135 --> 00:18:01,535 呂布は いかがであった? 196 00:18:04,640 --> 00:18:09,779 まったく汗をかいても 涼しげな顔をする 197 00:18:09,779 --> 00:18:13,649 荀イク 呂布と1年くらい 戦を続けよう 198 00:18:13,649 --> 00:18:15,649 は? 199 00:18:19,588 --> 00:18:25,728 1年… それは勝つというより 負けぬ戦を続けるということだ 200 00:18:25,728 --> 00:18:30,728 自らの消耗を最小限に抑えつつ 得られるものとは… 201 00:18:38,240 --> 00:18:40,609 殿 分かりました! 202 00:18:40,609 --> 00:18:44,313 戦が長引けば 最強の呂布を敵として 203 00:18:44,313 --> 00:18:48,718 力を発揮したい人間が 更に集まってくる 204 00:18:48,718 --> 00:18:53,622 曹操の意図したとおり その男はやってきた 205 00:18:53,622 --> 00:18:57,122 荀イク殿はどちらだ? 何者だ! 206 00:19:01,330 --> 00:19:03,830 郭嘉と申す 207 00:19:06,635 --> 00:19:10,339 青州兵とその民を治めるのは 国の大事 208 00:19:10,339 --> 00:19:14,210 ですが 今の彼らの暮らしぶりは 異常です 209 00:19:14,210 --> 00:19:17,146 同じ法の下に治めることは できませぬ 210 00:19:17,146 --> 00:19:20,816 彼らの居住地は隔離すべきかと 211 00:19:20,816 --> 00:19:23,719 程イク はっ 212 00:19:23,719 --> 00:19:27,390 目に見えぬ小事に 構う配慮がなければ 213 00:19:27,390 --> 00:19:32,027 その先にある国の大事は語れぬぞ 214 00:19:32,027 --> 00:19:34,930 青州の民と寝食を共にし 215 00:19:34,930 --> 00:19:38,734 彼らの何たるかを見定めよ は… 216 00:19:38,734 --> 00:19:40,734 郭嘉と申したな 217 00:19:42,605 --> 00:19:45,141 我が軍師になろうというのか 218 00:19:45,141 --> 00:19:51,541 この郭嘉 全土を巡り仕える方を 探しております しかし… 219 00:19:54,417 --> 00:19:57,052 どうやら あなたはすべての答えが 220 00:19:57,052 --> 00:20:00,389 ご自身の内にあらねば 気が済まぬらしい 221 00:20:00,389 --> 00:20:04,989 あなたの頭脳となって仕える者は 無残なものですな 222 00:20:08,230 --> 00:20:10,230 こやつを牢へぶちこめい 223 00:20:12,968 --> 00:20:17,473 しかし なぜ最強の兵力を 持たれた貴公が 224 00:20:17,473 --> 00:20:22,278 このエン州で法だの農政だのと いたずらに時を費やされる 225 00:20:22,278 --> 00:20:24,280 君主として世を治めるのは 226 00:20:24,280 --> 00:20:27,683 乱世を鎮めた後でも遅くないはず 227 00:20:27,683 --> 00:20:30,186 覇業とは武によるもの 228 00:20:30,186 --> 00:20:32,188 露骨に天下に野心を示さぬ 229 00:20:32,188 --> 00:20:35,958 あなたの態度こそが 天下を惑わせているのだ 230 00:20:35,958 --> 00:20:40,262 乱世をもてあそぶのは 悪鬼の所業に等しいですぞ 231 00:20:40,262 --> 00:20:44,133 聞いておられるか 曹操殿! 232 00:20:44,133 --> 00:20:48,938 今 曹操はエン州の全土を 掌握するべく 233 00:20:48,938 --> 00:20:52,338 呂布との決戦に挑もうとしていた 234 00:20:59,415 --> 00:21:02,415 うおー! 235 00:25:20,275 --> 00:25:24,580 徐州遠征のすきに 呂布の軍師 陳宮の策により 236 00:25:24,580 --> 00:25:27,983 領地 えん州の半分を失った曹操は 237 00:25:27,983 --> 00:25:32,821 荀或に命じて呂布軍を打ち破る 2つの策を立てさせた 238 00:25:32,821 --> 00:25:36,225 その1つは 夏候惇 率いる騎馬隊に 239 00:25:36,225 --> 00:25:41,925 呂布の居城である濮陽城を 繰り返し攻める陽動作戦である 240 00:25:45,834 --> 00:25:48,834 呂布が出たぞー!