1 00:00:12,155 --> 00:00:14,658 (エリオット)畜生 全部ずぶぬれかよ! 2 00:00:14,658 --> 00:00:19,329 (アン)なんで… どうして こんな…。 3 00:00:19,329 --> 00:00:21,331 (オーランド)湿気だ。 (ナディール)どうして 4 00:00:21,331 --> 00:00:24,167 気付けなかったんだろう。 (ヴァレンタイン)この季節の豪雨も 5 00:00:24,167 --> 00:00:28,672 雨漏りも 誰にも 予想できなかったことです。 6 00:00:28,672 --> 00:00:31,508 《これじゃ使えない。 7 00:00:31,508 --> 00:00:35,345 新聖祭に間に合わない…》 8 00:00:35,345 --> 00:00:38,014 (エリオット)泣くなよ 職人頭。 9 00:00:38,014 --> 00:00:40,517 コリンズさん…。 10 00:00:40,517 --> 00:00:44,217 なんとかしなきゃね。 あ… はい! 11 00:00:48,358 --> 00:00:50,360 もう一度 ひき直そう。 12 00:00:50,360 --> 00:00:53,864 暖炉の部屋に銀砂糖を集めて 湿気を飛ばすの! 13 00:00:53,864 --> 00:00:56,199 本工房からは 臼を運んできてちょうだい! 14 00:00:56,199 --> 00:00:59,369 急げ! 何がなんでも 今日中に帰ってこい! 15 00:00:59,369 --> 00:01:01,569 (ナディールたちの返事) 16 00:02:49,346 --> 00:02:51,346 (ヒュー)お前たち 大丈夫か!? 17 00:02:53,350 --> 00:02:56,019 (ヒュー)思っていたより ひどいな。 この城は あちこち 18 00:02:56,019 --> 00:02:59,856 傷んでいるから あるいはと思ったんだが…。 19 00:02:59,856 --> 00:03:03,193 ひき直すのか? うちか ラドクリフ工房に 20 00:03:03,193 --> 00:03:06,029 銀砂糖を 回してもらうこともできるぞ? 21 00:03:06,029 --> 00:03:10,133 そんなの お願いするわけないでしょ。 22 00:03:10,133 --> 00:03:13,133 間に合うのか? 間に合いますよ。 23 00:03:15,639 --> 00:03:18,808 (エリオット)ご苦労だったな。 今日は もう休んでくれ。 24 00:03:18,808 --> 00:03:20,808 明日から本番だ。 25 00:03:23,313 --> 00:03:26,816 フゥ…。 雨… やんだねぇ。 26 00:03:26,816 --> 00:03:29,319 そうですね。 27 00:03:29,319 --> 00:03:33,823 今夜 一晩乾燥させれば いくつかは明日ひける。 28 00:03:33,823 --> 00:03:35,825 今日は もう アンは寝てよ。 29 00:03:35,825 --> 00:03:37,827 暖炉は俺が見とくから。 30 00:03:37,827 --> 00:03:40,497 そうはいきません。 でも 31 00:03:40,497 --> 00:03:42,999 女の子に無理をさせるのはねぇ。 32 00:03:42,999 --> 00:03:47,003 私は職人頭です。 フッ わかったよ。 33 00:03:47,003 --> 00:03:49,003 じゃ 交代でね。 34 00:03:51,007 --> 00:03:53,176 新聖祭 35 00:03:53,176 --> 00:03:56,346 ホントに間に合うと思いますか? 36 00:03:56,346 --> 00:03:58,682 そうだねぇ…。 37 00:03:58,682 --> 00:04:02,852 子爵には ああ言ったけど 正直 自信はない。 38 00:04:02,852 --> 00:04:05,855 銀砂糖は ひき直せても 細工や 組み上げに 39 00:04:05,855 --> 00:04:10,460 時間がかかるし もう一人 腕の立つ職人がいればね…。 40 00:04:10,460 --> 00:04:13,296 キースとか 来てくれないかな…。 41 00:04:13,296 --> 00:04:16,466 無理。 ラドクリフ殿が承知しない。 42 00:04:16,466 --> 00:04:19,469 派閥ってのは そういうものさ。 43 00:04:19,469 --> 00:04:22,305 あ~あ 誰かいないかなぁ。 44 00:04:22,305 --> 00:04:25,205 腕がよくて 派閥に入っていない人…。 45 00:04:27,143 --> 00:04:29,143 (2人)あっ! キャット! 46 00:04:31,147 --> 00:04:34,651 (エリオット)アイツは今 サウスセントに店を構えてる。 