1 00:00:11,056 --> 00:00:13,058 (アン)先客が? あぁ。 2 00:00:13,058 --> 00:00:16,728 君たちより先に 2人ほどね。 さぁ 座って。 3 00:00:16,728 --> 00:00:20,065 (アン)ありがとうございます。 4 00:00:20,065 --> 00:00:25,236 ん? どうしたの? 3人とも。 こっち来て座らないの? 5 00:00:25,236 --> 00:00:28,239 (ジョナス)ちょっと アン! えっ 何? 6 00:00:28,239 --> 00:00:31,576 (ジョナス)人前で妖精と 食事するなんて非常識だよ。 7 00:00:31,576 --> 00:00:34,579 (アン)どうして? いつも一緒に食べてるじゃない。 8 00:00:34,579 --> 00:00:37,916 え? (ジョナス)いや 人が見てる前でだよ。 9 00:00:37,916 --> 00:00:41,920 私たち 旅の間 一緒に食事してきました。 10 00:00:41,920 --> 00:00:44,589 ここでも同じように させてもらえませんか? 11 00:00:44,589 --> 00:00:49,094 そうだねぇ… 私は気にしないほうなんだが。 12 00:00:49,094 --> 00:00:52,430 ほら君 今は別のお客も…。 13 00:00:52,430 --> 00:00:55,266 (ヒュー)構わないさ。 俺は気にしないぜ。 14 00:00:55,266 --> 00:00:57,936 よぉ お嬢ちゃん。 アンタ 名前は? 15 00:00:57,936 --> 00:00:59,938 アンよ。 アン・ハルフォード。 16 00:00:59,938 --> 00:01:03,108 (ヒュー)俺はヒュー。 遠慮はいらないぜ アン。 17 00:01:03,108 --> 00:01:05,108 アンタの好きにしな。 18 00:02:47,078 --> 00:02:52,083 なるほど。 ルイストンへ行くために この街道を通ってきたわけか。 19 00:02:52,083 --> 00:02:55,086 僕たちは ルイストンで開催される 20 00:02:55,086 --> 00:02:57,589 砂糖菓子品評会に 参加するつもりなんだよ。 21 00:02:57,589 --> 00:03:00,759 へぇ~ お前たち 砂糖菓子職人か。 22 00:03:00,759 --> 00:03:06,598 それにしては 労働妖精2人に 愛玩妖精とは ぜいたくしてるな。 23 00:03:06,598 --> 00:03:10,869 シャルは愛玩妖精じゃなくて 戦士妖精よ。 私の護衛なの。 24 00:03:10,869 --> 00:03:14,372 戦士妖精? ウソをつけ。 (アン)ウソじゃないわ! 25 00:03:14,372 --> 00:03:17,542 まぁまぁ 恥ずかしがらなくてもいいさ。 26 00:03:17,542 --> 00:03:21,212 こんな姿の妖精 連れ歩きたくなって当然だ。 27 00:03:21,212 --> 00:03:24,883 アンは この妖精に ほれたのか? だから買ったのか? 28 00:03:24,883 --> 00:03:28,583 (アン)そんなんじゃない! じゃ 試してみるか。 29 00:03:30,555 --> 00:03:34,058 (ミスリル)うわっ! (キャシー)キャッ! 30 00:03:34,058 --> 00:03:36,060 (アン)シャル! 31 00:03:36,060 --> 00:03:38,229 (サリム)やるな。 32 00:03:38,229 --> 00:03:40,231 (シャル)殺されたいのか? 33 00:03:40,231 --> 00:03:42,734 あいにく そこまで壊れてない。 34 00:03:42,734 --> 00:03:45,069 もういい サリム 剣を引け。 35 00:03:45,069 --> 00:03:47,739 なんてことするのよ この大バカ! 36 00:03:47,739 --> 00:03:50,742 私の連れにケガでもさせたら ただじゃおかないんだから! 37 00:03:50,742 --> 00:03:55,747 わりぃ わりぃ。 こ~んなベッピンの 戦士妖精なんて信じられなくてな。 38 00:03:55,747 --> 00:03:58,082 だからって こんなことする!? 