退けー! 241 00:25:56,912 --> 00:25:59,912 兵は ただ我の後にしたがえ! 242 00:26:04,019 --> 00:26:09,825 兵糧も底を尽き始め呂布軍も だいぶ参ってきたようですな 243 00:26:09,825 --> 00:26:12,728 そして 2つめの策… 244 00:26:12,728 --> 00:26:15,964 曹操に下った青洲兵たちには 245 00:26:15,964 --> 00:26:18,634 長年の干ばつやイナゴの害により 246 00:26:18,634 --> 00:26:23,539 荒れ果ててしまった えん州の 大地を開墾させることであった 247 00:26:23,539 --> 00:26:26,074 無残な土だ 248 00:26:26,074 --> 00:26:29,678 荀或 この秋の収穫量を推定しろ 249 00:26:29,678 --> 00:26:33,048 は… はいっ これからは すべての戦は 250 00:26:33,048 --> 00:26:35,617 収穫量を基礎に組み立てる 251 00:26:35,617 --> 00:26:39,855 その規模 行軍日程 陣容などすべてだ 252 00:26:39,855 --> 00:26:42,524 まずは民の食を確保し 253 00:26:42,524 --> 00:26:45,460 戦は その余剰の規模でのみ行う 254 00:26:45,460 --> 00:26:48,263 つまり 大きな戦をしたければ 255 00:26:48,263 --> 00:26:50,899 収穫に大きな余剰を 生んでおくのだ 256 00:26:50,899 --> 00:26:54,536 バカな… 民の食を優先すると? 257 00:26:54,536 --> 00:26:59,141 戦とは兵士の食で 割り切れるものではない 258 00:26:59,141 --> 00:27:04,546 申し上げまする 100万の民が 1年間 食いつなぐ食を確保し 259 00:27:04,546 --> 00:27:09,484 残る食糧で赴く戦地まで 片道300里と想定します 260 00:27:09,484 --> 00:27:11,720 飼料のかさむ馬は連れて行かず 261 00:27:11,720 --> 00:27:14,690 歩みは遅いが 粗食に耐える牛車を使うと 262 00:27:14,690 --> 00:27:17,359 往復で20日の行程 263 00:27:17,359 --> 00:27:21,296 逆算して連れて行ける兵は 歩兵のみ500か 264 00:27:21,296 --> 00:27:24,466 はい! それ見たことか 265 00:27:24,466 --> 00:27:28,670 戦を食で弾き出せば そんな戦力になってしまう 266 00:27:28,670 --> 00:27:30,606 程いく はっ 267 00:27:30,606 --> 00:27:34,309 夏候惇ら陽動部隊が 見てきた地形の中から 268 00:27:34,309 --> 00:27:39,982 300里以内で最も歩兵に 有利な戦地を選び出せ 269 00:27:39,982 --> 00:27:43,986 牛を必要とする秋の取入れが 完了したら 270 00:27:43,986 --> 00:27:46,855 青洲兵500を率いて呂布を討つ 271 00:27:46,855 --> 00:27:50,259 な なんと… 500で呂布を? 272 00:27:50,259 --> 00:27:53,095 郭嘉 はっ 273 00:27:53,095 --> 00:27:55,495 500で勝つ軍師はお前だ 274 00:28:07,342 --> 00:28:11,342 秋となり ついに曹操は動いた 275 00:28:18,787 --> 00:28:23,759 呂布将軍 この陳宮 命を懸けてのお願いでございます 276 00:28:23,759 --> 00:28:29,264 何とぞ 何とぞ敵の挑発に 乗るのは おやめくだされ 277 00:28:29,264 --> 00:28:33,669 残りわずかな兵糧を考えれば 今度の遠征が最後の機会 278 00:28:33,669 --> 00:28:37,239 しかも これで曹操の本拠地から 食糧を奪わねば 279 00:28:37,239 --> 00:28:40,108 兵は皆 飢え死にして しまいますぞ 280 00:28:40,108 --> 00:28:42,908 前方に砂塵を発見! 