47 00:04:34,651 --> 00:04:38,655 どうせ開店休業だ。 アンのお願いなら聞いてくれる。 48 00:04:38,655 --> 00:04:41,491 はい。 夕方までには 連れて帰ってきます。 49 00:04:41,491 --> 00:04:43,493 (ハル)ノアのことは 診ておきますので。 50 00:04:43,493 --> 00:04:45,829 お願い。 (シャル)行くぞ。 51 00:04:45,829 --> 00:04:48,331 (アン)うん。 (いななき) 52 00:04:48,331 --> 00:04:52,001 (馬の走る音) 53 00:04:52,001 --> 00:04:55,505 (ブリジット)ハァ。 54 00:04:55,505 --> 00:04:57,507 (グラディス)みんな冷たいね。 55 00:04:57,507 --> 00:05:01,010 君も こんなに心配してるのに。 56 00:05:01,010 --> 00:05:04,514 昔からよ。 慣れてる。 57 00:05:04,514 --> 00:05:06,514 ん…。 58 00:05:08,685 --> 00:05:12,455 (アン)相変わらず 商売する気がなさそうね。 59 00:05:12,455 --> 00:05:15,458 まっ 前よりは マシだがな。 60 00:05:15,458 --> 00:05:18,795 (ベンジャミン)スー スー…。 (ドアの開く音) 61 00:05:18,795 --> 00:05:22,132 (アン)ごめんください。 62 00:05:22,132 --> 00:05:24,467 こんにちは ベンジャミン。 63 00:05:24,467 --> 00:05:27,637 あれぇ アンに似てるぅ。 64 00:05:27,637 --> 00:05:30,306 アンよ。 久しぶりね。 65 00:05:30,306 --> 00:05:34,310 えぇ ビックリ。 どうしたの? こんな所に。 66 00:05:34,310 --> 00:05:37,313 実は キャットに お願いがあって来たの。 67 00:05:37,313 --> 00:05:40,650 いる? いるよぉ。 68 00:05:40,650 --> 00:05:44,821 キャット~ すてきなお客様だよぉ~。 69 00:05:44,821 --> 00:05:46,823 (物音) 70 00:05:46,823 --> 00:05:50,660 (キャット)客だぁ? あっ テメェら…。 71 00:05:50,660 --> 00:05:53,329 取り戻したのか! はい。 その節は 72 00:05:53,329 --> 00:05:56,833 ありがとうございました。 礼なんかいらねえよ。 73 00:05:56,833 --> 00:06:00,503 俺はなんにもしてねえ。 っつうか わざわざその報告かよ。 74 00:06:00,503 --> 00:06:04,841 いえ 実は お願いがあって…。 お願い? 75 00:06:04,841 --> 00:06:09,345 私 今 ペイジ工房で 職人頭をしてるんです。 76 00:06:09,345 --> 00:06:12,782 えぇ すごいねぇ 職人頭。 77 00:06:12,782 --> 00:06:17,453 それで 新聖祭の砂糖菓子を 作ることになったんですけど 78 00:06:17,453 --> 00:06:20,790 ホリーリーフ城に 作業場を構えていたら…。 79 00:06:20,790 --> 00:06:24,127 銀砂糖が雨でやられたな? あの城だし。 80 00:06:24,127 --> 00:06:26,629 はい。 全部固まってしまって 81 00:06:26,629 --> 00:06:30,800 今ひき直してるところです。 それで時間が足りなくなって 82 00:06:30,800 --> 00:06:34,637 砂糖菓子作んのに 新聖祭まで力を貸せってか。 83 00:06:34,637 --> 00:06:38,474 お願いできませんか? 84 00:06:38,474 --> 00:06:42,312 ダメだ。 俺は作りたいヤツにしか作らねえ。 85 00:06:42,312 --> 00:06:45,815 それに 年明けに誕生日のくる 粉屋のバァさんの注文を 86 00:06:45,815 --> 00:06:50,153 受けてるんだ。 国王陛下や 国教会よりも 87 00:06:50,153 --> 00:06:52,989 バァさん優先だ。 そこをなんとか 88 00:06:52,989 --> 00:06:55,658 お願いします! キャットが必要なんです! 89 00:06:55,658 --> 00:06:58,328 やらねえったら やらねえ。 90 00:06:58,328 --> 00:07:00,496 (シャル)おい キャットさん。 シャル! 91 00:07:00,496 --> 00:07:03,666 テメェ さんをつけるんじゃねえって 忘れたのか!? 