39 00:03:58,082 --> 00:04:02,253 いやぁ だから謝るって。 そうだな… おわびに 40 00:04:02,253 --> 00:04:04,589 お前たちの分の宿代 出してやるよ。 41 00:04:04,589 --> 00:04:08,092 (アン)そんな ごまかし… って えっ 宿代? 42 00:04:08,092 --> 00:04:10,528 (ヒュー)あぁ 5人分全員だ。 43 00:04:10,528 --> 00:04:14,032 けど それじゃあ 俺のほうが損な気がするな。 44 00:04:14,032 --> 00:04:18,203 そうだ お前ら 俺に砂糖菓子を作ってくれよ。 45 00:04:18,203 --> 00:04:21,539 はぁ? 大きさは拳程度でいい。 46 00:04:21,539 --> 00:04:25,210 それで宿代がチャラになるんだ。 悪くないだろう? 47 00:04:25,210 --> 00:04:29,214 わかったわ。 そのかわり 絶対払ってよ。 48 00:04:29,214 --> 00:04:33,051 ジョナス 器を2つ取ってくれる? 49 00:04:33,051 --> 00:04:35,887 あぁ… うん。 ありがとう。 50 00:04:35,887 --> 00:04:39,057 その銀砂糖は 使って大丈夫なの? 51 00:04:39,057 --> 00:04:42,560 品評会に出す作品は これから作るんだろう? 52 00:04:42,560 --> 00:04:48,066 うん。 けど 量は十分あるし。 そっちの樽3つは使えないけどね。 53 00:04:48,066 --> 00:04:51,402 品評会に提出する分か。 54 00:04:51,402 --> 00:04:54,572 銀砂糖の精製技術も 問われるもんね。 55 00:04:54,572 --> 00:04:56,741 ほっ… と。 なんだか ワクワクするな。 56 00:04:56,741 --> 00:05:00,078 人前で技術を披露できるなんて 誇らしいよ! 57 00:05:00,078 --> 00:05:02,247 そうかなぁ。 よっ。 58 00:05:02,247 --> 00:05:06,084 実は ここだけの話 所属する派閥のオサに 59 00:05:06,084 --> 00:05:08,753 僕が推薦されるかもしれないんだ。 60 00:05:08,753 --> 00:05:11,356 ラドクリフ工房派の? うん。 61 00:05:11,356 --> 00:05:15,026 もちろん オサになるためには 王家勲章を授かって 62 00:05:15,026 --> 00:05:17,695 銀砂糖師に ならなくちゃいけないけど。 63 00:05:17,695 --> 00:05:20,031 え? じゃあ ジョナスも 64 00:05:20,031 --> 00:05:22,533 今回の品評会に参加したら? 65 00:05:22,533 --> 00:05:25,536 いや 僕は今回は見送り。 66 00:05:25,536 --> 00:05:28,539 でも 将来的には 絶対にならなくちゃ! 67 00:05:28,539 --> 00:05:32,043 そうしないと オサにも 銀砂糖子爵にもなれない。 68 00:05:32,043 --> 00:05:37,548 銀砂糖子爵? それって 王家専属の銀砂糖師のこと? 69 00:05:37,548 --> 00:05:39,717 ジョナスは そんなものになりたいの? 70 00:05:39,717 --> 00:05:43,221 なりたいよ! というか 僕は絶対になる! 71 00:05:43,221 --> 00:05:46,224 だって 庶民の僕が貴族になれるなんて 72 00:05:46,224 --> 00:05:48,559 これ以上のステキな夢はないだろう? 73 00:05:48,559 --> 00:05:53,898 だから アン。 僕と結婚してくれない? 74 00:05:53,898 --> 00:05:58,736 僕は銀砂糖子爵になって 君に幸せな生活を約…。 75 00:05:58,736 --> 00:06:00,738 ジョナス… ごめん。 76 00:06:00,738 --> 00:06:03,738 その話は よそう。 