281 00:28:46,882 --> 00:28:50,752 曹操軍の夏候惇です 無視しましょう 282 00:28:50,752 --> 00:28:54,623 将軍 ヤツに乗ってはいけません 迂回しましょう 将軍 283 00:28:54,623 --> 00:28:56,625 この距離では矢は届きません 284 00:28:56,625 --> 00:28:59,225 将軍 ここは我慢ですぞ うかいです 285 00:29:06,001 --> 00:29:08,501 しょ… 将軍! 286 00:29:15,177 --> 00:29:17,977 呂布に狙いを定めー! 287 00:29:22,317 --> 00:29:24,317 な 何? 288 00:29:29,091 --> 00:29:32,527 曹操! 289 00:29:32,527 --> 00:29:37,727 呂布 この矢尻の先に 曹操の天下を知れ! 290 00:29:43,271 --> 00:29:46,071 死ね! 291 00:29:53,348 --> 00:29:57,853 逃すか 292 00:29:57,853 --> 00:29:59,788 しょ… 将軍 293 00:29:59,788 --> 00:30:03,658 曹操が出てきたとなれば 今 ここが決戦の地だ 294 00:30:03,658 --> 00:30:07,529 しかし なぜ曹操が 自ら単騎で動く? 295 00:30:07,529 --> 00:30:11,199 ここは全軍で呂布将軍を 追うべきか… 296 00:30:11,199 --> 00:30:13,201 待たせたな 皆の者 297 00:30:13,201 --> 00:30:17,572 逃げに徹してきたうっぷんを 存分に晴らそうぞ 298 00:30:17,572 --> 00:30:19,808 夏候惇は曹操を追わぬ 299 00:30:19,808 --> 00:30:23,445 ならば 曹操の行く手には 伏兵が潜んでいる 300 00:30:23,445 --> 00:30:26,348 兵を二分 いや三分するぞ 301 00:30:26,348 --> 00:30:30,252 せつ蘭 5000を率い 将軍の援護に向かえ 302 00:30:30,252 --> 00:30:32,821 残る3000は わしと待機 303 00:30:32,821 --> 00:30:36,621 2000は李封にしたがい 夏候惇を粉砕せい! 304 00:30:39,194 --> 00:30:42,794 貴様ら 追っていった呂布は もうすぐ死ぬぞ! 305 00:30:47,702 --> 00:30:51,573 恐ろしく強い 夏候惇がこれほどとは… 306 00:30:51,573 --> 00:30:57,112 それに あのわずかばかりの 歩兵の速さと強さはどうだ 307 00:30:57,112 --> 00:30:59,047 陽動隊で この強さなら 308 00:30:59,047 --> 00:31:02,250 曹操を追っていった 我が軍 5000は危ない 309 00:31:02,250 --> 00:31:05,654 待機の3000 曹操を追うぞ はっ 310 00:31:05,654 --> 00:31:08,123 くっ… 陳宮の不覚 311 00:31:08,123 --> 00:31:10,959 100の騎兵と ただ1人の曹操に振り回され 312 00:31:10,959 --> 00:31:13,459 1万の兵がズタズタにされかねぬ 313 00:31:16,865 --> 00:31:19,768 郭嘉め… 500で勝つには 314 00:31:19,768 --> 00:31:22,404 この曹操が自ら おとりとなり 315 00:31:22,404 --> 00:31:25,004 呂布を連れて走れとは よくも言ったものよ 316 00:31:30,645 --> 00:31:33,145 追え 赤兎馬 317 00:31:52,367 --> 00:31:56,767 どこにいる 曹操? 318 00:32:00,108 --> 00:32:04,679 青洲兵 農耕で 鍛えた力の見せどころだ 319 00:32:04,679 --> 00:32:06,679 おーっ! 320 00:32:17,626 --> 00:32:19,826 兵が潰されている 321 00:32:22,464 --> 00:32:26,334 龍のすみかとは こういう所のことか? 