92 00:07:03,666 --> 00:07:07,670 覚えている。 じゃあ わざとか!? 93 00:07:07,670 --> 00:07:11,441 あぁ わざとだ。 ケンカ売ってんのかぁ!? 94 00:07:11,441 --> 00:07:13,610 ちょ ちょっと 2人とも! 95 00:07:13,610 --> 00:07:15,945 なぁ キャットさん 銀砂糖子爵に 96 00:07:15,945 --> 00:07:19,115 借りをつくったらしいな? いっ! 97 00:07:19,115 --> 00:07:21,117 お前なら そう言うだろうと 98 00:07:21,117 --> 00:07:24,120 俺は キャットの願いを はねつけた。 99 00:07:24,120 --> 00:07:26,122 それでも アイツが引こうとしないから 100 00:07:26,122 --> 00:07:28,124 賭けをしたんだ。 101 00:07:28,124 --> 00:07:31,628 お前が 俺の手出しを 望むかどうかをな。 102 00:07:31,628 --> 00:07:33,630 負けたキャットは 俺の言うことを 103 00:07:33,630 --> 00:07:36,466 な~んでも 聞いてくれるそうだぜ 104 00:07:36,466 --> 00:07:38,635 そういえば そんなことも…。 105 00:07:38,635 --> 00:07:42,138 あれは借りじゃねえ! あれは なんつうか 106 00:07:42,138 --> 00:07:44,474 ちょっとした失敗だ! 手違いだ! 107 00:07:44,474 --> 00:07:47,977 あっ! その結果 何を要求された? 108 00:07:47,977 --> 00:07:51,981 そっ それは…。 もう終わらせたのか? 109 00:07:51,981 --> 00:07:53,981 いや…。 110 00:07:56,319 --> 00:07:59,322 あっ キャット! もし その要求を 111 00:07:59,322 --> 00:08:01,324 やめさせることができたら 112 00:08:01,324 --> 00:08:03,660 私たちのこと 手伝ってもらえますか!? 113 00:08:03,660 --> 00:08:06,329 やめさせる? はい。 その権利 114 00:08:06,329 --> 00:08:09,832 私が ヒューからもらいます! だから 私たちの作業を 115 00:08:09,832 --> 00:08:12,936 手伝ってほしいんです! 何? 116 00:08:12,936 --> 00:08:17,273 新聖祭の砂糖菓子は 陛下や 国教会のためだけじゃない。 117 00:08:17,273 --> 00:08:21,444 王国に住む人たちの幸せを 願うためでもあります。 118 00:08:21,444 --> 00:08:24,614 いい砂糖菓子ができれば 幸運がきて 119 00:08:24,614 --> 00:08:28,451 今年みたいな砂糖林檎の凶作も 来年は ないはず…。 120 00:08:28,451 --> 00:08:33,122 ん… ん~。 121 00:08:33,122 --> 00:08:36,292 まぁ あの野郎の言いなりよりは マシか。 122 00:08:36,292 --> 00:08:38,992 それじゃ…。 ふん。 123 00:08:41,297 --> 00:08:43,466 やってやる! 124 00:08:43,466 --> 00:08:45,635 (アン)シャル ありがとう! ヒューとのこと 125 00:08:45,635 --> 00:08:49,305 思い出させてくれて。 単純バカ同士 126 00:08:49,305 --> 00:08:51,641 話が進みそうになかったからな。 127 00:08:51,641 --> 00:08:54,477 ア… アハハ…。 128 00:08:54,477 --> 00:08:58,314 《アン:それでも シャルも 協力してくれて 129 00:08:58,314 --> 00:09:00,314 うれしかったな》 130 00:09:02,485 --> 00:09:05,154 (ミスリル)あっ アンたちだ! 131 00:09:05,154 --> 00:09:07,657 おかえり~! 132 00:09:07,657 --> 00:09:10,760 あ? キャットは どうした? 133 00:09:10,760 --> 00:09:13,763 ヒュー! キャットに 言うことを聞いてもらう権利 134 00:09:13,763 --> 00:09:17,100 私に譲って! 何? 135 00:09:17,100 --> 00:09:20,436 フッ さては アイツに突っぱねられたな? 136 00:09:20,436 --> 00:09:23,272 で… 俺から その権利をぶんどれば 137 00:09:23,272 --> 00:09:27,610 手伝いに来ると。 