77 00:06:05,743 --> 00:06:08,579 (ヒュー)道具は こちらで用意させてもらった。 78 00:06:08,579 --> 00:06:13,518 砂糖菓子に色をつける必要はない。 作る形も2人に任せる。 79 00:06:13,518 --> 00:06:18,523 あなた何者? もしかして あなたも砂糖菓子職人なの? 80 00:06:18,523 --> 00:06:23,023 宿代を払ってほしいなら 黙って作れよ アン。 81 00:06:26,030 --> 00:06:29,033 《何を作ろう…。 82 00:06:29,033 --> 00:06:34,033 ママだったら きっと 銀砂糖そのものの色を生かして》 83 00:06:39,544 --> 00:06:44,716 ふ~ん。 2人とも かなり腕がいい。 84 00:06:44,716 --> 00:06:48,052 駆け出しって感じじゃないな。 ハハハ。 85 00:06:48,052 --> 00:06:50,054 だが…。 86 00:06:50,054 --> 00:06:53,057 あっ! 何するんだ! 87 00:06:53,057 --> 00:06:57,061 (ヒュー)見苦しいから 壊した。 88 00:06:57,061 --> 00:07:00,565 ジョナス お前は器用だが それだけだな。 89 00:07:00,565 --> 00:07:03,401 自分の技術を 見せびらかしたいだけで 90 00:07:03,401 --> 00:07:07,572 なんの工夫もない。 アンはジョナスよりマシだな。 91 00:07:07,572 --> 00:07:10,508 でも これはなんだ? 92 00:07:10,508 --> 00:07:15,013 まるで 誰かの作ったものを そっくりマネして作ったみたいだな。 93 00:07:15,013 --> 00:07:17,181 猿マネだ。 ハァッ…。 94 00:07:17,181 --> 00:07:20,351 キレイなだけで なんの魅力もない。 95 00:07:20,351 --> 00:07:22,353 こんなんじゃあ 2人とも 96 00:07:22,353 --> 00:07:25,690 銀砂糖師になるなんて 夢の また夢だな。 97 00:07:25,690 --> 00:07:30,695 まっ この砂糖菓子のカケラは もらっておく。 98 00:07:30,695 --> 00:07:34,032 俺のオヤツだ。 99 00:07:34,032 --> 00:07:37,035 じゃあな アン ジョナス。 100 00:07:37,035 --> 00:07:42,040 いい暇つぶしができて おもしろかったぜ。 101 00:07:42,040 --> 00:07:44,709 (キャシー)何がしたかったのよ あの男は!? 102 00:07:44,709 --> 00:07:47,545 ジョナス様 お気になさることありません! 103 00:07:47,545 --> 00:07:50,381 (ミスリル)そうだぜアン あんな男の…。 104 00:07:50,381 --> 00:07:54,381 おい アン! 待てよアン! アンったら! 105 00:07:59,223 --> 00:08:02,393 また ミノムシか。 (アン)何がおかしいの? 106 00:08:02,393 --> 00:08:06,064 人が落ち込んでるのが そんなにおもしろい!? フッ。 107 00:08:06,064 --> 00:08:09,000 何よ! 人の顔見て笑うわけ? 108 00:08:09,000 --> 00:08:11,502 どうせ 私みたいなかかしは 109 00:08:11,502 --> 00:08:14,672 何をしたって みっともないだけよ! 110 00:08:14,672 --> 00:08:19,010 人は一生 笑われることはない。 111 00:08:19,010 --> 00:08:24,682 俺たちと違って 常に変わっていく。 112 00:08:24,682 --> 00:08:30,688 お前は あと3年もたてば 驚くほどキレイになっているはずだ。 113 00:08:30,688 --> 00:08:35,359 この髪も 色の薄いキレイな金に変わり 114 00:08:35,359 --> 00:08:39,363 砂糖菓子を作る腕前も 変わっていく。 115 00:08:39,363 --> 00:08:43,701 砂糖菓子作りは もっと腕を磨くわ。 