322 00:32:26,334 --> 00:32:29,237 武神がついておるとはいえ 323 00:32:29,237 --> 00:32:32,974 兵を率いられぬ1人の戦士の 見る天下とは 324 00:32:32,974 --> 00:32:35,477 せいぜいこの程度だ 325 00:32:35,477 --> 00:32:38,079 お前を追ってきた5000が潰れ 326 00:32:38,079 --> 00:32:41,349 今 後続の3000がガケの下だ 327 00:32:41,349 --> 00:32:46,449 そして呂布 貴様には我が精兵が相手だ 328 00:33:01,636 --> 00:33:07,436 我は1人 呂布なり! 329 00:33:10,078 --> 00:33:16,218 兵の元へ帰ろうともせぬ 何ともすさまじい男よ 330 00:33:16,218 --> 00:33:19,955 今しばらくは乱世を かき乱しておるがいい 331 00:33:19,955 --> 00:33:23,358 いずれ ふさわしい死を 与えてやろう 332 00:33:23,358 --> 00:33:27,562 曹操殿 何ゆえ退路のガケを崩し 333 00:33:27,562 --> 00:33:30,865 呂布と ここで雌雄を 決しなかったのです? 334 00:33:30,865 --> 00:33:34,102 おもしろすぎて忘れていた 335 00:33:34,102 --> 00:33:38,073 残りの兵はどうした? 約7000の兵を 336 00:33:38,073 --> 00:33:41,376 ここに至る峡谷に閉じ込め 焼き払いました 337 00:33:41,376 --> 00:33:44,045 この要害の利点を生かしましたが 338 00:33:44,045 --> 00:33:46,045 敵は少なからず残っております 339 00:33:48,850 --> 00:33:53,154 ならば良し あとは存分に仕上げろ 340 00:33:53,154 --> 00:33:58,627 少しばかり持久戦に持ち込めば 元気なこちらの圧勝だろう 341 00:33:58,627 --> 00:34:02,727 郭嘉 次は天子だ 342 00:34:07,669 --> 00:34:10,769 都の上で星が動き始めている 343 00:34:13,475 --> 00:34:16,375 そのころ天子 劉協は… 344 00:34:20,048 --> 00:34:24,886 魔王 董卓が王允 呂布の 陰謀により 憤死した後 345 00:34:24,886 --> 00:34:30,692 重臣たちの中に天子をめぐっての 対立が起こっていた 346 00:34:30,692 --> 00:34:34,162 嫌気が差した劉協と その腹心たちは 347 00:34:34,162 --> 00:34:37,065 都 長安を脱出した 348 00:34:37,065 --> 00:34:41,403 天子を失い 逆賊の名を 恐れた重臣たちは和睦し 349 00:34:41,403 --> 00:34:45,006 その行方を血眼になって 捜していたため 350 00:34:45,006 --> 00:34:49,406 劉協は1年近く流浪の旅を 強いられていたのである 351 00:34:51,780 --> 00:34:55,317 洛陽に戻ることさえ これほどに難しい 352 00:34:55,317 --> 00:34:59,654 これでも私は天子なのであろうか 353 00:34:59,654 --> 00:35:03,658 黄河よ 洛陽よ 東の諸侯よ 354 00:35:03,658 --> 00:35:06,158 天子はここに生きておるぞ 355 00:35:10,098 --> 00:35:15,970 その冬 曹操の大軍は 洛陽に向かい進軍していた 356 00:35:15,970 --> 00:35:18,640 天子 劉協が長安を逃れ 357 00:35:18,640 --> 00:35:22,510 洛陽を目指しているという 情報を得たからである 358 00:35:22,510 --> 00:35:26,381 天子として君臨せずとも 統治はできる 359 00:35:26,381 --> 00:35:30,719 やらねばならぬことの多い俺に 天子の職は余分だ 360 00:35:30,719 --> 00:35:35,190 では あなたは何になろうと 言うのです? 