う… そのとおりよ。 138 00:09:27,610 --> 00:09:30,780 でも お願い。 譲って。 断る。 139 00:09:30,780 --> 00:09:35,284 アイツが砂糖菓子を作るのは 自分が納得するときだけだ。 140 00:09:35,284 --> 00:09:38,287 そんなアイツを 好きに扱えるんだぞ? 141 00:09:38,287 --> 00:09:41,124 私たちも キャットが必要なの。 142 00:09:41,124 --> 00:09:44,293 そこまで お前さんを 甘やかす気はない。 143 00:09:44,293 --> 00:09:46,993 そんなに欲しけりゃ 俺からもぎ取れ。 144 00:09:51,134 --> 00:09:53,136 じゃ 取るわ。 145 00:09:53,136 --> 00:09:56,639 へぇ? 勝負でもするつもりか? 146 00:09:56,639 --> 00:10:00,643 本来 銀砂糖子爵は 国王陛下のため以外に 147 00:10:00,643 --> 00:10:03,646 砂糖菓子を作るのは 禁じられている。 148 00:10:03,646 --> 00:10:06,446 だが 勝負となれば話は別だ。 149 00:10:12,822 --> 00:10:15,022 あっ…。 150 00:10:21,497 --> 00:10:23,833 勝負します! 151 00:10:23,833 --> 00:10:26,002 (サリム)向こう見ずな…。 152 00:10:26,002 --> 00:10:28,504 マジかよ…。 153 00:10:28,504 --> 00:10:31,507 フッ 受けて立とう 154 00:10:31,507 --> 00:10:35,511 銀砂糖師 アン・ハルフォード。 155 00:10:35,511 --> 00:10:39,015 判定は… そうだな 156 00:10:39,015 --> 00:10:42,518 何も食べずに困っている 妖精がいると聞いた。 157 00:10:42,518 --> 00:10:46,522 (ヒュー)その妖精に食べさせることが できたほうが勝ちだ。 158 00:10:46,522 --> 00:10:49,192 ノアに? 159 00:10:49,192 --> 00:10:51,861 わかった。 それでいいわ! 160 00:10:51,861 --> 00:10:55,865 よし! 今晩中に 用具一式と 銀砂糖を持ってこい。 161 00:10:55,865 --> 00:10:58,701 銀砂糖は アンの分もだ! はい。 162 00:10:58,701 --> 00:11:02,538 そういうことだ コリンズ! 滞在させてもらうぞ! 163 00:11:02,538 --> 00:11:04,874 承知しましたよ。 164 00:11:04,874 --> 00:11:06,874 楽しみだ アン。 165 00:11:10,813 --> 00:11:13,649 (ミスリル)カーッ! ヒューと勝負だぁ!? 166 00:11:13,649 --> 00:11:16,319 勝てるわけないだろ~! 167 00:11:16,319 --> 00:11:19,155 ま… まだわかんないでしょ? 168 00:11:19,155 --> 00:11:21,491 (エリオット/ミスリル)ハァ…。 169 00:11:21,491 --> 00:11:23,659 ホント ムチャすぎる。 170 00:11:23,659 --> 00:11:27,830 今から作って 明日には食わせなきゃなんて。 171 00:11:27,830 --> 00:11:31,000 とりあえず 俺は暖炉に戻るよ。 172 00:11:31,000 --> 00:11:33,669 このことは アンから みんなに言っといてね。 173 00:11:33,669 --> 00:11:35,969 俺からは とても無理だ…。 174 00:11:39,342 --> 00:11:53,356 ~ 175 00:11:53,356 --> 00:11:55,525 《みんな…》 176 00:11:55,525 --> 00:11:59,362 アン! ヘヘッ。 177 00:11:59,362 --> 00:12:02,532 ほら これつけろよ! まめが潰れたんだろ! 178 00:12:02,532 --> 00:12:04,532 (ヴァレンタイン)大丈夫ですか? 179 00:12:06,536 --> 00:12:09,372 みんな ちょっと話があるんだけど…。 180 00:12:09,372 --> 00:12:11,307 (ナディール)聞いてるよ エリオットから。 181 00:12:11,307 --> 00:12:13,643 えっ? (ナディール/ミスリル)ヒヒッ。 182 00:12:13,643 --> 00:12:16,312 (ヴァレンタイン)大丈夫です。 お任せしますよ。 183 00:12:16,312 --> 00:12:19,482 その間 アンの分も頑張りますから。 