116 00:08:43,701 --> 00:08:46,704 絶対 上達してみせる。 117 00:08:46,704 --> 00:08:50,541 だけど 努力だけじゃ 変わらないものもあるでしょ。 118 00:08:50,541 --> 00:08:53,544 見え透いたウソの慰めなんか いらない。 119 00:08:53,544 --> 00:08:57,048 ウソじゃない。 知っている。 120 00:08:57,048 --> 00:08:59,050 俺が生まれたとき 121 00:08:59,050 --> 00:09:02,553 最初に目にしたのは 人間の子どもだった。 122 00:09:02,553 --> 00:09:06,724 お前と同じ髪色をした 5歳の女の子だ。 123 00:09:06,724 --> 00:09:12,997 俺は その子の視線があったから 生まれた。 124 00:09:12,997 --> 00:09:15,500 その女の子は リズ。 125 00:09:15,500 --> 00:09:18,503 エリザベスという名だった。 126 00:09:18,503 --> 00:09:21,005 貴族の娘だったリズは 127 00:09:21,005 --> 00:09:24,008 事情があって 世間から離れて暮らしていた。 128 00:09:24,008 --> 00:09:29,514 幼く 物を知らず 妖精の存在も知らなかった。 129 00:09:29,514 --> 00:09:34,519 だから俺のことを 自分の兄だと勘違いしたらしい。 130 00:09:34,519 --> 00:09:38,856 俺を自分の屋敷に連れ帰り かくまった。 131 00:09:38,856 --> 00:09:44,529 それから15年がたち リズの髪は色の薄い金になり 132 00:09:44,529 --> 00:09:48,533 そばかすも消え キレイな娘になった。 133 00:09:48,533 --> 00:09:53,037 だからわかる。 お前もリズのように変わっていく。 134 00:09:53,037 --> 00:09:55,540 それで? それでリズは? 135 00:09:55,540 --> 00:10:01,546 ずっと一緒にいたの? 今は どうしていないの? 136 00:10:01,546 --> 00:10:04,048 死んだ。 ハッ。 137 00:10:04,048 --> 00:10:07,648 殺された。 殺したのは人間だ。 138 00:10:10,555 --> 00:10:12,555 ごめん。 139 00:10:15,059 --> 00:10:18,659 もう寝ろ かかし。 140 00:10:23,568 --> 00:10:28,739 (ジョナス)あのヒューって人 約束どおり 宿代を払ってくれてたね。 141 00:10:28,739 --> 00:10:31,739 ねぇ アン 聞いてる? 142 00:10:35,746 --> 00:10:39,584 《シャルは 人間と友達にはなれないと言った。 143 00:10:39,584 --> 00:10:45,089 けれど 最初は 人間の女の子と心を通わせていた。 144 00:10:45,089 --> 00:10:49,594 私とママが過ごしたのと 同じだけの時間を…。 145 00:10:49,594 --> 00:10:55,600 シャルにとってリズは 家族と同じだったかもしれない。 146 00:10:55,600 --> 00:10:58,769 それを人間の手によって奪われた。 147 00:10:58,769 --> 00:11:03,608 人間が シャルの心を 凍らせてしまった》 148 00:11:03,608 --> 00:11:05,610 (寝息) 149 00:11:05,610 --> 00:11:07,612 今夜は冷えるね。 150 00:11:07,612 --> 00:11:11,112 俺たちは人間のように 寒さを感じない。 151 00:11:15,052 --> 00:11:19,552 《シャルの心を溶かす 魔法があればいいのに》 152 00:11:22,059 --> 00:11:27,565 《シャルとの約束… 約束の砂糖菓子を作ろう。 153 00:11:27,565 --> 00:11:30,067 甘い砂糖菓子が 154 00:11:30,067 --> 00:11:35,906 少しでもシャルの心を 温かくしてくれればいい》 155 00:11:35,906 --> 00:11:37,908 えっ。 