361 00:35:35,190 --> 00:35:38,593 俺は この大地に 一粒の種から育ってくる 362 00:35:38,593 --> 00:35:41,496 無数の人間の 主席であることを願う 363 00:35:41,496 --> 00:35:43,865 主席ですと? 364 00:35:43,865 --> 00:35:47,736 俺より主席にふさわしい人間が いれば 付き従うもよし 365 00:35:47,736 --> 00:35:51,039 また斬り殺されるもよかろう 366 00:35:51,039 --> 00:35:53,842 平和なる時に天子は不要だ 367 00:35:53,842 --> 00:35:57,712 しかし 今の乱世であれば 天子は役に立つ 368 00:35:57,712 --> 00:36:01,812 そんな お考えを また大っぴらに言われては… 369 00:36:06,421 --> 00:36:10,091 誠に申し訳ないことでございます 370 00:36:10,091 --> 00:36:12,491 このような粗末なものしか ございませぬが 371 00:36:20,568 --> 00:36:23,004 伏徳 はい 372 00:36:23,004 --> 00:36:25,473 天子とは何であろうな 373 00:36:25,473 --> 00:36:30,473 はい この炉の中の 火のようなものかと 374 00:36:32,347 --> 00:36:35,283 灰をかぶっていれば いつまでも消えず 375 00:36:35,283 --> 00:36:39,020 取り出せば赤々とした高熱を放ち 376 00:36:39,020 --> 00:36:40,989 触ることが できぬものでありながら 377 00:36:40,989 --> 00:36:43,825 人に不可欠なるもの 378 00:36:43,825 --> 00:36:47,228 火か… 朕が火だとすれば 379 00:36:47,228 --> 00:36:50,999 その火を守る灰は どのようなものを言うのか 380 00:36:50,999 --> 00:36:55,236 恐らく天子のように 世を見据える力がありながら 381 00:36:55,236 --> 00:36:57,906 天子になる意志は 持たぬものでありましょう 382 00:36:57,906 --> 00:37:00,141 そういうものがおるのか? 383 00:37:00,141 --> 00:37:02,811 まだ見つかってはおりませぬ 384 00:37:02,811 --> 00:37:06,648 そういう人間が 一番怖いような気がする 385 00:37:06,648 --> 00:37:11,748 伏徳 洛陽で 朕を待っている者がいるだろうか 386 00:37:14,389 --> 00:37:17,358 恐らく真っ先に駆けつける者こそ 387 00:37:17,358 --> 00:37:23,231 天子に最も忠実か 最も不実な者であろうな 388 00:37:23,231 --> 00:37:26,731 朕はそれを 見分けねばならんのだな 389 00:37:31,806 --> 00:37:35,743 大変だ 天子 劉協さまが 長安を脱出した! 390 00:37:35,743 --> 00:37:38,012 お待ちくだされ 劉備殿! 391 00:37:38,012 --> 00:37:40,315 中山靖王の末裔のおいらが 392 00:37:40,315 --> 00:37:42,717 天子様を放っておけるかい 393 00:37:42,717 --> 00:37:45,220 あなたは州牧ではありませぬか 394 00:37:45,220 --> 00:37:47,222 この徐州を守っていただかねば 395 00:37:47,222 --> 00:37:50,992 じゃかあしい 何が州牧だ! 396 00:37:50,992 --> 00:37:53,394 ここは天下の一大事だぜ! 397 00:37:53,394 --> 00:37:59,300 おい門兵 開け開け 開けやがれ! 