184 00:12:19,482 --> 00:12:21,817 俺たちは 俺たちの仕事をする。 185 00:12:21,817 --> 00:12:24,153 アンタは アンタの仕事をしろ。 186 00:12:24,153 --> 00:12:26,822 (キング)そのとおり。 もうひと踏ん張りしようぜ! 187 00:12:26,822 --> 00:12:29,992 なっ! (ナディールたち)おう! (ヴァレンタイン)はい。 188 00:12:29,992 --> 00:12:33,496 《やらなきゃ。 私は 私の仕事を。 189 00:12:33,496 --> 00:12:36,196 勝たなきゃ みんなのためにも》 190 00:12:42,505 --> 00:12:46,008 砂糖菓子 食べてもらえるといいな。 191 00:12:46,008 --> 00:12:48,511 どちらのも食べない可能性もある。 192 00:12:48,511 --> 00:12:50,846 そうね…。 193 00:12:50,846 --> 00:12:53,683 でも 食べさせる自信があるから 194 00:12:53,683 --> 00:12:56,519 ヒューは提案したんじゃないかな。 195 00:12:56,519 --> 00:12:58,521 妖精にとって 砂糖菓子は 196 00:12:58,521 --> 00:13:00,821 それほど 魅力的なものなんでしょう? 197 00:13:05,027 --> 00:13:07,863 自分にとって 意味のある形で 198 00:13:07,863 --> 00:13:11,300 美しければ 美しいほど 香りは甘い。 199 00:13:11,300 --> 00:13:14,303 吸い寄せられる衝動は 200 00:13:14,303 --> 00:13:17,473 愛しいものに 口づけしたくなるのに似ている。 201 00:13:17,473 --> 00:13:19,642 (アン)ノアにとっては そんなの 202 00:13:19,642 --> 00:13:22,812 ハーバート様以外に あるのかな…。 203 00:13:22,812 --> 00:13:25,481 もう寝ろ。 明日は忙しい。 204 00:13:25,481 --> 00:13:27,984 シャルは? ソイツを見ておく。 205 00:13:27,984 --> 00:13:32,154 そんな シャルだけ起きてるなんて…。 206 00:13:32,154 --> 00:13:34,156 大切な勝負をするんだろう。 207 00:13:34,156 --> 00:13:36,826 でも… あっ。 208 00:13:36,826 --> 00:13:41,831 また おやすみのキスが必要か? 209 00:13:41,831 --> 00:13:44,031 必要なら してやるが。 210 00:13:49,005 --> 00:13:52,842 寝ろ。 211 00:13:52,842 --> 00:13:55,011 お… おやすみ。 212 00:13:55,011 --> 00:13:58,711 (ドアの開閉音) 213 00:14:04,854 --> 00:14:09,692 (サリム)子爵。 アンが 朝食を持ってきてくれましたよ。 214 00:14:09,692 --> 00:14:11,992 また こんなに散らかして…。 215 00:14:15,631 --> 00:14:17,800 (片づける音) 216 00:14:17,800 --> 00:14:21,137 本は大切にと お願いしましたよね。 217 00:14:21,137 --> 00:14:23,306 貸し出してくれた教父にも 気をつけろと 218 00:14:23,306 --> 00:14:25,474 言われているんです。 219 00:14:25,474 --> 00:14:28,477 返却に行く 私の身にもなってください。 220 00:14:28,477 --> 00:14:31,314 気をつけろってのは そういう意味じゃない。 221 00:14:31,314 --> 00:14:33,816 誰にも見せるなってことだ。 222 00:14:33,816 --> 00:14:37,486 ここにあるのは 俺に 爵位がなければ閲覧できない 223 00:14:37,486 --> 00:14:39,822 いわゆる禁書ばかりだからな。 224 00:14:39,822 --> 00:14:43,159 禁書? な… 何が書いてあるの? 225 00:14:43,159 --> 00:14:46,159 敵に 塩を送るわけにはいかないな。 226 00:14:48,664 --> 00:14:51,167 何を作るか もう決めたか? 227 00:14:51,167 --> 00:14:53,836 う… ううん まだ…。 228 00:14:53,836 --> 00:14:56,005 早くしろよ。 229 00:14:56,005 --> 00:14:58,507 わかってる。 