156 00:11:37,908 --> 00:11:41,078 (物音) 157 00:11:41,078 --> 00:11:46,250 なっ なんで…。 158 00:11:46,250 --> 00:11:49,150 銀砂糖が… ない!? 159 00:11:51,088 --> 00:11:53,424 ウソ どうしてないの? 160 00:11:53,424 --> 00:11:55,426 何があった? 161 00:11:55,426 --> 00:11:58,763 銀砂糖がなくなってる。 162 00:11:58,763 --> 00:12:00,765 (シャル)なくなった? 163 00:12:00,765 --> 00:12:06,103 (アン)3樽は残ってる。 でも 作品を作る分の銀砂糖がない。 164 00:12:06,103 --> 00:12:08,272 アン? 何かあったの? 165 00:12:08,272 --> 00:12:11,172 アン!? (泣き声) 166 00:12:13,711 --> 00:12:18,049 (シャル)作品を作るための銀砂糖が なくなったらしい。 167 00:12:18,049 --> 00:12:21,886 えぇっ!? だって 銀砂糖は荷台に入れてただろう? 168 00:12:21,886 --> 00:12:25,556 鍵もかけてたし 誰も出入りできないじゃないか。 169 00:12:25,556 --> 00:12:29,727 (キャシー)いえ 出入りできます。 (ジョナス)どういう意味だ? キャシー。 170 00:12:29,727 --> 00:12:33,564 (キャシー)私 見たんです。 医者宿に泊まっていた夜 171 00:12:33,564 --> 00:12:37,568 アン様の荷台の窓から ミスリル・リッド・ポッドが出てくるのを! 172 00:12:37,568 --> 00:12:43,074 月明かりに体中がキラキラ光って 銀砂糖まみれの姿でした! 173 00:12:43,074 --> 00:12:45,076 ミスリルが? 174 00:12:45,076 --> 00:12:48,579 何だ何だ? うるさいなぁ。 175 00:12:48,579 --> 00:12:51,082 (ジョナス)ミスリル 降りてこい。 176 00:12:51,082 --> 00:12:54,251 おい! 俺は お前に 使役されてるんじゃないぞ! 177 00:12:54,251 --> 00:12:56,587 しかも 名前を略すな! 俺は…。 178 00:12:56,587 --> 00:13:00,091 降りてくるんだ! うっ! な… 何だよ。 179 00:13:00,091 --> 00:13:02,593 アンの銀砂糖がなくなったんだ。 180 00:13:02,593 --> 00:13:05,763 ミスリル お前盗んだろ? え? 181 00:13:05,763 --> 00:13:08,099 キャシーが見てたんだよ。 182 00:13:08,099 --> 00:13:10,368 (ミスリル)見てたって… うっ ウソつけ! 183 00:13:10,368 --> 00:13:14,872 なぁ アン。 盗んだのは俺じゃない。 キャシーがウソつきなんだ! 184 00:13:14,872 --> 00:13:17,375 キャシーがウソをついて なんの得があるんだ? 185 00:13:17,375 --> 00:13:19,377 人間め 黙れ! 186 00:13:19,377 --> 00:13:23,214 アン まさか お前まで 俺を疑ってないよな? 187 00:13:23,214 --> 00:13:26,217 俺じゃない。 誓って俺じゃないよ。 188 00:13:26,217 --> 00:13:28,219 私…。 えっ…。 189 00:13:28,219 --> 00:13:32,390 アン 俺を疑ってるんだな…。 190 00:13:32,390 --> 00:13:35,559 信じてくれないんだな アン。 191 00:13:35,559 --> 00:13:39,063 信じたいの。 でも信じてないじゃん! 192 00:13:39,063 --> 00:13:42,400 わかったよ。 