398 00:37:59,300 --> 00:38:01,436 うわー 399 00:38:01,436 --> 00:38:05,173 な… 何かいる 400 00:38:05,173 --> 00:38:10,011 今までおいらの命を 度々救った勘ってやつだ 401 00:38:10,011 --> 00:38:12,981 門ってのは どうも気に入らねえ 402 00:38:12,981 --> 00:38:15,617 門は先に通じるようでもあり 403 00:38:15,617 --> 00:38:19,217 いったん出たら 戻れねえような気にもさせる 404 00:38:26,261 --> 00:38:29,361 りょ… 呂布! 405 00:38:39,807 --> 00:38:46,180 天子 劉協は董卓によって 焼き払われた洛陽に戻る 406 00:38:46,180 --> 00:38:50,051 こ… これが再興された洛陽か 407 00:38:50,051 --> 00:38:55,323 昔の面影はひとつもない 董卓め! 408 00:38:55,323 --> 00:38:59,661 洛陽は洛陽じゃ 長安よりも ずっといい 409 00:38:59,661 --> 00:39:03,565 洛陽であれば ガレキの山だろうと好ましく思える 410 00:39:03,565 --> 00:39:06,434 ここは我が都じゃ 411 00:39:06,434 --> 00:39:08,434 陛下… 412 00:39:42,036 --> 00:39:44,539 陛下 えん州の曹操が 413 00:39:44,539 --> 00:39:48,543 大軍を率い この洛陽に向かっております 414 00:39:48,543 --> 00:39:53,881 曹操… 曹操は火を守る灰なのか 415 00:39:53,881 --> 00:39:57,281 私は曹操を見極めねばならぬ 416 00:40:22,910 --> 00:40:25,213 これが曹操か 417 00:40:25,213 --> 00:40:30,051 あの強そうな軍を振り返りもせず 見事に率いている 418 00:40:30,051 --> 00:40:34,251 天下に悪名をとどろかせる男とは こういうものか 419 00:40:46,901 --> 00:40:50,772 ご機嫌うるわしく 何よりです 420 00:40:50,772 --> 00:40:54,342 陛下 お迎えにあがりました 421 00:40:54,342 --> 00:40:57,311 許に新たなる都を 用意しております 422 00:40:57,311 --> 00:40:59,480 都… 423 00:40:59,480 --> 00:41:03,818 陛下に拝謁するに 平伏もせず軍礼をし 424 00:41:03,818 --> 00:41:06,587 しかも遷都を唱えるか 曹操 425 00:41:06,587 --> 00:41:10,324 不遜 極まれり 426 00:41:10,324 --> 00:41:13,227 城門や城壁は痛み崩れ 427 00:41:13,227 --> 00:41:17,098 食糧どころか草木すら貧しき この旧都 428 00:41:17,098 --> 00:41:20,735 我らとて 陛下をお守りするのは ままなりません 429 00:41:20,735 --> 00:41:25,239 それでも構わぬ 朕はこの洛陽を離れぬぞ 430 00:41:25,239 --> 00:41:29,110 控えろ 曹操 陛下のご意志でござるぞ 431 00:41:29,110 --> 00:41:32,080 陛下のご意志だと? 432 00:41:32,080 --> 00:41:34,916 それは社稷をまつる人を 超越された 433 00:41:34,916 --> 00:41:37,418 天子という お方の御意か? 434 00:41:37,418 --> 00:41:39,487 社稷 435 00:41:39,487 --> 00:41:43,157 土地の神「社」 五穀の神「稷」 436 00:41:43,157 --> 00:41:47,095 地上の民が この2つの神を祭る場が社稷 437 00:41:47,095 --> 00:41:49,731 つまり天下のこと 438 00:41:49,731 --> 00:41:51,666 御意でなくば 439 00:41:51,666 --> 00:41:56,504 天子を称するひとりの人間の 感情によるものか? 440 00:41:56,504 --> 00:42:00,341 天使を称するひとりの人間? 441 00:42:00,341 --> 00:42:04,245 ひとりの人間… ひとりの人間! 442 00:42:04,245 --> 00:42:07,115 曹操は私のことを知っている 443 00:42:07,115 --> 00:42:10,818 ひとりの人間とは何たる暴言か! 444 00:42:10,818 --> 00:42:14,422 天子の御意を おとどめすること さえ恐れ多いのに 445 00:42:14,422 --> 00:42:17,959 ましてや せん越なことなど あってはならぬこと! 