230 00:14:58,507 --> 00:15:00,843 そうだ アン 朝食のあとに 231 00:15:00,843 --> 00:15:03,243 行きたい所があるんだが。 232 00:15:08,684 --> 00:15:11,120 ノア ちょっといいかしら。 233 00:15:11,120 --> 00:15:14,123 あなたと 話したいって人がいて…。 234 00:15:14,123 --> 00:15:16,792 (ノア)ん… あ…。 235 00:15:16,792 --> 00:15:18,794 (ヒュー)邪魔するぞ。 236 00:15:18,794 --> 00:15:21,630 銀砂糖子爵の ヒュー・マーキュリーだ。 237 00:15:21,630 --> 00:15:24,467 えっ 銀砂糖子爵様? 238 00:15:24,467 --> 00:15:27,636 う…。 そのままでいい。 239 00:15:27,636 --> 00:15:30,639 それより 少し聞きたいことがある。 240 00:15:30,639 --> 00:15:33,309 えっ? 241 00:15:33,309 --> 00:15:36,645 ハーバート殿は チェンバー家の紋章に恥じぬ 242 00:15:36,645 --> 00:15:39,482 立派な方だったか? はい。 243 00:15:39,482 --> 00:15:42,485 フィッフが好きだったと聞くが。 244 00:15:42,485 --> 00:15:45,488 はい。 失礼ながら 245 00:15:45,488 --> 00:15:49,825 あまり お上手では ありませんでしたが…。 246 00:15:49,825 --> 00:15:53,496 上手ではなかった? はい。 247 00:15:53,496 --> 00:15:56,665 だから 相手をするのも 僕だけで…。 248 00:15:56,665 --> 00:15:59,502 ん… そうか。 249 00:15:59,502 --> 00:16:02,505 よし わかった 邪魔したな。 250 00:16:02,505 --> 00:16:05,205 あとで礼に いいものを持ってきてやる。 251 00:16:07,176 --> 00:16:10,776 《アン:ノアにとって 意味があって 食べてくれるもの…》 252 00:16:12,948 --> 00:16:16,118 《ハーバート様の姿を 砂糖菓子で再現すれば 253 00:16:16,118 --> 00:16:18,454 喜ぶかもしれない。 254 00:16:18,454 --> 00:16:22,458 フィラックス公のときみたいに…。 255 00:16:22,458 --> 00:16:24,458 でも…》 256 00:16:27,630 --> 00:16:30,930 (グラディス)銀砂糖子爵と 勝負をするらしいな。 257 00:16:33,969 --> 00:16:36,138 あっ…。 なんだ? 258 00:16:36,138 --> 00:16:40,309 私に近寄るなと シャルに忠告でもされたのか? 259 00:16:40,309 --> 00:16:42,509 そういうわけじゃないけど…。 260 00:16:44,647 --> 00:16:49,151 う…。 フッ 心配しないでほしい。 261 00:16:49,151 --> 00:16:52,321 私は 彼と とても近い存在だ。 262 00:16:52,321 --> 00:16:55,491 ただ 私も 彼の真意が読めないから 263 00:16:55,491 --> 00:16:59,495 打ち明けられないだけでね。 近い? 264 00:16:59,495 --> 00:17:01,997 だから 私は 彼や 265 00:17:01,997 --> 00:17:05,334 彼の大事なものに 悪意は持たない。 266 00:17:05,334 --> 00:17:08,838 彼を傷つけるつもりもない。 267 00:17:08,838 --> 00:17:12,441 アン 私はね 彼と…。 (ドアの開く音) 268 00:17:12,441 --> 00:17:14,944 何をしてるの!? 269 00:17:14,944 --> 00:17:17,279 あ…。 フッ。 270 00:17:17,279 --> 00:17:20,449 なんでもない。 アンに 銀砂糖子爵との 271 00:17:20,449 --> 00:17:23,285 勝負について 聞いていただけだよ。 272 00:17:23,285 --> 00:17:26,956 勝負? 銀砂糖子爵と? 273 00:17:26,956 --> 00:17:30,156 本気? それしかないんです。 274 00:17:32,628 --> 00:17:36,465 勝てっこないのに どうして…。 275 00:17:36,465 --> 00:17:38,801 え…。 276 00:17:38,801 --> 00:17:40,803 行きましょう グラディス。 277 00:17:40,803 --> 00:17:43,703 あぁ。 またね アン。 