アンが そんな目で俺を見るなら 193 00:13:42,400 --> 00:13:46,600 もう アンの前から消えてやる! ミスリル 待って! 194 00:13:48,572 --> 00:13:56,414 ハァー。 これじゃ もう 今年の品評会には参加できない。 195 00:13:56,414 --> 00:14:01,252 そうだ アン! 作品を1個作るだけでいいなら 196 00:14:01,252 --> 00:14:04,422 その分の銀砂糖を これから作ればいいじゃないか! 197 00:14:04,422 --> 00:14:08,092 ムチャよ。 そもそも 原料の砂糖林檎がない。 198 00:14:08,092 --> 00:14:10,027 大丈夫。 え? 199 00:14:10,027 --> 00:14:13,030 砂糖林檎はあるよ! 200 00:14:13,030 --> 00:14:17,034 ラドクリフ工房派の会合で 聞いたことがあるんだ。 201 00:14:17,034 --> 00:14:20,704 ブラディ街道沿いに 砂糖林檎の林があるって。 202 00:14:20,704 --> 00:14:23,541 銀砂糖を精製するのに 3日はかかる。 203 00:14:23,541 --> 00:14:28,041 けど 同時に今ある銀砂糖で 作品を作れば きっと間に合うよ! 204 00:14:33,551 --> 00:14:36,053 砂糖林檎! 205 00:14:36,053 --> 00:14:39,056 品評会まで あと5日。 206 00:14:39,056 --> 00:14:43,394 この先の宿砦からルイストンは近いし これなら…。 207 00:14:43,394 --> 00:14:45,563 大丈夫だよ アン。 208 00:14:45,563 --> 00:14:50,067 僕も砂糖菓子職人の 端くれだからね。 協力するよ。 209 00:14:50,067 --> 00:14:53,070 ありがとう ジョナス。 始めよう! 210 00:14:53,070 --> 00:15:24,702 ~ 211 00:15:24,702 --> 00:15:26,704 はい。 212 00:15:26,704 --> 00:15:28,706 ねぇ ミスリルは? 213 00:15:28,706 --> 00:15:30,708 消えた。 214 00:15:30,708 --> 00:15:32,710 どこかへ行っちゃったの? 215 00:15:32,710 --> 00:15:37,047 本当にアイツか? 本当にミスリルが盗んだのか? 216 00:15:37,047 --> 00:15:41,719 わからない。 本当は誰が 銀砂糖を盗んだかなんて…。 217 00:15:41,719 --> 00:15:45,556 とにかく私は作業を間に合わせる。 218 00:15:45,556 --> 00:15:49,894 言ったでしょ 今年の品評会には絶対に出たいの。 219 00:15:49,894 --> 00:15:52,594 作業に戻るわ。 220 00:15:54,565 --> 00:15:59,570 《品評会に提出する作品は 祝祭用の砂糖菓子。 221 00:15:59,570 --> 00:16:04,074 大きくて 華やかな…。 222 00:16:04,074 --> 00:16:06,577 ママ…》 223 00:16:06,577 --> 00:16:11,515 エマ:これは ママが作った財産。 誰にもあげられない。 224 00:16:11,515 --> 00:16:14,515 マネさせちゃいけないものよ。 225 00:16:16,520 --> 00:16:21,025 (ヒュー)まるで 誰かの作ったものを そっくりマネして作ったみたいだな。 226 00:16:21,025 --> 00:16:23,527 猿マネだ 227 00:16:23,527 --> 00:16:29,627 《じゃあ 何をどう作ればいいの? 私には わからない》 228 00:16:35,039 --> 00:16:39,043 よかったら この樽 銀砂糖を入れるのに使ってよ! 229 00:16:39,043 --> 00:16:41,712 湿気を防いでくれる 一級品だよ。 230 00:16:41,712 --> 00:16:44,548 でも 空の樽なら2つあるし…。 231 00:16:44,548 --> 00:16:47,551 わぁ~ 作るもの決まったんだね! 