446 00:42:17,959 --> 00:42:19,894 曹操 おおっ 447 00:42:19,894 --> 00:42:24,632 天子とは2つの意志を 持っておるものなのか 448 00:42:24,632 --> 00:42:31,739 おお 天子の意志 人格とは本来 天上世界のもの 449 00:42:31,739 --> 00:42:34,041 それは陛下の中にありながら 450 00:42:34,041 --> 00:42:36,944 陛下ご自身でさえ触れられぬ意志 451 00:42:36,944 --> 00:42:39,644 私ものにできぬ人格で ありましょう 452 00:42:42,650 --> 00:42:46,521 ああ… ああっ! 453 00:42:46,521 --> 00:42:51,121 天子であることを こんなふうに感じたのは初めてだ 454 00:43:06,741 --> 00:43:10,441 上奏を認める 曹操 ついて参れ 455 00:43:18,653 --> 00:43:23,491 この天子は 俺の予想を超えて聡明だ 456 00:43:23,491 --> 00:43:29,191 あの董卓が手を下さなかったのも この聡明さゆえであろう 457 00:43:34,168 --> 00:43:39,106 この嘉徳殿には漢王朝の栄華を 誇るものは何ひとつないが 458 00:43:39,106 --> 00:43:42,376 そちのいう 天上の意志を語る玉座には 459 00:43:42,376 --> 00:43:44,712 最もふさわしい場所ではないか 460 00:43:44,712 --> 00:43:50,985 しかし ここは天下万民に示す 社稷のありどころでは ござらぬ 461 00:43:50,985 --> 00:43:52,954 また社稷か 462 00:43:52,954 --> 00:43:57,558 社稷とは天下がいかなる 変遷を繰り返しても 463 00:43:57,558 --> 00:44:00,094 およそ この地上に民がいる限り 464 00:44:00,094 --> 00:44:02,930 消えてなくなるものでは ございません 465 00:44:02,930 --> 00:44:06,734 つまり 社稷をまつる人ならぬ 天子とは 466 00:44:06,734 --> 00:44:09,337 火のように こうこうと光を放ち 467 00:44:09,337 --> 00:44:13,237 天下に社稷の加護を 感じさせる者であるというのか 468 00:44:15,142 --> 00:44:18,242 陛下は人の形をした天でござる 469 00:44:23,718 --> 00:44:25,818 天か… 470 00:44:33,394 --> 00:44:38,566 曹操 そちは何ゆえ 朕を求めて洛陽に来た? 471 00:44:38,566 --> 00:44:41,769 何ゆえ 許で 自らが作った玉座に上り 472 00:44:41,769 --> 00:44:44,672 天子と称さない? 473 00:44:44,672 --> 00:44:49,911 この曹操は蒼天を 飛翔する鳥にあらず 474 00:44:49,911 --> 00:44:54,315 蒼天のもと 地をゆく者なり! 475 00:44:54,315 --> 00:44:57,118 巨大な社稷をまつる者ではなく 476 00:44:57,118 --> 00:45:01,489 社稷のもと雄大に政を行う者 477 00:45:01,489 --> 00:45:05,793 陛下 私はあなたを奉り そのもとで 478 00:45:05,793 --> 00:45:10,097 天下万民が安寧できる国を 作りとうございます 479 00:45:10,097 --> 00:45:14,702 こんな男を見極めることなど できようはずがない 480 00:45:14,702 --> 00:45:19,173 私の予感どおり恐ろしい男じゃ 481 00:45:19,173 --> 00:45:21,373 だが… 482 00:45:24,445 --> 00:45:29,717 この曹操 劉協陛下を 奉戴申し上げる 483 00:45:29,717 --> 00:45:32,353 だが なぜかうれしいぞ 484 00:45:32,353 --> 00:45:35,753 この恐るべき男に 求められていることが 485 00:45:37,858 --> 00:45:43,397 こうして曹操による 天子奉戴がなされた 486 00:45:43,397 --> 00:45:47,134 時は西暦196年7月 487 00:45:47,134 --> 00:45:51,134 曹操 齢 41歳であった