278 00:17:48,310 --> 00:17:50,310 今のって…。 279 00:18:02,324 --> 00:18:05,160 (シャル)よくも 飽きずに眺めているな。 280 00:18:05,160 --> 00:18:07,160 何か思いついたか? 281 00:18:09,164 --> 00:18:12,268 なんにも…。 傷つけられて かわいそうだな 282 00:18:12,268 --> 00:18:15,771 とか もういないのに ずっと見てるなんて 283 00:18:15,771 --> 00:18:17,971 つらいな とか…。 284 00:18:20,276 --> 00:18:23,279 見えない何かがあるのかもな。 285 00:18:23,279 --> 00:18:27,116 アイツにしか見えない何かが。 286 00:18:27,116 --> 00:18:29,618 見えない何か…。 287 00:18:29,618 --> 00:18:34,123 そうね。 もし 昔を思い返すためだけなら 288 00:18:34,123 --> 00:18:36,123 ここまで来る必要はないもの。 289 00:18:38,127 --> 00:18:41,297 (アン)この肖像画には 何かがある。 290 00:18:41,297 --> 00:18:45,197 あるはずなのに 見えない 何かが…。 291 00:18:51,974 --> 00:19:03,319 ~ 292 00:19:03,319 --> 00:19:07,323 ねぇ シャル この肖像画って 下ろせる? 293 00:19:07,323 --> 00:19:09,323 あぁ。 294 00:19:16,432 --> 00:19:18,632 あっ…。 295 00:19:23,272 --> 00:19:26,609 (シャル)これは…。 (アン)紋章よね。 296 00:19:26,609 --> 00:19:29,445 チェンバー家の? こんなところに 297 00:19:29,445 --> 00:19:33,449 まだあったのか。 王家の目を免れて…。 298 00:19:33,449 --> 00:19:35,451 ノアも知ってたんだわ。 299 00:19:35,451 --> 00:19:38,621 これが ここに隠れていることを。 300 00:19:38,621 --> 00:19:40,956 紋章は貴族の誇り。 301 00:19:40,956 --> 00:19:45,794 唯一残った ハーバート様の心の形。 302 00:19:45,794 --> 00:19:48,194 これこそ ノアが見ていたもの…。 303 00:19:50,633 --> 00:19:54,303 シャル 私… これを作る。 304 00:19:54,303 --> 00:19:57,973 ん… 禁忌の紋章だ。 305 00:19:57,973 --> 00:20:01,477 ミルズランド王家が この世から存在を消している。 306 00:20:01,477 --> 00:20:06,315 それをよみがえらせるのか? 銀砂糖師のお前が。 307 00:20:06,315 --> 00:20:11,320 確かに 王家に逆らってるって 見なされるかもしれない。 308 00:20:11,320 --> 00:20:15,991 けど この紋章が 人の目に触れたからって何? 309 00:20:15,991 --> 00:20:18,827 チェンバー家の人は もういない。 310 00:20:18,827 --> 00:20:22,498 私は これを 王家のために作るわけじゃない。 311 00:20:22,498 --> 00:20:26,001 これを必要としている 人のために作るの。 312 00:20:26,001 --> 00:20:30,673 だって 求められる最上のものを 作るのが職人でしょ。 313 00:20:30,673 --> 00:20:33,676 誰かが求めている 可能性があるなら 314 00:20:33,676 --> 00:20:36,011 私は作る。 315 00:20:36,011 --> 00:20:39,848 怖いもの知らずだな。 王家を敵に回すなど。 316 00:20:39,848 --> 00:20:42,518 王家と ケンカするわけじゃないもの。 317 00:20:42,518 --> 00:20:45,187 わかってもらえないかも しれないけど 318 00:20:45,187 --> 00:20:47,787 だからって 作らないわけにはいかない。 319 00:20:50,526 --> 00:20:53,862 フッ…。 320 00:20:53,862 --> 00:20:56,862 作れ。 お前が作りたいものを。 321 00:20:58,867 --> 00:21:03,205 それで何が起こっても 必ず俺が守ってやる。 322 00:21:03,205 --> 00:21:06,305 誓う。 ずっとそばにいる。 323 00:21:17,152 --> 00:21:19,252 《シャルが守ってくれる…》