232 00:16:47,551 --> 00:16:50,220 やっぱりアンはすごいよ。 僕には わかる! 233 00:16:50,220 --> 00:16:54,391 きっと最高の作品ができるって! (アン)そうだといいんだけど…。 234 00:16:54,391 --> 00:16:58,395 僕も期待してる。 えっ? なっ 何!? 235 00:16:58,395 --> 00:17:01,065 君が好きなんだ。 236 00:17:01,065 --> 00:17:04,068 ハッ ヤダ! 237 00:17:04,068 --> 00:17:06,070 どうして? アン。 238 00:17:06,070 --> 00:17:10,174 私 ジョナスを好きってわけじゃない! 僕は好きなんだよ! 239 00:17:10,174 --> 00:17:14,011 それはジョナスの気持ちでしょう? 私の気持ちじゃない! 240 00:17:14,011 --> 00:17:16,513 そっか…。 あっ…。 241 00:17:16,513 --> 00:17:20,517 君が僕を好きになってくれてれば いいと思ったけど…。 242 00:17:20,517 --> 00:17:23,020 あっ ごめん 私…。 243 00:17:23,020 --> 00:17:26,020 ごめんね アン。 244 00:17:28,025 --> 00:17:31,862 アン様に一つ 忠告して差し上げます。 245 00:17:31,862 --> 00:17:33,864 どうしたの? 急に。 246 00:17:33,864 --> 00:17:37,368 ジョナス様が あなたに求婚したり 好きだと言っても 247 00:17:37,368 --> 00:17:39,870 いい気にならないことですね! え? 248 00:17:39,870 --> 00:17:43,874 ジョナス様が本気で あなたなんかに 恋するはずないじゃないですか! 249 00:17:43,874 --> 00:17:46,710 フン! キャシー あなた もしかして 250 00:17:46,710 --> 00:17:49,880 ジョナスのこと好きなの? なっ!? 251 00:17:49,880 --> 00:17:53,717 なな なな な… 何を非常識な! 252 00:17:53,717 --> 00:17:56,553 そっか そうだったんだ。 なな なななな…。 253 00:17:56,553 --> 00:17:59,556 妖精と人間の恋って 成就すればステキね。 254 00:17:59,556 --> 00:18:05,229 なっ!? あっ あなたって ホント バカ! 255 00:18:05,229 --> 00:18:07,231 フフッ。 256 00:18:07,231 --> 00:18:10,167 《キャシーは好きな人が 自分の羽を持ってるのね。 257 00:18:10,167 --> 00:18:12,367 それに比べて…》 258 00:18:14,338 --> 00:18:20,844 《妖精と人間の恋… シャルとリズは どうだったんだろう。 259 00:18:20,844 --> 00:18:25,516 なんだろう 胸が苦しい》 260 00:18:25,516 --> 00:18:29,019 私には関係のない話ね。 261 00:18:29,019 --> 00:18:35,025 《シャルが私と一緒にいるのは 彼の羽を私が握ってるからだし 262 00:18:35,025 --> 00:18:39,025 それも ルイストンに着いたら終わる》 263 00:18:41,031 --> 00:18:44,531 フゥー できた! 264 00:18:46,537 --> 00:18:49,037 《完璧なはずなのに…》 265 00:18:51,041 --> 00:18:53,043 ヒュー:猿マネだ 266 00:18:53,043 --> 00:18:57,214 《ううん 技術は完璧よ。 大丈夫。 267 00:18:57,214 --> 00:19:01,051 きっと 大丈夫よ…》 268 00:19:01,051 --> 00:19:03,220 終わったのか? 269 00:19:03,220 --> 00:19:05,222 今 乾かしてる。 270 00:19:05,222 --> 00:19:08,392 残りの銀砂糖を臼で挽いて 271 00:19:08,392 --> 00:19:13,163 明日 出発すれば 品評会前日にルイストンに到着できる。 272 00:19:13,163 --> 00:19:15,999 不思議だった。 ん? 273 00:19:15,999 --> 00:19:19,002 妖精市場で 初めてお前に会ったとき 274 00:19:19,002 --> 00:19:22,005 銀砂糖の甘い香りがした。 275 00:19:22,005 --> 00:19:25,008 それが どうしてなのか 不思議だった。 276 00:19:25,008 --> 00:19:29,012 そう? ドレスに染みついちゃってるのかな。 277 00:19:29,012 --> 00:19:31,515 指だ。 えっ? 278 00:19:31,515 --> 00:19:35,018 お前の指は 甘い香りがする。 279 00:19:35,018 --> 00:19:37,020 しないよ。 280 00:19:37,020 --> 00:19:39,020 俺にはわかる。 え~? 281 00:19:44,027 --> 00:19:47,531 そっか。 282 00:19:47,531 --> 00:19:49,533 アン! あっ…。 283 00:19:49,533 --> 00:19:53,704 アン すごいよアン! 完成したんだね 作品! 284 00:19:53,704 --> 00:19:57,040 あんな大きくて繊細な砂糖菓子 見たことないよ! 285 00:19:57,040 --> 00:20:00,377 王家勲章 間違いなしだ! ありがとう。 286 00:20:00,377 --> 00:20:03,714 ジョナスが砂糖林檎のことを 教えてくれたおかげだよ。 287 00:20:03,714 --> 00:20:06,049 こっちこそ ありがとうだよ。 288 00:20:06,049 --> 00:20:08,051 ん? 289 00:20:08,051 --> 00:20:10,888 私の馬車で何してるの? ジョナス。 290 00:20:10,888 --> 00:20:13,056 出発しようと思って! 291 00:20:13,056 --> 00:20:17,728 (アン)気が早いよ。 銀砂糖は まだ完成していないし。 292 00:20:17,728 --> 00:20:21,064 それにその馬 私のじゃない…。 293 00:20:21,064 --> 00:20:25,068 いいんだよ。 僕の馬のほうが速く走るから。 294 00:20:25,068 --> 00:20:27,070 ジョナス? (いななき) 295 00:20:27,070 --> 00:20:29,072 あっ。 296 00:20:29,072 --> 00:20:31,575 (ジョナス)君が僕を好きになって 結婚してくれれば 297 00:20:31,575 --> 00:20:33,577 こんなことしなくて済んだのにな。 298 00:20:33,577 --> 00:20:35,746 悪いのは君だ。 なんのつもりだ! 299 00:20:35,746 --> 00:20:38,415 だから いい気になるなと言ったのよ! 300 00:20:38,415 --> 00:20:40,584 キャッ… キャー! (いななき) 301 00:20:40,584 --> 00:20:42,753 イッタ… えっ 何これ!? 302 00:20:42,753 --> 00:20:46,153 ヤダ! 気持ち悪い! あっ! 303 00:20:49,927 --> 00:20:53,430 あっ! シャル 何これ? 304 00:20:53,430 --> 00:20:57,601 アイツらが おびき寄せた。 お前の砂糖菓子を奪うためにな。 305 00:20:57,601 --> 00:21:00,771 そんな! バイバーイ アン! 306 00:21:00,771 --> 00:21:03,273 シャル! ジョナスを追って! 307 00:21:03,273 --> 00:21:06,777 ここを離れたら お前はオオカミの餌だ! 308 00:21:06,777 --> 00:21:09,213 構わない 行って! 309 00:21:09,213 --> 00:21:12,382 シャル お願いよ! 砂糖菓子を取り戻して! 310 00:21:12,382 --> 00:21:15,052 断る! お願いよ! シャル! 311 00:21:15,052 --> 00:21:18,052 砂糖菓子を取り戻して!